JP5964288B2 - アルガンの木の脱分化した防御反応誘発されていない細胞のインビトロ培養物から生成される調製物、皮膚老化、炎症および瘢痕を処置するためのその使用、ならびにその製造 - Google Patents

アルガンの木の脱分化した防御反応誘発されていない細胞のインビトロ培養物から生成される調製物、皮膚老化、炎症および瘢痕を処置するためのその使用、ならびにその製造 Download PDF

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Description

本発明の目的は、脱分化した防御反応誘発されていないアルガン細胞のインビトロ培養物に由来する調製物、前記調製物を含む美容組成物または皮膚科学的組成物、ならびに皮膚老化、炎症および瘢痕の処置のためのその使用である。
アルガンは、植物のアカテツ科に属する樹木であり、その学名は、Argania spinosa (L.) Scellesである。
その習性は、オリーブと似ており;短いねじれた幹を有する。その木は、非常に硬く、高密度である。枝は、とげが非常に多く、かたまりとして集まっていることが多い小さい皮針形の短く(約2cm長)細い互生の葉を有する。その葉は、常緑であるが、深刻な干ばつがあるときは必ず枯れて落葉する。その花は、両性花であり、五数性である。それらは、団散花序で密集し、5月および6月に開花する。それらは、緑がかった黄色である。
アルガンの木は、樹齢5年から結実することができる。その果実は、約4〜5cm長の黄色い卵形の無柄の液果である。それは、共に固着した2〜3個の平らな種子(その各々が、油が豊富なアーモンド形のものを封入している)を含む堅果を取り囲む果肉から構成される。
アルガンは、モロッコに固有であり、主に、EssaouiraとAgadirとの間のモロッコの南西部に生育している。アルガンの森林は、約830000haに及ぶ。
モロッコの人々は、まず第一に、アルガンをその著しく堅い樹木を燃料供給物として活用した。他の主要な従来の用途はオイルであり、このオイルは、当初は手作業で抽出されたが現在は圧搾機を用いて抽出されている。このオイルの第1の用途は、食用であり;現在の別の重要な用途は、化粧品用である。果肉およびこのオイル生成から得られる残渣ケーキは、通常、動物用飼料のために使用される。
多くの化粧品が、アルガンから開発されている。その種子に由来するオイル、例えば、溶剤によって得られるオイル(仏国特許第2553788号)、不鹸化物が豊富なアルガンオイル(仏国特許第2724663号)についての特許発明がいくつか存在する。
オイル以外の物質、例えば、オイルの抽出後に得られる種子ケーキに由来するペプチド;皮膚老化に関する問題を処置するためのオイルとケーキ由来のペプチドとの組み合わせにもまた特許権が与えられている(仏国特許第2756183号)。アルガンの葉、ケーキ由来のタンパク質およびサポニン=葉の抽出物(欧州特許第1213025号)、ケーキタンパク質(欧州特許第1213024号)、ケーキサポニン(欧州特許第1430900号)についての特許発明も存在する。より最近では、アルガン果実の果肉の抽出物のアンチエイジング化粧品における使用を開示している欧州特許出願第1968536号が出願された。
ゆえに、アルガンの木全体の組成物は、皮膚科学的および/または美容上の使用について興味深い。
アルガンは、「生態系」植物であるので、第一に経済的に重要な資源植物である。アルガンは、干ばつの地域に完全に適応しており、水食および風食から土壌を保護するので、モロッコにおける砂漠の拡大を防ぐ。しかし、複数の用途を有する樹木であるという理由でも、経済的である。
アルガンは、モロッコの主要な作物である。ゆえに、国家がアルガンの森林に対して上位の権利を有するが、地元住民が用益権を有する(果実、枯れ枝、アルガンの木の下の作物)ことを述べている、1925年に発行された勅命(dahir)(法令)によって、アルガンの森林は保護された。UNESCOは、近年、アルガンの森林を生物圏保護区に分類した。
このことは、その樹木または葉の美容上の使用が、この保護されている植物に対して深刻な結果をもたらし得る理由である。
植物から目的の分子を得る別の手段は、脱分化した全能性の細胞培養物を調製することである。また、脱分化した植物細胞を使用することによって、化粧品の開発中に遭遇するいくつかの工業化の問題を回避することができる。細胞培養のおかげで、異なる植物バッチ間または異なる植物採取物間における目的の物質の濃度の相違がなくなる。それはまた、樹立するのに比較的容易かつ安価な非破壊の手法でもある。最後に、その細胞が培養液中に存在し、活性な化合物が培養液中または細胞内の液体中に存在するので、それは抽出の必要性を排除する。ゆえに、簡単な粉砕によって、これらの化合物が利用可能になる。
特許出願WO03077881には、インビトロ培養物中の脱分化し、防御反応誘発された植物細胞(少なくとも1種のフィトアレキシンを合成する)の少なくとも1つのホモジネートを含む局所適用のための組成物が開示されている。その植物材料は、好ましくは、ブドウに由来する。
このように、この文書は、脱分化され、防御反応誘発され得る植物細胞の美容上の適用を開示しており、ここで、その防御反応誘発は、局所的使用において生物学的活性を可能にする十分量の二次代謝産物をもたらす。
驚いたことに、また予想外にも、本発明者らは、脱分化しているが防御反応誘発されていないアルガン細胞のインビトロ培養物に由来する調製物が、アンチエイジング、炎症および瘢痕形成の分野における優れた美容上のおよび/または皮膚科学的な活性を有することを証明した。
