JP2012244855A - 始動発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度の高い回転位置信号を得ることができ、磁気センサの信頼性を向上させ、製造コストの低減を図ることができる始動発電機を提供する。
【解決手段】ヨーク部の内側にロータ磁石を環状に装着したロータ1と、ロータ1の内側に静止して配設され、発電コイル23をステータコア22に巻装した複数の突極部21を有したステータ20と、を備える。ステータ20に取り付けられた磁気センサ14によりロータ1の回転位置を検出してその検出信号を出力する。磁気センサ14はステータ20に取り付けた基板ケース11内の回路基板12に実装される。磁気センサ14に対し端部を対向して配置した磁性体の案内子13が、基板ケース11からステータ20の各突極部21のステータコア22間の隙間に挿入して配設される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車等のエンジンに搭載され、エンジンの始動、点火、及び搭載バッテリの充電等に使用される始動発電機に関する。
自動二輪車等のエンジンに搭載される始動発電機は、基本的には、回転子が中央にボス部を有したカップ状に形成され、その外周壁を形成するヨーク部の内側に沿って、複数に分割形成された環状のロータ磁石が装着され、固定子が回転子の内側に、発電コイルを巻装した複数の磁極部を放射状に配置して構成され、回転子のボス部がエンジンのクランク軸に嵌合固定される。
また、この種の始動発電機は、エンジンの始動時、スタータ用のブラシレスモータとして使用されるので、例えば、下記特許文献1に記載されるように、モータドライバ用の回転位置信号を発生させるために、回転位置検出センサが設けられ、さらに、エンジンの点火時期を示す点火時期基準信号を発生させるために、点火時期検出センサが設けられる場合がある。
しかし、このような回転検出センサを有した始動発電機は、固定子の内周部に回転位置検出センサ及び点火時期検出センサが取り付けられ、これらの回転検出センサに対向して、回転子のボス部の周面に、回転位置検出用環状マグネットが設けられ、さらに点火時期検出センサに対向して点火時期検出用環状マグネットが設けられる。このため、マグネット等の部品点数が増大する共に、回転子及び固定子の軸方向の厚さ寸法が増大し、また、環状マグネットの着磁位置の誤差等により、正確な回転位置信号や点火時期信号の検出が阻害され易いという課題があった。
特開2003-148317号公報 特開2009-89588号公報
そこで、従来、回転位置検出用環状マグネット及び点火時期検出用環状マグネットを設けることなく、回転子のマグネットと磁気センサを用いて、回転位置信号と点火時期信号を発生させる始動発電機が、上記特許文献2等により提案されている。この始動発電機は、回転子のマグネットにおける磁束の切換を磁気センサで検出するために、固定子のステータコアに複数の切欠凹部を設け、それらの切欠凹部内に磁気センサを挿入すると共に、回転子の1個のマグネットの一部に、隣接するマグネットと同じ極性の磁極部を設け、その磁極部とそれに対向する磁気センサにより点火時期検出信号を発生させるように構成される。
しかしながら、この始動発電機は、複数の磁気センサが、固定子のステータコアに設けた深さの深い複数の切欠凹部内に挿入され、磁気センサを保持する回路基板が切欠凹部の上方(ステータコアの外側)に取り付けられる。このために、磁気センサがそのリード線脚部を長くした状態で取り付けられ、エンジンが発生する振動によって、リード線脚部の長い磁気センサが振られ、磁気センサの信頼性が低下するという課題があった。
