JP3498368B2 - 防ダニ・抗菌防臭性カーペットおよびその製造方法 - Google Patents

防ダニ・抗菌防臭性カーペットおよびその製造方法

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JP3498368B2
JP3498368B2 JP14974094A JP14974094A JP3498368B2 JP 3498368 B2 JP3498368 B2 JP 3498368B2 JP 14974094 A JP14974094 A JP 14974094A JP 14974094 A JP14974094 A JP 14974094A JP 3498368 B2 JP3498368 B2 JP 3498368B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防ダニ性および抗菌防
臭性が、洗濯などによっても失われることなく長期間持
続し得る防ダニ・抗菌防臭性カーペットの製造方法およ
びそれにより得られるカーペットに関する。特に、カー
ペットを製造する従来の工程において、特別な方法や条
件を用いずに上記優れた効果を有する、防ダニ・抗菌防
臭性カーペットを製造する方法およびそれにより得られ
るカーペットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカーペットは、図1に示す工程に
より製造される。例えば、原綿を必要に応じて染色して
染色綿を得、これを原綿と適当な比率で混綿して紡績す
るとパイル糸が得られる。このパイル糸を基布にタフテ
ィングしてカーペット原反を調製し、さらに所定の工程
によりカーペットが得られる。
【0003】従来より、上記製造工程において、カーペ
ットに防汚性、抗菌性、抗菌防臭性、防臭性、防ダニ性
など、種々の機能を付与することが提案され、実用化さ
れてきた。近年、カーペットに、防ダニ性および抗菌防
臭性を付与することが、消費者の健康への意識の高まり
に伴い、衛生面において強く要望されてきている。
【0004】従来より、カーペットに抗菌防臭性を付与
する方法としては、カーペットを構成するパイル糸(原
糸)、またはこのパイル糸に含有される原綿自身に、抗
菌防臭剤を練り込む方法、カーペットを製造した後にお
いて、浸染、浸漬、またはスプレー方式により、カーペ
ットの表面に抗菌防臭剤を付与し、固着させる方法など
が用いられている。
【0005】一方、カーペットに防ダニ性を付与する方
法としては、カーペットの基布に、防ダニ性を有する基
布を用いる方法、基布を張合せる際に用いるラテックス
に、防ダニ剤を含有させる方法が主に用いられている。
さらに、上記抗菌防臭性を付与する場合と同様に、カー
ペットを構成するパイル糸、またはこのパイル糸に含有
される原綿自身に、防ダニ剤を練り込む方法;カーペッ
トを製造した後において、浸染、浸漬、またはスプレー
方式により、カーペットの表面に防ダニ剤を付与し、固
着させる方法なども用いられている。
【0006】しかし、これらの方法はいずれも、一般に
行われているカーペットの製造工程に、さらに、特別な
方法または条件を付加することになり、余分に新しい装
置が必要であるなど、経済面において問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決することにあり、その目的は、カーペットを
製造する従来の工程において、特別な方法や条件を用い
ずに優れた防ダニ性および抗菌防臭性を有し、洗濯など
によってもそれが失われることなく長期間効果が持続す
るような、防ダニ・抗菌防臭性カーペットを製造する方
法、およびそれにより得られるカーペットを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の防ダニ・抗菌防
臭性カーペットの製造方法は以下の工程を包含する: (A)原綿の単繊維の表面に、難溶性かつ低揮散性の防ダ
ニ剤および抗菌防臭剤を、該単繊維に対し、それぞれ
0.02%o.w.f.以上3.0%o.w.f.以下の割合で、樹
脂バインダーとともに作用させて付与する工程;(B)該
防ダニ剤、抗菌防臭剤および樹脂バインダーが付与され
た単繊維を予備熱処理して加工綿を得る工程;(C)該加
