JP6847194B2 - 皮膚外用剤の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、化粧料等の皮膚外用剤に関し、特にバラ科植物のメアカンキンバイまたはキク科植物のエゾノチチコグサの培養細胞抽出物を有効成分とする皮膚外用剤に関するものである。
一般に、化粧品に求められる皮膚を健やかに維持するための有効成分として、植物から抽出された成分を使用することが知られており、例えば、ムラサキ科ムラサキ属の多年草であるムラサキの培養細胞抽出物を、美白成分として添加した抗老化性および美白効果を有する化粧料が知られている(特許文献1)。
また、抽出対象の植物として、バラ科のモモ亜科に属するアロニア(Aronia)属、マルス(Malus)属、マルメロ(Cydonia)属、ナシ(Pyrus)属、ザイフリボク(Amelanchier)属、ナナカマド(Sorbus)属、シャリンバイ(Rhaphiolepis)属、アズキナシ(Aria)属、カナメモチ(Photinia)属、サンザシ(Crataegus)属、シャリントウ(Cotoneaster)属、テンノウメ(Osteomeles)属及びトキワサンザシ(Pyracantha)属から選ばれる植物について、細胞を培養し、トリテルペンやフラボノイドを含有する培養細胞抽出物を得て、これを医薬、食品、化粧品などに利用することが知られている(特許文献2)。
さらにまた、緑茶(チャノキ)の幹細胞培養物として、カルス由来の緑茶幹細胞培養物を含有し、緑茶ポリフェノールなどを含有する化粧料組成物が知られている(特許文献3)。
特開2003−267857号公報 特開2011−26265号公報 特表2014−524466号公報
しかし、特許文献1には、シソ目ムラサキ科ムラサキ属のムラサキの培養細胞抽出物を美白成分として添加するとの記載はあるが、その他の植物から、同様な有用成分が抽出されるかどうかについて、示唆する記載はない。
また、特許文献2には、バラ科のモモ亜科に属する特定の13属の植物について、植物細胞を培養して得た抽出物に、美白、美肌、細胞賦活成分があり、これを医薬品や化粧品に利用できることは記載されているが、バラ科のモモ亜科以外のバラ亜科、チョウノスケソウ亜科に属する植物ついては何も記載されておらず、これらの2つの亜科に属する植物についても前記同様に、皮膚に対して有用な成分が含有されているかどうかについての記載はなく不明である。
また、特許文献3には、緑茶の幹細胞培養物に有用成分が含まれ、それを化粧料に利用することについて記載されているが、緑茶以外の植物に関する記載はない。
さらに、平地でも栽培が容易な植物や比較的温暖な環境で栽培可能な植物は、これまでにも有効利用されてきたが、厳しい自然環境下で生息する希少植物については、未だ十分に研究や調査が進んでおらず、十分に利用されていなかった。
本願の発明者らは、厳しい自然環境に生息する植物に、優れた環境適応能力や耐性が認められることに着目し、植物自体だけではなく、人にも有用な薬効成分が含まれているものと考えた。
そこで、この発明の課題は、これまでに希少植物資源保護の観点から顧みられることのなかった植物種に、人の美肌や美白に有用な成分が含まれていることを見出し、特に皮膚外用剤の有効成分と成り得る抗酸化性、角化・分化促進性、ECM産生促進性、抗老化効果を有する成分を植物細胞培養の技術を利用することにより効率的に入手し、それを配合した皮膚外用剤を提供することである。
上記の課題を解決するために、本願の発明者らは、バラ科キジムシロ属のメアカンキンバイ(Potentilla miyabei)またはキク科エゾノチチコグサ属のエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)の培養細胞の抽出物が、抗酸化性成分等を含有することを見出し、それを有効成分とする皮膚外用剤としたのである。
上記のように構成されるこの発明の皮膚外用剤は、上記所定の植物種を有効成分の抽出原料に採用したものであり、前者のメアカンキンバイ(Potentilla miyabei)は、バラ科バラ亜科キジムシロ属に属する植物であり、北海道に固有種で知床山系、阿寒山系、大雪山系、十勝連峰、羊蹄山などに分布し、高山の礫地に生育する植物である。
また、後者のエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)は、キク科エゾノチチコグサ属に属し、北海道の礼文島と大雪、阿寒、知床各山系等の北半球の高緯度地方に分布し、同様に高山の乾いた草地に生育する植物である。
これらの所定の植物の組織の一部を採取して培養し、未分化細胞から抗酸化性成分を含むエキスを抽出し、これを有効成分とした、抗酸化性他の特性を有する皮膚外用剤を得ることができる。
