JP2952613B2 - 防虫機能を有するアクリル系繊維の製造方法 - Google Patents

防虫機能を有するアクリル系繊維の製造方法

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JP2952613B2
JP2952613B2 JP2675191A JP2675191A JP2952613B2 JP 2952613 B2 JP2952613 B2 JP 2952613B2 JP 2675191 A JP2675191 A JP 2675191A JP 2675191 A JP2675191 A JP 2675191A JP 2952613 B2 JP2952613 B2 JP 2952613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衛生害虫に対して優れた
防虫効果を有し、かつ耐久性を有するアクリル系繊維の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来防虫剤を繊維又は繊維製品に付与し
て、衣服や寝装品等に防虫効果を付与することは知られ
ているが、後加工による場合は使用中、特に洗濯におけ
る防虫剤の脱落が多く、数回の洗濯で防虫効果が失わ
れ、効果の持続性に問題がある。
【0003】この防虫剤の脱落を防ぐ手段として特開昭
59−163426号公報、特開昭60−57117号
公報にはアクリル系繊維の製造工程における延伸、水洗
後の膨潤状態にある繊維に対して昆虫忌避剤や有機リン
系殺虫剤等の防虫剤を乳化液にして付与し、乾熱処理し
て繊維内部に含有させる方法の提案がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に乳
化状での防虫剤を繊維内部に含有せしめただけの防虫性
能は洗濯などの比較的軽度の処理条件に対しては一応の
耐久性を有するが、製品化加工工程、特に染色仕上など
のように各種界面活性剤や酸、アルカリ処理剤を併用し
た高温下での熱水およびスチーミング条件下では、防虫
剤の脱落を充分に防止することが出来ず、防虫効果の維
持は困難である。また本発明は耐久性のある防虫効果を
有するアクリル系繊維を繊維の製造工程で合理的に得る
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はアクリロニトリ
ル系重合体の溶剤溶液を凝固浴中に紡出し、延伸および
洗滌工程を経た後の膨潤度が50〜500%である一次
膨潤状態の繊維に有機系害虫防除剤、平均分子量が30
00以下の1〜3量型シクロデキストリンに包接された
有機系害虫防除剤および反応性オルガノシロキサンの混
合物を付与し、次いで乾燥、捲縮付与、熱緩和処理を順
次施すことを特徴とする防虫機能を有するアクリル系繊
維の製造方法にある。
【0006】本発明で用いられる有機系害虫防除剤とし
ては、ノミ、シラミ、ダニ等の衛生害虫に有効な殺虫
剤、防虫剤、忌避剤、共力剤等を意味し、例えばフェニ
トロチオン、ダイアジノン、アセフェート、プロピオス
等の有機リン系殺虫剤、カルバリル、イソプロカーボ等
のカルバメート系殺虫剤、フェノスリン、バーメスリ
ン、シペラメスリン等のピレスロイド系殺虫剤、樟脳、
ナフタリン、パラシクロールベンゼン等の防虫剤、プロ
ピル−N,N-ジエチルサクシシナメイト、プロピルマンデ
レート、N,N-ジエチル−m-トルアミド、N-ブチルアセト
アニライド、2-エチル−1,3-ヘキサンジオール、2-ブチ
ル−2-エチル−1,3-プロパンジオール等の忌避剤、オク
タクロロジプロピルエーテル、イソボニルチオシアノア
セテート、ピペロニルブトオキサイド等の共力剤が挙げ
られる。
【0007】本発明において害虫防除剤を有機系に限定
している理由は、(1)有機系害虫防除剤は常温でも気
化して呼吸器官からも衛生害虫の体内に入り防虫効果が
高められること、(2)反応性オルガノシロキサン乳化
分散液の乳化安定性が無機系害虫防除剤より優れている
