JP2016507659A - 殺虫剤含有布地を生産するための改良された方法 - Google Patents

殺虫剤含有布地を生産するための改良された方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリマーマトリックス中に包埋された少なくとも1の殺虫性アルカリ感受性活性成分を含有する殺虫剤含有布地を生産するための改良された方法に関する。本発明はまた、アルカリ感受性殺虫剤含有布地の(保管および使用を包含する)耐用期間を延ばす方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーマトリックス中に包埋された少なくとも1の殺虫性アルカリ感受性活性成分を含有する殺虫剤含有布地を生産するための改良された方法に関する。本発明はまた、アルカリ感受性殺虫剤含有布地の(保管および使用を包含する)耐用期間を延ばす方法に関する。
長期残効型殺虫性ネット(LLIN)は、蚊集団およびマラリア発生の低減に対して有効であることが証明されている。ポリマー材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエステルなど、ならびに殺虫剤、例えばデルタメトリン、アルファ−シペルメトリンおよびペルメトリンなどを用いた様々なLLINが商業化されている(または商業化が意図されている)(WHO推奨のLLIN:http://www.who.int/whopes/Long_lasting_insecticidal_nets_Jul_2012.pdfを参照されたい)。LLINのために用いられる殺虫剤のいくつかはpH感受性であると記述されており、LLINの生産の際のアルカリ感受性殺虫剤(例としてデルタメトリンおよびペルメトリン)の望まれない分解を回避する方法について提言がなされている(WO2011/124227A1)。とりわけ、酸を最終的に生産されたLLINの一体的部分にするため、生産の際に酸をアルカリ感受性殺虫剤および熱可塑性ポリマーとブレンドすることが提案された。しかしながら、WO2011/124227A1中で提案された解は、固形粒子形態で酸を加えるため、布地の機械的安定性の低減を導き得る。そのうえ、加えられた酸により生成される酸性度は、ユーザーにとって望まれない毒性、例として撚糸表面上の酸が原因となる使用中の皮膚に対する腐食特性を導き得る。
WO2011/124227A1
インターネット〈URL:http://www.who.int/whopes/Long_lasting_insecticidal_nets_Jul_2012.pdf〉
従来技術を考慮すると、本発明の目的は、生産(および使用)の際のLLINのために用いられるアルカリ感受性殺虫剤の分解/ラセミ化の問題に対処しながらも、潜在的な望まれない性質を有するLLINの生成を回避することである。とりわけ、本発明は、後にR−アルファ異性体とも呼ばれるデルタメトリンのR−アルファ異性体などの殺虫活性のないデルタメトリン異性体の量の形成を低減させること、および多量の殺虫活性のあるデルタメトリン異性体(S−アルファ異性体)を保持することを目的とする。
本発明を使用して、ここに、ポリマーおよび1または複数のアルカリ感受性殺虫活性成分を120から250℃の間の温度で一緒にまたは別々に溶融させ、溶融物から紡績糸を形成し、糸の紡績の過程でスピンフィニッシュ(spin finish)を用い、形成された紡績糸を冷却し、延伸システムに導入し、延伸して編むことにより布地を形成し、これを続いて熱硬化操作に供する、ポリマー性布地を生産する方法であって、ポリマー性布地を熱硬化操作の前に:
− pH値5未満の酸性水で、もしくは
− pH値5未満の酸性条件下にある水および洗剤で、もしくは
− アルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む洗剤で
洗浄すること
ならびに/または
− 糸の紡績の過程で酸性のスピンフィニッシュを糸に適用すること(これにより熱硬化操作の前の洗浄ステップは任意選択となる)
を特徴とする、前記方法により課題を解決することができることが見出された。
熱硬化操作前の洗浄ステップおよびスピンフィニッシュの使用を包含する布地を生産する方法は、WO2011/141260A1中に記載されている。しかしながら、最適な洗浄条件、同様に生産の際の酸性のスピンフィニッシュの使用は、WO2011/141260A1中で論じられていなかった。酸性洗浄浴または酸性のスピンフィニッシュの使用はまた、WO2011/124227A1中にも記載されていない。
ポリマー性布地を生産する本発明の方法のため、熱可塑性ポリマー、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)およびポリアミドなど、同様に異なるポリマーで作られた布地の組み合わせを用いることができる。しかしながら、好ましくは、ポリオレフィン、とりわけポリプロピレンおよびまたポリプロピレンコポリマーが用いられる。より好ましいのは、ポリプロピレンを用いることである。多数のポリプロピレンが従来技術から公知である。ポリプロピレンは、それらの合成様式に従って原理的に区別することができる。大部分のポリプロピレンは、チーグラー・ナッタ触媒の存在下で、懸濁プロセスにおいて、またはよりとりわけにはいわゆる気相プロセスにおいて生産される(Kaiser“Kunststoffchemie fur Ingenieure”、246から254ページを参照されたい)。気相プロセスでは、特異的触媒、例えばメタロセンなどを利用することもできる。メタロセン触媒を用いて生産されたポリマーは、本発明に従って用いられる殺虫剤含有ポリマー材料のためのポリマーマトリックスとしてとりわけ有用である。メタロセン触媒を用いて生産されたポリプロピレンの溶融点は、慣用的な不均一触媒系を用いて入手できるものよりも、通常明らかに低い。本発明の殺虫剤含有ポリマー材料は、好ましくは、フィラメント、繊維およびスパンボンデッド(spunbonded)を生産するための溶融紡糸プロセス向けのポリプロピレンを利用する。とりわけ好ましいのは、50から150デニールの低い線密度を持つマルチフィラメントの生産のために有用なポリプロピレンを用いることである。これらは、例えば、Metocene(登録商標)およびMoplen(登録商標)(LyondellBasell、オランダからのもの)、Repol(登録商標)(Reliance Industries Limited、インド)、Yuplen(登録商標)(SK corporation、韓国)、Seetec(登録商標)(LG Chemical、韓国)、PPH(登録商標)およびLumicene(登録商標)グレード(Total Petrochemicals、ベルギー)ならびにAchieve(登録商標)(ExxonMobile Chemical Company、米国)という商標名を持つポリマーである。とりわけ好ましいのは、メタロセンにより触媒されたポリプロピレン、例えばMetocene(登録商標)HM562S、溶融温度145℃(LyondellBasell、オランダからのもの)およびAchieve(登録商標)3845(ExxonMobile Chemical Company、米国)である。
用いられるポリマー材料は、ポリマー中に組み込まれてその加工特性を安定化または改善する添加剤を加えて生産することができる。好適な添加剤は、例えば、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、アシルアミノフェノール、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価のアルコールとのエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコールとのエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸(ビタミンC)ならびにアミン系抗酸化剤である。同じく、チオ共力剤(thiosynergist)、二次酸化防止剤、ホスファイトおよびホスホナイトを用いることも可能である。
