JP5972547B2 - 振動解析装置、振動解析方法及び振動解析プログラム - Google Patents

振動解析装置、振動解析方法及び振動解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、地震動に対する建物等構造物の応答による振動を解析する振動解析装置、振動解析方法及び振動解析プログラムに関する。
従来、地震が発生した際に建物等の構造物がどのように振動するかを、コンピュータを用いてシミュレートし、建物の振動性状を把握しようとする技術が開発されている(特許文献1)。
建物の振動性状を把握しようとする場合、特許文献1に詳述される、建物の質点における固有周期に対応した固有モードを解析する固有値解析に加え、特許文献2に示されるような時刻歴応答解析(Transient Response Analysis)を用いるのが一般的である。
時刻歴応答解析とは、建物を質量、ばね、減衰によりモデル化し、地震動に相当する経時的に変化する入力波形を用いて、時間とともに変化する建物の応答(変位、速度、あるいは加速度)を演算する手法である。
特開平09-021720号公報 特開2008−304227公報
この演算結果としての建物の応答を、グラフ化したり、あるいはアニメーション化するなどすることで、直感的に、地震発生時の建物の挙動を把握することが出来る。
しかし、時刻歴応答解析を行う場合には、事前に時刻歴の加速度波形(入力波形)を用意しておく必要があり、これを様々な性状の加速度波形(正弦波、ランダム波)に対して試そうとする場合、データ作成が煩雑となるという問題があった。
そこで、本発明は、時刻歴応答解析に用いるための任意の加速度(波形)を、容易、且つ直感的に生成し、時々刻々と変化する地震動による建物の振動性状を、リアルタイムに解析することが可能となる振動解析装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、建物の振動性状を解析する振動解析装置であって、本体と、該本体に内蔵された加速度センサと、前記加速度センサが検出する加速度の経時的な変化に基づく加速度波形を出力する出力手段と、を備えた加速度生成手段と、前記加速度生成手段の前記本体を使用者が任意の方向及び強さで振ることにより前記出力手段から出力される前記加速度波形を、解析の対象となる建物を支持する地面に加わる地面加速度の波形として入力する波形入力手段と、前記加速度波形の入力に応じて、前記加速度波形及び、前記建物について設定した質量及びばね剛性を含むパラメータに基づいて、前記地面加速度に対する前記建物の応答変位量を逐次算出する変位算出手段と、表示装置に建物オブジェクトを表示するとともに、前記変位算出手段によって逐次算出された前記応答変位量に基づいて前記建物オブジェクトを逐次振動表示する表示制御手段と、を備えた振動解析装置を特徴とする。
以上のように構成したので、本発明によれば、装置の利用者が自分自身の加減で加速度生成装置(リモコン)を振って生成した加速度波形に基づいて、建物の応答変位の解析を行うので、事前に時刻歴の加速度波形を用意しておく必要がなく、より容易且つ簡便に地震発生時の建物の挙動を把握することが出来る。
本発明の実施の形態に係る振動解析装置の概略構成を示す図。 振動解析装置の動作時に表示装置に表示される、各要素を説明する図。 振動解析装置の動作時に表示装置内で揺動表示される建物オブジェクトを示す図。 図1に示す加速度生成装置のハードウェア構成を説明する図。 図1に示す情報処理装置の機能構成例を示す図。 減衰を伴う1質点系振動モデルを説明する概念図。 減衰を伴う多質点系振動モデルを説明する概念図。 本発明の振動解析装置における解析処理の流れを説明するフローチャート。
以下に、本発明の実施の形態例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る振動解析装置の概略構成を示す図である。
図1(a)に示す振動解析装置1は、加速度を検出する加速度センサを内蔵し、装置の使用者が振ることによって加速度波形(加速度波形データ)を生成する加速度生成装置(加速度生成手段)(以下、リモコンと記載する)2と、表示装置4に一又は複数の建物オブジェクトを表示するとともに、無線又は有線で接続されたリモコン2から加速度波形を受信し、この加速度波形を地震動として扱った時刻歴の応答解析を行い、この解析結果に応じて、表示装置4において建物オブジェクトの変位(振動)表示を行う情報処理装置3と、を備えている。