ため、均一な防虫効果が得られること、(3)無機系害
虫防除剤に比べシクロデキストリンに包接させることが
きわめて容易であることである。
【0008】本発明では包接化合物として平均分子量3
000以下の1〜3量型シクロデキストリンを用いるこ
とが必要である。これは害虫防除剤を効率よく包接し、
かつ反応性オルガノシロキサンと有機系害虫防除剤の包
接物が単に繊維表面層から内層に向かって漸減状に浸透
付着している被膜によって染色仕上工程で脱落せず、ま
た耐洗濯性を有するように水および熱水に対して実質的
に溶解しないことが必要なためであって、この繊維の内
層に向かって漸減状に浸透付着していることは以下の手
法で確認することが出来る。すなわち、シクロデキスト
リンの粒径は約5〜18オングストロームであるが、こ
れに相当する粒径の顔料を用いて同様に繊維を処理し、
その断面を光学顕微鏡で観察することにより確認可能で
ある。
【0009】シクロデキストリンにはα、β、γ、δの
同族体があり、これらはグルコース数が6、7、8、9
で分子量は972、1135、1297、1459であ
って、平均分子量3000以下の1〜3量型シクロデキ
ストリンはエピクロールヒドリンなどの架橋剤で重合さ
せることにより製造できる。この1〜3量型シクロデキ
ストリンの包接機能は類似しており、その使用法は各同
族体の単独使用のみに限定されず、2種以上を混用する
ことも可能である。本発明では平均分子量3000以下
の1〜3量型シクロデキストリンで包接された有機系害
虫防除剤のほかに、未包接の有機系害虫防除剤を含有す
る。包接された害虫防除剤は洗濯による防虫効果の低下
が少なく、持続効果も優れているが、本発明はこの害虫
防除剤の耐久性能を更に向上させるために繊維表面だけ
でなく、繊維の内層部分にも浸透付与させるものであ
り、そのために包接された害虫防除剤の平均分子量が3
000を超えて高分子化していることは好ましくない。
従って、シクロデキストリンは繊維内層部分に浸透させ
る目的から、なるべく分子状あるいは溶液状態が好まし
く、また固形の分散液の場合、出来る限り微粒子の方が
良好であって、本発明の場合、粒子径の面からも1〜3
量型のシクロデキストリンの大きさに限定される。
【0010】次にシクロデキストリンの25℃水に対す
る溶解度はα型が13%、β型は1.9%、δ型は30
%でタイプによって異なり、高温になると溶解性は上昇
し、また高分子化されると一定の温度下では逆に低下す
る。本発明で必要なシクロデキストリンは1〜3型の分
子量3000以下のものであって、繊維内層に浸透させ
るのに適正な乳化分散状態に温度をコントロールするこ
とによって保持出来るが、4〜5量型以上で分子量約4
000以上になると溶解性の低下が著しく目的とする効
果を得ることは出来ない。
【0011】本発明において反応性オルガノシロキサン
は、包接および未包接の害虫防除剤の繊維への強固な固
着を行い、害虫防除剤の脱落防止、耐洗濯性および防虫
効果の持続性を向上させる。また製品化加工工程、例え
ば紡績、編織工程等を円滑に通過させ、さらに製品にソ
フトな風合い、タッチを付与する。
【0012】更に重要なことはアクリル系繊維の染色工
程での繊維内部に浸透した害虫防除剤の脱落防止の役目
をする。すなわち、膨潤状態の繊維内部に害虫防除剤と
共に浸透した反応性オルガノシロキサンがその後の熱処
理により繊維表面に強固な被膜を作って害虫防除剤を内
部に含んだ繊維とし、その後の商品化工程、例えば浸染
あるいはプリントなどの染色工程で受ける二次転移点以
上の高熱下の処理で繊維構造がルーズになっても内部に
含まれた未包接および包接の害虫防除剤の脱落を防止す
るという極めて重大な役目をはたす。
【0013】繊維表面にオルガノシロキサンの被膜がな
い場合は繊維内部の害虫防除剤は繊維の染色工程での二
次転移点以上の浸漬浴やスチーミング処理で非常に多量
の脱落があり、また高温下での害虫防除剤の揮散も促進
され、防虫効果が著しく減退する。またこの繊維を用い
て製品化後の商品の使用中および洗濯による防虫効果に
