JPH0359178A - 防虫繊維 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は衛生害虫に対して優れた防虫効果を有し、かつ
耐久性を有・する防虫繊維に関する。

〔従来の技術〕

従来防虫剤を繊維又は繊維製品に付与して、衣服や寝装
品等に防虫効果を付与することは知られているが、後加
工による場合は使用中、特に洗濯に訃ける防虫剤の脱落
が多く、数回の洗濯で防虫効果が失われ、持続性に問題
のあるものが多い。

この脱落を防ぐ手段として、防虫剤を付与する繊維の形
態を異型断面としたう、ボイドフル繊維を用いる試みが
提案されている。更に特定の商品分野、例えばカーペッ
ト等の敷物分野ではバッキング剤に防虫剤を混入する方
法やポリエステル布団綿等に対して第４級アンモニウム
塩基含有オルガノシロキサンを付与する方法の提案もあ
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら第４級アンモニウム塩基含有オルガノシロ
キサン等の防虫効果はきわめて低く、高濃度の使用が必
要である。一方繊維表面の形態を変える方法も、防虫剤
の脱落を充分に防止することができず、防虫効果の維持
は困難である。

渣たバッキング剤等の樹脂と混合する場合は、紡績工程
や編織工程等の工程通過性、ソフトな風合いの保持等で
問題が多く、衣料製品に用いるには難点がある。特に後
加工による防虫性の付与は耐久性の点から短繊維表面に
付与することが望１れてかり、一般の樹脂では付与後の
工程での摩擦等による損傷や脱落によシ防虫機能が低下
すること、及び樹脂の脱落による加工装置の汚染や損傷
等の問題があり効果的な防虫剤の付与は未解決の状態に
あった。本発明はこのような問題を解決し、耐久性を有
する防虫繊維を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、繊維表面が平均分子量１０，０００以上の高
分子型β−シクロデキストリンに包接された有機系害虫
防除剤及び反応性オルガノシロキサンの混合物で被膜形
成されたことを特徴とする防虫繊維である。

本発明に用いられ、有機系害虫防除剤とはノミ、シアノ
、ダニ等の衛生害虫に有効な殺虫剤、防虫剤、忌避剤、
共力剤等を意味する。例えばフェニトロチオン、ダイア
ジノン、フ０ロチオホス等の有機リン系殺虫剤、カルバ
ｌＪｚし、インプロカーポ等のカルバメート系殺虫剤、
フェノスリン、バーメヌリン、シベラメスリン等のピレ
スロイド系殺虫剤、樟脳、ナフタリン、パラシクロール
ベンゼン等の防虫剤、プロヒｔｖ−Ｎ、Ｎ−ジエチルサ
クシシナメイト、プロピルマンデレー　ト　、　　Ｎ、
Ｎ　　−ジ　エ　チ　ル　−ｍ　　−）　　ル　ア　ミ
　　ド　、　　Ｎ　−ブチルアセドアニライド、２−エ
チル−１，５−ヘキサンジオ−〃、２−ブチ）ｖ−２−
エチル−１，３−プロパンジオ−〃等の忌避剤、オクタ
クロロジプロピルエーテル、イソボニルチオシアノアセ
テート、ピペロニルブトオキサイド等の共力剤が用いら
れる。

本発明において害虫防除剤を有機系に限定している理由
は、（１）有機系害虫防除剤は常温でも気化して呼吸器
管からも衛生害虫の体内に入ｂ、防虫効果が高められる
こと、（２）反応性オルガノシロキサン乳化分散水性液
の乳化安定性が無機系害虫防除剤よυ優れているため、
均一な防虫効果が得られること、（３〉無機系害虫防除
剤はシクロデキストリンに包接させることがきわめて困
難であることなどである。

本発明では、包接化合物として平均分子量１００００以
上の高分子型β−シクロデキストリンを用いることが必
要である。これは害虫防除剤を効率よく包接し、かつ反
応性オルガノシロキサン乳化水性液との相容性が良好で
あること、更に反応性オルガノシロキサンと有機系害虫
防除剤の包接物により繊維表面に形成された被膜が、染
色仕上工程で脱落せず、筐た耐洗濯性を有するように、
水及び熱水に対して実質的に溶解しないことが必要なた
めである。

シクロデキストリンには、α、β、γ、δの同族体があ
り、それらはグルコース数が６．７８．９で分子量は９
７２．１１Ｓ５．１２９７１４５９である。水に対する
溶解度はβ型が低い。