図1(b)は、リモコン2を、より詳細に示している。リモコン2が有する加速度センサ11は、例えば三軸加速度センサであり、X軸、Y軸、Z軸の三軸方向の加速度を検出可能である。なお、これに限らずX軸、Y軸の二軸方向の加速度を検出可能な二軸加速度センサ、X軸方向のみの加速度を検出可能な一軸加速度センサであってもよい。加速度センサとしては、例えば静電容量型のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサなど、従来知られるデバイスを適用可能であり、詳細な説明は省略する。加速度センサ11によって出力される加速度波形は、何れかの軸における加速度の大きさと、正負の値である。
図2は、振動解析装置の動作時に表示装置に表示される各要素を説明する図である。また、図3は、振動表示される建物オブジェクトを示す図である。
図2に示すように、表示装置4に表示された三次元空間内に、建物オブジェクト5(5A、5B)と、加速度波形グラフ6、加えて建物オブジェクトが立地する(支持される)地面7、背景8が表示されている。
本発明は、リモコン2によって生成する時々刻々と変化する地震動の時刻歴に対する建物の応答としての変位量xの、時刻歴x(t)を解析する点に特徴がある。さらに、変位量時刻歴x(t)に合わせ、建物オブジェクト5を図3に示すように揺動表示(変位)させることを特徴としている。
加速度波形グラフ6には、使用者がリモコン2を振って生成した加速度波形が表示されている。
図2に示す例では、加速センサ11として3軸センサを用い、Z軸方向の加速度を地震動として用い場合に、検出されるZ軸方向の加速度に含まれるX方向成分、Y方向成分をそれぞれ表示している。
使用者は、この加速度波形グラフ6を見ることで、自身がリモコン2を振っている強さ(速さ)の変化を直感的に把握することが可能であり、ランダムな波形を生成して建物の振動性状を把握するのに有用である。
使用者がリモコン2を振った結果として、表示装置4内に表示される建物オブジェクト5は図3に示すように変位(剪断変形)を繰り返す。
リモコン2により生成する加速度の大小による変位の程度の変化については、後に詳述する。
図4は、図1に示す加速度生成装置のハードウェア構成例を説明する図である。
図4に示すように、加速度生成装置2は、図1に示す情報処理装置3と接続してデータ通信を行い、加速度波形の情報を送信するための通信インターフェイス(通信I/F)10と、使用者が加速度生成装置2を振った際の加速度を検出する加速度センサ11と、加速度センサ11の出力を通信I/F10を介して送信する制御を行う制御部12と、を備えている。
通信I/F10として、無線の場合は、Bluetooth(登録商標)やWirelessUSB(Wireless Universal Serial Bus)などの通信方式やプロトコルに準拠したもの、有線の場合は、RS-232CやUSB(Universal Serial Bus)などの方式に準拠したものが使用できる。
図5は、図1に示す情報処理装置3の機能構成例を示す図であり、図5(a)は、ハードウェア構成図、(b)は、ソフトウェアによる機能構成図である。
図5(a)に示すように、情報処理装置3は、加速度生成装置2と無線又は有線で接続してデータ通信を行い、加速度波形の情報を受信するための通信インターフェイス(I/F)20と、表示装置(ディスプレイ)4を接続して映像信号を送信するインターフェイスとなるビデオI/F21と、入力手段としてのキーボード22と、情報処理装置3におけるビデオI/F21を介した表示装置への描画や、通信I/F20による通信、キーボード22による入力を含む処理を制御し、また振動解析装置としての機能を実現するためのプログラムを実行する制御手段(CPU:Central Processing Unit)23と、情報処理装置3を制御するためのOS(Operating System)や、振動解析装置の機能を実現するための各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)24、CPU22による実行ためにプログラムが展開され、また、通信I/F20を介して受信された加速度波形の情報が保持されるCPU23のワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)25と、を備えている。
なお、情報処理装置3としては、一般的なパーソナルコンピュータ(Personal Computer)を使用出来る。その場合、図示しないHDD(Hard Disk Drive)に上記プログラムを格納しておき、実行時にRAM25に読み出すようにしてもよい。