おいても、反応性オルガノシロキサンによる繊維表面の
被膜がないと急速に減退する。
【0014】反応性オルガノシロキサンとしては次の化
学式で表される化合物が好ましく用いられる。
【化1】 (式中、Rは低級アルキル基又はアリル基、R′はH又
は低級アルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、
n、mは1以上の整数、Xはエポキシ基又は第1〜2級
アミノ基を示す)。これらの化合物は末端にエポキシ
基、又はアミノ基を有し、自己架橋反応により、繊維表
面上に得られる被膜は平滑性が高く、繊維との親和性が
非常に強いオルガノポリシロキサンとなる。本発明では
少量の害虫防除剤と反応性オルガノシロキサンで極めて
優れた効果が得られる。
【0015】 害虫防除剤の使用濃度は0.05〜3重
量%(対繊維)が好ましい。シクロデキストリンの使用
量は、未包接の害虫防除剤とは別に予め害虫防除剤包接
物を調製する場合は、害虫防除剤の使用モル量と同モル
またはそれ以上の量とする。また未包接の害虫防除剤と
害虫防除剤包接物とを同時に調製する場合は、害虫防除
剤の使用モル量の40〜90%の量とするのが好まし
い。害虫防除剤の使用濃度が0.05重量%未満である
と防虫効果が不充分であり、3重量%を超えると安全性
および経済性の点で好ましくない。シクロデキストリン
で包接された害虫防除剤の使用は、防虫効果の持続期間
が包接しないで使用する場合に比較し、1.5倍ないし
数倍延長し、耐洗濯性も向上する。反応性オルガノシロ
キサンの使用濃度は固形分濃度で0.1重量%(対繊
維)以上でないと害虫防除剤の耐久性を保持することは
不可能であるが、3重量%(対繊維)を超えると、一定
の害虫防除剤濃度の場合、防虫効果が低下するので、害
虫防除剤濃度を増加させる必要があることと、紡績等の
加工工程での通過性トラブルが発生しやすくなり好まし
くない。
【0016】本発明で害虫防除剤を付与する方法はアク
リル系繊維の製造工程の中でアクリロニトリル系重合体
の溶剤溶液を凝固浴中に紡出し、延伸および洗滌工程を
経た後の繊維が一次膨潤状態にある間に害虫防除剤の付
与を行い、次いで乾燥、捲縮付与、熱緩和処理を順次実
施して行く極めて合理的な方法である。本発明の害虫防
除剤を付与する過程で重要な点は、アクリル系繊維が一
次膨潤状態にあることであって、この膨潤状態で包接お
よび未包接の有機系害虫防除剤および反応性オルガノシ
ロキサンが繊維の表面層だけでなく、繊維内部まで浸透
することが可能である。本発明において繊維の一次膨潤
状態を膨潤度で表わすが、通常のアクリル系繊維が膨潤
度15〜30%であるのに対して、本発明での一次膨潤
状態の繊維は50〜500%という非常に繊維構造がル
ーズな状態にある。
【0017】一次膨潤状態のアクリル系繊維は通常の繊
維形成用のアクリロニトリル系重合体の溶剤溶液を重合
体溶剤と水を主体とする凝固浴中に紡出して延伸、洗滌
工程以後で乾燥工程以前の状態を意味し、製造条件によ
って異なるが、工程によってその膨潤度は異なり、工程
の前に行く程その数値が大きく、繊維形成度が低い。本
発明では害虫防除剤を付与する場合、繊維は膨潤度50
〜500%の一次膨潤状態であればよいが、延伸、洗滌
後かなり繊維形成度が充実した膨潤度150〜300%
の範囲のものが好ましい。
【0018】本発明におけるアクリル系繊維の重合体は
特に限定されず、アクリロニトリルの単独重合体でもよ
いし、他のビニル系モノマーとの共重合体であってもよ
い。アクリロニトリル共重合体の場合は少なくとも40
重量%のアクリロニトリルとアクリル酸、メタアクリル
酸あるいはこれらのアルキルエステル類、塩化ビニル、
酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アリルスルホン酸ソー
ダ、メタリルスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソー
ダ、スチレンスルホン酸ソーダなどの他のビニル系モノ