平均分子ｆ１１００００以上の高分子型β−シクロデキ
ス）　ＩＪンの水に対する溶解度は０．１４以下である
。高分子型β−シクロデキストリノハ、β−シクロデキ
ストリンをエピクロールヒドリンなどの架橋剤で重合さ
せることにより製造できる。

この高分子型β−シクロデキストリンの包接機能は、通
常のβ型とほとんど類似し、その包接容量の算出に必要
な分子量はβ型の１１３５の値を基準とすることができ
る。つまり高分子型β−シクロデキストリンは通常のβ
−シクロデキストリンと同じように包接化合物として取
扱うことができる。

本発明では、平均分子量が１００００以上の高分子型β
−シクロデキストリンで包接された有機系害虫防除剤の
ほかに、未包接の有機系害虫防除剤を含有していてもよ
い。包接害虫防除剤は洗濯による防虫効果の低下が少な
く、持続効果も優れているが、初期段階に釦ける速効性
がやや劣る。この速効性を付与するため、包接害虫防除
剤と未包接害虫防除剤を適当な比率例えば１〜６：１で
混在させることが好ましい。

本発明において反応性オルガノンロキサンを用いる理由
は、害虫防除剤の脱落防止、耐洗濯性及び防虫効果の持
続性を向とさせることである。また製品化加工工程例え
ば紡績、編線工程等を円滑に通過させることである。さ
らに製品にソフトな風合い、タッチを付与させることで
ある。

反応性オルガノシロキサンとしては、−紋穴（式中Ｒは
低級アルキル基又はアリル基、Ａは炭素数２〜４のアμ
キレン基、ｎ及びｍは１以」二の整数、Ｘは基−０Ｈ−
ＣｊＨ２又は−ＮＨＲ’を示し、＼１ ここにＲ′はＨ又は低級アルキμ基を意味する） で表わされる化合物が用いられる。これらの化合物は末
端にエポキシ基又はアミノ基を有し、自己架橋反応によ
り、繊維表面上に得られる被膜は平滑性が高く、繊維と
の親和性が非常に強いオルガノポリシロキサンからなる
ものである。

本発明では、少量の害虫防除剤と反応性オルガノンロキ
サンで極めて優れた効果が得られる。

害虫防除剤の使用濃度は一般にα０１〜α２４（対繊維
重量）が好ましい。高分子型β−シクロデキストリンの
使用量は、害虫防除剤の使用モ／Ｉ／Ｉｌと同モル量な
いしやや多ｍ　＜　ｊ、　ｊ倍モル　）　で　あ　る　
。

害虫防虫剤の使用濃度がこれより低いと効果が不充分で
あり、これよυ高いと安全性及び経済性の点で好ましく
ない。高分子型β−シクロデキストリンで包接された害
虫防除剤を用いると、効果の持続期間が１．５倍ないし
数倍延長し、耐洗濯性も向上する。

反応性オルガノシロキサンの固形分濃度は０．０５４（
対繊維重量）以上でないと害虫防除剤の耐久性を保持す
ることは不可能であるが、０、５４　（対繊維重量）を
超える濃度の場合、−定の害虫防除剤濃度の場合、防虫
効果が低下するので害虫防除剤濃度を増加させる必要が
生じ経済的にも不利となる。

本発明に用いられる繊維としてはアクリ〃、ナイロン、
ポリエステル等の合成繊維、羊毛、木綿等の天然繊維及
びこれらの混紡、混繊等があげられる。特に表面が平滑
な合成繊維が好適である。繊維の形態としては、トウ、
ステーブル、糸条物、編織品いずれの形態でも適用でき
るが、本発明はステープルに対しても適用できる点が特
徴的である。

本発明の防虫繊維は特にアクＩＪ／し繊維のトウ、ステ
ーブルの形態で適用したときにその特徴が顕著であって
、例えばアクリル繊維のステープルに害虫駆除剤及びそ
の包接物とポリアミノシロキサンとの混合物で浸漬処理
し遠心分離機で脱水して乾燥し１００℃前後の温度でポ
リアミノシロキサンの架橋処理をしたものは通常のアク
リル繊維のカーペット及び毛布等の紡績、整織仕上工程
を全く問題なく通過でき、得られた製品は未処理繊維製
品と同様に柔軟なタッチと風合を有し、かつ耐洗濯性及
び１年以上の長期にわたり防虫効果、特に防ダニ効果を
有する。

