JP5969977B2 - 防虫繊維の製造方法およびその方法により製造された防虫繊維 - Google Patents

防虫繊維の製造方法およびその方法により製造された防虫繊維 Download PDF

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Description

本発明は、害虫を駆除するための殺虫剤が配合された防虫繊維の製造方法及びその方法により製造された防虫繊維に関する。
従来、ヒトやペットを害虫(蚊やハエ等)から保護するために、蚊帳等の防虫ネットが使用されている。この防虫ネットは、一般に、殺虫剤を配合した樹脂組成物により形成された防虫繊維を網目状に製織したものであり、ネット自体に防虫機能を付与したものである。
また、この防虫ネットは、防虫繊維に配合された殺虫剤に害虫が接触することにより、殺虫するものであるが、その使用が長期間に渡るため、経時的に殺虫剤の配合量が低下して防虫ネットの殺虫効果が徐々に低下するという問題があった。
そこで、このような使用条件下においても、十分な防虫機能を発揮し得る防虫繊維が提案されている。より具体的には、25℃における蒸気圧が1×10−6mmHg以下である殺虫成分(例えば、ピレスロイド化合物)及び熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂)が含有された防虫繊維が開示されている。
この防虫繊維を製造する際には、まず、殺虫剤(ペルメトリン)を含有するシリカカプセルと直鎖状低密度ポリエチレンを150℃で溶融混練して押出機から押し出すことによりペレット状のマスターバッチを製造する。次いで、このマスターバッチと高密度ポリエチレンを220℃〜240℃で溶融混練して、殺虫成分を含有する樹脂組成物を製造し、この樹脂組成物を原料として、押し出し法により、190℃〜200℃で押出紡糸することにより、防虫繊維が製造される。そして、このような防虫繊維は、良好なブリードアウト特性(殺虫剤自身が、担体の内部から担体の表面へと移動して揮散する特性)を有するため、蚊等の害虫を効果的に防除することができると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−13508号公報
しかし、上記特許文献1に記載の防虫繊維では、低密度ポリエチレンやポリプロピレン等より密な構造を有する高密度ポリエチレンを主要な樹脂成分に使用しており、また、ペレット作製時の溶融温度を220〜240℃の高温度で行うため、樹脂の空隙状態が、殺虫成分の効果的なブリードに好ましくない状態となる。その結果、長期間(例えば、30日)に渡り、殺虫性能を維持することができないという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、長期間に渡り、良好な殺虫性能を維持することができる防虫繊維の製造方法およびその方法により製造された防虫繊維を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の防虫繊維の製造方法は、オレフィン系重合体100質量部当たり、ピレスロイド系殺虫剤0.1〜10質量部、昇華性物質0.01〜5質量部を含有する防虫繊維の製造方法であって、オレフィン系重合体とピレスロイド系殺虫剤と昇華性物質とを昇華性物質の沸点以下の温度で溶融混合してマスターバッチを作製するマスターバッチ作製工程と、マスターバッチとオレフィン系重合体とを昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下の温度で溶融混合してペレットを作製するペレット作製工程と、ペレットの温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定して、ペレットを溶融紡糸する紡糸工程とを少なくとも備えることを特徴とする。
同構成によれば、殺虫剤と昇華性物質とを互いに密集させた状態で、溶融混合する際の蒸発による昇華性物質のロスを防止することができ、また、防虫繊維において多数の空隙を形成することができるため、長期間に渡り、良好な殺虫性能を維持することができる防虫繊維を提供することが可能になる。
本発明の防虫繊維の製造方法においては、昇華性物質が、トリイソプロピル−S−トリオキサン、トリ−t−ブチル−S−トリオキサン、ナフタリン、樟脳、及びトリシクロデカンからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
本発明の防虫繊維の製造方法においては、殺虫剤が、ペルメトリン、フェノトリン、トランスフルトリン、プラレトリン、トラロメトリン、シフルトリン、及びデルタメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
本発明の防虫繊維の製造方法においては、オレフィン系重合体が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
同構成によれば、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンは、融点が低く硬いため、比較的低い温度で強固なマスターバッチを製造することが可能になる。また、低密度ポリエチレンは、融点がより低いため、昇華性物質の蒸発ロスをより効果的に抑制することが可能になる。
本発明の防虫繊維の製造方法においては、防虫繊維は、オレフィン系重合体100質量部当たり、無機充填剤を0.1〜5質量部含有し、マスターバッチ作製工程において、オレフィン系重合体とピレスロイド系殺虫剤と昇華性物質と無機充填剤とを昇華性物質の沸点以下の温度で溶融混合してマスターバッチを作製してもよい。
本発明の防虫繊維の製造方法においては、無機充填剤が、シリカであってもよい。
本発明の防虫繊維は、本発明の防虫繊維の製造方法により製造された防虫繊維である。
本発明によれば、長期間に渡り、良好な殺虫性能を維持することができる防虫繊維を提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係る防虫繊維の製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る防虫繊維の製造条件を説明するための図である。 ペレット作製と溶融紡糸する際の温度を218℃より高く設定した場合の防虫繊維の製造条件を説明するための図である。 マスターバッチを作製しない場合の防虫繊維の製造条件を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の防虫繊維は、オレフィン系重合体と、ピレスロイド系殺虫剤と、昇華性物質とを含有している。
