JP5973670B2 - 分割ケース又はキャンド型電動冷却剤ポンプ - Google Patents

Description

本発明は、電動モータ及びポンプモジュールを備えた分割ケース又はキャンド型電動冷却剤ポンプに関する。

一般的に、冷却剤ポンプは、内燃機関、電子機器、アキュムレータ、インタークーラ、ターボチャージャなどを冷却する目的で、液状の冷媒を搬送するために役立つ。ポンプモジュールは電動モータによって駆動される。電動モータは分割ケース又は分離キャンを有し、該分離キャンは液状の冷却剤を保持する濡れ室を乾室から分離する。永久的に励磁されるモータロータは濡れ室内で回転し、そのロータはロータ軸上に配置されている。濡れ室は分離キャン／分割ケースによって乾室から分離され、乾室は電気的に整流されたモータステータを収容している。モータステータは多数のステータコイルによって形成されている。電気的な整流を目的としてモータロータの回転位置を検出するため、分離キャンではホールセンサが乾室内に備えられ、該センサはモータロータから離間している。

高度な制御品質のためには、非常に正確で且つ再現可能なホールセンサの位置決めが本質的なものとなる。何故なら、所望位置に対するホールセンサの位置の僅かなずれでさえ、作動中でのホールセンサの振動と同様に電気的な整流に悪影響を及ぼす。

CN 1941569からキャンドポンプが公知であり、該ポンプはセンサ受けを備え、該センサ受けにはモータロータの位置を検出するために複数の磁場センサが配置されている。ここで、センサ受けの開口はロータの回転軸と平行に向けられている。

また、文献JP 2001-304180はキャンドポンプを記載し、該ポンプはモータロータの位置を検出するために４つの誘導センサを備えている。これらセンサは分離キャンの領域に配置されている。

それ故、本発明の目的は、構造的に簡単で且つ安価に製造できるキャンド型電動冷却剤ポンプを提供することにあり、ここでは、モータロータの位置を検出するホールセンサがアクセスの困難の位置にあるとしても、特に、簡単、迅速且つ正確にしてホールセンサの位置決め且つ取り外しが可能である。

上述の目的は、本発明のキャンド型電動冷却剤ポンプによって達成され、該ポンプは請求項１に規定された特徴を有する。好適な実施形態及び有利な改良は従属請求項から明らかである。

キャンドポンプ、特にキャンド型電動冷却剤ポンプは、電動モータ及びポンプモジュールを有する。ポンプモジュールは電動モータによって駆動される。電動モータは分割ケース、特に分離キャンを備える。分離キャンは、液状の冷却媒体で満たされた濡れ室を乾室から分離し、該乾室は大気で満たすことができる。濡れ室には、回転し且つ永久的に励磁されるモータロータが位置付けられている。乾室には電気的に整流されたモータステータが位置付けられている。分離キャンの乾室側にはホールセンサが設けられ、該ホールセンサはセンサヘッド及び複数の堅固な接続線によって形成されている。

分離キャン上のホールセンサは、モータの回転位置、回転速度及び／又は所望なら、回転方向を正確に検出する目的で役立ち、モータ制御ための基本情報を供給する。好適な実施形態において、ホールセンサの信号は測定装置によって検出され、制御装置に供給される。該制御装置は電気的な整流子を介して対応したステータコイルを駆動する。

好適な実施形態においては位置決め要素が備えられており、該位置決め要素は複数の堅固且つ電気的な接続線を有する。位置決め要素の堅固且つ電気的な接続線はホールセンサの対応する接続線に例えば溶接によって接続されている。位置決め要素の接続線は電気的に絶縁された接続体によって保持されている。分離キャンの外側及び接続体のそれぞれには形状嵌合構造が備えられており、これら形状嵌合構造によって、接続体は規定位置にて分離キャンに固定されている。

両方の形状嵌合構造は、分離キャン上のホールセンサの位置決めに関して高い正確さで、その再現を可能にする。ホールセンサの再現可能且つ正確な位置決めは正確な定時(timed)整流を可能にする。正確な定時整流は、安全な作動ために高いフェールセーフや低い電力サージ、そして、潜在的には電動モータのための低パワーデザインをもたらす。

好適には、モータロータの位置を検出するホールセンサはモータステータと分離キャンとの間で径方向に位置付けられている。

整流の電子機器から発する浮遊磁場(stray field)が典型的にはステータにおける軸線方向の両端にて発生されるので、ロータステータとロータモータとの間で径方向にホールセンサを配置することは、有用な信号が比較的高いという利点をホールセンサにもたらす。これによって、測定信号の高い正確さや分解能(resolution)が達成される。

