JP5963534B2 - サーマルプリンターおよびその印字用紙連続体位置検出方法 - Google Patents

サーマルプリンターおよびその印字用紙連続体位置検出方法 Download PDF

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Description

本発明はサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法にかかるもので、とくにラベルやタグなど各種の印字用紙を印字開始位置に装填することができるとともに、小ピッチの印字用紙であっても、その位置検出を行うことができるようにしたサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法に関するものである。
従来からのサーマルプリンターは、サーマルヘッドおよびプラテンローラーを有する印字部を備えており、サーマルヘッドおよびプラテンローラーの間に印字用紙を挟持して移送することにより、印字用紙に所定の情報を印字して表示可能としている。
印字用紙としては、帯状の台紙に複数枚のラベル片を仮着したラベル連続体、あるいは粘着剤層を備えていないタグ連続体などがある。
しかして、サーマルプリンターに印字用紙を装填する際には、位置検出用センサーを有する用紙検出部により印字部に対する印字用紙の相対的位置を検出する必要があり、一般的には、この用紙検出部に印字用紙を移送通過させることが行われている。
すなわち、印字用紙にあらかじめ形成した位置検出用マーク、あるいは互いに隣り合うラベル片間のギャップなどを用紙検出部が検出することにより、印字用紙の上記相対的位置を検出する。
しかしながら、印字用紙の相対的位置検出のためには、印字用紙の一枚分だけは用紙検出部に移送通過させる必要があり、印字用紙のセット(装填)時には先頭の一枚分には印字することができずに無駄になっているという問題がある。
換言すれば、印字用紙の移送方向上流側から印字部に印字用紙を挿入しただけでは、印字部に対する印字用紙の相対的位置を検出することができずに、印字用紙の先端部を印字開始位置(いわゆる、頭出し位置)にセットすることができないという問題がある。
さらに、印字用紙として、複数枚の用紙片を連続して有する印字用紙連続体の場合には、印字用紙連続体における用紙片(たとえばラベル連続体のラベル片)の移送方向におけるピッチが、印字部と用紙検出部との間の間隔より小さい小ピッチであるときには、用紙検出部において印字用紙連続体を移送することにより、それぞれの用紙片のピッチを計測することができるが、この検出時に二枚以上の用紙片が印字部を通過することになるので、印字用紙連続体の種類によっては印字部においてジャミングが発生するという問題がある。
また、用紙片のピッチ計測のために用紙検出部に印字用紙連続体を単に移送することになるので、印字用紙連続体が上下方向にばたつきやすく、検出精度に誤差が出やすいという問題がある。
さらにまた、サーマルプリンターの最下流側に、印字用紙の切断部を設けて所定ピッチで印字用紙を切断することにより単葉の用紙片に加工する構成としている場合には、上述のような用紙片のピッチおよび位置の検出が不可欠である。
特開平6−336063号公報
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、印字用紙連続体の各用紙片のピッチを計測するにあたって、より正確かつ簡単にそのピッチおよび位置を検出可能としたサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法を提供することを課題とする。
また本発明は、印字部における印字開始位置に印字用紙の先端部を位置させて一枚目の用紙片から印字可能として、印字用紙に無駄が発生しないようにしたサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法を提供することを課題とする。
また本発明は、切断部を装備している場合にも、用紙片の位置決めを確実かつ容易に行うことができるようにしたサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、印字用紙連続体を印字部における印字開始位置にセットした状態から印字用紙連続体の先頭部(一枚目)の用紙片への印字を開始した状態で後続の用紙片のピッチを計測することに着目したもので、第一の発明は、単葉の用紙片を複数枚連続して有する印字用紙連続体の移送路を形成したプリンター本体と、この移送路に沿って上記印字用紙連続体を移送するとともに上記用紙片に印字を行うためのサーマルヘッドおよびプラテンローラーを有する印字部と、上記用紙片の位置を検出する用紙検出部と、を有するサーマルプリンターであって、上記用紙検出部は、上記印字部の上流側に位置して上記用紙片を検出可能な第1の用紙センサーと、上記印字部の下流側に位置して上記用紙片を検出可能な第2の用紙センサーと、を有し、上記印字部は、上記印字用紙連続体を下流側に移送する正移送動作と、上記印字用紙連続体を上流側に移送する逆移送動作と、を行うことができるとともに、上記第1の用紙センサーにより上記用紙片を検出して上記印字用紙連続体を正移送し、上記第2の用紙センサーにより上記用紙片を検出して上記印字用紙連続体を上記印字部方向に逆移送することにより上記印字用紙連続体における一枚目の上記用紙片を上記印字部の印字開始位置にセット可能とし、上記印字部による上記一枚目の上記用紙片への印字にともなって、上記第1の用紙センサーにより後続の上記用紙片の上記移送路における移送方向のピッチを計測可能としていることを特徴とするサーマルプリンターである。
第二の発明は、単葉の用紙片を複数枚連続して有する印字用紙連続体の移送路を形成したプリンター本体と、この移送路に沿って上記印字用紙連続体を移送するとともに上記用紙片に印字を行うためのサーマルヘッドおよびプラテンローラーを有する印字部と、上記用紙片の位置を検出する用紙検出部と、を有するサーマルプリンターの用紙片ピッチ計測方法であって、上記用紙検出部は、上記印字部の上流側に位置して上記用紙片を検出可能な第1の用紙センサーと、上記印字部の下流側に位置して上記用紙片を検出可能な第2の用紙センサーと、を有し、上記印字部は、上記印字用紙連続体を下流側に移送する正移送動作と、上記印字用紙連続体を上流側に移送する逆移送動作と、を行うことができるとともに、上記第1の用紙センサーにより上記用紙片を検出して上記印字用紙連続体を正移送し、上記第2の用紙センサーにより上記用紙片を検出して上記印字用紙連続体を上記印字部方向に逆移送することにより上記印字用紙連続体における一枚目の上記用紙片を上記印字部の印字開始位置にセットし、上記印字部による上記一枚目の上記用紙片への印字にともなって、上記第1の用紙センサーにより後続の上記用紙片の上記移送路における移送方向のピッチを計測することを特徴とするサーマルプリンターの用紙片ピッチ計測方法である。