オレフィン系重合体としては、ペレット状に成形可能な程度の分子量を有するものであれば、樹脂状のものでもエラストマー状のものでもよい。より具体的には、エチレンの単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体(例えば高圧法ポリエチレン、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどの各種ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィン樹脂、エチレンと極性モノマーとの共重合体(例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体)、エチレンと不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸など)との共重合体、エチレンと1種又は2種以上の不飽和カルボン酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチルなど)との共重合体、エチレンと上述した不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルの共重合体、ポリオレフィン系エラストマー等のオレフィン系重合体、またはこれら2種以上の混合物などを使用することができる。
このうち、本実施形態においては、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンを使用することが好ましい。これは、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンは、融点が低く硬いため、比較的低い温度で強固なマスターバッチを製造することができるからである。
なお、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンを混合して使用してもよい。
また、本実施形態における中密度ポリエチレンは、JIS K 7112に準拠して測定された密度が0.93〜0.942g/cmであり、高密度ポリエチレンは、JISK 7112に準拠して測定された密度が0.942g/cm以上である。また、ポリプロピレンは、JISK 7112に準拠して測定された密度が0.90〜0.91g/cmである。
また、本実施形態における中密度ポリエチレンは、JISK 7121に準拠して測定された融点が110〜130℃の範囲にあり、高密度ポリエチレンは、JISK 7121に準拠して測定された融点が130〜135℃である。また、ポリプロピレンは、JISK 7121に準拠して測定された融点が160〜165℃の範囲にある。
また、オレフィン系重合体として、低密度ポリエチレンを使用してもよい。これは、低密度ポリエチレンは、融点がより低いため、昇華性物質の蒸発ロスをより効果的に抑制することが可能になるためである。なお、低密度ポリエチレンを、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンと混合して使用してもよい。
本実施形態における低密度ポリエチレンは、JIS K 7112に準拠して測定された密度が0.905〜0.93g/cmであり、JISK 7121に準拠して測定された融点が105℃〜125℃の範囲にある。
ピレスロイド系殺虫剤としては、ペルメトリン、フェノトリン、トランスフルトリン、プラレトリン、トラロメトリン、シフルトリン、デルタメトリン、アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、dl・d−T−アレスリン、d・d−T−アレスリン、d・d−T80−アレスリン、レスメトリン、d−80−レスメトリン、エンペントリン、テラレスリン、メトフルトリン、エトフェンプロックス、テフルスリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン、フラメトリン、フタルスリン、d−T80−フタルスリン、イミプロトリン、フェンバレレート、シペルメトリン、シフェノトリン等を使用することができる。なお、これらの殺虫剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、ピレスロイド系殺虫剤の配合量は、オレフィン系重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部の割合となるように設定することが好ましく、より好ましくは、0.5〜5質量部の範囲に設定することが好ましい。
これは、ピレスロイド系殺虫剤の配合量が10質量部よりも大きい場合は、オレフィン系重合体の有する機械的強度等の成型品特性を損なうという不都合が生じる場合があり、配合量が0.1質量部よりも小さい場合は、殺虫性能が十分に発揮されない場合があるためである。即ち、ピレスロイド系殺虫剤の配合量を、オレフィン系重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲に設定することにより、成型品である防虫繊維の機械的強度を損なうことなく、強力な殺虫効果を発揮することができる防虫繊維を得ることが可能になる。
昇華性物質としては、固体から、直接、蒸気に変化する性質の物質であって、トリイソプロピル−S−トリオキサン(沸点:195℃)、トリ−t−ブチル−S−トリオキサン(沸点:約205℃)、ナフタリン(沸点:218℃)、樟脳(沸点:209℃)、トリシクロデカン(沸点:209℃)などを使用することができる。このうち、特に、ペレット工程と紡糸工程の溶融温度範囲を広く設定でき、好ましい繊維を生産性良く製造できるとの観点から、トリイソプロピル−S−トリオキサンとトリ−t−ブチル−S−トリオキサンを使用することが好ましい。なお、これらの昇華性物質は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、昇華性物質の配合量は、オレフィン系重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部の割合となるように設定することが好ましく、より好ましくは、0.1〜3質量部の範囲に設定することが好ましい。
