JP2006515905A - 洗濯耐久性汚れ放出特性および水分吸収特性を示すフルオロケミカル含有テキスタイル仕上げ剤 - Google Patents

Abstract

対象の布帛基材に汚れ抵抗（すなわち汚れ放出）特性および水分吸収特性を同時に付与する洗濯耐久性フルオロケミカル含有テキスタイルおよび／または繊維処理が提供される。フルオロケミカルは一般的に、水分吸収能力よりもむしろ水分をはじく性質を提供するので、そのような処理が対象の布帛および／または繊維にそれら２つの同時の効果を付与することは驚くべきことである。これまでの汚れ放出／水分吸収処理は適切に機能しないかまたは処理の適用後にある種の対象のテキスタイルの風合いまたは他の特性を相殺するので、そのような目的のための新たな有効な汚れ放出／水分吸収配合物が必要であった。本発明の処理は、そのような布帛基材に非常に耐久性を持たせる。相当な回数の標準的な洗濯および乾燥の後、その処理は感知し得る程度にはなくならず、従って、基材はその汚れ放出／水分吸収特性を維持する。対象の糸、繊維、および／または布帛への付着の方法は、いくつかの方法で、もっとも好ましくは、ジェット染色システムの利用を通してか、または水蒸気移行方法を通してかで実施され得る。特定の付着方法、ならびに処理されたテキスタイル基材および個々の繊維もまた本発明に包含される。

Description

関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、２００２年１２月１７日に出願された共に係属する出願１０／３２１，９０７の一部継続出願である。この特許出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。

発明の分野
本発明は、汚れ放出特性および水分吸収（moisture wicking）特性を同時に提供する洗濯耐久性フルオロケミカル含有テキスタイルおよび／またはテキスタイル処理に関する。フルオロケミカルは一般的に水分吸収能力よりもむしろ撥水性を提供するので、そのような処理が対象の布帛および／または繊維にそれら２つの同時の効果を与えるのは驚くべきことである。これまでの汚れ放出／水分吸収処理は適切に機能しないか、または処理の適用の後ある種の対象テキスタイルの風合いまたは他の特性を相殺してしまうので、そのような目的のための新たな、有効な汚れ放出／水分吸収配合物が必要とされていた。本発明の処理は、そのような布帛基材において極度に耐久性がある。相当の回数の標準的な洗濯と乾燥の後、処理は、それほどは消耗せず、従って、基材は、その汚れ放出／水分吸収特性を保持する。対象の糸、繊維および／または布帛への付着の方法は、いくつかの方法、もっとも好ましくはジェット染色システムの利用を通して、または水蒸気移行法（steam transfer method）を通して行うことができる。付着させる個々の方法ならびに処理された布帛および個々の繊維もまた本発明に包含される。

先行技術の説明
特に、衣料、食卓用白布（napery）、および他の同様の販売領域（以下の米国特許：３，３７７，２４９；３，５４０，８３５；３，５６３，７９５；３，５７４，６２０；３，５９８，６４１；３，６２０，８２６；３，６３２，４２０；３，６４９，１６５；３，６５０，８０１；３，６５２，２１２；３，６６０，０１０；３，６７６，０５２；３，６９０，９４２；３，８９７，２０６；３，９８１，８０７；３，６２５，７５４；４，０１４，８５７；４，０７３，９９３；４，０９０，８４４；４，１３１，５５０；４，１６４，３９２；４，１６８，９５４；４，２０７，０７１；４，２９０，７６５；４，０６８，０３５；４，４２７，５５７；および４，９３７，２７７のいずれかにおけるような。従ってそれらの特許は参照により本明細書に組み込まれる）において、合成繊維を含むテキスタイルを受け入れさせようとして長い間非常に多くの努力がなされてきた。特に、廉価であり、大量供給で利用可能なポリエステル系布帛は、水分吸収特性（衣料用布帛としての着用者の快適さのために、または食卓用白布のような用途のために、または使用者の衣服または皮膚への移行を防ぐために望ましからぬ液体または他のこぼれた液体の付着を許容する能力のためにかのいずれかのために）ならびに汚れ放出特性（個々の布帛基材の洗浄の容易さのために）を付与するために改良を必要としてきた。一般的に、上述されたように、そのような合成繊維、糸および／または布帛、特にポリエステルを含むものは、そのような水分吸収特性および汚れ放出特性を示さない。従って、そのような合成布帛（または１つの非限定的な例としてポリエステル／コットンブレンドにおけるような少なくともいくつかの合成成分を含む布帛）を改良する必要が存在する。

しかしながら、対象の合成糸含有布帛に対してそのような必要な特性を付与する能力についてでも、他の問題も解決していなくてはならない。例えば、風合い、一般的感触、および布帛のテクスチャーは、多くの布帛の最終用途について非常に重要である。ある種の表面処理の適用は、水分吸収特性および汚れ放出特性が提供されても、風合い特性に有害な影響を与え得る。したがって、どのような表面改良処理も、対象の合成系布帛の風合いまたは他の同様の物理的特性を相殺することなしに望ましい化学的特性を付与することが重要である。さらに、すべてではなくともほとんどの、そのような合成系布帛の最終使用者にはしみおよび汚れの除去のために洗濯が必要であるので、表面改良処理が使用および／または洗濯を通して容易に除去されず、購入者にとってそのような布帛のコストに見合った使用を可能とするために長時間の信頼性のある汚れ放出、水分吸収、および風合い特性（少なくとも）を最終的に示すことにおいてそのような布帛が洗濯耐久性を示すこともまた重要である。

主要な問題は、ポリエステル繊維のテキスタイル材料から作られた衣服の親油的性質による、通常の家庭でのおよび／または工業的な洗濯手順を用いてのポリエステル繊維から作られた布帛の洗浄の困難性である。したがって、汚れたテキスタイルの汚れおよび／または油性付着物がそのような家庭での洗浄手順により容易に除去されるように、ポリエステル繊維から作られたテキスタイル材料の親油特性を変えるために多くの努力がなされてきた。しかしながら、テキスタイルの親油特性の変更においては、対象の布帛の着用者または使用者に対して不快感をもたらすように布帛の風合いが硬質にならないことを保証するように注意がなされなければならない。