第三の発明は、単葉の用紙片を複数枚連続して有する印字用紙連続体の移送路を形成したプリンター本体と、この移送路に沿って上記印字用紙連続体を移送するとともに上記用紙片に印字を行うためのサーマルヘッドおよびプラテンローラーを有する印字部と、上記用紙片の位置を検出する用紙検出部と、を有するサーマルプリンターの印字用紙連続体位置検出方法であって、上記用紙検出部は、上記印字部の上流側に位置して上記用紙片を検出可能な第1の用紙センサーと、上記印字部の下流側に位置して上記用紙片を検出可能な第2の用紙センサーと、を有し、上記印字部は、上記印字用紙連続体を下流側に移送する正移送動作と、上記印字用紙連続体を上流側に移送する逆移送動作と、を行うことができるとともに、上記第1の用紙センサーにより上記用紙片を検出して上記印字用紙連続体を正移送し、上記第2の用紙センサーにより上記用紙片を検出して上記印字用紙連続体を上記印字部方向に逆移送することにより上記印字用紙連続体における一枚目の上記用紙片を上記印字部の印字開始位置にセットし、上記印字部による上記一枚目の上記用紙片への印字にともなって、上記第1の用紙センサーにより後続の上記用紙片の上記移送路における移送方向のピッチを計測し、上記後続の上記用紙片の上記ピッチが、上記印字部と、上記第1の用紙センサーとの間の第1センサー印字間隔より小さい小ピッチであるときには、この第1センサー印字間隔内に単葉の上記用紙片が何枚あるかを演算するとともに、この演算にもとづき、上記一枚目の上記用紙片の上流側における上記印字用紙連続体に上記用紙片用の仮想エッジをそれぞれ設定することにより、二枚目以降の上記用紙片の上記印字部に対する位置を検出することを特徴とするサーマルプリンターの印字用紙連続体位置検出方法である。
上記後続の上記用紙片の上記ピッチの計測は、隣り合う上記用紙片どうしの間のギャップ、あるいは上記用紙片にあらかじめ設けた位置検出用マークを検出することによりこれを行うことができる。
上記用紙片の上記ピッチは、上記一枚目の上記ラベル片への印字を開始してから、上記第1の用紙センサーが後続する二枚の上記ラベル片のそれぞれの先端部を検出するまで上記一枚目の上記ラベル片の移送を継続することにより、これを計測することができる。
上記後続の上記用紙片の上記ピッチが、上記印字部と、上記第1の用紙センサーとの間の第1センサー印字間隔より小さい小ピッチであるときには、この第1センサー印字間隔内に単葉の上記用紙片が何枚あるかを演算するとともに、この演算にもとづき、上記一枚目の上記用紙片の上流側における上記印字用紙連続体に上記用紙片用の仮想エッジをそれぞれ設定して、二枚目以降の上記用紙片の移送および印字を行うことができる。
上記仮想エッジは、後続する上記単葉の上記用紙片の先端部にこれを設定することができる。
上記一枚目の上記用紙片への印字ののち、二枚目の上記用紙片を上記印字開始位置まで逆移送することができる。
上記一枚目の上記用紙片への印字開始からつぎの上記用紙片に印字動作が続いてその印字終了までに上記印字部の下流側に移送された上記印字用紙連続体の移送量が、上記印字部による上記用紙片への印字終了までに少なくともその一部が上記印字部からその下流側に移送された上記後続の上記用紙片の合計ピッチより小さいときは、上記印字用紙連続体を正移送して、つぎの上記用紙片を上記印字開始位置にセットすることができる。
上記後続の上記用紙片の上記ピッチが、上記印字部と、上記第1の用紙センサーとの間の第1センサー印字間隔より大きい大ピッチであるときには、上記一枚目の上記用紙片の印字終了後、つぎの上記用紙片を上記印字開始位置にセットして、上記二枚目以降の上記用紙片の移送および印字を行うことができる。
当該サーマルプリンターは、上記用紙片を所定ピッチで切断する切断部を、上記第2の用紙センサーの下流側に有するとともに、上記印字部による上記用紙片への印字ののちに、この切断部における切断位置に上記印字用紙連続体を移送してセット可能とし、この切断部による上記用紙片の切断を行うことができる。
本発明によるサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法においては、印字用紙連続体を印字部における印字開始位置にセットした状態から、印字用紙連続体への印字を行い、この印字にともなって後続の用紙片のピッチを計測するようにしたので、一枚目の用紙片を無駄にすることなく、用紙片のピッチを安定してかつ精度よく検出することができる。
とくに第一の発明のサーマルプリンターによれば、印字開始位置にセットした印字用紙連続体における一枚目の用紙片を印字部により印字し、この印字にともなって、第1の用紙センサーにより後続の用紙片の移送路における移送方向のピッチを計測可能としているので、一枚目の用紙片を無駄にすることなく印字可能であるとともに、後続する用紙片のピッチを計測して、印字用紙連続体の安定した移送および印字が可能である。
とくに第二の発明のサーマルプリンターの用紙片ピッチ計測方法によれば、印字開始位置にセットした印字用紙連続体における一枚目の用紙片を印字部により印字し、この印字にともなって、第1の用紙センサーにより後続の用紙片の移送路における移送方向のピッチを計測するので、一枚目の用紙片を無駄にすることなく印字可能であるとともに、後続する用紙片のピッチを計測可能である。
とくに第三の発明のサーマルプリンターの印字用紙連続体位置検出方法によれば、印字部による一枚目の用紙片への印字にともなって、第1の用紙センサーにより後続の用紙片の移送路における移送方向のピッチを計測し、後続の用紙片のピッチが、印字部と、第1の用紙センサーとの間の第1センサー印字間隔より小さい小ピッチであるときには、この第1センサー印字間隔内に単葉の用紙片が何枚あるかを演算するとともに、この演算にもとづき、一枚目の用紙片の上流側における印字用紙連続体に用紙片用の仮想エッジをそれぞれ設定することにより、二枚目以降の用紙片の印字部に対する位置を検出するようにしたので、用紙片が小ピッチであっても、一枚目の用紙片を無駄にすることなく印字用紙連続体の印字部に対する相対位置を確実に検出することができる。