図5(b)は、CPU23が上記プログラムを実行することにより実現される振動解析装置の機能ブロックを示す図である。
CPU23は主に、通信制御部30、加速度データ取得部31、変位算出部32、表示制御部33を実行する。
これらの機能部において、通信制御部30は、通信I/F20を制御して加速度生成装置2とデータ通信を行う。
また、加速度データ取得部31は、加速度生成装置2との間に確立された通信により、加速度生成装置2から加速度波形データを受信・取得する。
変位算出部32は、リモコン2が振り続けることにより得られる、加速度波形データを、地震動加速度(地面加速度)の時刻歴として用いて時刻歴応答解析を行い、時時刻々と変化する建物の変位量(応答時刻歴)を算出する。
詳しくは、リモコン2から得られた加速度波形及び、建物について設定した質量及びばね剛性を含むパラメータに基づいて、地震動に対する建物の応答変位量を連続的に算出する。
表示制御部33は、予め与えられた建物パラメータ(例えば、建物の規模、階高、色など)に基づいて、表示装置4に建物オブジェクトを生成・表示し、さらには変位算出部32により算出された応答変位量に基づいて、画面内の建物オブジェクトを連続的に変形表示する。
勿論、この建物パラメータは、建物オブジェクトの生成、変位のみに使用されるものではない。その一部は、時刻歴応答解析の処理そのもの、すなわち地震動に対する建物の応答変位量を算出するのに用いられる。
本発明は、その応答変位量を、建物オブジェクトの変位として、視覚的に使用者に提示することが出来る。
次に、表示制御部33が建物オブジェクト5(図2)を生成する際に用いるパラメータ(建物パラメータ)について説明する。
この建物パラメータは、図5に示したキーボード22によって、あるいは図示しないマウスを用いて、表示装置4に表示される図示しない入力用メニュー画面から任意に入力可能とする。
建物オブジェクト5を生成する際のパラメータは、例えば、建物の「規模」「階高」、「平面形状」、「構造」、「色」が設定できる。
「規模」は、建物オブジェクトが何階建てであるかを示す値である。図2においては、建物オブジェクト5Aは17階建て、建物オブジェクト5Bは6階建である。
「階高」は、建物オブジェクトにおける各階の高さを示す値である。図2に示す建物オブジェクト5A、5B共に階高が3メートルである。
上述の「規模」と「階高」を掛け合わせることによって、建物の高さが算出されることになる。
「平面形状」は、建物オブジェクトの平面形状における「梁間(スパン)」の数である。建物オブジェクト5Aでは4スパン×3スパン、建物オブジェクト5Bでは、5スパン×1スパンである。
「構造」は、建物の構造である。構造の例としては、例えば、ラーメン構造がある。ラーメン構造とは、RC構造、鉄骨構造等で柱と梁の一体化した構造であり、水平方向にのみに変位を起こす構造物(せん断形構造物)である。
「色」は、建物オブジェクト5の色であり、見かけ上、複数の建物オブジェクト5を区別出来るようにするためのものである。
次に、変位算出部32が行う時刻歴応答解析処理の一例を説明する。
地震に対する建物の変位あるいは振動(応答)の解析においては、1質点系の振動モデル、多質点系の振動モデルの2つが考慮され得ることが知られている。
質点とは、質量のみを有し、大きさなどを有さない仮想的な点である。また、物体を代表し、物体の全質量がそこに集中していると見なすことができる点であるとも言える。
図6は、減衰を伴う1質点系振動モデルを説明する概念図である。
図6(a)に示す建物40の振動モデルを、図6(b)に示す1質点系モデルに置き換えて説明する。
図6(b)に示すモデルにおいて、質量mを有する1つの質点Mが地盤に支持されている。
また同時に質点Mは、その支持部41において、互いに並列な、ばね(ばね剛性)42と、ダッシュポット(減衰)43と、に支持されている。
「ばね」は、建物が揺れた時に、元に戻そうとする抵抗(復元力)を表し、「ダッシュポット」は、建物40に組み込まれた減衰の機構、あるいは空気抵抗や内部摩擦による減衰を表している。
ここで、地震により地面50が図6(b)中矢印方向にyだけ動いた時に、質点Mが地面50に対して動く変位(相対変位)をxとする。
それに対して、ばね42が相対変位xを元に戻そうとする復元力は、相対変位xに比例し、k・xとなる。この比例定数kは、ばね定数と呼ばれる。
一方、ダッシュポット43による減衰力は、ダッシュポット43の速度に比例した力である。
