JP5970305B2 - 管渠の布設方法 - Google Patents

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本発明は管渠の布設方法に係り、特に設置位置に段差が設けられた基礎コンクリート上を横引きされた複数基の管体を、設置位置までスムースに移送して連結し、所定延長の管渠を構築するようにした管渠の布設方法に関する。
出願人は、都市部等の幹線道路直下に上下水道、電力配線、各種地下道などのための共同溝や管渠を構築する工法として、先行して地盤を開削して土留めを行って、所定延長の開削地下空間を形成し、その地下空間の搬入地点に、プレキャストコンクリート製の単位長さの管体(以下、本明細書では、具体的な呼び名として知られる、矩形断面形状、上半円形トンネル形状等からなる各種ボックスカルバート、ヒューム管、トンネルカルバートの総称を指すこととする。)を搬入し、搬送路に沿ってウィンチ等で牽引(本明細書では、「横引き」と呼ぶ。)して、所定の布設位置まで移送して既設の管体に連結し、これを順次繰り返して連続したトンネル状の共同溝や暗渠(総称して管渠と呼ぶ。)を構築する横引き工法を採用して多くの実績を挙げている(特許文献1参照)。
ここで、従来の横引き工法の工法内容について簡述する。地下空間に形成される管体の移送路は、ほぼ水平な上面にレールが形成された基礎コンクリートからなる。レールは、基礎コンクリートの表面に溝型鋼あるいはH型鋼を、ウェブ面が上面となるように埋設して構成したもので、この型鋼で囲まれた溝内に、例えばφ11程度の鋼球(ベアリングボール)を、適当な間隔をあけて平面上に分散するように多数収容させる。この鋼球上で、管体の下面に装着されたガイド突起(型鋼あるいは型鋼とコンクリートの複合体で構成する)を載置し、鋼球の回転、転動等によってその移送時の摩擦抵抗が低減された状態で、管体を所定の布設位置まで移送することができる。
管体の底版には、所定数のグラウト充填孔を設けておき、布設位置で既設の管体と連結された状態で、管体の底版下方と移送路との間の空間、移送路を構成する鋼球間の空隙等にグラウト等を充填硬化することで、連続して連結され、管体として構成された管体と移送路を構成する基礎コンクリートとの一体化が図られる。
このように、布設位置に順次移送設置された管体同士が一体に連結されることにより、所定の縦断線形および長さを有した共同溝、暗渠が構築される。
上述した、横引き工法(もしくはボックスベアリング横引き工法)については、出願人等によって各種の関連技術が提案、開示されている。これらの開示された技術として、たとえば横引き工法に関する基本発明(特許文献1)、勾配のある移送路でのレール内の鋼球の保持手段の発明(特許文献2)、移送路の途中で、管体の移送方向の転換を容易に実施できるようにした発明(特許文献3)に関するものを例示することができる。
特許第2879021号公報 特開2005−90226号公報 特開2012−92517号公報
ところで、上述した鋼球上を移送させる管渠の横引き方法では、管渠が横引きされる位置の溝状のレール面上に多数の鋼球を分散して配置させるため、レール面がほぼ水平あるいは所定勾配以下であることが重要である。ところが、図6(a)に模式的に示したように、完成後の管渠1を、地上の土構造物の盛土形状等に沿って所定の設計土被りで埋め戻す場合がある。この場合、土被りに応じて図示したような異なる上載荷重が作用する。この作用荷重に対して連続した管渠が十分な強度を保持するように、所定の荷重が作用するそれぞれの管体の覆工厚、インバート厚等、仕様が異なるプレキャストコンクリート製品を延長方向に配置する設計を行っている。
たとえば、図4(a)に示した管渠は完成後に水路として供用される水路の水底勾配を一定に仕上げるために、インバート厚の異なるコンクリート製品の水路底面が滑らかに連続するように、それぞれの管体の設置時の底面高さを調整して設置する必要がある。そのため設置されるコンクリート製品の寸法仕様(たとえばインバート厚)が異なる部材を連結して一体化する場合において延長方向の設置高さに段差が生じることになる。
