JP5966829B2 - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクを吐出するインクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
従来、インクを吐出するインクジェットヘッド及びその製造方法が知られている。例えば、特許文献1に記載のインクジェットヘッドは、複数枚のプレートが積層された流路ユニットと、流路ユニットに対して重ねて接着される圧電式のアクチュエータとを備えている。流路ユニットは、圧力室とノズルとを形成する。アクチュエータは、積層された数枚の圧電シートを含む。圧電シートには、圧力室に対応するように配置された多数の共通電極及び個別電極が形成されている。個別電極に選択的に電圧が印加されて共通電極との間に電位差が生じると、圧電シートの活性部に電界が作用して積層方向のゆがみ変形が発生する。すなわち、アクチュエータが動作する。アクチュエータが動作すると、圧力室内のインクがノズルから吐出される。
上記インクジェットヘッドのアクチュエータには種々の形態が考えられる。例えば、1つ1つのアクチュエータを別個のチップ型の素子として形成し、圧力室の上側に配置された層状部材の上側に、チップ型のアクチュエータを実装する構成が考えられる。チップ型のアクチュエータは、圧電材料の層である圧電層が複数積層された積層体を備える。積層体の内部には、圧電層に電圧を印加してアクチュエータを動作させる共通電極と個別電極とが設けられている。共通電極は積層体の一端部に設けられた外部電極に接続されている。個別電極は積層体の他端部に設けられた外部電極に接続されている。これら一対の外部電極に電圧が印加されると、圧電層が変形し、アクチュエータが動作する。これによって、層状部材が振動してインクが吐出される。
特開2012−106513号公報
しかしながら、アクチュエータの積層体の端部に設けられた一対の外部電極は、外部電極を形成するための材料の液体に積層体がディップされて形成される場合がある。この場合、積層体の周囲に外部電極を形成するための材料が付着するため、一対の外部電極が積層体から外側に突出する場合がある。外部電極が積層体から突出すると、突出する外部電極によって層状部材からアクチュエータの積層体が浮き、アクチュエータの積層体と層状部材との間に空間が形成される場合がある。この空間の影響によって、アクチュエータの動作が層状部材に伝搬し難くなり、インクを正常に吐出できない場合がある。
本発明の目的は、インクを正常に吐出することが可能なインクジェットヘッド、及びその製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様に係るインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記インク形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、更に、前記第一穴部は前記インク室形成部材に形成されており、前記インク室形成部材に形成された前記第一穴部は、前記層状部材によって覆われている。
第一外部電極の第一突出部と第二外部電極の第二突出部とは圧電アクチュエータ素子の積層体の積層方向外側に突出している。第一外部電極の第一突出部と第二外部電極の第二突出部とに対向する位置に第一穴部が設けられているので、第一穴部が設けられていない場合に比べて、第一外部電極の第一突出部と第二外部電極の第二突出部とをよりインク室形成部材側に配置することができる。よって、圧電アクチュエータ素子の積層体が層状部材にさらに近づく。このため、圧電アクチュエータ素子の動作が層状部材に伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
一穴部に積層される層状部材に第一穴部が形成されておらず、インク室形成部材に形成された第一穴部が層状部材によって覆われている。このため、第一穴部からインクが漏れることを防止できる。
前記インクジェットヘッドにおいて、前記層状部材は導電性を有し、前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極は前記層状部材を介して互いに電気的に接続されており、前記第二外部電極と前記層状部材とは、前記層状部材に積層された絶縁層で絶縁されてもよい。この場合、圧電アクチュエータ素子の第一外部電極同士を接続する共通配線として層状部材を使用することができる。このため、別途配線を設ける必要がない。よって、インクジェットヘッドの製造コストを低減することができる。
前記インクジェットヘッドは、前記第二外部電極に接続されるバンプを備えた配線部材を備え、前記絶縁層は、前記層状部材上を延び、前記層状部材に複数本積層され、複数本の前記絶縁層のそれぞれの上には、2列の前記圧電アクチュエータ素子の前記第二外部電極が対向するように前記圧電アクチュエータ素子が配置されてもよい。例えば、第二外部電極と、圧電アクチュエータ素子を外部機器と接続するフレキシブルプリント配線の電極とを電気的に接続する導電性の接続材料が、製造時に第二外部電極から崩れ落ちた場合に、接続材料が絶縁層上に落ちる。このため、導電性の接続材料を介して、第二外部電極と、層状部材とが短絡してしまうことを防止できる。
前記インクジェットヘッドにおいて、前記層状部材は導電性を有さず、前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極は、前記層状部材上に形成された配線を介して互いに電気的に接続されてもよい。この場合、第一外部電極同士を接続するための配線を、フレキシブルプリント配線等に設ける必要がない。このため、第一外部電極とフレキシブルプリント配線等とを接続する導電性の接続材料が不要となり、インクジェットヘッドの製造コストを低減できる。
本発明の第2の態様に係るインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記インク室形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、且つ、前記層状部材は導電性を有し、前記第一外部電極は、前記層状部材に電気的に接続され、前記第二外部電極は、前記層状部材に設けられた前記第一穴部によって前記層状部材と絶縁されており、更に、前記第二外部電極の前記第二突出部に対向する前記第一穴部は、絶縁性を有する弾性部材で埋められている。
状部材に設けられた第一穴部によって第二外部電極と層状部材とが離間するので、第二外部電極と層状部材とを確実に絶縁することができる。
二外部電極に対向する第一穴部が絶縁性を有する部材で埋められているので、第二外部電極と層状部材とをさらに確実に絶縁することができる。また、第一穴部を埋める部材が弾性を有するので、圧電アクチュエータ素子が配置される場合に、圧電アクチュエータ素子の積層体から突出する第二突出部が弾性を有する部材に埋まり、圧電アクチュエータ素子の積層体が層状部材に近づく。このため、圧電アクチュエータ素子の動作が層状部材に伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
本発明の第3の態様に係るインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記インク室形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、更に、前記層状部材には、前記第一外部電極と前記第二外部電極とが対向する方向において、前記第一穴部と対向して前記第一穴部より前記インク室側に設けられた少なくとも1つの溝部が設けられる。
電アクチュエータ素子の積層体と層状部材とを接着剤によって接着した場合に、余分な接着剤が溝部に入り込む。このため、余分な接着剤が圧電アクチュエータ素子の積層体と層状部材との間に残る場合に比べて、圧電アクチュエータ素子の積層体と層状部材とが近づく。よって、圧電アクチュエータ素子の動作が層状部材にさらに伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