〔実施例〕

以下実施例によって本発明を説明する。

防虫効果はコナヒョウダニ３００匹を培地１５０ηと共
に、評価用繊維Ｑ、２？の入った５ｄスクリユー管の中
で２５℃Ｘ７５４ＲＨで飼育し、４８時間後のダニの生
息数を計測し、致死率で求める。致死率は次式で算出す
る。

致死率（４）＝　Ｃ（Ａ−Ｂ）／Ａ）　Ｘ　１００Ａ：
使用したダニの総数 Ｂ：４８時間後に生息しているダニの総数 実施例１ ポンネ）Ｖ　（三菱レイヨン社製、アクリル繊維）Ｖｌ
　７Ｂ３ｄＸｔ０２ＩＩＩｌｌの原綿各１０ｋｇを第１
表に示す条件で処理した。

害虫防除剤としてイソボニルチオシアノアセテート（分
子量的２５３、以下よりＴＡと略す）を繊維重量当りα
０５４（以下０．０５４　ｏｗｆと表示）処理するに当
シ、各種の包接ホスト化合物をよりＴＡに対して等モル
量（ｏ、　０２モル）用いて包接物を作り、非イオン系
分散剤及びエマルジョン型アミノシロキサンヲ一定量添
加シてパッケージ染色機で付着処理し、遠心脱水機で絞
り率３０係に脱液後、８０℃の乾熱で５０分の被膜形成
処理を行った。

これらの処理原綿と同じ品種の未加工原綿との５０４混
紡を梳毛紡でｔ／２ｏ　Ｍｅ　Ｘ　２９０　Ｔ／′Ｍ−
ｚの紡績糸を紡出したが、未加工原綿単独の紡績品に比
べて工程通過性、及び得られた糸質はほとんど問題がな
かった。この紡績糸を緯糸として、経糸ポリエステル１
５０ｄ／４８ｆに打込み日付的ｓ　ｏ　ｏ　ｔ／ｍ２の
平織物のシーツ地を作シ、第２表に示す常圧型液流染色
機で淡ブ／Ｌ’　−色に別浴染色を行い、水洗、柔軟仕
上をしたのち、ピンテンターで１００℃×３分の乾燥仕
上を行い、防虫シーツを作成した。加工工程上トラブル
の発生はなく、得られた製品の風合、タッチは未加工原
綿からなる製品と同様であった。

これらのシーツから約５０ｃＩｎ角の小片標本を作り、
Ｊ工５１ｔｓ法に準じて１０回洗濯し、洗濯前後の防ダ
ニ性を評価した。その結果を第６表に示す。これよりＮ
ｂ２（本発明）は優れた耐洗濯性を有することが知られ
る。

第 ２表 第３表 防虫効果二致死率（４） 実施例２ ナイロン−６、ＥＩＤｌｏｄ　Ｘ　１０２鱈の原綿各５
に９を第４表に示す条件でピンク色に染色し、オルガノ
シロキサン（隠９）、アクリル系ｍ脂＜ｈｌｏ）、ウレ
タンｍ脂（ｒｈｌｌ）、通常のアニオン系油剤（Ｎ１１
１２）に害虫防除剤としてＮ、Ｎ−ジエチル−ｍ−）ル
アミド（Ｄｅｅｔ、　　と略す）を包接ホスト化合物の
高分子型β−シクロデキストリンに包接させたものをポ
リオキシエチレンフェニールエーテルの非イオン分散剤
ヲ併用して均一に分散し、同一濃度を付与した後、１０
０℃の乾熱で３０分被膜形成処理して防虫繊維を得た。

この防虫繊維と同じピンク色に別途染色した同一のナイ
ロンＳＤ　１０ｄ　Ｘ　１０２■の東線とで５０４混紡
のセミ梳毛で１１５　ＭＣ！　Ｘ　１５　ＴＡｚ　　の
紡績糸を作り、１／１０Ｇ　　のタフトマシンでパイ〃
長５■、目付５００１７ｍ”のカットパイルの家庭用カ
ーペットを作った。オルガノシロキサン（翫９）の加工
工程通過性は良好であった。

しかしＩ’ｋｌＯのアクリル系樹脂、翫１１のウレタン
樹脂を用いたものは、特に紡績工程での円滑な紡出をす
ることが困難であった。またタフティング工程にかいて
も糸のテンションが高く、糸切れやテンション変動によ
るパイρ長の不揃いなどが生じた。