得られた結果は、アルガンの特定の場合において、アルガン細胞培養物(この場合、防御反応誘発されていない細胞)の別の応用法が、上記で述べられた状況において可能であることを示す。
さらに、本発明において開示されるような調製物を得ることによって、工業的に困難かつ高価な工程である防御反応誘発工程の必要性を無くすことができる;防御反応誘発は、細胞増殖の低下が原因で、かなり低いバイオマス収量をもたらす。
出願WO03077881には、この防御反応誘発を行う様々な方法、例えば、3日間にわたるUV照射;24時間から2日間にわたる二酸化炭素;5日間にわたるUV照射および二酸化炭素が述べられている。
アルガン由来の植物材料の細胞の脱分化、次いで、懸濁液中での細胞の培養からなる本発明の枠内において行われるプロセスは、この植物の純度の高い、大量、均一かつ無菌のバイオマスを迅速に生じることができる。細胞培養によって、細胞規模におけるこの植物の生合成についての経路を直接応用することが可能になる。
ゆえに、本発明は、脱分化した防御反応誘発されていないアルガン細胞のインビトロ培養物に由来する調製物、前記調製物を含む美容組成物または皮膚科学的組成物、ならびに化粧品学および/または皮膚科学における(優先的には、皮膚老化、炎症および瘢痕の処置のための)その使用を目的としている。
より一般的に言うと、懸濁液中の植物組織のインビトロ培養物は、細胞の一次代謝または二次代謝から直接得られる活性な有機化合物を生成する手段を提供する。
懸濁液中の植物細胞は、動物細胞培養についての幹細胞の状態と類似の脱分化状態にある。ゆえに、これらの植物細胞は、植物体全体において観察されるすべての代謝産物を生成することが理論上可能である。脱分化は、生合成経路の遺伝的または後成的な撹乱を引き起こし、その結果、植物体全体と得られる細胞株との間で化学的なプロファイルが定量的および定性的に異なる。したがって理論上は、植物体全体で観察されない反応性の中間体が、細胞懸濁液中に出現し得る。これは、「眠っている」化学物質生物多様性に到達することができるような新しい機会を提供する。
当該分野の現在の状況において、概して、細胞培養物の防御反応誘発(化学的、物理的、生物学的)は、より多くの二次代謝産物を刺激、生成することができる。本発明による本発明者らの方法では、本発明者らは、ほとんどの場合とは異なり、驚いたことに、防御反応誘発は必要なく、防御反応誘発がバイオマスの増殖および求められる生物学的活性に有害であることを示す。
本発明の目的の1つは、脱分化した防御反応誘発されていないアルガン細胞のインビトロ培養物に由来する調製物に関する。
「脱分化した植物細胞」とは、任意の特定の特殊化性質を有しない、換言すれば、その植物の自然状態における分裂組織と類似の生理学的状態にある、任意の植物細胞のことを指す。これらの細胞は、それ自体だけで生存することができ、他の細胞に依存しない。
脱分化したArgania spinosa細胞は、葉、葉柄、茎、樹皮、根、果実、種子、花および花成器官または芽からなる樹木または若いシュートから採集された生存している植物材料(特に葉)から得られる。
脱分化した細胞の培養物を得るための方法は、当業者に公知の任意の方法によってインビトロにおいて得られる(例えば、Murashige,T.,Skoog,F.1962.A revised medium for rapid growth and bio assays with tobacco tissue cultures.Physiol.Plant 15:473−496./Plant Culture Media,Vol−1 Formulations and Uses E.F.George,D.J.M.Puttock,and H.J.George(1987)Exegetics Ltd.Edington,Westbury,Wilts,BA134QG Englandを参照のこと)。
本発明による調製物は、以下の工程を順次行うことによって得ることができる:
a)植物材料の滅菌、
b)細胞の脱分化、
c)エリシターを含まない培養培地での細胞懸濁液の調製
d)エリシターを含まない培養培地でのバイオマスの増殖および生産培養、
ならびに調製物の取得。
その調製物は、エルレンマイヤーフラスコ内で(その目的が少量のバイオマスを生成することである場合)、またはバイオリアクター内で(より大量の場合)生成され得る。例えば、500mlの細胞懸濁液を含むエルレンマイヤーにおいて回収される平均量は、100gの乾燥バイオマス(すなわち、200gバイオマス/L細胞懸濁液)であり、10Lバイオリアクターにおいて回収される平均乾燥質量は、3000gである(300g/Lのバイオマス)。
バイオリアクター内における植物細胞培養については、3つの主要な様式が存在する:
1.非連続培養またはバッチ培養、
2.再投入/回収または流加培養、および
3.連続培養。
a.植物材料の滅菌工程:
Argania spinosaの外植片、より詳細には葉外植片を採取し、次亜塩素酸ナトリウムもしくは次亜塩素酸カルシウムの溶液または塩化水銀の溶液を用いて、外界温度において数分間除染する。その組織を、滅菌蒸留水ですすぎ、次いで、除染の終わりに滅菌蒸留水で少なくとも1回洗浄する。
b.細胞脱分化工程
除染された外植片を、層流フード下において、スクロースおよび成長因子(またはホルモン)が添加されたMurashige&Skoog寒天栄養培地と接触させて置く。これらの成長ホルモンは、細胞分裂を引き起こすため、および細胞クラスターまたは脱分化したカルス(カルス形成)を引き起こすために外植片の細胞機構を調節する。得られたカルスは、3〜4週間ごとに新しい脱分化栄養培地に移される。この培地のいくつかの寒天が豊富な成分は、カルスによって代謝されることがあるか、または空気の作用によって分解されることがある。