同じく、用いられるポリマー材料を、金属不活性化剤、過酸化物捕捉剤、塩基性共安定剤、核化剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、粘度調整剤、触媒、流動制御剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤および発泡剤、ベンゾフラノンおよびインドリノン、蛍光可塑剤、離型剤、UV安定剤、難燃添加剤、帯電防止剤、例えばスルホネート塩など、顔料ならびにまた有機および無機の染料、ならびにまたエポキシ基または無水物基を含有する化合物を用いることにより生産することも可能である。
本発明の布地を生産するため、最初に、ポリマー材料、好ましくはポリプロピレン、アルカリ感受性殺虫活性成分および任意選択で(しかしながら好ましくは)同じくUV安定剤、および任意選択でさらなる殺虫剤または添加剤を、120から250℃の間、好ましくは150から230℃の間の温度で一緒にまたは別々に溶融し、続いてポリマー混合物の冷却および固化を、ならびにまた後者のペレットへの細分化を行う。
殺虫剤に加えて、UV安定剤(すなわちUV吸収剤および/または光安定剤)を、殺虫剤含有ポリマー材料の組成物の総質量をベースとして、0.01重量%から15重量%、好ましくは0.03重量%から8重量%の量で用いてもよい(および好ましい)。プロセスを行うために有用なUV吸収剤および/または光安定剤は、例えば、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、置換されているおよび置換されていない安息香酸のエステル、アクリレート、ニッケル化合物、立体障害アミン、オキサミド、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンならびにまたそれらの混合物である。好ましくは、非立体障害アミンはUV安定剤として用いられないが、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、置換されているおよび置換されていない安息香酸のエステル、アクリレート、ニッケル化合物、オキサミド、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンならびにまたそれらの混合物が用いられる。とりわけ好ましいのは、トリアジン化合物およびブトリメゾール(butrimezole)である。大いにとりわけ好ましいのは、フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−、分岐鎖および直鎖(CAS 125304−04−3)ならびに2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール(CAS 3896−11−5)である。
用いられるポリマー材料は、例えば、単軸押出機、2軸押出機、多軸押出機またはコニーダー内で溶融される。用いられる単軸押出機は、例えば、平滑もしくは溝付バレル押出機またはTransfermixであることができる。溝付バレル押出機が好ましい。2軸押出機は、同方向または逆方向回転であり得る。2軸押出機は、さらに、密接噛合型または非噛合型であり得る。好ましいのは、密接噛合型同方向回転式の構成である。多軸押出機は、少なくとも3個の、好ましくは4から12個のスクリューを持つ。スクリューは各々密接噛合対を形成するように配置され得るものであり、この場合、スクリュー対は接線方向に配置されて相互に対して逆方向回転することができる。多軸押出機のスクリューはさらに全て同方向回転することができ、この場合、各々のスクリューは2個の隣接するスクリューで相互噛合する。多軸押出機の特殊形は遊星ロール押出機であって、この押出機では駆動中心スピンドルが自由回転遊星スピンドルを駆動させ、このスピンドルが次に固定ハウジング内で円運動する。中心スピンドル、遊星スピンドルおよびハウジングは、歯車相互噛合を持つ。本発明の製造方法は、とりわけ好ましくは、密接噛合型同方向回転式2軸押出機を用いて行われる。押出スクリューの構造は、それぞれの適用シナリオに適合されている。
室温で固体のアルカリ感受性殺虫剤、任意選択のUV安定剤および他の添加剤は、好ましい実施形態において、開始ポリマーペレットと共に押出機の供給部内に量り入れられる。別の好ましい実施形態において、室温で固体のアルカリ感受性殺虫剤、UV安定剤および他の添加剤は、溶融されて液体形態で計量される。押出機ハウジングは、4から250℃に温度制御される。押出機の供給部における押出機ハウジングは、好ましくは、4から50℃に冷却される。残りの押出機ハウジングは、好ましくは100から250℃に、より好ましくは140から250℃に温度制御される。押出機内で、ポリマーおよび、溶融点に応じて同様に殺虫剤およびまたUV安定剤は、溶融されて混合される。混合物はホールダイを通して押出され、ペレット化される。添加剤はまた、無機または有機の充填剤、例えば有機顔料、二酸化チタン、カーボンブラックまたは滑石などをさらに含み得る。溶融および混合の際のポリマーが液体である滞留時間は、3から300秒の間、好ましくは5から120秒の間、より好ましくは8から30秒の間である。溶融されたポリマーと、殺虫剤との混合、任意選択のUV安定剤との混合および他の添加剤との混合は、ポリマーの溶融が行われるのと同じ装置内で、またはさらなる装置内で行うことができる。全ての上述の押出機は混合に適している。さらに可能であるのは、殺虫剤および、適切な場合は添加剤をポリマーとスタティックミキサー内で混合することである。混合は、好ましくは、スタティックミキサーを使用して行われる。殺虫剤または添加剤が液体形態で加えられる場合、それは一般に溶融され、初期投入容器内に中間保存され、次いでそこから混合装置内に運搬される。運搬は、例えばポンプを介して、または上昇させた導入圧を介して遂行することができる。初期投入容器の温度は、殺虫剤が安定であり、かつ殺虫剤の粘度が良好なポンプ圧送性を確実にするのに十分に小さくなるように選ばれる。この場合、初期投入容器、ポンプおよび全てのラインを加熱することが有利である。混合装置への量り入れは、好ましくは、ニードルバルブを介して進められる。計量された量の殺虫剤は、好ましくは、例えばコリオリ原理に従ったまたは熱線原理に従った好適な質量流速計により測定され、ポンプまたはバルブを介して偏差が小さくなるよう閉ループ制御される。室温で液体のアルカリ感受性殺虫剤は、ニードルバルブを介して押出機の加工部内の既に溶融されたポリマーに加えられる。アルカリ感受性殺虫剤の粘度および溶融点に応じて、アルカリ感受性殺虫剤、UV安定剤および他の添加剤またはそれらの混合物は、これのために加熱される。混合の後に、好ましい実施形態は、ポリマー材料の冷却および固化ならびにまたペレットへの細分化を含む。これは、例えば一般的なストランドペレット化プロセスを用いて達成することができ、このプロセスにおいて1または複数のダイが連続ストランドを押出し、ストランドは次いで空冷または水冷されて固化し、続いてペレタイザ内で所望のサイズに細砕される。水中ペレット化はさらなる方法であり、水中でダイから出てくる溶融物がそこで円運動ブレードにより切断され、続いて水冷され、その後に選別および乾燥される。さらなる方法はウォーターリングペレット化であり、この方法ではポリマーが液体溶融状態で空気中で切断され、その後に回転ウォーターリング内で遠心力により遠心されて冷却される。とりわけ好ましいのは、水中ペレット化法およびストランドペレット化プロセスである。
本発明のプロセスの1の実施形態において、混合操作により生産されたポリマー材料のみが続いての加工操作に送られる。単純混合操作におけるアルカリ感受性殺虫剤の量は、総質量をベースとして、0.05重量%から15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%から10重量%の範囲内、より好ましくは0.4重量%から8重量%の範囲内である。