本発明の第4の態様に係るインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記インク室形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、更に、前記積層体から前記積層方向に突出する前記第一突出部と前記第二突出部とは、前記第一穴部によって位置決めされている。
一突出部と第二突出部とが第一穴部によって位置決めされているので、第一穴部で位置決めされない場合に比べて、圧電アクチュエータ素子の配置位置のバラツキが少なくなる。よって、正常な位置に圧電アクチュエータ素子が配置され、インクを正常に吐出することができる。
本発明の第の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、更に、前記第一穴部形成工程は、前記インク室形成部材に前記第一穴部を形成し、前記層状部材積層工程は、前記インク室形成部材に形成された前記第一穴部を覆うように前記層状部材を積層する。
この製造方法によって製造される圧電アクチュエータ素子では、第一外部電極の第一突出部と第二外部電極の第二突出部とに対向する位置に第一穴部が設けられているので、第一穴部が設けられていない場合に比べて、第一外部電極の第一突出部と第二外部電極の第二突出部とをよりインク室形成部材側に配置することができる。よって、圧電アクチュエータ素子の積層体が層状部材にさらに近づく。このため、圧電アクチュエータ素子の動作が層状部材に伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
電アクチュエータ素子は、第一穴部からインクが漏れることを防止できる。
本発明の第6の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、且つ、前記層状部材積層工程によって積層される前記層状部材上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程を備え、前記層状部材積層工程によって積層される前記層状部材は導電性を有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極を前記層状部材に電気的に接続し、前記絶縁層形成工程によって形成された前記絶縁層上に前記第二外部電極を配置し、更に、前記絶縁層形成工程は、前記層状部材上を延びるように複数本の前記絶縁層を形成し、前記アクチュエータ配置工程は、2列の前記圧電アクチュエータ素子の前記第二外部電極が対向するように、前記絶縁層形成工程によって形成された前記複数本の前記絶縁層のそれぞれの上に前記圧電アクチュエータ素子を配置する。
電アクチュエータ素子の第一外部電極同士を接続する共通配線として層状部材を使用することができる。このため、別途配線を設ける必要がない。よって、インクジェットヘッドの製造コストを低減することができる。
えば、導電性の接続材料が、製造時に第二外部電極から崩れ落ちた場合に、接続材料が絶縁層上に落ちる。このため、導電性の接続材料を介して、第二外部電極と、層状部材とが短絡してしまうことを防止できる。
本発明の第7の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、更に、前記層状部材上に配線を形成する配線形成工程を備え、前記アクチュエータ配置工程は、前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極を前記配線形成工程によって形成された配線に電気的に接続し、前記層状部材は導電性を有さない。
一外部電極とフレキシブルプリント配線等とを接続する導電性の接続材料が不要となり、インクジェットヘッドの製造コストを低減できる。
本発明の第8の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、更に、前記第一穴部形成工程は、少なくとも前記層状部材に前記第一穴部を形成し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一外部電極を前記層状部材に電気的に接続し、前記第二外部電極を、前記層状部材に形成された前記第一穴部に配置し、前記層状部材は導電性を有する。
状部材に設けられた第一穴部によって第二外部電極と層状部材とが離間するので、第二外部電極と層状部材とを確実に絶縁することができる。
前記インクジェットヘッドの製造方法は、絶縁性を有する弾性部材で、前記第二外部電極の前記第二突出部に対向する前記第一穴部を埋める埋込工程を備えてもよい。この場合、第二外部電極の第二突出部に対向する第一穴部が絶縁性を有する部材で埋められているので、第二外部電極と層状部材とをさらに確実に絶縁することができる。また、第一穴部を埋める部材が弾性を有するので、圧電アクチュエータ素子が配置される場合に、圧電アクチュエータ素子の積層体から突出する第二突出部が弾性を有する部材に埋まり、圧電アクチュエータ素子の積層体が層状部材に近づく。このため、圧電アクチュエータ素子の動作が層状部材に伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
本発明の第9の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、更に、前記第一外部電極と前記第二外部電極とが対応する方向において、前記第一穴部と対向して前記第一穴部より前記インク室側に設けられた少なくとも1つの溝部を前記層状部材に形成する溝部形成工程を備える。
電アクチュエータ素子の積層体と層状部材とを接着剤によって接着した場合に、余分な接着剤が溝部に入り込む。このため、余分な接着剤が圧電アクチュエータ素子の積層体と層状部材との間に残る場合に比べて、圧電アクチュエータ素子の積層体と層状部材とが近づく。よって、圧電アクチュエータ素子の動作が層状部材にさらに伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
本発明の第10の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、更に、前記アクチュエータ配置工程が前記圧電アクチュエータ素子を配置する場合に、前記積層体から前記積層方向に突出する前記第一外部電極の第一突出部と前記第二外部電極の第二突出部とが前記第一穴部によって位置決めされる。
一突出部と第二突出部とが第一穴部で位置決めされない場合に比べて、圧電アクチュエータ素子の配置位置のバラツキが少なくなる。よって、圧電アクチュエータ素子は、正常な位置に圧電アクチュエータ素子が配置され、インクを正常に吐出することができる。
本発明の第11の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程とを備え、前記圧電アクチュエータ素子は、複数の圧電層が積層された積層体と、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極とを有し、前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、更に、前記アクチュエータ配置工程は、前記インク室形成部材形成工程によって形成される前記インク室形成部材の前記インク室に対応する位置に設けられた複数の第二穴部を有する第一板状部材の前記第二穴部に前記圧電アクチュエータ素子を配置する第一配置工程と、前記第一配置工程によって前記第一板状部材の第二穴部に配置された前記圧電アクチュエータ素子を第二板状部材に接着する接着工程と、前記接着工程によって前記第二板状部材に接着された前記圧電アクチュエータ素子を、前記インク室上に配置する第二配置工程とを備える。
数の圧電アクチュエータ素子を一度に配置することができるので、実装機で圧電アクチュエータ素子を実装する場合に比べて、配置時間を短縮できる。
プリンタ1の内部構造の斜視図である。 インクジェットヘッド3の平面図である。 チャネル70の図2のI−I線矢視方向断面図である。 制御基板60とインクジェットヘッド3の接続態様を示す図である。 製造工程のフローチャートである。 アクチュエータ配置工程のフローチャートである。 インクジェットヘッド3の製造過程を示す図である。 第二板状部材91に圧電アクチュエータ素子34を接着する課程を示す図である。 第二実施形態に係るチャネル70の断面図である。 第三実施形態に係るチャネル70の断面図である。 第四実施形態に係るチャネル70の断面図である。 第五実施形態に係るチャネル70の断面図である。 弾性部材73と弾性部材74が埋め込まれた状態を示す断面図である。 第六実施形態に係るチャネル70の断面図である。 第七実施形態に係るチャネル70の断面図である。