好適な実施形態において、ホールセンサに導く位置決め要素の接続線は所謂、打ち抜き櫛によって形成されている。打ち抜き櫛の形態の接続線は低コストで製造可能であるとともに堅固であり、そして、小さな信号を乱すことなく伝送するうえで大きな断面を有する。

好適には、接続体はプラスチック材料から射出成形される。射出成形された接続体は接続線又は打ち抜き櫛を一緒に保持し、位置決め且つロック固定を形成する。接続線又は打ち抜き櫛との一緒の保持に加えて、プラスチック材料は更に電気的な絶縁機能を有する。プラスチック材料は電気的な導体又は導電可能材料間での電気の流れを阻止し、これらの機械的な固定に役立つ。従って、信頼性のある位置決めや簡単な組み付けが容易に達成される。

組み付けの後、接続線は分離キャンの相補的な形状嵌合構造に接続される。従って、分離キャンの相補的な形状嵌合構造はホールセンサのための保持装置を形成する。

好ましくは、分離キャンには、ホールセンサの接続線を保持するために複数のガイドウエブが径方向に備えられている。これらガイドウエブは好ましくは分離キャンと一体に形成されている。

接続体の固定に加えて、また、径方向のガイドウエブはホールセンサのセンサヘッドの直近傍にて別の固定を提供する。一方では、ホールセンサの接続線を案内することはホールセンサのセンサヘッドの位置決めにおいて、正確な再現性を改善する。他方では、振動によって生じるホールセンサのセンサヘッドの動きや、この動きによって生じる信号取出しの乱れが殆ど排除される。

好ましくは、ホールセンサのセンサヘッドはセンサポケット内に有り、該センサポケットは分離キャン上に位置付けられている。センサポケットは少なくとも２つの径方向ガイドウエブによって形成され、これらガイドウエブは周方向に関してホールセンサのセンサヘッドを固定する。この配置によって、センサヘッドの変位及び振動、そして、整流に不正確さが回避可能となる。更にまた、センサポケットはホールセンサのセンサヘッドを機械的に保護する機能をなす。

一方にて、センサポケットは高い再現性で正確な位置決めを達成可能にする。他方、分離キャン上のホールセンサのセンサヘッドにとっては、より静的(static)且つ耐振動性の固定が実現される。

好適には、相補的な形状嵌合構造及び／又はセンサポケット及び／又はガイドウエブはプラスチック材料の分離キャンと一体に形成されている。一体成形の輪廓は実質的に曲げ剛性のある基本的な外観を有する。

一体的なデザインを提供することで、大きな力の吸収が吸収可能となり、接続作業が要求されない。更に、一体的なデザインはより経済的な製造を可能にする。

好適には、接続体は分離キャンの相補的な形状嵌合構造に対して、形状嵌合構造及び／又は圧力ばめ及び／又は接着によって固定されている。３つの全ての接続カテゴリは、公差無しの固定を保証する。付加的に、接着及び圧力ばめは、位置決め要素又は接続体の束縛を保証する。

他の実施形態において、打ち抜き櫛の接続線は分離キャンの複数の凹所に係合することで、嵌合接続がなされる。このようにして互いからの個々の接続線の安全な境界付けや、分離キャン上での固定が単一の作業工程にて実現され、簡単且つ経済的な組み付けが可能となる。

好適には、ホールセンサが相補的な形状嵌合構造で一旦組み付けられると、ホールセンサと相補的な形状嵌合構造との間に解除可能なロック接続が提供される。このことは例えばホールセンサが故障した場合、ホールセンサの取り外しを可能にする。分離キャンでのロック接続は、分離キャンに対する位置決め要素の迅速且つ有効な固定を可能にする。

好適な態様において、ホールセンサと分離キャンとの間の形状嵌合接続は分離キャンに対する所謂、熱かしめ、ホットかしめ又は接着によって補足されてもよい。記載された接続によれば、キャンド型冷却剤ポンプのモータロータ位置を検出するホールセンサに関し、正確、簡単、強固且つ永久的、そして安価な位置決めが実現される。

好適には、キャンドモータはその全体が内部ロータモータとして実現され、モータロータは分離キャン内に配置され、そして、モータステータは分離キャン壁の外側にある。

本発明の１つの実施形態が図１〜７を参照して、以下に詳細に説明される。

本発明のキャンド型電動冷却剤ポンプの斜視縦断面図である。 ホールセンサが取り付けられた位置決め要素を示す図である。 第１実施形態に係る分離キャン側の形状嵌合構造を示す図である。 位置決め要素と第１実施形態に係る分離キャン側の形状嵌合構造との組み付けを示す図である。 第２実施形態に係る分離キャン側の形状嵌合構造を示す図である。 位置決め要素と第２実施形態に係る分離キャン側の形状嵌合構造との組み付けを示す図である。