さらなる実施形態において、アルカリ感受性殺虫活性成分の濃度を上昇させたポリマー材料は、ペレット形態で生産され(マスターバッチとして知られる)、続いての処理されていないポリマーと混合しての加工操作へと送られる。この場合、本発明のマスターバッチポリマー材料中のアルカリ感受性殺虫剤の濃度は、総質量をベースとして、好ましくは3から20重量%の間、より好ましくは5重量%から15重量%の濃度に上昇する。
さらなる実施形態は、本発明のポリマー材料をマスターバッチとして生産する第一のステップを含み、マスターバッチはその後、処理されていないポリマーおよびあり得るさらなる添加剤と溶融および混合することにより再度さらに加工されて本発明のポリマー材料となり、これはペレットの形で生成される。
続いての加工操作は、例えば、本発明のポリマー材料の結果として得られるペレットを加工ステップにおいて成形品、例えばアルカリ感受性殺虫剤含有ポリマー材料などに加工することを含み得るものであり、続いての紡糸操作において、繊維、撚糸、フィラメントまたは好ましくは糸が形成される。
本発明の布地のために好適ないくつかの殺虫性アルカリ感受性活性成分は、WO2011/124227A1中で論じられており、好ましくは、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アザジラクチン、ベンジオカルブ、ベータ−シクフルトリン(Cycfluthrin)、ビフェナゼート、ビフェントリン、ブプロフェジン、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロフェンテジン、クロチアニジン、シフルトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジノテフラン、ジフルベンズロン、エチプロル、エトキサゾール、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フィプロニル、フロニカミド、フルバリネート、イミダクロプリド、メチオカルブ、ノバルロン、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、ピメトロジン、ピリダベン、リノキサピル(Rynoxapyr)、スピノサド、スピロメシフェン、チアクロプリド、チアメトキサン(Thiamethoxan)およびトランスフルトリンの群から選択される。
言及された殺虫剤は、個別にまたは混合物中で用いることができる。
好ましいアルカリ感受性殺虫剤は、デルタメトリンおよびトランスフルトリンならびにそれらの混合物である。最も好ましく用いられるアルカリ感受性殺虫剤はデルタメトリンである。
ポリマー材料中の殺虫性アルカリ感受性活性成分の濃度は、例えば0.05重量%から15重量%、好ましくは0.2重量%から10重量%、より好ましくは0.4重量%から8重量%の比較的広い濃度範囲内で変えることができる。濃度は、殺虫効力、持続性および毒性に関する要求事項が満たされるように適用分野に従って選ばれるものとする。材料の特性を適合させることはまた、異なる殺虫剤を含有する本発明による材料のブレンドによりまたは互いに組み合わせて用いられる異なる殺虫剤を含有する本発明による材料を例えばモザイクネットとして用いることにより、ポリマー材料に殺虫剤を混合することによっても達成することができる。特別注文の織物布地はこのようにして得ることができる。
フィラメント、繊維、糸および撚糸の生産において、殺虫剤含有ポリマー材料は最初に溶融され、紡績糸に形成されて冷却され、得られた紡績糸が延伸システムに導入され、延伸され、および次いでフィラメント、繊維、糸および撚糸の硬化が行われてもよい。
糸またはフィラメントは、混合操作の後に、例えばDE−A4136694(2ページの27〜38行目、5ページの45行目〜6ページの23行目)またはDE−A102005054653([0002])中に記載されているような溶融紡糸により生産される。このプロセスにおいて、生産された殺虫性ポリマーを単軸押出機内で溶融し、ギアポンプの補助によってダイプレートを通過させる。ダイプレートの前にはフィルタパックがある。ダイプレートから出てきたポリマーストランドは、高速延伸、スピンフィニッシュおよび巻き上げに供される。溶融紡糸プロセスは、紡糸溶融物の調製、溶融紡糸、冷却、スピンフィニッシュ、延伸および後処理のステップを含む。
繊維は、本発明の溶融されたポリマー材料から公知の溶融紡糸プロセスを用いて生産される。好ましいのは、モノフィラメント繊維、マルチフィラメント繊維、繊維状不織ウエブ、中空繊維、短繊維、多成分繊維およびマトリックス包埋マイクロ繊維を生産するためのプロセスである。マルチフィラメント繊維の生産がとりわけ好ましい。用語「糸」および用語「繊維」は、本特許出願の全体にわたって同義語として用いられる。
ステップ(1)において、混合操作により生産された殺虫剤含有ポリマー材料は、分解温度よりも少なくとも10℃低く、ポリマー材料の溶融点よりも少なくとも5℃高い温度で溶融され、冷却されずに紡糸口金(spinnerette)ダイパックまで運搬される。ポリマー材料は、好ましくは250℃未満、より好ましくは235℃未満の温度で溶融および紡糸される。繊維生産は、ポリマー材料を混合のすぐ後に溶融形態で紡糸操作に送ることにより、一段階で行うことができる。二段階プロセスを行うことも同様に可能であり、この場合、上記のポリマー材料で構成される先に生産されたペレットがコンベア押出機内または加熱可能なフラスコ内で溶融され、紡糸パックに運搬される。好ましい実施形態において、アルカリ感受性殺虫剤含有ポリマー材料は、混合のすぐ後に溶融形態で紡糸操作に送られる。殺虫剤濃度を上昇させたアルカリ感受性殺虫剤含有マスターバッチポリマー材料を、純粋なポリマー材料と、紡糸操作の過程で混合するのがとりわけ好ましい。混合は、異なる方法で遂行することができる。1の実施形態において、殺虫剤含有ポリマー材料および追加のポリマー材料は、2つの別々の計量アセンブリを介して単軸押出機に送られ、そこで材料が溶融される。さらなる実施形態において、2つのポリマー材料は、単軸押出機内に加える前に混合され、次いでプレミックスの形で押出機に供給される。さらなる実施形態において、殺虫剤含有ポリマーおよび無負荷のポリマー材料は、2つの別々の押出機内で溶融され、これら2つの溶融物の流れは続いて互いに混合される。紡糸口金ダイパックは、公知の構成からなる。紡糸口金ダイプレートは、孔径が繊維生産のために慣例的である1から数千個のダイホールを持つことができる。紡糸口金ダイパックの後に、紡績糸は冷却セクタを通過し、スピンフィニッシュされて巻き上げられるか、または缶の中に置かれる。用いられる冷却媒体は液体または気体である。それが液体である場合は水が用いられる。本発明によると、冷却のために酸性化された水を用いることができる。乾式冷却セクタは急冷チャンバの形を取り、この中で紡績糸は冷気で冷却され、窒素または二酸化炭素が冷却気体として用いられる。