概して、オーキシン(2−4ジクロロ−フェノキシ酢酸)およびサイトカイニン(カイネチン)に基づくホルモン組成物は、もろいカルスの形態の組織の迅速かつ完全な脱分化をもたらし(カルス形成)、液体培地への移動を容易にすると首尾良く試験された。0.5mg/Lのカイネチンおよび0.75mg/Lの2−4ジクロロ−フェノキシ酢酸(24D)添加物とともに30g/Lのスクロース、8g/Lの寒天を含み、pH6に調整された後、121℃(1bar)における20分間のオートクレーブが行われたMurashige and Skoog培地(Murashige,T.,Skoog,F.1962.A revised medium for rapid growth and bio assays with tobacco tissue cultures.Physiol.Plant 15:473−496)から構成される寒天培地と滅菌された葉外植片の向軸面とを接触させて置く。外植片を含むペトリ皿を暗黒下、28℃に放置してインキュベートする。最初のカルスは、2週間後に出現する。得られたカルスを2〜3cmのサイズに維持するようにメスで分割することによって、そのカルスを3〜4週間ごとに新しい培地に移す。これらの移動を、もろいカルスが得られるまで2〜6ヶ月間続ける。
c.エリシターを含まない培養培地中で細胞懸濁液を調製する工程
寒天培地上のカルスをその後移動させるための細胞の脱分化によって、もろいカルスが形成する。この細胞間の接着の低下は、植物に応じて2〜6ヶ月間に起き得る、脱分化の結果である。この状態は、誘導される機械的ストレスを最小にしつつ、細胞懸濁液中でのカルスの崩壊を保証するものであるので、液体培地に移すのに好ましい。したがって、もろいカルスの一群が、脱分化寒天培地と同じであるがゲル化剤を含まない処方を用いて調製された液体栄養培地中に導入される(10〜20体積%)。
したがって、もろいカルスが、2〜3日間にわたる振盪台の作用によって液体培地中で崩壊し、得られた細胞懸濁液は、崩壊されていないカルスの部分のすべてを含まないので、均一な細胞懸濁液が形成される。この懸濁液は、十分に高密度な細胞集団が得られるように培養して維持される。この段階において、その懸濁液は、(継代培養されるか)または新しい栄養培地に希釈され、その培養は、同じ方法で開始される。
最初の細胞懸濁液は、約20〜40gのもろいカルスを、200mlの培地を含む500mlエルレンマイヤーに入れることによって開始され得る。そして、そのもろいカルスは、暗黒下、29℃での2〜3日間にわたる115rpmの振盪台の作用によって液体培地中で崩壊する。次いで、ピペットを用いて細胞浮遊物が回収され、崩壊していない残留カルスクラスターが残される。このようにして細胞浮遊物が、均一な細胞懸濁液を形成する。この懸濁液は、「十分に」高密度な細胞集団が得られるように培養して維持される。得られた細胞懸濁液は、15日間培養され、次いで、新しい培地への1:5希釈によって同じ期間にわたって増殖される。バイオマスの生産率を最大にするために、培養培地の組成(栄養分、成長因子など)の調整が行われた。結果は、液体細胞懸濁液について最適化されたARGMSバイオマス増殖培地である(表1を参照のこと)。この培地は、カルス形成用のMurashige&Skoog培地の改変バージョンである。この培地は、KOHを加えることによりpH6に調整された後、121℃での20分間のオートクレーブ(p=1bar)または0.2μmでの濾過滅菌が行われる。
d.エリシターを含まない培養培地によるバイオマスの増殖および生産培養
いくつかのそのような継代培養物を取り出した後、その期間にわたって得られた細胞密度が一定になると、その細胞懸濁液は安定化される。次いで、バイオマスの生産率を最大にするために、培養培地の組成(栄養分、成長因子など)の調整が可能である。本発明の1つの特定の実施形態において、バイオマス生成手段として使用される最適化された培地は、表1に記載された培地である。
細胞懸濁液は、濾過されることにより、余分な細胞培地または培養浮遊物から分離され、回収されたバイオマスは、蒸留水中の懸濁液に戻され、0℃で粉砕される。得られたホモジネートは、凍結乾燥されるか、または凍結乾燥前に精製するために遠心分離される。
このように生成された「最適な」条件下での細胞培養物は、安定化され、15日ごとに細胞懸濁液の1:5希釈にてエルレンマイヤー内で維持される(増殖培養)。これは、約60g/Lの新鮮バイオマスが接種された細胞培養物(15日間培養した後に約300g/Lの細胞懸濁液をもたらす)または必要に応じてバイオリアクターにおいて接種される新鮮バイオマスの細胞培養物と等しい。
エルレンマイヤーまたはバイオリアクターにおいて得られた調製物は:
−細胞懸濁液(本発明の場合、「細胞懸濁液」とは、その培養培地中の細胞(すなわちバイオマス)のことを指す);
−バイオマス(本発明の場合、「バイオマス」とは、培養培地から分離された細胞クラスター、すなわち、濾過後の細胞懸濁液のことを意味する);
−蒸留水中の懸濁液に戻された後(または戻されない)の粉砕バイオマス;
−粉砕バイオマスの遠心分離または濾過によって精製された液または浮遊物;
−培養浮遊物(本発明の場合、「培養浮遊物」は、培養中の細胞が残存したままの培養培地または細胞外の培地である)
からなり得る。