合成布帛の汚れの問題の解決の試みにおいては、結果として、相当数の研究が過去になされてきた。さらに、所望の汚れ放出特性および所望の風合い特性を有するブレンドを作るために合成繊維および天然繊維を含むブレンドの使用に多くの努力がなされてきた。従って、非親油性である、すなわち繊維への汚れまたは油性物質の付着を遮断し得るコーティングで繊維コートすることによりポリエステルのような合成繊維の親油特性を減少させる試みがなされてきた。テキスタイル材料を構成する繊維の周りにフィルムを形成することが可能である多くのポリマーシステム、特に不飽和の反応点を有する有機酸から調製される酸エマルジョンポリマーが提案されている。そのような酸エマルジョンポリマーの典型は、米国特許第３，３７７，２４９号に記載されており、そこでは、直鎖ポリエステル繊維の汚れ放出および耐久プレス特性が、アミノプラストテキスタイル樹脂、テキスタイル樹脂触媒および合成酸エマルジョンポリマーを含む混合物の適用により改善されている。そのように適用されて得られる樹脂組成物はその後硬化される。

加えて、通常の家庭での洗濯操作の間の合成繊維の汚れ放出特性を改善するための努力もなされてきた。そのようなプロセスは、米国特許第３，７９８，１６９号において記載されており、そこでは、約１１０〜１７５の酸当量を有するポリカルボキシレートポリマーを、多価金属の水溶塩の使用により、そのようなポリマーを含む希釈溶液から沈殿させている。従って、溶液のポリマーは、家庭での洗浄プロセスにおける最後のすすぎサイクルの間に布帛上に蓄積される。

しかしながら、先行技術によりこれまで進歩してきた上記のおよび多数の他のプロセスおよび組成物の観点においてさえ、研究は、常に、ポリエステルテキスタイル材料で作られた衣服が家庭での洗浄操作および商業的な洗浄プロセスの両方において容易に洗浄されるように、ポリエステル繊維およびそれから作られるテキスタイル材料に耐久性のある汚れ放出特性を付与するための新たな改善された組成物およびプロセスを開発するようになされてきた。従って、本発明の教示により、ポリエステル繊維のテキスタイル材料から製造される衣服の使用について歴史的に存在する問題は実質的に軽減され、持続的な汚れ放出特性が達成される。

前述の風合いの問題の非限定的な例として、有効な水分吸収特性および良好な風合い特性を示す、高密度フィラメント織物（tightly woven filament fabric）、紡績糸を含む布帛、マイクロデニール布帛、フラット布帛、および不織（フィラメント、マイクロデニールおよび／またはステープル繊維）布帛構造のような形態の合成繊維で構成される新しいある種の布帛が伝統的に提供されてきたか、または最近開発されている。特に、高密度フィラメント繊維織物および／または紡績糸含有布帛は、ポリエステル系テキスタイルについては、これまで見られなかった風合いのレベルを提供するように思われる。不運にも、上記のそのような織および不織タイプの布帛の汚れ放出特性は、広範な用途（例えば、食卓用白布目的）を可能とするのに必要な程度にはなっていない。上記のように、ある種の対象の加工ポリエステル系布帛に上記の所望の化学的および物理的性質を付与する典型的なポリエステル処理（例として、米国特許第３，７９８，１６９号および第３，３７７，２４９号のような）が存在する。しかしながら、処理が、必要な耐久性（汚れ放出特性または水分吸収特性のいずれかの）を欠いているか、または処理された布帛の風合い特性が最終使用者による適切な利用について非常に大きく減殺されているかいずれかであるので、それらの特定のタイプの問題となっている上記の織布および／または不織布（例えば、高密度フィラメント織物および／または紡績糸含有布帛）は、そのような伝統的なポリエステル処理と合致しない。さらに、いくつかの状況において、もし対象の布帛がまず工業的に洗浄されず、単にすぐに特性を失うだけならば、水分吸収特性および汚れ放出特性の必要なレベルは、得られない。

従って、標準レベル（すなわち、５回の標準的な工業的洗濯または好ましくは少なくとも１０〜２０回のそのような洗濯）を超える洗浄耐久性とともに、同じ対象布帛の風合いまたは他の同様の特性に有害に影響を与えもしない、合成系布帛にそのような必要とされる汚れ放出特性および水分吸収特性を達成させるための新しいタイプの処理を提供する必要が存在する。現在まで、この特定の先行の用途に合致する処理タイプのみがアミノプラスト、ポリカルボン酸、スルホン酸塩化および／またはエトキシル化ポリエステルおよび他のタイプの技術に基づいて存在した。これまで、高密度フィラメント繊維織物、紡績糸含有ポリエステル布帛、ポリエステルマイクロデニール布帛、合成不織布、合成フラット繊維含有布帛等に対し特有の表面改良処理が開発されておらず、その件については、表面処理は、その目的またはいずれか他の目的のためにフッ素系化学物質を含まず、最終製品は、合成系布帛についての上述されたすべての重要な要求事項のすべてに合致する布帛ではない。したがって、合成系繊維、糸および／または布帛へのそのような特定の表面改良処理配合物および適用についての大きな必要が存在する。

発明の説明
それゆえ、本発明の目的は、許容可能な風合いのレベルを有する洗濯耐久汚れ放出特性および水分吸収特性を示す高密度合成フィラメント織物および／または紡績糸含有ポリエステル布帛（または前述された他の独特の布帛構造のいずれか）で形成されるテキスタイル材料を提供することである。本発明のさらにもう１つの目的は、紡績合成糸、高密度フィラメントポリエステル繊維織物、マイクロデニールポリエステル繊維、不織合成繊維、フラットな非加工合成繊維（flat non-textured synthetic fibers）、互いのまたは天然もしくは合成繊維の他のタイプとのいずれかのブレンドで形成されるそのような特定の繊維材料に持続的な汚れ放出特性を付与するための方法を提供することである。加えて、更なる目的は、合成系布帛にそのような所望の洗濯耐久特性を付与するフルオロ化学系繊維処理配合物を提供することである。