特許文献2に開示された段差部の対応手段は、同一寸法の管体の設置高さが異なる状態に対応させるための移動台車であり、その台車自体が基礎コンクリート上を移動するとともに、上面に載置された管体を移動させるレールとしての機能も有する。しかし、この移動台車はレールに段差がある位置での管体の高さの変更のために使用することを意図するものである。すなわち、図6(b)に示したように、延長方向にわたり単一のレール30を用いて、異なる断面形状(設置時の底面高さが異なる形状)の管体を所定位置に設置するために、管渠の延長方向において基礎コンクリート上に段差が設けられているような場合は想定していない。
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、鋼球を用いた横引き工法によって所定延長において管渠を布設する場合等、対象の管体断面形状に応じて設置底面に段差が設けられた基礎コンクリートにおいても、単一のレールを用いて各管体を延長方向に効率よく横引きでき、さらに、それぞれの管体の連結位置において、容易かつ高精度に管体を連結、設置できるようにした管渠の布設方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は複数基を連結して管渠を構成する異なる外形断面寸法からなる複数種の単位管体を、基礎コンクリート上に搬入し、該基礎コンクリート上に敷設されたレール面に球状体を分散して配置し、前記単位管体を前記球状体で支持し、該球状体の転動により前記単位管体を連結位置まで移送し、既設管体と連結して管渠を構築するようにした管渠の布設方法において、前記異なる外形断面寸法からなる前記単位管体を連結する際に生じる段差を考慮して設定された深さの溝を前記基礎コンクリートに形成して前記レールを敷設し、前記単位管体の下面に該単位管体の外形断面寸法に応じた移送時高さを調整する移送治具を管体移送方向に沿って取り付け、該移送治具を前記球状体上に載置して前記管体を移送起点から前記レールに沿って設置位置まで移送し、設置位置において、前記移送治具を残置した状態、あるいは前記単位管体を仮支持させて前記移送治具を取り外し、設置高さを確保する支持部材に支持させた状態で、既設管体と連結することを特徴とする。
前記移送治具は、形鋼材からなり、前記単位管体の製造時に底面に取り付けられた底面保護部材と端部ガイド部材の底面に沿って、前記管体の移送起点にて前記単位管体に取り付けられることが好ましい。
前記形鋼材は、内部に補剛材が充填された角形鋼管とすることが好ましい。
前記形鋼材は、H型鋼を用いることが好ましく、そのH形鋼のフランジを上下に配置して対向させた状態で前記球状体を介装させて複数段を積層して、前記単位管体の移送時高さを調整することも好ましい。
前記設置位置で、前記移送治具を取り外して支持部材に支持を盛り替えて、前記既設管体と連結する際、前記支持部材の上面に摩擦低減部材を設け、該摩擦低減部材を介して前記単位管体を移動させて既設管体への連結調整を行うことが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、管体の横引き工法において、連結される管体の断面形状の相違によって生じる管体を設置する基礎コンクリートに段差が設けられている場合にも、単一のレールを敷設することで、管体を効率よく横引きして設置位置まで移送することができ、連結時の断面合わせも容易かつ精度よく行えるという効果を奏する。
本発明による管渠の布設方法における管体および管体移送手段を示した断面図。 図1に示した管体の移送状態を側面から示した状態説明図。 図1に示した管体移送手段の断面構成を拡大して示した部分拡大断面図。 管体移送手段としての高さ調整用スライダの取り付け状態を示した斜視図。 高さ調整用スライダの取り付け状態および着脱状態を示した部分側面図。 管渠の延長方向の設置例と、管体の移送および連結状態を示した状態説明図。 本発明の管渠の布設方法の工程手順例を示した工程フローチャート。 管体のインバート厚の差による管体移送時(横引き時)及び基礎設置時の管体移送手段の配置状態を示した部分断面図。 図8各図に示した状態での管体移送手段の状態を拡大して示した部分断面図。 高さ調整用スライダの他の実施例を示した部分断面図。 高さ調整用スライダの他の実施例を示した部分断面図。
以下、本発明の管渠の布設方法の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
以下、本発明の管渠の布設方法の段差部に適用される管体移送手段としての各部材の構成と、管体の移送状態、設置状態について添付図面を参照して説明する。