また、固定子のステータコアに磁気センサ挿入用の切欠凹部を設けているので、固定子の磁気特性が悪化しやすく、さらに、発電機の製造時、切欠凹部を形成するために切欠凹部成形用の成形型を必要とし、マグネットの一部に隣接するマグネットと同じ極性の磁極部を設ける作業等が必要となり、製造コストが高くなるという課題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、精度の高い回転位置信号等を得ることができると共に、磁気センサの信頼性を向上させ、製造コストの低減を図ることができる始動発電機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の始動発電機は、中央にボス部を設けてカップ状に形成されたロータ本体の外周壁にヨーク部を形成し、ヨーク部の内側にロータ磁石を装着したロータと、該ロータの内側に静止して配設され、発電コイルをステータコアに巻装した複数の突極部を有したステータと、を備え、該ステータに取り付けられた磁気センサにより該ロータの回転位置を検出してその検出信号を出力する始動発電機において、該磁気センサは該ステータに取り付けた基板ケース内の回路基板に実装され、該磁気センサに対し端部を対向して配置した磁性体の案内子が、該ステータの各突極部のステータコア間の隙間に挿入されるように該基板ケースに取り付けられたことを特徴とする。
この発明によれば、ロータの回転に伴う磁極の切換の磁束変化を、案内子を通して磁気センサに印加するようにし、ホールIC等の磁気センサは基板ケース内の回路基板に実装されるので、磁気センサのリード線脚部を長くする必要はなく、磁気センサを安定して基板実装することができ、エンジンの振動による磁気センサの振れに伴う信頼性の低下を防止することができる。
さらに、磁気センサはステータの熱影響を受けにくい基板ケース内に収納されるので、磁気センサの熱影響による性能の悪化を防止することができ、加えて、比較的安価な実装用の磁気センサを使用することができるので、製造コストを削減することができる。
また、ステータの各突極部のステータコア間の隙間に、案内子のみを基板ケースの底部から挿入すればよいため、従来のように磁気センサを配置するための特別の切欠凹部をステータコアに設ける必要がなく、切欠凹部形成用の成形型が不要となって、製造時の型費を削減して、製造コストを下げることができる。
ここで、上記始動発電機において、上記ロータのロータ磁石は、異なる極の磁極部が交互に環状に配置されて形成され、1つの磁極部の軸方向の長さが隣接する磁極部より短い短磁極部が形成される一方、複数の磁気センサの案内子が前記ステータの各突極部のステータコア間に配置されると共に該ロータ磁石の全磁極部に達して配置され、該複数の磁気センサのうちの1個の磁気センサに対向する案内子の長さが、該短磁極部の端部に達しない程度に短い短案内子として形成することができる。
この発明によれば、ロータの1個の短磁極部が、短案内子の位置に達したとき、短案内子には磁束の切換変化が生じないため、ロータの回転時、隣接するロータ磁極の磁極部間で、連続する低レベル信号または高レベル信号を点火時期検出信号として発生させることができる。
また、上記ロータの短磁極部近傍には、回転バランス用錘部材を該短磁極部の短小部を補う位置に配置することが好ましい。これによれば、隣接する磁極部より短い短磁極部によるロータの回転方向のアンバランス状態を解消することができる。
また、上記案内子は、磁性体の帯状金属板の上端を略直角に曲折した曲折上端部を設けて形成され、該曲折上端部が前記磁気センサに対向して配置され、該曲折上端部に固定孔を穿設して構成することができる。
この案内子を基板ケースの定位置に取り付ける場合、基板ケース底部に設けたスリットから案内子を外側に挿通させるようにし、基板ケース底部に突設した割れピン部を固定孔に嵌合させて固定することができる。これにより、案内子の曲折先端部を磁気センサに正確に対向配置させた状態で、案内子を簡単に基板ケースに固定することができる。
また、上記基板ケースには、ターミナルを取り付け、該ターミナルの一端を上記回路基板に接続し、該ターミナルの他端を該基板ケースの外側に突出させることが好ましい。これによれば、検出信号出力用のワイヤケーブルを基板ケースの外部で簡単に接続することができ、基板ケースなどの部品を組み付ける際の作業性を改善することができる。
