JP5966515B2 - 接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂部材に一体的に鋳込まれ、雌ネジ穴と、該雌ネジ穴に雄ネジ部材をネジ込んだときに面圧を受ける受圧面と、前記樹脂部材に保持される保持部を備えた金属製のインサート用ナット部材と、それを樹脂部材に一体的に鋳込んだ接合構造に関する。
トラック等の自動車部品においては、ボルト部材とナット部材を用いた多くの接合構造が使用されている。そのひとつに、トラックやバス等のドアガラスを車体に取り付ける部位において、雌ネジ穴を備えたインサート用ナットを合成樹脂に一体的に鋳込んだ接合部材が使用されている。
この一方の接合部材であるホルダーに設けられたインサート用ナットの雌ネジ穴にホルダーボルトをネジ込んで、ホルダーに、他方の接合部材であるレギュレータブラケットを接合して、この両者の接合部材を用いてドアガラスを車体に取り付けている。このレギュレータブラケットは、ドアガラスの前方と後方の2個所に設けてあり、一方は、位置合わせ用の丸穴を有し、他方は、寸法誤差を吸収するための長穴を有している。
この固定方法において、ドアガラスの前側のレギュレータブラケットを固定するホルダーボルトに緩みが発生し易いという問題が発見された。この問題は、ホルダーボルトに緩みが発生すると、ホルダーボルトの脱落、ホルダーの破損、ドアガラス開閉時の低級音(ガタガタ音)の発生、ガラスの開閉不良、ガラスの脱落などに繋がるので軽視できない問題である。
本発明者は、このホルダーボルトの緩みの原因を解析したところ、図9〜図13に示すように、従来の接合構造1Xでは、第1接合部材2Xと第2接合部材である金属製のレギュレータブラケット3とをホルダーボルト4で接合しているが、レギュレータブラケット3と金属製のインサート用ナット20Xの雌ネジ穴21Xの周囲の受圧面22Xとの接触面積が小さいため、レギュレータブラケット3と受圧面22Xの周囲の合成樹脂25Xの部分との接触面積が大きくなっており、ホルダーボルト4の締結力によって発生する押圧力の多くを合成樹脂25Xの部分で受けていることの知見を得た。
なお、図9〜図11に示すように、インサート用ナット20Xの受圧面22Xは円筒体23Xの上面となっており、この円筒体23Xは、正六角形形状の保持部24Xと一体に成形されている。ちなみに、従来技術では、例えば、図10に示すD1が6.5φの場合に、D2が8.5φで、D3が13.4φとなっており。また、図11に示すt1が
5.0mmで、t2が2.0mmとなっている。
また、このレギュレータブラケット3に接する合成樹脂25Xの面は成形製品であるため、平面度が劣って凹凸が生じており、図14に示すように合成樹脂25Xの部分が反り返ったりするので、ホルダーボルト4の締結力、すなわち、軸力を金属部分である受圧面22Xで十分に支持することができず、また、合成樹脂25Xの部分による支持だけでは、合成樹脂25Xにおいては熱クリープや経時による応力緩和の影響で軸力が低下するため、支持が不十分な状態になってしまうことから、ホルダーボルト4の緩みが発生するとの知見も得た。
なお、これに関連して、インサートナットの断面が凹型であるが、図9〜図11に類似したインサートナットを合成樹脂材料で一体的に鋳込む場合のインサートナットの装着方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−47773号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂部材に一体的に鋳込まれ、雌ネジ穴と、該雌ネジ穴に雄ネジ部材をネジ込んだときに面圧を受ける受圧面と、前記樹脂部材に保持される保持部を備えた金属製のインサート用ナット部材で、雄ネジ部材の締結力を十分に支持できる接合構造を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の接合構造は、ボルトと、前記ボルトを螺合する金属製のナット部材と、前記ナット部材の外周端から外側方向外周に樹脂により形成された樹脂部材と、前記ナット部材がボルト締結用の雌ネジ穴のある受圧面で接触している第2接合部材と、を備え、前記ボルトが前記ナット部材と螺合すると共に前記ボルトと前記ナット部材とにより第2接合部材が挟持された状態で、前記樹脂部材が前記第2接合部材と非接触となるように前記ナット部材に接合している。
