JP4042365B2 - 車両用ワイパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ワイパー、特に、ワイパーアームとワイパーブレードとの取り付け部分に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図7に示すように、ゴムカバー1で全体を覆われた(一部破断して図示)ワイパーブレード2の上面2aにブラケット3をネジ4で固定し、このブラケット3に設けられた断面略D字形状のアーム支持軸3aにワイパーアーム5(全体図省略)を回動可能に支持したものが知られている。
【0003】
ワイパーアーム5は、図6に示すように、その先端に下方に斜めから略同一幅で開放する挿入部5aと、挿入部5aに連通する略真円形状の保持部5bとが一体に形成され、図示二点鎖線で示すようにワイパーブレード2(図ではアーム支持軸3aのみを図示)に対してワイパーアーム5が傾いた状態(実際の作業としては車体から起立状態にあるワイパーアーム5に対してワイパーブレード2を傾ける。)でアーム支持軸3aを挿入部5aに挿入し、図示一点鎖線で示すようにアーム支持軸3aを保持部5bに位置させた後、図示実線で示すようにワイパーブレード2をアーム支持軸3aを中心として保持部5b内で回転させることによりアーム支持軸3aの保持並びに抜け止めがなされる。このため、この挿入部5aと保持部5bとが、アーム支持軸3aを回動可能に保持可能であるとともにアーム支持軸3aに対して所定の角度関係であるときのみアーム支持軸3aの係合離脱が可能とされた連結部として機能している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如く構成された車両用ワイパーにあっては、挿入部5aを下方に開放させる必要性から、挿入部5a並びに保持部5bがワイパーアーム5の先端から退避した位置に形成される。
【0005】
したがって、少なくとも、アーム支持軸3aを挿入部5aに挿入する作業からワイパーアーム5を回転させるためのスペースPを確保するために、アーム支持軸3aを上面2aから離間させる必要が生じ、これによりブラケット3の高さが高くなるという問題があった。
【0006】
尚、ブラケット3の高さは、上述したスノーワイパータイプの場合には特に必要とされている。即ち、ブラケット3を除いた状態でのワイパーブレード2の全体をゴムカバー1で覆うことから、ワイパーブレード2の中央部に凹部を設けてブラケット3の高さをある程度吸収する構成(例えば、特開2000−272478号公報参照)としても、ゴムカバー1によってその凹部が塞がれてしまったり、ゴムカバー1に捩れや皺が発生するからである。
【0007】
また、上述したように、実際の作業としては、車体(図示せず)に対してワイパーアーム5を起立状態とし、ワイパーブレード2を適宜角度に傾斜させてアーム支持軸3aの最小径部と挿入部5aの最大幅とを一致させた状態で挿入部5aに支持軸3aを挿入した後、その支持軸3aが保持部5bに達したときにワイパーブレード2を回転させさせなければならないことから、アーム支持軸3aが外部から見えない状態で挿入部5aに挿入操作をしなければならず、ワイパーアーム5に対するワイパーブレード2の着脱作業が面倒であるという問題も生じていた。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するため、ブラケットの高さを低くすることができる上、ワイパーアームに対するワイパーブレードの着脱作業を容易に行うことができる車両用ワイパーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、請求項1に記載の車両用ワイパーは、ワイパーブレードの上面に部材支持軸を有するブラケットが固定され、前記部材支持軸にアーム支持部材が起立状態と倒伏状態とに回動可能に保持され、前記アーム支持部材には倒伏状態では前記ワイパーブレードの上面に近接しかつ起立状態では該ワイパーブレードの上面から離間する位置にアーム支持軸が設けられ、該アーム支持軸を介して前記アーム支持部材に支持されるワイパーアームの先端には前記アーム支持軸を回動可能に保持可能であるとともに該アーム支持軸に対して所定の角度関係であるときのみ該アーム支持軸の係合離脱が可能とされた連結部が設けられ、前記ブラケットに設けられた被係合部に前記アーム支持部材の係合部を係合することで倒伏状態が維持されると共に、前記アーム支持部材が起立状態にあるときに前記アーム支持軸に対する前記ワイパーアームの先端の前記連結部の係合離脱操作が可能であり、前記アーム支持部材が倒伏状態にあるときに前記アーム支持軸に対する前記ワイパーアームの先端の前記連結部の係合離脱操作が前記ワイパーブレードの上面により防止されていることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の車両用ワイパーは、前記被係合部は穴であり、前記係合部は前記アーム支持部材の先端寄りに位置して前記穴係合する突起であると共に、前記アーム支持部材の先端に前記穴に対する前記突起の係合状態を操作する操作部が設けられていることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の車両用ワイパーの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図5において、車両用ワイパー10は、車体(灯具やミラー等の構成部品を含む)に一端が固定されると共に車体外面形状に沿う倒伏状態と車体外面に対して起立した起立状態とに可変することができるワイパーアーム11(先端部分のみ図示)と、ワイパーアーム11に着脱可能に保持されるワイパーブレード12とを備えている。