工綿を含有するパイル糸を調製する工程;および(D)該
パイル糸を用いてカーペットを調製する間に、または調
製した後において熱処理を行う工程。
【0009】本発明の防ダニ・抗菌防臭性カーペット
は、原綿の単繊維の表面に、難溶性かつ低揮散性の防ダ
ニ剤および抗菌防臭剤、ならびに樹脂バインダーを付与
して得られる単繊維を含有するパイル糸を用いて調製さ
れるカーペットであって、該防ダニ剤および抗菌防臭剤
は、該単繊維100重量部に対し、それぞれ0.02重
量部以上3.0重量部以下の割合で担持されており、か
つ該防ダニ剤および抗菌防臭剤、ならびに樹脂バインダ
ーは加熱処理により該単繊維に固着されている。以下に
本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明に用いられるカーペット用の原綿の
素材としては、合成繊維、天然繊維などが用いられ、合
成繊維としてはポリアクリル、ポリエステル、ナイロン
繊維、天然繊維としてはウールなどが挙げられる。その
中で、加工性、および得られるカーペットの性能の持続
性が良いことから、特に合成繊維であることが好まし
い。原綿は、上記素材からなる単繊維を一種類、あるい
は、二種類以上混綿したものであってもよい。この原綿
は染色されていてもよく、その場合には、染色綿は原綿
を公知の方法で染色して得られる。
【0011】本発明で用いる防ダニ剤および抗菌防臭剤
としては、防ダニ性および抗菌防臭性が長期間持続され
る程度に、難溶性、低揮散性を有する化合物が用いられ
得る。ここで、難溶性とは、水などの溶媒に対する溶解
度が0.1g/リットル以下であり、低揮散性とは、2
00℃で10分乾熱処理後の重量減少が0.1%以下で
あることを示す。この防ダニ剤および抗菌防臭剤の組
成、構造などは特に限定されないが、従来のカーペット
の製造と同じ加工工程で特別な方法または条件を採用し
ない条件下で使用するためには、加工性に優れ、安定し
た防ダニ剤および抗菌防臭剤であることが好ましい。例
えば、加熱時の揮発性が適切であり、単繊維表面での粘
性が少なく、紡績油剤および樹脂バインダーとの相溶性
が良好であり、かつ耐熱および耐光堅牢度に優れるため
変退色を生じない防ダニ剤および抗菌防臭剤を使用する
ことが好ましい。防ダニ剤としては、忌避効果のある安
息香酸、安息香酸とパラオキシ安息香酸ブチルとの混合
物(例えばそれぞれ1:1の重量比の混合物)、ヒバ
油、などが用いられ得る。抗菌防臭剤としては、ハロジ
アリール尿素系(例えばトリクロロカルバニリド)、第
四級アンモニウム塩系、フェノール系などが用いられ得
る。
【0012】上記防ダニ剤および抗菌防臭剤の作用量
は、該防ダニ剤および抗菌防臭剤の種類、それらが付与
・担持された単繊維をパイル糸がどの程度含有するか、
などにより変化するが、単繊維に対し、それぞれ0.0
2%o.w.f.以上3.0%o.w.f.以下の範囲である。該防
ダニ剤または抗菌防臭剤を該単繊維に対して0.02%
o.w.f.より少なく作用させた場合には、得られるカーペ
ットの防ダニ性または抗菌防臭性が不十分となり、3.
0%o.w.f.を越えて作用させた場合には、コスト面で不
経済となる。好ましくは、紡績時の加工性が良いことか
ら、特に0.02〜2.0%o.w.f.の割合で作用させ
る。上記割合で防ダニ剤および抗菌防臭剤を作用させる
ことにより、これらは原綿の単繊維100重量部に対
し、各々0.02〜2.0重量部の割合で該単繊維上に
担持される。
【0013】本発明で用いる樹脂バインダーとしては、
繊維の加工に一般的に用いられている公知の樹脂バイン
ダーが用いられ得る。この様な樹脂バインダーとして
は、酢酸ビニル系、アクリル酸系、ウレタン系、および
シリコーン系バインダーが挙げられ、これらは単独で、
または2種以上混合して用いられ得る。加工性の良さ、
処方の簡便さ、および低コストであるなどの理由から、
水系エマルジョンのアクリル酸系またはウレタン系の樹
脂が好ましい。その中でも特に、従来のカーペット製造
工程の熱処理によって架橋する、低熱架橋性の樹脂バイ
ンダーが好ましい。このような樹脂バインダーを用いる
と、カーペットの製造工程で防ダニ剤および抗菌防臭剤
を固着させるだけでなく、樹脂バインダー自身の耐久性
が向上することから、樹脂バインダーの付与が少量でよ
く、経済的である。