メアカンキンバイ(Potentilla miyabei)またはエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)の培養細胞の抽出物を角化・分化促進性有効成分として含有する皮膚外用剤にすることもでき、これらの抽出物は、老化した皮膚の新陳代謝を促し、美肌を保てるようにする作用のあることが、後述する実験結果から明らかである。
ちなみに、皮膚は、表面の角層の下に顆粒層、有棘層、基底層をこの順に有しており、基底層で分裂する細胞は、角化と呼ばれる分化をしながら上行し、最後に表面から脱落するので、このような表皮の入れ替わりまでの期間を短くするほど若い細胞で肌を構成することができる。
また、ヒトの皮膚において、角化・分化に関連する蛋白質(酵素)としては、ケラチン10、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ、セリンパルミトイルトランスフェラーゼが挙げられ、これらの産生量を指標としてその作用程度を計ることができる。
また、上記同様にしてメアカンキンバイ(Potentilla miyabei)またはエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)の培養細胞の抽出物をECM産生促進性有効成分として含有す
る皮膚外用剤とすることもできる。
なお、ECM(Extracellular Matrix)は、細胞外マトリクスとして、ヒトでは、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチンやラミニンといったタンパク質などからなる。これらは、シワが少なく、張りのある若い皮膚を保つために有用な成分である。
ヒトの皮膚において、ECMの関連因子(細胞外基質や酵素等の蛋白質)として、エラスチン、フィブリン、リシルオキシダーゼ、コラーゲンなどが挙げられる。
また、上記同様にしてメアカンキンバイ(Potentilla miyabei)またはエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)の培養細胞の抽出物を抗老化性有効成分として含有する皮膚外用剤とすることもできる。
皮膚細胞の老化の程度は、老化による皮膚細胞損傷の程度から推定できるので、炎症マーカーとして知られるインターロイキン6(IL-6)を計測し、その相対値をもって老化の指標とすることができる。
上記培養細胞は、カルス等の未分化の培養細胞であることが、未分化細胞由来の成分を培養によって効率よく得るために好ましい。
また、上記有効成分を皮膚外用剤に配合した場合、抗酸化性、角化・分化促進性、ECM産生促進性、抗老化性が充分に奏されるように、培養細胞エキスの含有量(有効成分量:重量%)は、0.000001〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.00001〜10重量%である。
なお、上記有効成分の培養細胞エキスは、培養細胞を凍結乾燥し、凍結乾燥細胞10mgに対して1mLの水、もしくは各細胞の培養に用いる専用培地を加えて分散させ、超音波破砕抽出後に0.2ミクロンフィルターを用いてろ過された培養細胞エキスである。
抗酸化性、角化・分化促進性、ECM産生促進性、抗老化性をいずれも充分に奏する皮膚外用剤は、色素沈着の予防及び改善、肌の透明感を改善する美白効果と共に、シワ、タルミを予防もしくは改善できる美肌効果があるので、この発明では、メアカンキンバイ(Potentilla miyabei)またはエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)の培養細胞の抽出物を美白・美肌用有効成分として含有する美白・美肌用皮膚外用剤とすることができる。
この発明は、上記の通りメアカンキンバイ(Potentilla miyabei)またはエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)の培養細胞の抽出物を有効成分として含有する皮膚外用剤としたので、人の美肌や美白に有用な抗酸化性、角化・分化促進性、ECM産生促進性、抗老化効果を有する植物由来の成分を利用でき、これにより色素沈着の予防と改善および肌の透明感を改善する美白もしくはシワ、タルミを予防し改善する美肌の効果が得られる皮膚外用剤または美白・美肌用皮膚外用剤になるという利点がある。
この発明の実施形態は、バラ科キジムシロ属のメアカンキンバイ(Potentilla miyabei)またはキク科エゾノチチコグサ属のエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)の培養細胞からの抽出物を有効成分として含有する皮膚外用剤である。
