JP2015078555A - 橋脚の健全性評価装置、橋脚の健全性評価方法 - Google Patents

橋脚の健全性評価装置、橋脚の健全性評価方法 Download PDF

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Keita Abe
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林 王
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Abstract

【課題】 精度よく橋脚の健全度を評価することが可能であり、列車走行安全性を考慮した橋脚の健全性評価方法および橋脚の健全性評価装置を提供する。【解決手段】 本発明では、列車が通過しない時間帯において、風などにより生じる常時微動を検出して、橋脚3の固有振動数を算出する。このため、通過する列車の種類などによる影響を受けることがない。また、本発明では、常時微動による固有振動数に加え、加速度の振幅に注目し、橋軸方向に直交な方向の加速度振幅の最大値を、橋軸方向の加速度振幅の最大値で除して、加速度振幅比を求め、これにより橋脚3の健全度を評価する。このため、常時微動による高い精度の固有振動数と、列車通過時の橋脚3の加速度振幅の方向を考慮した加速度振幅比とを合わせることで、極めて精度の高い評価を行うことができる。【選択図】図5

Description

本発明は、コンクリート製の橋脚の健全度を判定するため橋脚の健全性評価装置および橋脚の健全性評価方法に関するものである。
コンクリート製の構造物については、目視で外観上発見することのできる欠陥や劣化以外に、内部に存在する欠陥等についても発見する必要がある。このため、構造物に振動を付与して、その健全度を判断する方法が採用されている。
このようなコンクリート構造物の診断方法としては、重錘によって構造物の表面に垂直に打撃し、この打撃により生じる振動をセンサ等で検知し、フーリエ解析による固有振動数の変化によって、構造物の健全度を評価する方法がある(特許文献1)。
特開2007−51873号公報
しかし、特許文献1の方法では、重錘や起振機によって構造物に振動を付与する必要がある。一方、常時列車が通過する橋脚については、列車の通過時の振動によって、橋脚の健全度を把握することができる。
しかし、列車通過時の振動は、必ずしも一定の条件で付与されるわけではない。したがって、通過する列車の種類や状況によって、精度のよい評価を行うことは困難である。また、従来の評価方法は、列車の走行安全性に着目したものではなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、精度よく橋脚の健全度を評価することが可能であり、列車走行安全性を考慮した橋脚の健全性評価方法および橋脚の健全性評価装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、橋梁または高架橋の橋脚の健全性を評価する評価装置であって、橋脚上に配置される加速度センサと、前記加速度センサによる情報を取得する時間を設定するタイマーと、前記加速度センサを制御する制御部と、前記加速度センサで得られた情報を解析する解析部と、前記解析部で解析された情報を記憶する記憶部と、を具備し、前記制御部は、前記タイマーによって設定された前記橋梁または高架橋を車両が通過しない時間帯において、前記加速度センサによって、所定時間ごとに所定回数の常時微動振動を測定させるとともに、前記タイマーによって設定された前記橋梁または高架橋を車両が通過する時間帯において、前記加速度センサによって、車両通過時振動を所定回数測定させ、前記解析部は、前記常時微動振動から、前記橋脚の固有振動数を算出するとともに、前記車両通過時振動から、橋軸方向の加速度振幅と、前記橋軸方向と直交な橋軸直角方向の加速度振幅とをそれぞれ取得し、前記橋軸直角方向の加速度振幅の最大値を、前記橋軸方向の加速度振幅の最大値で除して、加速度振幅比を求め、前記制御部は、前記記憶部に、固有振動数および前記加速度振幅比を記憶することを特徴とする橋脚の健全性評価装置である。
前記加速度センサは、MEMSセンサであることが望ましい。
前記解析部で解析された情報を送信する送信部をさらに具備し、前記送信部は、前記固有振動数および前記加速度振幅比の情報を隔離した位置の情報収集部に送信することが可能であることが望ましい。
前記加速度センサは、複数種類の加速度センサを含み、前記常時微動振動を測定する前記加速度センサは、一軸加速度センサであり、前記車両通過時振動を測定する前記加速度センサは、二軸または三軸の加速度センサであることが望ましい。
第1の発明によれば、常時微動によって固有振動数を得るため、別途の重錘等が不要である。また、常時微動による評価に加え、さらに列車通過時の振動を用いて、橋脚の健全性を判断するため、高い精度で評価を行うことができる。