本発明を具現化した実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明の第一実施形態を説明する。まず、図1を参照してプリンタ1の概略構造について説明する。プリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、搬送ローラ4などを備えたインクジェットプリンタである。キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に往復移動する。キャリッジ2の下面には、インクを噴射可能なインクジェットヘッド3が取り付けられている。搬送ローラ4は、記録用紙Pを紙送り方向(図1の手前方向)に搬送する。
プリンタ1は、インクを収容したカートリッジ(図示外)を着脱可能である。プリンタ1に装着されたカートリッジから、インクジェットヘッド3にインクが供給される。プリンタ1では、搬送ローラ4によって記録用紙Pが紙送り方向に搬送されると同時に、キャリッジ2によってインクジェットヘッド3が走査方向に往復移動される。このとき、インクジェットヘッド3からインクが噴射されることで、記録用紙Pに画像や文字などが記録される。画像や文字などが記録された記録用紙Pは、搬送ローラ4によって紙送り方向に排出される。
図2〜図4を参照して、インクジェットヘッド3の詳細構造について説明する。図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド3は、キャビティユニット30、圧電アクチュエータ素子34、分離層32、および配線基板ユニット50(図3及び図4参照)を有する。キャビティユニット30は、インクを吐出するノズル35(図2参照)、及び、インクが収納され、収納されたインクをノズル35に供給する圧力室303を形成する。分離層32は、圧力室303内のインクと圧電アクチュエータ素子34とを分離する。圧電アクチュエータ素子34は、分離層32を振動させ、圧力室303内のインクに噴射圧力を付与する。配線基板ユニット50は、制御基板60からの信号を圧電アクチュエータ素子34に送る。
キャビティユニット30の詳細構造を説明する。図2に示すように、キャビティユニット30は、4つのインク供給口38、4つのマニホールド39、複数の圧力室303、複数のノズル35、及び複数の絞り孔40を有する。4つのインク供給口38は、図示しない4つのカートリッジにそれぞれ接続される。図2の左方に属するインク供給口38から順に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクのカートリッジが接続される。
4つのマニホールド39は、各インク供給口38から分岐して紙送り方向に沿って延びる。複数の圧力室303は、絞り孔40を介して各マニホールド39に連通している。ノズル35は、各圧力室303に連通している。複数のノズル35と複数の圧力室303は、紙送り方向に配列されて、ノズル35の列と圧力室303の列を形成する。ノズル35の列と圧力室303の列は、それぞれ走査方向に8列配列されている。以下の説明では、ノズル35及び圧力室303等を含む、ノズル35からインクを吐出せる構成を「チャネル70」という。
図2及び図3に示すように、キャビティユニット30は、圧力室303の外側(図2の左右方向の外側)に、一対の第一穴部301,302を備えている。図3に示すように、一対の第一穴部301,302は、圧電アクチュエータ素子34の第一外部電極341の第一突出部341A(後述)と第二外部電極342の第二突出部342Aとのそれぞれに対向する位置に設けられている。一対の第一穴部301,302は、第一外部電極341と第二外部電極342とから離れる方向である下方向に向かって凹んだ穴部である。
分離層32は、キャビティユニット30に積層されている。分離層32の一部は圧力室303に接している。分離層32は、導電性を有する部材(例えば、ステンレス等)で形成されている。分離層32の第一穴部301,302の上側の部位は、第一穴部301,302の内側に向かって下方に凹んだ凹部321,322である。
分離層32上には、圧電アクチュエータ素子34が配置されている。図3に示すように、圧電アクチュエータ素子34は、長方体状の積層体343を備えるチップ型の素子である。積層体343は、圧力室303の上方に位置する。圧電アクチュエータ素子34は、第一外部電極341と第二外部電極342とを備えている。第一外部電極341は、積層体343の左側の第一端部347に設けられている。第二外部電極342は、積層体343の第二端部348に設けられている。第二端部348は、第一端部347とは異なる位置(本実施形態では、積層体343の右端)に位置している。第一外部電極341と第二外部電極342とは、キャビティユニット30の第一穴部301,302の上方に位置している。第一外部電極341と第二外部電極342とは、圧電アクチュエータ素子34の積層体343の外側に突出している。このため、第一外部電極341は、積層体343の積層方向(上下方向)に突出する第一突出部341A,341Bを有する。また、第二外部電極342は、積層体343の積層方向に突出する第二突出部342A,342Bを有する。なお、第一外部電極341と第二外部電極342とが圧電アクチュエータ素子34の積層体343に形成される際には、第一外部電極341と第二外部電極342とを形成するための材料の液体に積層体343がディップされ、当該材料が積層体343の周囲に付着される。このため、第一外部電極341と第二外部電極342とが形成された場合には、第一外部電極341と第二外部電極342とのそれぞれが積層体343から外側に突出した状態になるのである。
第一外部電極341と第二外部電極342とのそれぞれの下端部(第一突出部341A及び第二突出部342A)は、分離層32の凹部321,322の上側に位置している。詳細は後述するが、インクジェットヘッド3が形成される際には第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Bとが分離層32を下方に押して凹部321,322を形成する。
第一外部電極341は、導電性を有する分離層32に電気的に接続されている。このため、各チャネル70の圧電アクチュエータ素子34の第一外部電極341は、分離層32を介して互いに電気的に接続されている。第二外部電極342と分離層32の凹部322との間には、絶縁層36が配置されている。第二外部電極342と分離層32とは絶縁層36によって絶縁されている。
圧電アクチュエータ素子34の積層体343は、積層方向(上下方向)に積層された複数(本実施形態では4つ)の圧電層343A〜343Dを備えている。圧電層343A〜343Dは、下から順に上方向に積層されている。また、圧電アクチュエータ素子34の積層体343は、2つの第一内部電極344,345と、1つの第二内部電極346を備えている。圧電層343A〜343Dは、圧電材料である軟磁性体(例えば、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料)で形成されている。
第一内部電極345は、隣接する2つの圧電層343A,343Bの間に配置されている。また、第一内部電極344は、隣接する2つの圧電層343C,343Dの間に配置されている。第一内部電極344,345は、積層体343の左側の第一端部347まで延びる。第一内部電極344,345は、第一端部347に設けられた第一外部電極341に接続されている。
第二内部電極346は、隣接する2つの圧電層343B,343Cの間に配置されている。第二内部電極346は、圧電層343Bを介して第一内部電極345と対向している。また、第二内部電極346は、圧電層343Cを介して第一内部電極344と対向している。第二内部電極346は、積層体343の第二端部348まで延びる。第二内部電極346は、第二端部348に設けられた第二外部電極342に接続されている。第一内部電極344,345と第二内部電極346との間の圧電層343B,343Cは、第二内部電極346から第一内部電極344,345に向かう方向に分極されている(図3の矢印200及び矢印201参照)。