【0013】
ワイパーアーム11の先端には、図1(B)に示すように、図示下方に斜めから略同一幅で開放する挿入部11aと、この挿入部11aに連通する略真円形状の保持部11bとが一体に形成されている。
【0014】
ワイパーブレード12は、アーチ形状のプライマリーレバー13と、プライマリーレバー12の両端に揺動可能に軸支された一対のヨーク14と、一対のヨーク14の各両端に跨るバーティブラ15と、バーティブラ15の全長に跨るブレード本体16と、プライマリーレバー13の上面13a(ワイパーブレード12の上面に相当)の中央にネジ17を介して固定されたブラケット18と、ブラケット18に支持軸19(部材支持軸)を介して回動可能に保持されたアーム支持部材20とを備え、所謂スノーワイパータイプとして使用される場合には、プライマリーレバー13,ヨーク14,バーティブラ15,ブレード本体16を組み付けた状態で全体をゴムカバー21で覆い(一部破断して図示)、その上でネジ17を介してブラケット18を固定している。
【0015】
ブラケット18は、図4に示すように、ネジ穴18aを形成したベース18bと、ベース18bの長辺から立ち上げられた一対のフランジ18cと、フランジ18cの一端に形成された軸挿入穴18dと、フランジ18cの他端に形成された係合穴(被係合部)18eとを備えている。
【0016】
アーム支持部材20は、図3に示すように、軸貫通穴20aを形成した軸状部20bと、軸状部20bの両端から平行に延在された一対の弾性翼部20cと、弾性翼部20cの略中央間に跨る断面略D字形状のアーム支持軸20dと、弾性翼部20cの先端寄り外壁面から突出するランス形状の係合爪(係合部)20eと、弾性翼部20cの先端に形成された段付きの操作部20fとが一体に形成されている。
【0017】
上記の構成において、プライマリレバー13の上面13aにブラケット18をネジ17で固定した後、アーム支持部材20の軸貫通穴20aをブラケット18の軸挿入穴18d間に同軸上に位置させた状態でこれら各穴18d,20aに支持軸19を挿入してブラケット18にアーム支持部材20を固定する。
【0018】
これにより、支持軸19を回動支点として、図1(B)の実線で示すように、アーム支持部材20が、フランジ18c間に収納されてアーム支持軸20dがプライマリーレバー13の上面13a(ワイパーブレード12の上面に相当)に近接する倒伏状態と、図1(B)の二点鎖線で示すように、ベース18bと略直交してそのアーム支持軸20dがプライマリーレバー13の上面13a(ワイパーブレード12の上面に相当)から離間する起立状態とに回動可能となっている。
【0019】
また、アーム支持部材20が倒伏状態にあるときには、係合爪20eが係合穴18eに係合して不測なアーム支持部材20の回動が防止されている。この倒伏状態では、アーム支持軸20dを中心として保持部11b内で回転させるようにワイパーブレード12とワイパーアーム11とを相対的に回転させることが、プライマリーレバー13の上面13a(ワイパーブレード12の上面に相当)により防止されている。
【0020】
一方、ワイパーアーム11にワイパーブレード12を取り付けるには、操作部20fを互いに接近するように摘むと、アーム支持軸20dよりも先端側の弾性翼部20cが撓んで係合爪20eと係合穴18eとの係合状態が解除され、このまま支持軸19を回動支点としてアーム支持部材20を回動させて起立状態とする。
【0021】
この状態から、図2の二点鎖線から一点鎖線で示すように、予め車体に対して起立(図は水平で図示)させておいたワイパーアーム11の挿入部11aに向かってアーム支持軸20dを挿入し、このアーム支持軸20dが保持部11bに位置したらばワイパーブレード12を回転した上で、図2の実線で示すようにアーム支持部材20を倒伏状態へと回動させ、再び係合爪20eを係合穴18eに係合させるだけで、アーム支持部材20の幅で係合爪20eの係合穴18eへの係合状態が維持される。尚、係合穴18eは、ブラケット18の肉厚に応じて貫通穴としても良いし凹部穴としても良い。
【0022】
ところで、上記実施の形態では、ブラケット18の内部にアーム支持部材20が位置したものを開示したが、アーム支持部材20をブラケット18の外部に位置させても良い。また、ブラケット18の内部にアーム支持部材20を位置させた場合には、ブラケット18とアーム支持部材20の形状を簡素とし得て、しかも、ブラケット18の端部から突出した操作部20fを単に摘むだけでアーム支持部材20の一部が弾性変形して係合爪20eの係合穴18eへの係合状態を解除させることができる上、操作部20fを摘んだままの一連の操作でアーム支持部材20を回動させることができ、その摘み状態を解除するだけで係合爪20eを係合穴18eに弾発係合させることができる。
