JP5913286B2 - 殺虫剤含有ポリマー材料 - Google Patents

殺虫剤含有ポリマー材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5913286B2
JP5913286B2 JP2013504264A JP2013504264A JP5913286B2 JP 5913286 B2 JP5913286 B2 JP 5913286B2 JP 2013504264 A JP2013504264 A JP 2013504264A JP 2013504264 A JP2013504264 A JP 2013504264A JP 5913286 B2 JP5913286 B2 JP 5913286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insecticide
polypropylene
net
deltamethrin
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013504264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013531612A (ja
Inventor
ハイネマン,マレン
ボツカー,トーマス
ホーン,カリン
ネントヴィツク,グエンター
ソネツク,ライナー
ケーニツヒ,トーマス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bayer Intellectual Property GmbH
Original Assignee
Bayer Intellectual Property GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bayer Intellectual Property GmbH filed Critical Bayer Intellectual Property GmbH
Publication of JP2013531612A publication Critical patent/JP2013531612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5913286B2 publication Critical patent/JP5913286B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/34Shaped forms, e.g. sheets, not provided for in any other sub-group of this main group
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N53/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing cyclopropane carboxylic acids or derivatives thereof
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F1/00General methods for the manufacture of artificial filaments or the like
    • D01F1/02Addition of substances to the spinning solution or to the melt
    • D01F1/10Other agents for modifying properties
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/02Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D01F6/04Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from polyolefins
    • D01F6/06Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from polyolefins from polypropylene

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、少なくとも1種類のポリマー基材に埋め込まれた殺虫有効成分を含み、優れた生理活性を有する殺虫剤含有ポリマー材料、そしてこのポリマーから製造される製造品、ならびに節足動物に対してヒト、動物および植物を保護、特には昆虫を防除する上でのそれらの使用に関するものである。
殺虫剤をコーティングした蚊帳により、ヒトが就寝時に節足動物によって刺されないように保護することが可能であることが知られている。これは、節足動物が疾患(例えばマラリア)を伝染させる国々では特に重要である。コーティングされたファブリックを窓やドアの前でドレープとして用いて、節足動物が住居に進入するのを防ぐこともできる。同様に、コーティングされたファブリックを用いて野菜や果物を覆うことが、節足動物に対する保護方法として知られている。これによって、後に食べる植物部分の殺虫剤による汚染を低減することが可能となる。
先行技術により、殺虫有効成分を含む熱可塑性材料が開示されている。
ネット用に知られている材料は、実質的にポリエステル類、特にはポリエチレンテレフタラートおよびポリエチレンであるが、これらは耐久性が限られており(特にポリエステル)、部分的に接触に対して好ましくないほどに脆くなるほど弱い表面を有する(特にはポリエチレン)。従って、他のより耐久性があって物理的により堅牢なポリマーを開発することが望ましいものと考えられる。
WO−A2 2008/004711には、例えばポリエチレンおよび/またはポリプロピレンなどのポリオレフィンに基づくネット状の殺虫剤含有材料が開示されている。好適な殺虫有効成分としてはピレスロイド類が挙げられている。殺虫性材料は、熱可塑性ポリマーに殺虫剤を溶融混合し、その材料を押し出すことで製造される。
WO−A2008/032844には同様に、殺虫剤およびポリエチレンの混合物を溶融紡糸することで得られる昆虫忌避材料が記載されている。可能な殺虫剤として、ピレスロイド類が挙げられている。
ポリプロピレンの使用は殺虫剤蒸発プレートレットからも公知である(例えばWO97/29634、WO99/01030、WO05/044001)。殺虫剤蒸発プレートでは、殺虫有効成分がポリプロピレン基材中に埋め込まれており、100℃より高温に加熱されると急速に放出されて、例えば部屋を処理する。そこには室温での使用や長期作用材料での使用については記載されておらず、添加剤との組み合わせについても記載がない。
WO−A2 2008/004711 WO−A2008/032844 WO97/29634 WO99/01030 WO05/044001
しかしながら、先行技術から公知の材料は、殺虫剤含有長期使用蚊帳に関してのWHOPES指令(「長期使用殺虫性蚊帳の実験室および実地での試験に関するガイドライン(Guidelines for laboratory and field testing of long−lasting insecticidal mosquito nets)」、2005、http://www.who.int/whopes/guidelines/en/を参照する)の基準を洗濯20回までしか満足しないという欠点を有しており、それはそのような材料が、ちょうど20回程度の洗濯サイクル後にはその生理活性を喪失するような早さで有効成分を失う傾向を有することを意味している。
有効成分で処理したテキスタイルファブリックからの有効成分の喪失、例えば殺虫剤で処理したネットからの喪失は、保持指数との関連で記載することができる(「第11回WHOPES作業部会会議報告(Report of the Eleventh WHOPES Working Group Meeting)」、WHO、HQ、Geneva、2007年12月10−13日、付録1参照)。保持指数を求めるため、ポリマー材料についてWHOPES指令で定義の処理を繰り返し行う。
WHOPES I相(phase I)指令によれば、試験を受けたテキスタイルは、20回の洗濯を行った後にもなお、一定の生理活性を有するものでなければならない。曝露後60分間でのノックダウンが95%から100%でなければならないか、曝露後24時間での死亡率が80%から100%でなければならない。蚊の殺虫剤への曝露後のノックダウンは、殺虫剤効力の最初の肉眼でわかる証拠であると考えられ、その蚊は通常は調和の取れた動き、飛行および歩行を行うことができず、通常は背中から落下するがまだ死んでいるわけではない。
処理前および処理後で、ポリマーと有効成分の混合物の有効成分含有率を求める。n回処理後の保持指数は、n回処理後の有効成分含有量を処理前の有効成分含有量で割った値のn乗根から計算される。
ベクトル制御に使用されるテキスタイルファブリックは望ましくは、95%を超える保持指数を有することで、35回を超える洗濯サイクル後であっても十分な生理活性があるようにすることができる。先行技術から公知のポリマー性殺虫剤含有材料は不十分な保持指数(5回洗濯後に50から90%)を有しており、それは比較的少数回の洗濯について材料の効力を確保するに過ぎないことから、使用期限も比較的短くなる。
さらに、デルタメトリンを有効成分として用いる場合、殺虫剤含有ポリマー材料またはそれから製造されるネットを54℃で2週間保存すると、望ましいS−α−異性体の望ましくないR−α−異性体への変換が認められるというさらなる問題がある。
従って本発明は、好ましくは54℃で2週間の保存後であっても有効成分の十分な安定性を示すことで、材料のその部分での十分な効力が確保される、詳細にはポリプロピレンに基づく新規なポリマー性の殺虫剤含有材料を提供することをその目的とする。同様に本発明の一つの目的は、上記WHOPES指令の要件を満足する殺虫剤含有ネット状ポリマー性ファブリックを提供することにある。さらに、使用される有効成分の量は、殺虫効果を落とすことなくできるだけ低いレベルに維持されなければならない。さらに必要なものとしては、速効性殺虫効果、均一な有効成分放出、そして非常に簡単かつ安価な製造方法がある。
本発明者らは、これらの目的が本発明のポリマー性殺虫剤含有材料によって、さらにはそれから製造される殺虫剤含有ネット状ポリマー性ファブリックによって達成されることを見出した。
従って本発明は、デルタメトリンおよびUV安定剤を含む殺虫剤含有ポリマー材料において、10%未満、好ましくは8%未満、より好ましくは6%未満のデルタメトリンのR−α−異性体分画を含むことを特徴とする材料を提供する。R−α−異性体分画が0%から5%であることが非常に好ましい。
同様に本発明は、本発明の殺虫剤含有ポリマー材料に基づくネット状ファブリックを提供する。
本発明のポリマー材料を含むそのようなネット状ファブリックは好ましくは、WHOPES指令(I相)に準拠して、少なくとも25回、好ましくは少なくとも30回、さらにより好ましくは少なくとも35回の洗濯後に95%から100%の60分後ノックダウンまたは80%から100%の24時間後死亡率を有する。
さらに、本発明のポリマー材料を含むネット状ファブリックは、WHOPES報告に準拠して少なくとも5回の洗濯後に、少なくとも95%の下記式(I)の保持指数rを有することを特徴とする。