得られたカーペットの防虫効果はカーペットのパイル糸
をバリカンで刈り取って評価した。

耐久性はカーペットパイルへクリ摩耗耐久性試験機（タ
ップマシン）で１に！？Ｘ１００時間処理し、電気掃除
機で吸引後、パイル糸を評価した。

耐洗濯性は市販のカーペット用泡末型ジャンプでカーペ
ットの表面を拭き取９、電気掃除機で掃除した後に評価
した。その結果を第５表に示す。本発明の防虫繊維は、
ンヤンプ洗濯後も優れた防虫性能を有することが知られ
る。

第４表 １） Ｄｅｅｔ： Ｎ、？ジエチ／ｌ／−ｍ−）μアミド ＭＹ＝１８３ ３）アクリル系樹脂：デイフナ−／Ｉ／Ｉｎ５４　　大
日本インキ社製４）ウレタン樹脂　：インプラニー／ｖ
ＤＬＮバイエル社製５）アニオン系油剤：ブリオンＡＮ
　　　　　竹本油脂社製第５表 実施例５ ルナエース（三菱レイヨン社製ポリエステルステープｌ
Ｌ／）ＳＤ６ｄ×６４■の原綿を第６表に示す条件で防
虫加工処理し、同一の未加工原綿に３０傷混綿、カーデ
イングして布団中細を作り、掛布団を作った。

加工工程の通過性を特にカーデイング工程でみると、へ
１５はカードａｍの未解繊部分（ネップ”）が多発し、
へ１８はアミノシロキサンの乳化分散性が砒酸塩によっ
て低下し、付着斑が発生し、同様なネップ°が多発する
と同時に工程中に白粉を発生した。他のＮａ１３．１４
．１６及び１７は工程上特に問題なく良好であった。

得られた各布団中綿の防虫性能を洗濯前（加工上り）、
家庭洗濯後及びドライクリーニング後に調べた。その結
果を第７表に示す。これより本発明の防虫繊維は、加工
上シの防虫性能及び耐洗濯性が優れていることがわかる
。

実施例４ 椅子張り用ウー／Ｌ／１００ｃｌ）の梳毛糸２／４８の
紀、をブラウンに染色して脱色後第８表に示すピレスロ
イド系害虫防除剤フェノスリンと包接ホヌト化合物の添
加率を変化させ防虫加工した。

賜１９は害虫防除剤と等モルの高分子型β−シクロデキ
ストリンを使用し、鬼２０は６７係＼出端しか包接せず
、ＩＩ＆１２１は全く添加せず処理した。この処理した
ウールの紹、糸を椅子張角モケット織物に整織し、ブラ
ッシング、仕上１浬を通したがいずれも工程上問題はな
かった。

得られた椅子張シの風合、タッチは従来品と同様であっ
た。ドライクリーニング処理後及び実用中の経時変化を
、熱風乾燥機で４５℃×０００時間処理後の試料で評価
した。その結果を第８表に示す。

これより微量の害虫防除剤で処理する場合、包接化合物
を用いることが耐久性向上の点で有効であることがわか
る。

第８表 〔発明の効果〕 有機系害虫駆除剤を単に繊維及び繊維製品に付与しただ
けの薬効持続期間は通常１〜５力月間しかないのに対し
て、本発明は特定の７クロデキストリンを用いた包接化
合物とオルガノシロキサン被膜との組み合せによって有
機系害虫駆除剤の昇華速度が制御され、いわゆる害虫駆
除剤の徐放効果によって薬効の持続期間が１〜２年以上
も持、読し、同時に洗濯による害虫駆除剤ニア）脱落性
も非常に少なく、得られた製品の風合、タッチは柔軟、
平滑性のすぐれた良好なもので、かつ加工工程通過性も
全く問題ないものを得ることを可能とした。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、繊維表面が平均分子量１０，０００以上の高分子型
   β−シクロデキストリンに包接された有機系害虫防除剤
   及び反応性オルガノシロキサンの混合物で被膜形成され
   たことを特徴とする防虫繊維。 ２、繊維表面が有機系害虫防除剤、平均分子量１０，０
   ００以上の高分子型β−シクロデキストリンに包接され
   た有機系害虫防除剤及び反応性オルガノシロキサンの混
   合物で被膜形成されたことを特徴とする防虫繊維。