圧電アクチュエータ素子34の上側には、配線基板ユニット50(図3及び図4参照)のフレキシブル配線基板52(Chip On Film:以下、COF52)が配置されている。図4に示すように、COF52には、ドライバIC53が実装されている。ドライバIC53はCOF52に接続されたフレキシブル配線基板(Flexible Printed Circuits)51を介して制御基板60の制御部61に接続されている。図3に示すように、COF52の電極である複数のバンプ522は、各チャネル70の第二外部電極342に接続されている。また、COF52の電極であるバンプ521は、分離層32に接続されている。すなわち、COF52のバンプ521は分離層32を介して第一外部電極341に接続されている。バンプ521,522はドライバICに接続されている。
インクジェットヘッド3の動作について説明する。制御部61は、ドライバIC53を制御し、各チャネル70の圧電アクチュエータ素子34を制御することで分離層を振動させ、インクを吐出させる。COF52のバンプ521の電圧は、常にグランドのレベルに保持される。すなわち、分離層32を介してバンプ521と電気的に接続される第一外部電極341及び第一内部電極344,345は、常にグランドのレベルに保持される。また、制御部61はドライバIC53を介して、バンプ522に圧電アクチュエータ素子34を駆動する駆動信号を印加する。すなわち、バンプ522と電気的に接続される第二外部電極342と第二内部電極346とには駆動信号が印加される。このように、各チャネル70の第一外部電極341と第一内部電極344,345とは、共通してグランドのレベルに保持される。第一外部電極341と第一内部電極344,345のそれぞれを共通電極ともいう。また、各チャネル70の第二外部電極342と第二内部電極346とには、個別に駆動信号が印加される。第二外部電極342と第二内部電極346のそれぞれを個別電極ともいう。
前述したように、第一内部電極344,345と第二内部電極346との間の圧電層343B,343Cは分極されている。このため、第二内部電極346に駆動信号が印加されると、圧電層343B,343Cが左右方向の内側に向かって収縮する(矢印203参照)。圧電層343B,343Cが左右方向の内側に収縮することで、積層体343の下端及び分離層32が下方に突出するように撓む。分離層32が撓むことで、圧力室303内のインクに圧力が加えられ、インクがノズル35(図2参照)を介して外部に吐出される。
圧電アクチュエータ素子34の配置についてより詳細に説明する。図2に示すように、絶縁層36は、分離層32上に複数本積層されている。絶縁層36は、分離層32上を紙送り方向に延びる。複数本の絶縁層36のそれぞれの上には、2列の圧電アクチュエータ素子34が配置されている。2列の圧電アクチュエータ素子34の第二外部電極342は、互いに対向している。
図5〜図8を参照して、インクジェットヘッド3の製造工程について説明する。図5に示すように、インクジェットヘッド3の製造工程では、まず、キャビティユニット形成工程が行われる(S1)。キャビティユニット形成工程では、例えば、複数枚のシリコン(Si)基板がエッチング等によって加工され、加工された複数枚のシリコン基板が積層される。これによって、図7(A)に示すように、4つのインク供給口38、4つのマニホールド39、複数の圧力室303、複数のノズル35、及び複数の絞り孔40が形成されたキャビティユニット30が形成される。なお、図7(A)では、溝状又は孔状に形成された圧力室303の周囲のみを図示している。
次いで、第一穴部形成工程が行われる(S2)。第一穴部形成工程では、図7(B)に示すように、例えば、ハーフエッチングによって、キャビティユニット30の圧力室303の外側に一対の第一穴部301,302が形成される。
次いで、分離層積層工程が行われる(S3)。分離層積層工程では、予め層状(板状)に形成された1枚の分離層32がキャビティユニット30の上側に積層(配置)される。分離層32は、例えば、接着剤によってキャビティユニット30の上側に積層される。この結果、図7(C)に示すように、分離層32は圧力室303に接する状態となる。
次いで、絶縁層形成工程が行われる(S4)。絶縁層形成工程では、図7(D)に示すように、分離層積層工程(S3)によって積層される分離層32上に絶縁層36が形成される。絶縁層36の形成は、例えば、スクリーン印刷、インクジェット等によって分離層32上にレジスト層を塗布し、加熱してレジスト層を熱硬化させることによって形成される。本実施形態では、図2に示すように、分離層32上を布送り方向に延びるように、複数本(本実施形態では4本)の絶縁層36が形成される。
次いで、アクチュエータ配置工程が行われる(S5)。アクチュエータ配置工程は、圧電アクチュエータ素子34を分離層32上、且つ第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとが第一穴部301,302に対向するように配置する工程である。
図6を参照し、アクチュエータ配置工程の詳細について説明する。図6に示すように、アクチュエータ配置工程では、まず、第一配置工程が行われる(S51)。図8(A)に示すように、第一配置工程では、第一板状部材90の複数の第二穴部901に圧電アクチュエータ素子34が配置される。第一板状部材90は、平面視矩形状の板部材である。第一板状部材90の第二穴部901は、インクジェットヘッド3に配置する圧電アクチュエータ素子34の並び(図2参照)に対応して設けられている。第一配置工程では、第一板状部材90上に複数の圧電アクチュエータ素子34が供給される。そして、第一板状部材90が振動されて第二穴部901内に圧電アクチュエータ素子34が配置される。このとき、圧電アクチュエータ素子34の上面は、第一板状部材90の上面より上方に突出した状態となる(図8(A)参照)。
次いで、接着工程が行われる(S52)。接着工程では、第一板状部材90の第二穴部901に配置された圧電アクチュエータ素子34が第二板状部材91に接着される。第二板状部材91の底面には、粘着剤が塗布されている。圧電アクチュエータ素子34が第二板状部材91に接着される際には、第二板状部材91の底面が、圧電アクチュエータ素子34の上面に当接される(図8(B)参照)。そして、第二板状部材91の底面に圧電アクチュエータ素子34が接着された状態で、第二板状部材91が上方に持ち上げられる(図8(C)参照)。
次いで、導電性接着剤塗布工程が行われる(S53)。導電性接着剤塗布工程では、まず、導電性を有する接着剤が、絶縁層36が配置されている部位以外の分離層32上に塗布される。接着剤の塗布は、例えば、スクリーン印刷によって行われる。
次いで、第二配置工程が行われる(S54)。第二配置工程では、接着工程(S52)によって第二板状部材91に接着された圧電アクチュエータ素子34(図8(C)参照)が、分離層32上且つ圧力室303の上側に配置され、第二板状部材91が下方に加圧される。このとき、第一外部電極341と第二外部電極342とが、第一穴部301,302の上側に配置される。圧電アクチュエータ素子34の第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Bとは、積層体343から外側に突出している。このため、圧電アクチュエータ素子34が配置される際に、第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとが第一穴部301,302の上側の分離層32の部位を下方に押す。分離層32は可撓性を有するので、第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとに押された分離層32は、第一穴部301,302の内側に向かって下方に凹む。これによって、凹部321,322が形成される(図7(E)参照)。また、第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとは、第一穴部301,302の形状によって凹む凹部321,322によって位置決めされる。言い換えると、第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとは、第一穴部301,302によって位置決めされている。この結果、図3に示すように、圧電アクチュエータ素子34は、第一突出部341A及び第二突出部342Aに対向する位置に設けられた第一穴部301,302によって、分離層32上においてキャビティユニット30及び分離層32と嵌合するように接着された状態となる。
