本発明に係るワイパーブレードおよびそれを用いた車両用ワイパーの一例としての実施例のワイパーブレード12(車両用ワイパー10)を、図1から図11を用いて説明する。この車両用ワイパー10は、車両50のフロントガラス、リアガラス等からなる払拭面を払拭するために用いるのに好適である。車両用ワイパー10は、本実施例では、図1に示すように、車両50のリアガラスを払拭面Sとするリアワイパーとして当該車両50に設けている。以下の説明では、ワイパーブレード12が伸びる方向を長手方向Dlとし、払拭面Sに沿う面において長手方向Dlと直交する方向を幅方向Dwとし、長手方向Dlおよび幅方向Dw(払拭面S)に直交する方向を上下方向Dvとする(図2等参照)。その長手方向Dlでは、ワイパーブレード12が装着された状態において先端側を前側として矢印で指し示し、幅方向Dwでは、図2を正面視して手前側となる方向を矢印で指し示し、上下方向Dvでは、図2を正面視して手前側となる方向を上側として矢印で指し示す。
車両用ワイパー10は、車両50に設けられたワイパーアーム11と、そこに装着されたワイパーブレード12と、を備える。そのワイパーアーム11は、図示は略すが車両50のワイパーモータにワイパーリンクを介して接続され、そのワイパーモータの駆動により払拭面Sに沿って往復動(左右に振れる動作)が可能とされている。また、ワイパーアーム11では、基端部にヒンジ機構(図示せず)が設けられており、当該ヒンジ機構によりワイパーアーム11を払拭面Sに対して起立させた状態(所謂ロックバック状態)とすることができる。このワイパーアーム11の先端には、支持部13(図2等参照)が設けられている。この支持部13の構成は後に説明する。その支持部13には、図2に示すように、ワイパーブレード12(その後述する取付部材15)が取り付けられる。
そのワイパーブレード12は、図2および図3に示すように、払拭面Sを払拭するためのブレード本体部14に、それをワイパーアーム11に取り付けるための取付部材15が設けられて構成されている。ワイパーブレード12(ブレード本体部14)では、図2を正面視して左側が長手方向Dlで見た前側(先端側)となり、同じく右側が当該長手方向Dlで見た後側(後端側)となる。このワイパーブレード12(ブレード本体部14)は、本実施例では、取付部材15の後述する取付軸29(図3等参照)を基準として、前側(先端側)と後側(後端側)とで異なる構成とされている。この異なる構成とは、取付軸29から見た長さ寸法の差異や、後述するバーティブラ18の曲率の差異等があげられる。そのブレード本体部14は、図4に示すように、プライマリーレバー16と2つのヨーク17とバーティブラ18とブレードラバー19と2つのストッパ21とゴムカバー22とを有する。
プライマリーレバー16は、長尺形状を呈し、中央に取付部材15が設けられるとともに、両端にヨーク17が取り付けられている。その各ヨーク17は、プライマリーレバー16の両端で軸部材17aを回転中心として回転方向に揺れ動くことが可能に取り付けられ、両端に支持爪部17bが設けられている。各支持爪部17bは、対を為して下方へ突出され、その突出端が内方に折り曲げられて構成され、バーティブラ18が装着されたブレードラバー19(その後述する頭部19b)をバーティブラ18とともに支持する。
そのブレードラバー19は、払拭面S(図1参照)を傷つけることなく当該払拭面Sを払拭することのできる弾性部材で形成されており、長尺形状を呈する。ブレードラバー19は、払拭面Sに宛がわれる払拭部19aと、払拭部19aの上方に位置する頭部19bと、払拭部19aおよび頭部19bを連結する首部19cと、を有する。払拭部19aの断面形状は、略逆三角形状を呈し、頭部19bの断面形状は、矩形状を呈し、首部19cは、払拭部19aと頭部19bとの間に凹部を形成する。払拭部19aは、その下端を払拭面Sに宛がいつつ払拭面S上を往復動することで当該払拭面Sを払拭する。
バーティブラ18は、一定の断面形状で伸長する長尺な部材であり、本実施例では金属材料で形成している。バーティブラ18は、長手方向Dlに対して弓なりに湾曲した形状を呈し、中央部を押し下げて平らにした場合に、この力を分散させてバーティブラ18の長手方向Dlで見て均等化する役割を果たす。ワイパーブレード12では、使用時に押し下げられる方向に払拭面S(図1参照)を位置させてバーティブラ18が設けられる。バーティブラ18は、ブレードラバー19の頭部19bを下方へ抜け落ちることなく挟み持つ構造とされ、長手方向Dlにスライド可能にブレードラバー19(その頭部19b)が取り付けられる。このバーティブラ18の両端部にストッパ21が装着される。
その各ストッパ21は、一端が開放された箱状を呈し、バーティブラ18が取り付けられたブレードラバー19の頭部19bを受け入れて装着される。各ストッパ21は、ブレードラバー19がバーティブラ18の各端面から外部へと抜け落ちることを防止するとともに、バーティブラ18の各端面の外観の意匠性を高める。
このブレード本体部14では、プライマリーレバー16、各ヨーク17、バーティブラ18、ブレードラバー19および各ストッパ21を組み付けた状態で、ゴムカバー22が装着される(図3等参照)。このゴムカバー22は、薄いゴムシートで形成され、ブレードラバー19の払拭部19aを除くブレード本体部14の全体を覆うように設けられる。ゴムカバー22は、ブレード本体部14における骨格構造部分(プライマリーレバー16、各ヨーク17、バーティブラ18およびブレードラバー19)の可動箇所等に雪が付着して凍結するのを防止する。このため、ブレード本体部14では、所謂スノーブレード(ウィンターブレード)と称される降雪払拭に適したものとされている。
