JP2008106232A - 重合体組成物、繊維の製造方法および繊維 - Google Patents

重合体組成物、繊維の製造方法および繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】オレフィン系重合体と防虫剤と防虫剤保持体とを含有する重合体組成物であって、引張破断伸びや引張破断強度に優れる重合体組成物繊維を得ることができる重合体組成物、該重合体組成物を成形する繊維の製造方法および該製造方法により成形されてなる重合体組成物繊維を提供すること。
【解決手段】オレフィン系重合体と防虫剤と防虫剤保持体とを含有する重合体組成物であって、防虫剤の含有量がオレフィン系重合体100重量部あたり0.1〜10重量部であり、防虫剤保持体の含有量がポリオレフィン樹脂100重量部あたり0.1〜20重量部であり、水分量が30〜1500wtppmである重合体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン系重合体と害虫防除剤と担体とを含有する重合体組成物、該重合体組成物を成形する繊維の製造方法および該製造方法により得られる繊維に関するものである。
ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィン系重合体に害虫防除剤を配合してなる重合体組成物は、各種成形体に加工され、ダニ、シラミ、カ、ハエ等の害虫予防用の材料に用いられている。例えば、特許文献1では、ポリプロピレン樹脂と害虫防除剤との組成物、該組成物を溶融紡糸してなる繊維が知られている。また、特許文献2では、線状低密度ポリエチレンと害虫防除剤との組成物、該組成物からなる首輪が知られている。
特開平4−65509号公報 特開平6−315332号公報
しかしながら、オレフィン系重合体に害虫防除剤と担体とを配合した重合体組成物を成形してなる成形体、特に繊維では、その引張破断伸びや引張破断強度が低下することがあり、十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、オレフィン系重合体と害虫防除剤と担体とを含有する重合体組成物であって、引張破断伸びや引張破断強度に優れる繊維を得ることができる重合体組成物、該重合体組成物を成形する繊維の製造方法および該製造方法により得られる繊維を提供することにある。
すなわち、本発明の第一は、オレフィン系重合体と害虫防除剤と担体とを含有する重合体組成物であって、害虫防除剤の含有量がポリオレフィン樹脂100重量部あたり0.1〜10重量部であり、担体の含有量がポリオレフィン樹脂100重量部あたり0.1〜20重量部であり、水分量が30〜1500wtppmである重合体組成物にかかるものである。
本発明の第二は、上記重合体組成物を、ダイから溶融押し出しして溶融ストランドを形成し、該溶融ストランドを延伸速度比5以上で延伸する繊維の製造方法にかかるものである。
本発明の第三は、上記製造方法により得られる繊維にかかるものである。
本発明により、オレフィン系重合体と害虫防除剤と担体とを含有する重合体組成物であって、引張破断伸びや引張破断強度に優れる繊維を得ることができる重合体組成物、該重合体組成物を成形する繊維の製造方法および該製造方法により得られる繊維を提供することができる。
本発明に用いられるオレフィン系重合体としては、例えば、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体、これらの変性物、けん化物、水添物等があげられる。
エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等、エチレンに基づく単量体単位が主単位(通常、エチレンに基づく単量体単位の含有量が、重合体の全重量(100重量%)に対して50重量%以上)の重合体をあげることができる。また、エチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等、炭素原子数3〜20のα−オレフィンがあげられる。
プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体)、プロピレン−環状オレフィン共重合体など、プロピレンに基づく単量体単位が主単位(通常、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が、重合体の全重量(100重量%)に対して50重量%以上)の重合体をあげることができる。また、プロピレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等、炭素原子数4〜20のα−オレフィンがあげられる。
オレフィン系重合体としては、好ましくは、エチレン系重合体であり、より好ましくは、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、好ましくは、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体である。