これは、昇華性物質の配合量が5質量部よりも大きい場合は、昇華性物質の蒸発損失によるコストアップという不都合が生じる場合があり、配合量が0.01質量部よりも小さい場合は、殺虫効果の持続性が低減する場合があるためである。即ち、昇華性物質の配合量を、オレフィン系重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲に設定することにより、コストアップという不都合を生じることなく、強力な殺虫効果を長期間、発揮することができる防虫繊維を得ることが可能になる。
また、昇華性物質の配合量を、ピレスロイド系殺虫剤100質量部に対して、50質量部以下となるように設定することが好ましい。これは、昇華性物質の配合量が、50質量部よりも大きい場合は、ピレスロイド系殺虫剤に対する昇華性物質の配合量が多くなるため、防虫繊維の初期段階における殺虫性能が低減してしまい、殺虫効果が抑制されるという不都合が生じる場合があるためである。
また、本発明の防虫繊維には、本発明の目的を逸脱しない範囲においてその他の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、無機充填剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、顔料、滑剤などを挙げることができる。
無機充填剤としては、シリカ、タルク、クレイ、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどを使用することができる。このうち、特に、表面積の大きい無機充填剤、例えば、シリカやゼオライトを配合すると、有機質の重合体添加剤及び生理活性物質の少なくとも一方を多量に配合することができ、また組成物調製時の取り扱い性が改善できるため好ましい。
なお、シリカやゼオライトの配合量は、オレフィン系重合体100質量部に対して、0.1〜5質量部の割合となるように設定する。
次に、本発明の実施形態に係る防虫繊維の製造方法について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る防虫繊維の製造方法を説明するための図である。本実施形態の製造方法は、マスターバッチ作製工程、ペレット(重合体組成物)作製工程、及び紡糸工程(防虫繊維作製工程)を備える。
<マスターバッチ作製工程>
まず、オレフィン系重合体の一部、ピレスロイド系殺虫剤、昇華性物質、及びシリカ等の添加剤を上述の配合割合により均一となるように混合する。次いで、この混合物を一軸押出機や二軸押出機等に供給し、昇華性物質の沸点以下(例えば、トリイソプロピル−S−トリオキサンを使用する場合は、195℃以下)の温度で溶融混合してストランド状に押し出す。そして、押し出した混合物を水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチを作製する。
なお、混合は、例えば、スーパーミキサーやヘンシェルミキサー等を使用して行うことができる。
ここで、本実施形態において、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点以下に設定するのは、図2(a)、(b)に示すように、オレフィン系重合体1、ピレスロイド系殺虫剤2、及び昇華性物質3を溶融混合してマスターバッチ4を作製する際に、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点以下に設定すると、蒸発による昇華性物質3のロスを効果的に抑制することができるためである。
即ち、溶融混合する際の温度を昇華性物質3の沸点よりも高く設定すると、図3(a)、(b)に示すように、昇華性物質3がオレフィン重合体1に取り込まれる前に、蒸発による昇華性物質3のロスが大きくなり、作製する防虫繊維の殺虫効果が大幅に低下してしまうため、これを防止するために、本実施形態においては、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点以下に設定する。
また、マスターバッチを作製せず、単に、オレフィン系重合体、ピレスロイド系殺虫剤、昇華性物質、及びシリカ等の添加剤を溶融混合する方法も提案されているが、この場合、図4(a)、(b)に示すように、後述するペレット作製工程において、殺虫剤2と昇華性物質3が分散し、互いに離間して存在することになるため、殺虫効果の持続性が著しく低下することになる。
なお、この場合も、上述の図3(a)、(b)の場合と同様に、昇華性物質3が重合体1に取り込まれる前に、蒸発による昇華性物質3のロスが大きくなり、作製する防虫繊維の殺虫効果が大幅に低下してしまう。
一方、本実施形態のごとく、マスターバッチを作製することにより、図2(b)に示すように、殺虫剤2と昇華性物質3との分散を防止することができるため、殺虫剤2と昇華性物質3とを互いに密集させて存在させることが可能になる。
<ペレット(重合体組成物)作製工程>
次に、図2(b)に示すように、作製したマスターバッチ4に、当該マスターバッチ4と等量の希釈用のオレフィン系重合体1を混合して、昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下の温度で、再度、溶融混合して、図2(c)に示すように、防虫繊維用のペレット5を作製する。
なお、混合は、例えば、スーパーミキサーやヘンシェルミキサー等を使用して行うことができる。
ここで、本実施形態において、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定するのは、図2(c)に示すように、マスターバッチ4と希釈用のオレフィン系重合体1を溶融混合してペレット5を作製する際に、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定することにより、マスターバッチ4に取り込まれた昇華性物質3を、ペレット5において外方へと移動させて、後述する防虫繊維10における空隙11の形成を効果的に促進させることができるためである。