従って、本発明は、少なくとも２５重量％（好ましくは少なくとも５０％、より好ましくは少なくとも７５％、およびもっとも好ましくはすべて合成繊維）の合成繊維成分を含む処理されたテキスタイル基材であって、該基材は少なくとも１種のフルオロケミカルにより処理され、該基材はＡＡＴＣＣ試験方法１３０−２０００により測定して３．０以上の汚れ放出特性および水滴表面展延試験（water-drop surface spreading test）プロトコールにより測定して１０秒以下、好ましくは６秒以下の水分吸収特性を示し、前記汚れ放出特性および前記水分吸収特性が少なくとも５回の工業的な洗濯（プロトコールは以下でより詳しく定義される）に供した後に前記基材により示されるところの処理されたテキスタイル基材を包含する。また、そしてその代わりに、本発明は、少なくとも２５％のポリエステル繊維を含む処理されたテキスタイル基材であって、該繊維は、高密度織成フィラメント合成糸、紡績合成糸、１．０以下の平均デニールの合成マイクロデニール糸、不織合成繊維、フラットな非加工合成糸、およびそのようないずれかの糸の互いのまたは天然もしくは合成繊維もしくは糸のいずれか他のタイプとのブレンドからなる群より選択される形態で基材中に存在し、該基材は、ＡＡＴＣＣ試験方法１３０−２０００により測定して３．０以上の汚れ放出特性として測定される汚れ放出特性および水滴表面展延試験プロトコールにより測定して１０秒以下、好ましくは６秒以下の水分吸収特性を示し、前記汚れ放出特性および前記水分吸収特性が少なくとも５回の工業的な洗濯に供した後に前記基材により示されるところの処理されたテキスタイル基材を包含する。そのような発明は、そのような発明により処理された基材を製造する異なる方法もまた包含する。上記洗濯耐久性試験は標準的なものであり、当業者によりよく理解されているものであるので、本発明における要求事項または限定を意図しない。そのような試験方法は単に、そのような試験方法による５回の洗浄の際の（好ましくは１０回を超えるような５回より多く、より好ましくは２０回のそのような工業的洗浄のようなより多く）、本発明により処理された基材が相当程度にその汚れ放出および／または水分吸収仕上げを喪失しない標準を提供しているだけである。

先行技術のどこにも、そのような具体的な処理された基材またはその製造方法は開示されても、利用されても、明確に示唆されてもいない。本明細書に教示されているのと同じ汚れ放出および水分吸収耐久性仕上げの発明を開示していない最も近い技術は、米国特許第３，５７４，７９１号、第４，００７，３０５号、第４，６９５，４８８号および第６，３８３，６３３号に含まれている。

ある種の合成成分が本発明のテキスタイル基材中で要求されているので、いずれかそのような合成糸、布帛、またはフィルムが本出願での基材として利用され得る。従って、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアラミドなどまたはそれらの繊維タイプの組み合わせ、または代わりに綿、羊毛、ラミーなどのような天然繊維とのブレンドのいずれかが対象の基材を構成しうる。例えば、要求される合成タイプについては、その中にいずれの限定を意図することも無く、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニルのようなハロゲン化ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリ（乳酸）、およびポリ（ブチレンテレフタレート）のようなポリエステル、ポリエステル／ポリエーテル、ナイロン６およびナイロン６，６のようなポリアミド、ポリウレタンならびにそのようなモノマーのいずれかの組み合わせとしてのホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーなどが本発明において利用され得る。ナイロン−６、ナイロン−６，６、ポリプロピレン、およびポリエチレンテレフタレート（ポリエステルの１つ）が特に好ましい。加えて、対象の布帛は、以下に詳細に列挙されるものを含むいずれかの数の異なるフィルムでコートすることができる。さらに、基材は、例えば、ポリ（オキシアルキレン化）着色料、ならびに顔料、染料、色味剤などのようないずれかのタイプの着色料により最終使用者のために他の審美的特徴を付与するために染色または着色され得る。帯電防止剤、明白化合物、核形成剤、抗酸化剤、ＵＶ安定化剤、抗微生物剤、フィラー、パーマネントプレス仕上げ剤、ソフナー、潤滑剤、硬化促進剤などを含む他の添加剤も対象の布帛または糸上におよび／またはそれらの中に存在し得る。

本処理は、必要とされる汚れ放出特性を付与するために少なくとも１種のフルオロケミカル化合物ならびに必要とされる水分吸収特性を同時に付与する少なくとも１種の他の化合物および／またはポリマーを含まなければならない。そのような特定の水分吸収用途における過去のフルオロケミカル処理の利用での問題は、そのような成分は、本来的にそして非常に撥水性であるということである。結果として、同時に必要とされる汚れ放出特性および水分吸収特性を付与するための過去におけるそのようなフルオロケミカル処理の能力は、少なくとも工業的な洗濯耐久性が同時に示される程度には、控えめにいっても存在しなかった。最も近い技術は、フルオロケミカル含有繊維仕上げ剤についての最良の初期の洗濯されていない状態での同時の汚れ放出特性および水分吸収特性を教示する。しかしながら、そのような仕上げは非耐久性であり、いったん工業的な洗濯がなされると容易に除去されてしまう。

驚くべきことに、このたび、そのようなフルオロケミカル成分および上記少なくとも１種の他の水分吸収化合物および／またはポリマーのある種の組み合わせおよび適用手順は、実際に、特に洗濯耐久性基準で所望される二重特性（汚れ放出および水分吸収）結果が達成され得る程度に布帛基材および表面に適用され得ることが見出された。やはり、過去においては、そのようなフルオロケミカル処理を合成布帛基材に適用することおよび水分吸収結果を達成することは、本質的に克服し得ない問題であった。従って、たとえ、そのような処理が汚れ放出特性の観点では受け入れやすいことであっても、水分吸収最終用途のためにそのようなフルオロケミカル処理を利用することは、本技術の通常の当業者にとっては合理的な基準は存在しなかった。しかしながら、新しい高密度織成糸および／または紡績糸ポリエステル布帛の適用の出現、および典型的な先行技術の汚れ放出／水分吸収処理配合物によりそのような基材を持続性を持って処理することの困難性は、ある種の組み合わせおよび／または処理手順が、少なくともそれらの特定の高密度織成糸および／または紡績糸に基づくポリエステル布帛基材へのいずれかのそのような汚れ放出技術の適切な適用のためのフルオロ化学に基づく処理を許容するのみならず、明らかに必要とするという発見に導いた。従って、出発点として、この特定の最終用途布帛を利用すると、他の最終用途布帛は、異なるテキスタイルに同様にそれらの耐久特性を付与するためにそのようなフルオロ化学に基づく処理により処理され得ることがさらに実現することとなった。