本発明のオレフィン系重合体のメルトフローレート(MFR)としては、押出成形による成形体の外観を高める観点から、0.1g/10分以上であることが好ましく、0.3g/10分以上であることがより好ましく、0.5g/10分以上であることがさらに好ましい。また、引張破断強度を高める観点から、20g/10分以下であることが好ましく、10g/10分以下であることがより好ましく、5g/10分以下であることがさらに好ましい。なお、該MFRは、JIS K7210−1995に規定された方法において、プロピレン系重合体については荷重21.18Nおよび温度230℃の条件で、エチレン系重合体やブテン系重合体などプロピレン系以外の重合体については荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定される。
エチレン系重合体の密度としては、防虫性能を高める観点から、980kg/m3以下であることが好ましく、970kg/m3以下であることがより好ましく、960kg/m3以下であることがさらに好ましい。また、剛性を高める観点から、900kg/m3以上であることが好ましく、920kg/m3以上であることがより好ましく、940kg/m3以上であることがさらに好ましい。なお、該密度は、測定試料片をJIS K6760−1995に記載のアニーリングを行ったのち、JIS K7112−1980のうちA法に規定された方法に従って測定される。
オレフィン系重合体の製造方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒、クロム系触媒、メタロセン系触媒、ラジカル重合触媒、等の公知のオレフィン重合触媒を用いて、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法、高圧重合法等の公知の重合方法によって製造する方法があげられる。また、該重合法は、回分重合法、連続重合法のいずれでもよく、2段階以上の多段重合法でもよい。
上記のチーグラー・ナッタ系触媒としては、例えば、次の(1)または(2)の触媒等があげられる。
(1)三塩化チタン、三塩化バナジウム、四塩化チタンおよびチタンのハロアルコラートからなる群から選ばれる少なくとも1種をマグネシウム化合物系担体に担持した成分と、共触媒である有機金属化合物(トリエチルアルミニウム等)とからなる触媒
(2)マグネシウム化合物とチタン化合物の共沈物または共晶体と、共触媒である有機金属化合物(トリエチルアルミニウム等)とからなる触媒
上記のクロム系触媒としては、例えば、シリカまたはシリカ−アルミナにクロム化合物を担持した成分と、共触媒である有機金属化合物とからなる触媒等があげられる。
メタロセン系触媒としては、例えば、次の(1)〜(4)の触媒等があげられる。
(1)シクロペンタジエン形骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む成分と、アルモキサン化合物とを含む成分からなる触媒
(2)前記遷移金属化合物を含む成分と、トリチルボレート、アニリニウムボレート等のイオン性化合物とを含む成分からなる触媒
(3)前記遷移金属化合物を含む成分と、前記イオン性化合物を含む成分と、有機アルミニウム化合物とを含む成分からなる触媒
(4)前記の各成分をSiO2、Al23等の無機粒子状担体や、エチレン、スチレン等のオレフィン重合体等の粒子状ポリマー担体に担持または含浸させて得られる触媒
上記の有機金属化合物としては、例えば、ブチルリチウム、トリエチルアルミニウム、などがあげられる。
上記のラジカル重合触媒としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−アミルパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物類や、酸素等があげられる。
オレフィン系重合体の製造方法としては、重合触媒として、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒またはラジカル重合触媒を用いた製造方法が好ましい。
本発明に用いられる害虫防除剤としては、殺虫剤、昆虫成長制御剤、忌避剤等の防虫活性がある化合物があげられる。
殺虫剤としては、ピレスロイド系化合物、有機燐系化合物、カーバメート系化合物、フェニルピラゾール系化合物等があげられる。ピレスロイド系化合物としては、ペルメトリン、アレスリン、d−アレスリン、dd−アレスリン、d−テトラメトリン、プラレスリン、d−フェノトリン、d−レスメトリン、エムペントリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フェンプロパスリン、シハロトリン、エトフェンプロクス、トラロメスリン、エスビオスリン、ベンフルスリン、テラレスリン、デルタメスリン、フェノトリン、テフルトリン、ビフェントリン、シフルトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン等があげられ、有機燐系化合物としては、フェニトロチオン、ジクロルボス、ナレド、フェンチオン、シアノホス、クロロピリホス、ダイアジノン、カルクロホス、サリチオン、ダイアジノン等があげられ、カーバメート系化合物としては、メトキシジアゾン、プロポクスル、フェノブカーブ、カルバリル等があげられ、フェニルピラゾール系化合物としてはフィプロニル等があげられる。