マーを60重量%以下の割合で共重合させたものなどが
挙げられる。アクリロニトリル系重合体から繊維形成化
を行う際には、アクリロニトリル系重合体の溶剤溶液で
ある紡糸原液にツヤ消し、着色、導電性、抗菌性等の機
能性付与のために、酸化チタン顔料等の無機物や有機物
をブレンドしてもよい。紡糸原液はアクリロニトリル系
重合体をジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキサイド等の有機系溶剤や硝酸、ロ
ダン塩、塩化亜鉛等の無機系溶剤などに溶解して調整さ
れるが、溶剤は良好な溶解性、紡糸性を与えるものであ
れば特に限定されない。
【0019】紡糸原液をアクリロニトリル系重合体の有
機系または無機系溶剤と水の混合液を主体とする凝固浴
中に紡出し、延伸、洗滌工程を行った後、有機系害虫防
除剤とそのシクロデキストリン包接体と反応性オルガノ
シロキサンを含む浴に通し、繊維にこの混合物を付与す
る。浴は一浴または二以上の多段浴でもよく、また混合
浴あるいは単独浴で付与してもよい。包接および未包接
の害虫防除剤および反応性オルガノシロキサンが付与さ
れた繊維は乾燥、捲縮付与、熱緩和処理を順次行い、ト
ウまたはカットした原綿として製造する。
【0020】本発明で得られた繊維は通常のアクリル系
繊維と同様に紡績、整織仕上工程を全く問題なく通過で
き、得られた製品は未処理繊維製品同様に柔軟なタッチ
と風合を有し、かつ耐洗濯性及び2〜3年以上の長期に
わたり防虫効果、特に防ダニ効果を有する。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0022】なお、防虫効果はコナヒヨウヒダニ300
匹を培地150mgと共に、評価用繊維0.2gの入った
5mlスクリュー管の中で25℃×75%RHで飼育し、4
8時間後のダニの生息数を計測し、致死率で求める。致
死率は次式で算出する。 致死率(%)=[(A−B)/A]×100 A:使用したダニの総数、 B:48時間後に生息してしいるダニの総数、 膨潤度は膨潤状態の繊維を用い、次式で算出する。 膨潤度(%)=[(W1 −W2 )/W2 ]×100 W1 :約1gの繊維を20℃の水100ccに1時間以上
浸漬後、遠心分離機で100Gの遠心力で10分脱水後
の重量。 W2 :脱水後の繊維を110℃で絶乾した後の重量。
【0023】
【実施例1】アクリロニトリル93.1重量%およびメ
チルアクリレート6.9重量%のアクリロニトリル系重
合体を濃度20.0重量%となるようにジメチルアセト
アミドに溶解して紡糸原液とし、孔径0.06mm、孔数
40000Hの口金を用いて温度35℃のジメチルアセ
トアミド43.0重量%水溶液の凝固浴中に紡出し、水
洗後、5倍に延伸した後の膨潤度が190%の一次膨潤
状態の糸条体にイソボニルチオシアノアセテート(以下
IBTAと略す)を非イオン界面活性剤で分散させた液
(D液)、あらかじめIBTAを70%モル量の分子量
2800のβ−シクロデキストリンに包接させ、非イオ
ン界面活性剤にて分散処理をした液(C液)、そしてC
液およびD液にそれぞれエマルジョン型アミノシロキサ
ンを添加したA液並びにB液を、それぞれIBTAが乾
燥繊維重量に対し0.1重量%(以下%owfと略す)
の量になるように付与して、A液とB液に関してはさら
に第二浴でアミノシロキサンが0.5%owfとなるよ
うにそれぞれ付与して140℃のローラー乾燥機で乾燥
緻密化し、機械捲縮を施し140℃で湿熱緩和の後、カ
ットしてブライト2d×51mmの原綿No.1〜4を得
た。
【0024】また比較のため、上記紡糸の際、防虫剤処
理液を施さない未処理の原綿に対し、パッケージ型染色
機でIBTAが0.1%owf、アミノシロキサンが
0.5%owfとなるようにA液で付着処理し、150
℃×10分乾燥および被膜形成処理して原綿No.5を
得た。これら原綿No.1〜5と防虫処理をしていない
通常のアクリル繊維ブライト2d×51mmとの50%混
紡を梳毛紡で2/48メートル番手に紡績した後、編地を作