本発明の実施例によるサーマルプリンター1の概略側面図である。 同、ラベル連続体14の平面図である。 同、図2のIII−III線断面図である。 同、印字部5に移送されてくるラベル連続体14のラベル片18が小ピッチである場合における、用紙検出部3(第1の上流側センサー24、あるいは第2の上流側センサー25)および印字部5に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図であって、図4(1)は、ラベル連続体14(ラベル片18)の先端部14Aが印字開始位置5Aにあるラベル連続体14の装填時点の説明図、図4(2)は、印字部5においてラベル連続体14の一枚目のラベル片18への印字を開始し、用紙検出部3において後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18の先端部18Aを検出した状態の説明図、図4(3)は、一枚目のラベル片18の印字が終了し、後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18のピッチPを検出するまでラベル連続体14の移送を継続した状態の説明図、図4(4)は、ラベル片18のピッチPを検出後、ラベル連続体14の移送(正移送)を一時的に停止した状態の説明図、図4(5)は、一枚目のラベル片18の上流側において、後続の(二枚目以降の)ラベル片18について仮想エッジEを演算設定した状態の説明図、図4(6)は、ラベル連続体14を上流側に逆移送して、二枚目のラベル片18を印字部5における印字開始位置5Aにセットした状態の説明図、図4(7)は、印字部5において二枚目のラベル片18について印字が終了した状態の説明図である。 同、印字部5に移送されてくるラベル連続体14のラベル片18が小ピッチであっても複数枚(図示の例では、二枚印字)のラベル片18に所定の印字データを印字する場合における、用紙検出部3(第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25)および印字部5に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図であって、図5(1)は、ラベル連続体14(ラベル片18)の先端部14Aが印字開始位置5Aにあるラベル連続体14の装填時点の説明図、図5(2)は、印字部5においてラベル連続体14の一枚目のラベル片18への印字を開始し、用紙検出部3において後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18の先端部18Aを検出した状態の説明図、図5(3)は、一枚目および二枚目へのラベル片18の印字が終了し、後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18のピッチPを検出するまでラベル連続体14の移送を継続した状態の説明図、図5(4)は、ラベル片18のピッチPを検出後、ラベル連続体14の移送(正移送)を一時的に停止した状態の説明図、図5(5)は、印字部5におけるラベル片18への印字データ(印字長)が二枚にわたることを検知し、後続のラベル片18について仮想エッジEを演算設定した状態の説明図、図5(6)は、ラベル連続体14を下流側に正移送して、三枚目のラベル片18を印字部5における印字開始位置5Aにセットした状態の説明図である。 同、印字部5に移送されてくるラベル連続体14のラベル片18が大ピッチである場合における、用紙検出部3(第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25)および印字部5に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図であって、図6(1)は、ラベル連続体14(ラベル片18)の先端部14Aが印字開始位置5Aにあるラベル連続体14の装填時点の説明図、図6(2)は、印字部5においてラベル連続体14の一枚目のラベル片18への印字を開始し、用紙検出部3において後続(図示の例では、二枚目)のラベル片18の先端部18Aを検出した状態の説明図、図6(3)は、一枚目へのラベル片18の印字が終了しても、後続(図示の例では、二枚目)のラベル片18のピッチPを検出してはいないが、用紙検出部3においてその先端部18Aを検出している二枚目のラベル片18が用紙検出部3から印字部5に第1センサー印字間隔D1だけ移送されて印字開始位置5Aに到達している状態の説明図、図6(4)は、一枚目へのラベル片18の移送をさらに継続するとともに、後続(二枚目)のラベル片18への印字を開始して、そのピッチPを検出した状態の説明図、図6(5)は、二枚目のラベル片18への印字を終了して、三枚目のラベル片18が印字部5における印字開始位置5Aに到達している状態の説明図である。 同、切断部31を操作しない場合(あるいは切断部31を設けていない場合)の、サーマルプリンター1の操作のフローチャート図である。 同、サーマルプリンター1の印字および切断操作を示すフローチャート図である。 同、用紙検出部3(第1の上流側センサー24、あるいは第2の上流側センサー25)、印字部5および切断部31に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図である。
本発明は、印字部の印字開始位置に印字用紙をセットした状態から、先頭の一枚目の用紙片を無駄にすることなく、後続の用紙片のピッチを計測するように印字用紙連続体の移送および印字を行うようにしたので、一枚目の用紙片から無駄にすることなく印字および移送を行い、それぞれの用紙片のピッチや位置を検出可能なサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法を実現した。
つぎに本発明の実施例によるサーマルプリンター、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法を図1ないし図9にもとづき説明する。
図1は、サーマルプリンター1の概略側面図であって、サーマルプリンター1は、プリンター本体2と、用紙検出部3と、用紙案内部4と、印字部5と、操作部6と、表示部7と、制御部8と、を有する。
プリンター本体2は、筐体部9と、蓋部10と、を有するとともに、その内部に移送路11を形成しており、移送路11の最上流側に導入口12を、移送路11の最下流側に排出口13をそれぞれ形成し、導入口12から排出口13までほぼ直線状の移送路11としている。
蓋部10を筐体部9に対して開放および閉鎖可能としてあり、蓋部10の開放状態でラベル連続体14(印字用紙連続体)を移送路11に挿通可能とし、蓋部10を筐体部9に閉鎖することによってラベル連続体14を移送路11上に移送して印字可能とする。
すなわち、ラベル連続体14を移送路11に送り込む導入口12と、移送路11からプリンター本体2の外部にラベル連続体14を排出する排出口13と、の間においてラベル連続体14の検出および印字を行う。
