以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態の情報配信システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態の情報配信システムは、情報の収集及び配信を行うセンタ100と、情報配信サービスを提供する対象の領域内の車両群130と、それらの間の通信を媒介するネットワーク120と、によって構成される。
センタ100は、ネットワーク120に接続される情報配信サーバ101と、情報配信サーバ101に接続される利用者走行位置判断サーバ102、利用者管理サーバ103、ランキング判断サーバ104、音声認識サーバ106及び交通状況判断サーバ108と、を含む。ランキング判断サーバ104には報告蓄積データベース(DB)105が、音声認識サーバ106には単語辞書DB107が、交通状況判断サーバ108には交通情報履歴DB109が、それぞれ接続される。これらのサーバ及びデータベースは、相互に接続された複数の計算機によって実現されてもよいが、一つの計算機によって実現されてもよい。
交通状況判断サーバは、さらに、センタ100の外部に設置された外部交通情報配信サーバ113及びイベントDB114と接続されてもよい。
センタ100は、さらに、管理者112によって操作される管理端末111を含むセンタオペレータ110を備える。
上記のサーバ、データベース及び端末は、相互に直接接続されてもよいが、ネットワーク120を介して接続されてもよい。
ネットワーク120は、車両群130に含まれる各車両に搭載された機器とセンタ100とを通信可能に接続するものである限り、いかなる種類のものであってもよい。図1には、一例として、公衆回線網121及び公衆無線回線122からなるネットワーク120を示す。公衆回線網121は、例えばインターネット等である。公衆無線回線122は、例えば携帯電話回線又は無線LAN(Local Area Network)等である。公衆無線回線122は、各車両の機器と無線通信を行う公衆無線通信局123を含む。これは、例えば携帯電話基地局又は無線LAN基地局等である。
車両群130は、センタ100による情報配信サービスに加入しており、かつ、当該情報配信サービスの提供範囲内にある車両群であり、情報を発信する発信車両131と、その情報の配信先となる通知対象車両群135と、を含む。通知対象車両群135は、さらに、配信された情報に対する評価を示す情報をセンタ100に送信することができる。
なお、一般には、車両群130に含まれるいずれの車両も情報を発信することができ、かつ、配信された情報を受信することができる。このため、各車両が、あるときは発信車両131となり、別のあるときには通知対象車両135となり得る。また、一般に、通知対象車両群135は、複数の車両を含むが、特定の一車両のみが通知対象となる場合もある。このような場合、及び、通知対象車両群135に含まれる各車両について説明する場合には、通知対象車両135とも記載する。
発信車両131は、発信車両131に設置され、搭乗者(すなわち運転者又は同乗者等、言い換えると情報配信サービスのユーザ)132によって操作される車載装置133、又は、搭乗者132が持ち歩く携帯情報端末134の少なくとも一方を備える。同様に、通知対象車両群135に含まれる各車両は、各車両に設置され、搭乗者136によって操作される車載装置137、又は、搭乗者136が持ち歩く携帯情報端末138の少なくとも一方を備える。
車載装置133及び137は、例えば車載ナビゲーション装置であり、携帯情報端末134及び138は、例えばいわゆるスマートフォンであってもよいが、これらは、いずれも、車両と共に移動し、かつ、後述するように位置情報の取得及びネットワーク120を介したセンタ100との通信等を実行できる装置である限り、上記以外のものであってもよい。以下、車載装置133、137、携帯情報端末134及び138を総称して車載機器と記載する。
図2は、本発明の実施形態の情報配信サーバ101のハードウェア構成の説明図である。
情報配信サーバ101は、演算装置202と、それに接続される外部通信回路203及び記憶装置201とを備える計算機である。外部通信回路203は、さらに公衆回線網121に接続され、ネットワーク120を介して車両群130の車載機器と通信するインターフェースであり、例えばいわゆるネットワークインターフェースカード又はルータ等である。演算装置202は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って種々の処理を実行する中央処理装置(CPU)である。記憶装置201は、演算装置202によって実行されるプログラム、演算装置202によって参照されるデータ、及び演算装置202によって実行された処理の結果として得られたデータ等を格納する装置であり、例えば一次記憶装置として用いられるダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等、二次記憶装置として用いられるハードディスクドライブ(HDD)等、又はそれらの組み合わせであってもよい。