即ち、図3(c)に示すように、溶融混合する際の温度を218℃より高く設定すると、マスターバッチ4からの蒸発による昇華性物質3のロスが生じ易くなり、また、防虫繊維10において形成された空隙11が収縮、または消滅し易くなる。このため、作製する防虫繊維の殺虫効果が低下してしまうため、これを防止するために、本実施形態においては、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定する。
なお、マスターバッチを作製していない場合は、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定することにより、蒸発による昇華性物質3のロスは防止できるものの、図4(b)に示すように、ペレット5において、殺虫剤2と昇華性物質3が分散した状態で、互いに離間して存在することになる。
また、ここで言う「沸点近傍の温度」とは、昇華性物質が、ペレット作製工程、並びに紡糸工程において、溶融混合物から充分にブリードアウトすることのできる温度を言う。
<紡糸工程>
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定して、ペレットを溶融紡糸する。次いで、所定の倍率で延伸を行うことにより、図2(d)に示すように、防虫繊維を作製する。
ここで、本実施形態において、ペレットの温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定するのは、図2(d)に示すように、ペレット5を溶融紡糸する際に、ペレット5の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定することにより、昇華性物質3を効率良く蒸発させて、防虫繊維10において多数の空隙11を形成することができるためである。
そして、このように多数の空隙を形成することにより、殺虫剤2のブリードアウト特性(即ち、殺虫剤2自身が、防虫繊維10の内部から、空隙11を介して、防虫繊維10の表面へと移動して揮散する特性)を向上させることが可能になり、結果として、防虫繊維10において、長期間に渡り、良好な殺虫性能を維持することが可能になる。
即ち、ペレットを溶融紡糸する際に、ペレットの温度を218℃よりも高く設定すると、図3(d)に示すように、昇華性物質3を蒸発させて、空隙11を形成することはできるものの、上述の図3(c)において説明したように、蒸発による昇華性物質3のロスが多いため、少数の空隙11しか形成されず、また、溶融温度が高いため、形成された空隙11が収縮、または消滅してしまうという不都合が生じてしまう。その結果、殺虫剤2のブリードアウト特性が低下して、防虫繊維10において、長期間に渡り、殺虫性能を維持することが困難になるため、これを防止するために、本実施形態においては、ペレットを溶融紡糸する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定する。
なお、マスターバッチを作製していない場合は、ペレットを溶融紡糸する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定することにより、図4(c)に示すように、防虫繊維10において多数の空隙11を形成することはできるものの、上述の図4(b)において説明したように、殺虫剤2と昇華性物質3が分散した状態で、互いに離間して存在しているため、殺虫剤2のブリードアウト特性が低下して、防虫繊維10において、長期間に渡り、殺虫性能を維持することが困難になる。
また、本発明におけるペレット作製工程及び紡糸工程を行う際の好ましい溶融温度の範囲は、昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンを使用する場合は195℃以上218℃以下、トリ−t−ブチル−S−トリオキサンを使用する場合は195℃以上218℃以下、ナフタリンを使用する場合は200℃以上218℃以下、樟脳を使用する場合は200℃以上218℃以下、トリシクロデカンを使用する場合は200℃以上218℃以下である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン92質量部、ペルメトリン4質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン2質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用のポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)を混合して、195℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を195℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
(防虫ネットの作製)
次に、作製した防虫繊維をカラミ織で製織し、目合いが1〜2mmである防虫ネットを作製した。
(殺虫性能評価)
作製した防虫ネットを13cm角にカットし、カットした防虫ネットを試験虫であるアカイエカ10頭とともに内径4cmの筒状容器内に入れて、初期の半数仰天時間T(初期のKT50(T))を測定した。以上の結果を表1に示す。
また、作製後30日経過した防虫ネットを同様にカットし、カットした防虫ネットを試験虫であるアカイエカ10頭とともに内径4cmの筒状容器内に入れて、30日後の半数仰天時間T(30日後のKT50(T))を測定した。以上の結果を表1に示す。
また、初期のKT50(T)に対する30日後のKT50(T)の比(T/T)を求め、この比の値から長期殺虫性能を評価した。なお、評価の基準は、T/Tの値が0.5を基準値として、この基準値以上の場合を長期殺虫性能が良好、基準値未満の場合を長期殺虫性能が不良とした。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
マスターバッチ作製における溶融温度を195℃、及びペレット作製における溶融温度を215℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