Figure 0005913286
式中、
=n回洗濯後の総有効成分含有量(g/kg)、
=0回洗濯後の総有効成分含有量(g/kg)、
n=洗濯回数
である。
本発明のポリマー材料を含むネット状ファブリックは好ましくは、24時間未満、好ましくは8時間未満、より好ましくは2時間未満の再生時間を有する(WHOPES指令(I相)に準拠して調べたもの)。
本発明によれば、「WHOPES指令」は、指令「長期使用殺虫性蚊帳の実験室および実地での試験に関するガイドライン」、2005を意味するものと理解されるべきである。この指令は、インタネットアドレス:http://www.who.int/whopes/guidelines/en/で呼び出すことができる。
WHOPES指令によれば、「洗濯」は、次のように定義される。脱イオン水0.5リットルおよびネット状ファブリックの直前に加え脱イオン水に十分に溶かした2g/リットルの「サボン・ド・マルセイユ(Savon de Marseille)」石鹸(pH10から11)の入った1リットルビーカーにネット状ファブリック(25cm×25cm)を入れる。ネット状ファブリックを加えた後、ビーカーをただちに30℃の温水に入れ、155回/分で10分間振盪する。次に、ネット状ファブリックをビーカーから取り出し、上記のものと同じ振盪条件で清浄な脱イオン水で1回10分間にわたり2回洗う。その後、ネット状ファブリックを室温で乾燥させ、洗濯の合間には暗所にて30℃で洗う。
本発明によれば、「ノックダウン」という用語は、背中または側面を付けて倒れているが、短時間の飛行程度の調整の取れない運動はまだ可能である状態を説明するものである。
本発明によれば、「死亡」という用語は、動物が背中または側面を付けて動かない状態を説明するものである。
本発明によれば、「再生時間」という用語は、最初の効力が回復されるまでに経過する時間を説明するものである。
本発明に従って使用されるポリマー材料は、ポリプロピレンおよびポリプロピレンコポリマー類である。好ましいものは、ポリプロピレンの使用である。先行技術からは非常に多くのポリプロピレンが知られている。ポリプロピレンは基本的に、その合成方法によって区別することができる。大部分のポリプロピレンは、懸濁法でチーグラー−ナッタ触媒の存在下に、または詳細にはいわゆる気相法で製造される(Kaiser「Kunststoffchemie fur Ingenieure」、246から254ページ参照)。気相法は、メタロセン類などの特異的な触媒を用いることもできる。メタロセン触媒を用いて製造されるポリマーは、本発明の殺虫剤含有ポリマー材料におけるポリマー基材として特に有用である。メタロセン触媒を用いて製造されるポリプロピレンの融点は通常、従来の不均一触媒系を用いて利用可能な温度より明確に低い。ポリマーにランダムに分布する欠陥のため、一般的には135から150℃の融点を有するメタロセンポリプロピレンの結晶化能が低くなる。ポリプロピレンの合成において触媒としてメタロセンを使用することで、より良好な立体特異的重合も可能となる。すなわちポリプロピレンの立体規則と従ってそれの特性を制御しやすくなる。メタロセンを用いて触媒されるポリプロピレンはモル質量分布が狭くなる。すなわちそれは実質的にヘプタン可溶分を含まない。
それらの合成で使用される触媒の種類に加えて、ポリプロピレンは炭素主鎖の側鎖基の空間配置に従って区別することもできる。アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンおよびシンジオタクチックポリプロピレンがあるが、これらの形態は混合物で得られる可能性もある。本発明の殺虫剤含有ポリオレフィン材料は好ましくは、主としてアイソタクチックな構造を有するポリプロピレンを利用する。
ポリプロピレン類はさらに、それらの個々の使用分野に従って区別することができる。ポリマーの特性は、特に射出成形、押出、ブロー成形、加圧成形、カレンダー成形および溶融紡糸での要件に対して具体的に至適化される。本発明の殺虫剤含有ポリマー材料は好ましくは、細糸、繊維および不織布を製造する溶融防止法用のポリプロピレンを用いる。特に好ましいものは、50から150デニールの低デニールを有する多繊維の製造に有用なポリプロピレン類である。これらは例えば商品名Metocene(登録商標)およびMoplen(登録商標)(LyondellBasell(オランダ))、Repol(登録商標)(Reliance Industries Limited(インド))、Yuplen(登録商標)(SK corporation(韓国))、Seetec(登録商標)(LG Chemical(韓国))およびAchieve(登録商標)(ExxonMobile Chemical Company、USA)を有するポリマーである。特に好ましいものは、メタロセン触媒ポリプロピレン類、例えば融点145℃のMetocene(登録商標)HM562S(LyondellBasell(オランダ))およびAchieve(登録商標)3845(ExxonMobile Chemical Company、USA)である。
使用されるポリマー材料は、安定化または加工特性の向上のためにポリマーに組み込まれる添加剤を加えて製造することができる。好適な添加剤には、例えばアルキル化モノフェノール類、アルキルチオメチルフェノール類、ヒドロキノン類、トコフェロール類、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル類、アルキリデンビスフェノール類、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロン酸エステル、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、アシルアミノフェノール類、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のモノもしくは多価アルコール類のエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のモノもしくは多価アルコール類とのエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のモノもしくは多価アルコール類とのエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のモノもしくは多価アルコール類とのエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド類、アスコルビン酸(ビタミンC)およびアミン系酸化防止剤がある。硫黄系共力剤(thiosynergists)、二次酸化防止剤、ホスファイト類およびホスホナイト類を用いることも同様に可能である。
同様に、金属不活性化剤、過酸化物捕捉剤、塩基性共安定化剤、核形成剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、粘度調整剤、触媒、流動調節剤、光学的光沢剤、防炎剤、帯電防止剤および発泡剤、ベンゾフラノン類およびインドリノン類、蛍光可塑剤、離型剤、難燃剤添加物、スルホン酸塩などの帯電防止剤、顔料ならびに有機および無機色素ならびにエポキシ基もしくは無水物基を含む化合物を用いることで、使用されるポリマー材料を製造することも可能である。
本発明は、最初に、使用されるポリマー、好ましくはポリプロピレン、デルタメトリンおよびUV安定剤および適宜に別の殺虫剤もしくは添加剤を一緒にまたは別個に120から250℃、好ましくは150から230℃の温度で溶融させ、次に得られたポリマー性混合物の冷却および固化を行い、そしてその混合物を小分けしてペレットとする、本発明の殺虫剤含有ポリマー材料の製造方法を提供する。
殺虫剤に加えて、好ましくは、UV安定剤(すなわちUV吸収剤および/または光安定剤)を殺虫剤含有ポリマー材料の組成物の合計重量基準で0.01%から15重量%、より好ましくは0.03%から8重量%の量で用いることが可能である。その方法を行う上で有用なUV吸収剤および光安定剤は、例えば2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、置換されたおよび置換されていない安息香酸のエステル、アクリレート類、ニッケル化合物、立体障害アミン類、オキサミド類、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類およびこれらの混合物である。好ましくは、立体障害アミン類をUV安定剤として用いずに、2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、置換されたおよび置換されていない安息香酸のエステル、アクリレート類、ニッケル化合物、オキサミド類、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類およびそれらの混合物を用いる。特に好ましいものは、トリアジン化合物およびブトリメゾール(butrimezole)である。非常に好ましいものは、分岐および直鎖の2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール(CAS125304−04−3)および2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール(CAS3896−11−5)である。
使用されるポリマー材料は例えば、一軸押出機、二軸押出機、多軸押出機またはコニーダー(cokneader)中で溶融させる。
使用される一軸押出機は、例えばスムーズバレルまたは溝付きバレル押出機またはトランスファーミックス(Transfermix)であることができる。溝付きバレル押出機が好ましい。
二軸押出機は、共回転式または反回転式であることができる。二軸押出機はさらに、近接(close)噛み合わせ型または非噛み合い型であることができる。好ましいものは、近接噛み合わせ型共回転式の構造である。
多軸押出機は、少なくとも3個のスクリュー、好ましくは4から12個を有する。スクリューはそれぞれ近接噛み合わせペアを形成するように配置されていても良く、その場合に、スクリュー対は互いに対して接線方向および反回転で配置されていることができる。多軸押出機のスクリューはさらに、全て共回転であることができ、その場合に各スクリューは2個の隣接するスクリューで互いに噛み合う。特殊な形態の多軸押出機は、駆動中央スピンドルが自由に回転する遊星スピンドルを駆動し、それが次に固定された筐体で円運動する遊星ロール押出機である。中央スピンドル、遊星スピンドルおよび筐体は、歯車噛み合いを有する。
本発明の方法は特に好ましくは、近接噛み合わせ共回転二軸押出機を用いて行う。
押出機スクリューの構成は、個々の使用シナリオに適応させる。
室温で固体の殺虫剤、UV安定剤およびさらなる添加剤は好ましくは、原料のポリマーペレットとともに押出機の供給ゾーンに計量して入れる。別の好ましい実施形態では、室温で固体の殺虫剤、UV安定剤および他の添加剤を溶融させ、液体状態で計量する。押出機筐体は温度管理して4から250℃とする。押出機の供給ゾーンにおける押出機筐体を好ましくは冷却して4から50℃とする。残った押出機筐体は好ましくは温度制御して、100から250℃、より好ましくは140から250℃とする。押出機では、ポリマーおよび融点に応じて殺虫剤も、そしてUV安定剤を溶融および混和する。混合物は、当業者には公知であるホール台から押し出し、ペレットとする。添加剤にはさらに、例えば有機顔料、二酸化チタン、カーボンブラックまたはタルクなどのさらに別の無機または有機充填剤が含まれていても良い。