従って、本発明の観点におけるフルオロケミカルという用語は、合成繊維（１つの非限定的な例としてポリエステル）に工業的な洗浄耐久性および汚れ放出特性を付与する、炭素−フッ素結合を有する少なくとも１つの基を含む少なくとも１つのモノマーまたは側基を含むいずれかの化合物および／またはポリマーを含むことを意図している。好ましいけれども非限定的なこのタイプのフルオロケミカルには、前述の少なくとも１つの炭素−フッ素含有基および親水性の側基またはモノマーを含む化合物および／またはポリマーが含まれる。一般的に、フッ素化された化合物および／またはポリマーは、もしそのような親水性基またはモノマーが実際に存在しないならば、テキスタイルの表面の汚れ放出特性を示さない。親水性モノマーまたは側基（限定ではなく可能なものとして、酸官能基、酸塩、塩基官能基、アミド、ウレタン、水酸基、オキシアルキレン化基などのような）は、ある程度の親水性を提供するために存在し得る。この性質のほとんどの汚れ放出フルオロケミカルは、フルオロケミカル化合物および／またはポリマーの中にフッ素含有アクリレートコポリマー、ウレタン、アミドコポリマー、ポリエーテル、スルホニルアミド、などを含む。しかしながら、一般的には、そのような成分のフッ素化部分は、必要とされる汚れ放出特性が化合物および／またはポリマーの中に含まれる必要な親水性部分とともにこのフルオロケミカルを介して提供される程度に汚れをはじく性質（汚れ放出と比較して）（および全構造のそのような潜在的疎水性）の観点で有意義である。いくつかの具体的な、好ましいけれどもやはり限定ではないフルオロケミカルポリマーは、ユニダイン（登録商標）ＴＧ−９９２およびユニダイン（登録商標）ＴＧ−９９３の商品名の下でダイキンから、ならびに、商品名リパール（登録商標）ＳＲ−１１００の下でミスビシから入手可能である。この本発明の仕上げ剤のためのフルオロケミカル成分としての他の可能なものには、やはり、限定ではなく、単にそのような目的のための潜在的に好ましい材料として提供されるゾニル（登録商標）７９１０または９２００（ともにデュポン由来）、ＦＣ−２５８またはＰＭ−４９０（ともに３Ｍ由来）、およびベイガード（登録商標）ＳＯＣまたはＷＳＲ（ともにバイエルから入手可能）が含まれる。そのようなフルオロケミカルは、いくつかの親水性部分ならびに合成布帛のための極めて望ましい汚れ放出能力を示すと思われる。やはり、他のフルオロケミカル化合物および／またはポリマーが、そのようなフルオロケミカルが対象の合成繊維系布帛に必要なレベルの汚れ放出特性を付与する限りこの本発明の配合物の中で利用され得る。

このように、そのようなフルオロケミカル成分は、必要な汚れ放出特性をもたらす。しかしながら同時に、洗浄耐久性水分吸収特性も同様に必要なままである。同時に、前述のフルオロケミカルによる対象布帛への典型的な親水性ポリマー処理の多数の異なる代替物または組み合わせの包含を通してこのことが達成される。そのような親水性試薬には、他の潜在的な親水性成分の中でも、限定ではないが、エトキシル化ポリエステル、スルホン化ポリエステル、セルロースエーテル、エトキシル化ポリアミド、酢酸ビニルと親水性架橋剤のコポリマーが含まれる。具体的には、そのような添加剤は、イーストマン・ケミカルからイーストマンＷＤサイズ，ルブリルＱＣＸ、ダウケミカルからメトセル（登録商標）Ａ−ＬＶなどの商品名の下で市販されていて入手可能である。非限定的ではあるけれども、それらの好ましい例は、要求される汚れ放出フルオロケミカルポリマーの存在下でさえ、対象の合成繊維系布帛に良好な水分吸収特性を提供することが見出されている。それらの親水性成分は、一般的に、水性分散液中に存在する（約５〜６０％固形分含量、好ましくは１０〜４０％固形分含量、もっとも好ましくは約１２〜２０％固形分含量で）。

特に、対象の合成系布帛表面上への同時のそれら２つの成分の放出は、最終使用者による長期の有効利用のために必要とされる工業的な洗濯耐久性レベルに汚れ放出および水分吸収の両方の好ましい性能レベルを付与することが見出された。やはり限定ではないが、特に好ましいことは、ジェット染色適用方法により対象布帛上のそのような多成分仕上げ処理を適用することである。単純なパディング法がよりコストに見合い、非フルオロケミカル含有ポリエステル（および他の同様の合成布帛用）処理配合物について信頼性があるとき、そのようなジェット染色適用の利用は、これまで、コストおよび一般的なそのような要求されるプロセス工程の利用不可能性のために、フルオロケミカル仕上げ剤（少なくとも）を通して布帛、もちろん合成系布帛にそのような特性を付与するためにはなされてこなかった。いずれか特定の科学的理論に拘束されることは意図しないが、そのようなジェット染色適用方法は、対象の繊維および布帛表面に２つの要求される成分が存在することを可能とし、それによりフルオロケミカル（したがって汚れ放出特性）および親水性添加剤（したがって水分吸収特性）のための雰囲気暴露のための理論的に等しい数の部位・場所が同時に存在し得る処理を提供することが考えられる。そのような様式においては、両方の特性の最適レベルが、同様の数の（少なくとも理論上）親水性剤暴露部位とともにフルオロケミカル暴露部位での接触を通して汚れ放出特性が付与される程度まで達成され得ると考えられる。したがって、布帛全体にわたる完全な汚れの放出は、実際には起こり得ない。しかし、この様式における両方の成分のそのような理論的な状態については、もし基本的に知覚された大半（basic perceived majority）でないならば、実際の効果は、対象の布帛の実際の大半にわたる実質的な汚れの放出が達成されるということである。同様に、この明白な現象は、水分吸収成分についても利用可能である。