また、上記の接合構造において、前記樹脂部材の外周側の樹脂の部分に段落ち部を設けている。
また、上記の接合構造において、前記ナット部材の中央部の外径が、前記ナット部材の端部の外径よりも大きく、前記樹脂部材は、前記ナット部材の外径の大きい中央部を覆うように形成されている。
さらに、上記の接合構造において、前記第2接合部材の前記ナット部材の受圧面と接触する第1面と、この第1面と対向する前記樹脂部材の第2面と、の間には、樹脂が熱変形により反り返った時に前記第1面と前記第2面とが接触しない間隔があいている。
そして、インサート用ナット部材は、樹脂部材に一体的に鋳込まれ、かつ、押圧面を有する雄ネジ部材が貫通する雌ネジ穴と、該雌ネジ穴に前記雄ネジ部材をネジ込んだときに面圧を受ける受圧面と、前記樹脂部材に保持される保持部を備えた金属製のインサート用ナット部材であって、前記雄ネジ部材を前記雌ネジ穴にネジ込んだときに前記雄ネジ部材の軸方向から見て前記雄ネジ部材の前記押圧面を内側に含むように前記受圧面の外周部分を形成する。
この構成によれば、雌ネジ穴にボルト等の雄ネジ部材をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材の受圧面で受けることができるので、受圧面の周囲の樹脂部材の部分による影響を少なくすることができ、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できる。
また、上記のインサート用ナット部材において、前記受圧面の外周部分を円形で形成し、前記保持部を前記雄ネジ部材の軸方向から見て前記受圧面の外周部分を内側に含むように多角形形状に形成し、前記雌ネジ穴のネジ径をD1、前記受圧面の直径をD2、前記多角形の外接円の直径をD3、前記受圧面を有する部分の厚みをt1、前記保持部の厚みをt2としたときに、1.4≦D2/D1≦3.0、1.8≦D3/D1≦4.0、0.2≦t2/t1≦0.7にして形成する。この構成によると、制作し易い上に、雄ネジ部材の緩みの発生を十分防止できる。
D2/D1を1.4より小さくすると、受圧面が小さくなり、雄ネジ部材の締結力を十分に受けることができなくなり、3.0より大きくすると受圧面が不必要に大きくなり、その分重くなり、樹脂部材との一体化するメリットが低下する。また、D3/D1を1.8より小さくすると、樹脂部材によるインサート用ナット部材の保持力が低下し、インサート用ナット部材が樹脂部材から外れ易くなり、4.0より大きくすると保持部が不必要に大きくなり、その分重くなり、樹脂部材との一体化するメリットが低下する。
また、t2/t1を0.2より小さくすると、受圧面を有する部分と保持部との間の強度が不足し、取り扱いに注意が必要になり、0.7より大きくすると、保持部を支える合成樹脂の部分の厚さが不十分になり、インサート用ナット部材を保持する合成樹脂の部分が破損し易くなる。なお、保持部の多角形としては、通常正六角形が用いられるが、これに限定することなく、インサート用ナット部材を保持する接合部材の形状に合わせて適宜多角形の形状を変化させても良い。
接合部材は、上記のインサート用ナット部材を樹脂部材に鋳込んで形成される。この構成によれば、雌ネジ穴に雄ネジ部材をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材の受圧面で受けることができると共に樹脂部材で受けないので、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できる。
上記のような目的を達成するための本発明の接合構造によれば、雌ネジ穴に雄ネジ部材をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材の受圧面で受けることができるので、受圧面の周囲の樹脂部材の部分による影響を少なくすることができ、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できる。