上記構成の始動発電機によれば、精度の高い回転位置信号等を得ることができると共に、磁気センサの信頼性を向上させることができ、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の一実施形態を示す始動発電機の正面図である。 エンジンのクランク軸に取り付けた状態の始動発電機の中央断面図である。 ステータコアに対する磁気センサの基板ケースと案内子に位置を示す部分拡大断面図である。 基板ケースと案内子の部分拡大断面図である。 磁気センサの回路基板及び案内子と基板ケースの分解斜視図である。 磁気センサの回路基板及び案内子と基板ケースの分解斜視図である。 (a)はロータ磁石の磁極部、短磁極部、及び案内子、短案内子との関係を示す説明図、(b)は他の例の同説明図である。 回転位置検出信号、点火時期信号を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は始動発電機の正面図を示し、図2はその中央縦断面図を示している。ロータ1は、中央にボス部3を有し、その外周部を囲うようにヨーク部2を設けてカップ状に形成され、ヨーク部2及びボス部3は、磁性体金属を材料にして、例えば熱間鍛造及び切削加工によって製作される。ロータ1の中央のボス部3には、エンジンのクランク軸9に嵌着されるテーパ孔が形成され、ボス部3の先端には平坦な締付座面が形成され、ヨーク部2の内側には、例えば4分割された円弧状のロータ磁石4が環状に配設される。環状に配設されたロータ磁石4は、ヨーク部2の内側にスペーサを介して所定の位置に保持され、その内側に円筒状の保護カバー5が嵌着され、ヨーク部2の端部に形成したかしめ部を内側にかしめて所定位置に固定される。
1個のロータ磁石4は、例えば90度の角度幅で平面円弧状に形成され、そのなかに3個の磁極部4aが30度幅で形成され、隣接する磁極はN・S・NまたはS・N・Sのように相互に相違する磁極となるように帯磁される。これにより、ロータ1のロータ磁石4は、その全体で12極の磁極部を円環状に配置して構成される。
また、12極の磁極部からなるロータ磁石4は、そのうちの1個の磁極部が、点火時期検出信号を発生させるために、他の磁極部4aより軸方向の長さが短い短磁極部4bとして配置されている。この短磁極部4bの長さは、図7(a)に示すように、後述するセンサユニット10に設けた案内子13の短い短案内子13aが、該短磁極部4bの端部に達しない程度に、短く形成されている。つまり、ロータ磁石4のS極の一部に切欠凹部を形成することにより、短磁極部4bを形成し、短案内子13aの長さは、短磁極部4b以外の磁極部4aに達するが、短磁極部4bには達しない状態に短く形成されている。
これにより、ロータ磁石4の1個の短磁極部4bが、センサユニット10の短案内子13aの位置に達したとき、短案内子13aの磁気センサ14dには磁束の切換変化が生じないため、ロータ磁石4の隣接する磁極部4a間で、図8に示す如く、連続する低レベル信号または高レベル信号を点火時期信号として発生させることができるようになっている。
また、このロータ磁石4の短磁極部4bは、従来のように磁極部の一部を異なる磁極に帯磁させた特殊加工のロータ磁石を使用する必要がなく、切欠凹部を設けた安価な永久磁石或いは上端を無着磁部とした安価な永久磁石を使用して、短磁極部4bを製造することができるので、ロータ磁石4を安価に製造することができる。
なお、図7(b)に示すように、ロータ1のロータ磁石4の短磁極部4b近傍、つまり短磁極部4bの切欠対応部分に、非磁性体または無着磁磁石からなる回転バランス用錘部材4c(例えばオーステナイト系ステンレスの部材)を、短磁極部4bの短小部を補う位置に配置することが好ましい。これによって、隣接する磁極部4aより短い短磁極部4bによるロータ1の回転方向のアンバランス状態が解消される。
上記構成のロータ1は、図2のように、エンジンのクランク軸9の先端に、そのボス部3を嵌合させ、固定ボルトまたは固定ナットをクランク軸9の先端にねじ込み、固定される。ロータ1のボス部3のテーパ孔をクランク軸9の先端にはめ込む場合、クランク軸9のテーパ部の外周に取り付けたキーをロータ側のキー溝に嵌入することにより、ロータ1はエンジンのクランク軸9に対し所定の角度位置関係を設定し嵌合固定される。