プリンター本体2の導入口12側には、用紙供給部15を設けることができる。
たとえば、ラベル連続体14がファンホールドタイプの印字用紙である場合に、用紙供給部15として、プリンター本体2の導入口12側に供給箱16を設け、供給箱16から導入口12および移送路11に向かってラベル連続体14を供給可能とする。
図2は、ラベル連続体14の平面図、図3は、図2のIII−III線断面図であり、ラベル連続体14は、帯状の台紙17と、台紙17上に仮着した複数枚の同一ピッチのラベル片18(用紙片)と、を有する。
台紙17の裏面側には、ラベル片18の先端部18Aに位置するように位置検出用マーク19をあらかじめ印刷してあるとともに、互いに隣り合うラベル片18の間にギャップ20を設け、ギャップ20の移送方向中央部に位置して台紙切断用のミシン目21を形成している。
なお、ギャップ20は、位置検出用としてこれを利用することができる。
図3に示すように、ラベル片18は、感熱発色可能なラベル基材22と、ラベル基材22の裏面側の粘着剤層23と、を有し、粘着剤層23においてラベル片18を台紙17上に仮着している。
ラベル基材22として、加熱によっても感熱発色しない一般的な基材を用いる場合には、熱転写インキリボン(図示せず)などを用いた印字部5とすることができる。
用紙検出部3は、印字部5に対するラベル連続体14の相対的位置を検出するもので、用紙検出部3は、第1の上流側センサー24(第1の用紙センサー)および第2の上流側センサー25(第1の用紙センサー)と、下流側センサー26(第2の用紙センサー)と、を有する。
第1の上流側センサー24および第2の上流側センサー25は、印字部5の上流側に位置して、ラベル連続体14の位置検出用マーク19およびラベル連続体14のギャップ20をそれぞれ検出可能である。
すなわち、用紙案内部4の上流側において、位置検出用マーク19あるいはギャップ20のいずれの被検出部を有するラベル連続体14が移送されてきても、第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25のいずれかによりラベル連続体14の位置を検出可能である。
下流側センサー26は、印字部5の下流側に位置しており、ラベル連続体14の先端部14Aを検出可能である。
これらの第1の上流側センサー24、第2の上流側センサー25および下流側センサー26は、反射型あるいは透過型の光学センサーのいずれかを採用することができるが、たとえば、第1の上流側センサー24は反射型センサー、第2の上流側センサー25は透過型センサー、下流側センサー26は反射型センサーである。
用紙案内部4は、プリンター本体2内の移送路11に沿って、導入口12ないし用紙検出部3から印字部5に向かってラベル連続体14を案内するもので、上側案内片4Aおよび下側案内片4Bを有し、この間の案内通路4Cを移送路11としてラベル連続体14を印字部5の方向に案内する。
用紙案内部4は、ラベル連続体14の幅方向に上側案内片4Aおよび下側案内片4Bの左右一対を有し、ラベル連続体14の幅方向左右のいずれかの上側案内片4Aおよび下側案内片4Bに第1の上流側センサー24および第2の上流側センサー25を取り付け固定している。
なお、下流側センサー26は、プリンター本体2の筐体部9において、ラベル連続体14の幅方向中央部に位置してこれを設けてある。
印字部5は、移送路11に沿ってラベル連続体14を移送するとともにラベル連続体14(ラベル片18)に印字を行うもので、サーマルヘッド27およびプラテンローラー28を有する。
サーマルヘッド27は、これを蓋部10に取り付け、プラテンローラー28は、これを筐体部9に取り付けており、蓋部10を筐体部9から開放することによりラベル連続体14をサーマルヘッド27とプラテンローラー28との間にセット可能とし、蓋部10を筐体部9に閉鎖することによりラベル連続体14を移送路11上を移送して印字可能としている。
印字部5のプラテンローラー28は、ステッピングモーター29によりこれを正逆方向いずれかに回転駆動するもので、ステッピングモーター29を制御部8からの制御信号により駆動制御することによって、ラベル連続体14を下流側センサー26方向(下流側)に移送する正移送動作と、ラベル連続体14を第1の上流側センサー24ないし第2の上流側センサー25方向(上流側)に移送する逆移送動作と、を行うことができる。
具体的には、用紙案内部4に挿通されてくるラベル連続体14を第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25のいずれか一方が検出した際に、プラテンローラー28の回転駆動を開始し、下流側センサー26がラベル連続体14の先端部14Aを検出した際に、ラベル連続体14を印字部5の印字開始位置5A(プラテンローラー28の部位すなわち、少なくとも先端部14Aがサーマルヘッド27とプラテンローラー28との間で挟持されて移送および印字が開始可能な位置、図4を参照)まで逆移送する。
かくして、ラベル連続体14を用紙案内部4に通し、用紙検出部3において検出するだけで、印字部5の印字開始位置5Aに自動的にセットすることができ、装填作業を容易かつ迅速に実行可能であるとともに、以下に説明するように、とくに先頭に位置するラベル片18にも印字が可能であって、これを無駄にすることがない。
前記操作部6は、サーマルプリンター1を操作するための各種キー(図示せず)を備えており、前記表示部7が必要なデータないしコマンドを表示可能である。
前記制御部8は、上述の用紙検出部3、用紙案内部4、印字部5、操作部6および表示部7などを制御するが、必要に応じて外部のパソコン30などと接続して、データおよびコマンドの交信を行うことができる。
なお、サーマルプリンター1には、プリンター本体2の排出口13に臨んで、下流側センサー26の下流側に切断部31を設けることができる。
切断部31としては、当該サーマルプリンター1の使用者が手動により前記台紙切断用のミシン目21の部分でラベル連続体14を単葉のラベル片18に分離する用紙ちぎり用刃32を設ける構成、あるいは固定刃33および可動刃34を設けて可動刃34を所定ピッチP(図4参照)で(所定の切断タイミングで)制御部8により駆動する構成、などを採用可能である。
台紙ちぎり用刃32は、プリンター本体2の筐体部9あるいは蓋部10のいずれか一方の内壁面あるいは外壁面に設けることが一般的であり、固定刃33および可動刃34についても、必要に応じてプリンター本体2の外方部あるいは内方部のいずれに設けてもよい。