細胞懸濁液、バイオマスまたは粉砕バイオマスの浮遊物が関係するか否かを問わず、それらは、凍結された形態で、または保存物質(例えば、フェノキシ−2−エタノール、ベンジルアルコール、または“List of conservation agents that may be present in cosmetics”という表題の化粧品に対するEUの指示における付録VIに見られる他の任意の保存製品)を加えることによって、変化せずに維持され得る。それらはまた、化粧品学的に許容される媒質(例えば、グリコール(プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなど))に10〜60%で変動する比率で希釈され得る。その細胞懸濁液またはバイオマスはまた、粉砕され得、次いで、そのように凍結された状態で、または上に記載されたような保存物質もしくは媒質を加えることによって、保存され得る。
粉砕されているかされていないかに関係なく、細胞懸濁液、バイオマスまたはバイオマス浮遊物はまた、凍結乾燥もしくは微粒子化によって乾燥され得、そのように維持され得るか、またはマルトデキストリン、ラクトースもしくはシリカタイプの媒体または他の任意の化粧品学的に許容される媒体上で乾燥され得る。
最後に、細胞懸濁液は、アフィニティークロマトグラフィ:樹脂(Amberlite(登録商標)XAD(登録商標)−21aタイプのポリスチレン共重合体など)への吸収およびエタノールなどの適切な溶媒での溶出によって、有用な化合物について濃縮され得る。
本発明による方法を用いて得られた新鮮バイオマスは、最適な回収日(すなわち平均して約15日)において、懸濁液1リットルあたり約100〜500g、より好ましくは、懸濁液1リットルあたり200〜350gである。
下記の表は、得られた収率(得られた生成物の収量(単位はグラム)/細胞懸濁液1L)を表している:
本発明は、上に記載されたように活性成分として防御反応誘発されていない脱分化したアルガン細胞の培養物に由来する調製物を含む美容組成物または皮膚科学的組成物にも関する。
好ましくは、前記調製物の量は、その組成物の総重量の0.1〜10%である。なおもより優先的には、前記抽出物の量は、0.2%〜5%である。
本発明による美容組成物は、好都合なことに、局所適用または経口適用、優先的には局所適用のための化粧品において通常使用される任意のガレヌス製剤の形態であり得る。局所経路による投与の場合、ガレヌス製剤の形態は、クリーム、ゲル、軟膏または噴霧であり得る。経口製剤は、錠剤、カプセル、および飲用可能な懸濁液用の粉末を含む群から選択される。
本発明による美容組成物は、通常の美容上適合する賦形剤も含む。
美容組成物に適合する通常の賦形剤は、上に記載されたような形態で局所適用するための美容組成物が得られるような、当業者に公知であるもののうちの任意の賦形剤であり得る。
本発明による美容組成物および/または皮膚科学的組成物は、特に、添加物および製剤化助剤(例えば、乳化剤、洗浄剤、起泡性界面活性物質など)、錯化剤、増粘剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤(抗菌剤および酸化防止剤を含む)、コンディショナー、酸化剤、アルカリ化剤、軟化剤、溶媒、着色剤および芳香剤を含み得る。
本発明者らは、脱分化した防御反応誘発されていないアルガン細胞に由来する調製物が、以下の活性:
−内因性および外因性の加齢に関する酸化プロセスならびに炎症性プロセスを制限する抗酸化抗ラジカル活性
−コラーゲンを分解するメタロプロテアーゼの阻害によって、成熟した皮膚の力学的特性(堅さ、弾性、張度)を改善する、細胞外マトリックスに対する活性
を有し得ることも示した。
最後に、本発明は、皮膚老化、炎症および瘢痕の処置のための本明細書中に開示される組成物に関する。
以下の実施例は、非限定的な例として与えられる。
本発明による調製物を生成するための実施例
実施例1:新鮮バイオマス/エルレンマイヤー内で行われるプロセス
好ましくは3〜4月齢のアルガン葉を、いくつかの槽によって順に滅菌する:1分間の70%アルコール、3分間の2%次亜塩素酸ナトリウム、次いで2つの連続する脱塩水槽で8分間および10分間にわたってすすぐ。
0.5mg/Lのカイネチンおよび0.75mg/Lの2−4ジクロロ−フェノキシ酢酸(2.4−D)が補充され、pH6に調整された後、121℃(1bar)での20分間オートクレーブされた30g/Lのスクロース、8g/Lの寒天を含むMurashige and Skoog培地(Murashige,T.,Skoog,F.1962.A revised medium for rapid growth and bio assays with tobacco tissue cultures.Physiol.Plant 15:473−496)から構成される寒天培地と滅菌された葉外植片の向軸面とを接触させて置く。外植片を含むペトリ皿を暗黒下、28℃で放置してインキュベートし、もろい安定化されたカルスが得られるまで、増殖させる。
200mlのオートクレーブされた培地(その組成は上で述べた表1に記載されている)を含む500mlのエルレンマイヤーに約40gのもろいカルスを入れることによって、最初の細胞懸濁液を生成する。
その培養物を、29℃の暗黒下、115RPMの振盪台上で1週間放置する。次いで、カルスのかたまりを残しつつ、ピペットを用いて細胞浮遊物を回収する。得られた細胞懸濁液を、15日間培養し、次いで、新しい培地への1:5希釈によって同じ期間にわたって増殖させる。
次いで、その懸濁液を真空下で濾過し、バイオマスを回収する。得られた新鮮なバイオマスの収率は、168g/Lである。
そのバイオマスを−20℃で維持する。
実施例2:乾燥バイオマス
実施例2a:乾燥バイオマス/バッチ培養におけるバイオリアクター内で行われるプロセス