センタ100に含まれる他のサーバ及びDBは、情報配信サーバ101と同様の計算機によって実現できるため、それらの図示及び説明は省略する。ただし、各DBは、図2に示すような構成を備える独立した計算機によって実現されてもよいが、各DBに接続されるサーバの記憶装置内に格納されてもよい。管理端末111も図2に示すものと同様の計算機であってよいが、さらに、例えばキーボード及びポインティングデバイスのような入力装置、及び、例えば液晶表示装置のような出力装置を備える。
前述のように、センタ100に含まれる複数のサーバ及び管理端末111は、一つの計算機によって実現することもできる。その場合、当該計算機の構成は、図2に示したものと同様であってよい。
図3は、本発明の実施形態の車載機器のハードウェア構成の説明図である。
各車両(発信車両131又は通知対象車両135)の車載機器は、演算装置302と、それに接続される外部通信回路303及び記憶装置301を備える。外部通信回路303は、さらに公衆無線回線122に接続され、ネットワーク120を介してセンタ100と通信するインターフェースである。演算装置302は、記憶装置301に格納されたプログラムに従って種々の処理を実行するCPUである。記憶装置301は、演算装置302によって実行されるプログラム、演算装置302によって参照されるデータ、及び演算装置302によって実行された処理の結果として得られたデータ等を格納する装置であり、例えば一次記憶装置として用いられるDRAM等、二次記憶装置として用いられるHDD等、又はそれらの組み合わせであってもよい。
演算装置302には、さらに、車両内部通信回路304、音声変換装置305、ユーザ操作入力装置307、センサ接続回路308、音声出力装置312及び表示装置313が接続される。
車両内部通信回路304には、車両内部回線314を介して車両内部情報・制御機器群315が接続される。車両内部情報・制御機器群315は、例えば、車両の速度、走行距離及び操舵量等を計測する各種センサ類を含んでもよい。演算装置302は、それらのセンサ類から取得した情報を、車両の位置の推定に利用することができる。車両内部情報・制御機器群315は、さらに、空調制御機器のような制御機器を含んでもよい。演算装置は、それらの制御機器に制御信号を送ることによって、空調機器などの、車両内の種々の機器を制御することができる。
音声変換装置305には、さらに、音声入力装置306が接続される。音声入力装置306及び音声変換装置305は、例えば、ユーザ(すなわち車両の搭乗者)によって発話された音声を電気信号に変換するマイクロフォン、及び、その電気信号をデジタルの音声データに変換するアナログ/デジタル変換器等の電子機器によって構成される。
ユーザ操作入力装置307は、ユーザからの入力を受け付ける装置であり、例えば、ボタン、ハードウェアキーボード又はタッチパネル等を含んでもよい。ユーザは、ユーザ操作入力装置307を操作して、テキスト情報又はその他の情報を入力することができる。
センサ接続回路308には、さらに、モーションセンサ309及び位置座標検出センサ310が接続される。モーションセンサ309は、車載機器の(すなわちそれを搭載する車両の)動きを検出するセンサであり、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ及び衝撃センサ等を含む。位置座標検出センサ310は、車載機器の(すなわちそれを搭載する車両の)位置を検出するセンサであり、座標基地局群311から受信した信号に基づいて車両の位置を検出する。座標基地局群311は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星、無線LAN基地局又は携帯電話基地局である。
なお、本実施形態では、必要に応じて、車両の位置及びユーザの位置について言及される。しかし、上記のように、位置座標検出センサ310によって検出されるのは車載機器の位置である。このため、本実施形態における車両の位置及びユーザの位置は、厳密には、それぞれ車両に搭載された車載機器の位置、及び、ユーザが搭乗する車両に搭載された車載機器の位置を意味する。
演算装置302は、音声変換装置305から取得した音声データ、ユーザ操作入力装置307から取得したテキストデータ等の情報、及び、センサ接続回路308を介してモーションセンサ309及び位置座標検出センサ310から取得した動き及び位置等に関する情報を、外部通信回路303を介してセンタ100に送信することができる。なお、演算装置302は、音声データについて音声認識を行うことによって、音声データをテキストデータに変換し、そのテキストデータをセンタ100に送信してもよいし、音声データをそのままセンタ100に送信してもよい。演算装置302によって送信されるデータの例については後述する(図4参照)。