しかしながら加えて、両方のそれらの特定の成分のパディングにより付着するブレンドおよび／または組み合わせについては、特に耐久性の観点で、より少ない程度でではあるが、ある種の信頼性のある結果もまた得られることが見出されている。しかしながら、第１の層と続く層への適用は、表面での汚れを放出し、水分をはじく仕上げをもたらすか、または仕上げそれ自体についての洗濯耐久性の欠如をもたらす表面に位置する親水性処理をもたらすかのいずれかである。本発明の処理配合物の適用の更なる代替には、限定ではないが、同時のパッドコーティング（例えばパッドスティーミングのような）、スクリーンコーティング、スプレー、およびキスコーティング（特に糸への適用のために）が含まれる。とはいえやはり、それら２つの成分の同時の適用が、必要とされる工業的な洗濯耐久レベルの汚れ放出と水分吸収をもたらすことが要求されることは明らかである。

必要とされる成分の比率は、０．０５〜約１０重量％のフルオロケミカル成分の範囲と、範囲として非常に広く、少ない量が好ましい（すべて対象の布帛に付与される固形分の観点で、約０．０５〜約５％、もっとも好ましくは約０．１〜約２．５％）。親水性成分は、好ましい範囲が０．０５〜約１０％、より好ましくは０．０５〜５％、およびもっとも好ましくは０．３〜約２％（やはり、すべて対象の布帛の固体付着物の観点で）であるようないくらかの差異とともにフルオロケミカル成分とほぼ同じ基本的範囲の量（実質的に１：１の重量比の２つの成分がもっとも好ましく、０．５：５〜５：０．５およびその間のいずれかの比はあまり好ましくない）で存在すべきである。処理はまた、対象の布帛または糸の表面への適用の後に蒸発することを可能とするように比較的低い引火点を有する溶解、分散または他の同様の目的のための溶媒も含む。従って、水、Ｃ₁ 〜Ｃ₈ アルコールなどが、好ましくは、配合物全体の５０〜約９９重量％の量でこの目的のために存在し得る。やはり、上記のように、他の添加剤がさまざまの理由のために（例えば、分散）およびある種のあまり重要でない結果を達成するために同様に存在し得る。

選択された基材は、個別の糸、個別の繊維または糸を含む布帛（すでに被覆された糸である必要は無い）、またはフィルム（例として、単独で存在するかまたは布帛に積層されているかのいずれか）のいずれかであり得る。個別の繊維または糸は、天然繊維（綿、羊毛、ラミー、麻、リネンなど）、合成繊維（ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、アセテート、レーヨン、アクリルなど）および無機繊維（ガラス繊維、ホウ素繊維など）を含む布帛中での利用のためのいずれか典型的な起源のものであり得る。対象の糸は、いずれのデニールのものでもあり得、マルチフィラメントまたはモノフィラメントであり得、仮撚りされているか撚られているものであり得、撚り、溶融などを通して単一糸に複数のデニールの繊維またはフィラメントを含ませ得る。対象の布帛は、そのいずれかのブレンドを含む上記と同じタイプの糸で作られ得る。そのような布帛は、ニット、織、または不織形態を含むいずれか標準的な構造のものであり得る。

糸は、好ましくは、特定の布帛の中に組み込まれる。しかしながら、そのような糸のいずれか他の周知の利用が本発明の製品（カーペットのタフトのような）においてなされ得る。本発明の布帛はまた、限定ではないが、衣料、家具、ベッド、ワイプクロス、タオル、手袋、敷物、フロアマット、掛け布、テーブルクロス、バーランナー、布製バッグ、天幕、乗り物カバー、ボートカバー、テントなどを含むいずれか適切な用途において利用され得る。本発明のフィルムは、布帛上に存在し得るか、または他のタイプの基材などのための被覆として包装のために利用され得る。

発明の好ましい態様
フルオロケミカル処理
好ましいフルオロケミカル系処理は、一般的に、３つの要求される成分：フルオロケミカル、水分吸収成分、および溶媒（上記のようにいずれかの数の他の利用可能な添加剤も同様に有する）を含む。そのようなフルオロケミカル系処理は、一般的に、まず対象の布帛を洗浄し、整え、続いて、対象の布帛への同時の染色とフルオロケミカル処理の適用のためのジェット染色装置（ベルナーマチス由来）（これは、ミニジェット手順のためにはもっとも好ましい、しかしながら、本発明のためにいずれかの手段により限定されない）の中に布帛を配置することにより製造され、布帛基材に適用される。特定のフルオロケミカル処理配合物が、以下に提供され、その適用と、続く処理された布帛の分析が次に記載される。以下のそれぞれのジェット染色された試料は、対象の布帛にフォレストグリーンカラー（Ｌ＝３６．２４、ａ＝−１７．９０、ｂ＝６．３１、ｌ＝２、およびｃ＝１のＣＩＥＬＡＢ測定による）を付与するように標準的な染料配合物を含んでいた。そのような緑色の結果は、汚れとしみの存在を示すそのような色の感受性のために基材に適切な汚れ放出特性を付与するにはきわめて困難な基材を提供する。

従って、この配合は、仕上げの適用の前か、または同時に、以下のそれぞれの布帛試料に適用された（以下に＊で印をつけられていなければ、以下に列挙されたそれぞれの汚れ放出剤および親水性剤は水性分散液に実際に存在し、更なる付加的な溶媒を含まない。以下に＊で印をつけられたものは、パッド処理を可能とするように添加された水を含んでいた）。

これらの配合物は、ついで、対象の布帛に適用され、非限定的な特に好ましいタイプは、以下に詳しく説明され、そのような処理された試料の汚れ放出および水分吸収特性は、ついで、異なる洗濯間隔で評価される。上記の親水性剤は、すべて、略１５％固形分含量で水性分散液として存在していた。

