JP6779568B2 - 締付トルク管理具、締付トルク管理具付ナット及びボルト、並びに取付物の取付方法 - Google Patents
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Description
これによれば、螺合部材の締め付けに際して締付トルク導入部を回転させると、締付トルク導入部から嵌合部、螺合部材へと締付トルクが伝達され、所定の締付トルクを超えたところで薄肉部が破断するので、作業者が所定の締付トルクでの締結完了を容易且つ明確に検知することができ、所定の締付トルクでの螺合締結を確実に行うことができる。また、薄肉部が破断しても、嵌合部と締付トルク導入部は厚肉部の連結による一体性を維持することから、所定の締付トルクでの螺合締結後に、一体的な締付トルク管理具を容易に螺合部材から取り外すことができる。即ち、締結後に締付トルク管理具の分離したカバー体等の一部分を取り外したり、ナット等の螺合部材に接着剤で接着する作業が不要となる。また、事前に締付トルク管理具をナット等の螺合部材に接着剤で接着する作業も不要である。従って、全体的な作業工程を削減し、作業効率を高めることができる。また、事前接着の作業コストを含む高価な締付トルク管理具付ナット等が不要であり、低コストで所定の締付トルクでの螺合締結を行うことができる。また、施工管理者は、締付トルク管理具の残留がないことを確認するだけで、所定の締付トルクでの螺合締結、施工完了を容易に手間無く確認することができると共に、遠くから目視しても容易に施工完了を確認することができる。また、薄肉部が破断した締付トルク管理具は厚肉部の連結が維持されることから、施工後に一体として取り外すことができるため、施工ナット本数と締付トルク管理具の数量を管理することにより、確実に施工管理をすることができる。また、ナット等の螺合部材の変形や破断を要せず、ナット等の螺合部材の種類を選ばずに適用することができ、例えば緩み止めナットのような特殊なナットに適用することも可能であり、汎用性に非常に優れる。
これによれば、所定の締付トルクでの螺合締結後に、一体的な締付トルク管理具を螺合部材から取り外す際に、切込みの幅の拡大又は破断誘発部の破断により、一体的な締付トルク管理具を非常に容易に螺合部材から取り外すことができる。
これによれば、嵌合部の周壁で最も肉厚が薄い破断誘発部に応力を集中させ、破断誘発部から薄肉部に亘って締付トルク管理具を部分破断させることができ、締付トルク管理具を意図する所望形状により確実に部分破断させ、締付トルク管理具が分離される破断をより確実に防止することができる。
これによれば、ナット又はボルト頭部等の螺合部材の締付外周面の複数の平面部を嵌合孔の複数のリブでそれぞれグリップし、ナット又はボルト頭部等と嵌合部を締付時に安定して連動させることができる。従って、締付トルク管理具を薄肉部でより確実に部分破断させることができると共に、締付トルクの管理精度を高めることができる。
これによれば、嵌合孔に嵌められたナット又はボルト頭部等を嵌合孔に完全に入り込ませずに一部が出っ張った状態にすることが可能となるから、ナット又はボルトで取り付けられる取付物と締付トルク管理具とが接触することを防止することができる。従って、取付物と締付トルク管理具の接触による誤差を生ずることなく、非常に正確に締付トルクのトルク管理を行うことができると共に、締付時に締付トルク管理具が取付物にこすれて締付トルク管理具や取付物に傷がつくことを防止することができる。
これによれば、締付トルク管理具とナットが一体的に設けられた締付トルク管理具付ナットを用いて締結作業を行うことにより、ナットの締結作業を一層効率的に行うことができる。
これによれば、締付トルク管理具とボルトが一体的に設けられた締付トルク管理具付ボルトを用いて締結作業を行うことにより、ボルトの締結作業を一層効率的に行うことができる。
これによれば、本発明の締付トルク管理具付ナットと同様の効果が得られると共に、ナットからボルト軸部が突出する長さ如何に拘わらず、所定の締付トルクでの螺合締結を確実に行うことができる。また、切込みの幅の拡大により、一体的な締付トルク管理具を非常に容易に螺合部材から取り外すことができる。
これによれば、本発明の締付トルク管理具付ナットと同様の効果が得られると共に、ナットからボルト軸部が突出する長さ如何に拘わらず、所定の締付トルクでの螺合締結を確実に行うことができる。また、破断誘発部から薄肉部に亘って締付トルク管理具を部分破断させることにより、一体的な締付トルク管理具を非常に容易に螺合部材から取り外すことができる。
本発明による第1実施形態の締付トルク管理具1は、図1〜図5に示すように、嵌合部2と締付トルク導入部3とが間に位置する連結部4で連結されたものであり、全体がポリプロピレンやポリエチレン、ABS樹脂等の共重合合成樹脂、或いはポリカーボネート等の耐熱性に優れるエンジニアリングプラスチック等の合成樹脂又はアルミニウムやアルミニウム合金等で一体的に形成されている。