溶融および混和時にポリマーが液体である滞留時間は、3から300秒、好ましくは5から120秒、より好ましくは8から30秒である。
殺虫剤およびUV安定剤そして別の添加剤の溶融ポリマーとの混合は、ポリマーの溶融を行うのと同じ装置でまたは別の装置で行うことができる。上記の全ての押出機が混和に好適である。別の可能性は、殺虫剤と適切である場合には添加剤を静的ミキサー中でポリマーと混和するというものである。混和は好ましくは、静的ミキサーを用いて行う。
殺虫剤または添加剤を液体の形態で加える場合、通常はそれを溶融させ、初期装填容器に中間的に保存し、そこからそれを混合装置に運び入れる。その運搬は、例えばポンプによって、または高投入圧によって行うことができる。初期装填容器の温度は、殺虫剤が安定で、殺虫剤の粘度が十分に小さいことで良好なポンプ能力が確保されるように選択する。この場合、初期装填容器、ポンプおよび全ての配管を加熱することが有利である。混合装置への計量投入は好ましくは、ニードル弁を介して進める。殺虫剤の計量された量は好ましくは、例えばコリオリの原理による、または加熱ワイヤー原理による好適な質量流量計によって測定され、ポンプまたは弁によって偏差が小さくなるように閉ループ制御される。
室温で液体の殺虫剤を、ニードル弁を介して押出機の加工ゾーンですでに溶融したポリマーに加える。そのために、殺虫剤の粘度および融点に応じて、殺虫剤、UV安定剤および他の添加剤またはそれらの混合物を加熱する。
混和後、好ましい実施形態は、ポリマー材料を冷却および固化させ、さらに小分けしてペレットする段階を含む。これは、例えば1以上のダイスが連続ストランドを押し出し、それを空冷または水冷して固化させ、次にペレタイザーで所望の大きさに粉砕する一般的なストランドペレット化プロセスを用いて行うことができる。好適なダイスは当業者には公知である。別の方法として水面下ペレット形成があり、その方法では水面下でダイスから出てきた溶融物をそこで回転刃によってカットし、次に水冷し、それから篩かけし、乾燥させる。別の方法は水封ペレット形成であり、その方法ではポリマーを液体溶融状態で空気中でカットし、その後回転する水リング中での遠心力によって遠心して冷却する。特に好ましいものは、水面下ペレット形成法とストランドペレット形成法である。
本発明は同様に、本発明の殺虫剤含有ポリマー材料を含むペレットを提供する。
本発明の方法の1実施形態において、混和操作によって製造されるポリマー材料のみをその後の加工操作に送る。単純混和操作での殺虫剤の量は、総重量基準で0.05%から15重量%の範囲、好ましくは0.2%から10重量%の範囲、より好ましくは0.4%から8重量%の範囲である。
別の実施形態では、高い殺虫有効成分濃度を有するポリマー材料をペレットの形態(マスターバッチと称される)で製造し、未処理ポリマーとの混合物で次の加工操作に送る。この場合、本発明のマスターバッチポリマー材料中の殺虫剤の濃度は好ましくは、総重量基準で3から20重量%、より好ましくは5%から15重量%の濃度まで上昇する。
別の実施形態は、本発明のポリマー材料をマスターバッチとして製造し、その後溶融および未処理ポリマーおよび可能な別の添加剤との混和によってペレットの形態で形成される本発明のポリマー材料に再度加工する第1段階を有する。
その後の加工操作は、例えば得られた本発明のポリマー材料のペレットを加工段階で加工して、例えばホイル、エアクッション材料、フィルム、プロファイル(profiles)、シート、ワイヤ、織り糸、テープ、ケーブルおよび配管裏張り、電気機器用ケーシング(例えば、配電箱、航空機、冷蔵庫などでのもの)などの成型品とする段階を有することができる。好ましいものは、押出操作でのホイルの製造である。そのホイルは、1以上の層を有して製造することができる。当業者であれば、多層ホイルを製造することができる方法は知っている。それには例えば、共押出またはラミネート加工などがある。好ましいものは、本発明による材料の1層および別の材料の1以上の層からなる多層ホイルである。これらの他の材料は、例えばポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE)またはポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、例えばエチレン−酢酸ビニルコポリマーなどの接着インベスティゲーター(investigators)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、例えばポリエチレンテレフタラートまたはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、セロファン、ポリラクチド、酢酸セルロースまたはこれらの混合物であることができる。これらのポリマーは純粋な形態でまたは混合物として存在することができ、添加剤および例えば有機顔料、二酸化チタン、カーボンブラックまたはタルクなどのさらなる無機または有機充填剤を含むことができる。
その後の加工操作が、その後の紡糸操作で殺虫剤含有ポリマー材料をさらに加工することで繊維、編み糸、細糸または撚り糸を形成する操作にあることが特に好ましい。
本発明のポリマー材料は好ましくは、殺虫有効成分としてのデルタメトリンを利用するものである。しかしながら、別の殺虫有効成分を混合することも可能である。好適な追加的な殺虫剤は、有機リン酸エステル類、ピレスロイド、ネオニコチノイド類およびカーバメート類の種類からの殺虫剤である。
有機リン酸エステル類には、例えばアセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル、−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、O−サリチル酸イソプロピル、イソオキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトアート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、キナルホス、セブホス(sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホンおよびバミドチオンなどがある。
ピレスロイド類には、例えばアクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス、d−トランス)、β−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル−異性体、ビオエタノメチリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(α−、β−、θ−、ζ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン(1R−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンピリスリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、γ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、λ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−、トランス−)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU15525、シラフルオフェン、τ−フルバリネート、テフルトリン、テラレスリン、テトラメトリン(−1R−異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI8901およびピレトリン(除虫菊)などがある。本発明に従って好ましいものは、β−シフルトリン、ビフェントリン、シフルトリン、デルタメトリンおよびトランスフルトリンである。本発明に従って特に好ましいものは、β−シフルトリン、シフルトリン、デルタメトリン、ペルメトリン(シス−、トランス−)およびトランスフルトリンである。
ネオニコチノイド類には、例えばアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリドおよびチアメトキサムなどがある。本発明に従って好ましいものは、イミダクロプリドおよびクロチアニジンである。
カーバメート類には、例えばアラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム・ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブおよびトリアザメートなどがある。本発明に従って好ましいものは、ベンジオカルブおよびカルバリルである。
さらなる殺虫有効成分は、例えばDDT、インドキサカルブ、ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ、スピノサド、カンフェクロル、クロルデン、エンドスルファン、γ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンデン、メトキシクロル、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、バニリプロール、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン・安息香酸、イベルメクチン、ミルベマイシン、ジオフェノラン、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、ビストリフルロン、クロフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、シロマジン、ジアフェンチウロン、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ、クロルフェナピル、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ヒドラメチルノン、ジコホル、ロテノン、アセキノシル、フルアクリプリム、バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)株、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルカーボネート(別名:カルボン酸、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルエステル、CAS登録番号:382608−10−8)、フロニカミド、アミトラズ、プロパルギット、フルベンジアミド、リナキシピル、クロラントラニリプロール、シュウ酸水素チオシクラム、チオサルタップ・ナトリウム塩、アザジラクチン、バチルス(Bacillus)種、ボーベリア(Beauveria)種、コドレモン、メタリジウム(Metharrhizium)種、ペシロマイセス(Paecilomyces)種、スリンジエンシン(Thuringiensin)、バーティシリウム(Verticillium)種、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル、クリオライト、フロニカミド、ピメトロジン、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾックス、アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロルベンジレート、クロルピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシップルア、ヒドラメチルノン、ジャポニルア、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフルラミド、テトラジホン、テトラサル、トリアラセンおよびベルブチンである。