製し、各々の編地を下記に示すような条件の染色処理、
柔軟仕上し、JIS103法に準じた洗濯処理をしたも
のの防虫効果を評価した。その結果を表1に示す。
【0025】これよりNo.3およびNo.4は未染色
物の洗濯耐久性は一応の水準を保持しているが、染色処
理すると防虫剤の揮散および脱落が大きく、実用的製品
性能の全くないものであった。またNo.2およびN
o.5の条件は染色後もある程度の性能を保持している
が、耐洗濯性の点でNo.1(本発明)が最も優れてい
た。
【0026】 染色条件:カチロンレッドKGLH(保土谷化学社製カチオン染料)0.1 %owf カチオゲンPAN (第一工業社製カチオン系活性剤) 1.0 %owf 酢酸 1.0 %owf pH=4.5 、LR=1:25、100℃×30分。 柔軟仕上条件:タフロンシュール(第一工業社製カチオン系柔軟剤)1.0 %owf LR=1:25、40℃×10分。
【0027】
【表1】 ※A液:C液+乳化型アミノシロキサン→アミノシロキサン B液:D液+ 同上 → 同上 C液:IBTA+β−シクロデキストリン+非イオン分散剤 D液:IBTA+非イオン分散剤
【0028】
【実施例2】アクリロニトリル59.0重量%、塩化ビ
リニデン40.0重量%およびメタリルスルホン酸ナト
リウム1.0重量%の組成のアクリロニトリル系重合体
をジメチルホルムアミドに重合体濃度が25.0重量%
となるように溶解して紡糸原液とし、孔径0.10mm、
孔数20000Hの口金を用いて35℃のジメチルホル
ムアミド55.0重量%水溶液からなる凝固浴中に紡出
し、水洗後、5.5倍に延伸した膨潤度が80%の一次
膨潤状態の糸条体にN,N-ジエチル−m-トルアミド(以下
Deetと略す)を非イオン界面活性剤で分散させた液
(F液)又はあらかじめDeetを80%モル量の分子
量1135のβ−シクロデキストリンに包接させ非イオ
ン界面活性剤にて分散処理した液(E液)をDeetが
0.15%owfとなるように付着処理し、130℃の
ローラー乾燥機で乾燥緻密化した後に、アミノシロキサ
ンが0.3重量%となるように第2浴でエマルジョン型
アミノシロキサンを付着処理し、120℃の熱風乾燥機
で乾燥し、110℃の湿熱緩和を施してからカットして
ブライト10d×102mmの原綿No.6〜7を得た。
得られた原綿を下記に示すような条件でワイン色に染色
仕上げし、染色前後の防虫効果を評価し、更に別途同色
に染色仕上げされた防虫処理をしていない通常のアクリ
ル繊維ダル8d×102mmとで50%混紡糸となるよう
にセミ梳毛で番手1/5MCを紡出して、その後この紡
績糸でマットを作り、その1部はJIS103法に準拠
して10回および20回の洗濯処理を施し、もう1つの
条件は使用中の経時変化の加速テストとして50℃の熱
風乾燥機中に100時間放置してそれらの防虫性を評価
した。その結果を表2に示す。
【0029】これよりNo.7の単にDeetを非イオ
ン分散剤で付与したものは原綿の染色後の防虫性能低下
が著しく、かつ50%混紡によるマットの防虫効果は実
用性の乏しいものであったのに対し、No.6(本発
明)は原綿の耐染色性、およびマツトの耐洗濯性並びに
耐経時変化も優れたものであった。
【0030】 染色条件:カチロンエロー3GLH(保土谷化学社製カチオン染料)0.01%owf カチロンレッド3GLH(保土谷化学社製カチオン染料)0.8%owf カチロンブルーGLH (保土谷化学社製カチオン染料)0.008%owf カチオゲンANスーハ゜- (第一工業社製カチオン系活性剤)1.0 %owf pH=4.5、LR=1:10、100℃×40分。 仕上処理条件:タフロンスピン78ND(第一工業製薬カチオン系柔軟剤)1.0 %owf LR=1:25、40℃×10分。
【0031】
【表2】 ※E液:Deet+β−シクロデキストリン+非イオン活性剤→アミノシロキサン F液:Deet+非イオン活性剤
【0032】
【実施例3】アクリロニトリル94.2重量%、酢酸ビ
ニル5.3重量%およびメタリルスルホン酸ソーダ0.