前述したように、予定している管渠の全長区間において、基礎盤に複数の段差部が設定されている場合にも、横引き作業用のレールは、全長にわたって水平ないしは許容限度の勾配内に連続して敷設する必要がある。そして、そのレール上に鋼球を分散して満遍なく配置する必要がある。そのために、本発明では、管体移送手段として管体側に高さ調整用スライダを取り付け、基礎側に敷設されたレールを含む管体支持手段上を、断面形状の異なる各管体をスムーズに移送でき、かつ設置位置において、断面形状の異なる管体同士のインバート面が連続して連結できるようにした。以下、その管体移送手段、高さ調整用スライダ、管体を支持する側の管体支持構造の構成、および管体の移送時、管体の連結時、基礎盤上への設置時の各状態について説明する。
[管体移送手段の構成]
図1には、所定の法面勾配3で開削された地盤面2において、単位長さ(本実施例では1基の単位長さ2.0mの製品が使用されている。)のプレキャストコンクリート製品からなる管体1の一実施形態としての上半円形トンネル形状の水路トンネルと、この管体1を移送するための管体移送手段10と、管体移送手段10を介して管体を支持する管体支持構造20とが示されている。
管体1は、図示したように、水路トンネル(管渠)の全長にわたり地盤面2に所定厚さをなして敷設された管体支持構造20としての、下部基礎コンクリート22(図5(a)参照)と、コンクリート厚さが溝深さに応じて設定された上部基礎コンクリート21と、上部基礎コンクリート21に形成された溝23内のレール30上に分散して収容された球状体としての鋼球31に、管体移送手段10を介して支持され移送方向に移動可能に載置されている。なお、図1には、一例として、円形上半部1Uと、側壁部と、円弧状の水路底面をなすインバートコンクリート1Lとで構成された水路トンネルが示されているが、本発明により移送され、所定延長の管渠を構成する管体1は、矩形、馬蹄形他の断面形状のボックスカルバートや、有蓋U字形溝等が含まれる。また用語の意義としての「管体」以外にも逆T字形、L字形の「壁体」の移送、設置に適用することも可能である。
図2は、図1に示した管体1の支持状態の全体構成を示した側面図である。図1に示したように、管体1のインバートコンクリート1Lの底面には、両側壁下方位置に2箇所の管体移送手段10が設けられている。これらの管体移送手段10の全体構成について、断面図(図1)、側面図(図2)、部材構成を示した斜視図(図4)、固定状態、着脱状態を説明した側面図(図5各図)を参照して説明する。管体1側の管体移送手段10は、各図から明らかなように、管体1としてのプレキャストコンクリート製品の底面1aの延長方向に延在する底面保護プレート11と、底面保護プレート11の延長方向の両端と管体1の端面との間にわたり取り付けられた端部ガイド部材12と、底面保護プレート11と端部ガイド部材12の両方の底面側に、管体1の長手方向全体にわたって取り付けられた高さ調整用スライダ14とから構成されている。
底面保護プレート11は、本実施例では、厚さ28mm、幅75mm、長さ1.4mの平鋼からなる。この平鋼はコンクリート底面1aに図示しないアンカーを介して固着され、通常は、鋼球31に支持され、管体1の底面1aを保護して管体1の移送をガイドするスライダ部材として機能する。そして管体1の長手方向の両端には、それぞれ長さ0.3mの端部ガイド部材12が管体1の底面1aに固着されている。この端部ガイド部材12には型鋼あるいは鋼管が用いられ、管体底面1aと高さ調整用スライダ14との所定のクリアランス(本実施例では28mm)を埋め、管体端部での高さ調整用スライダ14の管体1への取付け安定性を図っている。
(高さ調整用スライダの構成)
高さ調整用スライダ14の構成について、図2,図3〜図5を参照して説明する。高さ調整用スライダ14は、本実施例では、全長が管体長と等しい角形鋼管(□80mm)からなる。この高さ調整用スライダ14は、管体支持手段20の上部基礎コンクリート21に形成された溝23内に敷設されたレール30上に分散して配置された鋼球31上に載置され、管体1をレール31表面から所定高さに位置調整する役割を果たし、また管体移送手段10を介して管体1を図2に示したように、矢印方向に移送させるソリ状の支持部材としても機能する。なお、高さ調整用スライダ14としての角形鋼管のサイズ(幅)は、上部基礎コンクリート21に形成された溝幅に対して所定のクリアランスを確保して設定することが好ましい。本実施例では、溝幅125mmに対して、両側に約20mmのクリアランスを設けた幅80mmの角形鋼管を使用している。また鋼管内部にはコンクリートあるいはモルタルからなる補剛材15が充填されている。これにより補剛材と鋼管との複合構造にとして、その剛性が十分高められている。