一方、始動発電機のステータ20は、図1、図2に示すように、ステータコア22の外周部に突設された複数の突極部21に、各々発電コイル23を巻装して構成される。ステータコア22は、所定の形状、つまり環状の継鉄部24の外周部に複数の突極部21を設けた形状に打ち抜いた複数の鋼板を積層し、それをリベットにより固定して形成される。最前面の鋼板と背面の鋼板における突極部21の先端は外側にフランジ状に曲折され、その部分に巻装する発電コイル23の保持機能を持たせている。各突極部21には発電コイル23が巻線機により順に所定のターン数巻回され、図1のように、その口出し線にワイヤハーネス8が接続される。
さらに、ステータ20には、ロータ1の回転位置を検出してその回転位置検出信号及び点火時期信号を発生させるために、ホールIC等の磁気センサ14及び案内子13を備えたセンサユニット10が所定位置に取り付けられる。センサユニット10は、図3〜図6に示すように、基板ケース11内に磁気センサ14を面実装した回路基板12を収納し、基板ケース11の底部に4本の案内子13,13aを磁気センサ14に対応して取り付けて、構成される。
基板ケース11は図5などに示すように、略扇形の箱状に、合成樹脂を用いて一体成形され、基板ケース11内底部には、内部に収納される回路基板12を固定するために、回路基板12固定用の割れピン部11bが突設される。回路基板12には固定孔12aが設けられ、この固定孔12aを割れピン部11bに嵌め込み、回路基板12が基板ケース11内の所定位置に固定される。
また、回路基板12には4個の磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)が面実装されるが、これらの磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)には、ロータ1のロータ磁石4の磁束変化を検出するように、4本の案内子13及び短案内子13aが、基板ケース11底部に、それらの曲折先端部13bに磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)に対向させて、取り付けられる。さらに、これらの4本の案内子13及び短案内子13aを、基板ケース11の底部の所定位置に突き出す形態で取り付けるために、その底部に4本のスリット11cが設けられ、さらに、それらのスリット11cを下側から包囲するように、4本の案内子カバー部15が基板ケース11の底部から下方に突設されている。
案内子カバー部15は、図5,6に示すように、横断面を略T字状に、幅広部と狭幅部を有して形成され、図3に示すように、その狭幅部はステータコア22の各突極部間の隙間に挿入され、その幅広部はステータ20とロータ1の隙間に挿入されるように形成され、案内子カバー部15の狭幅部内に案内子13及び短案内子13aが挿入されている。
つまり、これらの案内子カバー部15には、図4に示すように、各々、基板ケース11内からスリット11cを通して案内子13、短案内子13aが挿入され、各案内子13、短案内子13aの上端部は、回路基板12に面実装された4個の各磁気センサ14に正確に対向して配置される。これにより、各磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)は、案内子13、短案内子13aを通してロータ1のロータ磁石4の回転に伴う磁束変化を検出するようになっている。
なお、案内子カバー部15は案内子を覆ってステータコアなどとの干渉から保護するために設けられるが、機能的には、案内子カバー部を使用せずに、案内子13、短案内子13aをそのまま基板ケース11から突き出すようにすることもできる。
案内子は、磁性体である帯状金属板(例えば細い鋼板)の上端を直角に曲折して曲折上端部13bを設け且つ所定の長さを有して形成され、特に4本の案内子のうちの1本の案内子の長さは図6,7に示すように短く、短案内子13aとして形成される。また、各案内子13と短案内子13aの曲折上端部13bには、固定孔13cが設けられ、図4に示すように、基板ケース11内の底部に突設した割れピン部11aに、この固定孔13cを嵌め込み、案内子13、短案内子13aを所定位置に取り付ける構造となっている。
なお、案内子13及び短案内子13aの先端は、上記のように曲折上端部を設けずに、直線形状とし、その平坦な上端面をそのまま上記磁気センサ14に対向させて配置することもできる。その場合、案内子13、短案内子13aの上端は、幅広形状とし、上端面の面積を増大させることが望ましい。