言及した殺虫剤は、個別にまたは混合物で用いることができる。
好ましい殺虫剤はβ−シフルトリン、ペルメトリン(シス−、トランス−)、トランスフルトリン、ベンジオカルブ、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリド、エチプロール、フィプロニル、リノキサピル(rynoxapyr)、クロルピリホス−メチル、クロルフェナピルである。特に好ましいものは、β−シフルトリン、トランスフルトリン、ベンジオカルブ、クロチアニジン、エチプロールおよびリノキサピルである。
ポリマー材料中の殺虫有効成分の濃度は、比較的広い濃度範囲で変動し得るものであり、例えば0.05%から15重量%、好ましくは0.2%から10重量%、より好ましくは0.4%から8重量%である。濃度は、使用分野に応じて選択して、殺虫効力、持続時間および毒性に関する要件が満足されるようにする。材料の特性の調整は、異なる殺虫剤を含む本発明による材料の混合によってポリマー材料中に殺虫剤を混和することで、または例えばモザイクネットのように互いに組み合わせて使用される異なる殺虫剤を含む本発明による材料を用いることで行うこともできる。特注のテキスタイルファブリックをこのようにして得ることが可能である。
本発明は、本発明の殺虫剤含有ポリマー材料を最初に溶融させ、紡糸撚り糸に成形し、冷却し、得られた紡糸撚り糸を延伸システムに通し、延伸し、適宜に細糸、繊維、撚り糸および編み糸の熱処理を行うことを特徴とする、細糸、繊維、撚り糸および編み糸の製造方法を提供する。
この方法では、好ましくは紡糸操作中にスピン仕上剤を用いる。
混和操作後に、例えばDE−A4136694(2頁27から38行、5頁45行から6頁23行)またはDE−A102005054653([0002])に記載の溶融紡糸によって撚り糸または細糸を製造する。この方法では、製造された殺虫性ポリマーを1軸押出機中で溶融させ、ギアポンプを用いてダイ・プレートに強制的に通す。ダイ・プレートの前にはフィルターパックを設ける。ダイ・プレートから出てきたポリマーストランドについて、高速延伸、スピン仕上剤処理および巻き上げを行う。
溶融紡糸法は、
1.紡糸溶融物の製造
2.溶融紡糸
3.冷却
4.スピン仕上剤処理
5.延伸
6.後処理
の段階を有する。
繊維は、公知の溶融紡糸法を用いて本発明の溶融ポリマー材料から製造される。好ましいものは、モノフィラメント繊維、マルチフィラメント繊維、繊維不織布、中空繊維、ステープルファイバー、多成分繊維および基材包埋マイクロファイバーの製造方法である。マルチフィラメント繊維の製造が特に好ましい。
段階(1)では、混和操作によって製造された本発明のポリマー材料を分解温度より少なくとも10℃低くポリマー材料の融点より少なくとも5℃高い温度で溶融させ、冷却せずに紡糸口金ダイパックに運ぶ。ポリマー材料は好ましくは250℃以下の温度、より好ましくは235℃以下の温度で溶融および紡糸する。
繊維製造は、ポリマー材料を混和後に溶融した状態で直接紡糸操作に送ることで1段階で行うことができる。上記のポリマー材料からなる製造済みのペレットをコンベア押出機または加熱可能なフラスコ中で溶融させ、紡糸パックに運ぶことも同様に可能である。
好ましい実施形態では、本発明の殺虫剤含有ポリマー材料を、溶融した状態で混和後に直接紡糸操作に送る。
高い殺虫剤濃度を有する本発明の殺虫剤含有マスターバッチポリマー材料を紡糸操作中に純粋にポリマー性材料と混和することが特に好ましい。使用されるポリマー材料が触媒としてメタロセンを用いて製造されたポリプロピレンのみであることが好ましい。この混和は、各種方法で行うことができる。1実施形態において、殺虫剤含有ポリマー材料および別のポリマー材料を二つの別個の計量アセンブリを介して、材料が溶融している1軸押出機に送る。別の実施形態では、2種類のポリマー材料を混和してから、1軸押出機に加え、次にプレミックスの形態で押出機に供給する。別の実施形態では、殺虫剤含有ポリマーおよび負荷されていないポリマー材料を2個の別個の押出機中で溶融し、その二つの供給流を次に互いに混和させる。
紡糸口金ダイパックは、公知の構成からなる。紡糸口金ダイプレートは、繊維製造で一般的な穴径を有する1から数千個のダイ穴を有することができる。紡糸口金ダイパックの後、紡糸撚り糸は冷却部を通過し、スピン仕上剤塗布され、巻き上げられるか缶の中に堆積される。使用される冷媒は、液体または気体である。それが液体の場合、水を使用する。乾式冷却部は急冷チャンバの形態を取り、そこでは低温の空気、窒素または二酸化炭素を冷却ガスとして用いて紡糸撚り糸が冷却される。
スピン仕上剤は、紡糸操作の途中で繊維に加える。スピン仕上剤を加えることで、繊維の表面特性が変わる。スピン仕上剤自体によって、金属と撚り糸との間および撚り糸と撚り糸の間で摩擦が低減され、繊維の静電気帯電も低下する。スピン仕上剤処理は、溶融紡糸操作を行う上で必要である。適切なスピン仕上剤を加えないと、細糸編み糸の巻き取りおよび巻き戻しならびに別の加工ができなくなる。当業者であれば、この目的のためのスピン仕上剤の調整方法について知っている。スピン仕上剤も当業者には公知である。スピン仕上剤の使用される非水系構成成分の量は、繊維の合成重量基準で0.1%から2.0重量%の範囲、好ましくは0.5%から1.5%の範囲である。
スピン仕上剤は、繊維製造ライン、巻き取り/引取機、巻き戻し機および/または急冷チャンバからの取り出し、それへの投入の箇所で加えることができる。
スピン仕上剤またはより正確には、スピン仕上剤と水の混合物を、各種方法で繊維に加えるすることができる。基本的に、それは噴霧、スワッピング、ロール、ロッドおよびピンによって加えることができる。
スピン仕上剤は、一つもしくは二つまたは複数の段階で計量して加えることができる。
次に、巻き取りまたは堆積された紡糸撚り糸を延伸システムに通し、延伸し、平坦細糸として巻き取ることができるか、適宜にクリンピング、熱処理またはカットしてステープル繊維とすることもできる。
好ましくは、紡糸および延伸操作を、延伸されていない細糸を中間で巻き取らずに一つのシステムで行う。好適な延伸システムは、平坦マルチフィラメント用の延伸−撚りまたは延伸−巻き取り機械、モノフィラメント用のコンパクトモノフィラメント紡糸−延伸システム、ステープル繊維用の延伸製造ラインおよびコンパクト紡糸−延伸システムである。延伸システムには、加熱可能なまたは部分的に加熱できないゴデットまたは延伸ロール、さらにはガイドローラーを取り付けることができ、さらに蒸気、高温空気および赤外線ダクト、コーティング装置、クリンピングユニット、乾燥機、カッティングシステムおよび他のユニットを儲けることができる。延伸操作の次に、例えばスピン仕上剤またはコーティング剤による処理などの公知の仕上げ手段を行うことができる。
細糸または繊維の熱処理は通常、延伸段階後にこれらのシステムで行う。
高速で紡糸されるマルチフィラメントは、これに関して公知の機械で延伸テクスチャー処理することができ、同様に延伸されたマルチフィラメントをテクスチャー処理することができる。
本発明に従って好ましいマルチフィラメントは、1から100本の細糸、より好ましくは5から75本の細糸、最も好ましくは10から60本の細糸を有する。
本発明はさらに、本発明の殺虫剤含有ポリマー材料を含む撚り糸、編み糸、繊維または細糸も提供する。
本発明によれば、1000から10デニール、好ましくは500から20デニール、より好ましくは200から50デニールの線密度を有する繊維を用いる。
本発明のポリマー材料を含むそうして得られた撚り糸、編み糸、繊維または細糸を次に、例えばテキスタイルファブリックなどの所望の製品にさらに加工することができる。好ましいものは例えば、織布、組紐、編物、フェルトまたは不織布である。特に好ましいものは、例えば蚊帳などのネット状ファブリックである。
織布および組紐の製造は、互いに直角に交差する二つの撚り糸システム(縦糸および横糸)によって行う。編物は、一つの撚り糸(1糸編物)または縦撚り糸技術に従って2以上の撚り糸(縦糸編物)から構成することができる。これらのファブリックは、ループ形成または延伸機で製造する。さらに、短い撚り糸または撚り糸片を用いて、フェルトや不織布を製造することが可能である。
ループ形成および延伸プロセスによってネット状ファブリックを製造するには、いわゆるワープビームを製造する必要がある。ポリマー撚り糸は、ボビン上で平行配置で等しい長さで巻き取り、いわゆるワープビームとする。
テキスタイルファブリックに加工する際にポリマー撚り糸をより潤滑性および堅牢性とするためには、撚り糸を頻繁にサイジングする。すなわちデンプンまたは合成サイズでコーティングする。ワープビーム製造時に用いられる巻き取りオイルを使用してサイジングを実施することで、ワープビーム製造時の巻き取り特性を改善し、撚り糸間の摩擦および金属と撚り糸の間の摩擦を低減することができる。摩擦の低減は、ワープビーム製造だけでなく、その後のループ形成操作にも重要である。
製造された繊維は繊維表面で添加剤を少量しか含まないことから、さらに処理(例えば漂白および染色)を行う前に、製造された繊維から構成されたテキスタイルファブリックを洗浄する。これらの添加剤は、詳細には上記のスピン仕上剤を含むが、塗布されている可能性があるサイズなどの他の添加剤もこのプロセスで除去する。この洗浄操作は、当業者には公知の各種方法で行うことができる。一部の方法では、洗浄液を撹拌し、他の繊維では、静止している洗浄液を通ってテキスタイルファブリックを移動させる。可能な方法は、パルス洗濯機、ジェット洗濯機、篩ドラムでの洗濯、パッダおよび真空プロセスである。工業規模では連続プロセスが好ましい。
ポリプロピレンおよびポリエチレン繊維の場合、これらのポリマーから構成されたテキスタイルファブリックは染浴で染色できないことから、先行技術ではこの操作は行われない。これは、熱処理は別としてテキスタイルファブリックがそれ以上の仕上げ操作を受けないことから、蚊帳の製造において特別に当てはまる。
しかしながら驚くべきことに、熱処理段階前の本発明のネット状ファブリックの水および洗剤による洗濯が、WHOPESガイドラインによる洗濯時の殺虫剤喪失に対して良好な効果を有することが見出されている。上記の全ての洗濯方法(すなわち、パルス洗濯機、ジェット洗濯機、篩ドラムでの洗濯、パッダおよび真空プロセス)を、この洗濯操作において用いることができる。
そうして製造されたファブリックは、非常に多くの場合で極めて弾性の特性を有し、形状安定性がない。この形態では、この使用がDIN EN ISO 5077に対して測定される収縮に関する特異的な要件を有することから、それは蚊帳の製造には非常に適していない。従って、加熱処理操作を行うことが好ましい。加熱処理は、熱水、飽和蒸気または熱風を用いて、または乾燥雰囲気で行うことができる。好ましいものは、水や蒸気を加えずに常圧で加熱処理を行うことである。加熱処理は好ましくは、テキスタイルファブリックをステンター上に固定し、ステンター上のオーブンを通過する。このオーブンは好ましくは、2以上加熱ゾーンに細分されており、それらは個別に温度制御することができる。熱処理中、テキスタイルファブリックについて同時に、伸張によって多様な程度に物理的負荷を加えることができる。これは、形成されたループニットに関して所望の幅に達するまで、処理オーブン中でステンターの両側を移動させて離すことで行われる。