実施例1に記載されたように得られた4つの500ml細胞懸濁液エルレンマイヤーを、接種デバイス内でひとまとめにし、それらは、10Lのバイオリアクターに無菌的に注ぎ込まれる2Lの接種材料を形成する。このバイオリアクターは、30mg/Lの予め滅菌された消泡剤によって補完された8Lの最適培地(表1を参照のこと)で満たされ、次いで、冷却され、バイオリアクターケーシング内の閉鎖経路におけるサーモスタット制御型水循環によって29.5℃で維持される。
酸素プローブは、飽和状態によって較正され、コンピュータ化されたpO2制御デバイスにデータをリアルタイムで入力する。このデバイスは、通気システムに無菌の純酸素を注入することによってpO2を80%で維持する。このバイオリアクターは、排出ガス(ヘッドスペース)にオンラインのCO2測定デバイスも備え、それは同時に、コンピュータ化されたpCO2制御デバイスにデータを入力することにより、pCO2を6%に維持する。これは、酸素と混合される通気デバイスに無菌の空気を注入することによって行われる。そのバイオリアクターは、細胞懸濁液を撹拌し、それが沈降するのを防ぐ、75RPMで回転するプロペラ式の撹拌システムも備える。自動のデバイスが、そのバイオリアクターのアウトプット側に設置されることにより、バイオマスの無菌的なサンプリングおよびモニタリングが可能になる。
バッチ培養物は、15〜17日間にわたってこれらの一定温度、溶解ガス条件下で維持されることにより、280〜320g/Lという新鮮バイオマスの細胞密度に達する。このバッチ培養が完了した後、そのバイオリアクターは空にされ、そのバイオマスは、ブフナー漏斗を用いて濾紙による濾過により回収される。
同体積の蒸留水に溶解された回収された新鮮バイオマスは、「超音波洗浄器」を用いて冷却粉砕され、次いで、凍結乾燥される。
実施例2b:乾燥バイオマス/流加培養10.0.0.1におけるバイオリアクター内で行われるプロセス
4つの500ml細胞懸濁液エルレンマイヤーを、実施例2aに記載されたような接種材料として使用した。バイオリアクターは、実施例2aに示されたように調製される。溶解ガス、温度および撹拌制御システムは、実施例2aに示されたように調製される。
最初の培養物は、280〜320g/Lという新鮮バイオマスの細胞密度が達成されるまで、15〜17日間にわたってこれらの一定温度および溶解ガス条件下で維持される。この最初の培養が完了した後に、10Lバイオリアクターの含有量の80%が、取り出される。次いで、8Lの細胞懸濁液が回収される。この懸濁液中のバイオマスは、ブフナー漏斗を用いて濾紙による濾過により回収される。2240g〜2560gの新鮮バイオマスが回収される。同体積の蒸留水に溶解された回収された新鮮バイオマスは、冷却されたら、超音波洗浄器を用いて粉砕され、次いで、凍結乾燥される。100〜130gの凍結乾燥バイオマスが得られる。
80%の部分的な回収が行われるのと同時に、8Lの予めオートクレーブされ冷却されたARGMS培地を、そのバイオリアクターに注ぎ込み、次いで、培養体積を10Lに戻すために2Lの細胞懸濁液を含める。その流加培養物は、280〜320g/Lという新鮮バイオマスの細胞密度が達成されるまで、5〜7日間にわたってこれらの一定温度および溶解ガス条件下で維持される。そのバイオマスが、持続性の生理学的細胞分裂状態にあり、新しい栄養培地の注入が、24時間未満の潜時期およびそのバイオマスの速やかな増大によって特徴付けられるので、この培養は、最初の培養よりも速い(より生産率が高い)。この流加培養の終わりに、10Lのバイオリアクターの80%を取り出す。次いで、8Lの細胞懸濁液を回収する。この懸濁液のバイオマスは、ブフナー漏斗を用いて濾紙による濾過により回収される。次いで、培養が前述同様に再開される。
実施例2c:乾燥バイオマス/連続培養バイオリアクターにおいて行われるプロセス
4つの500ml細胞懸濁液エルレンマイヤーを、実施例2aに記載されたような接種材料として使用する。バイオリアクターは、実施例2aに示されたように調製される。溶解ガス、温度および撹拌制御デバイスは、実施例2aに示されたように調製される。
最初の培養物は、150g/Lという細胞密度および0.2d−1という即時的な新鮮バイオマス増殖速度が達成されるまで、10日間にわたってこれらの一定温度および溶解ガス条件下で維持される。この段階において、10Lのバイオリアクターの含有量の1.2%が、1時間20分ごとに取り出される。同体積の新しいARGMS培地をそのバイオリアクターに注ぎ込むことによって、これらのサンプルは、自動的に埋め合わされる。この方法は、それらの細胞を一定の生理学的条件および細胞密度で維持する。
次いで、100〜120mlの細胞懸濁液が回収される。この懸濁液中のバイオマスは、ブフナー漏斗を用いて濾紙による濾過により回収される。各サンプルについて15g〜18gの新鮮バイオマスが回収される。同体積の蒸留水に溶解された回収された新鮮バイオマスは、超音波洗浄器を用いて冷却粉砕され、次いで、凍結乾燥される。得られる結果は、各回収物について0.71〜0.85gの凍結乾燥バイオマスである。したがって、その培養物は、少なくとも60日間維持される。それを無期限に維持することが理論上可能である。
以前の様式に対する連続培養の利点は、洗浄および滅菌を必要とするバイオリアクターを再度調製する必要がないという点、ならびに細胞の潜時期がないという点である。細胞懸濁液の1〜1.5%を自動的に取り出した後、バイオリアクターにおいて新しい培地で埋め合わせることにより、そのバイオリアクター内の進行中の培養液の組成のばらつきが最小になる。したがって、この細胞集団では、他の培養様式で見られるバイオマス体積の生産性の喪失に関与する潜時期について一切、代謝的な再調整が行われない。
実施例3:新鮮バイオマス浮遊物(前記バイオマスは実施例2aに記載されたように得られる)