また、回路基板12の電気接続のために、図4に示す如く、ターミナル16が基板ケース11の底部を貫通して取り付けられ、ターミナル16の先端は回路基板12に固着される。
案内子13、短案内子13a、及び磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)を実装した回路基板12を基板ケース11内に取り付ける場合、図5,6に示すように、先ず、案内子13及び短案内子13aを基板ケース11の内側からその底部の各スリット11cに挿入し、各案内子13及び短案内子13aの曲折先端部13bに設けた固定孔13cを割れピン部11aに嵌め込み、次に、基板ケース11内の案内子の上に回路基板12を水平に入れ、回路基板12の固定孔12aを基板ケース11内の割れピン部11bに嵌め込む。なお、このとき、ターミナル16のケース内の先端部は回路基板12の所定位置に半田付け等で固着するように接続する。
これにより、各案内子13及び短案内子13aはその下部を基板ケース11底部のスリット11cから下方の案内子カバー部15内に挿入して、定位置に固定され、回路基板12の下面に実装された各磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)は、僅かな隙間を介して、案内子13、短案内子13aの各曲折上端部13bの真上に配置固定される。
このような組み付け作業は、基板ケース11の底部に設けた割れピン部11a,11bに、回路基板12の固定孔12a及び各案内子13の固定孔13cを嵌め込むのみの作業で、簡単に行うことができる。そして、基板ケース11内にターミナル16、案内子13、短案内子13a、及び回路基板12を組み付けた状態で、基板ケース11内にモールド樹脂が充填され、ケース内は樹脂モールドされる。また、基板ケース11の底部に突き出したターミナル16の外側端には、検出信号用のワイヤハーネスが接続される。
上記構成のセンサユニット10は、図1のように、ステータ20の正面(クランク軸9に対する垂直面)に、固定ねじ17により締付固定されるが、このとき、基板ケース11の底部に突出した各案内子カバー部15を、図3のように、ステータ20の突極部21と突極部21との間に、正確に嵌入して固定される。これにより、各案内子カバー部15内の案内子13、短案内子13aは、各突極部21のステータコア22とステータコア22の間に、正確に安定して挿入される。また、ステータ20の定位置に装着された短案内子13aは、ステータ20をエンジンカバー27に固定した際、図7に示すように、ロータ磁石4の磁極部4aには達するが、短磁極部4bの端部に達しない位置に配置される。
一方、ステータコア22の中央部の継鉄部24には固定孔が穿設され、その固定孔に固定ねじ26が挿通され、その固定ねじ26によって、図1のようにステータ20はエンジンカバー27の内側に固定される。ロータ1は、図2のように、エンジンのクランク軸9の先端に、その短磁極部4bを所定の角度位置として固定され、この状態で、上述のように、センサユニット10の案内子13はロータ磁石4の全ての磁極部4a及び短磁極部4bの端部に達し、短案内子13aは磁極部4aには達するが、短磁極部4bに達しない位置に配置される。
このように構成された始動発電機は、エンジンの始動時、ブラシレスモータとして機能し、図示しないモータドライバからUVW各相の電流がステータ20の各突極部21のコイルに供給され、それによりロータ1が回転するが、このとき、センサユニット10の磁気センサ14によって検出された回転位置検出信号がモータドライバに送られ、ブラシレスモータとして始動発電機が駆動され、始動発電機のロータ1の回転によりクランク軸9が回転駆動され、エンジンが始動する。
また、エンジンの始動に伴い、図示しないエンジンの制御部には、案内子13、短案内子13aを介してロータ磁石4の磁束を検出した磁気センサ14a,14b,14cからの回転位置検出信号と基準位置信号(短案内子13aの磁気センサ14dの検出信号)が入力され、この回転位置検出信号と基準位置信号に基づき点火時期信号が生成され、エンジンの点火時期制御が行われる。図8に示すように、このときの点火時期信号は、磁気センサ14a,14b,14cの回転位置検出信号と短案内子13aの磁気センサ14dからの高レベルの基準位置信号が継続するタイミングで生成されることとなる。