本発明による第2実施形態の締付トルク管理具1aは、図10及び図11に示すように、嵌合部2aと締付トルク導入部3aとが連結部4aで一体的に連結されたものであり、第1実施形態と同様の材料を適宜用いて一体的に形成されている。
本発明による第3実施形態の締付トルク管理具1bは、図12〜図14に示すように、嵌合部2bと締付トルク導入部3bとが連結部4bで一体的に連結されたもので、第1実施形態と同様の材料を適宜用いて一体的に形成されている。
本明細書開示の発明は、各発明、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものであり、下記変形例も包含する。
Claims (9)
- 螺合部材の締付外周面に外嵌される嵌合孔を有する嵌合部と、
前記螺合部材の前記締付外周面の形状と大きさに対応する同じ形状と略同一の大きさの外周面を有し、前記嵌合孔と連通する貫通孔が形成されている締付トルク導入部とが連結部で一体的に連結され、
前記連結部が、非破断部である厚肉部と、所定の締付トルクを超える締付トルクの負荷で、前記厚肉部で前記嵌合部と前記締付トルク導入部が連結されるように破断する薄肉部とから構成され、
全体が合成樹脂で形成されていることを特徴とする締付トルク管理具。 - 前記嵌合部の前記薄肉部に対応する位置の一箇所に、前記嵌合部の外周から内周に至る全体に亘って分離する切込み又は破断誘発部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の締付トルク管理具。
- 前記螺合部材の前記締付外周面の一つの角部に対応する位置に、前記嵌合部の周壁の中で最も肉厚が薄い前記破断誘発部が形成され、
前記破断誘発部の上端から締付方向に前記薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の締付トルク管理具。 - 前記嵌合部の前記嵌合孔に、前記螺合部材の前記締付外周面の平面部に当接される内方に突出するリブが軸方向に延びて形成され、
複数の前記平面部にそれぞれ対応して前記リブが複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の締付トルク管理具。 - 前記嵌合部の前記嵌合孔の深さが前記螺合部材の前記締付外周面の高さよりも浅く形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の締付トルク管理具。
- 請求項1〜5の何れかに記載の締付トルク管理具の前記嵌合孔がナットの締付外周面に外嵌されて前記締付トルク管理具と前記ナットが一体的に設けられていることを特徴とする締付トルク管理具付ナット。
- 請求項1〜5の何れかに記載の締付トルク管理具の前記嵌合孔がボルトの頭部の締付外周面に外嵌されて前記締付トルク管理具と前記ボルトが一体的に設けられていることを特徴とする締付トルク管理具付ボルト。
- 前記締付トルク管理具の前記嵌合部の前記薄肉部に対応する位置の一箇所に、前記嵌合部の外周から内周に至る全体に亘って分離する切込みが形成されている請求項6記載の締付トルク管理具付ナットを、取付物から突出するボルト軸部に螺合して前記取付物を取り付ける取付物の取付方法であって、
前記嵌合部側から前記締付トルク管理具付ナットの前記ナットを前記ボルト軸部に螺合し、前記締付トルク導入部を工具で回転させて締め付けると共に、前記ボルト軸部を前記貫通孔の内部に突出させる第1工程と、
所定の締付トルクを超える締付トルクを加えて前記連結部の前記薄肉部を破断させ、前記切込みの幅を拡げる第2工程と、
前記切込みの幅が拡がった状態で前記厚肉部で前記嵌合部と前記締付トルク導入部が連結されている前記締付トルク管理具を、前記ナット及び前記ボルト軸部から抜き去る第3工程と
を備えることを特徴とする取付物の取付方法。 - 前記締付トルク管理具の前記嵌合部の前記薄肉部に対応する位置の一箇所に、前記嵌合部の外周から内周に至る全体に亘って分離する破断誘発部が形成されている請求項6記載の締付トルク管理具付ナットを、取付物から突出するボルト軸部に螺合して前記取付物を取り付ける取付物の取付方法であって、
前記嵌合部側から前記締付トルク管理具付ナットの前記ナットを前記ボルト軸部に螺合し、前記締付トルク導入部を工具で回転させて締め付けると共に、前記ボルト軸部を前記貫通孔の内部に突出させる第1工程と、
所定の締付トルクを超える締付トルクを加えて前記破断誘発部と前記薄肉部を破断させる第2工程と、
前記厚肉部で前記嵌合部と前記締付トルク導入部が連結されている前記締付トルク管理具を、前記ナット及び前記ボルト軸部から抜き去る第3工程と
を備えることを特徴とする取付物の取付方法。
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