スピンフィニッシュは紡糸操作の過程で繊維に適用される。スピンフィニッシュは、通常、1〜50重量%のスピンフィニッシュ溶液を水中に分散させた水溶液として適用される。スピンフィニッシュの適用は繊維の表面特性を改質し、撚糸から布地が編まれるまで紡糸後も撚糸表面状にとどまる。スピンフィニッシュは、中でも、金属と糸との間の、および糸と糸との間の摩擦を低減させ、ならびにまた繊維の静電気防止の帯電も低減させる。スピンフィニッシュの適用は、溶融紡糸操作を行うために必要である。適切なスピンフィニッシュなしでは、フィラメント撚糸の巻き取りおよび巻き戻しならびにさらなる加工は不可能である。当業者は、この目的のためにスピンフィニッシュを適合させる方法を知っている。スピンフィニッシュもまた当業者に公知である。驚くべきことに、ここに、酸性のスピンフィニッシュを用いることにより、アルカリ感受性殺虫剤の分解を最小化することができることが見出された。かかる酸性のスピンフィニッシュを用いることにより、とりわけ、デルタメトリンのR−アルファ異性化を最小化することができることが示された。加えて、酸性のスピンフィニッシュを用いることにより、下で論じられる(熱硬化操作の前の)洗浄ステップを任意選択にすることが見出された。しかしながら、本発明の好ましい実施形態においては、両方であり、酸性のスピンフィニッシュが用いられ、洗浄が実行される。酸性のスピンフィニッシュとして、好ましくはpH値が5またはそれより低い、より好ましくはpH値が5未満の、なおより好ましくはpH値が4またはそれより低い、最も好ましくはpH値が4未満のスピンフィニッシュを用いることができる。そのようにするため、市販のスピンフィニッシュを水を入れない油として用いることができ、またはこれを5から20重量%の間の濃度で脱ミネラル水中に希釈してエマルションを形成させることができ、このエマルションが紡糸の際に撚糸上に適用される。適用される溶液のpH値は、酸(好ましくは有機酸)、例として乳酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、塩酸などを加えることにより調整することができる。市販のスピンフィニッシュは、Limanol、Silastol(Schill&Seilacher、ドイツ)、Fasavin(Zschimmer&Schwarz、ドイツ)、Duron(Breitlich GmbH)、Afilan、Appretan(Clariant AG、スイス)、Stantex Standapol Katax Resista(Pulcra Chemicals)の商品名の下で公知である。
スピンフィニッシュのうちの適用される非水性構成成分の量は、繊維の総質量をベースとして、0.1重量%から3.0重量%の範囲内に、好ましくは0.5重量%から1.5重量%の範囲内にある。スピンフィニッシュは、繊維生産ライン、巻き取り/引き取り機、巻き戻し機および/または急冷チャンバからの出口箇所またはこれらへの入口箇所において適用することができる。スピンフィニッシュ、またはより正確にはスピンフィニッシュおよび水の混合物は、様々な方法で繊維に適用することができる。原理的に、それは、噴霧、浸漬、ロール、ロッドおよびピンにより適用することができる。スピンフィニッシュは、1、2または複数の段階で計量して加えることができる。巻き上げまたは置かれた紡績糸を次いで延伸システムに導入し、延伸してフラットフィラメントとして巻き取るか、または圧着、硬化もしくは短繊維に切断してもよい。好ましくは、紡糸および延伸操作は、1つのシステム内で、延伸されていないフィラメントを中間で巻き上げることなく行われる。好適な延伸システムは、フラットマルチフィラメントの場合は延伸加撚または延伸巻き取り機、モノフィラメントの場合は小型モノフィル紡糸延伸システム、短繊維の場合は延伸生産ラインおよび小型紡糸延伸システムである。延伸システムは、加熱式または部分非加熱式のゴデットまたは延伸ロール、およびまたガイドローラを備えることができ、さらに蒸気、熱風および赤外線ダクト、コーティングデバイス、圧着ユニット、乾燥機、切断システムおよび他のユニットを備えることができる。延伸操作の後に、任意の公知の仕上げ処置、例えばコーティングの適用などを続けることができる。フィラメントまたは繊維の硬化は、通常、これらのシステム上で延伸ステップの後に行われる。高速で紡糸されたマルチフィラメントを、この目的のために公知である機械上で延伸織り込みすることができ、同様に延伸されたマルチフィラメントを織り込むことができる。本発明による好ましいマルチフィラメントは、1から100個のフィラメントを、より好ましくは5から75個のフィラメントを、最も好ましくは10から60個のフィラメントを持つ。本発明によると、1000から10デニール、好ましくは500から20デニール、より好ましくは200から50デニールの線密度を持つ繊維が用いられる。このようにして生産された糸、撚糸、繊維またはフィラメントは、続いて、任意の所望の製品、例えば織物布地などにさらに加工することができる。好ましいのは、例えば、織布、組物、ニット、フェルトまたは不織布である。とりわけ好ましいのは、ネット状のポリマー性布地、例えば蚊帳/就寝ネットなどである。
織布および組物の生産は、互いに直角で交差する2つの糸システム(たて糸およびよこ糸)を使って遂行される。編地は、1つの糸から生産することができ(1糸編(one−thread knit))、またはたて糸技術(warp−thread technique)に従って2もしくはそれより多い糸から構築することもできる(たて糸編(warp−thread knit))。本発明のこれらの布地は、ループ形成またはループ延伸機上で生産される。さらに、フェルトまたは不織布の生産のために短い糸または糸断片を用いることも可能である。
ループ形成およびループ延伸プロセスを使って本発明のネット状布地を生産するため、いわゆるワープビーム(warp beam)を生産することが必要である。ポリマー糸は、同じ長さで平行に配置されてボビン、いわゆるワープビーム上に巻かれる。
本発明のポリマー性布地への加工の際にポリマー糸をより滑らかかつ頑強にするため、糸はしばしばサイジングされる、すなわちデンプンまたは合成サイズ剤の保護フィルムで被覆される。サイジングは、ワープビーム生産の際の巻き取り特性を改善するため、ならびに糸−糸間の摩擦およびまた金属と糸との間の摩擦を低減するため、ワープビーム生産の際に適用される巻き取り油(winding oil)を用いて遂行することができる。摩擦の低減は、ワープビーム生産だけでなく、続いてのループ形成操作のためにも重要である。
さらなる処理(例えば漂白および染色)の前に、製造された繊維から構成されるポリマー性布地は好ましくは洗浄されるが、それは製造された繊維が少量の添加剤を繊維表面に含有するためである。これらの添加剤は、よりとりわけには上記のスピンフィニッシュを含むが、他の添加剤、例えば適用され得るサイズ剤などもまたプロセス中で除去される。この洗浄操作は、当業者に一般に公知である様々な方法で行われ得る。いくつかのプロセスにおいて、洗浄液が撹拌され、他のプロセスにおいてはポリマー性布地が静止した洗浄液の中を動く。あり得るプロセスは、パルス洗浄機、ジェット洗浄機、シーブドラム上での洗浄、パッダおよびまた真空プロセスである。工業スケールでは連続プロセスが好ましい。
ポリプロピレンおよびポリエチレン繊維の場合、この操作は従来技術のプロセスにおいて行われないが、それはこれらのポリマーから構成されるポリマー性布地は染浴で染色することができないためである。これは、よりとりわけにはネット状の布地、例えば蚊帳などの生産について当てはまるが、それは、この場合ポリマー性布地が熱硬化を別にして何らのさらなる仕上げ操作に供されないためである。
しかしながら、WO2011/141260A1中で、驚くべきことに、ポリプロピレンおよびポリエチレン繊維をそれぞれ含むネット状の布地を水および洗剤で熱硬化ステップの前に洗浄することは、WHOPES指令に従った洗浄の際の殺虫剤の損失に対してプラスの効果を持つことが見出されたことが見出された。上記の全ての洗浄プロセス(すなわちパルス洗浄機、ジェット洗浄機、シーブドラム上での洗浄、パッダおよびまた真空プロセス)をかかる洗浄操作のために用いることができる。本発明を使用して、布地を熱硬化操作の前に酸性水(洗剤を何ら含まない)で、または酸性条件下にある水および洗剤で、またはアルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)、好ましくは少なくとも脂肪酸エトキシレート、より好ましくはアルカルアリールスルホネート(alkalarylsulfonate)および脂肪酸エトキシレートを含む洗剤で洗浄することは、WO2011/141260A1中で提案されている溶液よりも、スピンフィニッシュを除去するためおよびデルタメトリンのR−アルファ異性化(Isomeration)を最小化するためになおより有効であることが示された。さらに、糸の紡績の過程で酸性のスピンフィニッシュを用いる場合、熱硬化操作の前の洗浄ステップは、デルタメトリンのR−アルファ異性化を最小化するために場合により行う必要があるだけであることも見出された。しかしながら、本発明の好ましい実施形態においては、両方が、糸の紡績の過程での酸性のスピンフィニッシュの適用と同様にpH値が5未満の酸性水の適用、pH値が5未満の酸性水(洗剤を何ら含まない)の適用、pH値が5未満の酸性条件下にある水および洗剤での、またはアルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む洗剤を使用した適用が、望まれない性質、例としてポリマー性布地表面上の高酸性度が原因となる低い皮膚耐容性/適合性または撚糸材料内への固体の封入が原因となるより低い機械的安定性などを持たないポリマー性布地を生成するために行われる。