【0014】上記樹脂バインダーの付与量は、上記防ダ
ニ剤および抗菌防臭剤を合わせた重量に対して、好まし
くは0.5倍以上2倍以下の割合で付与する。この割合
が、0.5倍より少ない場合には、単繊維に均一に防ダ
ニ剤および抗菌防臭剤を付与しにくく、得られるカーペ
ットの防ダニ性および抗菌防臭性能の持続性が悪くなる
恐れがある。2倍より多い場合には、単位あたりの繊維
に付与される防ダニ剤および抗菌防臭剤の重量が相対的
に少なくなるため、持続性の低下する可能性がある。
【0015】上記防ダニ剤および抗菌防臭剤、ならびに
樹脂バインダーを、上記単繊維の表面に付与する方法と
しては、スプレー方式、またはパット浴を作製したパッ
ト−ニップ浸漬方式などが挙げられる。具体的には、防
ダニ剤、抗菌防臭剤および樹脂バインダーを希釈液で希
釈したもの(以下、希釈加工液という)を、原綿(染色
されていてもよい)に対して、10%o.w.f.以上60%
o.w.f.以下となる割合で作用させる。希釈加工液の作用
量が10%o.w.f.未満では防ダニ剤および抗菌防臭剤の
効果が不十分であり、かつこれらを均一に付与しにくく
なる。60%o.w.f.を越えると、一般に使用される乾燥
機の性能では予備熱処理が充分でなく、後述の紡績油剤
付与時に繊維から溶出する恐れがある。好ましくは、均
一な付与の容易であることから、特に15%o.w.f.〜3
0%o.w.f.の割合で作用させる。上記希釈加工液に用い
る希釈用の溶剤としては、取り扱い性および安全性に優
れることから、水などを用いる。 上記防ダニ剤および
抗菌防臭剤を作用させた原綿に、100℃以上140℃
以下の温度範囲で、1分以上5分以下の時間で予備熱処
理を行い、加熱乾燥後に水分を含まないようにする。こ
の予備熱処理の温度が100℃未満では、水分を十分に
除去することができず、140℃より高いと変色し、ま
た熱架橋性の樹脂を用いた場合には硬化するのでよくな
い。 好ましくは、紡績時の加工性が良く、得られるカ
ーペットの品質および経済性が優れることから120℃
以上135℃以下の範囲で予備熱処理を行う。予備熱処
理の時間が1分未満では、水分を十分に除去できず、5
分を越えると経済的に不利である。好ましくは、水分が
十分に除去でき、そして経済性にも優れることから、2
分以上3分以下の範囲で予備熱処理を行う。この予備熱
処理により、防ダニ剤、抗菌防臭剤および樹脂バインダ
ーが原綿の単繊維に予備固着した加工綿が得られる。予
備熱処理には通常乾燥機が用いられる。
【0016】上記予備熱処理には、染色綿を乾燥させる
ために用いられる従来の乾燥機が利用され得、特別な装
置を必要としない。
【0017】本発明では通常、上記加工綿を必要に応じ
て、防ダニ剤および抗菌防臭剤が付与されていない他の
原綿(染色されていてもよい)と混綿、紡績して、また
は他の繊維と混合してパイル糸が調製される。パイル糸
を調製する方法としては、公知の方法(梳毛、セミ梳
毛、紡毛方式)が用いられ得る。上記防ダニ剤および抗
菌防臭剤が予備固着している加工綿は、パイル糸中に少
なくとも40重量%以上の割合で含有させる。加工綿の
割合が40重量%未満のような低い場合には、均一な性
能の製品を得るのが困難である。一般に、割合を高くす
る程均一な性能を得やすく、品質が安定する。好ましく
は、均一な性能を有する製品が容易に得られることか
ら、60重量%以上で加工綿を含有させる。上記スプレ
ー方式により得られる加工綿の場合、その割合は50重
量%以上、上記パッド−ニップ方式により得られる加工
綿の場合、その割合は40重量%以上70重量%以下の
範囲であることが望ましい。パイル糸に均一色相や霜降
り状色相をつけるため、一般には染色綿を30〜100
重量%混綿してパイル糸を調製する。
【0018】染色綿を用いる場合には、この染色綿は、
染色時に原綿が有する油剤が脱落しているので、一般に
紡績時に紡績油剤が付与される。本発明に用いる紡績油
剤の付与量は、従来のカーペット製造時の1/4以上1
/2以下の範囲が適当である。言いかえれば、染色綿1
00重量部あたり、2から4重量部が適切である。これ
は、防ダニ剤および抗菌防臭剤、ならびに樹脂バインダ
ーがパイル糸中に含有されるため、油剤量は上記で十分
であり、逆に油剤が多すぎると繊維表面で該油剤、防ダ