この際、橋軸方向の加速度振幅と、橋軸方向と直角な橋軸直角方向の加速度振幅とから加速度振幅比を求めて、健全度を評価する。このため、振動の条件によらず、ばらつきが小さい精度のよい評価を行うことができる。また、橋軸方向加速度振幅に対して、列車走行安全性に悪影響を与える橋軸直角方向加速度振幅の相対的な大きさにより橋脚の安定性に関する健全度を評価する。このため、列車走行安全性を考慮した、橋脚の安定性に関する健全度を評価することができる。
また、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサであれば、低コストで省電力での駆動が可能である。このため、長期計測が可能となる。
また、送信部によって、得られた情報を定期的に離隔した情報収集部に送信することで、遠隔地での監視が可能となる。
また、常時微動を測定する加速度センサを微動測定に適した一軸加速度センサとすることで、微小な振動に対して精度よく加速度を検出することができる。一方、列車通過時の振動の測定には、2軸または3軸の加速度センサを用いることで、前述した加速度振幅比を算出することができる。
第2の発明は、橋梁または高架橋の橋脚の健全性を評価する測定方法であって、橋脚上に加速度センサを配置し、前記加速度センサによって、前記橋梁または高架橋を車両が通過しない時間帯における、常時微動振動を、所定時間ごとに所定回数測定し、前記加速度センサによって、前記橋梁または高架橋を車両が通過する時間帯における、車両通過時振動を所定回数測定し、前記常時微動振動から、前記橋脚の固有振動数を算出するとともに、前記車両通過時振動から、加速度振幅を算出し、前記固有振動数および前記加速度振幅を用いて前記橋脚の健全性を判断することを特徴とする橋脚の健全性評価方法である。
前記車両通過時振動から、前記橋梁または高架橋を車両が通過する際の、橋軸方向の加速度振幅と、前記橋軸方向と直交な橋軸直角方向の加速度振幅とを取得し、
前記橋軸直角方向の加速度振幅の最大値を、前記橋軸方向の加速度振幅の最大値で除して、加速度振幅比を求め、前記加速度振幅比が所定値以上である場合に、前記橋脚が健全であると判断してもよい。
前記常時微動振動を測定する加速度センサと、前記車両通過時振動を測定する加速度センサには、異なる加速度センサを用い、前記常時微動振動を測定する加速度センサは、一軸加速度センサであり、前記車両通過時振動を測定する加速度センサは、二軸または三軸の加速度センサであることが望ましい。
第2の発明によれば、タイマーによって列車が通過しない時間において、常時微動を測定することで、列車通過の影響を除いた精度良い固有振動数の算出をすることができる。また、常時微動による固有振動数に加え、列車通過時の加速度振幅によって健全度を評価する。このため、より精度のよい評価を行うことができる。
また、MEMSセンサを用いることで、省電力での駆動が可能であるため、長期計測が可能となる。
また、加速度振幅比を求めて、健全度を評価すれば、通過列車の種類や状況の条件によらず、ばらつきの小さい精度のよい評価を行うことができる。
また、常時微動を測定する加速度センサを微動計測に適した一軸加速度センサとすることで、微小な振動に対して精度よく加速度を検出することができる。一方、列車通過時の振動の測定には、2軸または3軸の加速度センサを用いることで、前述した加速度振幅比を算出することができる。
本発明によれば、精度よく橋脚の健全度を評価することが可能であり、列車走行安全性を考慮した橋脚の健全性評価方法および橋脚の健全性評価装置を提供することができる。
健全度評価装置1の設置状態を示す正面図。 健全度評価装置1の設置状態を示す平面図。 健全度評価装置1のハードウェア構成を示す図。 制御装置7のハードウェア構成を示す図。 健全度評価装置1により橋脚の健全度を評価する工程を示すフローチャート。 測定時刻の例を示す図。 得られた加速度振幅の例を示す図。 加速度振幅比の長期評価結果を示す概念図。
以下、本発明の実施の形態にかかる健全度評価装置1について説明する。図1は、健全度評価装置1の設置状態を示す正面図、図2は、健全度評価装置1の設置状態を示す平面図である。健全度評価装置1は、橋梁5(または高架橋)を支持する橋脚3上に配置される。橋梁5上には、列車の軌道が設けられる。すなわち、橋脚3上を列車が通過する。
列車通過時の振動から橋脚3の健全性を推定する方法では、重錘や起振機が不要である。しかし、通過する列車の種類などによって、列車通過時の橋脚3への作用は大きく変動する。このため、列車通過時の振動から橋脚3の固有振動数を算出する方法では、高い精度を得ることが困難である。
そこで、本発明では、列車が通過しない時間帯において、風などにより生じる常時微動を検出して、橋脚3の固有振動数を算出する。このため、通過する列車の種類などによる影響を受けることがない。
一方、通常、橋脚3は、列車の通過時には、橋梁5を通じて不規則波を作用として受ける。このような力学構造は、橋脚3を一質点系構造物とみなせば、地震動を作用として受ける場合と類似すると考えられる。この場合、橋脚3の固有周期が大きいほど(固有振動数が小さいほど)、地震時の変位は大きくなるが加速度は小さくなる(ハウスナーの応答スペクトル)。