これらの植物の培養細胞から抽出物を得る好適な方法としては、植物組織の一部、例えば、子葉から無菌的にカルスを取得し、不均一な形質を有するカルスを液体培地にて継代培養を繰り返すことにより、均一性の高い培養細胞株として取得し、この培養細胞株より抽出物を得る方法が挙げられる。また、培養細胞株を取得する過程で、特定成分の含有量を指標に高含有細胞を選抜する工程を行うことで、特定成分の高生産培養細胞株を取得し、高生産培養細胞株より抽出物を得る方法が挙げられる。
未分化の培養細胞は、通常、カルスを増殖させて得られ、カルスを安定して増殖させるために、植物体から採取する組織は、アルコール等で滅菌処理された後、植物ホルモンの天然サイトカイニンであるカイネチンや、合成オーキシンであるナフタレン酢酸を含む固体培地で脱分化され、かつカルスが形成されるように培養される。
植物体から採取する組織は、通常、細胞分裂の頻度の高い茎頂分裂組織または根端分裂組織を用いることが未分化細胞である幹細胞が多く含まれている点で好ましいが、それ以外の組織でもよく、植物体の全ての組織細胞を特に限定することなく用いることができる。またカルス培養法においては、植物ホルモンを配合した培地を用いて脱分化処理がなされるので、葉部や茎部など特に部位を制限せずに使用できる。
細胞培養に際し、抗酸化性物質ができるだけ多く産生される細胞を選択するために、例えば、形質の不均一なカルスを小塊に分けて培養増殖させ、その一部を用いて例えば抗酸化評価を行なうことで抗酸化活性の高いカルス小塊を選抜し、更に選抜された小塊を親として、同様の選抜を繰り返すことにより高い抗酸化活性を有する培養細胞株を得ることができ、このような株の取得や継代培養を適宜に採用することができる。
この発明における「抽出物(エキス)」は、水性溶媒による抽出物に限られず、油性溶媒による抽出物であっても良い。
すなわち、この発明では、抽出方法として水性溶媒抽出法、油性溶媒抽出法または混合溶媒抽出法を採用でき、また臨界抽出法や超音波破壊抽出法(超音波のせん断力により細胞を破壊した後、固液分離する)などの抽出方法を採用してもよく、その際に適切な条件を適宜に採用することができる。
また、そのような抽出物は、培養細胞あるいは培養液を乾燥した後、これを適当な抽出溶媒で抽出することによっても得ることができる。
さらに具体的に説明すると、培養細胞からの抽出に使用可能な抽出溶媒は、例えば、水、低級1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、低級アルキルエステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル等)、アセトニトリル等が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上併用することができる。このようにこの発明に使用可能な抽出溶媒は、水性でも油性でも良いことから、抽出物中に含まれる有効成分には、両親媒性物質も含まれていると考えられる。
また、培養細胞抽出の際の具体的な工程としては、含水濃度が0〜100重量%のエチルアルコールまたは1,3−ブチレングリコールを用い、室温または加温して1〜5日間抽出を行なった後、ろ過して得られたろ液を、更に1週間程静置して熟成させ、再度ろ過を行う工程が例示される。
このようにして得られた培養細胞抽出物と、植物体を絞るなどして直接得た抽出物とは、前者が分化全能性を有する未分化の植物細胞から得られる抽出物であるのに対し、後者は分化した植物細胞から得られる抽出物であって、その成分構成が異なることから、その性質も異なる。
また、培養細胞抽出物は、天候や病害虫による害を受けずに安定して供給できること、培養条件を選択することにより、特定の機能性成分を選択的かつ高効率で供給できること、農薬などの有害物質が混入する恐れがないので安全性が高いこと、また、植物の極一部分から採取した細胞から多量に培養でき、希少植物に対する影響が最小限に止まることから好ましい。
<メアカンキンバイのカルスおよび液体培養株の取得>
メアカンキンバイ(Potentilla miyabei)の葉部を70重量%エタノール溶液、10重量%アンチホルミン溶液で滅菌処理し、無菌条件下で5〜10mm角に切断した後、組織片を3重量%スクロース、10−5Mナフタレン酢酸(NAA)および10−5Mカイネチンを含むムラシゲ&スクーグ(MS)の寒天培地である0.25重量%ゲルライト固体培地に置床し、25℃、暗所にて静置培養してカルスを得た。
固体培地で継代をくり返すことにより安定して増殖するカルスを取得した後、3重量%スクロース、10−5M NAAおよび10−5Mカイネチンを含むガンボーグB5の液体培地(B5‐NK培地)にカルスを移植し、14日毎に継代を繰り返して細胞の増殖を高めた。
続いて細胞を2重量%スクロース、0.6重量%グルコース、10−5Mインドール酪酸(IBA)および10−6Mカイネチンを含むB5の液体培地(B5-IK培地)に移植し、11〜14日毎に継代を繰り返して細胞の増殖性を高め、継代可能なメアカンキンバイ株を取得した。