音声出力装置312は、演算装置302から入力された音声データを音声に変換して出力する装置であり、例えば、デジタル/アナログ変換器、増幅器及びスピーカ等を含んでもよい。表示装置313は、演算装置302から入力されたテキストデータ及び画像データ等を表示する装置であり、例えば液晶表示装置であってもよい。
以下、本実施形態の情報配信システムによって実行される処理、その処理において参照される情報、及び送受信されるデータ等について、フローチャート及びテーブル等を参照して説明する。
図4は、本発明の実施形態の情報配信システムによって実行される基本的な処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の情報配信システムによる処理が開始されると、最初に、発信車両131の車載機器がメッセージを発信する(ステップ401)。具体的には、発信車両131に乗車しているユーザが、音声入力装置306又はユーザ操作入力装置307を用いて、他の車両(通知対象車両135)のユーザ等へのメッセージを入力し、車載機器は、入力されたメッセージ及びそのメッセージが入力された時点の位置情報等を含むデータを、ネットワーク120を介してセンタ100に送信する。この処理の詳細については図5等を参照して後述する。
次に、センタ100が、発信車両131から受信したメッセージを処理する(ステップ402)。具体的には、センタ100は、受信したメッセージのランキングの判定、メッセージの伝達対象(通知対象車両群135)の選別等を行う。この処理の詳細については図7等を参照して後述する。
次に、選別された通知対象車両群135にメッセージが配信される(ステップ403)。具体的には、選別された通知対象車両群135にセンタ100からメッセージが配信されると、そのメッセージを受信した通知対象車両群135の車載機器が、音声出力装置312及び表示装置313の少なくとも一方を用いてユーザにメッセージの提示を出力する。出力されたメッセージを参照したユーザは、そのメッセージに対する評価を、音声入力装置306又はユーザ操作入力装置307を用いて入力することができる。通知対象車両135の車載機器は、入力された評価をセンタ100に送信する。これらの処理の詳細については図12等を参照して後述する。
次に、センタ100は、通知対象車両群135から送信された評価に基づいて、メッセージの評価を行う(ステップ404)。この処理の詳細については後述する。
以上で情報配信システムによる処理が終了する。
図5は、本発明の実施形態の車載機器によって実行されるメッセージ発信処理の説明図である。
すなわち、図5は、図4のステップ401において発信車両131の車載機器によって実行される処理の詳細を示す。
前述のように、本実施形態では、音声認識機能を有する車載機器又は有しない車載機器のいずれを使用することもできる。また、車載機器が音声認識機能を有する場合であっても、実用上十分な音声認識機能を有する場合と、予め定められた特定の定型句の認識ができる程度の簡易な音声認識機能を有する場合とがある。車載機器が音声認識機能を有しない場合、ボタン操作等を契機としてユーザによるメッセージの入力が開始される。一方、車載機器が少なくとも簡易な音声認識機能を有する場合、ボタン操作等を契機としてもよいが、所定の定型句の発話を契機としてメッセージの入力を開始することもできる。
最初に、車載機器が少なくとも簡易な音声認識機能を有する場合について説明する。ユーザは、メッセージ入力の契機として所定の定型句を発話する(ステップ501)。例えば、ユーザは、メッセージ入力の契機として使用する定型句(例えば「おはよう」又は「発見」など)を予め決定し、それを車載機器に登録しておいてもよい。適切な定型句を登録し、その定型句の発話を契機としてメッセージの入力を行うことによって、車内の雑音、搭乗者間の通常の会話、及び車載ラジオの音声等がセンタ100に送信すべきメッセージと誤認されることを防ぐことができる。
車載機器の音声入力装置306及び音声変換装置305は、発話された音声を音声データに変換し、演算装置302は、その音声データについて音声認識を行うことによって、発話された音声がメッセージ入力の契機として定められた定型句と一致するか否かを判定する(ステップ502)。
ステップ502において、入力された音声が所定の定型句と一致しないと判定された場合、車載機器は、ステップ503以降の処理を実行せず、次回の定型句の音声入力を待つ。一方、ステップ502において、入力された音声が所定の定型句と一致すると判定された場合、車載機器は、ユーザによるメッセージの音声入力を受ける(ステップ503)。すなわち、ユーザは、所定の定型句を発話した後、発信したいメッセージを発話する。