ニ剤および抗菌防臭剤がべたつきを生じ、防ダニ・抗菌
防臭性に関しても性能低下をもたらす恐れのあるためで
ある。紡績油剤の付与量は、パイル糸に用いる染色綿と
非染色綿との比率、防ダニ剤および抗菌防臭剤が予備固
着している加工綿のパイル糸中の比率、防ダニ剤および
抗菌防臭剤の濃度、紡績油剤の性質などに依存する。
【0019】本発明では、上記パイル糸を熱処理した後
にこれを用いてカーペットを調製するか、または該パイ
ル糸を用いてカーペットを調製する間に、または調製し
た後に熱処理が行われる。このことにより、上記防ダニ
剤および抗菌防臭剤は上記単繊維に固着される。この熱
処理は、120℃以上150℃以下の温度範囲で、2分
以上5分以下の時間で行われる。熱処理の温度が120
℃未満では固着が不十分であり、150℃より高いと変
色する。好ましくは、固着および変色の防止が容易であ
ることから120℃以上140℃以下の範囲で熱処理す
る。熱処理の時間が2分未満では固着が不十分であり、
5分を越えると経済的に不利である。好ましくは、固着
が容易で、かつ経済性に優れることから3分以上5分以
下の範囲で熱処理を行う。この熱処理は所定の加熱装置
により行われるか、あるいは従来のカーペット製造工程
で発生する熱を利用して行われる。カーペットは一般
に、上記パイル糸を1次基布にタフティングおよび製織
し、補修してカーペット原反を得、SBRラテックスな
どを用いてゴム張りまたは2次基布張合せの加工が行わ
れ、さらにシャーリング、縫製することにより得られ
る。これらの工程(例えば2次基布を張り合わせる工程
など)において通常加えられる熱により熱処理が行われ
得る。しかし、上記工程が120℃を下まわる温度で行
われる場合には、適当な工程において上記温度範囲での
熱処理を別に行わなければならない。熱処理時に、その
熱処理条件下において架橋し得る樹脂バインダーが付与
されていることがさらに望ましい。上記工程により本発
明の防ダニ・抗菌防臭性カーペットが得られる。
【0020】このカーペットにおいては、防ダニ剤およ
び抗菌防臭剤がパイル糸の単繊維表面に、樹脂バインダ
ーにより効果的に固着されているため、防ダニおよび抗
菌防臭性が長期間持続し得る。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0022】(実施例1)原綿としてアクリル繊維「エ
クスラン」〈東洋紡(株)製〉のブライドタイプ繊維7
デニールの繊維長76〜140mmのバリアブルカット
のものを用いた。この原綿を、一般カーペットと同様に
オーバーマイヤー型綿染色機を用い、カチオン染料にて
中間色グレーの色相に染色した。染色後、遠心脱水機に
て、含水染色綿を得た。これは、原綿100重量部に対
し水分15重量部を含む。
【0023】防ダニ剤1.0重量部、抗菌防臭剤1.0
重量部、および樹脂バインダー1.0重量部を電子秤で
正確に秤量し、混合した。該防ダニ剤、抗菌防臭剤、お
よび樹脂バインダーの混合物3重量部を、水を希釈液と
して5倍に希釈し、希釈加工液15重量部を得た。防ダ
ニ剤および抗菌防臭剤としては、安息香酸/パラ安息香
酸ブチルを主成分とした防ダニ剤(大和化学工業(株)
製、アニンセンCBP)、およびトリクロロカルバニリ
ドを主成分とした抗菌防臭剤(大和化学工業(株)製、
アモルデンMCM400)をそれぞれ用いた。樹脂バイ
ンダーとしては、アクリル酸エステル系エマルジョン樹
脂(大日本インキ化学工業製、ボンコート3020)を
用いた。
【0024】上記含水染色綿に、スプレー方式で、原綿
に対して上記希釈加工液が15%o.w.f.となるように
(つまり、原綿に対して防ダニ剤が1%o.w.f.、抗菌防
臭剤が1%o.w.f.、そして樹脂バインダーが1%o.w.f.
となるように)希釈加工液を作用させた。このとき染色
綿の供給とスプレー量を流量計で管理しながら作用させ
た。予備熱処理は、サクションコンベアー式乾燥機(寿
工業(株)製)を用い、125℃、2分の条件下で実施
し、水分を含まない加工綿を得た。
【0025】上記予備熱処理した加工綿を35重量%、
および無加工の原綿65重量%を混綿した。混綿した原
料100重量部に、紡績油剤として丸菱油化工業(株)
製セミ梳毛油剤ケミロン−1016の標準処方0.6重
量部を付与し、そして静電防止剤エリミナ808を0.