本発明の好ましい実施形態において、(ポリマー性布地の生産の際の)洗浄ステップは、20℃から80℃の間、好ましくは30℃から60℃の間の温度で、好ましくは5分未満、より好ましくは1分未満の時間、実行される。別の実施形態において、洗浄のために用いられる酸性水は、pH値が5未満、より好ましくはpH値が4またはそれより低く、なおより好ましくはpH値が4未満である。本発明による酸性水は、酸(好ましくは有機酸)、例として乳酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、塩酸など(好ましい酸は酢酸およびクエン酸の群から選択される)を脱ミネラル水に加えることでpH値を調整することにより得ることができる。洗浄ステップの際に水に加えて洗剤も用いられる場合(これは本発明の好ましい実施形態である)、かかる組み合わせは、好ましくはpH値が5未満、好ましくはpH値が4またはそれより低く、なおより好ましくはpH値が4未満である。かかる酸性条件は、上で論じられている酸を洗浄溶液に加えることにより同様に調整することができる。洗浄はまた、アルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/または脂肪アルコールエトキシレートを、好ましくは少なくとも脂肪酸エトキシレートを、より好ましくはアルカルアリールスルホネートおよび脂肪酸エトキシレートを含む洗剤を使用して実行することもできる。かかる構成成分を含む洗剤は、例として、商品名:Rucogen FWK(Rudolf Chemieからのもの)、Rucogen DFL 200(Rudolf Chemieからのもの)、Rucogen SFW(Rudolf Chemieからのもの)、Lavonyl LGC(Impocolorからのもの)、Lavonyl JN(Impocolorからのもの)、Lavonyl NBA(Impocolorからのもの)の下で公知である。かかる洗剤が用いられる場合、洗浄ステップは、より高いpH値であっても実施することができる。しかしながら、好ましい実施形態において、かかる洗剤は、7またはそれより低いpH値で、好ましくは5またはそれより低いpH値で、なおより好ましくは4またはそれより低いpH値で用いられる。
生産されたポリマー性布地は、非常に高い弾性特性をしばしば持ち、安定な形態ではない。この形態では、ネット状のポリマー性布地、例えば蚊帳などの生産によりとりわけに適していないが、それは、この使用にはDIN EN ISO 5077のために決定される収縮の観点からの特別な要求事項があるからである。したがって、熱硬化操作を行うことが好ましい。熱硬化は、熱水、飽和蒸気もしくは熱風を使用して、または乾燥雰囲気中で行うことができる。好ましいのは、水または蒸気を追加供給することなく通常の雰囲気中で熱硬化を行うことである。熱硬化は、好ましくは、ポリマー性布地が幅出機上に固定されて、幅出機上でオーブンに導入される連続プロセスを用いて行われる。このオーブンは、好ましくは、2またはそれより多い加熱部に細分され、これらは個別に温度制御することができる。熱処理の際、ポリマー性布地を、伸張により、様々な程度の機械荷重に同時に供することができる。これは、幅出機の2つの側面を硬化オーブン内で成形ループニットのための所望の幅に達するまで動かして離すことによりなされる。本発明のポリマー性布地を熱硬化させるための温度は、ポリマーの溶融温度より20℃、好ましくは10℃低い温度が選ばれる。
本発明のアルカリ感受性殺虫剤含有布地は、有害または不快な節足動物、よりとりわけにはクモ類および昆虫を死滅させるために成功裡に用いることができる。本発明のポリマー性布地は、好ましくは、蚊からの保護のための蚊帳を生産するために用いられる。
クモ類としては、ダニ(例としてサルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)、デルマトファゴイデス・プテロニス−シヌス(Dermatophagoides pteronys−sinus)、デルマトファゴイデス・ファリナエ(Dermatophagoides farinae)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、アカルス・シロ(Acarus siro))およびマダニ(例としてイキソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、イキソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、オルニトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、ボーフィリウス・ミクロプルス(Boophilius microplus)、アムブリオマ・ヘブラエウム(Amblyomma hebraeum)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus))が挙げられる。
吸血昆虫としては、本質的に、蚊(例としてエデス・エジプチ(Aedes aegypti)、エデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、エデス・ベキサンス(Aedes vexans)、クレクス・キンケファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、アノフェレス・ガムビエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・アルビマヌス(Anopheles albimanus)、アノフェレス・ステフェンシ(Anopheles stephensi)、マンソニア・チチランス(Mansonia titillans))、スナバエ(例としてフレボトムス・パパタシイ(Phlebotomus papatasii))、ブヨ(例としてクリコイデス・フレンス(Culicoides furens))、ブユ(例としてシムリウム・ダムノスム(Simulium damnosum))、サシバエ(例としてスト−モキシス・カルシトランス(Sto−moxys calcitrans))、ツェツェバエ(例としてグロシナ・モルシタンス・モルシタンス(Glossina morsitans morsitans))、アブ(例としてタバ−ヌス・ニグロビッタツス(Taba−nus nigrovittatus)、ヘマトポタ・プルビアリス(Haematopota pluvialis)、クリソプス・カエクチエンス(Chrysops caecutiens))、イエバエ(例としてムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ムスカ・アウツムナリス(Musca autumnalis)、ムスカ・ベツスチッシマ(Musca