そして、第二板状部材91が上方に移動される。第二板状部材91の底面の粘着剤の接着力は、S53で分離層32に塗布された接着剤の接着力より小さい。よって、第二板状部材91が上方に移動した場合に、圧電アクチュエータ素子54は、第二板状部材91から剥がれ、分離層32側に接着された状態となる。この状態で加熱処理が行われると、圧電アクチュエータ素子34が、S53で塗布された接着材によって固定された状態となる。なお、圧電アクチュエータ素子34の積層体343の圧電層343B,343Cの分極方向は定まっていない状態である。
次いで、アクチュエータ配置工程が終了され、配線接続工程が行われる(S6)。配線接続工程では、まず、バンプ522が接続される第二外部電極342の上側の部位と、バンプ521が接続される分離層32の部位328とに導電性の接着剤が塗布される。COF52には、予めバンプ521,522が形成されている。そして、部位328上にバンプ522が配置され、第二外部電極342の上側にバンプ521が配置された状態で、COF52が上側から押される。これによって、導電性の接着剤を介して、バンプ522が第二外部電極342の上側に接着され、バンプ521が分離層32に接着された状態となる(図3参照)。これによって、インクジェットヘッド3の完成体(図3参照)が得られる。なお、完成したインクジェットヘッド3を制御基板60に接続し、制御基板60の制御によって第一外部電極341と第二外部電極342とを介して第一内部電極344,345と第二内部電極346との間に電圧が印加されると、圧電層343B,343Cが分極される。次いで、製造工程が終了される。
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッド3が製造される。本実施形態では、第一外部電極341と第二外部電極342とが圧電アクチュエータ素子34の積層体343の外側に突出している。仮に、第一穴部301,302が設けられていない場合、分離層32の凹部321,322は形成されない。このため、圧電アクチュエータ素子34が分離層32の上側に配置された場合に、第一外部電極341と第二外部電極342との厚み分、積層体343が分離層32から離間する。このため、圧電アクチュエータ素子34の動作が分離層32に伝搬し難い。よって、インクを正常に吐出できない場合がある。
本実施形態では、第一穴部301,302が第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとに対向する位置に設けられている。このため、第一穴部301,302が設けられていない場合に比べて、第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとをよりキャビティユニット30側(下側)に配置することができる。よって、圧電アクチュエータ素子34の積層体343が分離層32に近づく。このため、圧電アクチュエータ素子34の動作が分離層32に伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
また、本実施形態では、第一穴部301,302はキャビティユニット30に形成されており、キャビティユニット30に形成された第一穴部301,302は分離層32によって覆われている。このため、仮に圧力室303内のインクが、キャビティユニット30と分離層32との間から漏れて第一穴部301,302に到達したとしても、分離層32によって第一穴部301,302から外部にインクが漏れることを防止できる。
また、分離層32は導電性を有し、各チャネル70の圧電アクチュエータ素子34の第一外部電極341は、分離層32を介して互いに電気的に接続されている。すなわち、分離層32を、圧電アクチュエータ素子34の第一外部電極341同士を接続する共通配線として使用することができる。よって、第一外部電極341同士を接続する配線を別途設ける必要がない。よって、インクジェットヘッド3の製造コストを低減することができる。
また、複数本の絶縁層36のそれぞれの上には、2列の圧電アクチュエータ素子34の第二外部電極342が対向するように、圧電アクチュエータ素子34が配置されている。このため、図2に示すように、一方の列の圧電アクチュエータ素子34の第二外部電極342の他方の列に向かう方向側には、絶縁層36が必ず位置している。よって、導電性接着剤塗布工程(図6のS53)において塗布される第二外部電極342とバンプ522を接続する導電性の接着剤が、第二外部電極342から崩れ落ちた場合に、導電性の接着剤は絶縁層36上に落ちる。このため、導電性の接着剤を介して、第二外部電極342と分離層32とが短絡してしまうことを防止できる。
また、アクチュエータ配置工程(S5)によって配置される圧電アクチュエータ素子34は、第一穴部301,302によって位置決めされる。このため、第一穴部301,302で位置決めされない場合に比べて圧電アクチュエータ素子34の配置位置のバラツキが少なくなる。よって、正常な位置に圧電アクチュエータ素子34が配置される。故に、インクを正常に吐出することができる。
また、第二板状部材91に複数の圧電アクチュエータ素子34が接着され、第二配置工程(S4)で、複数の圧電アクチュエータ素子34が圧力室303上(分離層32上)に配置されていた。複数の圧電アクチュエータ素子34を一度に分離層32上に配置するので、例えば、実装機等によって個々の圧電アクチュエータ素子34を順番に配置する場合に比べて、圧電アクチュエータ素子34を配置する時間を短縮することができる。
上記実施形態において、圧力室303が本発明の「インク室」に相当する。キャビティユニット30が本発明の「インク室形成部材」に相当する。分離層32が本発明の「層状部材」に相当する。COF50が本発明の「配線部材」に相当する。バンプ522が本発明の「バンプ」に相当する。キャビティユニット形成工程(S1)が本発明の「インク室形成工程」に相当する。分離層積層工程(S3)が本発明の「層状部材積層工程」に相当する。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、第一板状部材90及び第二板状部材91等が使用されて、圧電アクチュエータ素子34が配置されていたが、これに限定されない。例えば、圧電アクチュエータ素子34は、部品を実装する実装機によって分離層32上に配置されてもよい。
本実施形態では、図3に示すように第一内部電極344,345と第二内部電極346とが上下対称である。また、第一外部電極341と第二外部電極342も上下対称である。このため、例えば、圧電アクチュエータ素子34が上下反転して分離層32上に配置されてもよい。この場合でも、圧電アクチュエータ素子34の配置は、図3の場合と同様である。よって、上記実施形態と同様にインクを吐出することができる。なお、この場合、第一穴部301,302は、第一突出部341Bと第二突出部342Bとに対向する。
また、圧電アクチュエータ素子34が左右反転して分離層32上に配置されてもよい。この場合、第二外部電極342が分離層32と電気的に接続され、第一外部電極341がバンプ522と接続された状態となる。よって、第二外部電極342に接続された1つの第二内部電極346はグランドのレベルに保持される。また、第一外部電極341と2つの第一内部電極344,345には駆動信号が印加される。また、配線接続工程(S6)の後に、完成したインクジェットヘッド3を制御基板60に接続し、制御基板60の制御によって第一外部電極341と第二外部電極342とを介して第一内部電極344,345と第二内部電極346との間に電圧が印加されると、圧電層343B,343Cが分極される。このとき、分極方向は、矢印200及び201の逆方向になる。この状態で、第二外部電極342がグランドのレベルに保持され、第一外部電極341に駆動信号が印加されると、上記実施形態の場合と同様に、圧電層343B,343Cが左右方向の内側に向かって収縮する(矢印203参照)。よって、上記実施形態と同様にインクを吐出することができる。この変形例の場合、第一外部電極341が本発明の「第二外部電極」に相当し、第二外部電極342が本発明の「第一外部電極」に相当する。第一内部電極344,345が本発明の「第二内部電極」に相当し、第二内部電極346が本発明の「第一内部電極」に相当する。