2重量部、および水を5重量部付与した。次いで、1昼
夜のエージング後、紡績機に投入した。ここで通常のセ
ミ梳毛紡績紡出条件下で、メートル番手(Nm)=1/
S、撚数195T/Mのパイル糸を紡糸した。コーン
アップを通過させ、1/10Gカットパイルタフティン
グ機を用いて、パイル高さ9mm、ステッチ長12段/
インチ、パイル目付700g/m2になるように、ポリ
プロピレン製第1次基布にタフティングしてカーペット
原反を調製した。
【0026】作製したカーペット原反に、4室ピンテン
タータイプ熱風式裏張り乾燥機(井上金属(株)製)を
用い、ラテックスとしてSBRラテックスを用いたジュ
ート製第2次基布を裏張りした。このとき、上記乾燥機
内で140℃、4分の熱処理を同時に行って、防ダニ
剤、抗菌防臭剤、および樹脂バインダーを固着させた。
そして、シャーリングおよび縫製を行って、実施例1の
防ダニ・抗菌防臭性カーペットを得た。
【0027】(実施例2〜9)原綿に対する防ダニ剤、
抗菌防臭剤、および樹脂バインダーの作用量、加工綿お
よび無加工の原綿の混綿割合、および紡績油剤の付与量
を、表1に示すように変化させたこと以外は実施例1と
同様にして、各実施例の防ダニ・抗菌防臭性カーペット
を調製した。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例10)防ダニ剤、抗菌防臭剤、お
よび樹脂バインダーの混合物3重量部を、水を希釈液と
して希釈し、希釈加工液50重量部を得たこと、含水し
た上記染色綿に、パットニップ方式で、原綿に対して上
記希釈加工液が50%o.w.f.となるように(つまり、原
綿に対して防ダニ剤が1%o.w.f.、抗菌防臭剤が1%o.
w.f.、そして樹脂バインダーが1%o.w.f.となるよう
に)希釈加工液を、ニップ圧を調節しながら作用させた
こと、予備熱処理を125℃、4分の条件下で実施し、
水分を含まない加工綿を得たこと以外は実施例1と同様
にしてカーペットを調製した。
【0030】(実施例11〜18)原綿に対する防ダニ
剤、抗菌防臭剤、および樹脂バインダーの作用量、加工
綿および無加工の原綿の混綿割合、および紡績油剤の付
与量を、表1に示すように変化させたこと以外は実施例
10と同様にして、各実施例の防ダニ・抗菌防臭性カー
ペットを調製した。
【0031】(比較例1)防ダニ剤、抗菌防臭剤、およ
び樹脂バインダーを付与固着しなかったこと以外は実施
例1と同様にしてカーペットを調製した。
【0032】(比較例2)防ダニ剤、抗菌防臭剤、およ
び樹脂バインダーを付与固着しなかったこと以外は実施
例1と同様にしてカーペット原反を得た。このカーペッ
ト原反に、4室ピンテンタータイプ熱風式裏張り乾燥機
を用いて(該乾燥機の入口にスプレー装置を取り付け
た)、スプレー方式で、希釈加工液(実施例1と同様の
調製方法から得られる)をパイル糸に対して20%o.w.