上記の接合構造において、前記押圧面と前記受圧面と間に配置される前記第2接合部材の厚みをt3とし、θ1を5度、θ2を50度としたときに、前記雄ネジ部材の軸方向から見て、前記受圧面の外周部分が、前記押圧面よりも前記雌ネジ穴の中心から放射方向に、t3×sin(θ1)以上かつt3×sin(θ2)以下の距離の分だけ拡大しているように形成される。この構成によれば、雌ネジ穴に雄ネジ部材をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材の受圧面で確実に受けることができるので、受圧面の周囲の合成樹脂の部分による影響を少なくすることができ、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できる。
このθ1とθ2の範囲に関しては、θ1を5度よりも小さくすると、受圧面が小さくなり、雄ネジ部材の締結力を十分に受けることができなくなり、θ2を50度より大きくすると受圧面が必要以上に大きくなり、その分重くなるので、合成樹脂との一体化するメリットが低下する。なお、より好ましくは、θ1を10.5度、θ2を12度とする。これにより、雄ネジ部材の締結力を受けるのに十分で、かつ、大き過ぎず、軽量化と緩み防止の適切なバランスが取れた大きさの受圧面とすることができる。
上記の接合構造において、前記受圧面の周囲の樹脂部材の部分に段落ち部を設ける。この構成によれば、第2接合部材が第1接合部材の受圧面の周囲の樹脂部材に接触することを防止できるので、より確実に、締結力(軸力)の多くを受圧面で確実に受けることができ、受圧面の周囲の樹脂部材の部分による影響を少なくすることができ、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できる。
上記の接合構造において、前記段落ち部の外周側の樹脂部材の部分を更に段落ちさせて構成する。この構成によれば、受圧面の外側の樹脂部材の部分が熱変形等により反り返っても、第2接合部材に接触することを防止できるので、より確実に、締結力(軸力)の多くを受圧面で確実に受けることができ、受圧面の周囲の樹脂部材の部分による影響を少なくすることができ、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できる。
上記の接合構造を有して構成される自動車用部品によれば、雌ネジ穴に雄ネジ部材をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材の受圧面で受けることができるので、受圧面の周囲の樹脂部材の部分による影響を少なくすることができ、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できる。
なお、上記のインサート用ナット部材は、インサート用ナット部材の厚みt1が雌ネジ穴の径D1の0.5倍から2倍程度のときに効果がある。つまり、厚みt1が小さいと、雌ネジ穴の深さが浅く、ネジ部の長さが短くなり、雄ネジと雌ネジの当接する部分で締結力の多くを吸収できないので、受圧面で締結力(押圧力)に抵抗する必要があるからである。
本発明に係る接合構造によれば、樹脂部材に一体的に鋳込まれ、雌ネジ穴と、該雌ネジ穴に雄ネジ部材をネジ込んだときに面圧を受ける受圧面と、前記樹脂部材に保持される保持部と、を備えた金属製のナット部材の受圧面で、雄ネジ部材の締結力を十分に支持でき、雄ネジ部材の緩みの発生を防止できて、雄ネジ部材の脱落、接合部材の破損、接合部材間の接合不良などを回避することができる。
本発明のインサート用ナット部材を示す斜視図である。 図1のインサート用ナット部材の平面図である。 図1のインサート用ナット部材の側面図であり、左半分は断面を示す。 本発明の参考となる接合部材の構成を示す斜視図である。 本発明の接合構造の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態の段落ちを設けた接合構造の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態の2段階の段落ちを設けた接合構造の構成を示す断面図である。 図7の接合構造における合成樹脂(樹脂部材)の部分の反り返りを示す断面図である。 