質点Mが相対変位xだけ変位すると、ダッシュポットの変形量も同じくxである。従って、ダッシュポットの変位速度は、dx/dtであり、これを便宜的にx’と表記する。
上記のように、ダッシュポット43の減衰力は、速度x’に比例するので、比例定数cを用いてc・x’と表すことが出来る。この場合の比例定数cが、減衰係数である。
制振装置としてのダンパーは、一般的に粘り気のある油を入れたシリンダの中に、少しの隙間があるピストンが入ったデバイスである。
ピストンがある速度で動くと、その速度に比例した力、すなわち粘性抵抗が起こる。この粘性抵抗はダッシュポット43の減衰力に相当し、ダンパーはダッシュポットによってモデル化することが出来る。
地震の発生によって地面がyだけ変位し、質点Mが地面に対して相対変位xだけ変位する場合、質点Mは、絶対的には、地面50の変位yと相対変位xを足した値(x+y)だけ変位している。これを絶対変位と呼ぶ。
この絶対変位x+y及び相対変位xを、それぞれ時間で2回微分すると、質点Mの絶対加速度x’’+y’’、相対加速度x’’が得られる。
なお、地面50について、その変位yからは、地面の速度y’と、それを時間で微分した地面の加速度(すなわち、地震動加速度)y’’が得られる。
なお、変位、速度、加速度について、図中右側に向かうものを正、左側に向かうものを負とする。力も右向きが正、左向きに作用するものを負とする。
ところで、周知のように、ニュートンの運動第2法則(速度の変化すなわち加速度は、作用した力に比例し、その力の方向に起こる)は、質量m、加速度α、作用した力F、を用いて、F=mαで表され得る。
これを書き換えた式(−m・α)+F=0において、作用した力Fと釣り合う値−mαは慣性力又は慣性抵抗である(ダランベールの原理)。
質点Mの(絶対)加速度は、相対加速度x’’+地面の加速度y’’であるから、慣性力は、−m・(x’’+y’’)である。
これに対し、ばね42の復元力も、ダッシュポット43の粘性抵抗も、図中左向きに働くので、運動方程式は、−m・(x’’+y’’)−c・x’−kx=0である。
これを変形すると、一質点系振動モデルを定義する運動方程式として、
mx’’+cx’+kx=−my’’・・・(1)
(但し、mは建物の質量、cは減衰係数、kはばね定数、xは建物の相対変位量、x’は建物の相対速度、x’’は建物の相対加速度、y’’は地面の加速度)
が得られる。
変位算出部32は、式(1)の運動方程式を基本として、直接積分法によって地震加速度の時刻歴に対する変位xの時刻歴x(t)(変位応答波形)を求める。
直接積分法とは,運動方程式(1)を地震動時刻歴の時間軸に沿って直接的に数値積分し、時刻歴の応答を逐次求める手法である。
変位算出部32は、リモコン2によって生成された加速度y’’の波形(時刻歴)y’’(t)に基づいて、建物の相対変位量xの時刻歴x(t)を算出することになる。
表示制御部33は、算出された変位量xだけ、建物オブジェクト5を逐次、連続的に変位させる。
ただし、リモコン2により生成される加速度と、実際の地震動加速度では、大きさ(振幅)が異なるので調整をする必要がある。例えば、リモコン2で生成され得る最大の加速度を、想定される最大の地震動とし、比例によって、変位算出部32に与える加速度を調整することが出来る。
また、パラメータとして、ダンパーの有無や数を設定することによって、減衰係数cの値を変化させることが出来る。
これにより、変位量xの値を増減させ、建物オブジェクト5の変位も変化する。
また、このばね定数kは、建物の高さに依存する固有周期及び建物(質点)の質量mと関連がある。
これは、建物の固有周期TがT=2π√m/kで表されるからである。
固有周期とは、振動系に固有の振動周期である。地面50が動かず質点Mのみが振動する場合における振動数が、その振動系の固有振動数である。この固有振動数の逆数、すなわち、系に固有の振動が一周期起こるのに要する時間が固有周期である。
この固有周期は、固有値解析によって得られる固有モードである。
建物の高さ、すなわち固有周期Tが一定の場合、ばね定数kは、建物の質量mへの変化に伴って変化する。また、建物の質量が一定であれば、建物の高さに応じて、ばね定数は変化する。
上記のように、本実施形態においては、建物の「規模」、「階高」を任意に設定可能とし、これらの値から導出される建物の高さによって建物のばね定数を可変できる。
このようにすることで、建物の高さに変化に応じて地震動に対する建物の応答変位量を可変し、さらに、それをアニメーションによって視覚的に認識可能である。
例えば、図2に示すように、表示装置4に複数の建物オブジェクト5を表示し、それぞれの建物オブジェクト5に与えるパラメータを可変する。