特定の布帛基材は、ラブへの米国特許出願第１０，３０４，１７６号に記載されている新たなものである。具体的には、対象の布帛は、以下のように定義した（そして以下に布帛Ｉと称される）。

１００％ポリエステルフィラメント平織り布帛が提供された。布帛は、経糸方向に１／３００／１３６仮撚り加工糸および緯糸方向に３／１５０／６８仮撚り加工糸を有し、それは、インチあたり縦糸６０本およびインチあたり横糸４６本で織られていた。布帛は、通常の様式で製造され、乾燥された。

ついで、布帛は、その開示が参照により本明細書に含まれるともに譲渡された米国特許第６，２３３，７９５号に記載された種類の装置を用いてサンディングされた。布帛は、１１０ｐｓｉの初期張力で分あたり２０ヤードの速度で表面上向き形態で研磨ロールに供給された。布帛は、３００ｐｓｉの張力で連続処理ロールによりその表面について処理された。研磨ロールは、上記参照される特許において記載される種類の粒度４００ダイアモンド被覆ロールであった。研磨ロールは、設定されたパーセンテージの機械速度で時計回りまたは反時計回りの方向に回転させられた。第１は、１８００の回転比で反時計回りに回転させられ、第２は１７８０の回転比で時計回りに回転させられ、第３は１８００の回転比で反時計回りに回転させられ、第４は１７８０の回転比で時計回りに回転させられた。ついで、布帛の背面は同様に連続ロールにより処理された。第１は２０００の回転比で時計回りに回転させられ、第２は１９８０の回転比で反時計回りに回転させられ、第３は２０００の回転比で時計回りに回転させられ、第４は１９８０の回転比で反時計回りに回転させられた。最後のロールの中の張力は、１５０ｐｓｉであった。

次いで布帛は、エメリーらへのともに譲渡された米国特許出願第０９／３４４，５９６号において記載されている種類の流体処理装置において処理された。

７８インチ幅であり、約６ｏｚ／ｓｑ ｙｄの重量を有していた布帛はパッドを通して引かれ、８０ｙｄｓ／ｍｉｎの速度で油圧をかけて処理された。第１の処理ゾーンは、０．０３７ｈｐ−ｈｒ／ｌｂのエネルギーレベルで布帛の前方側を油圧により処理し、ついで、布帛の反対側は、０．０５９ｈｐ−ｈｒ／ｌｂの全処理について０．０２２ｈｐ−ｈｒ／ｌｂのエネルギーレベルで処理された。布帛は、普通の様式で乾燥され、取り出された。布帛は、略６ｏｚ／ｓｑ ｙｄの最終重量を有した。

別の紡績糸ポリエステル製品（以下布帛ＩＩ）もまた、エメリーらの特許出願（‘５９６）の中で上述されているのと同じ流体処理装置の中でまず処理される処理作業のために製造された。この特定の布帛は１００％ポリエステルであり、紡績経糸およびフィラメント緯糸で作られている。布帛は平織りで作られ、生繊維状態でインチあたり縦糸５５本およびインチあたり横糸４４本を有する。経糸は、３．６のより係数を有するオープンエンド紡績糸１２／１（すなわち、１２番手単糸綿糸）であり、フィラメント緯糸は２／１５０／３４（すなわち、２プライの１５０デニール糸、それぞれのプライは３４本のフィラメントを含む）であり、本質的に収縮の少ない緯糸である。サイジングをしていない生繊維布帛は、平方ヤードあたり約５．６５オンスの重量を有する。

上記布帛は以下の処理に供される。布帛の一方の側は、約１４００ｐ．ｓ．ｉ．ｇ（マニホールド出口圧力）の高圧水に供される。水は、形態として長方形であり（０．０１５インチ幅（緯糸方向）×０．０１０インチ高さ（経糸方向））、処理ゾーンに沿って等しく離間している直線列のノズルから発する。マニホールドの幅に沿ってインチあたり４０ノズルが存在する。布帛は、ノズルから０．１１０インチに位置する平滑なステンレススチールロール上を移動する。ノズルは、垂直から約５度下方に向けられ、水の流れは、布帛がロールの表面から離れていくときに布帛の経路と交差する。第１の処理ゾーンの中の布帛の張力は３５ポンドに設定される。

第２の処理ゾーンにおいて、布帛の反対側は、上記と同様の列のノズルから発する高圧水により処理される。このゾーンにおいて、水圧は約７００ｐ．ｓ．ｉ．ｇであり、ノズルと処理ロールとの間の間隔は０．１６０インチであり、ノズルは、垂直から約３度下方に向けられる。前述と同様、布帛がロールの表面から離れるときに水の流れは布帛経路と交差する。処理ゾーンの間の布帛張力は約６０ポンドに設定され、布帛の出口張力は約６０ポンドに設定される。それらの特定の張力レベルの維持が好ましいが、しかし、許容可能な結果を得るためには特に重要というわけではない。

布帛は乾燥され、ついで、さまざまの仕上げ化学物質に供される。それはテンターの中で所望の幅に引かれ、仕上げられた重量は、平方ヤードあたり約６．２５オンスである。平方ヤードあたり約５オンスないし平方ヤードあたり約９オンス、好ましくは平方ヤードあたり約６オンスないし平方ヤードあたり約８オンス、およびもっとも好ましくは平方ヤードあたり約６オンスないし平方ヤードあたり約７オンスの仕上げ重量を有する布帛がテーブルクロス用途に特に適切であることが見出されている。

したがって、以下で処理された布帛試料はすべて、異なる処理配合物および手順（時々後述される添加剤、温度、暴露時間などの観点で）によりこの特定の非限定的な好ましいフィラメント合成糸含有布帛に関連がある。ジェット染色適用方法は、基本的には、以下のプロセス工程に合致する：
染色サイクル
ａ）摂氏１３０度に加熱する
ｂ）１３０度で３０分間維持する
ｃ）摂氏４０度に冷却する
ｄ）液体をデカントし、布帛を取り出す
したがって、以下の例はそれぞれの特定の布帛試料例１〜７についての処理適用手順を示し、比較例は布帛Ｉに適用され、例８は布帛ＩＩに適用された。

