JP5962531B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
そして、上記構成におけるオットマンの利便性を高めるために、連動状態におけるオットマンの使用角度を調整可能とする場合には、更にそのために別のオットマン角度調整用の操作レバーを設けることになる。
かかる場合には、似通った種類の操作レバーがシート近辺に3個あることになり、使用選択が煩わしくなり、操作が複雑化すると共に、誤操作する虞がある。特に、遮断機構の連動状態においてのみオットマンの使用角度を調整可能とする場合には、遮断機構の遮断中にオットマンの使用角度を調整可能とする操作レバーを誤って誤操作すると、オットマンに備えさせる使用角度を調整可能とする機構に損傷を与え、当該機構を不良ならしめる問題を生じることが懸念される。
本発明に係る乗物用シートの基本となる発明の前提構成は、シートクッションの後部には着座者の背部を支持するシートバックが傾動可能に配置されると共に、前部には着座者の脚部を載置支持するオットマンが回動可能に備えられており、前記シートバックの傾動作動と前記オットマンの回動作動は連動して行なわれる構成である。そして、かかる構成の乗物用シートの特徴構成として、前記シートバックとオットマンとの連動作動を遮断する遮断機構を備えると共に、オットマンには当該オットマンの角度を調整可能とする角度調整機構を備えており、前記遮断機構及び角度調整機構を操作するそれぞれの操作レバーを備えており、該操作レバーは、一方の操作レバーの操作移動軌跡の一部の範囲に他方の操作レバーの操作移動軌跡が干渉する配置構成とされており、該干渉する状態では他方の操作レバーの操作作動が一方の操作レバーにより阻止される配置構成とされる構成をとる。
先ず、前記一方の操作レバーは前記遮断機構を操作する操作レバーであり、前記他方の操作レバーは前記オットマンの角度調整機構を操作する操作レバーである構成とするのが良い。
かかる構成とすることにより、遮断機構の所定状態では角度調整機構の作動を禁止する場合において、仮に、誤って角度調整機構を操作する操作レバーを操作しようとする場合でも、その操作は阻止されて、誤操作を防止することができる。
かかる構成とすることにより、遮断機構を操作する操作レバーの遮断機構を遮断する操作位置状態では、角度調整機構を操作する操作レバーの操作移動を阻止するため、角度調整機構を操作する操作レバーの誤操作を防止することができる。そして、角度調整機構を操作する操作レバーの誤操作を防止する遮断機構を操作する操作レバーの位置状態(遮断機構の遮断状態)では、角度調整ロック機構の格納ロック機構はロック状態とされてオットマンを格納された位置状態とする。なお、角度調整機構を操作する操作レバーの操作位置から遮断機構を操作する操作レバーの操作位置が外れた位置状態(遮断機構が連動状態)では、角度調整機構の調整角度ロック機構は作動可能とされて、シートバックと連動作動状態のオットマンの使用角度調整を行うことができる。これによりシート着座者の好みに応じたオットマンの使用角度とすることができて、利便性を向上させることが可能となっている。
本実施形態のシート10では、上記の基本構成においてシートクッション12の前部に、シートクッション12を延長する形態のオットマン20が連結配置されている。オットマン20は回動可能にシートクッション12と連結されており、図1に実線で示す格納位置と、仮想線で示す上方に回動した展開位置とをとることができるようになっている。このオットマン20の格納位置と展開位置との作動はオットマン20に備えられた角度調整機構22により行われるようになっている。オットマン20の配置位置は、シートクッション12に着座者が着座した際における脚部位置となっており、そのため、オットマン20の展開位置では着座者の脚部はオットマン20により支持された状態となり、脚部を安楽な支持状態とすることができる。
なお、オットマン20による着座者の脚部の安楽な支持と共に、シートバック14による着座者の背部の支持も安楽な状態とすることが好ましいことから、本実施形態では、オットマン20の展開位置角度を調整する角度調整機構22とシートバック14とをリンク機構等の連結構成24により連結させて、シートバック14とオットマン20を連動作動させる構成となっている。この両者14、20を連結するリンク機構等の連結構成24は、図1に示すように、リクライニング機構18によるシートバック14が実線で示す通常の着座姿勢の起立位置状態から仮想線で示す後方へのリクライニング(傾動)移動に連動して、オットマン20が格納位置(実線位置)から展開位置(仮想線位置)に作動移動するように連結されている。この連結構成は公知の連結構成により構成することができる。
しかし、シート10はシートバック14が起立した位置状態の通常の着座姿勢状態でも、着座者の個々の身体の特徴に合わせて、シートバック14を独自に多少の前後範囲にリクライニング傾動させたいときがある。この様な時のために、本実施形態では、前述のシートバック14とオットマン20との連動作動を遮断する遮断機構26が前述のリンク機構構成24に配置されている。この遮断機構26により連結構成24の連結状態が遮断されてシートバック14はリクライニング機構18を作動させて、独自にリクライニング角度の調整を行うことが可能となっている。なお、遮断機構26は、後述する遮断機構用操作レバー28の操作によって、リンク機構構成24を遮断状態と連結状態に切り替え可能な構成とされている。
また、シートバック14とオットマン20の連動作動状態における、シートバック14のリクライニング角度に対するオットマン20の展開角度の連動角度関係は、着座者の個々の身体の相違に応じて調整可能とすることが必要とされる。このため、本実施形態では、シートバック14とオットマン20の連動作動状態において、オットマン20の展開位置の角度調整をオットマン20が備える角度調整機構22により行えるように構成されている。角度調整機構22は図1に模式的に示すように、格納ロック機構22Aと調整角度ロック機構22Bを備えており、連動状態におけるオットマン20の展開位置の回動角度調整は調整角度ロック機構22Bにより行うことができるようになっている。なお、格納ロック機構22Aは遮断機構26の遮断状態においてオットマン20を格納位置に格納状態とするものである。
図2は遮断機構用操作レバー28とオットマン角度調整用操作レバー32の配置状態を斜視図状態で示している。シート10の側部位置に配置された枠体(ベゼル)34内にオットマン角度調整用操作レバー32が配置されている。オットマン角度調整用操作レバー32は操作部32Aとなる前方がやや斜め下方に湾曲形成されているが全体的に長方形の平板形状として形成されている。このオットマン角度調整用操作レバー32は図2で見て右方の後方位置が回動中心となって左方の湾曲形成された操作部32Aが上方に引き上げ回動操作されるようになっている。
遮断機構用操作レバー28は門型形状に形成されており、オットマン角度調整用操作レバー32を跨ぐ格好で配置されている。門型形状の遮断機構用操作レバー28は側部の柱状部28Bに設けられた回動軸部36を回動中心として操作部28Aがオットマン角度調整用操作レバー32の上方位置から前方位置の間を回動可能とされている。
遮断機構用操作レバー28は、図3に示す側面視で見て、オットマン角度調整用操作レバー32の中央位置で立設状態で配設されている。遮断機構用操作レバー28は図2でも説明したように、柱状部28Bに設けられた回動軸部36を中心に、図3で見て実線で示す第1位置Y1と仮想線で示す第2位置Y2との間を回動可能とされている。回動軸部36の詳細構成は、図4に示すように間隔を置いて左右に配置されたレバー固定ブラケット40間に溶接等により固定されたヒンジピン42の両端部に、柱状部28Bに設けられた丸孔を段付きボルト44を挿通させて取付けることにより構成されている。
図3及び図4に示すように、遮断機構用操作レバー28の柱状部28Bとレバー固定ブラケット40との間にはコイルスプリング46が引張りバネとして配設されており、遮断機構用操作レバー28の第1位置Y1と第2位置Y2をバネ作用により保持するようにしている。詳細には、コイルスプリング46の掛止端部である柱状部28Bの掛止ピン48と、レバー固定ブラケット40の掛止ピン50は回動軸部36を挟んだ位置にあって、両掛止ピン48,50を結ぶコイルスプリング46のバネ作用線C1,C2は第1位置Y1と第2位置Y2とでは回動軸部36を跨いで移動する配置関係とされている。これによりコイルスプリング46のバネ作用は回動軸部36を超えるとターンオーバして作用することになり、そのバネ作用により遮断機構用操作レバー28を図示を省略したストッパ位置に第1位置Y1と第2位置Y2を保持する。
図3に示すように、遮断機構用操作レバー28の操作部28Aの配設形態は、断面長楕円形状とされた把持断面が、図3の第1位置Y1の位置状態で見て、前方から後方に向けて下方に急傾斜した形態として配設されている。この結果、仮想線で示す第2位置Y2では操作部28Aの把持断面はほぼ水平状態となる配置状態となる。これにより遮断機構用操作レバー28を第1位置Y1から第2位置Y2に操作する際には、後方に向けて傾斜した把持断面を前方に向けて押すことにより容易に回動操作することができる。また、第2位置Y2から第1位置Y1に操作する際には、ほぼ水平位置状態とされた把持断面の前部を容易に把持することができて、後方に向けて容易に回動操作することができる。
図4に示されるように、これら操作レバー28,32の側部はアウタシールド52で覆われており、見栄えを良好なものとしている。
しかし、遮断機構用操作レバー28の第2位置Y2の回動位置状態ではオットマン角度調整用操作レバー32の回動操作の回動軌跡は干渉していないため、オットマン角度調整用操作レバー32は第1位置X1と第2位置X2との間を回動操作することが可能となる。
先ず、リクライニング操作レバー30は、リクライニング機構18に直に付設されており、リクライニング機構18を直接に操作するようになっている。そして、周知の通りリクライニング機構18をロック状態と解除状態に操作する。解除状態でシートバック14のリクライニング傾動が可能とされており、所定の回動角度への調整が可能となっている。調整後、ロック状態としてシートバック14を固定する。
次に、遮断機構用操作レバー28は遮断機構26とワイヤケーブル54等により連結されており、その操作によりシートバック14とオットマン20との連動関係を遮断状態としたり連動状態とする。本実施形態の場合は、遮断機構用操作レバー28の第1位置Y1状態で遮断機構26を遮断状態とし、第2位置Y2状態で連動状態とする連結関係とされている。
また、詳細は後述するが、遮断機構用操作レバー28はオットマン20が備える角度調整機構22の格納ロック機構22A及び調整角度ロック機構22Bとも連結されている。なお、これらの連結もワイヤケーブル56,58等により行われる。
次に、オットマン角度調整用操作レバー32も、オットマン20が備える角度調整機構22の調整角度ロック機構22Bと連結されている。この連結もワイヤケーブル60等で行われており、図2及び図3に当該ワイヤケーブル54のオットマン角度調整用操作レバー32への取付け状態が図示されている。このオットマン角度調整用操作レバー32の操作により調整角度ロック機構22Bによるオットマン20の使用角度の調整を可能としたり、ロック状態とする。本実施形態の場合は、オットマン角度調整用操作レバー32の第2位置Y2状態で調整角度ロック機構22Bによる調整を可能状態とし、第1位置Y1状態でロック状態とする連結関係とされている。
調整角度用ロックプレート64には、複数個の係合凹部64aが連続形成されており、この係合凹部64aの何れかに係合ピン64bが係合状態となったり、非係合状態となって、オットマン20の使用角度を調整可能としている。この使用角度の調整は、シートバック14との連動状態におけるシートバック14に対する相対的な使用角度の調整である。
係合ピン64bが係合凹部64aから外れた非係合状態でオットマン20と一緒に調整角度用ロックプレート64を回動させて使用角度を調整し、調整した角度状態の係合凹部64aに係合ピン64bを係合させて固定状態とする。
先ず、図2及び図3に示す遮断機構用操作レバー28の第1位置Y1状態では、遮断機構26は遮断状態にある。この状態では、シートバック14は独自にリクライニング作動が可能とされており、通常通りリクライニング操作レバー30の操作によりリクライニング機構18をロック状態及びアンロック状態に操作してシートバック14のリクライニング角度を独自に調整することができる。なお、この状態ではオットマン20は、角度調整機構22の格納ロック機構22Aにより格納位置にロックされた状態にある。
遮断機構用操作レバー28が第1位置Y1にある状態で、オットマン角度調整用操作レバー32を操作しようとしても、図3に示すようにオットマン角度調整用操作レバー32の第1位置X1から第2位置X2の操作軌跡上には遮断機構用操作レバー28の操作部28Aがあって操作することができなく、誤操作を確実に防止することができる。したがって、この状態でオットマン20が誤って展開位置に作動されるようなことがない。
次に、図3に示す遮断機構用操作レバー28の第2位置Y2状態では、遮断機構26は連動状態にある。したがって、シートバック14とオットマン20は連動作動される状態にあって、シートバック14の後方へのリクライニング傾動に伴ってオットマン20は格納位置から展開位置に連動移動する。この連動作動は、リクライニング操作レバー30を操作してシートバック14をリクライニング作動させる動作に伴ってオットマン20が連動作動するものである。
遮断機構用操作レバー28の第2位置Y2状態は、オットマン角度調整用操作レバー32の操作作動軌跡から外れた位置となるため、その操作作動が可能とされている。これによりオットマン角度調整用操作レバー32を第1位置X1から第2位置X2に操作することによりシートバック14と連動作動状態にあるオットマン20の相対的な回動角度調整を行うことができる。
例えば、上記実施形態では各操作レバーと各機構との連結がワイヤケーブルで行なわれる場合について説明したが、リンク機構等その他各種の機械的連結手段が考えられるものである。
また、上記実施形態ではオットマンを備える代表的シートして自動車用の第2列目シートの場合について説明したが、その他の車両等においてオットマンを備えたシートには広く適用可能なものである。
12 シートクッション
14 シートバック
16 ヘッドレスト
18 リクライニング機構
20 オットマン
22 角度調整機構
24 連結構成
26 遮断機構
28 遮断機構用操作レバー(一方の操作レバー)
28A 操作部
28B 柱状部
30 リクライニング操作レバー
32 オットマン角度調整用操作レバー(他方の操作レバー)
32A 操作部
34 枠体(ベゼル)
36、38 回動軸部
40 レバー固定ブラケット
42 ヒンジピン
44 段付きボルト
46 コイルスプリング
48、50 掛止ピン
52 アウタシールド
54,56,58,60 ワイヤケーブル
62 格納用ロックプレート
64 調整角度用ロックプレート
66,68,70 回動レバー
72,74 係止孔
Claims (3)
- シートクッションの後部には着座者の背部を支持するシートバックが傾動可能に配置されると共に、前部には着座者の脚部を載置支持するオットマンが回動可能に備えられており、前記シートバックの傾動作動と前記オットマンの回動作動は連動して行なわれる乗物用シートであって、
前記シートバックとオットマンとの連動作動を遮断する遮断機構を備えると共に、オットマンには当該オットマンの角度を調整可能とする角度調整機構を備えており、
前記遮断機構及び角度調整機構を操作するそれぞれの操作レバーを備えており、
該操作レバーは、一方の操作レバーの操作移動軌跡の一部の範囲に他方の操作レバーの操作移動軌跡が干渉する配置構成とされており、該干渉する状態では他方の操作レバーの操作作動が一方の操作レバーにより阻止される配置構成とされていることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記一方の操作レバーは前記遮断機構を操作する操作レバーであり、前記他方の操作レバーは前記オットマンの角度調整機構を操作する操作レバーであることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記オットマンの角度調整機構は、当該オットマンの格納状態をロックする格納ロック機構と、当該角度調整機構により調整した角度をロックする調整角度ロック機構とを備えており、該格納ロック機構と角度調整ロック機構は前記遮断機構を操作する操作レバーと連動連結操作され、前記遮断機構の遮断状態では格納ロック機構はロック状態、調整角度ロック機構はアンロック状態とされ、前記遮断機構の連動状態では格納ロック機構はアンロック状態、調整角度ロック機構はロック可能状態とされる連結構成とされていることを特徴とする乗物用シート。
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