(高さ調整用スライダの他の実施例)
以上、角形鋼管を高さ調整用スライダ14として用いた一実施例について説明したが、インバートコンクリート1Lの厚さ、設置位置等によっては、段差が数十cm以上に及ぶこともある。その場合には、適正なサイズのH形鋼等を積層して所定の高さを確保することが好ましい。その具体的構成については、図10、図11で後述する。
高さ調整用スライダ14の管体進行方向の先端側には、鋼球と接する底面側が所定の傾角をなすテーパ部14aが形成されている。これにより、図2の矢印方向への管体移送時に、管体1が載置された高さ調整用スライダ14は、レール30上に分散した鋼球31上を滑らかに移動することができる。なお、管体1を移送する手段、方法としては、管体1の到達側に設置されたウインチ等のワイヤ巻き取り手段から延び管体1に取り付けたワイヤによる到達地点までの牽引や、アタッチメント等で管体1をレール上(鋼球上)に保持して上部基礎コンクリート21上を走行可能な、例えばタイヤ走行式バックホウ、フォークリフト等の自走装置によるに搬送が適用できる。
(高さ調整用スライダの種類と取付け手段)
高さ調整用スライダ14の高さは、たとえば図3(図9(a−1)に略同じ)に示したように、移送対象となる管体1(1A)の覆工厚(具体的にはインバート厚)がもっとも薄い断面形状の管体1では溝23内において、高さ調整用スライダ14を取り付けたまま、管体底面が所定高さに設置できるように設定されている。それ以外の場所では、図9(b−1),(c−1)に示したように、溝深さが異なっている。このため、それぞれ管体1(1B,1C)の設置時に高さ調整用スライダ14が撤去された状態で、所定厚さのライナープレート35を介して、それぞれの管体底面の高さが基礎盤から一定のクリアランスを保持させる。これにより、管体1の断面形状が異なった場合にも、インバート上面が所定の水路勾配を形成するように各管体1(1A,1B,1C)の底面位置を規定することができる。
上述したように、(1)高さ調整用スライダ14を管体とともに設置する場合と、(2)管体が移送された後に高さ調整用スライダ14を取り外して管体を設置する場合とでは、高さ調整用スライダ14を管体に取り付ける手法を異ならせることが好ましい。(1)の場合、図5(a)に示したように、管体底面の端部ガイド部材の管体両端と高さ調整用スライダ14の端面鋼材とを溶接連結することが好ましい。(2)の場合、図5(b),(c)に示したように、高さ調整用スライダ14の端面から充填コンクリート15内にインサート41(雌ねじナット)を埋設しておき、そのインサート41に端面ガイド部材12との一体化が可能な取付鋼材40をボルト固定させることがこのましい。この取付鋼材40は、管体底面に取り付けられた端面ガイド部材12と一体的に組み込まれる山形鋼44と端面プレート43とからなる。取り付け方法としては、端面プレート43に形成された取付孔(図示せず)を介してボルト42をインサート41に締め込んで高さ調整用スライダ14との一体化を図る。図5(b)は高さ調整用スライダ14と管体1とを、取付部材40を介してボルト結合して一体化させた状態、図5(c)はボルト42を取り外すことで、取付鋼材40と、高さ調整用スライダ14とを分離した状態を示している。このように、ボルト42を取り外すだけで高さ調整用スライダ14を管体1の後方から容易に引き抜いて取り外すことができる。なお、高さ調整用スライダ14は、設置場所で管体1から取り外されるが、起点位置まで送り返し、以後に移送される新たな管体1の底面に取り付けて繰り返して使用することができる。
[管体支持構造の構成]
(基礎コンクリートの構成)
本発明では、上述した管体移送手段10が設けられた管体を支持する管体支持構造20として、図3、図8各図、図9各図に示したように、図示しない均しコンクリート上に所定厚さで施工された下部基礎コンクリート22と、下部基礎コンクリート22上に、上述した管体の断面形状に応じたコンクリート厚をなして打設され、上面に所定深さの角溝が形成された上部基礎コンクリート21と、溝23内の所定深さに設置されたレール30と、レール30上に分散して溝23内に収容された鋼球31とから構成されている。管体の断面形状の相違(インバート厚の差)に応じて生じる段差量を考慮して、上部基礎コンクリート21のコンクリート厚が設定されている。また、この上部基礎コンクリート21のコンクリート厚に応じて溝23の深さ、溝23内に敷設されるレール30の敷設面高さも定まる。