また、橋脚3に生じる振動(加速度)は一方向ではなく、橋梁5の軸方向(橋軸方向であって、図2中X方向)に対して垂直な方向の振動が、列車走行安全性に悪影響を与える。
そこで、本発明では、常時微動による固有振動数に加え、加速度の振幅に注目し、橋軸方向に直交な方向(橋軸直角方向であって、図2中Y方向)の加速度振幅の最大値を、橋軸方向の加速度振幅の最大値で除して、加速度振幅比を求め、これにより橋脚3の健全度を評価する。このため、常時微動による高い精度の固有振動数と、列車通過時の橋脚3の加速度振幅の方向を考慮した加速度振幅比とを合わせることで、極めて精度の高い評価を行うことができる。
次に、健全度評価装置1について説明する。図3は、健全度評価装置1の構成を示す図である。健全度評価装置1は、加速度センサ9a、9bと制御装置7とタイマー11から構成される。なお、健全度評価装置1は、例えばバッテリーで駆動する。
加速度センサ9aは、常時微動を検出する加速度センサである。したがって、微小な振動を検知可能な精度の高い一軸加速度計が用いられる。一方、加速度センサ9bは、列車通過時の比較的大きな振動を検出する加速度センサである。したがって、微動計測に対する計測精度は多少落ちても、複数方向の加速度を検知可能な2軸、または3軸の加速度計が用いられる。
なお、加速度センサ9a、9bとしては、例えばMEMS加速度計を用いることが望ましい。MEMS加速度計を用いることで、安価かつ省電力で駆動することができる。
タイマー11は、それぞれの加速度センサ9a、9bによる加速度(振動)を検知する時刻が設定されている。したがって、制御装置7は、タイマー11によって設定された時刻になると、加速度センサ9a、9bを制御して、加速度情報を取得する。
図3は、制御装置7を実現するコンピュータのハードウェア構成図である。制御装置7は、制御部21、記憶部23、メディア入出力部25、通信制御部27、入力部29、表示部31、周辺機器I/F部33等が、バス35を介して接続される。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部23、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス35を介して接続された各装置を駆動制御する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部23、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部23は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(フラッシュSSD)(ソリッドステートドライブ)や他の記録媒体であり、制御部21が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述の処理に相当するアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部21により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部25(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部27は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間等の通信を媒介する通信インタフェースであり、加速度センサ9a、9b等との通信制御等を行う。
入力部29は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部29を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部31は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
周辺機器I/F(インタフェース)部33は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部33を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部33は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
バス35は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。なお、制御装置7としては、上記構成をすべて含むものに限定されるものではなく、本発明の機能を奏するために必要な構成のみを有すればよい。
次に、健全度評価装置1を用いた橋脚3の健全度の評価方法について説明する。図5は、橋脚3の健全度の評価方法の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部21は、タイマー11で設定された、列車が運行していない時間帯(車両非運行時)に、橋脚3の上面に設置された加速度センサ9aによって、橋脚3の微振動(常時微動)を検出する。常時移動は、風などの影響で橋脚3に生じる微小な振動である。