実施例2aに記載されたように得られる20gの新鮮粉砕バイオマスを、15分間にわたって10000gで遠心分離し、浮遊物を回収する。次いで、それを凍結乾燥する。
平均収量は、新鮮バイオマス1gあたり30mgの凍結乾燥浮遊物である。
美容組成物の実施例:
実施例4:H/E処方
実施例5:E/H処方
実施例6:抗酸化活性の評価
化学発光
この方法は、光化学的シグナルによってフリーラジカル(スーパーオキシドラジカルO O−)を発生する。酸化の強度は、通常の条件下で得られる強度よりも1000倍高い。検出は、化学発光によって行われ、それを用いることにより、脂溶性または水溶性の抗酸化抽出物または抗酸化分子が評価される。結果は、等量のビタミンCまたはトロロクス(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)として表される。感度は、1ナノモルの程度である。
結果の解析は、2つの基準、すなわち、曲線の形状(積分)、およびソフトウェアによって与えられるナノモル単位の数値(Igor Popov and Gudrun Lewin.Methods in enzymology [44] vol 300.437−456; Maibach I Howard and coll.Journal of Cosmetic Dermatology Vol 7(2)96−100(2008))に依存する。
結果は、1μgの標準物質(=トロロクス)(ACL Kit)に対して検出される活性と等しい活性を得るのに必要なサンプルのμgとして表される。
結果:
本研究における抗酸化活性は、化学発光によってスーパーオキシドアニオンを特異的に捕捉する能力に相当する。
実施例2aに従って調製された凍結乾燥バイオマスおよび実施例3に従って調製された粉砕凍結乾燥バイオマスの浮遊物は、全体的に等しい抗ラジカル捕捉活性を有する。
278μgの凍結乾燥バイオマスが、1μgのトロロクスについて検出された活性と等しい活性:参照抗酸化分子であるコエンザイムQ10と等しい活性を得るために必要である。
171μgの粉砕凍結乾燥バイオマス浮遊物が、1μgのトロロクスについて検出された活性と等しい活性を得るために必要である。
外部からの攻撃(冷気、汚染、タバコ、UV)の結果としてその生成が増加するフリーラジカルは、皮膚細胞のDNAだけでなく細胞膜およびミトコンドリア膜DNAへの損傷に関与する。これらのフリーラジカルは、炎症プロセスにおいても非常に重要な役割を果たす。これらの非常に反応性の代謝産物は、細胞酸化ストレスのシグナル伝達のセカンドメッセンジャーであり、ゆえに炎症の初期のメディエーターである(A.Van Der Vliet and coll,Chem Biol Interaction 85:95−116 1992)。
実施例2aおよび3に記載される調製物の抗ラジカル活性は、内因性および外因性の皮膚老化および炎症に対する抵抗を助ける。
実施例7:細胞外マトリックスを形成するコラーゲンに対するメタロプロテアーゼ活性の阻害の評価
細胞外マトリックス(ECM)は、組織に対して構造的な役割および制御する役割を有する動的構造である。細胞外マトリックスは、皮膚に張りおよび力学的特性を与える。表皮では、細胞外マトリックスは、細胞間隙を占め、表皮構造に対して支持を提供する。細胞外マトリックスはまた、表皮細胞間の交換を調節し、細胞活性に関与する。細胞外マトリックスは、繊維(特にコラーゲン)および基本的な物質(水、塩類、糖タンパク質、グリコサミノグリカン)から構成される。コラーゲンは、共有結合性の水素結合によって接続される3つのポリペプチド鎖(同一であっても異なっていてもよい)から形成される繊維状タンパク質である。コラーゲンは、繊維状のネットワークの必須の構成要素を形成し、皮膚に抵抗性および弾性を提供する力学的役割を果たす。
細胞が老化しているとき、ECMのほとんどの成分が、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と呼ばれる亜鉛リッチなエンドペプチダーゼ型酵素によって分解されている(Hideaki Nagase § and J.Frederick Woessner.J Biol Chem,Vol.274,Issue 31,21491−21494,July 30,1999)。それらは、膜型または分泌型である。すべてのMMPが、強い配列相同性および構造相同性を有するが、基質特異性は異なる。MMP1または「間質コラゲナーゼ」は、主にI型コラーゲン(正常な皮膚の真皮において80%の含有量)を分解し、II、VII、VIIIおよびX型コラーゲンも分解する。
特異的なペプチド基質Mca−Lys−Pro−Leu−Gly−Leu−DPA−Ala−Arg−NH2を用いるヒト組換え酵素のモデルにおいて、本発明者らは、蛍光定量的定量(David Leppertd and coll,Analytical Biochemistry 328(2004)166−17)によって、直接的な酵素活性について抽出物の作用を解析した。
その活性化された酵素を、種々の調製物とともにプレインキュベートし、次いで、その基質の存在下に置く。その酵素は、ペプチドを切断して、クエンチャーDpa(N−3−(2,4−ジニトロフェニル)−L−2,3ジアミノプロピオニル)からMcaフルオロフォア(7メトキシクマリン−4−イル)アセチル)を分離する。次いで、そのペプチドは、320nmで励起されると、405nmの波長の蛍光を発する。このように、MMP−1の酵素活性が測定され、その活性は、放出される蛍光に比例する。