このように、ブレード本体部14(ワイパーブレード12)は、所謂トーナメント式の構造とされている。このブレード本体部14(ワイパーブレード12)は、ワイパーアーム11からの押し当て力により、ブレードラバー19の下端の払拭部19aがブレードラバー19の長さ方向で見て均等な付勢力で払拭面Sに押し当てられる。ブレード本体部14では、ワイパーアーム11へと取り付けるために取付部材15が設けられる。
その取付部材15は、図5に示すように、ワイパーブレード12に固定される金属製のクリップベース23と、そこに支持される樹脂製のクリップ24と、を備える。そのクリップベース23は、図6に示すように、平板状の金属材料が適宜切り欠かれかつ折り曲げられて形成され、基台側底壁部25と一対の基台側側壁部26とを有する。基台側底壁部25は、ワイパーブレード12の長手方向Dlに沿って伸びる長尺な板状を呈し、長手方向Dlで見た両端部にネジ穴25aが設けられ、中間に突起部27が設けられる。両ネジ穴25aは、基台側底壁部25を貫通して形成され、後述するようにクリップベース23をワイパーブレード12に固定するために設けられる。突起部27の構成については、後に詳細に説明する。
一対の基台側側壁部26は、基台側底壁部25における幅方向Dwで見た端部から立ち上がるように折り曲げられて形成され、幅方向Dwで対向している。両基台側側壁部26では、長手方向Dlで見た前側の端部に幅方向Dwで対向して軸穴26aが設けられ、後側の端部に幅方向Dwで対向して引掛穴26bが設けられる。各軸穴26aは、対応する基台側側壁部26を貫通して形成され、後述するリベット33を両基台側側壁部26を架け渡すように通すことを可能とする。各引掛穴26bは、対応する基台側側壁部26を貫通して形成され、上側の内縁を規定する上縁部26cに後述する引掛爪28a(その引掛面28e)が引っ掛かることを可能とする。このクリップベース23に支持されてクリップ24が設けられる(図3から図5等参照)。
そのクリップ24は、図7に示すように、樹脂材料から一体成型されて形成され、一対の回転側側壁部28と取付軸29と回転軸受部31とを有する。両回転側側壁部28は、ワイパーブレード12の長手方向Dlに沿って伸びる長尺な板状を呈し、クリップベース23の一対の基台側側壁部26に内側から面で接触することが可能とされて幅方向Dwで対向する(図3等参照)。各回転側側壁部28には、長手方向Dlで見た後側の端部に引掛爪28aと操作部28bとが設けられ、上下方向Dvで見た上側の端部に鍔部28cと切欠部28dとが設けられている。
各引掛爪28aは、対応する回転側側壁部28の外側面から外側に突出して形成され、上方に向かうにしたがって突出量が大きくなる所謂楔形を呈し、上端に平坦な引掛面28eが形成されている。各引掛爪28aは、後述する倒伏状態Clにおいて、対応する回転側側壁部28に形成された引掛穴26bに入ることが可能とされ、引掛面28eを引掛穴26bの上縁部26cに引っ掛けることができる。
各操作部28bは、対応する回転側側壁部28の後側の端部から後側に突出する板状を呈し、幅方向Dwで見た外側の面に断面が三角形状の複数の溝が設けられている。この各操作部28bは、対応する回転側側壁部28に対して幅方向Dwで見た外側へと変位して設けられ、後述する倒伏状態Clにおいて内側から接する基台側側壁部26と略等しい外側面を形成する。
各鍔部28cは、対応する回転側側壁部28の上縁部から幅方向Dwで見た外側に突出して形成され、当該上縁部の略全長に渡って伸びている。この各鍔部28cは、後述する倒伏状態Clにおいて、内側から接する基台側側壁部26の上縁部に上側から接触する。各切欠部28dは、対応する回転側側壁部28の上縁部における取付軸29よりも後側が、上方に向かうにしたがって外側へと変位するように部分的に切り欠かれて形成されている。この各切欠部28dは、後述するようにワイパーアーム11の支持部13(図2等参照)が両回転側側壁部28の間に挿入されることを容易なものとする。
取付軸29は、一対の回転側側壁部28の略中央間を幅方向Dwに架け渡して設けられる。この取付軸29は、全体に円柱形状を呈し、かつ当該軸を回転中心とする回転方向で見た所定の角度範囲の円周壁が部分的に切り取られた形状とされ、幅方向Dwに直交する平面に沿う断面で見るとD字形状の柱状を呈する。このため、取付軸29は、基本的に直径寸法d1の円周面を有しつつ最も細い箇所を直径寸法d1よりも小さい幅寸法d2として、取付軸29の回転姿勢に応じて実質的な直径寸法の変化を可能とする。この取付軸29は、後述するようにクリップ24が起立状態Cr(図3参照)とされたときだけ、ワイパーアーム11の支持部13の挿入溝39から支持穴38に至るように取付部材15(ワイパーブレード12)を相対的に移動させることを可能とすべく、部分的に切り取られた箇所の位置を設定している(図9参照)。このため、取付軸29は、後述するように取付部材15が倒伏状態Cl(図3等参照)とされると、取付部材15(ワイパーブレード12)と支持部13(ワイパーアーム11)とを相対的に移動させても、挿入溝39から支持穴38へと至ること、および支持穴38から挿入溝39へと抜け出すこと、ができないものとしている。
回転軸受部31は、一対の回転側側壁部28の前側の端部間を幅方向Dwに架け渡して設けられ、幅方向Dwに伸びる回転軸穴31aが設けられている。この回転軸穴31aは、回転軸受部31および両回転側側壁部28を幅方向Dwに貫通して形成され、クリップベース23の両基台側側壁部26の軸穴26aと同一軸線上に位置させることが可能とされている。回転軸穴31aは、後述するように両軸穴26aに通されて両基台側側壁部26を架け渡したリベット33を通すことを可能とする。