車載機器は、上記の定型句の場合と同様に、発話された音声を認識する(ステップ504)。その結果、発話されたメッセージを処理するために車載機器がセンタ100と連携する必要がないと判定された場合、車載機器は、当該メッセージをセンタに送信せず、車両内での当該メッセージの処理を行う(ステップ507)。例えば、発話されたメッセージが、車両内の空調装置の制御を指示するものであった場合、当該メッセージをセンタ100に送信する必要がなく、車載機器は、空調装置の制御指示を車両内部情報・制御機器群315に送信する。その後、処理はメッセージ発信処理の先頭に戻る。
一方、ステップ504において、発話されたメッセージを処理するために車載機器がセンタ100と連携する必要があると判定された場合、車載機器は、当該メッセージを含むデータをセンタ100に送信する(ステップ505)。車載機器が、上記の所定の定型句の認識には十分であるが、それ以上の複雑な音声認識には不十分な、簡易な音声認識機能を備える場合には、当該メッセージとして音声データがセンタ100に送信される。車載機器がより複雑な音声認識機能を備える場合には、メッセージの音声を認識することによって得られたテキストデータをセンタ100に送信してもよい。このとき送信されるデータは、入力されたメッセージに加えて、車両の位置情報及び種々の制御情報等を含んでもよい。その例については後述する(図6参照)。
以上でメッセージ発信処理(ステップ401)が終了し、続いてメッセージ処理(ステップ402)が実行される(図7参照)。
一方、車載機器が音声認識機能を備えない場合、及び、ユーザが音声を入力することが困難な場合には、定型句の音声入力を判定することができないため、それ以外のイベントがメッセージの入力契機として利用される。例えば、ユーザは、ユーザ操作入力装置307に含まれるボタンを操作することによって、メッセージの入力開始を指示してもよい。車載機器は、ボタン操作の入力を検知すると(ステップ506)、次に、ステップ503を実行する。この場合、車載機器が音声認識機能を備えないので、ステップ504は実行されず、ステップ503において入力され、変換された音声データを含むメッセージが、ステップ505においてセンタ100に送信される。
上記の例において、メッセージは音声として入力される。これは、運転中のユーザがキーボード等を使用してテキストを入力することが困難と考えられるためである。しかし、例えば駐車中の車両のユーザ、又は走行中の車両に同乗している運転者以外のユーザがメッセージを入力する場合には、キーボード又はタッチパネル等を操作してメッセージのテキストを入力してもよい。その場合は、入力されたテキストデータがステップ505においてセンタ100に送信される。
図6は、本発明の実施形態の車載機器がセンタ100に送信するデータの説明図である。
具体的には、図6は、図5のステップ505において発信車両131の車載機器がセンタ100に送信するデータの例を示す。この例では、DBレコード600が送信される。
DBレコード600は、有効・無効フラグ601、発信元ID602、時刻603、場所604、内容605、振り分けコード606、ランク付けID607、配信先608及び有効時間609を含む。
有効・無効フラグ601は、例えば、既に発信したメッセージを取り消すために使用される。具体的には、通常のメッセージを発信するときには有効・無効フラグ601が「有効」に設定され、既に発信したメッセージを取り消すためのメッセージを発信するときには有効・無効フラグ601が「無効」に設定される。
発信元ID602は、メッセージの発信元の識別子(ID)である。これは、発信元を特定できる情報であればどのようなものであってもよい。具体的には、発信元ID602は、ユーザ自身のID(例えばセンタ100による情報配信サービスに加入しているユーザの加入者番号)であってもよいし、車載機器固有の機器IDであってもよいし、車載機器とセンタとを接続する回線のID(例えば携帯電話番号)であってもよいし、車載機器に組み込まれたアプリケーションのID(シリアル番号)であってもよい。
時刻603及び場所604は、発信されるメッセージに関連付けられる時刻及び場所であり、例えばそのメッセージによって報告される事象が発生した時刻及び位置座標、又は、そのメッセージが発信された時刻及びその時点の発信車両131の位置座標、等である。なお、場所604は、単なる位置座標であってもよいが、地図に関連付けられる情報を含んでもよい。例えば、車載機器が、地図データを利用したいわゆるマップマッチングによって、発信車両131の位置座標だけでなく現在走行している道路、方向、その位置の地名又は周囲の地物の識別子等を特定した場合、それらを示す情報が場所604に含まれてもよい。