図１に示されたキャンド型(canned)電動冷却剤ポンプ１０は電動モータ２４を備え、該電動モータ２４はモータロータ２８とモータステータ３０とによって形成されている。モータローラ２８はモータ軸２８に配置され、該モータ軸２８ともに回転する。モータロータ２８は環状のモータステータ３０のステータコイルによって囲繞されている。モータロータ２８とモータステータ３０との間のギャップには分離キャン３６が位置付けられ、該分離キャン３６は濡れ(wet)室４２を分離キャン３６の外部に位置付けられた乾燥ステータ室２１ら分離し、濡れ室は分離キャン３６内に位置付けられ且つ搬送された冷却剤を流出させる。モータロータ２８はモータ軸４０を介してポンプモジュール２２に駆動可能に接続されている。モータロータ２８は分離キャン３６内の冷却剤中で濡れロータとして回転する。

ポンプモジュールから離れた分離キャン３６の端にはホールセンサ６４が設けられ、該ホールセンサ６４は、参照符号Ｅ（細部）の領域に位置付けられたモータロータ２８の位置を検出する。ホールセンサ６４は分離キャン３６に固定されている。

図２〜６は２つの異なる実施形態において、図１に示された細部Ｅを示す。

図２は位置決め要素６０を示し、該位置決め要素６０はホールセンサ６４に連結されている。分離キャン内の形状嵌合(form-fit)構造７８での位置決め要素６０の固定は、射出成形されたプラスチックの接続体７０によって実現されている。接続体７０からは複数の堅固な接続線６２がホールセンサ６４まで延びている。これら接続線６２は１つの打ち抜き櫛６８によって形成されている。ホールセンサ６４はセンサヘッド６６を備える。従って、ホールセンサ６４のセンサヘッド６６は堅固な接続線６２を経て接続体７０に機械的に接続されている。ホールセンサ６４と接続体７０との間の堅固な接続線６２は、センサヘッド６６と接続体７０との間の距離に亘って架け渡されている。

図３は、分離キャン内の形状嵌合構造７８の第１実施形態を図示する。該分離キャン内の形状嵌合構造７８は、径方向に突出し且つ軸線方向に延びる複数のガイドウエブ７４を示し、これらガイドウエブ７４内に位置決め要素６６の接続体７０がロック接続を経て係合する。好ましくは、ガイドウエブ７４は分離キャンと一体的、例えばプラスチック材料から型成形されている。位置決め要素６０の接続体７０を挿入するための外形に加えて、分離キャン内の形状嵌合構造７８は保護プラスチック材料のセンサポケット７６を有し、該センサポケット７６は、取り付けられたホールセンサ６４のセンサヘッド６６を挿入するためのものである。分離キャン３６上のセンサポケット７６は、ホールセンサ６４がモータステータ３０とモータロータ２８との間にてロータに可能な限り近接して径方向に配置されるように形成且つ位置付けられている。この位置において、モータロータ２８の回転速度及び／又は角速度はホールセンサ６４によって正確に検出可能となる。

図４に図示された組立体は、安全且つ正確で、組み付けや分解も簡単な接続を提供し、これにより、ホールセンサ６４の再現可能な位置決めが確保される。ホールセンサ６４の堅固な接続線６２及び位置決め要素６０の接続体７０は分離キャン３６上に備えられたガイドウエブ７４内に係合し、ホールセンサ６４、特に分離キャン３６上のセンサヘッド６６の低振動化や、その位置決めに関して正確な固定が保証される。

図５は、分離キャン内の形状嵌合構造７８の第２実施形態を図示する。また、該分離キャン内形状嵌合構造７８は、径方向に突出し且つ軸線方向に延びる複数の接続線ガイドウエブ７４を有し、形状嵌合構造７８内に位置決め要素６０の接続体７０が導かれ、そして、ロック接続によって固定される。２つの接続線ガイドウエブ７４は打ち抜き櫛の３つの接続線６８間に配置されている。第１実施形態と比べ、第２実施形態の分離キャン内の形状嵌合構造７８はセンサポケット７６を有していない。

図６は、分離キャン３６上での位置決め要素６０の組立体を示す。２つの接続線ガイドウエブ７４を用いることで、打ち抜き櫛の接続線６の安全な電気的分離が特に振動下にて実現される。更にまた、センサヘッド６６はセンサヘッドに近接し且つ大きな振動を許容して固定される。更に、ガイドウエブ７４の熱成形による固定は、センサの取り付け完了後に実施可能である。