このため、クリップ24では、一対の回転側側壁部28が、回転軸受部31により前側の端部が繋がっているとともに取付軸29により中央部が繋がっており、後側の端部が繋がっていない。そして、クリップ24は、樹脂材料で形成されていることから、一対の回転側側壁部28における取付軸29から後側で片持ち梁状の弾性片を形成しており、その各端部(後端部)に操作部28bが設けられている。このため、クリップ24では、外力により両操作部28bを接近させることができ、かつ当該外力を解除することで両回転側側壁部28の弾性を利用して元の状態に戻ることができる。
この取付部材15は、図5に示すように、ゴムカバー22が被せられたプライマリーレバー16の上面(ブレード本体部14の上面)に取り付けられる。まず、ゴムカバー22が被せられたプライマリーレバー16の上面に、クリップベース23の基台側底壁部25を宛がい、その両ネジ穴25aを経たネジ32をプライマリーレバー16(その上面)に捻じ込んで、プライマリーレバー16にクリップベース23を固定する。そのクリップベース23の両基台側側壁部26間にクリップ24を位置させて、クリップベース23の一方の基台側側壁部26の軸穴26aからクリップ24の回転軸受部31の回転軸穴31aを経て他方の基台側側壁部26の軸穴26aにリベット33を通してかしめる。これにより、リベット33(その中心軸線)を回転中心としてクリップ24がクリップベース23に対して回転可能に取り付けられ、そのクリップベース23がゴムカバー22を介してプライマリーレバー16の上面に取り付けられる。これにより、ゴムカバー22が被せられたプライマリーレバー16の上面すなわちブレード本体部14における骨格構造部分に取付部材15が取り付けられる。
この取付部材15では、図3に示すように、リベット33(その中心軸線)を回転中心として、両基台側側壁部26の間に位置する倒伏状態Clと、両基台側側壁部26の間から抜け出す起立状態Crと、の間でクリップ24がクリップベース23すなわちブレード本体部14に対して回転可能とされている。その倒伏状態Clでは、クリップ24の各回転側側壁部28がクリップベース23の各基台側側壁部26に内側から接するとともに、クリップ24の各回転側側壁部28の各引掛爪28aがクリップベース23の各基台側側壁部26の各引掛穴26bに入り、各引掛爪28aの引掛面28eが各引掛穴26bの上縁部26cに引っ掛かる。このため、取付部材15では、クリップ24がクリップベース23から抜け出すことが防止され、倒伏状態Clが維持される。
また、取付部材15では、両操作部28bを摘まむように操作することで両回転側側壁部28が接近し、そこに設けられた各引掛爪28aがクリップベース23の各基台側側壁部26の各引掛穴26bから抜け出して、各引掛爪28a(その引掛面28e)の各引掛穴26b(その上縁部26c)への引っ掛かりが解除される。これにより、取付部材15では、クリップ24がクリップベース23から抜け出すことが可能となり、クリップベース23に対してクリップ24を上方へと引き出すことで、両基台側側壁部26の間から抜け出す起立状態Crとすることができる。
このため、取付部材15では、クリップベース23が取付基台部として機能し、クリップ24が取付回転部として機能し、リベット33がクリップベース23に対してクリップ24を回転可能とする回転軸として機能する。また、取付部材15では、倒伏状態Clにおいて、クリップベース23の各基台側側壁部26とその内側に重ねられるクリップ24の各回転側側壁部28とにより側壁部が構成され、クリップベース23の基台側底壁部25により底壁部が構成される。さらに、取付部材15では、クリップベース23の各引掛穴26bが回転側引掛部として機能し、クリップ24の各回転側側壁部28の各引掛爪28aが基台側引掛部として機能する。その取付部材15により、ブレード本体部14(ワイパーブレード12)がワイパーアーム11に取り付けられる。
そのワイパーアーム11は、上述したように払拭面Sに沿って往復動(左右に振れる動作)可能に車両50に設けられる(図1参照)。ワイパーアーム11は、樹脂材料から一体成型されて形成され、ワイパーブレード12の長手方向Dlに沿って伸びるアーム本体部34と、その先端部に設けられた支持部13と、を備える。そのアーム本体部34は、図8に示すように、緩やかな弧を描く長尺な形状を呈し、連続する支持部13との間に一対のリブ35が設けられている。この両リブ35は、幅方向Dwで対向しつつ、アーム本体部34の下面と支持部13の後述する後壁部37とを架け渡して設けられている。その支持部13では、前壁部36と後壁部37とにより、支持穴38と挿入溝39とが規定されている。換言すると、支持穴38と挿入溝39とは、前壁部36と後壁部37との間に位置する空間により規定され、支持部13をワイパーブレード12の幅方向Dwに貫通して設けられている。