このin tubo試験を用いるとき、本発明者らは、コラーゲンの分解の惹起において重要な役割を有する酵素であるMMP1の活性の潜在的な阻害剤を検出することができる。本発明者らは、MMP1活性阻害のパーセンテージを測定する。
その阻害剤または生成物に関する酵素阻害のパーセンテージの算出は、以下のとおりである:
%阻害=100×((最大正味酵素活性−阻害剤の存在下における正味酵素活性)/最大正味酵素活性)
結果:
実施例3に従って調製された浮遊物は、60〜500μg/mlにおいて用量依存的にMMP1活性を有意に阻害する。
実施例2aに従って調製された凍結乾燥バイオマスを、60〜1000μg/mlにおいて試験した。概してそのバイオマスの物理化学的な干渉に起因して、本発明者らは、阻害活性を測定することができなかった。しかしながら、非常に類似の抽出物を試験したところ、それは、60μg/ml〜1000μg/mlにおいて有意な阻害を示した。
実施例3に従って調製された抽出物は、老化が生じているとき、MMPの高い活性に抵抗することができ、コラーゲンの力学的役割の維持に寄与することができるので、皮膚に対して抵抗性および弾性を提供する。
実施例8:HaCaTケラチノサイトにおけるTGF−β1の合成の測定
TGF−β1(トランスフォーミング成長因子−ベータ1)は、種々の細胞型によって分泌され、細胞の成長の調節ならびに複数の細胞反応および生物学的プロセスの制御において重要な役割を果たす、TGF−βのスーパーファミリーに属する。このスーパーファミリーのサイトカインの主な活性は、それらが、ほとんどの細胞の増殖を調節すること、線維芽細胞の増殖を刺激すること、および細胞外マトリックスの形成を増加させることである(Lawrence,1996)。TGF−β1は、特に、細胞骨格(アクチン)の再編成を誘導すること、および上皮細胞の移動を促進すること(Boland et al.,1996)によって、瘢痕形成プロセスである損傷の修復にも関わる(Cullen et al.,1997)。皮膚組織を最も代表する細胞集団は、ケラチノサイト集団である。それは、皮膚細胞すなわち線維芽細胞の挙動を調節し得、それに影響し得る成長因子の重要な供給源を形成する(Ghahary et al.,2001)。
装置および方法
実施例2aに係る防御反応誘発されていないバイオマスの生成
防御反応誘発されたバイオマスの調製物
成長因子(カイネチンおよび24D)を含まないMurashige&Skoog培地を調製する。KOHを加えることによってこの培地をpH6に調整した後、121℃(p=1bar)で20分間オートクレーブする。次いで、この培地を、増殖培養物に由来する細胞懸濁液を用いて1:5の体積で接種する。その直後に、カイネチンDMSOに6−ベンジルアミノプリン(BAPまたは(N−(フェニルメチル)−7H−プリン−6−アミン)およびエリシター剤(アセチルサリチル酸およびジャスモン酸メチル)の濃縮溶液を無菌的に加えることによって、防御反応誘発条件をもたらす。結果は、EMS防御反応誘発培地である(表4を参照のこと)。次いで、その防御反応誘発された培養物を、115RPMおよび29℃、暗黒下の振盪台上で15日間維持する。次いで、新鮮バイオマスを回収し、ブフナー漏斗上で乾燥した後、粉砕および遠心分離を行い、浮遊物を凍結乾燥することによって安定化する。
5時間にわたってHaCaTケラチノサイトを種々の抽出物で処理し、次いで、それらの細胞を37℃のDMEM中で24時間インキュベートする。ELISAキットを用いて培養浮遊物中のTGF−β1を投与する。
ヒトHaCaTケラチノサイトにおけるTGF−β1の合成に対する、実施例2aに従って調製された防御反応誘発されていないアルガンバイオマスおよび防御反応誘発後に得られたアルガンバイオマスの作用を、添付の図1に示す。それらは、HaCaTケラチノサイトにおいて、実施例2aに従って調製された防御反応誘発されていないアルガンバイオマス(50μg/mL)が、TGF−β1の合成を48%刺激するが、防御反応誘発されたアルガンバイオマスは、TGF−β1の合成を26%阻害することを示している。
実施例9:ヒトケラチノサイトの増殖および細胞移動の測定
実施例9.a:ヒトケラチノサイトの細胞増殖の測定
損傷の瘢痕形成は、組織の正常な修復における多くの局所的および全身性の因子の相互作用を含む複雑かつダイナミックな生物学的プロセスである。瘢痕形成の進行は、4つの相互依存的な段階:止血、炎症、増殖およびリモデリングを含む。増殖は、3つの明らかに観察可能なプロセス、すなわち、肉芽化、収縮および再上皮化を包含する。
肉芽化では、修復プロセスの残りの部分に関わり得る細胞の増殖が、損傷床へのこれらの細胞の移動とともに、観察される。これらの細胞には、マクロファージ、線維芽細胞および内皮細胞が含まれる。マクロファージは、恒常的に走化性因子および成長因子を放出している。線維芽細胞は、損傷の底部の細胞の増殖に必要な新しい細胞マトリックスを構築する。この足場材料は、細胞移動を容易にする。
損傷の収縮は、損傷のサイズを減少させるための機構であり、線維芽細胞が、この収縮において主導的役割を果たす。
再上皮化は、有色素であり得る、損傷を覆う表皮を再生して外部環境に対する有効な障壁を再形成すること、ならびにその知覚機能および免疫機能を回復することからなる。ゆえに、再上皮化は、ケラチノサイトの細胞移動プロセスおよび増殖プロセスだけでなく、新しい上皮の分化および真皮と表皮とを再び接続する基底膜の修復も包含する。損傷の中心にむかって基底細胞が移動することにより、その損傷の2つの面が結合できると、細胞の有糸分裂が相次いで生じることにより、その移動によって残された空間が埋まり、3次元の再生において上皮組織に対して細胞が供給される。