このように、本実施形態の圧電アクチュエータ素子34は、上下左右に反転してもよい。よって、第一配置工程(S51)で第一板状部材90の第二穴部901に圧電アクチュエータ素子34が配置される場合に、圧電アクチュエータ素子34が上下左右に反転してもよい。よって、圧電アクチュエータ素子34の向きを揃える必要がある場合に比べて、第一板状部材90の第二穴部901に圧電アクチュエータ素子34を配置する工程を簡略化することができる。
また、第一内部電極344,345、第二内部電極346の本数は限定されない。例えば、第一内部電極が344,345の一方のみ設けられてもよい。また、第一内部電極及び第二内部電極の本数を増やしてもよい。
また、第一実施形態では、分離層32が導電性を有していたが、これに限定されない。例えば、図9に示す第二実施形態のように、導電性を有しない分離層32Aを用いてもよい。この場合、各チャネル70の圧電アクチュエータ素子34の第一外部電極341を互い電気的に接続する配線72を、分離層32上に設けてもよい。配線72を形成するための工程である配線形成工程は、図5の分離層積層工程(S3)と絶縁層形成工程(S4)との間、又は、絶縁層形成工程(S4)とアクチュエータ配置工程(S5)との間に行えばよい。配線形成工程では、例えば、スパッタ、蒸着法などによって、導電性を有する配線72が形成される。配線72は部位328上にも形成され、配線接続工程(S6)で、配線72とバンプ521とが接続される。
第二実施形態の場合、第一外部電極341同士を接続するための配線をCOF52等に設ける必要がない。よって、第一外部電極341同士を接続するための配線をCOF52に設け、導電性の接着剤でCOF52の配線と第一外部電極341を接続する場合に比べて、導電性の接着剤が不要なため、インクジェットヘッド3の製造コストを低減できる。なお、配線72が本発明の「配線」に相当する。
また、第一実施形態では、第二外部電極342は、絶縁層36によって分離層32と絶縁されていたが、これに限定されない。例えば、図10に示す第三実施形態のように、分離層32に、第二外部電極342の第二突出部342Aに対向し、第二外部電極342から離れる方向(下方向)に向かって分離層32を貫通する第一穴部324が設けられてもよい。そして、第一穴部324によって導電性を有する分離層32と第二外部電極342を絶縁してもよい。この場合、絶縁層形成工程(S4)は行わなくてもよい。また、分離層積層工程(S3)の次に、第一穴部324を形成する工程を設けてもよい。また、図5に示す製造工程とは別に、S3で積層される前の分離層32に第一穴部324を予め形成する工程を設けてもよい。そして、S3で第一穴部324が形成された分離層32をキャビティユニット30上に積層してもよい。
第三実施形態の場合、分離層32に設けられた第一穴部324によって第二外部電極342と分離層32とが離間する。よって、第二外部電極342と分離層32とを確実に絶縁することができる。
なお、図11に示す第四実施形態のように、キャビティユニット30に第一穴部302(図10参照)が設けられず、分離層32の第一穴部324を設けてもよい。この場合でも、第一穴部324によって第二外部電極342と分離層32とを確実に絶縁することができる。
また、図12に示す第五実施形態のように、絶縁性を有する弾性部材74(例えば、エポキシ樹脂等)で第一穴部302,324が埋められてもよい。また、第一外部電極341の第一突出部341Aに対向し、第一外部電極341から離れる方向(下方向)に向かって分離層32を貫通する第一穴部323が設けられてもよい。そして、導電性を有する弾性部材73(例えば、導電性接着材等)で第一穴部301,323が埋められてもよい。
この場合、例えば、第三実施形態(図10参照)における第一穴部324を形成する場合と同様にして、第一穴部323を形成する。また、絶縁層形成工程(S4)は実行されない。また、アクチュエータ配置工程(S5)が実行される前に、導電性を有する弾性部材73で第一穴部301,323を埋める第一埋込工程と、導電性を有しない弾性部材74で第一穴部302,324を埋める第二埋込工程とを行う。第一埋込工程と第二埋込工程とによって、図13に示すように、第一穴部301,323が弾性部材73で埋められ、第一穴部302,324が弾性部材74で埋められた状態となる。そして、アクチュエータ配置工程(S5)の第二配置工程(S54)で、圧電アクチュエータ素子34が配置されると、第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Bとに押されて弾性部材73,74が下方に撓む。これによって、図12に示すように、第一外部電極341の第一突出部341Aと第二外部電極342の第二突出部342Aとが弾性部材73,74に埋まった状態となる。
第五実施形態の場合、第一穴部302,324が絶縁性を有する弾性部材74で埋められているので、第二外部電極342と分離層32とをさらに確実に絶縁することができる。また、第一穴部302,324を埋める弾性部材74が弾性を有するので、第二外部電極342の第二突出部342Aが弾性部材74に埋まった状態となる(図12参照)。このため、積層体343が分離層32に近づく。よって、圧電アクチュエータ素子34の動作が分離層に伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
また、第一穴部301,323が導電性を有する弾性部材73で埋められているので、第一外部電極341と分離層32とを弾性部材73を介して電気的に接続することができる。また、第一穴部301,323を埋める弾性部材73が弾性を有するので、第一外部電極341の第一突出部341Aが弾性部材73に埋まった状態となる(図12参照)。このため、積層体343が分離層32に近づく。よって、圧電アクチュエータ素子34の動作が分離層に伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。なお、図11に示す第一穴部324の場合と同様に、第一穴部301,323のうち、第一穴部301を設けなくてもよい。この場合、第一穴部323に弾性部材73を配置すればよい。このように、第一穴部はキャビティユニット30と分離層32との少なくとも一方に設けられていればよい。
また、図14に示す第六実施形態のように、分離層32に溝部751,752を設けてもよい。溝部751は、第一外部電極341と第二外部電極342とが対向する方向(図14の左右方向)において、第一穴部301と対向して第一穴部301より圧力室303側に設けられている。溝部752は、第一外部電極341と第二外部電極342とが対向する方向において、第一穴部302と対向して第一穴部302より圧力室303側に設けられている。溝部751,752は、圧力室303の端部の上側に位置している。また、溝部751,752の紙送り方向(図2参照)の幅は、第一外部電極341及び第二外部電極と略同一である。
第六実施形態の場合、分離層積層工程(S3)の次に、溝部751,752を形成する溝部形成工程が行われる。溝部形成工程では、例えば、ハーフエッチングによって溝部751,752が形成される。
圧電アクチュエータ素子34の積層体343と分離層32とは、S53で塗布される導電性の接着剤によって接着される。第六実施形態では、溝部751,752が設けられているので、積層体343と分離層32とが接着される場合に、余分な導電性の接着剤が溝部751,752に入り込む。このため、余分な接着剤が圧電アクチュエータ素子34の積層体343と分離層32との間に残る場合に比べて、積層体343と分離層32とが近づく。よって、圧電アクチュエータ素子34の動作が分離層32にさらに伝搬し易くなり、インクを正常に吐出することができる。