その前壁部36は、ワイパーブレード12の長手方向Dlで見て、支持部13における前側すなわち先端側に位置している。この前壁部36では、図8の(b)、(c)に示すように、下側に肉抜き部分としての前壁凹所41が前壁部36の底面36aを上側に向けて穿つように設けられている。この前壁凹所41は、長手方向Dlで見て支持穴38の中心位置38Cを基準として長さ寸法d3とされ、幅方向Dwで見て幅寸法d4とされている。このため、前壁凹所41は、中心位置38Cから見た長手方向Dlでの長さ寸法、すなわち中心位置38Cから前壁凹所41の前側端部までの長さ寸法が長さ寸法d3とされている。この前壁凹所41は、本実施例では、区画壁41aにより前後の2つに区画され、長手方向Dlで見た後側の一部が挿入溝39(支持穴38)と一部重複され、長さ寸法d3が30.0mm、幅寸法d4が8.2mmとされ、区画壁41aが中心位置38Cから16.0mmから18.0mmの間に設けられている。また、前壁凹所41は、支持穴38よりも上方まで伸びて設けられている。
後壁部37は、ワイパーブレード12の長手方向Dlで見て、支持部13における後側すなわちアーム本体部34側に位置している。この後壁部37は、長手方向Dlで見て支持穴38の中心位置38Cを基準として長さ寸法d5とされ、本実施例では、長さ寸法d5が25.0mmとされている。このため、後壁部37は、中心位置38Cから見た長手方向Dlでの長さ寸法、すなわち中心位置38Cから後壁部37の後側端部までの長さ寸法が長さ寸法d5とされている。なお、図8(a)では、後壁部37が中心位置38Cから後側に長さ寸法d5を超えた位置まで伸びているように見えるが、図8の(b)、(c)に示すように長さ寸法d5を後側に超えた位置は一対のリブ35とされている。この後壁部37では、ワイパーブレード12の上下方向Dvで見て下側に肉抜き部分としての後壁凹所42が後壁部37の底面37aを上下方向Dvの上側に向けて穿つように設けられている。この後壁凹所42は、幅方向Dwで見て前壁凹所41の幅寸法d4よりも小さい幅寸法d6とされている。この後壁凹所42は、本実施例では、区画壁42aにより前後の2つに区画され、長手方向Dlで見た前側の一部が支持穴38と一部重複され、幅寸法d6が4.7mmとされている。また、後壁凹所42は、支持穴38よりも上方まで伸びて設けられている。
支持穴38は、前壁部36と後壁部37とに挟まれて形成され、幅方向Dwに直交する断面で見て円形状を呈し、図8(a)に示すように、クリップ24の取付軸29の直径寸法d1と等しい内径寸法d7としている。このため、支持穴38は、取付軸29を回転自在に受け入れることができる。この支持穴38に挿入溝39が連続されている。その挿入溝39は、後壁部37の底面37aを開放しており、底面37aの下側の空間から支持穴38への出入りを可能とする。挿入溝39は、支持穴38の内径寸法d7よりも小さい幅寸法d8とされ、その幅寸法d8が取付軸29における最も細い箇所の幅寸法d2と等しくされている。
これに対応して、本発明に係るワイパーブレード12(車両用ワイパー10)では、図6に示すように、取付部材15に突起部27が設けられている。その突起部27は、図6(a)に二点鎖線で示すように、本実施例では、クリップベース23の基台側底壁部25の中間部分をU字形状に切り抜き、その残りの箇所を折り曲げて形成している。突起部27は、図6(c)に示すように、基台側底壁部25から立ち上がる突起基部分43と、その先端部から伸びる先端部分44と、を有する。その突起基部分43は、上下方向Dvに沿って伸び、先端部分44は、長手方向Dlに沿って後側へ向けて伸びるものとしている。このため、突起部27は、基台側底壁部25すなわち取付部材15の底壁部から、取付部材15が倒伏状態Clとされた際の取付軸29側へ向けて立ち上がり、その先端部分44は、突起基部分43の突出方向とは異なる方向に伸びている。このため、突起部27は、本実施例では、突起基部分43に対する先端部分44の折り曲げ角度を略90°としている。なお、この折り曲げ角度は、ワイパーアーム11の支持部13の形状と取付部材15の形状とを考慮して後述するように支持部13の後壁部37の底面37aに先端部分44が面で接触することを可能とすべく適宜設定すればよい。当該折り曲げ角度は、本実施例では、上記したワイパーアーム11の支持部13を取り付け対象としていることから、好適な例として45°から90°の範囲内に設定するものとし、一例として略90°としている。
この突起部27は、幅方向Dwで見て、前壁凹所41の幅寸法d4よりも小さく、かつ後壁凹所42の幅寸法d6よりも大きい幅寸法d9とする。すなわち、突起部27は、前壁凹所41に入ることを可能とし、かつ後壁凹所42に入ることができないものとする。この幅寸法d9は、本実施例では、幅寸法d4が8.2mmであり幅寸法d6が4.7mmであることから、一例として5.0mmとしている。加えて、突起部27は、長手方向Dlで見た前側で取付部材15が倒伏状態Clとされた際の取付軸29の中心位置29Cから間隔d10となる位置に設けている。この間隔d10は、長さ寸法d3および長さ寸法d5(図8(b)参照)の短い方以下としている。間隔d10は、本実施例では、長さ寸法d3が30.0mmであり長さ寸法d5が25.0mmであることから25.0mm以下とし、一例として12.0mmとしている。そして、突起部27は、上下方向Dvで見て、基台側底壁部25から高さ寸法d11としている。この高さ寸法d11は、倒伏状態Clの取付部材15の取付軸29を支持部13の支持穴38で支持した状態において、前壁凹所41の高さ(奥行)よりも小さいものとし、かつ基台側底壁部25から当該支持部13の後壁部37の底面37aまでの間隔よりも大きいものとする。高さ寸法d11は、本実施例では、突起部27の上端が、倒伏状態Clの取付部材15の取付軸29の中心位置29Cよりも僅かに上側に位置するものとし、一例として1.1mmとしている。