本発明のポリマー材料を含むネット状ファブリックを加熱処理する温度は、ポリマーの融点より20℃、好ましくは10℃低くなるように選択する。驚くべきことに、ポリマーの融点より数度低い温度での加熱処理は、石けん水での洗濯時の殺虫剤の喪失を低下させることが認められた。
上記のネット状ファブリックに加えて、撚り糸、編み糸、繊維または細糸のついても本発明の洗濯操作および本発明の熱処理を行うこともできる。これらの材料もその後、本発明に記載の技術的効果を示す。
石鹸水でのWHOPES指令に準拠した洗濯時の本発明の材料からの殺虫剤の放出に対する熱処理温度の驚くべき観察効果に加えて、形成されたループニットが熱処理オーブンを通過する速度によって求められる熱処理の加熱処理温度および持続時間によって、ポリマーにおける結晶構造に変換が生じる。その結晶構造は、DSC測定(DSC=示差走査熱量測定(動的示差熱量測定))を用いて測定することができる。示差走査熱量測定は、ポリマーの結晶性を測定する上で当業者に公知の測定方法である。この方法は、物質の物理的または化学的変換を行うのに加える必要がある熱の量を求めるものである。その方法についての記述は、特に、「Praxis der Thermischen Analyse von Kunststoffen」, Ehrenstein, Riedel, Trawiel, Carl Hanser Verlag, Munich 2003にある。10K/分の加熱速度での測定で、本発明の材料は、一般的な条件下でのDSC測定時に好ましい加熱処理温度より高温で溶融する結晶構造の割合が非常に低い。
例えば、BasellからのポリプロピレンHM562Sからなる本発明のネット状ファブリックを製造するには、その期間を選択して、10K/分の加熱速度での一般的なDSC測定時に、140℃より高温で溶融する本発明の材料における結晶構造の量が62J/gより多い、好ましくは65J/gより多くなるようにする。
本発明殺虫剤含有ポリマー材料またはそれらから派生する製造品は、有害または迷惑な節足動物、詳細にはクモ類および昆虫を殺すのに良好に用いることができる。本発明の殺虫剤含有材料を含むネット状ファブリックは好ましくは、蚊に対する保護を行うための蚊帳を製造するのに用いられる。
クモ形類には、ダニ類(例えば、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)、デルマトファモイデス・プテロニッシヌス(Dermatophagoides pteronyssinus)、デルマトファゴイデス・ファリナエ(Dermatophagoides farinae)、デルマニッスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、アカルス・シロ(Acarus siro))およびマダニ類(例えば、イクソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、アルガス・レフレクス(Argas reflexus)、オルニトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、ブーフィリウス・ミクロプルス(Boophilius microplus)、アンブリオンマ・ヘブラエウム(Amblyomma hebraeum)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus))などがある。
吸汁昆虫には、実質的に、蚊(例えばアエデス・アセギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・ベクサンス(Aedes vexans)、クレクス・キンクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・アルビマヌス(Anopheles albimanus)、アノフェレス・ステフェンシ(Anopheles stephensi)、マンソニア・チチランス(Mansonia titillans))、スナバエ類(例えばフレボトムス・パパタシイ(Phlebotomus papatasii))、ブヨ類(例えばクリコイデス・フレンス(Culicoides furens))、ブユ類(例えばシムリウム・ダムノスム(Simulium damnosum))、サシバエ類(例えばストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans))、ツェツェバエ類(例えばグロッシナ・モルシタンス・モルシタンス(Glossina morsitans morsitans))、ウマバエ類(例えばタバヌス・ニグロビタッツス(Tabanus nigrovittatus)、ヘマトポタ・プルビアリス(Haematopota pluvialis)、クリソプス・カエクチエンス(Chrysops caecutiens))、一般的なイエバエ類(例えばムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ムスカ・アウツムナリス(Musca autumnalis)、ムスカ・ベツスチッシマ(Musca vetustissima)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis))、ニクバエ類(例えばサルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria))、ハエ蛆症の原因となるハエ(例えばルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、クリソミア・クロロピガ(Chrysomyia chloropyga)、ヒポデルマ・ボビス(Hypoderma bovis)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、エストルス・オビス(Oestrus ovis)、ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、コクリオミア・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax))、ナンキンムシ類(例えばシメックス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリクス(Rhodnius prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans))、シラミ類(例えばペディクルス・フマニス(Pediculus humanis)、ヘマトピヌス・スイス(Haematopinus suis)、ダマリナ・オビス(Damalina ovis))、ノミ類(例えばプレックス・イリタンス(Pulex irritans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、クテノセファライデス・カニス(Ctenocephalaides canis)、クテノセファライデス・フェリス(Ctenocephalides felis))およびスナノミ類(ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans))などがある。
刺咬昆虫には、実質的にゴキブリ類(例えばブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa))、甲虫類(例えばシチオフィルス・グラナリウス(Sitiophilus granarius)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、デルメステス・ラルダリウス(Dermestes lardarius)、ステゴビウム・パニネウム(Stegobium paniceum)、アノビウム・プクタツム(Anobium punctatum)、ヒロツルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus))、シロアリ類(例えばレチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus))、アリ類(例えばラシウス・ニゲル(Lasius niger)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis))、スズメバチ類(例えばベスプラ・ゲルマニカ(Vespula germanica))および蛾の幼虫(例えばエフェスチア・エルテラ(Ephestia elutella)、エフェスチア・カウテラ(Ephestia cautella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、ホフマンノフィラ・シュードスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、トリコファガ・タペツェラ(Trichophaga tapetzella))などがある。
本発明の材料は好ましくは、昆虫、特には双翅目の昆虫に対して、より好ましくは長角亜目に対して使用される。
本発明は同様に、織布、組紐、編物、フェルト、不織布などのテキスタイルファブリックの製造および/または睡眠ネット、蚊帳などのネット状ファブリックの製造での本発明の殺虫剤含有材料の使用を提供する。
本発明はさらに、撚り糸、編み糸、繊維、細糸;睡眠ネット、蚊帳などのネット状ファブリック;織布、組紐、編物、フェルト、不織布などのテキスタイルファブリック;ホイル、エアクッション材料、フィルム、プロファイル、シート、ワイヤ、織り糸、テープ、ケーブルおよび配管裏張りおよび電気機器用ケーシングなどの押出部品を提供する。
本発明はさらに、上記の方法によって得ることができる殺虫剤含有ポリマー材料を提供する。
本発明の別の実施形態は、上記の方法によって得ることができる細糸、繊維、撚り糸および/または編み糸を保護する。
実施例
試験方法:生物試験
試験昆虫
砂糖水のみを与えた雌マラリア蚊(アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、感受性キスム(Kisumu)種)。
3分間曝露(コーン試験)
WHO標準コーンを用い、部分サンプル上での3分間の曝露時間で試験を実施した。ネット片の大きさは30×30cmであった。各場合で、1回につき5匹の蚊を1個のコーン下に置き、4個のコーンを部分サンプル上で用いた。次に、同じサンプルについて4個のコーンでもう1回試験を行い、2個のコーンで1回試験を行った。すなわち合計で蚊50匹が関与する2.5回の反復試験を行った。
曝露後、昆虫を1回で10匹をプラスチックカップに移し、ノックダウン効果を60分後に測定した。ノックダウンは、作用発現の最初の目に見える徴候であり、昆虫がその運動の調和を失い、もはや飛行や歩行ができないことを特徴とする。その後、砂糖水を同様に与え、24時間後に死亡率を求めた。試験後、平均値を計算した。
WHOPES指令による洗濯操作