<エゾノチチコグサ(Antennaria dioica)のカルスおよび液体培養株の取得>
エゾノチチコグサの茎部を70重量%エタノール溶液、10重量%アンチホルミン溶液で滅菌処理し、無菌条件下5mm長に切断した後、組織片を3重量%スクロース、10−5Mナフタレン酢酸(NAA)を含むムラシゲ&スクーグ寒天培地(MS寒天培地)の0.25重量%ゲルライト固体培地に置床し、25℃、暗所にて静置培養してカルスを得た。
カルスを取得した後、ゲルライトを含まない同条件の液体培地にカルスを移植し、14日毎に継代を繰り返して細胞の増殖を高めた。続いて、細胞を3重量%スクロース、10−5Mインドール酪酸(IBA)および10−6Mカイネチンを含むMSの液体培地に移植して継代を繰り返して細胞の増殖性を高め、14日ごとに継代可能なエゾノチチコグサ株を取得した。24g/Lの密度でエゾノチチコグサ株培養細胞を移植し、14日目に100gの培養細胞エキスを回収できた。
[製造例1]
取得したメアカンキンバイ株培養細胞、またはエゾノチチコグサ株培養細胞を凍結乾燥し、凍結乾燥細胞10mgに対して1mLの水、もしくは各細胞の培養に用いる専用培地を加えて分散させ、超音波破砕抽出を行なった。抽出後に0.2ミクロンフィルターを用いてろ過を行い、培養細胞エキスを取得した。
[製造例2]
取得したメアカンキンバイ株培養細胞、またはエゾノチチコグサ株培養細胞を凍結し、この凍結細胞100gに対して30重量% 1,3-ブチレングリコール溶液を500mLの割合で加えて撹拌混合し、室温下、3日間抽出を行なった。抽出後に細胞などの固形分をろ紙を用いてろ過し、得られたろ液を更に3℃で1週間静置した後、0.45ミクロンおよび0.22ミクロンフィルターを用いてろ過を行い、培養細胞エキスを取得した。
上記製造例1で得られたメアカンキンバイ培養細胞エキス(エキスA)、またはエゾノチチコグサ培養細胞エキス(エキスB)を検体として、以下のように抗酸化効果、角化・分化促進効果、ECM産生促進効果、抗老化効果の評価試験を行なった。
[抗酸化効果の評価試験]
0.075mM1,1−ジフェニル-2-ピクリル-ヒドラジル(1,1-diphenyl-2-picryl-hydrazyl:以下、DPPH)溶液に、メアカンキンバイ培養細胞エキスを5質量%、またはエゾノチチコグサ培養細胞エキスを5質量%添加し、25℃、30分インキュベート後、520nmの吸光度からラジカル消去率を算出し、抗酸化効果を評価した。
Figure 0006847194
表1の通り、メアカンキンバイ培養細胞エキス、及びエゾノチチコグサ培養細胞エキスが抗酸化効果を有し、特にメアカンキンバイ培養細胞エキスが高い効果を有することが明らかになった。
[角化・分化促進効果の評価試験]
正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)を用い、メアカンキンバイ培養細胞エキスを5質量%、またはエゾノチチコグサ培養細胞エキスを5質量%添加した培地で、2日間培養後、total RNAを抽出した。
cDNAへの逆転写後、リアルタイムPCRにより以下に示す一般的な角化・分化関連因子であるmRNA遺伝子の発現の度合いにより、角化・分化促進効果を評価した。
Figure 0006847194
表2の通り、メアカンキンバイ培養細胞エキス、及びエゾノチチコグサ培養細胞エキスが角化・分化促進効果を有することが明らかになった。
[ECM産生促進効果の評価試験]
正常ヒト真皮線維芽細胞(NB1RGB)を用い、メアカンキンバイ培養細胞エキスを5質量%、またはエゾノチチコグサ培養細胞エキスを1質量%添加した培地で1日間培養後、total RNAを抽出した。cDNAへの逆転写後、リアルタイムPCRにより以下に示すECM関連因子のmRNA遺伝子の発現の度合いにより、ECM産生促進効果を評価した。
Figure 0006847194
表3の通り、メアカンキンバイ培養細胞エキス、及びエゾノチチコグサ培養細胞エキスがECM産生促進効果を有することが明らかになった。
[抗老化効果の確認試験]
正常ヒト真皮線維芽細胞(NB1RGB)を用い、メアカンキンバイ培養細胞エキスを5質量%、またはエゾノチチコグサ培養細胞エキスを1質量%添加した培地で2日間培養後、total RNAを抽出した。cDNAへの逆転写後、リアルタイムPCRにより以下に示す老化関連因子のmRNA遺伝子の発現度合により、抗老化効果を評価した。
Figure 0006847194
表4の通り、メアカンキンバイ培養細胞エキス、またはエゾノチチコグサ培養細胞エキスが抗老化効果を有することが明らかになった。
[実施例1、参考例、比較例]
実施例1として、製造例2(「抽出溶媒:1,3ブチレングリコール」以下同じ)で得られたメアカンキンバイ培養細胞エキスを、下記の処方で配合した水系ローションを作製した。