車両非運行時は、例えば深夜帯であり、午前2時半〜午前4時半に設定される。制御部21は、車両非運行時において、タイマー11で設定された所定回数の常時微動を検出する(ステップ101)。例えば、制御部21は、上記時間帯において、30分ごとに、計5回(1回の計測は例えば20秒間)の検出を行う。なお、加速度センサ9aは、橋脚3の剛性が比較的小さい橋軸直角方向の振動を検出する。
次に、制御部21は、得られた常時微動情報を解析して、橋脚3の固有振動数を算出する(ステップ102)。すなわち、制御部21は加速度センサ9aで得られた情報を解析する解析部として機能する。固有振動数は、得られた振動波形に対して、フーリエスペクトル解析を施すことで、算出することができる。制御部21は、例えば5回の測定で得られたそれぞれの常時微動から、それぞれ固有振動数を算出し、その最大値を計測日における固有振動数として記憶部23に記憶する。
次に、制御部21は、タイマー11で設定された、列車が運行している時間帯(車両運行時)に、橋脚3の上面に設置された加速度センサ9bによって、橋脚3の振動を検出する。車両運行時は、例えば午前5時〜午前6時に設定される。制御部21は、車両運行時において、タイマー11で設定された所定回数の振動を検出する(ステップ103)。
この際、加速度センサ9bは、橋軸方向および橋軸直角方向の2方向の加速度の振幅を検出する(ステップ104)。
例えば、タイマー11で設定された時間内において、一定のレベルを超える加速度が検出されると、そこから所定時間(例えば20秒間)の測定を行う。測定は、所定回数(例えば5回)行われる。タイマー11で設定された時間内に、所定回数の列車の通行がない場合には、5回の測定が行われない場合もある。なお、所定時間内であっても、5回の測定が終了すると、それ以降は列車の通過を検出しても、測定は行われない。
図6は、測定される時刻を示す概念図である。車両非運行時(図中A)では、所定回数の測定(図中Cで示す)が行われる。また、車両運行時(図中B)では、車両が通過して振動が検知された際に、所定回数の測定が行われる。
次に、制御部21は、橋軸直角方向の加速度と橋軸方向の加速度とを解析する。具体的には、橋軸直角方向の加速度の最大振幅を、橋軸方向の加速度の最大振幅で除して、加速度振幅比を算出する(ステップ105)。制御部21は、得られた加速度振幅比を日時情報とともに記憶部23または他の記録媒体に記憶することができる。
図7(a)および図7(b)は、得られた加速度情報を示す図である。図7(a)に示す例では、橋軸方向の加速度の最大振幅(加速度の最大変化幅)がD、橋軸直角方向の加速度の最大振幅(加速度の最大変化幅)がEである。この場合では、制御部21は、E/Dを加速度振幅比として算出する。図示した例では、E/Dは概ね2.3程度である。
一方、図7(b)に示す例では、橋軸方向の加速度の最大振幅(加速度の最大変化幅)がF、橋軸直角方向の加速度の最大振幅(加速度の最大変化幅)がGである。この場合では、制御部21は、G/Fを加速度振幅比として算出する。図示した例では、G/Fは概ね0.3程度である。
次に、制御部21は、予め設定された加速度振幅比の基準値を記憶部23から呼びだす。また、制御部21は、すでに算出されている固有振動数および得られた加速度振幅比を、それぞれの基準値と比較する(ステップ106)。固有振動数の基準値は、例えば、鉄道構造物維持管理標準等に基づいて設定される。また、加速度振幅比の基準値は、例えば健全であることが既知の構造体などを用いて得られた加速度振幅比によって設定してもよく、有限要素法などによる解析によって算出して設定してもよい。
固有振動数および加速度振幅比の両者が基準値を超えている場合(ステップ107)には、制御部21は、橋脚3が健全であると判断する(ステップ108)。一方、固有振動数または加速度振幅比が基準値を下回った場合には、制御部21は、橋脚3が異常であると判断する(ステップ109)。
制御部21は、健全度の判定を、記憶部23に保存するとともに、通信制御部27と接続された送信部によって、加速度振幅比の情報や、健全度の評価結果を隔離した位置の情報収集部に送信することできる。なお、この場合、所定の間隔でその間の情報を一度に送信してもよく、また、異常を検知した場合に、異常信号を発信することもできる。
図8は、長期にわたって得られた加速度振幅比の推移を示す概念図である。所定期間継続して加速度振幅比を計測することで、加速度振幅比の変化点(図中H)を知ることができる。この場合には、加速度振幅比が基準以上であっても、橋脚3に異常が生じたことを知ることができる。なお、同様に、固有振動数についても、所定期間継続して計測することで、固有振動数の変化点を知ることもできる。
本実施の形態にかかる橋脚の健全度判定方法によれば、列車通過時の振動を用いるのではなく、常時微動によって固有振動数を計測するため、列車通過の影響を除いた精度のよい固有振動数を算出することができる。また、さらに、列車通過時の加速度振幅を評価することで、常時微動のみでは検出できない列車通過時の橋脚の健全性を評価することができる。