0.2%(重量/体積)の洗濯洗剤(Le Chat, Henkel, France)を含む脱イオン水500mLを1リットルのガラス瓶に30℃で入れた。大きさ30×30cmのネット1片および大きさ15×12cmのネット3片を、30℃の水浴中の水平方向振盪器(155回/分)上に立てた瓶に入れた。その後、水を瓶から出し、サンプルをやはり振盪下に各回10分間ずつ水500mLで2回洗った。
ネットサンプルを2時間ライン乾燥し、その後さらに27℃および70から80%相対湿度でアルミニウムホイル上に少なくとも24時間乗せてから、新たに洗濯または生理活性評価した。
ポリプロピレン中のデルタメトリンの分析
パートA−サンプル製造
代表的サンプル(編み糸、ファブリックまたはペレット)の材料約1gを250mLフラスコに入れ、次にキシレン(PA品質)約30mLを加える。還流(水冷カラム、20cm)および撹拌(125回/分、磁気撹拌機および撹拌バー)下に190℃の油浴中正確に3分間、サンプル材料を溶かす。油浴を外し、イソプロパノール(PA品質)約10mLを加え、フラスコを室温で約5分間放冷してポリマーを沈殿させる。その後、アセトニトリル30mLで抽出を行う。
次に、サンプルを吸引濾過し(分析用フィルター、直径5cm)、その後濾液を波形フィルターに通す(MN715、240mm)。両方の濾液とも、各場合で溶媒(アセトニトリル)10から20mLでの洗浄を行う。
最後に、濾液を100mLメスフラスコに定量的に移し、アセトニトリルで較正線までの量とする。
パートB−外部標準と比較したHPLCによる定量的測定
ポリプロピレン抽出物のサンプル中のデルタメトリンの定量は、バイナリポンプシステムを搭載したAgilent 1100装置でのHPLCによって行う。デルタメトリンおよびR−α異性体が分析の標的分子である。認証された分析標準を基準材料として用いる。分離は40℃カラム温度でメルク(Merck)Lichrosorb SI60カラム(5μ粒子、寸法250×4mm)での順相条件下に行う。
注入容量は10μLである(サンプル製造は上記のパートAを参照)。分離は、流量1mL/分でのN−ヘプタンおよびメチルtert−ブチルエーテル(950+50、HPLC品質)の溶媒混合物によって行う。これらの条件下での溶離時間は10分間である。
波長230nmでのUV検出はダイオードアレイ検出器を用いる。記載の条件下での代表的な保持時間はR−α−異性体の場合で約6.3分、デルタメトリンの場合で7.0分である。
サンプル製造
スクリュー直径34mmおよび筐体長さ1200mmを有する共回転近接噛み合わせ2軸押出機を用いて、本発明のポリマー材料を製造した。押出機筐体温度は全ての段階で200℃であり、押出機速度は160rpmであった。押出機の送りゾーンを水で冷却した。押出機を用いて、高いデルタメトリン濃度を有するいわゆるマスターバッチを製造した。そのために、工業用デルタメトリン(BCSAG、Monheim DE)10重量%、Tinuvin(登録商標)326FL(BASF(Ciba)2重量%、Ludwigshafen、Germany)およびポリプロピレン(Metocen(登録商標)HM562S、LyondellBasell、Rotterdam、Netherlands)88重量%を押出機(TK10)中で混和した。材料はいずれも、押出機の送りゾーンに固体で供給した。ストランド形態で押出機から出た混合物を標準を水浴で冷却した。次に、そのストランドをペレット化によって粉砕した。ペレットは約9.2重量%のデルタメトリンを含んでいた。
第2段階では、上記で製造した約1.1重量%のデルタメトリン含有ペレットを98.9重量%のポリプロピレン純品(Metocen(登録商標)HM562SまたはYuplen(登録商標)H893S(SK Corporation、Seoul、Korea)で希釈することで撚り糸を製造する。このために、ペレットを各場合で1軸押出機の送りゾーンに計量して入れ、溶融させ、次にその二つの溶融流を合わせ、混和した。紡糸の途中で、約1重量%のStantex(登録商標)6051スピン仕上剤(Pulcra Chemicals GMBH、Dusseldorf、Germany)を繊維に加えた。次に、繊維を延伸し、ボビンに巻き取った。繊維厚は210dtexであり、繊維は25本の細糸からなるものであった。第2段階では、繊維を延伸して厚さ110dtexとした。3対のゴデットを繊維の延伸に用いた。これらゴデット対の温度は、60、80および120℃であった。繊維の平均引っ張り強さは4.3cN/dtexであり、繊維の残留伸張は51%であった。
希釈に用いて2種類のポリプロピレンは特に、その製造方法において異なっている。Metocen(登録商標)HM562Sポリプロピレンはメタロセン触媒を用いて製造し、Yuplen(登録商標)H893Sポリプロピレンはチーグラー−ナッタ触媒を用いて製造した。
次に、紡糸したポリプロピレン繊維を用いて成型ループニットを製造した。このため、第1段階は、1個のボビン上に平行配置された個々のパッケージ、いわゆるワープビームからのポリプロピレン繊維を巻き取ることによってワープビームを製造することであった。次に、これらのワープビームを縦編み機で用いて、成形ループニットを製造した。
次に、未処理の成形ループニットの一部について、実験室規模での熱処理操作を行った。これは、Mathis DHe61599型実験室スチーマーを用いて行った。加熱処理に先だって、成形ループニット片の一部を1回洗濯した。大きさ約35cm×35cmのネット片1から2個について、30℃水道水300mLを0.1%のTween(登録商標)20(Sigma−Aldrich Chemie GMBH、Munich、Germany)と混合し、均質化した。ガラスロッドを用いて、5分間そこでネット片を撹拌し、それを次に絞り、約15から20℃(同様に撹拌しながら)で脱塩水300mLで1分間2回洗う。次に、ネット片を少なくとも1時間吊り掛けて乾燥させる。他の成形ループニット片については、未洗濯状態で熱処理操作を行った。熱処理操作は異なる温度で行った。
加熱処理を行った雰囲気も変えた。熱処理は乾燥雰囲気または水蒸気飽和雰囲気で行った。
生理活性およびデルタメトリン喪失に関してサンプルの評価を行った。その後、WHOPESプロトコールの洗濯手順を繰り返し行い、生理活性およびデルタメトリン喪失の評価をさらに行った。
結果
第1の実施例:生理活性に対するスピン仕上剤洗い落としの影響
この実施例では、専らMetocen(登録商標)HM562Sポリプロピレンを用いて繊維を製造した。すなわち、紡糸中のマスターバッチの希釈は、このポリマーを用いて行った。Metocen(登録商標)HM562Sポリマーの融点は、それのデータシートによれば145℃である。次に、撚り糸を用いて、上記の操作に従って成形ループニットを製造した。
成形ループニット片を各種温度で水蒸気含有雰囲気で90秒間熱処理した。成形ループニット片の半数を上記の手順に従って洗濯してから加熱処理を行って繊維からスピン仕上剤を除去し、成形ループニット片の他の半数はそれ以上処理せずに加熱処理を行った。スピン仕上剤は、これらの成形ループニット片の撚り糸上になおも存在していた。
成形ループニット片については、最初に上記手順に従ってその生理活性に関して試験を行った。次に、成形ループニット片をWHOPES指令による上記の洗濯操作に従って5、10、15、20、25および30回連続で洗濯し、各回後にその生理活性に関して評価を行った。
表1:スピン仕上剤の生理活性に対する影響
Figure 0005913286
結果から、加熱処理前のスピン仕上剤除去によって、WHOPES指令による15回の洗濯後に有意に良好な生理効果が得られることがわかる。
加熱処理前に洗濯したサンプルは、加熱処理に選択された温度と生理活性との間に明瞭な関係性を示している。温度がポリマーの融点に近いほど、生理効果が高くなる。
従って、最大の生理活性を得るには、加熱処理時の温度はポリマーの融点より多くとも20℃、好ましくは多くとも10℃低くしなければならない。
第2の実施例:デルタメトリン喪失に対するスピン仕上剤洗い落としの効果
実施例2では、実施例1に製造を記載したものと同じ成形ループニットを用いた。サンプルについては、上記の手順に従ってデルタメトリン含有量に関して調べた。
表2:デルタメトリンの喪失
Figure 0005913286
加熱処理後のデルタメトリン含有量を100%に等しく設定し、次に成形ループニット片についてWHOPESプロトコールによる5、10、15および30回の洗濯後のデルタメトリン含有量を分析した。
結果から、本発明の成形ループニットからのデルタメトリンの喪失を最小とするためには、加熱処理時の温度はポリマーの融点より多くとも20℃、好ましくは多くとも10℃低くしなければならないことがわかる。
第3の実施例:保存時の有効成分安定性に対するスピン仕上剤洗い落としの影響
実施例3では、実施例1に製造を記載したものと同じ成形ループニットを用いた。サンプルについて、製造直後に、54℃での2週間の保存後の有効成分安定に関して調べた。これらの保存条件は、2年間の最低有効期間をシミュレートするのに用いた。保存は、Heraeus Thermo Scientifics B620乾燥機で行った。54℃の温度を常時モニタリングした。ネットサンプルをアルミニウムホイルで2から4層として保存用に包んだ。
サンプルを2週間にわたって54℃で保存してから、上記の方法に従ってデルタメトリンR−α−異性体含有量の分析を行った。
表3:保存後のR−α−異性体の割合
Figure 0005913286
結果から、スピン仕上剤の洗い落としを行って、保存時のR−α−異性体の形成を10%以下に低減することが可能であることがわかる。
第4の実施例:雰囲気の影響
実施例4では、実施例1に製造を記載したものと同じ成形ループニットを用いた。下記の表に、加熱処理時の雰囲気がWHOPES指令による洗濯実施時のデルタメトリンの喪失に与える影響を示している。成形ループニット片を全て140℃で90秒間加熱処理した。このプロセスで、加熱処理オーブンでの雰囲気を変えた。半数の成形ループニット片を水や水蒸気を加えずに標準的な雰囲気で加熱処理し(乾燥雰囲気)、他の成形ループニット片は水蒸気存在下の標準的な雰囲気で加熱処理した。
表4:加熱処理での雰囲気の影響
Figure 0005913286
結果から、加熱処理時に乾燥雰囲気を用いた場合、WHOPES指令による洗濯時のデルタメトリンの喪失が相対的に少ないことがわかる。
第5の実施例:生理活性に対するポリプロピレンの種類の影響
この実施例では、Metocen(登録商標)HM562SポリプロピレンおよびYuplen(登録商標)H893Sポリプロピレンを用いて繊維を製造した。すなわち紡糸時にマスターバッチを各場合で、これらポリマーのうちの一つで希釈した。次に、上記の操作に従い、その撚り糸を用いて成形ループニットを製造した。
成形ループニット片を、各種温度で90秒間にわたり乾燥雰囲気下に加熱処理した。加熱処理に先だって、成形ループニット片を上記の手順に従って洗濯して、繊維上に存在するスピン仕上剤を除去した。
加熱処理後、成形ループニットのサンプルについて、WHOPES指令に従って20回の洗濯を行い、上記の方法に従ってその生理活性に関して調べた。
表5:20回洗濯後の生理活性に対するポリプロピレンの種類の影響
Figure 0005913286
結果から、メタロセン触媒を用いて製造されたポリプロピレンを用いた場合の方が、チーグラー−ナッタ触媒を用いて製造されたポリプロピレンを用いた場合より高い生理活性が得られることがわかる。
第6の実施例:デルタメトリンの異性化に対する各種UV安定剤の影響