一方の建物オブジェクト5Aは規模を大きくし(高層)、他方の建物オブジェクト5Bは規模を小さくし(低層)、建物オブジェクト間で固有周期、ひいてはばね定数を変えておく。
その上で、他のパラメータについては双方のオブジェクト間で揃えておき、同じ加速度波形データを与えて、オブジェクトを変形表示することで、規模の違いによる建物の揺れ方の違いが一目瞭然となる。
さらに、建物に設けられる制振装置であるダンパー、免震装置であるアイソレータの有無に応じて、運動方程式(1)における減衰係数cを可変し、他のパラメータについては双方の建物オブジェクト間で揃えておき、同じ加速度波形データを与えて建物オブジェクトを変形表示することで、制振装置や免震装置の有無による建物の揺れ方の違いも視認可能である。
その場合、建物オブジェクトの地面への接続部分等に、実際のダンパーやアイソレータを示すオブジェクトを表示するようにしてもよい。このようにすれば、どちらの建物オブジェクトが制振、免震装置を有するものであるかを理解し易い。
もちろん、建物オブジェクト5を一つのみとし、異なる加速度波形データを都度与えることで、地震動の大きさや周期の違いによる建物の揺れ方の違いを視覚的に理解することも出来る。
次に、多質点系の振動モデルについて考える。
これは、特に、複数階を有する建物において、階層ごとの変位量を算出して、階層ごとに建物オブジェクトを変形させることを意図したものである。
上記の一質点系振動モデルにおいても、複数階を有する建物の大まかな解析は可能である。
しかし、超高層建築物においては、階層ごとに変位量は大きく異なるため、より実態に沿った解析を行うには、多質点系モデルを適用することが望ましいことはもちろんである。
図7は、減衰を伴う多質点系振動モデルを説明する概念図である。
図7(a)に示す建物は、3階建ての建物であり、図7(b)に示すように、各階60〜62に対応する質点が3つ(M1〜M3)ある。
従って、基本的には、上記の一質点系モデルによる運動方程式を拡張して、上述の直接積分法により質点毎の応答変位xの時刻歴x(t)を求め、得られた値に従って、各階層が夫々水平方向に変位するように建物オブジェクトを変形表示すればよい。
多質点系振動モデルを適用する場合には、建物オブジェクトの変形表示は、図2、3に示すような全体的な剪断変形ではなく、各階の変位がより強調され、建物の変形がより理解されやすくなる。
図8は、本発明の振動解析装置における解析処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、本発明に係る振動解析プログラムが、振動解析装置において起動された状態で、図5のキーボード22等を用いて建物オブジェクトや、その他の空間オブジェクトのパラメータが入力される(ステップS101)。
空間オブジェクトとは、表示装置4に表示される建物オブジェクト以外のオブジェクトであり、地面オブジェクトや背景オブジェクトが該当する。これらのオブジェクトの色や表示形式をパラメータとして設定可能である。
空間オブジェクト、建物オブジェクトの各パラメータが、予めROM24に格納されている場合は、このステップは省略してもよい。
まず、表示制御部33は建物パラメータ、空間パラメータを読み込み(ステップS102)、読み込んだ各パラメータに基づいて、背景や地面を含む空間オブジェクト、及び建物オブジェクトを生成する(ステップS103)。
各オブジェクトの準備が出来ると、通信制御部30は、使用するプロトコル毎に定められた手順を経てリモコン2との通信を確立する(ステップS104)
リモコン2と情報処理装置3との間の通信が確立された時点で、振動解析の準備が完了する(ステップS105)。
なお、建物オブジェクト及び空間オブジェクトの生成と、通信の確立とは、必ずしもこの順序で行わなくても良いことは言うまでも良い。
つまり、本発明の振動解析プログラムを起動した後、建物パラメータの読み込みを行う先だって、リモコン2と情報処理装置3との通信を確立するようにしても良い。
また、通信制御部30としては、情報処理装置3を制御するOSに含まれる機能を利用してもよい。
振動解析の準備が完了し、使用者がリモコン2を振ることで、リモコン2に含まれる加速度センサによって検知された加速度の情報が情報処理装置3に送信される。
加速度データ取得部31は、リモコン2から加速度波形の情報を取得して、順次RAM25に格納する(ステップS106でYes)。
以下の処理は、加速度波形を取得しながら順次行うものであるが、使用者がリモコン2を一定期間振り続けた後で、完全な加速度波形の情報が蓄積されてから行っても良い。