また、橋脚3の加速度振幅比を用いるため、列車の通過状況によらず、ばらつきが小さく、精度よく橋脚3の健全度を評価することができる。例えば、一方向または多方向における加速度の最大値のみを用いて橋脚3の健全度を評価すると、通過する列車によって、振動の大きさが異なるため、誤った判定がなされる恐れがある。しかし、本発明では、橋軸方向の加速度振幅によって基準化されるため、橋脚3の健全度を効率よく判断することができる。
また、列車の安全走行に影響の大きな、橋軸直角方向の加速度の大きさを指標とする。このため、単なる橋脚3の健全度の評価ではなく、列車走行の安全性を考慮した判断指標となる。
また、所定の期間継続して計測を行うことで、その変化点を知ることができる。従って橋脚に異常が生じた際に、早期に発見することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………健全度評価装置
3………橋脚
5………橋梁
7………制御装置
9a、9b………加速度センサ
11………タイマー

Claims (7)

  1. 橋梁または高架橋の橋脚の健全性を評価する評価装置であって、
    橋脚上に配置される加速度センサと、
    前記加速度センサによる情報を取得する時間を設定するタイマーと、
    前記加速度センサを制御する制御部と、
    前記加速度センサで得られた情報を解析する解析部と、
    前記解析部で解析された情報を記憶する記憶部と、
    を具備し、
    前記制御部は、前記タイマーによって設定された前記橋梁または高架橋を車両が通過しない時間帯において、前記加速度センサによって、所定時間ごとに所定回数の常時微動振動を測定させるとともに、前記タイマーによって設定された前記橋梁または高架橋を車両が通過する時間帯において、前記加速度センサによって、車両通過時振動を所定回数測定させ、
    前記解析部は、前記常時微動振動から、前記橋脚の固有振動数を算出するとともに、前記車両通過時振動から、橋軸方向の加速度振幅と、前記橋軸方向と直交な橋軸直角方向の加速度振幅とをそれぞれ取得し、前記橋軸直角方向の加速度振幅の最大値を、前記橋軸方向の加速度振幅の最大値で除して、加速度振幅比を求め、
    前記制御部は、前記記憶部に、固有振動数および前記加速度振幅比を記憶することを特徴とする橋脚の健全性評価装置。
  2. 前記加速度センサは、MEMSセンサであることを特徴とする請求項1記載の橋脚の健全性評価装置。
  3. 前記解析部で解析された情報を送信する送信部をさらに具備し、
    前記送信部は、前記固有振動数および前記加速度振幅比の情報を隔離した位置の情報収集部に送信することが可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の橋脚の健全性評価装置。
  4. 前記加速度センサは、複数種類の加速度センサを含み、
    前記常時微動振動を測定する前記加速度センサは、微動測定に適した一軸加速度センサであり、前記車両通過時振動を測定する前記加速度センサは、二軸または三軸の加速度センサであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の橋脚の健全性評価装置。
  5. 橋梁または高架橋の橋脚の健全性を評価する測定方法であって、
    橋脚上に加速度センサを配置し、
    前記加速度センサによって、前記橋梁または高架橋を車両が通過しない時間帯における、常時微動振動を、所定時間ごとに所定回数測定し、
    前記加速度センサによって、前記橋梁または高架橋を車両が通過する時間帯における、車両通過時振動を所定回数測定し、
    前記常時微動振動から、前記橋脚の固有振動数を算出するとともに、
    前記車両通過時振動から、加速度振幅を算出し、
    前記固有振動数および前記加速度振幅を用いて前記橋脚の健全性を判断することを特徴とする橋脚の健全性評価方法。
  6. 前記車両通過時振動から、前記橋梁または高架橋を車両が通過する際の、橋軸方向の加速度振幅と、前記橋軸方向と直交な橋軸直角方向の加速度振幅とを取得し、
    前記橋軸直角方向の加速度振幅の最大値を、前記橋軸方向の加速度振幅の最大値で除して、加速度振幅比を求め、
    前記加速度振幅比が所定値以上である場合に、前記橋脚が健全であると判断することを特徴とする請求項5記載の橋脚の健全性評価方法。
  7. 前記常時微動振動を測定する加速度センサと、前記車両通過時振動を測定する加速度センサには、異なる加速度センサを用い、
    前記常時微動振動を測定する加速度センサは、微動測定に適した一軸加速度センサであり、前記車両通過時振動を測定する加速度センサは、二軸または三軸の加速度センサであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の橋脚の健全性評価方法。
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