また、溝部751,752が設けられている分離層32の部位は、溝部751,752が設けられていない部位に比べて薄くなっている。このため、分離層32は溝部751,752において撓み易くなる。よって、分離層32が振動し易くなり、インクをさらに正常に吐出できる。
また、分離層32が振動する場合、圧力室303の上側の分離層32の振動が、分離層32、弾性部材73、及び弾性部材74等を介して隣接するチャネル70に伝搬する場合がある(いわゆるクロストーク)。前述したように、溝部751,752において分離層32が撓み易くなっている。分離層32が撓み易い場合、分離層32が撓み難い場合に比べて、隣接するチャネル70に向かって伝搬する振動を低減し易くなる。よって、振動が隣接するチャネル70に伝搬することを防止することができる。
なお、第六実施形態において、2つの溝部751,752が設けられていたが、これに限定されない。例えば、溝部751,752の少なくとも一方が設けられていてもよい。また、導電性を有する弾性部材73は金属等を含んでいる場合が多い。このため、導電性を有する弾性部材73は、導電性を有しない弾性部材74より硬い場合がある。このため、分離層32の振動は、弾性部材74より硬い弾性部材73を伝搬し易くなる。よって、振動を伝搬し易い弾性部材74が設けられている側の溝部751のみを設け、振動が隣接するチャネル70に伝搬することを防止してもよい。
また、COF52のバンプ522と第二外部電極342とを接続し、バンプ521と第一外部電極341とを分離層32を介して接続していたが(図12等参照)、これに限定されない。例えば、図15に示す第七実施形態のように、COF52のバンプ521,522を使用しなくてもよい。この場合、第一外部電極341を配線76に接続し、第二外部電極342を配線77に接続してもよい。図15に示す例では、導電性を有しない分離層32Aが使用される。そして、第一穴部301,323及び第一穴部302,324には、共に導電性を有する弾性部材73が埋め込まれている。配線76は、分離層32上に形成されている。配線76は、各チャネル70の共通電極である第一外部電極341同士を接続するための配線である。配線76は、第一穴部301,323の弾性部材73を介して第一外部電極341と電気的に接続されている。配線77は、個別電極である第二外部電極342を接続するための配線である。配線77は、第一穴部302,324の弾性部材73を介して第二外部電極342と電気的に接続されている。第七実施形態の場合、COF52にバンプ521,522を形成する必要がないので、コストダウンをすることができる。
1 プリンタ
3 インクジェットヘッド
30 キャビティユニット
32,32A 振動板
34 圧電アクチュエータ素子
35 ノズル
36 絶縁層
52 COF
70 チャネル
72,76,77 配線
90 第一板状部材
91 第二板状部材
301,302,323,324 第一穴部
303 圧力室
321,322 凹部
341 第一外部電極
341A,341B 第一突出部
342 第二外部電極
342A,342B 第二突出部
343 積層体
343A,343B,343C,343D 圧電層
344,345 第一内部電極
346 第二内部電極
347 第一端部
348 第二端部
521,522 バンプ
751,752 溝部
901 第二穴部

Claims (15)

  1. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、
    前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、
    前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記インク形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、
    更に、
    前記第一穴部は前記インク室形成部材に形成されており、
    前記インク室形成部材に形成された前記第一穴部は、前記層状部材によって覆われていること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記層状部材は導電性を有し、
    前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極は前記層状部材を介して互いに電気的に接続されており、
    前記第二外部電極と前記層状部材とは、前記層状部材に積層された絶縁層で絶縁されていることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記第二外部電極に接続されるバンプを備えた配線部材を備え、
    前記絶縁層は、前記層状部材上を延び、前記層状部材に複数本積層され、
    複数本の前記絶縁層のそれぞれの上には、2列の前記圧電アクチュエータ素子の前記第二外部電極が対向するように前記圧電アクチュエータ素子が配置されていることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記層状部材は導電性を有さず、
    前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極は、前記層状部材上に形成された配線を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  5. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、
    前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、
    前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記インク室形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、
    且つ、
    前記層状部材は導電性を有し、
    前記第一外部電極は、前記層状部材に電気的に接続され、
    前記第二外部電極は、前記層状部材に設けられた前記第一穴部によって前記層状部材と絶縁されており、
    更に、
    前記第二外部電極の前記第二突出部に対向する前記第一穴部は、絶縁性を有する弾性部材で埋められていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、
    前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、
    前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記インク室形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、
    更に、
    前記層状部材には、前記第一外部電極と前記第二外部電極とが対向する方向において、前記第一穴部と対向して前記第一穴部より前記インク室側に設けられた少なくとも1つの溝部が設けられたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドであって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材と、
    前記インク室形成部材に積層され、前記インク室に接する層状部材と、
    前記層状部材上に配置される圧電アクチュエータ素子と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記インク室形成部材と前記層状部材の少なくともいずれか一方は、前記第一突出部及び前記第二突出部と対向する位置に設けられた第一穴部を有し、
    更に、
    前記積層体から前記積層方向に突出する前記第一突出部と前記第二突出部とは、前記第一穴部によって位置決めされていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、
    前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、
    前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、