従来技術のインサート用ナット部材を示す斜視図である。 図9のインサート用ナット部材の平面図である。 図9のインサート用ナット部材の側面図であり、左半分は断面を示す。 従来技術の接合部材の構成を示す斜視図である。 従来技術の接合構造の構成を示す断面図である。 図13の接合構造における合成樹脂(樹脂部材)の部分の反り返りを示す断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態のインサート用ナット部材、接合部材、接合構造、及び自動車用部品について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図5に示すように、本発明のインサート用ナット部材20は、押圧面4aを有する雄ネジ部材であるボルト4が貫通する雌ネジ穴21と、この雌ネジ穴21に押圧面4aを有する雄ネジ部材であるボルト4をネジ込んだ(螺合した)ときに面圧を受ける受圧面22と、合成樹脂25に保持される保持部24を備えた金属製のインサート用ナット部材である。
ボルト4の押圧面4aは、ボルト4の頭部の座面がこれに相当するが、頭部が皿形状等であっても、第2接合部材3を押圧する面が押圧面4aとなる。また、通常、受圧面22は円形で形成され、円筒体23の一方側の面として形成されるが、円形に限定する必要はない。また、保持部24はボルト4の軸方向(図5の矢印A方向)から見て多角形(ここでは正六角形)に形成される。
本発明の実施の形態の接合部材(第1接合部材)2は、例えば図4に示すように、インサート用ナット部材20を合成樹脂25に鋳込んで形成され、インサート用ナット部材20と合成樹脂25とが一体化した接合部材(図4の例示ではガスラスホルダー)として使用される。
また、図5に示すように、本発明の参考となる接合構造1は、ボルト(図5の例示ではホルダーボルト)4を雌ネジ穴21にネジ込んで、インサート用ナット部材20を一体的に鋳込んだ合成樹脂(樹脂部材)25で形成された第1接合部材(図5の例示ではガスラスホルダー)2に第2接合部材(図5の例示ではレギュレータブラケット)3を接合する接合構造である。また、本発明の参考となる自動車用部品は、上記の接合構造1を有して構成される。
そして、本発明においては、図5に示すように、インサート用ナット部材の受圧面22の外周部分22aを、ボルト4を雌ネジ穴21にネジ込んだときにボルト4の軸方向から見てボルト4の押圧面4aを内包するように形成する。即ち、押圧面4aを直径Dpの円形で形成し、受圧面22を直径D2の円形で形成する場合に、直径D2を直径Dpより大きくして形成する。なお、ボルト4の押圧面4aの外周部分が六角形形状に形成されている場合には、受圧面22の直径D2を押圧面4aの外周部分の六角形を内包するように、六角形の外接円の直径より大きく形成する。
この構成によれば、雌ネジ穴21にボルト4をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材20の受圧面22で受けることができるので、受圧面22の周囲の合成樹脂25の部分による影響を少なくすることができ、ボルト4の緩みの発生を防止できる。
更に、図2及び図5に示すように、雌ネジ穴21のネジ径をD1、受圧面22の外周部分22aの直径をD2、保持部25の多角形の外接円の直径をD3としたときに、1.4≦D2/D1≦3.0、1.8≦D3/D1≦4.0の関係を有するようにして形成すると、制作し易くなる上に、ボルト4の緩みの発生を十分防止できる。
つまり、D2/D1を1.4より小さくすると、受圧面22が小さくなり、ボルト4の締結力を十分に受けることができなくなり、3.0より大きくすると受圧面22が不必要に大きくなり、その分重くなるので、合成樹脂25との一体化するメリットが低下する。
また、D3/D1を1.8より小さくすると、合成樹脂25によるインサート用ナット部材20の保持力が低下し、インサート用ナット部材20が合成樹脂25から外れ易くなり、4.0より大きくすると保持部25が不必要に大きくなり、その分重くなり、合成樹脂25との一体化するメリットが低下する。