スクリュー径34mmおよび筐体長さ1200mmを有する共回転近接噛み合わせ2軸押出機を用いて、本発明のポリマー材料を製造した。押出機筐体温度は全ての段階で200℃であり、押出機速度は160rpmであった。押出機の送りゾーンは水で冷却した。合計スループットは20kg/時であった。
第1段階で、デルタメトリン濃度2重量%を有するポリマーペレットを製造した。そのために、2重量%の工業用デルタメトリン(BSC AG、Monheim DE)および98重量%のポリプロピレン(Metocen(登録商標)HM562S、LyondellBasell、Rotterdam、Netherlands)を押出機中で混和した。全ての材料を固体で、押出機の送りゾーンに供給した。混合物をストランドの形態で押出機から出し、そのストランドを水浴で冷却した。次に、ストランドをペレット化によって粉砕した。
第2段階では、1%または5重量%のUV安定剤を含むポリマーペレットを製造した。このために、1重量%または5重量%のUV安定剤およびそれぞれ99%または95重量%のポリプロピレン(Metocen(登録商標)HM562S、LyondellBasell、Rotterdam、Netherlands)を押出機中で混和した。全ての材料を固体で、押出機の送りゾーンに供給した。混合物をストランドの形態で押出機から出し、そのストランドを水浴で冷却した。次に、ストランドをペレット化によって粉砕した。
第3段階では、上記で製造されたデルタメトリンまたはUV安定剤を含む2個のペレット製造品を、公称濃度1重量%のデルタメトリンおよび0.2重量%濃度のUV安定剤が得られるように、押出機中でポリプロピレンと混和した(TK1)。このために、50%のデルタメトリンを含むペレット製造品、UV安定剤およびそれぞれ30%または46%ポリプロピレンを含む20%または4%のペレット製造品を回転式混合機中で混和し、その混合物を、上記の条件下に共回転近接噛み合わせ2軸押出機を用いて押出成形した。得られたペレット混合物を固体で、押出機の送りゾーンに供給した。混合物をストランドの形態で押出機から出し、そのストランドを水浴で冷却した。次に、ストランドをペレット化によって粉砕した。ペレットは約0.9重量%のデルタメトリンを含んでいた。
本発明のポリマー材料を用いて、約50μmの厚さを有するフィルムを製造した。このために、ポリマー材料を最初に30℃で4から17時間乾燥した。次に、それを1軸押出機で溶融させ、フィルムスロットダイを通して押し出した。1軸押出機の温度は220から250℃で変動させた。押し出したフィルムは、つや出しスタックを用いて引き取った。つや出しスタックの第1のロールの温度は約85℃であり、つや出しスタックの第2のロールの温度は約60℃であった。
下記のUV安定剤を試験で用いた。
表6:UV安定剤
Figure 0005913286
次に、フィルムについて、上記の分析法を用いてデルタメトリン含有量を分析した。
表7:R−α−異性体含有量
Figure 0005913286
結果は、立体障害のないアミン類を用いて、本発明のポリマー材料をさらに加工する途中で10%以上のデルタメトリンが異性化するのを防止できることがわかる。
第7の実施例:先行技術:コーティングされたPETネット
Vestergaard Frandsen S.A.、Switzerlandからの殺虫剤を負荷したPermanetネットを、生理活性およびデルタメトリン含有量に関して評価した。その後に、WHOPESプロトコールに従って洗濯手順を繰り返し行い、さらに生理活性およびデルタメトリン喪失の評価を行った。
ネットのデルタメトリン含有量は、ポリプロピレンネットについて記載のものと同じ方法で求めた。
表8:デルタメトリン含有量および保持指数
Figure 0005913286
Vestergaard Frandsen S.A.、Switzerlandからの殺虫剤を負荷したPermanetネットについて、54℃で2週間の保存後の有効成分安定性を調べた。これらの保存条件を用いて、2年間の最低有効期限をシミュレートする。サンプルを54℃で2週間保存し、次に上記の方法に従ってデルタメトリンR−α−異性体含有量の分析を行った。二連の測定を行った。
表9:R−α−異性体含有量
Figure 0005913286
結果から、この市販のネットが15回の洗濯についてのみノックダウンおよび死亡率に関するWHOの要件を満足し、5回の洗濯後に95%未満の保持指数を有することがわかる。さらに、54℃で2週間保存後のR−α−異性体含有量は明瞭に30%を超える。
第8の実施例:先行技術:PEネット
殺虫剤負荷ネットNetprotect(登録商標)(BESTNET EUROPE LTD.、Britain)およびDuranet(登録商標)(Clarke Products、USA)について生理活性に関する評価を行った。その後、WHOPESプロトコールによる洗濯手順を繰り返し行い、さらに生理活性評価を行った。
表10:生理活性
Figure 0005913286
n.d.=測定せず
結果からは明らかに、調べた繊維材料としてポリエチレンに基づく市販のネットが、35回より明らかに少ない洗濯後に生理活性に関するWHOPES指令をすでに満足しないことがわかる。

Claims (9)

  1. デルタメトリンおよびUV安定剤を含む殺虫剤含有ポリマー材料において、該材料が10%未満のR−α−異性体率のデルタメトリンを含み、前記UV安定剤が分岐又は直鎖の2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール及び2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノールよりなる群から選択され、さらに、前記材料がポリプロピレンまたはポリプロピレンコポリマーであることを特徴とする材料。
  2. 前記ポリプロピレンがメタロセン触媒ポリプロピレンである、請求項1に記載の殺虫剤含有ポリマー材料。
  3. 最初に、ポリプロピレンまたはポリプロピレンコポリマー10%未満のR−α−異性体率のデルタメトリンおよびUV安定剤そして存在しても良いさらなる殺虫剤または添加剤を一緒にまたは別個に120から250℃の温度で溶融させ、次に得られたポリマー性混合物の冷却および固化を行い、ペレットに小分けする、請求項1又は2に記載の殺虫剤含有ポリマー材料の製造方法であって、
    前記UV安定剤が分岐又は直鎖の2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール及び2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノールよりなる群から選択される、該製造方法
  4. 請求項1又は2に記載の殺虫剤含有ポリマー材料を含むペレット。
  5. 請求項1又は2に記載の殺虫剤含有ポリマー材料または請求項4に記載のペレットを最初に溶融し、紡糸撚り糸に成形し、冷却し、および、得られた前記紡糸撚り糸を引き取りシステムに通して引き取る、細糸、繊維、撚り糸および/または編み糸の製造方法。
  6. 紡糸操作の途中でスピン仕上剤を用いる、請求項5に記載の方法。
  7. ホイル、エアクッション材料、フィルム、プロファイル、シート、ワイヤ、織り糸、テープ、ケーブルおよび配管裏張りおよび電気機器用ケーシングの製造における請求項1又は2に記載の殺虫剤含有ポリマー材料または請求項4に記載のペレットの使用。
  8. 織布、組紐、編物、フェルトまたは不織布などのテキスタイルファブリックの製造および/または睡眠ネット、蚊帳などのネット状ファブリックの製造における請求項1又は2に記載の殺虫剤含有ポリマー材料または請求項4に記載のペレットの使用。
  9. 請求項1又は2に記載の殺虫剤含有ポリマー材料を含む撚り糸、編み糸、繊維、細糸、睡眠ネット、蚊帳などのネット状ファブリック;織布、組紐、編物、フェルト、不織布などのテキスタイルファブリック;ホイル、エアクッション材料、フィルム、プロファイル、シート、ワイヤ、織り糸、テープ、ケーブルおよび配管裏張りおよび電気機器用ケーシング。
JP2013504264A 2010-04-15 2011-04-13 殺虫剤含有ポリマー材料 Expired - Fee Related JP5913286B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32455610P 2010-04-15 2010-04-15
EP10159994.2 2010-04-15
US61/324,556 2010-04-15
EP10159994A EP2377399A1 (de) 2010-04-15 2010-04-15 Insektizidhaltiges Polymermaterial
PCT/EP2011/055838 WO2011128380A1 (de) 2010-04-15 2011-04-13 Insektizidhaltiges polymermaterial

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013531612A JP2013531612A (ja) 2013-08-08
JP5913286B2 true JP5913286B2 (ja) 2016-04-27

Family

ID=42224713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013504264A Expired - Fee Related JP5913286B2 (ja) 2010-04-15 2011-04-13 殺虫剤含有ポリマー材料

Country Status (12)

Country Link
US (2) US9011889B2 (ja)
EP (2) EP2377399A1 (ja)
JP (1) JP5913286B2 (ja)
KR (1) KR20130059338A (ja)
CN (1) CN102984944B (ja)
AP (1) AP3443A (ja)
BR (1) BR112012026360A2 (ja)
CO (1) CO6650408A2 (ja)
IL (1) IL222352A0 (ja)
MX (1) MX336349B (ja)
TW (1) TWI542283B (ja)
WO (1) WO2011128380A1 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102014619B (zh) * 2008-04-04 2014-01-01 拜尔农作物科学股份公司 含有嵌入杀虫剂和添加剂的材料
WO2010113883A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 日本ゼオン株式会社 ラベル用粘接着剤組成物
KR101591131B1 (ko) * 2009-06-30 2016-02-02 제온 코포레이션 신축성 필름용 조성물
EP2377395A1 (de) 2010-04-15 2011-10-19 Bayer CropScience AG Insektizidhaltiges Flächengebilde
MX2014009441A (es) 2012-02-08 2014-10-23 Bayer Ip Gmbh Composiciones de principios activos para el control de vectores de plagas resistentes a insecticidas.