マスターバッチ作製における溶融温度を185℃、及び防虫繊維作製における溶融温度を215℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
ペレット作製において、ポリプロピレンの代わりに、高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
ペレット作製及び防虫繊維作製における溶融温度を200℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
ペレット作製及び防虫繊維作製における溶融温度を218℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例7)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりにトリ−t−ブチル−S−トリオキサン(小川香料(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例8)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりにナフタリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例9)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりに樟脳(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例10)
昇華性物質として、トリイソプロピル−S−トリオキサンの代わりにトリシクロデカン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例11)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、トランスフルトリン(住友化学(株)製、商品名:バイオスリン)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例12)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、プラレトリン(住友化学(株)製、商品名:エトック)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例13)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、トラロメトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例14)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、シフルトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例15)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、デルタメトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例16)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてフェノトリン(住友化学(株)製、商品名:スミスリン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン89質量部、フェノトリン6質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン3質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
(実施例17)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン84質量部、ペルメトリン8質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン4質量部、及びシリカ4質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
(実施例18)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びトリイソプロピル−S−トリオキサン2質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
(実施例19)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス16080J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン95質量部、ペルメトリン2質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン1質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、165℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を混合して、195℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
次に、実施例1と同様に、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例20)
防虫繊維作製における溶融温度を215℃に設定したこと以外は、上述の実施例19と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例21)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として低密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ウルトゼックス20200J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン89質量部、ペルメトリン4.4質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン2.2質量部、及びシリカ4.4質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、165℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチ33質量部に、希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)36質量部と希釈用のポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)31質量部を混合して、195℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
次に、実施例1と同様に、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005969977
(比較例1)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として低密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ウルトゼックス15150J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、150℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を混合して、220℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を200℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
次に、実施例1と同様に、防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例2)
マスターバッチ作製における溶融温度を215℃、ペレット作製における溶融温度を200℃、及び防虫繊維作製における溶融温度を200℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
ペレット作製及び防虫繊維作製における溶融温度を230℃に設定したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例4)
(ペレットの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、昇華性物質としてトリイソプロピル−S−トリオキサン(小川香料(株)製、商品名:サンサブリ)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:(ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン92質量部、ペルメトリン4質量部、トリイソプロピル−S−トリオキサン2質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
次に、この混合物に、当該混合物と等量(即ち、100質量部)の希釈用のポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)を混合して、195℃の温度で、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を195℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
次に、実施例1と同様に、防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例5)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体としてポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、商品名:J106G)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリプロピレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、180℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
次に、実施例1と同様に、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
(比較例6)
(マスターバッチの作製)
オレフィン系重合体として高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス16080J)、ピレスロイド系殺虫剤としてペルメトリン(住友化学(株)製、商品名:エクスミン)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名:ニップゼル)を使用した。そして、スーパーミキサーに、ポリエチレン94質量部、ペルメトリン4質量部、及びシリカ2質量部を投入して混合を行った。
次いで、混合物を二軸押出機に供給し、165℃で溶融混合して、ストランド状に押出し、水中で冷却することにより、ペレット状のマスターバッチ(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。
(ペレットの作製)
次に、作製したマスターバッチに、当該マスターバッチと等量(即ち、100質量部)の希釈用の高密度ポリエチレン(プライムポリマー(株)製、商品名:ハイゼックス5000S)を混合して、185℃の温度で、再度、溶融混合して、防虫繊維用のペレット(直径:約3mm、長さ:約3mm)を作製した。作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
(防虫繊維の作製)
次に、作製したペレットを溶融紡糸機に供給し、ペレットの温度を185℃に設定して、溶融紡糸した。なお、紡糸速度は、10m/分に設定して行った。そして、100℃の温度条件で、延伸倍率6倍で延伸を行うことにより、殺虫成分を含有する防虫繊維を作製した。