そして、更に、図3に示すように、受圧面22を有する部分の厚みをt1、前記保持部の厚みをt2としたときに、0.2≦t2/t1≦0.7の関係を有するようにして形成する。t2/t1を0.2より小さくすると、受圧面22を有する部分と保持部24との間の強度が不足し、取り扱いに注意が必要になり、0.7より大きくすると、保持部24を支える合成樹脂25の部分の厚さが不十分になり、インサート用ナット部材20を保持する合成樹脂25の部分が破損し易くなる。
このインサート用ナット部材20は、インサート用ナット部材20の厚みt1が雌ネジ穴21の直径D1の0.5倍から2倍程度のときに効果がある。つまり、厚みt1が小さいと、雌ネジ穴21の深さが浅く、ネジ部の長さが短くなり、雄ネジと雌ネジの当接する部分で締結力の多くを吸収できないので、受圧面22で締結力(押圧力)に抵抗する必要があるからである。
なお、保持部24の多角形としては、通常正六角形が用いられるが、これに限定することなく、インサート用ナット部材20を保持する接合部材2の形状に合わせて適宜多角形の形状を変化させても良い。
あるいは、図5に示すように、接合構造2において、押圧面4aと受圧面22と間に配置される第2接合部材3の厚みをt3とし、受圧面22の外周部分22aと押圧面4aの外周部とを結ぶ直線がボルト4の軸方向となす角度をθとしたときに、θの角度が、5度(degree)以上50度以下、より好ましくは、10.5度以上12度以下となるように構成する。
言い換えれば、θ1を5度(degree)(より好ましくは10.5度)、θ2を50度(より好ましくは12度)としたときに、ボルト4の軸方向(矢印A方向)から見て、受圧面22の外周部分22aを、押圧面4aよりも雌ネジ穴21の中心から放射方向に、t3×sin(θ1)以上かつt3×sin(θ2)以下の距離dの分だけ拡大して形成する。
このθ1とθ2の範囲に関しては、θ1を5度よりも小さくすると、受圧面22が小さくなり、ボルト4の締結力を十分に受けることができなくなり、θ2を50度より大きくすると受圧面22が必要以上に大きくなり、その分重くなるので、合成樹脂25との一体化するメリットが低下する。なお、より好ましくは、θ1を10.5度、θ2を12度とする。これにより、ボルト4の締結力を受けるのに十分で、かつ、大き過ぎず、軽量化と緩み防止の適切なバランスが取れた大きさの受圧面22とすることができる。
この構成によれば、雌ネジ穴21にボルト4をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材20の受圧面22で確実に受けることができるので、受圧面22の周囲の合成樹脂25の部分による影響を少なくすることができ、ボルト4の緩みの発生を防止できる。
また、図6に示すように、接合構造1を更に発展させた接合構造1Aとして、受圧面22の周囲の合成樹脂25Aの部分に深さt4の段落ち部25aを設ける。図6に示す構成では、受圧面22の外側全部を段落ちさせているが、受圧面22の外周部分22aから予め設定した幅の範囲のみを段落ちさせる構造、つまり、受圧面22の外周部分22aの外側に凹部を巡らせる構成であってもよい。
この段落ち部25aの大きさは、円形で形成する場合には、その段落ち部25aの外周部分の直径D4を、受圧面22の外周部分22aの直径D2の1.2倍から3.0倍にする。また、深さt4は0.05mm〜2.0mm程度、より好ましくは0.1mm〜0.5mmとする。0.05mmより小さいと、熱変形等をして合成樹脂25Aが反り返ったときに第2接合部材3が第1接合部材2の受圧面22の周囲の合成樹脂25Aに接触していまい、2.0mmより大きいと、合成樹脂25Aによる保持部24の保持機能が低下してしまう。
これらの構成によれば、第2接合部材3が第1接合部材2の受圧面22の周囲の合成樹脂25Aに接触することを防止できるので、より確実に、締結力(軸力)の多くを受圧面22で確実に受けることができ、受圧面22の周囲の合成樹脂25Aの部分による影響を少なくすることができ、ボルト4の緩みの発生を防止できる。なお、合成樹脂25Aの部分による影響が少ないと判断される場合には、凹部を断続的に設けてもよい。