US10104885B2 (en) * 2012-07-31 2018-10-23 ProvisionGard Holdings, LLC Pest control films and methods for making same
BR112015004720A2 (pt) 2012-09-20 2017-07-04 Bayer Cropscience Ag uso de biocidas como retardadores de chama.
CN104838060B (zh) * 2012-12-04 2017-08-25 拜尔农作物科学股份公司 制备包含杀虫剂的织物的方法
FR3002232B1 (fr) 2013-02-15 2015-03-27 Ab7 Innovation Support polymere de distribution de substance naturellement cristalline et procede d'obtention
CN104844913A (zh) * 2014-02-19 2015-08-19 康豪奈米应用材料有限公司 供形成防蚊虫制品的组成物的制法
CN106455556A (zh) * 2014-04-17 2017-02-22 巴斯夫欧洲公司 防治爬行害虫的农药胶带
DE102014210622B4 (de) * 2014-06-04 2017-03-30 BSH Hausgeräte GmbH Haushaltsgerät mit einem Kunststoffbauteil
CN107529757B (zh) 2015-04-17 2021-09-17 巴斯夫农业化学品有限公司 防治非作物害虫的方法
US20170094972A1 (en) 2015-10-06 2017-04-06 Syngenta Participations Ag Compounds and Compositions Having Knock-Down Activity Against Insect Pests
WO2018073161A1 (en) 2016-10-17 2018-04-26 Syngenta Participations Ag Mosquito vector control compositions, methods and products utilizing same
ES2968664T3 (es) 2017-04-05 2024-05-13 Syngenta Participations Ag Método y material polimérico que tienen actividad debilitante o inhibidora de la alimentación a partir de sangre contra mosquitos
WO2018202681A1 (en) 2017-05-04 2018-11-08 Bayer Cropscience Aktiengesellschaft Use of disubstituted benzenes to control insecticide-resistant pests
WO2018202525A1 (en) 2017-05-04 2018-11-08 Bayer Cropscience Aktiengesellschaft Phenoxyethanamine derivatives for controlling pests
CN111278812A (zh) 2017-10-27 2020-06-12 先正达参股股份有限公司 媒介控制组合物、方法和使用其的产品
FR3083965B1 (fr) * 2018-07-18 2021-03-12 Centre De Cooperation Internationale En Rech Agronomique Pour Le Developpement Films plastiques multicouche multi-fonctionnalises pour outil de controle d'arthropodes nuisibles aux vegetaux, aux animaux ou a l'homme.
EP4069773A4 (en) * 2018-12-02 2023-08-02 Golan-Plastic Products Ltd. EMBEDDED HIGH MOLECULAR COMPOSITIONS
WO2023222724A1 (en) 2022-05-16 2023-11-23 Syngenta Crop Protection Ag Method for mosquito control

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4668666A (en) * 1984-12-05 1987-05-26 Adams Veterinary Research Laboratories Long-acting pyrethrum/pyrethroid based pesticides with silicone stabilizers
DE4136694C2 (de) 1991-11-07 1996-10-10 Inventa Ag Stärkefaser oder Stärke-modifizierte Faser, Verfahren zu ihrer Herstellung sowie ihre Verwendung
GB9505653D0 (en) * 1995-03-21 1995-05-10 Shober Wharton Method of pest control
DE19605581A1 (de) * 1996-02-15 1997-08-21 Bayer Ag Insektizide Zusammensetzungen auf Basis von Polymeren
CN1261767A (zh) 1997-06-30 2000-08-02 拜尔公司 含有杀虫剂的制剂
AP1387A (en) * 1999-11-25 2005-04-13 Vestergaard Frandsen Sa Composition for impregnation of fabrics and nettings.
US6479144B2 (en) * 2000-12-04 2002-11-12 Milliken & Company Anti-tack spandex fibers containing antimicrobial agents therein and fabrics made therefrom
OA12764A (en) * 2002-01-31 2006-07-04 Vestergaard Framdsen As Laminated insecticide dispenser.
US20040167255A1 (en) * 2003-01-14 2004-08-26 Everlight Usa, Inc. Stabilizer composition
DE10318108A1 (de) * 2003-04-22 2004-11-11 Bayer Ag Verfahren zur Mischung von Polymerschmelzen mit Additiven
WO2005044001A2 (en) 2003-10-22 2005-05-19 S. C. Johnson & Son, Inc. Insecticidal composition with use indicator
ATE416232T1 (de) * 2004-01-26 2008-12-15 Procter & Gamble Fasern und vliesstoffe, umfassend polyproplyenblends und gemische
CN100383335C (zh) * 2005-03-04 2008-04-23 天津永阔国际贸易有限公司 一种驱杀蚊虫用的织物整理液及其使用方法和制品
JP4824744B2 (ja) * 2005-03-08 2011-11-30 エフエムシー オーストララシア ピーティワイ エルティデー バリアを提供するための物品
DE102005054653B4 (de) 2005-11-11 2009-09-10 Uhde Inventa-Fischer Gmbh & Co. Kg Vorrichtung und Verfahren zur Herstellung schmelzgesponnener Filamente
JP2008013508A (ja) 2006-07-07 2008-01-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 害虫防除材
CN101516197B (zh) 2006-09-11 2013-03-13 住友化学株式会社 驱虫纤维
US20080167374A1 (en) 2007-01-09 2008-07-10 Loveland Products, Inc. Pesticide composition and method of use
EP2170048B1 (en) * 2007-06-29 2016-04-13 Vestergaard Frandsen SA Insecticidal thread
JP2009161739A (ja) * 2007-12-10 2009-07-23 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂組成物、繊維ならびに繊維製品
CN102014619B (zh) * 2008-04-04 2014-01-01 拜尔农作物科学股份公司 含有嵌入杀虫剂和添加剂的材料
JP2010013390A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Sumitomo Chemical Co Ltd 防虫フィラメント

Also Published As

Publication number Publication date
US9185907B2 (en) 2015-11-17
EP2557931A1 (de) 2013-02-20
KR20130059338A (ko) 2013-06-05
CN102984944B (zh) 2015-11-25
TW201201699A (en) 2012-01-16
EP2377399A1 (de) 2011-10-19
AP2013006737A0 (en) 2013-02-28
US20110256195A1 (en) 2011-10-20
JP2013531612A (ja) 2013-08-08
US20150181866A1 (en) 2015-07-02
US9011889B2 (en) 2015-04-21
CN102984944A (zh) 2013-03-20
WO2011128380A1 (de) 2011-10-20
TWI542283B (zh) 2016-07-21
CO6650408A2 (es) 2013-04-15
MX2012011946A (es) 2012-11-16
AP3443A (en) 2015-10-31
IL222352A0 (en) 2012-12-31
BR112012026360A2 (pt) 2015-09-15
MX336349B (es) 2016-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5913286B2 (ja) 殺虫剤含有ポリマー材料
JP6050745B2 (ja) 殺虫剤含有ネット状布地
JP5531007B2 (ja) 組み込まれた殺虫剤および添加物を有する材料
TWI565792B (zh) Pest control fiber masterbatch composition
CN104838060B (zh) 制备包含杀虫剂的织物的方法
OA16333A (en) Insecticide-comprising polymer material.
BE1024925B1 (nl) Insectenwerend textielproduct
US8936801B2 (en) Retention of PBO in polymer matrices by phthalocyanines
CN108677264A (zh) 一种纺织用抗虫纤维

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5913286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees