JP5963447B2 - 偏波多重方式の光送受信装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来の強度変調方式では、高速化に伴い、光ファイバの波長分散や偏波モード分散による光信号波形の歪みが深刻になる。
光送受信装置100は、図9に示すように、光送信部200および光受信部300から構成されている。光送信部200は、光源2001、偏波ビームスプリッタ(PBS)2002、送信信号生成部2003、変調器2004,2005および偏波ビーム合成器(PBC)2006を備えている。また、光受信部300は、光源3001、偏波ビームスプリッタ(PBS)3002,3003、受信フロントエンド(FE)3004、デジタル信号プロセッサ(DSP)3005および誤り訂正部3006を備えている。
一方、送信信号生成部2003には、送信パラレル電子データ504が入力され、高速電気信号505,506に変換される。この高速電気信号505,506はそれぞれ変調器2004,2005に入力される。この高速電気信号505,506により、変調器2004,2005にて、各偏波成分502,503が変調されて、光変調信号507,508に変換される。この光変調信号507,508は偏波ビーム合成器2006にて合波され、光送信部200から送信光信号509として送出される。
また、光源3001からCW光513が発光される。このCW光513は局発光として偏波ビームスプリッタ3002に入力され、X偏波成分514およびY偏波成分515に分離される。その後、各偏波成分514,515は受信フロントエンド3004に入力される。
以上の方法により、DP−QPSK方式の光信号を送受信して、データ通信を行っている。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る光送受信装置1の構成を示す図である。
光送受信装置1は、図1に示すように、光送信部2および光受信部3から構成されている。
光分岐部22は、所定の分岐比を有し、光源21からのCW光51を分岐するものである。この光分岐部22により分岐された一方のCW光51は送信光として偏波ビームスプリッタ23に出力され、他方のCW光51は局発光として光受信部3の後述する偏波ビームスプリッタ33に出力される。
変調器26は、送信信号生成部24からの高速電気信号56を用い、偏波ビームスプリッタ23からのY偏波成分53を変調して、光変調信号58に変換するものである。この変調器26により変換された光変調信号58は偏波ビーム合成器27に出力される。
偏波ビームスプリッタ33は、光送信部2の光分岐部22からの局発光51をX偏波成分64およびY偏波成分65に分離するものである。この偏波ビームスプリッタ33により分離されたX偏波成分64およびY偏波成分65は受信フロントエンド34に出力される。
デジタル信号プロセッサ35は、図2に示すように、アナログデジタル変換部(ADC)351、等化処理部352、周波数オフセット補償部353、位相同期部354およびデコード部355から構成されている。
光送受信装置1の動作では、図3に示すように、まず、光送信部2の光源21はCW光51を発光し、光分岐部22はこのCW光51を分岐する(ステップST1)。この光分岐部22により分岐された一方のCW光51は送信光として偏波ビームスプリッタ23に出力され、他方のCW光51は局発光として光受信部3の偏波ビームスプリッタ33に出力される。
ここで、i番目の時間スロットにおける電気パラレル信号66のX偏波成分Vcx(i)およびY偏波成分Vcy(i)は次式(1),(2)として表される。
なお、Rは受信フロントエンド34に備わるフォトダイオードの感度、αは伝送路に依存する偏波依存損失、Psは受信光信号61の光強度、Ploは光受信部3における局発光51の光強度、θsx(i),θsy(i)は信号位相、θnx(i),θny(i)は位相雑音、δは伝送路に依存するX、Y偏波間の位相差である。
そして、周波数オフセット補償部353が、電気パラレル信号70を、受信光信号61と局発光51との周波数オフセットを補償した電気パラレル信号71に変換する。そして、位相同期部354が、電気パラレル信号71を、時間変動する受信光信号61と局発光51との間の位相差を除去した電気パラレル信号72に変換する。
最後に、デコード部355が、この電気パラレル信号72に基づいて信号を識別判定し、電気パラレル信号67に変換する。以上のデジタル信号処理により、信号位相θsx,θsyおよび信号雑音θnx,θnyを復号できる。
図4に示すように、伝送特性には最適な光強度Psがあり、最適値からずれた場合、伝送特性Qが劣化する。また、上式(1),(2)より、電気パラレル信号66のX偏波成分Vcx(i)とY偏波成分Vcy(i)は、受信光信号61の光強度Psと局発光51の光強度Ploの積Ps・Ploに依存するため、積Ps・Ploが一定であれば、伝送特性Qは同等になる。したがって、受信光信号61の光強度Psが低下した場合には、局発光51の光強度Ploを増加する必要がある。
図9に示す従来の光送受信装置100では、上記光強度Pinは受信光信号510の光強度Psに一致する。従って、光強度Pinが−5dBmのとき、局発光513の光強度Ploを+6〜+16dBmの範囲で調整すれば、最適な伝送特性を実現することができる。しかし、局発光513の光強度Ploは+16dBm以上に増加できないため、光強度Pinが−25dBmのときには、最適な伝送特性が得られない。このように、従来の光送受信装置100では、受信光信号513の光強度Pinの全範囲において、最適な伝送特性を実現することは困難である。
一方、一般に、光増幅器の利得が低すぎる場合、雑音が増大するため、伝送特性が劣化する。反対に、光増幅器の利得を高くしすぎる場合、光増幅器の出力光が発振するため、伝送特性が劣化する。すなわち、光増幅器の利得には、上限と下限があり、波長多重伝送向けに市販される光増幅器を10〜20dBの利得で動作させることが一般的である。
この場合、光信号519の光強度Psの範囲は+5〜−5dBmとなる。したがって、光信号519の光強度Psが−5dBmのとき、光源3001の光強度Ploを+6〜+16dBmの範囲で調整することにより、最適な伝送特性を得ることができる。しかし、+6dBm以下の局発光513の光強度Ploが得られないため、光信号519の光強度Psが+5dBmのとき、最適な伝送特性が得られない。すなわち、図5に示す光増幅器3007を備えた光送受信装置100においても、受信光信号510の光強度Pinの全範囲において、最適な伝送特性を実現することは困難である。
図6はこの発明の実施の形態2に係る光送受信装置1の構成を示す図である。図6に示す実施の形態2に係る光送受信装置1は、図1に示す実施の形態1に係る光送受信装置1の光送信部2に光強度制御部28を追加し、光受信部3に光分岐部37および光強度モニタ38を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
なお、偏波ビームスプリッタ33は、光分岐部37からの局発光51をX偏波成分64およびY偏波成分65に分離する。
図7はこの発明の実施の形態3に係る光送受信装置1の構成を示す図である。図7に示す実施の形態3に係る光送受信装置1は、図1に示す実施の形態1に係る光送受信装置1の光送信部2に光強度制御部28bを追加し、光受信部3に電流モニタ39を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
そして、電流モニタ39は、X偏波成分IxおよびY偏波成分Iyに概略比例した電圧Vx,Vyを出力する。そして、光強度制御部28bは、この電圧の二乗和が一定になるように、光源21の駆動電流を制御する。これにより、Ix 2+Iy 2を一定に制御することができる。そして、Ix 2+Iy 2が一定であれば、Ps・Ploが一定になるので、伝送特性は維持される。従って、初期状態で伝送特性を最適にすれば、光源21が経年劣化したり、受信光信号60の光強度が変動しても、最適な伝送特性を維持することができる。
図8はこの発明の実施の形態4に係る光送受信装置1の構成を示す図である。図8に示す実施の形態4に係る光送受信装置1は、図1に示す実施の形態1に係る光送受信装置1の光送信部2に周波数制御部29を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
一方、図2に示すように、デジタルコヒーレント方式では、周波数オフセット補償部353において、デジタル信号処理により、周波数オフセットを補償することができる。しかしながら、受信フロントエンド34の動作帯域の制限を受けるため、デジタル信号処理だけでは、周波数オフセットの補償精度が低くなる。また、周波数オフセット補償部353が算出した周波数オフセットが大きいほど、周波数オフセットの算出精度は悪くなる。
なお、上記では光源21が布帰還形半導体レーザを用いる場合を例を示したが、これに限るものではなく、そのほかの構造を用いた光源21に対しても適用可能である。
Claims (7)
- 光を発光する光源を有し、当該光を送信光とする光送信部と、局発光を用いて受信光信号をコヒーレント検波する受信フロントエンドおよび前記受信フロントエンドにより検波された信号の分散補償を行うデジタル信号プロセッサを有する光受信部とを備えた偏波多重方式の光送受信装置において、
前記光送信部は、
前記光源により発光された光を分岐する所定の分岐比の光分岐部を備え、
前記光受信部は、
前記受信光信号を増幅する光増幅器を備え、
前記光受信部は、前記光分岐部により分岐された光を前記局発光とし、前記光増幅器により増幅された受信光信号をコヒーレント検波し、
前記光分岐部の前記分岐比は、前記光増幅器により増幅される受信光信号の所定の光強度及び前記光源により発光された光の所定の光強度に基づき、予め選択されている
ことを特徴とする偏波多重方式の光送受信装置。 - 前記光源により発光された光の強度をモニタする光強度モニタと、
前記光強度モニタによるモニタ結果に基づいて、前記光源の発光強度を制御する光強度制御部とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の偏波多重方式の光送受信装置。 - 前記光強度制御部は、前記光の強度が一定になるように前記光源の発光強度を制御する
ことを特徴とする請求項2記載の偏波多重方式の光送受信装置。 - 前記受信フロントエンドのフォトダイオード電流をモニタする電流モニタと、
前記電流モニタによるモニタ結果に基づいて、前記光源の発光強度を制御する光強度制御部とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の偏波多重方式の光送受信装置。 - 前記光強度制御部は、前記フォトダイオード電流の直交偏波成分の二乗和が一定になるように前記光源の発光強度を制御する
ことを特徴とする請求項4記載の偏波多重方式の光送受信装置。 - 前記デジタル信号プロセッサは、前記受信光信号と前記局発光との周波数オフセットを算出し、
前記デジタル信号プロセッサにより算出された前記周波数オフセットに基づいて、前記光源の発振周波数を制御する周波数制御部を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の偏波多重方式の光送受信装置。 - 前記周波数制御部は、前記周波数オフセットが0になるように前記光源の発振周波数を制御する
ことを特徴とする請求項6記載の偏波多重方式の光送受信装置。
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