vetustissima)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis))、ニクバエ(例としてサルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria))、ハエウジ病を引き起こすハエ(例としてルキリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、クリソミア・クロロ−ピガ(Chrysomyia chloro−pyga)、ヒポデルマ・ボビス(Hypoderma bovis)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、エストルス・オビス(Oestrus ovis)、ガステ−ロフィルス・インテスチナリス(Gaste−rophilus intestinalis)、コクリオミア・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、トコジラミ(例としてキメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリクスス(Rhodnius prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans))、シラミ(例としてペジクルス・フマニス(Pediculus humanis)、ヘマトピヌス・スイス(Haematopinus suis)、ダマリナ・オビス(Damalina ovis))、ノミ(例としてプレクス・イリタンス(Pulex irritans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリ−デス・フェリス(Ctenocephali−des felis))およびスナノミ(ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans))が挙げられる。
刺咬昆虫としては、本質的に、ゴキブリ(例としてブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa))、甲虫(例としてシチオフィルス・グラナリウス(Sitiophilus granarius)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、デルメステス・ラルダリウス(Dermestes lardarius)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、ヒロトルペス・バユルス(Hylotrupes bajulus))、シロアリ(例としてレチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus))、アリ(例としてラシウス・ニガー(Lasius niger)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis))、スズメバチ(例としてベスプラ・ゲルマニカ(Vespula germanica))およびガの幼虫(例としてエフェスチア・エルテラ(Ephestia elutella)、エフェスチア・カウテラ(Ephestia cautella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、ホフマノフィラ・シュードスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、トリコファガ・タペツェラ(Trichophaga tapetzella))が挙げられる。
本発明の材料は、好ましくは、昆虫に対して、とりわけハエ目(Diptera)、なおより好ましくはカ亜目(Nematocera)の昆虫に対して用いられる。
本発明はまた、上記のプロセスに従って生産されるポリマー性布地からなる(または少なくともこれを含有する)就寝ネット、蚊帳、織布、組物、ニット、フェルト、不織布を提供する。好ましいのは、就寝ネット/蚊帳(これらの用語は本特許出願全体にわたって同義語として用いられる)である。
本発明によるネット状の布地は、好ましくは、最少で23個の貫通孔/cmを、平均して23から29個の間の貫通孔/cmを持つ。
本発明の別の実施形態は、ポリマー材料中に包埋されたデルタメトリンのR−アルファ異性化を最小化する方法であって、
− ポリマー材料の生産の際に、ポリマー材料を酸性のスピンフィニッシュで被覆すること、ならびに/または
− ポリマー材料の洗浄の際に、pH値5未満の酸性水;pH値5未満の酸性条件下にある水および洗剤を、もしくはアルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む洗剤を用いること
を含む、前記方法に関する。
デルタメトリンのR−アルファ異性化の最小化は、本発明によると、とりわけ、デルタメトリンのR−アルファ異性化が:
1.生産の際に以下と比較して:
− ポリマー性布地の生産のための、好ましくはpH値が5より高い、好ましくは7より高いアルカリ性のスピンフィニッシュを用いること
− ポリマー性布地を熱硬化操作の前にアルカリ性条件下(pH値が7より高い)で、それぞれ、アルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/または脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を、好ましくは少なくとも脂肪酸エトキシレートを、より好ましくはアルカルアリールスルホネートおよび脂肪酸エトキシレートを含む洗剤以外の洗剤で洗浄すること
2.ポリマー性布地の使用の際に以下と比較して:WHOPES指令に従って提言されている洗浄手法
最小化されることを意味する。
ポリマー性布地内でのデルタメトリンのR−アルファ異性化の最小化は、かかる材料のより長期の保管および使用を包含する耐用期間の延長を導き、これはかかる製品を必要とする消費者にとって明らかに非常に有益である。
用語「ポリマー材料」は、デルタメトリンのR−アルファ異性化を最小化する方法によると、ポリマー性布地について上で論じられているものと同様の材料、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)およびポリアミドなどをいう。本方法によると、ポリマー材料は、上で論じられているように、繊維、撚糸、フィラメント、糸、ポリマー性布地(好ましくはネット状のポリマー性布地)、就寝ネット/蚊帳、織布、組物、ニット、フェルト、不織布であることができる。
本発明の好ましい実施形態は、ポリマー性布地、好ましくはネット状のポリマー性布地、より好ましくは蚊帳の中に包埋されたデルタメトリンのR−アルファ異性化を最小化する方法であって、
− ポリマー性布地(好ましくはネット状のポリマー性布地、より好ましくは蚊帳)の生産の際に、紡績糸(上の記載を参照されたい)を酸性のスピンフィニッシュで被覆すること、ならびに/または
− (最終のポリマー性布地の生産の際であって熱硬化操作の前の、および/または、蚊帳の耐用期間を延長するための使用の際に好ましくは蚊帳の形態である製造されたポリマー性布地をクリーニングする間の)ポリマー性布地の洗浄の際に、pH値5未満の酸性水;pH値5未満の酸性条件下にある水および洗剤を、もしくはアルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む洗剤を用いること
を含む、前記方法に関する。
ポリマー性布地を生産する上記方法と同じ好ましい実施形態はまた、好ましいポリマー、製造ステップ、pH値、好ましい洗剤、洗浄条件、好ましいスピンフィニッシュなどに関して、デルタメトリンのR−アルファ異性化を低減させる方法にも当てはまる。