(レールの設置構造)
以下、レール30の設置構造について、図3を参照して説明する。本発明では、上述したように、上部基礎コンクリート21のコンクリート厚は、その位置に設置される管体1のインバート厚さに応じて決定されている。また、そのコンクリート厚に応じてコンクリート上面から所定深さの角溝30が形成され、その溝23内に管体移送のためのレール30が敷設されている。このレール30は溝底面に、延長方向に所定ピッチで埋設された、あと施工アンカー25としてのナット部に螺合され、締め込み量が調整されたボルト26頭上に載置固定されている。ボルト26の調整量は、溝23の長手方向に連続して配列されたボルト頭上に載置固定されるレール30となる平鋼(本実施例では厚さ9mm、幅100mm)が、溝23内において平坦面を構成するように設定されている。なお、あと施工アンカー25としては、施工性を考慮してホールインアンカーのような金属系拡張アンカーが好適であるが、ハンドリング時間が調整可能なケミカルアンカーを用いた金属棒による位置決め等を行うこともできる。
レール30としての所定長さのプレート(平鋼)は、ボルト26の頭部に溶接固定され、さらにレール延長方向にわたり連結され、無収縮性モルタル27がレール30の下方を補剛するように充填されている。横引き時には、レール30上に分散して配置された鋼球31上に、図3に示したように、管体1に取り付けられた高さ調整用スライダ14が載置される。
[管渠の布設手順]
次に、断面形状が異なる管体の敷設手順について、図6各図〜図9各図を参照して説明する。
図6(a)は、上部基礎コンクリート21上において3種類の断面形状(サイズ:1A,1B,1C)を有する管体1を連結し、1本の水路トンネルを構築した状態(覆土前の状態)を示した側面図である。図示したように、基礎コンクリート21の上面は管体の断面形状に応じて段差が設けられている。これに対して、管体1を移送するためのレール30は、同図に破線で示したように、平坦に構築されており、レール30に沿って各サイズの管体1(1A,1B,1C))の横引きを確実に行えるようになっている。
図6(b)は、上部基礎コンクリート21に敷設されたレール上に沿って管体1を移送させる状態、及び各管体1(1A,1B,1C)の設置位置において、基礎コンクリート(図示せず)上に所定のクリアランスを設けた状態で載置され、既設の管体1との連結を行って所定位置に設置する状態を示した概略施工順序図である。同図に示した管体1のうち、両端部に位置する各2基の管体1Aは、上述した高さ調整用スライダ14を取り付けた状態で基礎コンクリート上に位置決めされる。そして、他の管体1B,1Cは、移送時に管体移送手段10として高さ調整用スライダ14を取り付けた状態で、設置位置まで移送され、高さ調整用スライダ14を取り外した後に、既設の管体1と連結される。
図8各図は、図6(b)に示した管体の各状態での移送状態、設置状態を示した部分断面図である。図9各図は、さらに各管体の移送時の管体移送手段10の拡大断面図、各管体の設置位置での基礎コンクリート21への固定状態を示した拡大断面図である。
以上の各状態を示した図と、図7の施工順序フローチャートとを参照して管渠の布設方法の全体施工手順について説明する。
まず、管渠を敷設する区間の開削工事を行い、管渠の目的に沿った勾配等を考慮した基礎コンクリートを打設する。下部基礎コンクリート22は基本層厚に施工されるが、上部基礎コンクリート21に形成される溝23の深さに応じて、上部基礎コンクリート21のコンクリート厚を確保したい場合には、溝形成部位でのコンクリート厚を調整して施工することが好ましい。上部基礎コンクリート21に形成する溝23の深さは、その上に設置する管体1の断面形状(インバート厚)のサイズの差に応じて設定する。さらに形成された溝底面に、あと施工アンカー25のナット部としてのホールインアンカーを延長方向に所定間隔(例えば本実施例では1000mmピッチ)をあけて埋設する。次いで、各ホールインアンカーのナット部にレール支持用のボルト26を螺合する。各ボルト26のボルト頭が、敷設するレール30の延長方向に沿って所定の平坦あるいはゆるい勾配となるように各ボルト26の締め込み量を調整してボルト頭の位置調整を行う。上述したボルト26の埋設ピッチは、平鋼の厚さとの関係で、適宜設定することができる。たとえばピッチ1500mmにした場合には、支持位置の中間位置での平鋼の撓み等を防止するモルタルブロック等の仮支持材を中間位置に配置することも好ましい。