内容605は、発信されるメッセージの内容であり、例えば、ユーザによって発話され、音声入力装置306及び音声変換装置305によって変換された音声データ、又はユーザ操作入力装置に入力されたテキストデータ等を含む。この内容605はどのようなものであってもよいが、典型的には、ユーザが他の車両のユーザに伝えたい情報を含むメッセージ、又は、ユーザが他の車両からの情報を要求するメッセージの少なくとも一方を含む。前者は、例えばユーザが目撃した事象を報告するメッセージであり、より具体的には、例えば、「道路上に落下物がある」、「事故が発生した」、「渋滞している」、「きれいな景色が見える」、といった情報を含む。後者の一例は、自車を含む渋滞の先頭がどこにあるかを問い合わせるメッセージである。
この内容605は、発信されるメッセージに含まれる報告の種別を示す情報を含んでもよい。報告の種別を示す情報とは、メッセージに含まれる報告が、例えば、発生した事故に関する報告、交通規制に関する報告、天候に関する報告、目撃したイベントに関する報告、等のいずれであるかを示す情報である。このような情報に基づいて、センタ100は、ユーザから取得したメッセージに含まれる情報と、ユーザ以外の情報源から取得した情報とを照合することによって、メッセージに含まれる情報の信憑性等を評価することもできる。
振り分けコード606及び配信先608は、発信されるメッセージの配信先を制限又は指定するための情報であり、例えば、発信車両131の前方Xキロメートル(ここでXは任意の値、以下同様)、後方Xキロメートル、周囲Xキロメートル、又は特定の車両、等を指定する情報を含んでもよい。
ランク付けID607は、ユーザが、自身が発信するメッセージに付与するランクを示す情報である。ここで、メッセージのランク(ランキング)とは、メッセージの緊急度、重要度、危険度、信憑性、等の高さを表す指標である。後述するように、メッセージのランクは、センタ100のランキング判断サーバ104によって種々の条件に基づいて決定されるが、ユーザがメッセージを発信するときにそのメッセージの内容に応じてランクを指定することもできる。
例えば、メッセージの内容が「道路上に落下物がある」である場合には、その落下物が事故の原因にもなり得るため、ユーザは、このメッセージの緊急度、重要度、危険度等が高いと判断して、高いランクを示す値を指定してもよい。一方、メッセージの内容が「きれいな景色が見える」である場合には、少なくとも危険度は低く、メッセージの緊急度等も低いと判断して低いランクを示す値を指定してもよい。そのようにして指定されたランクを示す値がランク付けID607としてセンタ100に送信される。
なお、各メッセージに、緊急度、重要度のような項目ごとの独立したランクが与えられてもよいし、それらを総合した単一のランクが与えられてもよい。このようなランクに応じてメッセージの配信又は出力を制御することができる。例えば各メッセージのランクに基づいてメッセージを配信する順序を決定してもよいし、ランクに基づいてメッセージを配信(又は出力)するか否かを決定してもよい。このような制御の詳細については後述する(図7のステップ707及び図12のステップ1201等参照)。
有効時間609は、発信されるメッセージの有効時間を示す。例えば、発信されるメッセージによって報告される事象が消滅するまでの時間が予めわかっている場合に、その時間を示す有効時間609としてメッセージに含まれる。例えば、ユーザが遭遇した時限付きの交通規制を自分の後方を走行するユーザに報告するためにメッセージを発信する場合、その交通規制が終了するまでの時間を有効時間609としてメッセージに含めてもよい。
なお、DBレコード600は、少なくとも発信元ID602、時刻603、場所604及び内容605を含む必要があるが、それ以外の項目は含まなくてもよい。後述するように、センタ100は、例えば振り分けコード606、ランク付けID607及び配信先608が指定されていない場合にも、メッセージに含まれる単語の種類等に基づいてメッセージのランキング及び配信先を決定することができる。
図7は、本発明の実施形態のセンタ100によって実行されるメッセージ処理の説明図である。
すなわち、図7は、図4のステップ402においてセンタ100によって実行される処理の詳細を示す。
発信車両131の車載機器から送信されたメッセージは、センタ100の情報配信サーバ101によって受信され、情報配信サーバ101及びそれに接続されたセンタ100内のサーバによって処理される。
最初に、センタ100は、受信したメッセージに含まれる音声データについて音声認識を行うことによってテキストデータを取得する(ステップ701)。具体的には、情報配信サーバ101が音声データを音声認識サーバ106に送信し、音声認識サーバ106が単語辞書DB107を参照して音声認識を行い、その結果を情報配信サーバ101に返してもよい。この音声認識は公知の方法によって行うことができるため、詳細な説明は省略する。なお、受信したメッセージがはじめから音声データの代わりにテキストデータを含んでいる場合にはステップ701を省略することができる。