図4ないし図6は、印字部5に移送されてくるラベル連続体14のラベル片18が小ピッチである場合(図4)、小ピッチでも複数枚(図5に図示の例では、二枚印字)のラベル片18に所定の印字データを印字する場合(図5)、あるいはラベル片18が大ピッチである場合(図6)などについて図示している。
図4は、用紙検出部3(第1の上流側センサー24、あるいは第2の上流側センサー25)および印字部5に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図であって、図4(1)は、ラベル連続体14(ラベル片18)の先端部14Aが印字開始位置5Aにあるラベル連続体14の装填時点の説明図、図4(2)は、印字部5においてラベル連続体14の一枚目のラベル片18への印字を開始し、用紙検出部3において後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18の先端部18Aを検出した状態の説明図、図4(3)は、一枚目のラベル片18の印字が終了し、後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18のピッチPを検出するまでラベル連続体14の移送を継続した状態の説明図、図4(4)は、ラベル片18のピッチPを検出後、ラベル連続体14の移送(正移送)を一時的に停止した状態の説明図、図4(5)は、一枚目のラベル片18の上流側において、後続の(二枚目以降の)ラベル片18について仮想エッジEを演算設定した状態の説明図、図4(6)は、ラベル連続体14を上流側に逆移送して、二枚目のラベル片18を印字部5における印字開始位置5Aにセットした状態の説明図、図4(7)は、印字部5において二枚目のラベル片18について印字が終了した状態の説明図である。
ただし、図4においては、ラベル片18のピッチPが、印字部5と、用紙検出部3(第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25)との間の第1センサー印字間隔D1より小さい小ピッチである場合を示しており、それぞれのラベル片18の領域中央部に先頭から順番符号(1、2、3、4、・・・)を付してあるとともに、台紙17の図示はこれを省略してある(上記順番符号および、台紙17の図示省略については、図5および図6も同様)。
図5は、図4と同様の、用紙検出部3(第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25)および印字部5に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図であって、図5(1)は、ラベル連続体14(ラベル片18)の先端部14Aが印字開始位置5Aにあるラベル連続体14の装填時点の説明図、図5(2)は、印字部5においてラベル連続体14の一枚目のラベル片18への印字を開始し、用紙検出部3において後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18の先端部18Aを検出した状態の説明図、図5(3)は、一枚目および二枚目へのラベル片18の印字が終了し、後続(図示の例では、四枚目)のラベル片18のピッチPを検出するまでラベル連続体14の移送を継続した状態の説明図、図5(4)は、ラベル片18のピッチPを検出後、ラベル連続体14の移送(正移送)を一時的に停止した状態の説明図、図5(5)は、印字部5におけるラベル片18への印字データ(印字長)が二枚にわたることを検知し、後続のラベル片18について仮想エッジEを演算設定した状態の説明図、図5(6)は、ラベル連続体14を下流側に正移送して、三枚目のラベル片18を印字部5における印字開始位置5Aにセットした状態の説明図である。
ただし、図5においては、ラベル片18の連続する複数枚(図示の例では、二枚)のラベル片18にわたって印字データを印字する例を示している(図5(3)ないし図5(5)において一枚目および二枚目のラベル片18にわたる矢印で示している)。
図6は、図4、図5と同様の、用紙検出部3(第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25)および印字部5に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図であって、図6(1)は、ラベル連続体14(ラベル片18)の先端部14Aが印字開始位置5Aにあるラベル連続体14の装填時点の説明図、図6(2)は、印字部5においてラベル連続体14の一枚目のラベル片18への印字を開始し、用紙検出部3において後続(図示の例では、二枚目)のラベル片18の先端部18Aを検出した状態の説明図、図6(3)は、一枚目へのラベル片18の印字が終了しても、後続(図示の例では、二枚目)のラベル片18のピッチPを検出してはいないが、用紙検出部3においてその先端部18Aを検出している二枚目のラベル片18が用紙検出部3から印字部5に第1センサー印字間隔D1だけ移送されて印字開始位置5Aに到達している状態の説明図、図6(4)は、一枚目へのラベル片18の移送をさらに継続するとともに、後続(二枚目)のラベル片18への印字を開始して、そのピッチPを検出した状態の説明図、図6(5)は、二枚目のラベル片18への印字を終了して、三枚目のラベル片18が印字部5における印字開始位置5Aに到達している状態の説明図である。
こうした構成のサーマルプリンター1について、図4ないし図6を参照しながら、図7にもとづき、その用紙片ピッチ計測方法およびその印字用紙連続体位置検出方法とともに、説明する。
図7は、前記切断部31(図1)を操作しない場合(あるいは切断部31を設けていない場合)の、サーマルプリンター1の操作のフローチャート図であって、ステップS1において、ラベル連続体14の一枚目のラベル片18を印字部5の印字開始位置5Aにセットする(図4(1)、図5(1)、図6(1)に相当する)。
すなわち、第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25(図4に図示の例では、第2の上流側センサー25により検出している)によりラベル片18を検出し、プラテンローラー28を正回転駆動してラベル連続体14を正移送し、下流側センサー26によりラベル片18を検出することによりプラテンローラー28を逆転駆動して、ラベル連続体14を印字部5方向に逆移送することによりラベル連続体14における一枚目のラベル片18を印字部5の印字開始位置5Aにセットする。
ステップS2において、この一枚目のラベル片18への印字を開始し、一枚目のラベル片18の移送および印字が進行するにともない、ステップS3において、後続のラベル片18の先端部18Aを用紙検出部3が検出する。