プレート状のレール30を、高さ調整されたボルト26上に載置するとともに、ボルト頭に溶接してレール30を管渠の延長方向にわたって敷設する。その後、図3に拡大して示したように、溝23とレール30の下面との間の空間に無収縮モルタル27を充填し、レール支持盤を形成する。これにより、管体1の移送時におけるレール30の撓み等を防止できる。
管渠(水路)全長にわたるレール敷設が完了したら、高さ調整用スライダ14が取り付けられた管体1を横引き作業の起点に搬入し、レール30上にセットする。本実施例では、レール30上の鋼球31上に、管体1の高さ調整用スライダ14の底面を載置し、自走搬送機で保持して、設置位置までの搬送を行う。図8(a−1),(b−1),(c−1),図9(a−1),(b−1),(c−1)は、インバート厚さの異なる3種類の断面形状の管体の搬送状態を示した部分断面図、拡大断面図である。各図のうち図8(a−1),図9(a−1)に示した管体1Aでは、図9(a−2)に示したように、高さ調整用スライダ14を管体1の底面に取り付けたままの状態で、管体1と基礎コンクリート21との間にモルタル37充填を行い、管体1を基礎コンクリート21上に固定する。
管体設置位置で高さ調整用スライダ14を取り外して、設置高さを調整してライナープレート35で所定高さに支持させて基礎コンクリート21と管体1との間をモルタル37で充填するタイプ1B,1C(図8(b−1),(c−1),図9(b−1),(c−1),(b−2),(c−2))では、管体1B,1Cを設置位置まで移送した後に、管体底部を爪部で支持可能なジャッキによってジャッキアップして、管体移送手段10としての高さ調整用スライダ14での管体支持状態を仮支持材(図示せず)による支持に盛り替える。この仮支持状態で、高さ調整用スライダ14のボルト42(図5参照)を外して高さ調整用スライダ14を管体1の後方から抜き取って取り外す。その後、対象の管体1の設置高さに合致したライナープレート35による支持に盛り替える。このとき、管体1の端面が嵌め合いのための雄雌形状となっている場合には、管体1の連結時にライナープレート35の上面にテフロン(登録商標)板等の摩擦低減板36を設けておき、この低摩擦面上をスライドさせて管体の嵌め合いの連結作業を行うことが好ましい。
管渠としての全長にわたる管体の連結作業が完了したら、管体1の底面に形成されているモルタル充填孔(図示せず)を利用して管体内部側から、基礎コンクリートと管体のとの間にモルタル37充填を行って管体1を基礎コンクリート21上に固定して管渠全長にわたる構造物の安定性を確保する。
(H型鋼を用いた高さ調整用スライダの構成)
図10は、他の実施例としてH形鋼を用いた高さ調整用スライダ50による管体の支持状態を示した断面図である。図10には、たとえば図3に示した角形鋼管(高さ80mm)に対して高さ300mmのH型鋼51を、鋼球31と底面保護プレート55との組み合わせ部材を挟んで上下2段積みして、さらに微調整用の小さいサイズのH型鋼52をそれらの上に積層しておよそ80cm程度の段差調整を行った例が示されている。高さ調整用スライダとして使用されるH形鋼51の各上側フランジ上面には、レール用プレート53、側壁金物54が設けられ、これらに囲まれた空間内に所定量の鋼球31を分散して収容させるようになっている。その鋼球31上に、上側の高さ調整用スライダ51(52)の底面保護プレート55が載置される。