更に、図6の接合構造2Aに加えて、図7に示すように、段落ち部25aの外周側の合成樹脂25Bの部分25bを更に深さt5だけ段落ちさせて構成する。この深さt5は0.05mm〜2.0mm程度、より好ましくは0.1mm〜0.5mmとする。0.05mmより小さいと、熱変形等をして合成樹脂25Bが反り返ったときに第2接合部材3が第1接合部材2の受圧面22の周囲の合成樹脂25Bに接触していまい、2.0mmより大きいと、合成樹脂25Bによる保持部24の保持機能が低下してしまう。
この構成によれば、図8に示すように、受圧面22の外側の合成樹脂25Bの部分が熱変形等により矢印B方向に反り返っても、合成樹脂25Bが第2接合部材3に接触することを防止できるので、より確実に、締結力(軸力)の多くを受圧面22で確実に受けることができ、受圧面22の周囲の合成樹脂25Bの部分による影響を少なくすることができ、ボルト4の緩みの発生を防止できる。
上記の構成のインサート用ナット部材20、接合部材2、2A、2B、接合構造1、1A、1B、及び自動車用部品によれば、合成樹脂25、25A、25Bに一体的に鋳込まれ、雌ネジ穴21と、この雌ネジ穴21にボルト4をネジ込んだときに面圧を受ける受圧面22と、合成樹脂25、25A、25Bに保持される保持部24を備えた金属製のインサート用ナット部材20において、雌ネジ穴21にボルト4をネジ込んだときに発生する締結力(軸力)の多くを、金属製のインサート用ナット部材20の受圧面22で受けることができるので、受圧面22の周囲の合成樹脂25、25A、25Bの部分による影響を少なくすることができ、ボルト4の緩みの発生を防止できる。
本発明の接合構造によれば、樹脂部材に一体的に鋳込まれ、雌ネジ穴と、該雌ネジ穴にボルトをネジ込んだときに面圧を受ける受圧面と、樹脂部材に保持される保持部と、を備えた金属製のインサート用ナット部材の受圧面で、ボルトの締結力を十分に支持でき、ボルトの緩みの発生を防止できて、ボルトの脱落、接合部材の破損、接合部材間の接合不良などを回避することができるので、多くの自動車等における部品の接合に利用できる。
1、1A、1B、1X 接合構造
2、2A、2B、2X 第1接合部材(接合部材)
3 第2接合部材
4 ボルト
4a ボルトの押圧面
20、20X インサート用ナット部材
21、21X 雌ネジ穴
22、22X 受圧面
22a 受圧面の外周部分
23、23X 円筒体
24、24X 保持部
25、25A、25B、25X 合成樹脂
25a 段落ち部
25b 2番目の段落ち部
D1 雌ネジ穴のネジ径
D2 受圧面の直径
D3 保持部の多角形の外接円の直径
D4 段落ち部の外周部分の直径
Dp 押圧面の直径
t1 受圧面を有する部分の厚み
t2 保持部の厚み
t3 第2接合部材の厚み
t4 段落ち部分の深さ
t5 二番目の段落ち部分の深さ
θ、θ1、θ2 受圧面の外周部分と押圧面の外周部とを結ぶ直線がボルトの軸方向となす角度

Claims (4)

  1. ボルトと、前記ボルトを螺合する金属製のナット部材と、前記ナット部材の外周端から外側方向外周に樹脂により形成された樹脂部材と、前記ナット部材がボルト締結用の雌ネジ穴のある受圧面で接触している第2接合部材と、を備え、
    前記ボルトが前記ナット部材と螺合すると共に前記ボルトと前記ナット部材とにより第2接合部材が挟持された状態で、前記樹脂部材が前記第2接合部材と非接触となるように前記ナット部材に接合していることを特徴とする接合構造。
  2. 前記樹脂部材の外周側の樹脂の部分に段落ち部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の接合構造。
  3. 前記ナット部材の中央部の外径が、前記ナット部材の端部の外径よりも大きく、前記樹脂部材は、前記ナット部材の外径の大きい中央部を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合構造。
  4. 前記第2接合部材の前記ナット部材の受圧面と接触する第1面と、この第1面と対向する前記樹脂部材の第2面と、の間には、樹脂が熱変形により反り返った時に前記第1面と前記第2面とが接触しない間隔があいていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合構造。
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