    更に、
    前記第一穴部形成工程は、前記インク室形成部材に前記第一穴部を形成し、
    前記層状部材積層工程は、前記インク室形成部材に形成された前記第一穴部を覆うように前記層状部材を積層すること
    を特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  9. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、
    前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、
    前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、
    且つ、
    前記層状部材積層工程によって積層される前記層状部材上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程を備え、
    前記層状部材積層工程によって積層される前記層状部材は導電性を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極を前記層状部材に電気的に接続し、前記絶縁層形成工程によって形成された前記絶縁層上に前記第二外部電極を配置し、
    更に、
    前記絶縁層形成工程は、前記層状部材上を延びるように複数本の前記絶縁層を形成し、
    前記アクチュエータ配置工程は、2列の前記圧電アクチュエータ素子の前記第二外部電極が対向するように、前記絶縁層形成工程によって形成された前記複数本の前記絶縁層のそれぞれの上に前記圧電アクチュエータ素子を配置することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  10. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、
    前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、
    前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、
    更に、
    前記層状部材上に配線を形成する配線形成工程を備え、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記各チャネルの前記圧電アクチュエータ素子の前記第一外部電極を前記配線形成工程によって形成された配線に電気的に接続し、
    前記層状部材は導電性を有さないことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  11. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、
    前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、
    前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、
    更に、
    前記第一穴部形成工程は、少なくとも前記層状部材に前記第一穴部を形成し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一外部電極を前記層状部材に電気的に接続し、前記第二外部電極を、前記層状部材に形成された前記第一穴部に配置し、
    前記層状部材は導電性を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  12. 絶縁性を有する弾性部材で、前記第二外部電極に対向する前記第一穴部を埋める埋込工程を備えたことを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  13. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、
    前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、
    前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、
    更に、
    前記第一外部電極と前記第二外部電極とが対応する方向において、前記第一穴部と対向して前記第一穴部より前記インク室側に設けられた少なくとも1つの溝部を前記層状部材に形成する溝部形成工程を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  14. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、
    前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、
    前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、
    更に、
    前記アクチュエータ配置工程が前記圧電アクチュエータ素子を配置する場合に、前記積層体から前記積層方向に突出する前記第一外部電極の前記第一突出部と前記第二外部電極の前記第二突出部とが前記第一穴部によって位置決めされることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  15. インクを吐出する複数のノズルと、前記ノズルから吐出される前記インクが収納されるインク室とを備えたチャネルを複数有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク室を形成する孔又は溝を有する部材であるインク室形成部材を形成するインク室形成部材形成工程と、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成された前記インク室形成部材と前記インク室形成部材上に配置される層状部材との少なくとも一方に、一対の第一穴部を形成する第一穴部形成工程と、
    前記インク室形成部材上に、前記インク室に接する前記層状部材を積層する層状部材積層工程と、
    前記層状部材上に圧電アクチュエータ素子を配置するアクチュエータ配置工程と
    を備え、
    前記圧電アクチュエータ素子は、
    複数の圧電層が積層された積層体と、
    前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部まで延びる第一内部電極と、
    少なくとも1つの圧電層を挟んで前記第一内部電極と対向し、前記積層体の隣接する2つの圧電層の間に配置され、前記積層体の第一端部とは異なる位置に位置する第二端部まで延びる第二内部電極と、
    前記第一端部に設けられて前記第一内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第一突出部を有する第一外部電極と、
    前記第二端部に設けられて前記第二内部電極と接続された電極であって、前記積層体の積層方向において突出する第二突出部を有する第二外部電極と
    を有し、
    前記アクチュエータ配置工程は、前記第一突出部及び前記第二突出部が前記第一穴部に対向する位置に前記圧電アクチュエータ素子を配置し、
    更に、
    前記アクチュエータ配置工程は、
    前記インク室形成部材形成工程によって形成される前記インク室形成部材の前記インク室に対応する位置に設けられた複数の第二穴部を有する第一板状部材の前記第二穴部に前記圧電アクチュエータ素子を配置する第一配置工程と、
    前記第一配置工程によって前記第一板状部材の前記第二穴部に配置された前記圧電アクチュエータ素子を第二板状部材に接着する接着工程と、
    前記接着工程によって前記第二板状部材に接着された前記圧電アクチュエータ素子を、前記インク室上に配置する第二配置工程と
    を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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