次に、本実施例の車両用ワイパー10におけるワイパーブレード12のワイパーアーム11への取り付け方法について、図9を用いて説明する。以下の取り付け方法は、車両50(その払拭面S(図1参照))に対して、ワイパーアーム11を起立させておいたワイパーアーム11を起立させた状態(所謂ロックバック状態)として行う。なお、図9では、取付部材15における動きの理解を容易とするために、ワイパーブレード12に固定された取付部材15側を基準として、ワイパーアーム11側が移動するように示している。しかしながら、実際には、ワイパーアーム11が車両50に固定されていることから、ワイパーアーム11側を基準として、ワイパーブレード12側を移動させて取り付ける。
ワイパーブレード12では、前後方向をワイパーアーム11の前後方向と一致させた状態を正しい向きとする。このワイパーブレード12では、正しい向きとされると、ブレード本体部14すなわち取付部材15の前側が支持部13の前壁部36側に位置する(図2等参照)。このため、ワイパーブレード12では、前後方向がワイパーアーム11の前後方向と反対とされている場合すなわち前後の向きが逆とされている場合、ブレード本体部14すなわち取付部材15の後側が支持部13の前壁部36側に位置し、取付部材15の前側が支持部13の後壁部37側に位置する。先ず、このワイパーブレード12が正しい向きでワイパーアーム11に取り付けられる様子について説明する。
まず、ワイパーブレード12では、図9(a)に示すように、取付部材15が倒伏状態Clとされて、クリップ24の各引掛爪28a(その引掛面28e)がクリップベース23の各引掛穴26b(その上縁部26c)に引っ掛かっている。このため、取付部材15では、クリップ24がクリップベース23から抜け出すように回転することが防止され、倒伏状態Clが維持されている。次に、ワイパーブレード12をワイパーアーム11に連結するために、図9(b)に示すように、取付部材15を倒伏状態Clから起立状態Crに移行する。詳細には、取付部材15のクリップ24の両回転側側壁部28の両操作部28b間の間隔を狭めるように荷重を加えて両回転側側壁部28を撓ませることで、各引掛爪28aを各引掛穴26bから抜け出させて引っ掛かりを解除する。これにより、クリップ24のクリップベース23に対する回転が可能となるので、クリップ24をクリップベース23に対して略90度回転させて起立状態Crに移行させる。
その後、図9(c)に示すように、起立状態Crのクリップ24とワイパーアーム11の支持部13との相対的な姿勢を調整して、クリップ24の取付軸29において小さな幅寸法d2となる方向を、それと等しい幅寸法d8の支持部13の挿入溝39に正対させる。そして、クリップ24と支持部13とを相対的に接近させることで、取付軸29を挿入溝39内に挿入して支持穴38に至らせて、支持穴38(支持部13)に取付軸29を支持させる。
その後、図9(d)に示すように、支持穴38に取付軸29を支持させたまま、クリップ24をクリップベース23に対して相対的に回転させて倒伏状態Clとする。すると、取付部材15では、クリップ24の各引掛爪28a(その引掛面28e)がクリップベース23の各引掛穴26b(その上縁部26c)に引っ掛かり、倒伏状態Clが維持される。また、取付部材15では、倒伏状態Clにおいて、支持穴38に対する取付軸29の回転姿勢により、取付軸29が支持穴38から挿入溝39へと抜け出ることが防止される。これにより、取付部材15が支持部13に取り付けられて、ワイパーブレード12がワイパーアーム11に装着される。なお、車両用ワイパー10では、上述した動きを時系列的に反転させることで、ワイパーブレード12をワイパーアーム11から取り外すことができることから、その詳細な説明は省略する。
このようにワイパーブレード12がワイパーアーム11に装着された状態における取付部材15と支持部13との位置関係を図10に示す。この図10では、取付部材15を図4と同様の断面で示し、支持部13を図8(c)と同様の断面で示す。取付部材15では、底壁部としての基台側底壁部25から取付軸29側へ向けて立ち上がって突起部27が設けられている。この突起部27は、長手方向Dlで見て取付軸29よりも前側であって、中心位置29Cから間隔d10となる位置に、幅寸法d9で高さ寸法d11として設けている(図6参照)。そして、支持部13において取付軸29を支持する支持穴38の前側に前壁凹所41が設けられているので、その前壁凹所41の底面36aに取付部材15の突起部27が干渉することが考えられる。ところが、突起部27では、幅寸法d9を前壁凹所41の幅寸法d4よりも小さくするとともに、高さ寸法d11を前壁凹所41の高さ(奥行)よりも小さいものとしている。このため、取付部材15では、正しい向きで支持部13が取り付けられると、突起部27が前壁凹所41に入ることができ、支持部13が取り付けられたまま倒伏状態Clとすることができる。よって、ワイパーブレード12は、正しい向きである場合には、取付部材15を支持部13に適切に取り付けてワイパーアーム11に装着することができる。
このワイパーブレード12では、取付部材15に突起部27を設けることにより、前後の向きが逆とされてワイパーアーム11に装着されることを防止することができる。以下では、このことについて図11を用いて説明する。その図11では、突起部27の作用の理解を容易なものとするために、図10と同様の断面で示している。また、図11では、取付部材15における動きの理解を容易とするために、ワイパーブレード12に固定された取付部材15側を基準として、ワイパーアーム11を前後の向きを逆に示している。実際には、ワイパーアーム11が車両50に固定されていることから、ワイパーアーム11側を基準として、ワイパーブレード12の前後の向きが逆とされて取り付けられる。