ケラチノサイト細胞、線維芽細胞および内皮細胞の増殖工程は、活性成分の瘢痕形成活性を確かにする機能的な現象の1つであると考えられ得る。線維芽細胞または内皮細胞の増殖の増加は、真皮の瘢痕形成に関与し得る一方、ケラチノサイトの増殖の増加は、再上皮化に関与し得る。
装置および方法:細胞増殖
用いられる手法は、S期の細胞のDNAへのヌクレオチドチミジンのアナログである5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)の取り込みを測定する。
手術後に廃棄される皮膚から単離されたケラチノサイトを、完全KSFM(BPE25μg/ml;EGF1.5mg/ml)中で培養する。その細胞を、37℃、5%CO2雰囲気において48時間にわたって、分子の存在下においてインキュベートすることにより評価する。細胞増殖速度に比例するBrdUの取り込みは、ペルオキシダーゼに結合された抗BrdU抗体の系によって評価される。ペルオキシダーゼの基質を加えることにより、有色の反応が起きる(Biotrak Elisa System)。対応する吸光度(DO)を450nmにおいて測定する。ゆえに、このデータは、細胞増殖速度に比例する。
次いで、増殖パーセントを、以下の式を用いて算出する:
%増殖=(DO(処置)−DO(tコントロールmin))/(DO(tコントロールmax)−DO(tコントロールmin))×100
〔ここで:
コントロールmin=最少培地とともにインキュベートされた細胞
コントロールmax=完全培地とともにインキュベートされた細胞
したがって、コントロールminは、0%増殖に対応し、コントロールmaxは、100%増殖に対応する。〕
実施例2aに従って調製されたアルガンバイオマスの、ヒトケラチノサイトの増殖に対する作用を図示している図2に、細胞増殖に対する結果を示す。
それらは、実施例2aに従って調製された0.1μg/mLのアルガンバイオマスが、ヒトケラチノサイトの増殖を25%刺激することを示している。そのバイオマスが0.01μg/mLで試験されたときは、作用は測定されない。
実施例9.b:ヒトケラチノサイトの細胞移動の測定
装置および方法:HaCaTケラチノサイトの細胞移動
細胞移動を調べるために使用されるプロトコルは、96ウェルキットの使用に基づく。この試験の原理は、ウェル(96ウェルプレート)の中心への細胞の移動を調べることからなる。これを行うために、直径2mmの検出ゾーンが得られるように、各ウェルの中心に妨害物を置く。次いで、HaCaT細胞をこの妨害物の周りに播種する。細胞がその妨害物の周りの表面に十分に結合したら、その妨害物を取り除き、それにより、細胞は検出ゾーンに移動できる。妨害物なし活性成分ありの状態でプレートを、DMEM0%SVF中において37℃で24時間インキュベートする。次いで、細胞の移動を評価するために、妨害物が位置していたゾーンに存在する細胞の量を解析する。その細胞をHoechst33342で標識し、カバーを用いてこのゾーンに存在する細胞だけを観察し、計数する。各条件について、8ウェルを平均する。結果は、
−蛍光強度(IF、移動した細胞の量に比例する)
−コントロール0%SVFに対する活性パーセント:
((IF処理−IF0%移動)/(IFtコントロール0%SVF−IF0%移動))×100
として表され、
ここで:
IF(0%移動)は、妨害物を含むウェルのIF(蛍光強度)、ゆえにバックグラウンドノイズに対応する。
図3は、細胞移動の結果を示しており、実施例2aに従って調製されたアルガンバイオマスの、HaCaTケラチノサイトの移動に対する作用を図示している。
それらは、実施例2aに従って調製された0.01または0.03μg/mLのアルガンバイオマスが、HaCaTケラチノサイトの移動をそれぞれ79%および73%刺激することを示している。

Claims (4)

  1. 活性成分としての、培養培地を含まない、アルガン細胞のバイオマスまたは粉砕バイオマス、および
    美容上または皮膚科学的に許容される賦形剤、
    を含んでなる美容組成物または皮膚科学的組成物であって、前記アルガン細胞が、防御反応誘発されていない脱分化したアルガン細胞である、美容組成物または皮膚科学的組成物。
  2. 前記バイオマスまたは粉砕バイオマスの量が、組成物の総重量の0.1〜10%である、請求項1に記載の組成物。
  3. 皮膚老化または皮膚炎症の処置において使用するための、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 請求項1に記載の美容組成物または皮膚科学的組成物を製造するための方法であって、以下の工程:
    a)アルガン細胞を含むアルガン植物材料を滅菌することにより、滅菌されたアルガン細胞を得る工程、
    b)滅菌されたアルガン細胞を脱分化することにより、脱分化したアルガン細胞を得る工程、
    c)脱分化したアルガン細胞を、エリシターを含まない培養培地中に懸濁させる工程、
    d)エリシターを含まない培養培地中で脱分化したアルガン細胞を増殖させることにより、防御反応誘発されていない脱分化したアルガン細胞の集団を得る工程、
    e)エリシターを含まない培養培地から防御反応誘発されていない脱分化したアルガン細胞の集団を収穫し、これにより、防御反応誘発されていない脱分化したアルガン細胞のバイオマスまたは粉砕バイオマスを取得する工程、ならびに
    f)防御反応誘発されていない脱分化したアルガン細胞のバイオマスまたは粉砕バイオマスに、美容上または皮膚科学的に許容される賦形剤を添加する工程
    を含んでなる、方法。
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