昆虫成長制御剤としては、ピリプロキシフェン、メソプレン、ヒドロプレン、ジフルベンズロン、シロマジン、フェノキシカーブ、ルフェニュロン(CGA184599)等があげられる。
忌避剤としては、ジエチルトルアミド、ジブチルフタレート等があげられる。
これらの害虫防除剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。害虫防除剤としては、殺虫剤が好ましく、ピレスロイド系化合物がより好ましく、25℃での蒸気圧が1×10-6mmHg未満であるピレスロイド系化合物がさらに好ましい。該25℃での蒸気圧が1×10-6mmHg未満であるピレスロイド系化合物としては、レスメスリン、ペルメトリン等があげられる。
本発明で用いられる担体しては、害虫防除剤を保持・担持・吸収・吸着・含浸・浸透・注入できるものが用いられ、シリカ系化合物、ゼオライト類、粘度鉱物、金属酸化物、雲母類、ハイドロタルサイト類、有機担体等があげられる。シリカ系化合物としては、非晶性シリカと結晶性シリカがあり、例えば、粉末ケイ酸、微粉末ケイ酸、酸性白土、珪藻土、石英、ホワイトカーボン等があげられる。ゼオライト類としては、A型ゼオライト、モルデナイト等があげられ、粘度鉱物としては、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、デッカイト、アノーキサイト、イライト、セリサイト等があげられ、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン等があげられ、雲母類としては、雲母、バーミキュライト等があげられ、ハイドロタルサイト類としては、ハイドロタルサイト、スメクタイト等があげられ、有機担体としては、炭類(木炭、泥炭、草炭等)、ポリマービーズ(微結晶セルロース、ポリスチレンビーズ、アクリル酸エステル系ビーズ、メタクリル酸エステル系ビーズ、ポリビニルアルコール系ビーズ等)およびそれらの架橋ポリマービーズ等があげられる。その他にも、パーライト、石こう、セラミック、火山性岩等があげられる。
担体しては、非晶性無機担体が好ましく、非晶性シリカがさらに好ましい。
本発明の重合体組成物には、オレフィン系重合体、害虫防除剤および担体に加え、必要に応じて、酸化防止剤、抗ブロッキング剤、フィラー、滑剤、帯電防止剤、耐候安定剤、顔料、加工性改良剤、金属石鹸等の添加剤;オレフィン系重合体以外の重合体成分等を添加してもよく、該添加剤および該重合体成分は2種以上を併用されてもよい。
本発明の重合体組成物中の害虫防除剤の含有量は、オレフィン系重合体100重量部あたり、0.1〜10重量部である。該含有量は、薬剤によるべたつきを防止する観点から、好ましくは5重量部以下であり、さらに好ましくは3重量部以下である。また、防虫性能を高める観点から、好ましくは0.5重量部以上であり、より好ましくは1重量部以上である。
本発明の重合体組成物中の担体の含有量は、オレフィン系重合体100重量部あたり、0.1〜20重量部である。引張破断伸びを高める観点、押出成形による成形体の外観を高める観点から、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは5重量部以下である。また、防虫性能を高める観点から、好ましくは0.5重量部以上であり、より好ましくは1重量部以上である。
本発明の重合体組成物中の水分量は、30〜1500wtppmである。該水分量が高すぎると、引張破断伸びや引張破断強さが低下することがある。好ましくは1000wtppm以下であり、より好ましくは800wtppm以下である。また、該水分量が低すぎると、重合体組成物の取り扱い方法が煩雑となることがある。好ましくは50wtppm以上であり、より好ましくは100wtppm以上である。なお、該水分量は、重合体組成物を1000000wtppmとした値であり、カールフィッシャー水分測定装置を用いて、水分気化温度200℃、窒素ガス流量100ml/分、試料量0.5gの条件で測定される。
本発明の重合体組成物は、オレフィン系重合体と害虫防除剤と担体と必要に応じて他の成分とを公知の方法で溶融混練することにより得られる。例えば、予めオレフィン系重合体と害虫防除剤と担体とを混合し、得られた混合物を押出機やロール成形機やニーダー等を用いて溶融混練する方法、オレフィン系重合体と害虫防除剤と担体とを別々に押出機等にフィードして溶融混練する方法等があげられる。
重合体組成物の製造において、害虫防除剤と担体は、予め混合して溶融混練に用いてもよく、少なくとも1種を含有するマスターバッチとして溶融混練に用いてもよい。また、押出機により溶融混練する場合、サイド押出機あるいはフィーダー等の添加装置等により、害虫防除剤および担体を押出機の途中から注入してもよい。