このステップS3の処理は、図4においては、その図4(2)に相当し、図5においては、その図5(2)に相当し、図6においては、その図6(2)に相当するもので、この時点では、ラベル片18が小ピッチであるか、大ピッチであるかの判断はまだついていない。
つぎのステップS4において、ラベル片18のピッチPを計測する。
すなわち、印字開始位置5Aにある一枚目のラベル片18への印字を開始してから、第1の用紙センサー(第2の上流側センサー25あるいは第1の上流側センサー24)が後続する(必ずしも二枚目とは限らない)二枚のラベル片18の先端部18Aを検出するまで(後続するラベル片18の先端部18Aを二回検出するまで)一枚目のラベル片18の移送を継続することにより、ラベル片18のピッチPを計測する(図4(3)、図5(3)、図6(4))。
つぎのステップS5において、ラベル片18が小ピッチであるか否かを判断する。
ラベル片18が小ピッチか否かは、上述のようにして計測したラベル片18のピッチPが、印字部5と第1の用紙センサー(第2の上流側センサー25あるいは第1の上流側センサー24)との間の第1センサー印字間隔D1以下であるか否かによりこれを判断する(図4(3)、図5(3))。すなわち、P≦D1であれば、ラベル片18が小ピッチであると判断する。逆にP>D1であれば、ラベル片18が大ピッチであると判断する。
このように、当該サーマルプリンター1においては、印字部5による一枚目のラベル片18への印字にともなって、第2の上流側センサー25により後続のラベル片18の移送路11における移送方向のピッチPを検出可能としているので、一枚目のラベル片18からこれを印字可能であり、ラベル片18に印字を行わずにそのままプリンター本体2外に排出してしまうという無駄がない。
さらに、ラベル連続体14を印字部5において移送および印字しながら後続のラベル片18のピッチPを計測するようにしているので、サーマルプリンター1の実稼働状態でピッチPを計測および判断可能であり、安定した計測を実行可能である。
なお、後続のラベル片18のピッチPの検出は、隣り合うラベル片18どうしの間のギャップ20、あるいはラベル片18にあらかじめ設けた位置検出用マーク19を検出することによりこれを行うもので、図4に示した例では、第2の上流側センサー25がギャップ20を検出する例として図示している。
また、ピッチPとしては、ラベル片18自体の長さLにギャップ20のギャップ間隔Gを加算した長さである(P=L+G)。
ステップS5において、後続するラベル片18が小ピッチであると判断された場合には、ステップS6において、用紙検出部3と印字部5との間(第1センサー印字間隔D1内)に単葉で小ピッチのラベル片18が何枚あるか演算するとともに、この演算にもとづき、一枚目のラベル片18の上流側におけるラベル連続体14にラベル片18用の仮想エッジEをそれぞれ設定することにより、二枚目以降のラベル片18の印字部5に対する位置を検出する。
仮想エッジEは、後続する単葉のラベル片18の先端部18Aそれぞれにこれを設定するもので、この仮想エッジEが単葉のラベル片18の先端部18Aであると想定して、以後のラベル連続体14の移送および印字を行うことになる。
第1センサー印字間隔D1内におけるラベル片18の上記枚数は、商(第1センサー印字間隔D1/ピッチP)を演算して、その整数部により得ることができる。
さらに、ピッチPを検出したラベル片18(図4(3)では、四枚目のラベル片18)の先端部18Aは、その上流側のラベル片18(五枚目のラベル片18)の先端部18Aを検出してから、上記演算を終了してラベル連続体14の移送を一時的に停止するまでの四枚目のラベル片18の下流方向への移送長さ(あるいはステッピングモーター29による移送回転数)は把握可能であるため(図4(4))、この四枚目のラベル片18から、ラベル連続体14の下流側に向かう三枚目および二枚目のラベル片18の先端部18Aにそれぞれ仮想エッジEを設定することにより、それぞれの仮想エッジEにラベル片18の先端部18Aが位置しているものとすることができる(図4(5))。
図4においては、一枚目のラベル片18の印字ののち、後続の(すなわち二枚目の)ラベル片18を印字開始位置5Aまで逆移送する(図4(6))。
すなわち、図7のステップS7において、二枚目(後続)のラベル片18を印字開始位置5Aにセットして、ステップS8において二枚目(後続)のラベル片18の移送および印字を行う。
この印字開始位置5Aへの逆移送の量としては、図4(3)に示すように、一枚目のラベル片18の印字開始からその印字および移送中に後続のラベル片18のピッチPを検出した時点までのラベル連続体14の移送量をZとし、印字部5の下流側に位置しているラベル片18の枚数をnとすれば、移送量Zからこの枚数n分の長さ(n×P)を差し引いたもの(Z−nP)である(図4に図示の例では、n=1であるので、Z−P)。
かくして、図4(3)から図4(6)の状態にラベル連続体14を逆移送して、印字部5の印字開始位置5Aに二枚目のラベル片18の先端部18Aをセットする。
ただし、図5に示すように、当該サーマルプリンター1の印字方式として、ラベル片18の連続する複数枚(図5に図示の例では、二枚)のラベル片18にわたって印字データを印字する場合がある(既述のように、図5(3)ないし図5(5)において一枚目および二枚目のラベル片18にわたる矢印で示している)。たとえば、一枚目には商品ないし配送品などの管理情報を印字し、二枚目にはその商品や配送品に関する詳細情報を印字する場合などである。
このような複数枚印字方式の場合には、ラベル連続体14の上記移送量Zが、印字部5によるラベル片18への印字によりラベル片18のピッチP計測完了までに少なくともその一部が印字部5からその下流側に移送された後続のラベル片18の枚数m分(あるいは印字部5により印字されたラベル片18の枚数m分)の合計ピッチ(m×P)より小さい場合であり、このようなときは、ステップS7においては、ラベル連続体14を正移送して、つぎのラベル片18を印字開始位置5Aにセットする。
この印字開始位置5Aへの正移送の量としては、とくに図5(3)に示すように、少なくともその一部が印字部5の下流側に位置しているラベル片18の枚数分の長さ(m×P)から、ラベル連続体14の移送量Zを差し引いたもの(mP−Z)である(図5に図示の例では、m=2であるので、2P−Z)。
なお、この二枚印字の場合には、上記移送量Zが単葉のラベル片18のピッチPよりは大きいため、一枚目に連続して印字した二枚目のラベル片18に前記仮想エッジEを設定しないものとする。