参考例として、製造例2で得られたエゾノチチコグサ培養細胞エキスを配合した水系ローションを作製した。

(成分) (重量%)
1、3−ブチレングリコール 5
グリセリン 3
ペンチレングリコール 2
ポリソルベート20 0.3
フェノキシエタノール 0.3
メアカンキンバイ培養細胞エキスまたはエゾノチチコグサ培養細胞エキス 1
精製水 残余
さらに、比較例として、メアカンキンバイ培養細胞、エゾノチチコグサ培養細胞エキスを含まない水系ローションを作製した。
これらについて、以下の官能評価試験を実施した。
実施例1、参考例、比較例について「うるおい」「つや」「透明感」「ハリ」「抗シワ」の各効果を検証した。検証にあたっては、健常な皮膚を有するモニター3名に複数回使用させ、各項目を5段階(悪い:評点1〜良い:評点5)による官能評価により検証した。
Figure 0006847194
表5の通り、実施例は、比較例よりも優れているということが明らかになった。
なお、製造例1のエキスについても、製造例2と同じ成分が含まれていることから、上記同様の効果を奏することは明らかである。
この発明の皮膚外用剤の化粧料についての処方例を、以下に列挙する。これらの処方例において、成分名に続けて記載する数値は、配合割合であり単位は、全て重量%である。
[処方例1;化粧水]
(成分) (重量%)
グリセリン 2
1,3−ブチレングリコール 5
メアカンキンバイ培養細胞エキスまたはエゾノチチコグサ培養細胞エキス 5
カルボキシビニルポリマー 0.05
水酸化カリウム 0.025
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
香料 適量
[処方例2;乳液]
(成分) (重量%)
ジメチルポリシロキサン 2.5
デカメチルシクロペンタシロキサン 23
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 15
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.5
トリメチルシロキシケイ酸 1
1,3−ブチレングリコール 5
スクワラン 1.5
タルク 6
メアカンキンバイ培養細胞エキスまたはエゾノチチコグサ培養細胞エキス 1
エデト酸三ナトリウム 0.05
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5
シリコーン被覆微粒子酸化チタン 4
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
球状ポリエチレン末 3
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
香料 適量
[処方例3;クリーム]
(成分) (重量%)
流動パラフィン 9
ワセリン 2
ジメチルポリシロキサン 2
ステアリルアルコール 4
ベヘニルアルコール 2
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 4
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
親油型モノステアリン酸グリセリン 2
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.05
水酸化ナトリウム 0.015
メアカンキンバイ培養細胞エキスまたはエゾノチチコグサ培養細胞エキス 0.1
フェノキシエタノール 適量
カルボキシビニルポリマー 0.05
精製水 残余
香料 適量
また、この発明は、従来慣用されている製造方法を使用することができ、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤等の剤型を問わず実施できる。
供給量が不足し、結果として工業原料として使用することに致命的な問題がある希少生物種について、その培養細胞抽出物を原料とすることによって、化粧品等に利用することができるようになる。特に、メアカンキンバイ、エゾノチチコグサについては、抗酸化、角化・分化、ECM産生または抗老化機能成分として、従来知られてない高い効果を有した皮膚外用剤として利用することができる。

Claims (1)

  1. バラ科メアカンキンバイの培養細胞の抽出物を、抗酸化性、角化・分化促進性及びECM産生促進性から選ばれる1以上の機能性有効成分として0.000001〜20重量%含有する皮膚外用剤の製造方法であって、前記抽出物は、前記培養細胞に抽出溶媒を加えてろ過された液体からなり、前記抽出溶媒が水であり、前記培養細胞に対し加えた前記抽出溶媒の割合が重量比で1:100である皮膚外用剤の製造方法
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