JP5967246B2 - 酸化セリウムの回収方法 - Google Patents
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ここで、主成分とは、廃研磨材中の酸化セリウムの含有量が、固形分中に50質量%以上、特に50〜60質量%であることをいう。また、廃研磨材には、酸化セリウム以外に、石英ガラス基板の研磨によって生じたSiO2が、固形分中に10〜15質量%含まれる。なお、未使用の研磨材には、通常、固形分中に酸化セリウムが55〜70質量%含まれる。
〈1〉 ガラス基板を研磨して生じた酸化セリウムを主成分とする廃研磨材からの酸化セリウムの回収方法であって、
(i)上記廃研磨材にpH12以上のアルカリ金属水酸化物の水溶液を上記廃研磨剤を2〜5倍に希釈する量添加する工程、
(ii)上記水溶液を添加した、廃研磨材を含むアルカリ金属水酸化物の水溶液に対して0.2〜1.0質量%の沈降剤を添加して、酸化セリウムを主成分とする沈澱物を生成させた後に、上澄み液を除去する工程、
(iii)上澄み液を除去して得られた沈澱物に酸性物質の溶液を添加して、前記沈澱物を弱酸性〜中性にする工程、
(iv)弱酸性〜中性にして得られた沈澱物について、有機溶媒を用いて洗浄する工程、
(v)洗浄した沈澱物を乾燥・粉砕する工程
を含むことを特徴とする酸化セリウムの回収方法。
〈2〉 前記アルカリ金属水酸化物の水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とする〈1〉記載の酸化セリウムの回収方法。
〈3〉 前記沈降剤が、硫酸アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムから選ばれることを特徴とする〈1〉又は〈2〉記載の酸化セリウムの回収方法。
〈4〉 前記酸性物質が、酢酸、炭酸、希硝酸及び希塩酸から選ばれることを特徴とする〈1〉〜〈3〉のいずれかに記載の酸化セリウムの回収方法。
〈5〉 前記有機溶媒が、メタノールであることを特徴とする〈1〉〜〈4〉のいずれかに記載の酸化セリウムの回収方法。
沈降剤の濃度は、廃研磨材を含む塩基性水溶液に対して0.2〜1.0質量%が好ましく、0.2〜0.5質量%であれば更に好ましい。
金属不純物による汚染は、特に半導体用途等で使用される、フォトマスクやレチクル等の合成石英ガラス基板においては致命的になる。回収された酸化セリウム研磨材に関して、再度研磨材として使用する際、研磨機由来等で不可抗力的な金属イオンの混入はあるものの、研磨材由来の金属不純物は少ない方が望ましい。
石英ガラス基板を研磨して出てきた酸化セリウムを含む廃研磨材に対して、2.0規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて3倍希釈した溶液を調製した。この混合溶液を攪拌することによって、廃研磨材と塩基性水溶液を十分なじませた後、0.5質量%の硫酸アルミニウムを添加して固形分を沈降させた。上澄み液を系外へ除去し、純水で数回固形分を洗浄した。固形分を純水中に存在させている状態で、2.0規定の硝酸を用いて溶液の液性をpH5.8とした。純水で数回固形分を洗浄した後、メタノールで洗浄を実施し、固形分を乾燥することによって、酸化セリウムを主成分とするケーキとした。このケーキを粉砕することによって、1次粒子径が1〜1.2μmの回収研磨材を得た。
回収研磨材のSiO2含有量を蛍光X線スペクトル分析によって定量したところ、SiO2濃度は固形分中で0.5質量%となり、廃研磨材中から除去され、酸化セリウムを主成分とした新品の研磨材とほぼ同じ構成成分のものとなった。
得られた回収研磨材を研磨スラリーとして石英ガラス基板を研磨したところ、新品の酸化セリウムを主成分とする研磨材から調製したスラリーと同等の研磨効果を得ることができた。
実施例1と同様の廃研磨材に対して、3.5規定の水酸化カリウム水溶液を用いて2.5倍希釈した溶液を調製した。この混合溶液を攪拌することによって、廃研磨材と塩基性水溶液を十分なじませた後、1.0質量%のポリ塩化アルミニウムを添加して固形分を沈降させた。上澄み液を除去し、純水で数回固形分を洗浄した。固形分を純水中に存在させている状態で、酢酸を用いて液性をpH6.3とした。純水で数回固形分を洗浄した後、メタノールで洗浄を実施し、固形分を乾燥することによって、酸化セリウムを主成分とするケーキを得た。このケーキを粉砕することによって、1次粒子径が1〜1.2μmの回収研磨材を得た。