H形鋼51、52のうち、下側2段分のH形鋼51,51は、同図に示したように、基礎コンクリート21に設けられた段差のうち、細かい高さ調整を要しない定量高さの段差分の嵩上げのために使用される。そのため、フランジ間は、鋼球31と底面保護プレート55との組み合わせ部材を挟んだ状態で連結ボルト56を介して、上下方向に連結固定される。そして鋼球31と底面保護プレート55との組み合わせ部材が動かないように複数枚のライナープレート57を積層して鋼球31の転動を防止している。その上に重ねられたH形鋼52は、ライナープレート52で高さ調整した状態で、クランプ58によって仮固定されている。段階的に段差分が解消される位置まで管体1が移送されたら、クランプ58を緩めライナープレート57を取り外して固定解除する。これにより、管体1側の鋼球31とH形鋼52を支持している鋼球31が転動可能となるため、H形鋼52を次の段差解消部分まで移送でき、その状態でH形鋼52上に沿って、さらに管体1を設置位置まで移送することができる。このように、複数段の高さ調整用スライダ51,52と、鋼球31、底面保護プレート55との組み合わせにより、段差が段階的に付けられている基礎コンクリート21部分においても、その段差に応じて所定高さの設置位置まで、対応した断面形状の管体を移送することができる。
図11は、高さ調整用スライダを用いた管体の支持状態を示した、さらなる他の実施例を示した断面図である。図11には、図10に示した大型のH形鋼の上に、鋼球31と底面保護プレート55とが設けられ、さらにその上に微調整用の小さいサイズのH形鋼59がベースプレート60上に並列して積層されている。この実施例においては、H形鋼51を用いて約300mmの高さの段差を解消した後に、管体1の設置高さに合致させて調整したH形鋼59とその上に、鋼球31を介して載置された管体1とを設置位置の直近まで移送し、最終的に管体1のみを基礎コンクリート(図示せず)上のレールに沿って設置位置まで移送させることができる。
以上に示したように、各種の高さ調整用スライダ51,52,59を用いることにより、インバートコンクリート1Lの厚さが異なる断面形状からなる管体を、水路底面が連続するように延長方向に連結する際、その管体底部の高さを調整するために設けた段差を効率的に解消しながら管体の移送を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
1(1A,1B,1C) 管体
10 管体移送手段
11 底面保護プレート
14 高さ調整用スライダ(角形鋼管,H型鋼)
15 充填コンクリート
20 管体支持手段
21 上部基礎コンクリート
30 レール
31 鋼球
35 ライナープレート
36 摩擦低減板
50 高さ調整用スライダ
51,52,59 H形鋼

Claims (5)

  1. 複数基を連結して管渠を構成する異なる外形断面寸法からなる複数種の単位管体を、基礎コンクリート上に搬入し、該基礎コンクリート上に敷設されたレール面に球状体を分散して配置し、前記単位管体を前記球状体で支持し、該球状体の転動により前記単位管体を連結位置まで移送し、既設管体と連結して管渠を構築するようにした管渠の布設方法において、
    前記異なる外形断面寸法からなる前記単位管体を連結する際に生じる段差を考慮して設定された深さの溝を前記基礎コンクリートに形成して前記レールを敷設し、前記単位管体の下面に該単位管体の外形断面寸法に応じた移送時高さを調整する移送治具を管体移送方向に沿って取り付け、該移送治具を前記球状体上に載置して前記管体を移送起点から前記レールに沿って設置位置まで移送し、設置位置において、前記移送治具を残置した状態、あるいは前記単位管体を仮支持させて前記移送治具を取り外し、設置高さを確保する支持部材に支持させた状態で、既設管体と連結することを特徴とする管渠の布設方法。
  2. 前記移送治具は、形鋼材からなり、前記単位管体の製造時に底面に取り付けられた底面保護部材と端部ガイド部材の底面に沿って、前記単位管体の移送起点にて前記単位管体に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の管渠の布設方法。
  3. 前記形鋼材は、内部に補剛材が充填された角形鋼管であることを特徴とする請求項に記載の管渠の布設方法。
  4. 前記形鋼材は、H型鋼であり、該H形鋼のフランジを上下に配置して対向させた状態で前記球状体を介装させて複数段を積層し、前記単位管体の移送時高さを調整可能な請求項に記載の管渠の布設方法。
  5. 前記設置位置で、前記移送治具を取り外して支持部材に支持を盛り替えて、前記既設管体と連結する際、前記支持部材の上面に摩擦低減部材を設け、該摩擦低減部材を介して前記単位管体を移動させて既設管体への連結調整を行うことを特徴とする請求項1記載の管渠の布設方法。
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