例１
上述の清浄で予備処理された布帛を配合物Ａによりガストンフツラシングルポートプラントジェットの中で（上述の染色サイクルを介して）ジェット処理し、ついで、乾燥し、略１分間３９０°Ｆでヒートセットした。

例２
清浄で予備処理された布帛をジェット処理し、上記例１におけると同じように処理した。しかし、それは本発明の処理配合物Ｂによってである。

例３
清浄で予備処理された布帛をジェット処理し、上記例１におけると同じように処理した。しかし、それは本発明の処理配合物Ｃによってである。

例４
上述の小さな清浄な予備処理された布帛試料（略１７”×２４”）を、略６５％の湿潤吸い取り量をもたらす４０ｐｓｉのゴムロールとスチールロールとの間で絞るまえに簡潔に配合物Ｄの溶液の中に浸した（“パッド処理”）。ついで布帛をピンフレーム上で伸ばし、華氏３００度で４分間乾燥し、実験室用対流オーブンの中で２分間華氏３７５度でヒートセットした。

例５
清浄で予備処理された布帛を配合物Ｅにより上記例４におけるように処理し、乾燥させ、華氏３９０度で略１分間暴露して６５”の幅にヒートセットした。

例６
清浄で予備処理された布帛をベルナーマチスミニジェットの中に配置し、続いて、汚れ放出フルオロケミカルにより処理し、次いで染色し、親水性剤により布帛を処理した。従って、用いられる汚れ放出フルオロケミカル（配合物Ｆ）をまず、続く配合物Ｇの添加とともに適用した。布帛をジェットから取り出し、乾燥し、華氏３９０度で略１分間の暴露により６５”の幅にヒートセットした。

例７
清浄で予備処理された布帛をミニジェットの中に配置し、続いて染色し、親水性剤により処理し、次いで、汚れ放出フルオロケミカルにより布帛を処理した。したがって、用いられる親水性剤（配合物Ｇ）をまず配合物Ｆの続く添加とともに適用した。布帛をジェットから取り出し、乾燥し、華氏３９０度で略１分間の暴露により６５”の幅にヒートセットした。

例８
清浄で予備処理された布帛をジェット染色し、上記例１におけるように処理し、しかし、本発明の処理配合物Ｈを用いた。

比較例１（対照）
清浄で予備処理された布帛をガストンカウンティフツラ（シングルポート）プラントジェットの中に配置し、比較配合物Ｉを用いて布帛を染色した。布帛をジェットから取り出し、乾燥させ、華氏３９０度で略１分間の暴露により６５”の幅にヒートセットした。

比較例２
清浄で予備処理された布帛を上記例４で概説されたのと同じ手順を用いてパッド処理し、その布帛を比較の汚れ放出フルオロケミカルのみ（配合物Ｊ）により処理した。布帛をジェットから取り出し、乾燥させ、華氏３９０度で略１分間の暴露により６５”の幅にヒートセットした。

比較例３
清浄で予備処理された布帛をミニジェット中に配置し、染色し、布帛を汚れ放出フルオロケミカルのみ（配合物Ｋ）により処理した。布帛をジェットから取り出し、乾燥させ、華氏３９０度で略１分間の暴露により６５”の幅にヒートセットした。

結果としての本発明の布帛および比較の布帛を、次いで、洗濯耐久汚れ放出（とうもろこし油）特性および水分吸収（液滴表面分散）特性について試験した。そのような試験プロトコールは次のとおりである。

汚れ放出
汚れ放出試験は、洗浄手順がより激しい工業レベルの洗濯プロセスに変えられたことを除いて、ＡＡＴＣＣ＃１３０−２０００に概説された手順に従った。より具体的には、試験は、３つの別の工程−しみの付着、洗濯および評価に分解され得る。しみ付着工程は、布帛を通過する過剰の液体を吸収するための１枚の吸い取り紙の上に乗った布帛の表面上の同じ位置に５滴の液体しみ化合物（マスタードなどのような他の液体もまた利用され得るけれども、この特定された試験のためにはマゾラ（登録商標）とうもろこし油である）の適用を含んでいた。しみを１枚のグラシン紙で覆い、５ポンドの重量を６０秒間付与した。次いで、上記の例からの２３ポンド擬似負荷の同様の処理されていないポリエステル布帛と処理された布帛を合わせた試料を以下の洗濯手順に従ってミルナー３５ポンド能力工業洗濯機の中で洗濯した。

洗濯手順
ａ）３分間華氏１２０度の水でフラッシュする
ｂ）１６０度（Ｆ）の水に６ｏｚフロ−コン（登録商標）および３ｏｚフロ−ソル（登録商標）を加え、１８分間洗濯する
ｃ）２分間１４０度（Ｆ）の水ですすぐ
ｄ）２分間１２０度（Ｆ）の水ですすぐ
ｅ）２分間１００度（Ｆ）の水ですすぐ
ｆ）サワー（１／２ｏｚのフロ−ニュー（登録商標））を加え、９０度で８分間洗濯する
ｇ）５分間脱水する
フロ−コン、フロ−ソル、およびフロ−ニュー添加剤は、すべてＵ．Ｎ．Ｘ．社から市販されていて入手可能である。しみ付着工程は、対象の布帛製品の使用寿命の間必要とされる汚れ放出を容易にするために仕上げの耐久性を測定するためにそれぞれの続く試験洗濯の前になされた。

次いで、布帛を、フープシュ・オリジネーター５０工業乾燥機の中で高熱で２５分間タンブル乾燥し、次いで、１ないし５のＡＡＴＣＣ試験方法１３０−２０００標準評価システムを用いて評価した。１の評点は、よく目に見えるしみを示し、５の評点は、しみが完全に除去されたことを表す。以下の表の中のデータは、５つの試料評価それぞれの平均を表す。

水滴吸収
液滴吸収（または単純吸収）試験は、布帛表面上に水滴を配し、反射性水面が完全に消えるのに要する秒単位の時間を測定することによりなされた。

そのような試験プロトコールについての結果は以下のとおりである。

従って、本発明のフルオロ化学系布帛処理は、合成系テキスタイルについて目立った予想外の同時の洗濯耐久性水分吸収特性および汚れ放出特性を提供した。

もちろん、特許請求の範囲の精神と範囲に含まれることが意図される本発明の多くの別態様および変形が存在する。

Claims (20)