回収研磨材のSiO2含有量を蛍光X線スペクトル分析によって定量したところ、SiO2濃度は固形分中で0.3質量%となり、得られた固形分を用いてガラス研磨を実施したところ、実施例1と同様の良好な研磨結果が得られた。
実施例1と同様の廃研磨材に対して、純水を用いて3倍に希釈した溶液を調製した。この溶液を攪拌させることによって、固形分を十分拡散させた後、1.0質量%の硫酸アルミニウムを添加して固形分を沈降させた。上澄み液を除去し、純水で数回固形分を洗浄した。このとき溶液はpH6.9であったため、酸処理は実施しなかった。メタノールで洗浄を実施し、固形分を乾燥することによってケーキ状態とした。そのあと、ケーキを粉砕することによって回収された固形分を、1次粒子径が1〜1.2μmの粉末状態とした。
上記粉末のSiO2含有量を蛍光X線スペクトル分析によって定量したところ、SiO2濃度は固形分中で12.3質量%となった。得られた固形分を用いてガラス研磨を実施したところ、研磨機にビビリなどの症状が見られ、十分な研磨効果を得ることはできなかった。
実施例1と同様の廃研磨材に対して、硝酸リッチな状態の2質量%フッ硝酸水溶液を用いて3倍に希釈した溶液を調製した。この溶液を攪拌させることによって、固形分を十分拡散させた後、1.0質量%の硫酸アルミニウムを添加して固形分を沈降させた。上澄み液を除去し、純水で数回固形分を洗浄した。このとき、溶液は強酸性であったが、中和などのpH制御は行わず処理を進めた。メタノールで洗浄を実施し、固形分を乾燥することによってケーキ状態とした。そのあと、ケーキを粉砕することによって回収された固形分を、1次粒子径が1〜1.2μmの粉末状態とした。
上記粉末のSiO2含有量を蛍光X線スペクトル分析によって定量したところ、SiO2濃度は固形分中で0.5質量%となった。しかし、酸化セリウム成分の量は、新品の研磨材に含まれていた量の50質量%程度の量に減っており、酸化セリウム成分が強酸処理を実施した際に溶解して系外へ出て、回収率が悪くなっていた。また、得られた固形分を用いてガラス研磨を実施したところ、水に分散させたスラリーのpHは強酸側になっており、研磨布の劣化が通常よりも激しく、かつガラス基板の表面の面粗さも悪い結果となった。
Claims (5)
- ガラス基板を研磨して生じた酸化セリウムを主成分とする廃研磨材からの酸化セリウムの回収方法であって、
(i)上記廃研磨材にpH12以上のアルカリ金属水酸化物の水溶液を上記廃研磨剤を2〜5倍に希釈する量添加する工程、
(ii)上記水溶液を添加した、廃研磨材を含むアルカリ金属水酸化物の水溶液に対して0.2〜1.0質量%の沈降剤を添加して、酸化セリウムを主成分とする沈澱物を生成させた後に、上澄み液を除去する工程、
(iii)上澄み液を除去して得られた沈澱物に酸性物質の溶液を添加して、前記沈澱物を弱酸性〜中性にする工程、
(iv)弱酸性〜中性にして得られた沈澱物について、有機溶媒を用いて洗浄する工程、
(v)洗浄した沈澱物を乾燥・粉砕する工程
を含むことを特徴とする酸化セリウムの回収方法。 - 前記アルカリ金属水酸化物の水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項1記載の酸化セリウムの回収方法。
- 前記沈降剤が、硫酸アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムから選ばれることを特徴とする請求項1又は2記載の酸化セリウムの回収方法。
- 前記酸性物質が、酢酸、炭酸、希硝酸及び希塩酸から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の酸化セリウムの回収方法。
- 前記有機溶媒が、メタノールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の酸化セリウムの回収方法。
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