害虫防除剤および担体をマスターバッチとして用いる場合のベース樹脂としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体、これらの変性物、けん化物、水添物等のオレフィン系重合体をあげることができる。なお、重合体組成物の製造においてマスターバッチの配合量は、通常50重量%未満であり、経済性を高める観点から、20%重量以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
本発明の重合体組成物は、公知の成形法、例えば、押出成形法、射出成形法、粉体成形法(スラッシュ成形法、回転成形法等)、圧縮成形法等により、各種成形体に成形されて用いられる。これらの成形法では、押出成形法が好適に用いられ、例えば、被覆押出成形法、チューブ押出成形法、パイプ押出成形法、押出ホース成形法、インフレーション成形法、Tダイキャスト法、中空押出成形法、モノフィラメント押出成形法、マルチフィラメント成形法等があげられる。また、これらの成形法と発泡成形法とを組み合わせた成形法もあげることができる。
本発明の重合体組成物を成形してなる成形体としては、フィルム、シート、壁紙、カーテン、床材、梱包材、ホース、テープ、チューブ、パイプ、バッグ、テント・ターフ、暖簾、日よけ、電線、ケーブル、シース、フィラメント、繊維、ネット・網類(蚊帳・網戸・防虫網等)、糸、ロープ、フィルター、靴、鞄、衣類、電子機器、電気機器、家電製品、事務機器、車両機器、輸送機器、コンテナ・ケース等の物流資材;住宅用品および住宅用部品に用いられるもの;犬小屋、マット、シート、首輪、タグ類等のペット用品等があげられ、これらはヒト;犬、猫、鳥等のペット;牛、豚、羊、鳥等の家畜等のための防虫製品として用いられる。
本発明の重合体組成物からなる成形体の防虫の対象となる虫としては、クモ、ダニ、昆虫等の節足動物があげられる。更に例をあげて説明すると以下の通りである。蛛形綱では、例えばダニ目(Acarina)に属するトリサシダニ、ミカンハダニ、ケナガコナダニ等;真正蜘蛛目(Araneae)に属するジグモ、イエユウレイグモ等があげられる。唇脚綱では、例えばゲジ目(Scutigeromorpha)に属するゲジ等;イシムカデ目(Lithobiomorpha)に属するイッスンムカデ等があげられる。倍脚綱では、例えばオビヤスデ目(Polydesmoidea)に属するヤケヤスデ、アカヤスデ等があげられる。
また、昆虫目としては、例えば以下のものがあげられる。シミ目(Thysanura)に属するヤマトシミ等;バッタ目(Orthoptera)に属するカマドウマ、ケラ、エンマコオロギ、トノサマバッタ、サバクトビバッタ、イナゴ等;ハサミムシ目(Dermaptera)に属するハサミムシ等;ゴキブリ目(Blattaria)に属するチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリ等;シロアリ目(Isoptera)に属するヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ等;チャタテムシ目(Psocoptera)に属するカツブシチャタテ、ヒラタチャタテ等;ハジラミ目(Mallophaga)に属するイヌハジラミ、ネコハジラミ等;シラミ目(Anoplura)に属するコロモジラミ、ケジラミ、ヒトジラミ等;カメムシ目(Hemiptera)に属するトビイロウンカ、ツマグロヨコバイ、オンシツコナジラミ、モモアカアブラムシ、トコジラミ、クサギカメムシ等;コンチュウ目(Coleoptera)に属するカツオブシムシ、ウリハムシ、コクゾウムシ、ヒラタキクイムシ、ナガヒョウホンムシ、マメコガネ等;ノミ目(Siphonaptera)に属するネコノミ、イヌノミ、ヒトノミ等;ハエ目(Diptera)に属するアカイエカ、ネッタイシマカ、ハマダラカ、ブユ、セスジユスリカ、チョウバエ、イエバエ、ヒメイエバエ、ツェツェバエ、ウシアブ、ヒラタアブ等;ハチ目(Hymenoptera)に属するスズメバチ、アシナガバチ、マツノミドリハバチ、クリタマバチ、クロアリガタバチ、イエヒメアリ等があげられる。
本発明の重合体組成物は、押出成形体、例えば、フィルム、シート、壁紙、ホース、テープ、チューブ、パイプ電線、ケーブル、フィラメント、繊維、に好適に用いられ、特に、繊維および繊維を用いた製品(例えば、壁紙、カーテン、マット、テント・ターフ、暖簾、日よけ、衣類、靴、鞄、蚊帳や網戸や防虫網などのネット、ロープ、等)に好適に用いられる。
本発明の重合体組成物を繊維に成形する繊維の製造方法としては、押出機等で重合体組成物をダイから溶融押し出しして溶融ストランドを形成し、該溶融ストランドを延伸、冷却して巻き取る溶融紡糸法があげられる。重合体組成物をダイから溶融押し出しする際のダイ出口線速度は、0.2m/min以上であることが好ましく、0.8m/min以上であることがより好ましい。また、該ダイ出口線速度は、5m/min以下であることが好ましく、2m/min以下であることがより好ましい。ダイ出口線速度は、ダイの一穴から単位時間当たり吐出される溶融樹脂の体積をダイ一穴の開口部面積で割ることで得られる。