【0023】
また、アーム支持軸20dは、アーム支持部材20が起立することから、薄肉の弾性翼部20c間に跨って設けられており、その上下は開放されていることと相俟って、ワイパーアーム11とは反対側から肉眼視することができる。
【0024】
したがって、アーム支持軸20dと挿入部11aとの相対位置関係を容易に確認することができ、ワイパーアーム11に対するワイパーブレード20の角度等を調整しつつ、容易に挿入部11aにアーム支持部材20dを挿入することができ(逆の離脱も同様)、ワイパーブレード12の着脱作業を容易且つ迅速に行うことができる。。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の車両用ワイパーにあっては、ワイパーブレードの上面に部材支持軸を有するブラケットが固定され、前記部材支持軸にアーム支持部材が起立状態と倒伏状態とに回動可能に保持され、前記アーム支持部材には倒伏状態では前記ワイパーブレードの上面に近接しかつ起立状態では該ワイパーブレードの上面から離間する位置にアーム支持軸が設けられ、該アーム支持軸を介して前記アーム支持部材に支持されるワイパーアームの先端には前記アーム支持軸を回動可能に保持可能であるとともに該アーム支持軸に対して所定の角度関係であるときのみ該アーム支持軸の係合離脱が可能とされた連結部が設けられ、前記ブラケットに設けられた被係合部に前記アーム支持部材の係合部を係合することで倒伏状態が維持されると共に、前記アーム支持部材が起立状態にあるときに前記アーム支持軸に対する前記ワイパーアームの先端の前記連結部の係合離脱操作が可能であり、前記アーム支持部材が倒伏状態にあるときに前記アーム支持軸に対する前記ワイパーアームの先端の前記連結部の係合離脱操作が前記ワイパーブレードの上面により防止されていることにより、ブラケットの高さを低くすることができる上、ワイパーアームに対するワイパーブレードの着脱作業を容易に行うことができる。
【0026】
請求項2に記載の車両用ワイパーにあっては、前記被係合部は穴であり、前記係合部は前記アーム支持部材の先端寄りに位置して前記穴係合する突起であると共に、前記アーム支持部材の先端に前記穴に対する前記突起の係合状態を操作する操作部が設けられていることにより、被係合部と係合部との係合操作を容易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる車両用ワイパーを示し、(A)はブラケットにアーム支持部材を組み付けた状態の平面図、(B)はブラケットにアーム支持部材を組み付けた状態の正面図である。
【図2】同じく、アーム支持軸とワイパーアームとの関係を示す説明図である。
【図3】同じく、(A)はアーム支持部材の平面図、(B)はアーム支持部材の正面図である。
【図4】同じく、(A)はブラケットの平面図、(B)はブラケットの正面図である。
【図5】同じく、車両用ワイパーの正面図である。
【図6】従来の車両用ワイパーを示し、支持軸とワイパーアームとの関係を示す説明図である。
【図7】同じく、車両用ワイパーの正面図である。
【符号の説明】
10…車両用ワイパー
11…ワイパーアーム
12…ワイパーブレード
13…プライマリレバー
13a…上面
18…ブラケット
18e…係合穴(被係合部)
19…支持軸
20…アーム支持部材
20d…アーム支持軸
20e…係合爪(係合部)
Claims (2)
- ワイパーブレードの上面に部材支持軸を有するブラケットが固定され、前記部材支持軸にアーム支持部材が起立状態と倒伏状態とに回動可能に保持され、前記アーム支持部材には倒伏状態では前記ワイパーブレードの上面に近接しかつ起立状態では該ワイパーブレードの上面から離間する位置にアーム支持軸が設けられ、該アーム支持軸を介して前記アーム支持部材に支持されるワイパーアームの先端には前記アーム支持軸を回動可能に保持可能であるとともに該アーム支持軸に対して所定の角度関係であるときのみ該アーム支持軸の係合離脱が可能とされた連結部が設けられ、前記ブラケットに設けられた被係合部に前記アーム支持部材の係合部を係合することで倒伏状態が維持されると共に、前記アーム支持部材が起立状態にあるときに前記アーム支持軸に対する前記ワイパーアームの先端の前記連結部の係合離脱操作が可能であり、前記アーム支持部材が倒伏状態にあるときに前記アーム支持軸に対する前記ワイパーアームの先端の前記連結部の係合離脱操作が前記ワイパーブレードの上面により防止されていることを特徴とする車両用ワイパー。
- 前記被係合部は穴であり、前記係合部は前記アーム支持部材の先端寄りに位置して前記穴係合する突起であると共に、前記アーム支持部材の先端に前記穴に対する前記突起の係合状態を操作する操作部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ワイパー。
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