次に、実施例1と同様に、防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例7)
ピレスロイド系殺虫剤として、ペルメトリンの代わりに、デルタメトリン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、上述の比較例5と同様にして、マスターバッチ、ペレット、防虫繊維、及び防虫ネットを作製し、殺虫性能評価を行った。その結果を表2に示す。また、作製したペレットにおける各成分の配合量(質量%)を表2に示す。
Figure 0005969977
表1から判るように、実施例1〜21のいずれの場合においても、30日後のKT50(T)が短く、初期のKT50(T)に対する30日後のKT50(T)の比(T/T)が、評価の基準値である0.5以上となり、長期間に渡り、良好な殺虫性能を維持することができることが判る。
これは、実施例1〜21においては、マスターバッチを作製する際に、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点以下に設定したため、蒸発による昇華性物質のロスを効果的に抑制することができたためであると考えられる。
また、実施例1〜21においては、ペレットを作製、並びにペレットを溶融紡糸する際の温度を昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定したため、マスターバッチに取り込まれた昇華性物質をペレットにおいて外方へと移動させて、防虫繊維における空隙の形成を効果的に促進させることができたためであると考えられる。
更に、実施例1〜21においては、マスターバッチを作製したため、殺虫剤と昇華性物質との分散を防止することができ、殺虫剤と昇華性物質とを互いに密集させて存在させることができたためであると考えられる。
以上より、実施例1〜21における防虫繊維を使用することにより、長期殺虫性能が良好な防虫ネットを形成することができることが判る。
一方、比較例1〜7においては、いずれの場合も、30日後のKT50(T)が長く、初期のKT50(T)に対する30日後のKT50(T)の比(T/T)が、評価の基準値である0.5未満となり、長期間に渡り、殺虫性能を維持することが困難であることが判る。
これは、比較例1、5〜7においては、実施例1〜21において配合されている昇華性物質が配合されていないため、殺虫剤のブリードアウト特性が低下したためであると考えられる。
また、比較例2においては、上述の図3(a)、(b)において説明したように、マスターバッチを作製する際に、溶融混合する際の温度を昇華性物質の沸点よりも高く設定したため、蒸発による昇華性物質のロスが大きくなったためであると考えられる。
また、比較例3においては、上述の図3(c)において説明したように、ペレットを作製する際に、溶融混合する際の温度を218℃より高く設定したため、蒸発による昇華性物質のロスが大きくなったためであると考えられる。また、上述の図3(d)において説明したように、ペレットを溶融紡糸する際に、ペレットの温度を218℃よりも高く設定したため、少数しか形成されていない空隙が収縮、または消滅してしまい、殺虫剤のブリードアウト特性が低下したためであると考えられる。
また、比較例4においては、マスターバッチを作製していないため、上述の図4(b)、(c)において説明したように、殺虫剤と昇華性物質が分散した状態で、互いに離間して存在し、その結果、殺虫剤のブリードアウト特性が低下したためであると考えられる。
以上説明したように、本発明は、害虫を駆除するための殺虫剤が配合された防虫繊維の製造方法及びその方法により製造された防虫繊維に適している。
1 オレフィン系重合体
2 殺虫剤
3 昇華性物質
4 マスターバッチ
5 ペレット
10 防虫繊維
11 空隙

Claims (6)

  1. オレフィン系重合体100質量部当たり、ピレスロイド系殺虫剤0.1〜10質量部、昇華性物質0.01〜5質量部を含有する防虫繊維の製造方法であって、
    前記オレフィン系重合体と前記ピレスロイド系殺虫剤と前記昇華性物質とを前記昇華性物質の沸点以下の温度で溶融混合してマスターバッチを作製するマスターバッチ作製工程と、
    前記マスターバッチと前記オレフィン系重合体とを、前記昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下の温度で溶融混合してペレットを作製するペレット作製工程と、
    前記ペレットの温度を前記昇華性物質の沸点近傍の195℃以上218℃以下に設定して、前記ペレットを溶融紡糸する紡糸工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする防虫繊維の製造方法。
  2. 前記昇華性物質が、トリイソプロピル−S−トリオキサン、トリ−t−ブチル−S−トリオキサン、ナフタリン、樟脳、及びトリシクロデカンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の防虫繊維の製造方法。
  3. 前記殺虫剤が、ペルメトリン、フェノトリン、トランスフルトリン、プラレトリン、トラロメトリン、シフルトリン、及びデルタメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防虫繊維の製造方法。
  4. 前記オレフィン系重合体が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の防虫繊維の製造方法。
  5. 前記防虫繊維は、オレフィン系重合体100質量部当たり、無機充填剤を0.1〜5質量部含有し、
    前記マスターバッチ作製工程において、前記オレフィン系重合体と前記ピレスロイド系殺虫剤と前記昇華性物質と前記無機充填剤とを前記昇華性物質の沸点以下の温度で溶融混合して前記マスターバッチを作製することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の防虫繊維の製造方法。
  6. 前記無機充填剤が、シリカであることを特徴とする請求項5に記載の防虫繊維の製造方法。
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