このように、ロータ1の回転に伴う磁極の切換の磁束変化を、案内子13、短案内子13aを通して磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)に印加するようにし、ホールIC等の磁気センサ14は基板ケース11内の回路基板12に面実装されるので、磁気センサ14のリード線脚部を長くする必要はなく、磁気センサ14を安定して基板実装することができ、エンジンの振動による磁気センサ14の振れに伴う信頼性の低下を防止することができる。
さらに、磁気センサ14(14a,14b,14c,14d)はステータ20の熱影響を受けにくい基板ケース11内に収納されるので、磁気センサ14の熱影響による性能の悪化を防止することができ、加えて、比較的安価な面実装用の磁気センサ14を使用することができるので、製造コストを削減することができる。
また、ステータ20の各突極部21のステータコア22間の隙間に、案内子13、短案内子13aのみを基板ケース11の底部から挿入すればよいため、従来のように磁気センサを配置するための特別の切欠凹部をステータコアに設ける必要がなく、製造時の加工工数の削減や、部品の組付作業性が改善され、製造コストを下げることができる。
1 ロータ
2 ヨーク部
3 ボス部
4 ロータ磁石
4a 磁極部
4b 短磁極部
5 保護カバー
8 ワイヤハーネス
9 クランク軸
10 センサユニット
11 基板ケース
11a ピン部
11b ピン部
11c スリット
12 回路基板
12a 固定孔
13 案内子
13a 短案内子
13b 曲折上端部
13c 固定孔
14 磁気センサ
14a〜14d 磁気センサ
15 案内子カバー部
16 ターミナル
20 ステータ
21 突極部
22 ステータコア
23 発電コイル

Claims (6)

  1. 中央にボス部を設けてカップ状に形成されたロータ本体の外周壁にヨーク部を形成し、ヨーク部の内側にロータ磁石を装着したロータと、
    該ロータの内側に静止して配設され、発電コイルをステータコアに巻装した複数の突極部を有したステータと、を備え、
    該ステータに取り付けられた磁気センサにより該ロータの回転位置を検出してその検出信号を出力する始動発電機において、
    該磁気センサは該ステータに取り付けた基板ケース内の回路基板に実装され、該磁気センサに対し端部を対向して配置した磁性体の案内子が、該ステータの各突極部のステータコア間の隙間に挿入されるように該基板ケースに取り付けられたことを特徴とする始動発電機。
  2. 前記ロータのロータ磁石は、異なる極の磁極部が交互に環状に配置されて形成され、1つの磁極部の軸方向の長さが隣接する磁極部より短い短磁極部が形成される一方、複数の磁気センサの案内子が前記ステータの各突極部のステータコア間に配置されると共に該ロータ磁石の全磁極部に達して配置され、該複数の磁気センサのうちの1個の磁気センサに対向する案内子の長さが、該短磁極部の端部に達しない程度に短い短案内子として形成されたことを特徴とする請求項1記載の始動発電機。
  3. 前記ロータの該短磁極部近傍には、回転バランス用錘部材が該短磁極部の短小部を補う位置に配置されたことを特徴とする請求項2記載の始動発電機。
  4. 前記案内子は、磁性体の帯状金属板の上端を略直角に曲折した曲折上端部を設けて形成され、該曲折上端部が前記磁気センサに対向して配置され、該曲折上端部に固定孔が穿設されたことを特徴とする請求項1乃至3記載の始動発電機。
  5. 前記案内子は、直線状の磁性体の帯状金属板から形成され、該案内子の帯状金属板の上端面が、前記ステータに取り付けた基板ケース内の回路基板に実装された磁気センサに対向して配置されたことを特徴とする請求項1乃至3記載の始動発電機。
  6. 前記基板ケースにターミナルが取り付けられ、該ターミナルの一端が前記回路基板に接続され、該ターミナルの他端が該基板ケースの外側に突出されたことを特徴とする請求項1乃至5記載の始動発電機。
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