5重量%のアクリロニトリル系重合体を濃度18.0重
量%となるようにジメチルアセトアミドに溶解して紡糸
原液とし、孔径0.06mm、孔数40000Hの口金を
用いて温度40℃のジメチルアセトアミド30.0重量
%水溶液の凝固浴中に紡出し、水洗後4倍に延伸した膨
潤度が320%の一次膨潤状態の糸条体に、あらかじめ
Deetを50%モル量の表3に示すようなシクロデキ
ストリンに包接させ非イオン界面活性剤にて分散処理
し、エマルジョン型アミノシロキサンを添加した各々
G、H、I、J液を用い、Deetが0.1%owf、
アミノシロキサンが0.6%owfとなるように付着処
理した後、140℃のローラー乾燥機で乾燥緻密化、機
械捲縮を施し、135℃の湿熱緩和の後カットしてブラ
イト3d×102mmの原綿No.8〜11を得た。これら
原綿を防虫処理をしていない通常のアクリル繊維ブライ
ト3d×102mmに対して40%混紡し、32メートル
番手の双糸加工を行い緯糸とし、ポリエステルセミダル
150d/48fの経糸に打ち込み、目付約300g/m2 の平
織物のシーツ地を作った。このシーツ地を実施例1と同
様な条件で染色仕上げ後、JIS103法に準拠して1
0回および20回の洗濯処理および石油系溶剤にてドラ
イクリーニングしたものの防虫性を評価した。その結果
を表3に示す。
【0033】これよりNo.11のβ−シクロデキストリ
ンの高分子量のものは粒径が大きく、繊維への付与が本
発明のNo.8、9、10に対して劣り、未染色の洗濯前
でも防虫効果がやや低い。そして染色および洗濯時にお
ける脱落性がやや大で、防虫効果の耐久性が低下した
が、本発明のNo.8、9、10は染色前後および洗濯前
後の防虫効果の低下率が非常に小さく実用上すぐれた防
虫シーツを得ることが出来た。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】有機系害虫防除剤を単に繊維或いは一次
膨潤状態の繊維に付与しただけの薬効持続期間は通常2
〜3ケ月間しかないのに対して、本発明の方法によって
膨潤状態の繊維に有機系害虫防除剤を特定の包接状にし
たものと遊離状のもの、更に反応性オルガノポリシロキ
サンと組合せて付着させることにより、遊離状の有機系
害虫防除剤で初期の防虫効果を図り、また包接すること
により、有機系害虫防除剤の昇華速度が抑制された、い
わゆる包接された害虫防除剤の徐放効果によって薬効の
持続期間が3〜4年以上も持続し、同時に洗濯による害
虫防除剤の脱落性も非常に少なく、得られた製品風合、
タッチは柔軟平滑性のすぐれた良好なるもので、かつ加
工工程通過性も全く問題のないものを得ることを可能と
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // D01F 6/18 D01F 6/18 Z D04B 1/14 D04B 1/14 1/20 1/20 D06M 101:28 (56)参考文献 特開 平4−202854(JP,A) 特開 平3−59178(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 13/00 - 15/72 D01F 11/00 - 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル系重合体の溶剤溶液を
    凝固浴中に紡出し、延伸および洗滌工程を経た後の膨潤
    度が50〜500%である一次膨潤状態の繊維に有機系
    害虫防除剤、平均分子量が3000以下の1〜3量型シ
    クロデキストリンに包接された有機系害虫防除剤および
    反応性オルガノシロキサンの混合物を付与し、次いで乾
    燥、捲縮付与、熱緩和処理を順次施すことを特徴とする
    防虫機能を有するアクリル系繊維の製造方法。
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