本発明の別の実施形態は、デルタメトリンのR−アルファ異性化を最小化する方法であって、上記のポリマー性布地(好ましくはネット状のポリマー性布地、より好ましくは蚊帳)をWHOPES指令に従ってアルカリ性石けん、好ましくはSavon de Marseilleで洗浄し、アルカリ性石けん(好ましくはSavon de Marseille)での洗浄後にポリマー性布地を少なくとも10秒(好ましくは少なくとも30秒)間、pH値5未満の酸性水ですすぐ、前記方法に関する。他の方法について上で論じられているものと同じ好ましい実施形態は、この方法についても同様に、「酸性水」のために用いることができる。
洗浄直後の効力は、媒介動物の防除のために用いられるポリマー性布地にとって非常に重要である。ポリエチレンで構成される布地、例えば、WO2008/032844A2から公知であるものなどは、洗浄サイクル後に数日間(いわゆる再生時間)にわたってその効力の損失を経験し、効力を回復するために一定時間、高温でさらに休止させなければならない。この手法はユーザーにとって不便であり、このステップが行われずに、したがってポリマー性布地が保護性能の減少を被るリスクを常に抱えている。2時間未満の再生時間が望ましい。この再生は、上記の方法を使用して加速することができる。
本発明によると、「WHOPES指令」は、指令「Guidelines for laboratory and field testing of long−lasting insecticidal mosquito nets」、2005)を意味すると理解されるものである。この指令は、以下のインターネットアドレス:http://www.who.int/whopes/guidelines/en/において検索可能である。
WHOPES指令によると、「洗浄」は、以下のように定義される:ネット状の布地(25cm×25cm)を、0.5リットルの脱イオン水、およびネット状の布地の直前に加えられて脱イオン水中に十分に溶解させた2g/lの「Savon de Marseille」石けん(pH10〜11)を含有する1リットルビーカー内に導入する。ネット状の布地を加えた後、ビーカーを30℃の温水浴中に直ちに導入し、1分あたり155回動かしながら10分間振とうする。ネット状の布地を次いでビーカーから取り出し、1回に10分間、清浄な脱イオン水で、上述したのと同じ振とう条件において2回すすぐ。その後、洗浄と洗浄の間にネット状の布地を室温で乾燥させ、暗所で30℃で保管する。
試料の生産
ポリマー材料は、34mmのスクリュー直径および1200mmのハウジング長を持つ同方向回転式密接噛合型2軸押出機を用いて生産した。押出機ハウジングの温度は全てのステップにおいて200℃であり、押出機の速度は160rpmであった。押出機の供給部を水で冷却した。押出機を用いて、デルタメトリン濃度が高いいわゆるマスターバッチを生産した。この目的を達成するため、10重量%の工業級デルタメトリン(BCS AG、Monheim、ドイツ)、2重量%のTinuvin(登録商標)326 FL(BASF(Ciba)、Ludwigshafen、ドイツ)および88重量%のポリプロピレン(Metocene(登録商標)HM562S、LyondellBasell、Rotterdam、オランダ)を押出機(TK10)内で混合した。全ての材料を固体形態で押出機の供給部に供給した。混合物が押出機からストランドの形態で出てきて、このストランドを水浴中で冷却した。続いてストランドをペレット化によって細砕した。ペレットは約9.2重量%のデルタメトリンを含有していた。
第二のステップは、上記のように生産された約1.1重量%のデルタメトリン含有ペレットを98.9重量%の純粋なポリプロピレン(Metocen(登録商標)HM562S)で希釈することによって糸を生産することを伴った。この目的を達成するため、ペレットを各々の場合において単軸押出機の供給部内に量り入れ、溶融させ、2つの溶融物流を続いて合わせて混合した。紡糸の過程で、約1重量%のStantex(登録商標)6051スピンフィニッシュ(Pulcra Chemicals GmbH、Dusseldorf、ドイツ)を繊維に適用した。繊維を続いて延伸し、ボビン上に巻き上げた。繊維の太さは210dtexであり、繊維は25個のフィラメントからなっていた。第二のステップにおいて、繊維を110dtexの太さまで延伸した。3対のゴデットを用いて繊維を延伸した。ゴデット対の温度は、60、80および120℃であった。繊維の平均引張強さは4.3cN/dtexであり、繊維の残留伸びは51%であった。
紡糸されたポリプロピレン繊維を続いて用いて、さらなる試験のための本発明による成形ループニット(すなわちネット状の布地)を生産した。この目的を達成するため、第一のステップは、平行に配置された個々のパッケージからポリプロピレン繊維を1個のボビン、いわゆるワープビーム上に巻き取ることにより、ワープビームを生産することであった。これらのワープビームを続いて用いて、たて糸編機中で成形ループニットを生産した。
処理されていない成形ループニットの一部を実験室スケールで熱硬化操作に供した。これは、Mathis DHe 61599型実験室スチーマーを用いてなされた。熱硬化の前に、成形ループニット片の一部を1回洗浄した。各々の場合において、2gの処理されていない成形ループニットを、様々なpH(pH3、pH5、pH7)および様々な商業的洗剤添加剤(洗剤なし、Lavonyl LGC(Impocolorからのもの)、2g/l Savon de Marseille、3g/l Radopal GX/2000(Baur Gabelからのもの)、2g/l Rucogen FWK(Rudolf Chemieからのもの)、1g/l Rucogen DFL 200(Rudolf Chemieからのもの)、5g/l Rucogen SFW(Rudolf Chemieからのもの)、2g/l Lavonyl LGC(Impocolorからのもの)、2g/l Lavonyl JN(Impocolorからのもの)、0.4g/l Lavonyl NBA(Impocolorからのもの)、4g/l Invatex MD(Huntsmanからのもの)、1,5g/L Invatex CS/4g/l Ultravon PRE(Huntsmanからのもの)を有する脱ミネラル水で作成した10ml熱水浴のカラム内で、60℃の温度で30秒間洗浄した。洗浄浴のpHは、適当量のクエン酸を所望のpHに達するまで加えることによって調整した。ネット片を絞り、次いで少なくとも1時間吊るして室温で乾燥させた。熱硬化操作を次いで140℃で30秒間行った。試料を次いで54℃のオーブン内で2週間保管し(2w/54℃)、保管後にデルタメトリンおよびそのR−アルファ異性体の含量を分析した。
異なるポリプロピレン試料中のデルタメトリンおよび−アルファ異性体の分析
A部−試料調製:
約1gの代表的試料材料(撚糸、布地またはペレット)を250mlフラスコに入れる;次いで約30mlのキシレン(PA品質)を加える。試料材料を次いで、正確に3分間、190℃の油浴中で還流(水冷カラム、20cm)下で撹拌(1分あたり125回転、マグネチックスターラーおよび撹拌子)しながら溶解させる。油浴を取り外し、約10mlのイソプロパノール(PA品質)を加え、フラスコを室温で約5分間冷却してポリマーを沈殿させる。その後、30mlのアセトニトリルを使用して抽出物が作られる。
試料を続いて吸引ろ過して分け(分析フィルタ、直径5cm)、その後、ろ液をひだ付きのフィルタ(MN 715、240mm)に通す。ろ過はいずれも、各々の場合において10〜20mlの溶媒(アセトニトリル)で洗浄することによりなされる。
最後に、ろ液を100mlメスフラスコに定量的に移し、アセトニトリルを較正目盛まで補う。
B部−外部標準に対するHPLCによる定量決定:
ポリプロピレン抽出物の試料中のデルタメトリンの定量は、2元ポンプシステムを備えたAgilent 1100機器上のHPLCを使って行う。デルタメトリンおよびR−アルファ異性体は、分析の標的分子である。認証分析標準を基準材料として用いる。分離は、順相条件下、Merck Lichrosorb SI 60カラム(5μ粒子、寸法250×4mm)上で、40℃のカラム温度で行う。