１０ キャンド型冷却剤ポンプ
２０ 出口ノズル
２２ ポンプインペラ
２４ 電動モータ
２６ モータハウジング
２８ モータロータ
３０ モータステータ
３１ ギャップ
３２ 乾室
３８ 分離キャン／分割ケース
３８ 電子機器
４０ モータ軸
４２ 濡れ室
６０ 位置決め要素
６２ ホールセンサの接続線
６４ ホールセンサ
６６ センサヘッド
６８ 打ち抜き櫛
７０ 接続体
７２ 接続線
７４ ガイドウエブ
７６ センサポケット
７８ 形状嵌合構造

Claims (11)

1. 電動モータ（２４）及びポンプモジュール（２２）を備えたキャンド型電動冷却剤ポンプ１０）であって、
   前記ポンプモジュール（２２）は前記電動モータ（２４）によって駆動され、
   前記電動モータ（２４）は、搬送されるべき流体が提供される濡れ室（４２）を乾室（３２）から分離する分割ケース、特に分離キャン（３６）を備え、
   前記濡れ室（４２）内には永久的に励磁されるモータロータ（２８）が配置され、
   前記乾室（３２）内には電気的に整流されたモータステータ（３０）が配置され、
   前記分離キャン（３６）に関し、前記永久的に励磁されるモータロータ（２８）の位置を検出するホールセンサ（６４）が前記乾室（３２）内に備えられ、
   前記ホールセンサ（６４）はセンサヘッド（６６）と、複数の堅固な電気接続線（６２）とによって形成されている、キャンド型電動冷却剤ポンプにおいて、
   位置決め要素（６０）が備えられ、該位置決め要素（６０）は前記ホールセンサ（６４）の対応する接続線（６２）に堅固に接続された複数の堅固な電気接続線（７２）と、該位置決め要素の前記電気接続線（７２）を保持する電気的に絶縁の接続体（７０）とを備え、
   前記分離キャン（３６）の外側及び前記接続体（７０）のそれぞれに形状嵌合構造（７８）が備えられ、これら形状嵌合構造によって前記接続体（７０）が前記分離キャン（３６）上の規定位置に固定されることを特徴とする、キャンド型電動冷却剤ポンプ。
2. 前記モータロータ（２８）の位置を検出する前記ホールセンサ（６４）は、前記モータステータ（３０）と前記分離キャン（３６）との間にて径方向に位置付けられている、請求項１に記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
3. 前記ホールセンサ（６４）に導く前記位置決め要素（６０）の前記接続線（６２）は打ち抜き櫛（６８）によって形成されている、請求項１に記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
4. 前記接続体（７０）はプラスチック材料の本体として実現されている、請求項１〜３の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
5. 前記ホールセンサ（６４）の前記接続線（６２）を保持する目的で、前記分離キャン（３６）上に径方向のガイドウエブ（７４）が備えられている、請求項１〜４の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
6. 前記ホールセンサ（６４）の前記センサヘッド（６６）は前記分離キャン（３６）の分離したセンサポケット（７６）内に位置付けられている、請求項１〜５の何れかに記載の請求項１〜５の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
7. 前記形状嵌合構造（７８）及び／又は前記センサポケット（７６）及び／又は前記ガイドウエブ（７４）は前記分離キャン（３６）と一体に形成されている、請求項１〜６の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
8. 前記接続体（７０）は、該接続体（７０）の前記形状嵌合構造（７８）が前記分離キャン（３６）の相補的な前記形状嵌合構造（７８）に嵌合された状態で、前記分離キャン（３６）の前記形状嵌合構造（７８）に固定されている、請求項１〜７の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
9. 前記接続体（７０）の前記形状嵌合構造（７８）は前記分離キャン（３６）の前記形状嵌合構造（７８）に対し、取り外し可能なロック接続を形成する、請求項１〜７の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
10. 前記接続体（７０）の前記形状嵌合構造（７８）は、前記分離キャン（３６）の前記形状嵌合構造（７８）が接続体（７６）の前記形状嵌合構造（７８）に対して熱かしめ又は接着された状態で、前記分離キャン（３６）の前記形状嵌合構造（７８）に取り付けられている、請求項１〜７の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。
11. 前記モータロータ（２８）は内部ロータとして構成され、前記モータステータ（３０）は外部ステータとして構成されている、請求項１〜１０の何れかに記載のキャンド型電動冷却剤ポンプ。

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