図7の上記ステップS5においてラベル片18が小ピッチではない(大ピッチである)と判断される場合は、たとえば図6(3)に示しているように、一枚目のラベル片18への印字が終了した段階で、後続(二枚目)のラベル片18のピッチPを検出していない場合であって、この場合には、後続のラベル片18のピッチPが、印字部5と、第2の上流側センサー25との間の第1センサー印字間隔D1より大きい大ピッチであると判断し、ステップS7に進んで、二枚目のラベル片18を印字部5の印字開始位置5Aにセットし(図6(3))、上述のステップS8のようにその移送および印字を行う。
さらに、ステップS9において、ラベル片18の印字枚数が終了したか否かを判断し、終了していなければ、ステップS8に戻って、後続のラベル片18について印字を行う。
つぎに、当該サーマルプリンター1には、ラベル片18を所定ピッチPで切断する切断部31を、下流側センサー26の下流側に設けている場合があり、印字部5によるラベル片18への印字ののちに、この切断部31における切断位置31A(図9)にラベル連続体14を移送してセット可能とし、この切断部31によるラベル片18の切断を行う。
図8は、サーマルプリンター1の印字および切断操作を示すフローチャート図であって、ステップS11からステップS16までは、図7のステップS1からステップS6までと同一である。
すなわち、ステップS11において一枚目のラベル片18を印字部5の印字開始位置5Aにセットし、ステップS12においてラベル片18への印字を開始するとともに、ステップS13において後続のラベル片18の先端部18Aを検出し、ステップS14においてラベル片18のピッチPを計測する。
ステップS15において、ラベル片18が小ピッチであるか否かを判断し、小ピッチであれば、ステップS16において、第1センサー印字間隔D1におけるラベル片18の枚数を演算するとともに、後続のラベル片18の先端部18Aに仮想エッジEを設定する。
つぎのステップS17において、切断部31によるラベル連続体14(ラベル片18)の切断を行うか否かを判断する。
切断を行う場合には、ステップS18において、ラベル連続体14を切断位置31Aにセットする。
図9は、用紙検出部3(第1の上流側センサー24、あるいは第2の上流側センサー25)、印字部5および切断部31に対するラベル連続体14の相対的位置を示す概略説明図であって、切断位置31Aにラベル連続体14のギャップ20の中央部(台紙切断用のミシン目21)をセットするには、印字部5の印字開始位置5Aと切断部31の切断位置31Aとの間の間隔をD2としたときに、一枚目のラベル片18の印字開始からその印字および移送中に後続のラベル片18のピッチPを検出した時点までのラベル連続体14の移送量Zから、間隔D2、さらには印字部5の下流側に位置するラベル片18の枚数分の長さ(n×P)(ただしnは、印字部5の下流側に位置しているラベル片18の枚数、Pはラベル片18のピッチ)を減算した距離に、ギャップ20のギャップ間隔Gの半分(G/2)を加算した距離、すなわち、(Z−D2−nP+G/2)、だけ逆移送する(図9に図示の例では、n=1であるので、Z−D2−P+G/2)。
このように逆移送することにより、ラベル連続体14において隣り合うラベル片18の間の中央部に位置する台紙切断用のミシン目21を切断部31の切断位置31Aにセットすることができる。
ついで、ステップS19において可動刃34を駆動するか、あるいは用紙ちぎり用刃32の部分でラベル連続体14をちぎることにより台紙17を切断する。
さらに、ステップS20において、図7のステップS7と同様に、二枚目のラベル片18を印字開始位置5Aにセットし、ステップS21において、図7のステップS8と同様に、後続(二枚目)のラベル片18に印字し、ステップS22において、図7のステップS9と同様に、印字枚数が終了したかを判断し、終了していなければ、ステップS17に戻って切断か否かを判断し、上述の操作を繰り返す。
かくして、本発明によれば、印字部5におけるラベル連続体14(ラベル片18)への印字にともなって後続のラベル片18のピッチPを検出するようにしたので、とくに小ピッチのラベル片18を有するラベル連続体14であっても、その一枚目のラベル片18から無駄にすることなく、すべてのラベル片18に印字を行うことができるとともに、ラベル片18のピッチPの計測、およびラベル連続体14の位置検出を安定して行うことができる。
1 サーマルプリンター(実施例、図1)
2 プリンター本体
3 用紙検出部
4 用紙案内部
4A 用紙案内部4の上側案内片
4B 用紙案内部4の下側案内片
4C 用紙案内部4の案内通路
5 印字部
5A 印字部5の印字開始位置
6 操作部
7 表示部
8 制御部
9 プリンター本体2の筐体部
10 プリンター本体2の蓋部
11 移送路
12 導入口
13 排出口
14 ラベル連続体(印字用紙連続体)
14A ラベル連続体14の先端部
15 用紙供給部
16 供給箱
17 台紙
18 ラベル片(用紙片)
18A ラベル片18の先端部
19 位置検出用マーク
20 隣り合うラベル片18の間のギャップ
21 台紙切断用のミシン目
22 感熱発色可能なラベル基材
23 粘着剤層
24 第1の上流側センサー(第1の用紙センサー)
25 第2の上流側センサー(第1の用紙センサー)
26 下流側センサー(第2の用紙センサー)
27 サーマルヘッド
28 プラテンローラー
29 ステッピングモーター
30 パソコン
31 切断部
31A 切断部31の切断位置(図9)
32 用紙ちぎり用刃
33 固定刃
34 可動刃
P ラベル片18のピッチ(P=L+G)(図4、図5、図6)
G ギャップ20のギャップ間隔
L ラベル片18自体の長さ
D1 印字部5と用紙検出部3(第1の上流側センサー24あるいは第2の上流側センサー25)との間の第1センサー印字間隔
D2 印字部5の印字開始位置5Aと切断部31の切断位置31Aとの間の間隔
E 仮想エッジ(図4、図5)
Z 一枚目のラベル片18の印字開始からその印字および移送中に後続のラベル片18のピッチPを検出した時点までのラベル連続体14の移送量
n 一枚目のラベル片18の印字開始からその印字および移送中に後続のラベル片18のピッチPを検出した時点までに印字部5の下流側に位置しているラベル片18の枚数(図4)
m 印字部5によるラベル片18への印字によりラベル片18のピッチP計測完了までに少なくともその一部が印字部5からその下流側に移送された後続のラベル片18の枚数(図5)

Claims (8)

  1. 単葉の用紙片を複数枚連続して有する印字用紙連続体の移送路を形成したプリンター本体と、
    この移送路に沿って前記印字用紙連続体を移送するとともに前記用紙片に印字を行うためのサーマルヘッドおよびプラテンローラーを有する印字部と、