1. 少なくとも２５重量％の合成繊維成分を含む処理されたテキスタイル基材であって、前記基材は少なくとも１種のフルオロケミカル汚れ放出剤を含む仕上げ剤により処理され、前記基材はＡＡＴＣＣ試験方法１３０−２０００により測定して３．０以上の汚れ放出特性と、水滴表面展延試験プロトコールにより測定して１０秒以下の水分吸収特性を示し、前記汚れ放出特性および前記水分吸収特性が少なくとも５回の工業的洗濯に供した後に前記基材により示される、処理されたテキスタイル基材。
2. 前記テキスタイルが、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、それらのブレンド、それらの他の合成繊維とのブレンド、それらの天然繊維とのブレンドからなる群より選択される繊維を含む請求項１記載の処理されたテキスタイル。
3. 前記繊維が、ポリエステルである請求項２記載の処理されたテキスタイル。
4. 前記繊維が、紡績合成糸、高密度フィラメント繊維織物、マイクロデニールポリエステル繊維、不織合成繊維、フラットな非加工合成繊維、および互いのまたは他のタイプの天然もしくは合成繊維とのいずれかのブレンドからなる群より選択される形態で存在する請求項２記載の処理されたテキスタイル。
5. 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートであり、それが前記テキスタイルの全重量の少なくとも９０重量％の量で存在する請求項３記載の処理されたテキスタイル。
6. 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートであり、それが前記テキスタイルの全重量の少なくとも９０重量％の量で存在する請求項４記載の処理されたテキスタイル。
7. 少なくとも２５重量％の合成繊維成分を含むテキスタイル製品であって、前記製品は少なくとも１種の汚れ放出フルオロケミカルおよび少なくとも１種の親水性剤を含む仕上げ剤により処理され、前記テキスタイル製品は水滴表面展延試験プロトコールにより測定して１０秒以下の水分吸収特性を示し、前記水分吸収特性が少なくとも５回の工業的洗濯に供した後に前記基材により示されるテキスタイル製品。
8. 前記テキスタイルが、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、それらのブレンド、他の合成繊維とのブレンド、および天然繊維とのブレンドからなる群より選択される繊維を含む請求項７記載の処理されたテキスタイル。
9. 前記繊維が、ポリエステルである請求項８記載の処理されたテキスタイル。
10. 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートであり、それが前記テキスタイルの全重量の少なくとも９０重量％の量で存在する請求項９記載の処理されたテキスタイル。
11. 前記繊維が、紡績合成糸、高密度フィラメント繊維織物、マイクロデニールポリエステル繊維、不織合成繊維、フラットな非加工合成繊維、および互いのまたは他のタイプの天然もしくは合成繊維とのいずれかのブレンドからなる群より選択される形態で存在する請求項９記載の処理されたテキスタイル。
12. 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートであり、それが前記テキスタイルの全重量の少なくとも９０重量％の量で存在する請求項１０記載の処理されたテキスタイル。
13. 上表面および背表面を示すテキスタイル製品であって、前記製品が少なくとも２５重量％の合成繊維成分を含み、前記製品が少なくとも１種の汚れ放出フルオロケミカルおよび少なくとも１種の親水性剤を含む仕上げ剤により処理され、前記仕上げ剤が前記汚れ放出フルオロケミカルおよび前記親水性剤の両方のための雰囲気暴露部位を示すように前記少なくとも１種の汚れ放出フルオロケミカルおよび少なくとも１種の親水性剤が前記上表面および前記背表面の少なくとも一方の少なくとも一部に与えられるテキスタイル製品。
14. テキスタイル製品を処理する方法であって、
    ａ）テキスタイル製品を提供する工程、
    ｂ）少なくとも１種の汚れ放出フルオロケミカルを含む仕上げ配合物を提供する工程、
    ｃ）工程「ａ」のテキスタイル製品をジェット染色装置に導入する工程、
    ｄ）前記ジェット染色装置内の前記テキスタイル製品に工程「ｂ」の仕上げ配合物を適用する工程
    を含む方法。
15. 前記処理されたテキスタイル基材が、少なくとも２５重量％の合成繊維成分を含み、前記基材がＡＡＴＣＣ試験方法１３０−２０００により測定して３．０以上の汚れ放出特性を示し、水滴表面展延試験プロトコールにより測定して１０秒以下の水分吸収特性を示し、前記汚れ放出特性と前記水分吸収特性が少なくとも５回の工業的洗濯に供した後に前記基材により示される請求項１４記載の方法。
16. 前記テキスタイルが、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、それらのブレンド、他の合成繊維とのいずれかのブレンド、および天然繊維とのいずれかのブレンドからなる群より選択される繊維を含む請求項１５記載の方法。
17. 前記繊維が、ポリエステルである請求項１６記載の方法。
18. 前記繊維が、紡績合成糸、高密度フィラメント繊維織物、マイクロデニールポリエステル繊維、不織合成繊維、フラットな非加工合成繊維、互いのいずれかのブレンドまたは他のタイプの天然もしくは合成繊維とのブレンドからなる群より選択される形態で存在する請求項１７記載の方法。
19. テキスタイル製品を処理する方法であって、
    ａ）テキスタイル製品を提供する工程、
    ｂ）少なくとも１種の汚れ放出フルオロケミカルおよび少なくとも１種の親水性剤を含む仕上げ配合物を提供する工程、
    ｃ）前記テキスタイル製品に工程「ｂ」の前記仕上げ配合物を吸尽（exhaustion）手法により適用する工程
    を含む方法。
20. 前記処理されたテキスタイル基材が、少なくとも２５重量％の合成繊維成分を含み、前記基材がＡＡＴＣＣ試験方法１３０−２０００により測定して３．０以上の汚れ放出特性を示し、水滴表面展延試験プロトコールにより測定して１０秒以下の水分吸収特性を示し、前記汚れ放出特性および前記水分吸収特性が少なくとも５回の工業的洗濯に供した後に前記基材により示される請求項１９記載の方法。