変位算出部32は、加速度データ取得部31によって取得される加速度波形データを用いて、時刻歴応答解析を行い、建物変位データ(応答波形)を更新する。
すなわち、加速度波形データに含まれる各加速度を地震動の加速度として運動方程式(1)を直接積分法により積分することで変位応答波形を算出する(ステップS107)。
表示制御部33は、更新された建物変位データ(応答波形)に基づいて、建物オブジェクト5(図2)の描画を更新する。また、加速度波形の情報を用いて、波形表示オブジェクト6(図2)の表示を更新する。(ステップS108)。
使用者がリモコン2を振ることをやめることで加速度データが取得されず、あるいはRAM25に格納された加速度波形データの全てについて応答解析を終えることで、未処理の加速度データがなくなると(ステップS108でNo)処理は終了となる。
RAMに格納された未処理の加速度データがある場合、あるいはリモコン2から加速度データが送信されている間は(ステップS110でYes)、ステップS107に戻って解析処理を続ける。
1…振動解析装置、2…加速度生成装置(リモコン)3…情報処理装置、4…表示装置、5…建物オブジェクト、5A…建物オブジェクト、5B…建物オブジェクト、6…加速度波形グラフ、7…地面、8…背景、11…加速度センサ、12…制御部、22…CPU、22…キーボード、23…CPU、24…ROM、25…RAM、30…通信制御部、31…加速度データ取得部、32…変位算出部、33…表示制御部

Claims (5)

  1. 建物の振動性状を解析する振動解析装置であって、
    本体と、該本体に内蔵された加速度センサと、前記加速度センサが検出する加速度の経時的な変化に基づく加速度波形を出力する出力手段と、を備えた加速度生成手段と、
    前記加速度生成手段の前記本体を使用者が任意の方向及び強さで振ることにより前記出力手段から出力される前記加速度波形を、解析の対象となる建物を支持する地面に加わる地面加速度の波形として入力する波形入力手段と、
    前記加速度波形の入力に応じて、前記加速度波形及び、前記建物について設定した質量及びばね剛性を含むパラメータに基づいて、前記地面加速度に対する前記建物の応答変位量を逐次算出する変位算出手段と、
    表示装置に建物オブジェクトを表示するとともに、前記変位算出手段によって逐次算出された前記応答変位量に基づいて前記建物オブジェクトを逐次振動表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする振動解析装置。
  2. 請求項1に記載の振動解析装置において、
    前記変位算出部は、同一の前記加速度波形に基づいて、同一又は異なる前記パラメータを設定した複数の建物について前記応答変位量を算出し、
    前記表示制御部は、前記複数の建物の夫々に対応する建物オブジェクトを前記表示装置に表示し、
    前記表示制御部は、各建物オブジェクトを、対応する応答変位量に基づいて変形表示することを特徴とする振動解析装置。
  3. 請求項1又は2に記載の振動解析装置において、
    前記表示制御部は、前記加速度波形を前記表示装置に表示することを特徴とする振動解析装置。
  4. 本体と、該本体に内蔵された加速度センサと、前記加速度センサが検出する加速度の経時的な変化に基づく加速度波形を出力する出力手段と、を備えた加速度生成手段を備え、建物の振動性状を解析する振動解析装置であって、
    前記振動解析装置が有する波形入力手段が、前記加速度生成手段の前記本体を使用者が任意の方向及び強さで振ることにより前記出力手段から出力される前記加速度波形を、解析の対象となる建物を支持する地面に加わる地面加速度の波形として入力するステップと、
    前記振動解析装置が有する変位算出手段が、前記加速度波形の入力に応じて、前記加速度波形及び、前記建物について設定した質量及びばね剛性を含むパラメータに基づいて、前記地面加速度に対する前記建物の応答変位量を逐次算出するステップと、
    前記振動解析装置が有する表示制御手段が、表示装置に建物オブジェクトを表示するとともに、前記変位算出手段によって逐次算出された前記応答変位量に基づいて前記建物オブジェクトを逐次振動表示するステップと、
    を含むことを特徴とする振動解析方法。
  5. 請求項4に記載の振動解析方法をコンピュータに実行させるための振動解析プログラム。
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