ダイから溶融押し出しされた溶融ストランドの引取速度とダイ出口線速度の比である延伸速度比は、繊維の引張破断強度を高める観点から、5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましい。また、繊維の引張破断伸びを高める観点から、該延伸速度比は、70以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定を行った。
(2)密度(単位:kg/m3)
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、測定試料片は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行い測定に用いた。
(3)水分量(単位:wtppm)
カールフィッシャー水分測定装置を用いて、水分気化温度200℃、窒素ガス流量100ml/分、試料量0.5gの条件で測定を行った。
(4)繊維の引張試験
引張試験機を用いて、引張速度1000mm/min、チャック間:20mmの条件で、繊維の引張試験を行い、引張破断伸びと引張破断強度を下式により求めた。
引張破断伸び(%)=破断時の長さ(mm)/20(mm)×100
引張破断強度(MPa)=破断時の荷重(N)/繊維の断面積(mm2
実施例1
1.担体マスターバッチの調製
ペルメトリン(住友化学製 商品名:エクスミン)51重量部に、酸化防止剤(ブチルヒドロキシトルエン(BHT))1.5重量部を添加して攪拌溶解し、次に、非晶性シリカ(鈴木油脂製 商品名:多孔質シリカ;以下、担体Sと記す。)47.5重量部を添加し攪拌混合し、害虫防除剤を含有する担体(以下、害虫防除剤含有担体Aと記す。)を得た。次に、高圧法低密度ポリエチレン(住友化学製 商品名:スミカセン CE5502;MFR=20g/10min、密度=917kg/m3)59.48重量部と、害虫防除剤含有担体A 31.0重量部と、ステアリン酸亜鉛5重量部と、青色色材4.52重量部(住化カラー(株)製)を、2軸押出機を用いて、設定温度200℃で溶融混練して、害虫防除剤含有担体マスターバッチを得た。
2.重合体組成物の製造
高密度ポリエチレン(プライムポリマー製 商品名:ハイゼックス440M;MFR=0.9g/10min、密度=947kg/m3)100重量部と、害虫防除剤含有担体マスターバッチ16.4重量部と、ステアリン酸亜鉛0.7重量部を、65mmφ単軸造粒機により造粒し、重合体組成物(以下、試料−1と記す。)を得た。
3.繊維の製造
試料−1ペレットを80℃のオーブンで6時間乾燥を行った。乾燥後のペレットの水分量は570ppmであった。該ペレットを押出機(ムサシノキカイ製20mmφ押出機)を用いて、1mmφの丸穴ダイから、温度200℃、一穴あたりの吐出量130g/h(ダイ出口線速度9.6×10-1m/min)で溶融押し出し、溶融押し出しされたストランドを引取速度1.4×10m/min(延伸速度比は15)で引き取り、冷却することにより繊維に成形した。得られた繊維の引張破断伸びは2121%、引張破断強度は58.1MPaであった。
実施例2
引取速度を2.0×10m/min(延伸速度比は21)で引き取った以外は実施例1と同様に繊維に成形した。得られた繊維の引張破断伸びは1863%、引張破断強度は62.0MPaであった。
実施例3
引取速度を8.0m/min(延伸速度比は8)で引き取った以外は実施例1と同様に繊維に成形した。得られた繊維の引張破断伸びは2454%、引張破断強度は52.4MPaであった。
実施例4
試料―1ペレットを、温度60℃、湿度50%の恒温恒湿槽に22時間保持した。保持したペレットの水分量は、1330ppmであった。該ペレットを、実施例1と同様に繊維を成型した。得られた繊維の引張破断伸びは2050%、引張破断強度は56.9MPaであった。
比較例1
試料―1ペレットを、温度50℃、湿度90%の恒温恒湿槽に36時間保持した。保持したペレットの水分量は、1970ppmであった。該ペレットを、実施例1と同様に繊維を成型した。得られた繊維の引張破断伸びは1588%、引張破断強度は46.3MPaであった。

Claims (3)

  1. オレフィン系重合体と防虫剤と防虫剤保持体とを含有する重合体組成物であって、防虫剤の含有量がオレフィン系重合体100重量部あたり0.1〜10重量部であり、防虫剤保持体の含有量がポリオレフィン樹脂100重量部あたり0.1〜20重量部であり、水分量が30〜1500wtppmである重合体組成物。
  2. 請求項1に記載の重合体組成物を、ダイから溶融押し出しして溶融ストランドを形成し、該溶融ストランドを延伸速度比5以上で延伸する繊維の製造方法。
  3. 請求項2に記載の製造方法により得られる繊維。
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