注入体積は10μlである(試料調製は上のA部を参照されたい)。分離は、N−ヘプタンおよびメチル第三級−ブチルエーテルの溶媒混合物(950+50、HPLC品質)を使って1分あたり1mlの流速で遂行される。これらの条件下での溶出時間は10分である。
230nmの波長でのUV検出は、ダイオードアレイ検出器を利用する。記載された条件下での典型的な保持時間は、R−アルファ異性体の場合で約6.3分、デルタメトリンの場合で7.0分である。
図1は、異なる洗浄浴処方での保管後のデルタメトリンの安定性を表す。
図1中で、保管後のR−アルファ異性体含量(X_R−アルファ)は、デルタメトリン濃度(c_DLT)および保管したネット内のR−アルファ異性体からの濃度(c_R−アルファ)を用いて、式:X_R−アルファ=c_R−アルファ/c_DLTを使用して算出した。cDLTは、c(DLTのR−アルファ異性体およびS−アルファ異性体)に等しい。図1から、酸性水;酸性条件下にある水および洗剤、またはアルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)(例としてLavonyl NBA、Lavonyl LGC)を含む洗剤は、デルタメトリンの異性化の低下を導くことがわかる。
図2は、上で論じられている熱硬化の前に(60℃の温度で30秒間)Savon de Marseilleで洗浄した試料(WHOPES指令に従って推奨されている通りのもの)、およびSavon de Marseilleで(60℃の温度で30秒間)洗浄し、次いで60℃で10秒間、シトロン酸(citron acid)を含有する水(pH=3に調整)ですすいだ試料のR−アルファ異性体含量を示す。クエン酸を含有する水でのすすぎは、デルタメトリンの異性化を著しく低減させた(約10倍)。そのデータと比較して、Lavonyl NBAでpH5およびpH3において洗浄した試料のデータもまた示されるが、これもまたデルタメトリンの異性化を相当に低減させた。試料は、上で論じられているようにHPLCを使用して、熱硬化ステップのすぐ後および54℃のオーブン内で2週間保管した後(2w/54℃)に分析した。
図2:
Figure 2016507659
スピンフィニッシュの酸性度の影響
純粋なスピンフィニッシュおよびデルタメトリンの混合物を、0.1gのデルタメトリンを計量し、スピンフィニッシュ溶液を総量で10gになるように加えることにより調製した。pH6.43であり、342ppmの水中1重量%のスピンフィニッシュ溶液であるDako AGからの普通のスピンフィニッシュDakolub L1863 TW、およびpH4.43であり、342ppmの水中1重量%のスピンフィニッシュ溶液であるDakolub L1863 TWの酸性バージョンの2つの異なるスピンフィニッシュを用いた。
スピンフィニッシュを0.1gのデルタメトリンに総量で10gを与えるように加えた。試料を室温で2時間撹拌し、混合後に2つの部分に分けた。試料を54℃で2週間保管し、次いで保管後に分析した。デルタメトリンおよびS−アルファ異性体の含量を、上記のHPLC分析を用いて決定した。
図3は、スピンフィニッシュDakolub L1863 TWまたは酸性のDakolub L1863 TWのいずれかの中で保管した試料のS−アルファ異性体含量を示す。デルタメトリンと酸性のスピンフィニッシュとの接触は、同一の、より酸性でないスピンフィニッシュと接触したデルタメトリンと比較して、デルタメトリンの異性化を相当に低減させた。
図3:
Figure 2016507659

Claims (13)

  1. ポリマーおよび1または複数のアルカリ感受性殺虫活性成分を120から250℃の間の温度で一緒にまたは別々に溶融し、溶融物から紡績糸を形成し、糸の紡績の過程でスピンフィニッシュを用い、形成された紡績糸を冷却し、延伸システムに導入し、延伸して編むことにより布地を形成し、これを続いて熱硬化操作に供する、ポリマー性布地を生産する方法であって、ポリマー性布地を熱硬化操作の前に:
    − pH値5未満の酸性水で、もしくは
    − pH値5未満の酸性条件下にある水および洗剤で、もしくは
    − アルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む洗剤で
    洗浄すること
    ならびに/または
    − 糸の紡績の過程で酸性のスピンフィニッシュを糸に適用すること
    を特徴とする、前記方法。
  2. アルカリ感受性殺虫剤がデルタメトリンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 布地を熱硬化操作の前に:
    − pH値5未満の酸性水で、または
    − pH値5未満の酸性条件下にある水および洗剤で、または
    − アルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/または脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む洗剤で
    洗浄すること、
    ならびに糸の紡績の過程で酸性のスピンフィニッシュを糸に適用すること
    を特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. ネット状のポリマー性布地が生産されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 熱硬化操作のための温度が、用いられるポリマーの溶融温度から20℃下回るように選ばれることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 熱硬化操作の前の洗浄が、
    − pH値5未満の酸性水で、または
    − pH値5未満の酸性条件下にある水および洗剤で
    実行されることを特徴とし、ならびに
    前記洗剤がアルキルアリールスルホネート(複数可)、脂肪酸エトキシレート(複数可)および/または脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 酸性のスピンフィニッシュのpH値が5またはそれより低いことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. ポリマー材料中に包埋されたデルタメトリンのR−アルファ異性化を最小化する方法であって、
    − ポリマー材料の生産の際に、ポリマー材料を酸性のスピンフィニッシュで被覆すること、ならびに/または
    − ポリマー材料の洗浄の際に、pH値5未満の酸性水;pH値5未満の酸性条件下にある水および洗剤を、もしくはアルキルアリールスルホネート(複数可)、酸エトキシレート(複数可)および/もしくは脂肪アルコールエトキシレート(複数可)を含む洗剤を用いること
    を含む、前記方法。
  9. ポリマー材料の生産の際に、ポリマー材料をpH値が5またはそれより低い酸性のスピンフィニッシュで被覆する、請求項8に記載の方法。
  10. ポリマーがポリプロピレンであることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. ポリマー材料がネット状のポリマー性布地である、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ポリマー性布地をWHOPES指令に従ってアルカリ性石けんで洗浄し、アルカリ性石けんで洗浄後にポリマー性布地をpH値5未満の酸性水で少なくとも10秒間すすぐ、請求項11に記載の方法。
  13. 洗剤がアルカルアリールスルホネートおよび脂肪酸エトキシレートを含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
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