前後の向きが逆とされた場合であっても、ワイパーブレード12をワイパーアーム11に連結するために、取付部材15を倒伏状態Clから起立状態Crに移行する動作は、正しい向きでワイパーアーム11に取り付けられる際と同様である(図9の(a)から(b)参照)。その後、図11(a)に示すように、前後の向きが逆の状態で、ワイパーアーム11の支持部13の支持穴38に、取付部材15のクリップ24の取付軸29を支持させる。この支持までの動きは、ワイパーアーム11とワイパーブレード12との前後の向きが逆とされることを除くと、正しい向きでワイパーアーム11に取り付けられる際と同様である。その後、支持穴38に取付軸29を支持させたまま、倒伏状態Clとすべくクリップ24をクリップベース23に対して相対的に回転させる。
ここで、取付部材15では、長手方向Dlで見て取付軸29よりも前側であって、その中心位置29Cから間隔d10となる位置に、幅寸法d9および高さ寸法d11として突起部27を設けている(図6参照)。また、ワイパーブレード12では、前後方向がワイパーアーム11の前後方向と反対とされていると、取付部材15の前側が支持部13の後壁部37側に位置する。このため、取付部材15では、倒伏状態Clにしようとすると、突起部27が、支持部13において取付軸29を支持する支持穴38の後側に位置する後壁部37の底面37aと正対する。ここで、後壁部37には、底面37aを穿つように幅寸法d6の後壁凹所42が設けられているが、突起部27の幅寸法d9を前壁凹所41の幅寸法d6よりも大きくしていることから、図11(b)、(c)に示すように、突起部27が後壁凹所42に入らずに底面37aと干渉する。このとき、本実施例では、突起基部分43に対する先端部分44の折り曲げ角度を略90°としていることから、先端部分44が底面37aと面で接触している。このため、取付部材15では、前後の向きが逆に支持部13が取り付けられようとすると、突起部27が後壁部37の底面37aと干渉することでクリップベース23の両基台側側壁部26の間にクリップ24が位置することができず、支持部13が取り付けられたまま倒伏状態Clとすることができない。よって、ワイパーブレード12は、前後の向きが逆である場合には、取付部材15を支持部13に適切に取り付けることができず、ワイパーアーム11への装着を防止することができる。
このように、本発明に係るワイパーブレードの一実施例のワイパーブレード12では、取付部材15の底壁部(実施例では基台側底壁部25)に取付軸29側に向けて立ち上がる突起部27を設けている。この突起部27は、ブレード本体部14の後側を前壁部36側に位置させつつすなわち前後の向きとしつつ支持穴38に取付軸29を支持させると、ワイパーアーム11の支持部13の後壁部37(その底面37a)と干渉することで、取付部材15が支持部13に取り付けられることを防止する。このため、ワイパーブレード12では、前後の向きが逆である場合には、取付部材15を支持部13に適切に取り付けることを防止することができ、ワイパーアーム11への装着を防止することができる。
また、ワイパーブレード12では、取付部材15の底壁部(基台側底壁部25)に設けた突起部27を、ブレード本体部14の前側を前壁部36側に位置させつつすなわち正しい向きとしつつ支持穴38に取付軸29を支持させると、前壁部36の前壁凹所41に入るものとしている。このため、ワイパーブレード12では、突起部27を設けていても、正しい向きである場合には取付部材15を支持部13に適切に取り付けることができ、ワイパーアーム11に装着することができる。
さらに、ワイパーブレード12では、取付部材15の底壁部(基台側底壁部25)に取付軸29側に向けて立ち上がる突起部27を設けるだけであることから、従来の取り付け方法および取り外し方法の変更を招くことなく、前後の向きが逆でのワイパーアーム11への装着を防止することができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15の底壁部(基台側底壁部25)に突起部27を設けていることから、取付部材15の両側壁部(実施例では両基台側側壁部26および両回転側側壁部28)の内側に突起部27を位置させることができる。このため、ワイパーブレード12では、従来の製品からデザインを変化させることなく、前後の向きが逆でのワイパーアーム11への装着を防止することができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15の底壁部(基台側底壁部25)に取付軸29側に向けて立ち上がる突起部27を、ワイパーアーム11の支持部13の後壁部37(その底面37a)と干渉させることで、前後の向きが逆でのワイパーアーム11への装着を防止する。このため、ワイパーブレード12では、前後の向きが逆でのワイパーアーム11への装着を構造的に防止することができるので、前後の向きを逆にして装着することの注意喚起のための取扱説明書を不要なものとすることができ、当該取扱説明書を添付することと比較してコストの低減を図ることができる。