f.となるように(つまり、パイル糸に対して防ダニ剤が
0.6%o.w.f.、抗菌防臭剤が0.6%o.w.f.、そして
樹脂バインダーが0.6%o.w.f.となるように)作用さ
せながら、ラテックスとしてSBRラテックスを用いた
ジュート製第2次基布を裏張りした。このとき、上記乾
燥機内で140℃、4分の熱処理を同時に行い、防ダニ
剤、抗菌防臭剤、および樹脂バインダーを固着させた。
そして実施例1と同様にシャーリングおよび縫製を行っ
て、比較例2の後加工カーペットを得た。
【0033】(性能評価) 紡績通過性:上記実施例1〜18および比較例1〜2
において得られた各カーペットの紡績通過性を評価し
た。この際、カード、ギル、精紡各工程での、比較例1
で得られたカーペットの紡績通過性を○:良好とし、こ
れに対しての各通過性を○:良好、△:やや不良、×:
不良として評価した。その結果を、上記表1に示す。
【0034】防ダニ性:上記実施例1〜18および比
較例1〜2において得られた各カーペット、および、こ
れらのカーペットをJIS−L−0217 103法に
基づいて洗濯を3回行った各カーペットの防ダニ性を、
コナヒョウダニを用いて、大阪府立公衆衛生研究所法に
基づくダニ忌避率(%)を測定することで評価した。測
定したダニ忌避率(%)を、上記表1に示す。
【0035】抗菌防臭性:上記実施例1〜18および
比較例1〜2において得られた各カーペット、および、
これらのカーペットをJIS−L−0217 103法
に基づいて洗濯を3回行った各カーペットの抗菌防臭性
を、黄色ぶどう状球菌を用いて、JIS−L−1092
法の菌数測定法(SEK法)に基づく菌の増減値差(lo
gB/C)を測定することで評価した。測定した菌の増減値
差(logB/C)を上記表1に示す。
【0036】表1から、本発明によって、優れた防ダニ
性および抗菌防臭性を有し、洗濯を行ってもその性能が
失われず、効果が持続している、防ダニ・抗菌防臭性カ
ーペットが得られることが分かる。
【0037】実施例で行った予備熱処理による乾燥で水
分を含まないことは、表2に示す評価によって確認され
得る。表2では、遠心脱水後して得られる含水染色綿
(原綿100重量部に対して15重量部の水分を含有す
る)に、希釈加工液(原綿に対して、防ダニ剤1.0%
o.w.f.、抗菌防臭剤1.0%o.w.f.、および樹脂バイン
ダー1.0%o.w.f.となるように)を作用させた後、こ
れをサクションコンベアー式乾燥機(寿工業(株)製)を
用いて予備熱処理したときに、上記含水染色綿が水分を
含まなくなったものを○、まだ水分を含むものを×とし
ている。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によって、カーペットを製造する
従来の工程において、特別な方法や条件を用いずに、優
れた防ダニ性および抗菌防臭性を有する、防ダニ・抗菌
防臭性カーペットの製造方法およびそれにより得られる
カーペットが提供される。このようにして製造されるカ
ーペットは、その製造工程で加工ロスが少なく、経済性
にも優れる。本発明のカーペットには、樹脂バインダー
が単繊維に固着しているため、防ダニ・抗菌防臭性に優
れ、洗濯などによってもその効果が長期間にわたり持続
し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のカーペットの製造工程を示す説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47G 27/00 - 27/06 D06M 10/00 - 11/84 D06M 16/00 D06M 19/00 - 23/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(A)、(B)、(C)、および
    (D)の工程を包含する、防ダニ・抗菌防臭性カーペッ
    トの製造方法: (A)原綿の単繊維の表面に、難溶性かつ低揮散性の防
    ダニ剤および抗菌防臭剤を、該単繊維に対し、それぞれ
    0.02%o.w.f.以上3.0%o.w.f.以下
    の割合で、樹脂バインダーとともに作用させて付与する
    工程; (B)該防ダニ剤、抗菌防臭剤および樹脂バインダーが
    付与された単繊維を100℃以上140℃以下の温度範
    囲で、1分以上5分以下の時間で予備熱処理して加工綿
    を得る工程; (C)該加工綿を含有するパイル糸を調製する工程;お
    よび (D)該パイル糸を用いてカーペットを調製する間に、
    または調製した後において120℃以上150℃以下の
    温度範囲で、2分以上5分以下の時間で熱処理を行う工
    程。
  2. 【請求項2】 原綿の単繊維の表面に、難溶性かつ低揮
    散性の防ダニ剤および抗菌防臭剤、ならびに樹脂バイン
    ダーを付与し、100℃以上140℃以下の温度範囲
    で、1分以上5分以下の時間で予備熱処理して得られる
    単繊維を含有するパイル糸を用いて調製されるカーペッ
    トであって、 該防ダニ剤および抗菌防臭剤が、該単繊維100重量部
    に対し、それぞれ0.02重量部以上3.0重量部以下
    の割合で担持されており、かつ該防ダニ剤および抗菌防
    臭剤、ならびに樹脂バインダーが該パイル糸を用いてカ
    ーペットを調製する間に、または調製した後において1
    20℃以上150℃以下の温度範囲で、2分以上5分以
    下の時間で加熱処理されることにより該単繊維に固着さ
    れている、防ダニ・抗菌防臭性カーペット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101496898B1 (ko) * 2014-07-10 2015-03-09 송천덕 피부자극이 없는 친환경 원단 및 그 제조방법

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