    前記用紙片の位置を検出する用紙検出部と、を有するサーマルプリンターであって、
    前記用紙検出部は、
    前記印字部の上流側に位置して前記用紙片を検出可能な第1の用紙センサーと、
    前記印字部の下流側に位置して前記用紙片を検出可能な第2の用紙センサーと、を有し、
    前記印字部は、
    前記印字用紙連続体を下流側に移送する正移送動作と、
    前記印字用紙連続体を上流側に移送する逆移送動作と、を行うことができるとともに、
    前記第1の用紙センサーにより前記用紙片を検出して前記印字用紙連続体を正移送し、前記第2の用紙センサーにより前記用紙片を検出して前記印字用紙連続体を前記印字部方向に逆移送することにより前記印字用紙連続体における一枚目の前記用紙片を前記印字部の印字開始位置にセット可能とし、前記印字部による前記一枚目の前記用紙片への印字にともなって、前記第1の用紙センサーにより後続の前記用紙片の前記移送路における移送方向のピッチを計測可能とし
    前記後続の前記用紙片の前記ピッチが、前記印字部と前記第1の用紙センサーとの間の第1センサー印字間隔より小さい小ピッチであるか否かを判断し、
    前記後続の前記用紙片の前記ピッチが小ピッチであると判断したときに、
    この第1センサー印字間隔内に単葉の前記用紙片が何枚あるかを演算するとともに、
    この演算にもとづき、前記一枚目の前記用紙片の上流側における前記印字用紙連続体に前記用紙片用の仮想エッジをそれぞれ設定して、二枚目以降の前記用紙片の移送および印字を行い、
    前記後続の前記用紙片の前記ピッチが小ピッチでないと判断したときに、
    前記一枚目の前記ラベル片への印字を開始してから、前記第1の用紙センサーが後続する二枚の前記ラベル片のそれぞれの先端部を検出するまで前記一枚目の前記ラベル片の移送を継続することにより、前記ピッチを計測して二枚目以降の前記用紙片の移送および印字を行うことを特徴とするサーマルプリンター。
  2. 前記後続の前記用紙片の前記ピッチの計測は、
    隣り合う前記用紙片どうしの間のギャップ、あるいは前記用紙片にあらかじめ設けた位置検出用マークを検出することによりこれを行うことを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンター。
  3. 前記用紙片の前記ピッチは、
    前記一枚目の前記ラベル片への印字を開始してから、前記第1 の用紙センサーが後続する二枚の前記ラベル片のそれぞれの先端部を検出するまで前記一枚目の前記ラベル片の移送を継続することにより、これを計測することを特徴とする請求項1または2記載のサーマルプリンター。
  4. 前記仮想エッジは、
    後続する前記単葉の前記用紙片の先端部にこれを設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のサーマルプリンター。
  5. 前記一枚目の前記用紙片への印字ののち、二枚目の前記用紙片を前記印字開始位置まで逆移送することを特徴とする請求項4または5記載のサーマルプリンター。
  6. 前記一枚目の前記用紙片への印字開始からつぎの前記用紙片に印字動作が続いてその印字終了までに前記印字部の下流側に移送された前記印字用紙連続体の移送量が、前記印字部による前記用紙片への印字終了までに少なくともその一部が前記印字部からその下流側に移送された前記後続の前記用紙片の合計ピッチより小さいときは、
    前記印字用紙連続体を正移送して、つぎの前記用紙片を前記印字開始位置にセットすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のサーマルプリンター。
  7. 当該サーマルプリンターは、
    前記用紙片を所定ピッチで切断する切断部を、前記第2の用紙センサーの下流側に有するとともに、
    前記印字部による前記用紙片への印字ののちに、この切断部における切断位置に前記印字用紙連続体を移送してセット可能とし、
    この切断部による前記用紙片の切断を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のサーマルプリンター。
  8. 単葉の用紙片を複数枚連続して有する印字用紙連続体の移送路を形成したプリンター本体と、
    この移送路に沿って前記印字用紙連続体を移送するとともに前記用紙片に印字を行うためのサーマルヘッドおよびプラテンローラーを有する印字部と、
    前記用紙片の位置を検出する用紙検出部と、を有するサーマルプリンターの印字用紙連続体位置検出方法であって、
    前記用紙検出部は、
    前記印字部の上流側に位置して前記用紙片を検出可能な第1の用紙センサーと、
    前記印字部の下流側に位置して前記用紙片を検出可能な第2の用紙センサーと、を有し、
    前記印字部は、
    前記印字用紙連続体を下流側に移送する正移送動作と、
    前記印字用紙連続体を上流側に移送する逆移送動作と、を行うことができるとともに、
    前記第1の用紙センサーにより前記用紙片を検出して前記印字用紙連続体を正移送し、前記第2の用紙センサーにより前記用紙片を検出して前記印字用紙連続体を前記印字部方向に逆移送することにより前記印字用紙連続体における一枚目の前記用紙片を前記印字部の印字開始位置にセットし、
    前記印字部による前記一枚目の前記用紙片への印字にともなって、前記第1の用紙センサーにより後続の前記用紙片の前記移送路における移送方向のピッチを計測し、
    前記後続の前記用紙片の前記ピッチが、前記印字部と、前記第1の用紙センサーとの間の第1センサー印字間隔より小さい小ピッチであるときには、この第1センサー印字間隔内に単葉の前記用紙片が何枚あるかを演算するとともに、
    この演算にもとづき、前記一枚目の前記用紙片の上流側における前記印字用紙連続体に前記用紙片用の仮想エッジをそれぞれ設定することにより、二枚目以降の前記用紙片の前記印字部に対する位置を検出して二枚目以降の前記用紙片の移送および印字を行い、
    前記後続の前記用紙片の前記ピッチが小ピッチでないと判断したときに、
    前記一枚目の前記ラベル片への印字を開始してから、前記第1の用紙センサーが後続する二枚の前記ラベル片のそれぞれの先端部を検出するまで前記一枚目の前記ラベル片の移送を継続することにより、前記ピッチを計測して二枚目以降の前記用紙片の移送および印字を行うことを特徴とするサーマルプリンターの印字用紙連続体位置検出方法。
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