ワイパーブレード12では、突起部27を長手方向Dlで見た前側で取付軸29の中心位置29Cから間隔d10となる位置に設けている。そして、ワイパーブレード12では、間隔d10を、支持部13における中心位置38Cから前壁凹所41の前側端部までの長さ寸法d3と、支持部13における中心位置38Cから後壁部37の後側端部までの長さ寸法d5と、の短い方以下(双方の長さ寸法内)としている。このため、ワイパーブレード12では、正しい向きである場合に突起部27が前壁部36の前壁凹所41に入ることと、かつ前後の向きが逆である場合に突起部27が後壁部37(その底面37a)に干渉することと、をより確実なものとすることができる。これにより、ワイパーブレード12では、正しい向きでのワイパーアーム11への適切な装着を阻害することなく、前後の向きが逆でのワイパーアーム11への装着を防止することをより確実なものとすることができる。また、ワイパーブレード12では、ワイパーアーム11の支持部13における前壁部36の前壁凹所41の位置と後壁部37の位置とに応じて長手方向Dlで見た突起部27の位置を調節するだけで良いので、様々なワイパーアーム11(その支持部13)に容易に対応することができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15に設けた突起部27の幅寸法d9を、前壁部36の前壁凹所41の幅寸法d4よりも小さくかつ後壁部37の後壁凹所42の幅寸法d6よりも大きいものとしている。このため、ワイパーブレード12では、後壁部37に後壁凹所42が設けられた支持部13に対しても、正しい向きである場合にワイパーアーム11への装着を可能とし、かつ前後の向きが逆である場合にワイパーアーム11への装着を防止することができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15に設けた突起部27を、底壁部(基台側底壁部25)から立ち上がる突起基部分43と、突起基部分43の先端部から突起基部分43の突出方向とは異なる方向に伸びる先端部分44と、を有するものとしている。このため、ワイパーブレード12では、前後の向きが逆である場合、突起基部分43を干渉させる場合と比較して、干渉する突起部27の先端部分44と後壁部37(底面37a)との接触面積を増大させることができる。これにより、ワイパーブレード12では、前後の向きが逆である場合、突起部27(その先端部分44)が後壁凹所42に入ることをより確実に防止することができ、ワイパーアーム11への装着をより確実に防止することができる。特に、上記した実施例のワイパーブレード12では、突起基部分43に対する先端部分44の折り曲げ角度を、ワイパーアーム11の支持部13の形状と取付部材15の形状とを考慮して支持部13の後壁部37の底面37aに先端部分44が面で接触することを可能とすべく設定している。このため、ワイパーブレード12では、後壁部37に後壁凹所42が設けられた支持部13に対しても、後壁部37(底面37a)に対する先端部分44(突起部27)の接触面積をより効果的に増大させることができ、前後の向きが逆でのワイパーアーム11への装着をより確実に防止することができる。
ワイパーブレード12では、一対の基台側側壁部26と基台側底壁部25とを有する取付基台部としてのクリップベース23に、一対の回転側側壁部28と取付軸29とを有する取付回転部としてのクリップ24を、回転軸としてのリベット33を中心として倒伏状態Clと起立状態Crとの間で回転可能に設けて取付部材15を構成している。このため、ワイパーブレード12では、起立状態Crとすることで取付軸29を見易い状態でワイパーアーム11の支持部13(その支持穴38)に支持させることができ、かつその支持させる動きの際に当該支持部13の前壁部36がブレード本体部14に当たることを防止することができる。これにより、ワイパーブレード12では、取付部材15の支持部13への取り付けを容易なものとしつつ取付部材15の大型化を防止することができ、前後の向きが逆でのワイパーアーム11への装着をより確実に防止することができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15において、平板状の材料が適宜切り欠かれかつ折り曲げられて形成されたクリップベース23の基台側底壁部25を部分的に切り欠いて折り曲げることで突起部27を形成している。このため、ワイパーブレード12では、追加部品を要することなく、簡易な構成で突起部27を設けることができる。また、ワイパーブレード12では、従来におけるクリップベース23を形成する工程に、基台側底壁部25を部分的に切り欠く工程と、それを折り曲げて突起部27とする工程と、を加えるだけで突起部27を設けることができるので、従来の製品に容易に適用することができる。さらに、ワイパーブレード12では、クリップベース23を形成すべく平板状の材料をプレス成型する際に突起部27も同時に形成することができるので、突起部27を設けることに伴う製造コストの増加を極めて小さなものとすることができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15において、クリップベース23の基台側底壁部25の中間部分をU字形状に切り抜き、その残りの箇所を折り曲げて突起部27を形成している。このため、ワイパーブレード12では、クリップベース23の基台側底壁部25を板状のままで用いることと比較して、重量の軽減を図ることができるとともに、材料の利用効率を高めることができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15において、取付回転部としてのクリップ24の各回転側側壁部28における回転軸(リベット33)とは反対側の端部に各引掛爪28aを設け、取付基台部としてのクリップベース23の各基台側側壁部26の各引掛爪28aと対応する位置に各引掛穴26bを設けている。このため、ワイパーブレード12では、クリップ24をクリップベース23(その各基台側側壁部26)の間に位置させて倒伏状態Clとすると、各引掛爪28aと各引掛爪28aとが引っ掛かることで、倒伏状態Clを維持することができる。これにより、ワイパーブレード12では、簡易な動きで、ワイパーアーム11への装着状態を確実に維持することができる。
ワイパーブレード12では、取付部材15の取付回転部としてのクリップ24を、樹脂材料から一体成型により形成している。このため、ワイパーブレード12では、同じく樹脂材料から形成されたワイパーアーム11の支持部13の支持穴38とクリップ24の取付軸29との馴染みを良いものとすることができ、ワイパーアーム11に対する回転や装着の動作や取り外しの動作を円滑なものとすることができる。
本発明に係る車両用ワイパーの一実施例の車両用ワイパー10では、ワイパーブレード12がワイパーアーム11に装着されていることから、上記した各効果を得ることができるとともに、払拭面Sをより適切に払拭することができる。
したがって、本発明に係る実施例のワイパーブレード12では、長手方向Dlで見た前後の向きが逆でのワイパーアーム11への取り付けを防止することができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係るワイパーブレードの一例としてのワイパーブレード12について説明したが、長手方向に沿って伸びかつ払拭面を払拭すべくワイパーアームに装着されるブレード本体部と、前記ブレード本体部を前記ワイパーアームの支持部に取り付ける取付部材と、を備え、前記取付部材は、互いに対向する一対の側壁部と、前記両側壁部を繋ぐ底壁部と、前記両側壁部を架け渡して設けられかつ前記支持部における前壁部と後壁部とにより規定された支持穴に支持される取付軸と、を有し、前記底壁部には、前記取付軸側に向けて立ち上がる突起部が設けられ、前記突起部は、前記ブレード本体部の前側を前記前壁部側に位置させつつ前記支持穴に前記取付軸を支持させて前記取付部材を前記支持部に取り付けると前記前壁部に設けられた前壁凹所に入り、かつ前記ブレード本体部の後側を前記前壁部側に位置させつつ前記支持穴に前記取付軸を支持させて前記取付部材を前記支持部に取り付けると前記後壁部と干渉するワイパーブレードであればよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、ワイパーアーム11の支持部13において、両リブ35を後壁部37とは区別して扱い、前後の向きが逆の場合に後壁部37(その底面37a)に突起部27を干渉させるものとしている。これは、本実施例のワイパーアーム11の支持部13では、幅方向Dwで見た両リブ35間の間隔d12(図8(b)参照)が前壁凹所41の幅寸法d4と近いことから、前壁凹所41へ入ることを可能としつつ両リブ35間に入ることを確実に防止するような突起部27を形成する(その幅寸法d9を調整する)ことが困難であることによる。このため、前壁凹所41へ入ることを可能としつつ両リブ35間に入ることを確実に防止することが可能であれば、両リブ35を後壁部37として扱ってもよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、取付部材15をクリップ24とクリップベース23とにより構成していたが、倒伏状態Clの取付部材15のように互いに対向する一対の側壁部が底壁部により繋がれ、その両側壁部を架け渡して取付軸が設けられているものであってもよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。このような構成とする場合には、上記した実施例と同様に、両側壁部を繋ぐ底壁部に部分的に切り欠いて折り曲げて突起部を形成することで、同様の効果を得ることができる。また、このような構成とする場合には、両側壁部を架け渡して取付軸を回転可能とすることで、取り付けが可能な状態と抜け出しを防止する状態とを変位させることができ、実施例と同様の効果を得ることができる。
上記した実施例では、ワイパーブレード12としてゴムカバー22でブレード本体部14の全体を覆う所謂スノーブレードに適用したものとして説明している。しかしながら、取付軸29を支持する支持穴38が前壁凹所41を有する前壁部36と後壁部37とにより規定される支持部13を備えるワイパーアーム11に取り付けられるものであって突起部27が設けられた取付部材15を備えるものであれば、雨用のワイパーブレードに適用するものであってもよく、他の構成のワイパーブレードに適用するであってもよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
上記した実施例では、ワイパーブレード12がトーナメント式の構造とされていたが、上記したように突起部27が設けられた取付部材15を備えるものであれば、フラット式の構造とされていてもよく、他の構成であってもよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
上記した実施例では、取付部材15をクリップベース23の両基台側側壁部26の間にクリップ24を位置させる構成としていたが、クリップ24をクリップベース23(その両基台側側壁部26)の外側に位置させるものであってもよく、他の構成であってもよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
以上、本発明のワイパーブレードを実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。