次に、センタ100は、受信したメッセージのテキストに含まれるキーワードに基づいて、メッセージのランクを判定する(ステップ702)。具体的には、情報配信サーバは、メッセージをランキング判断サーバ104に送信する。ランキング判断サーバ104は、受信したメッセージを報告蓄積DB105に格納し、さらに、報告蓄積DB105に蓄積されている過去のメッセージ等を参照して受信したメッセージのランクを判定し、その結果を情報配信サーバ101に返す。この判定の具体的な方法については後述する(図10等参照)。
なお、送信されたDBレコード600のランク付けID607によってメッセージのランクが指定されている場合には、ランキング判断サーバ104は、その指定されたランクを当該メッセージのランクとして判定してもよいし、キーワードに基づいて判定されたランクに指定されたランクを加味することで最終的なランクを判定してもよい。
次に、センタ100は、受信したメッセージの発信者に対して、他のユーザによって与えられたこれまでの評価を、当該メッセージのランクに反映させる(ステップ703)。具体的には、情報配信サーバ101が利用者管理サーバ103に当該メッセージの発信者のこれまでの評価の履歴を問い合わせてもよいし、ランキング判断サーバ104が報告蓄積DB105を参照して当該メッセージの発信者のこれまでの評価の履歴を確認してもよい。例えば、当該メッセージを発信したユーザの評価が低いほど、当該メッセージの信憑性が低い(すなわちランクが低い)と判定される。
次に、センタ100は、受信したメッセージの内容と、外部情報及び他の利用者からのメッセージの内容とを照合して、受信したメッセージを評価する(ステップ704)。例えば、受信したメッセージが渋滞の報告を含む場合、センタ100は、報告された渋滞と、交通状況判断サーバ108を介して外部交通情報配信サーバ113から取得した渋滞に関する情報、又は交通情報履歴DB109から取得した情報とを照合して、それらが一致するか否かを判定してもよい。あるいは、例えば受信したメッセージがユーザによって目撃されたイベントの報告を含む場合、センタ100は、報告されたイベントと、イベントDB114から取得したイベントに関する情報とを照合して、それらが一致するか否かを判定してもよい。それらが一致すれば、受信したメッセージの信憑性が高いと判定される。
あるいは、センタ100は、受信したメッセージの内容と類似する内容のメッセージが他の多くのユーザから発信されている場合に、受信したメッセージの信憑性が高いと判定してもよい。具体的には、例えば、当該メッセージと類似する内容のメッセージを発信したユーザの数が多いほど当該メッセージの信憑性が高いと判定してもよい。
次に、センタ100は、受信したメッセージを伝達する対象(すなわち配信先である通知対象車両群135又は単一の通知対象車両135)を選別する(ステップ705)。具体的には、センタ100は、送信されたDBレコード600の振り分けコード606又は配信先608によってメッセージの伝達対象が指定されている場合には、それに基づいてメッセージの伝達対象を選別してもよい。伝達対象が指定されていない場合、センタ100は、メッセージの内容及び各車両の位置情報等に基づいて、メッセージの伝達対象を選別する。その方法の例については後述する(図11等参照)。
なお、ステップ703を実行するためには受信したメッセージの発信者を特定する必要があり、ステップ704及び705を実行するためには、その発信者及び他のユーザの位置を特定する必要がある。これらの処理については後述する(図8、図9等参照)。
次に、センタ100は、発信者の評価を含むメッセージのランクを、配信されるメッセージに反映させる(ステップ706)。
次に、センタ100の情報配信サーバ101は、メッセージを選別された通知対象車両群135に配信する(ステップ707)。このとき、情報配信サーバ101は、ランクに応じてメッセージの配信を制御してもよい。例えば、ランクに応じた優先処理(具体的には例えばランクの高いメッセージを優先的に配信し、その後でランクの低いメッセージを配信する)を行ってもよいし、ランクに応じたフィルタリング(具体的には例えばランクが所定の値より高いメッセージのみを配信する)を行ってもよいし、ランクを示す値又はランクに応じた注釈をメッセージと共に配信してもよい。
フィルタリングを行うことによって、例えば、ユーザが他の車両に伝える意図なく発したメッセージを誤って他の車両に配信することを防止できる。また、例えば過去に虚偽のメッセージを発信したユーザに他のユーザから低い評価が与えられていれば、そのようなユーザから発信された(すなわち虚偽である可能性が高い)メッセージの配信を防ぐことができる。
以上でメッセージ処理(図4のステップ402及び図7)が終了する。
ここで、図7に示すメッセージ処理の各ステップの詳細を説明する。
最初に、メッセージの発信者の位置を特定する処理について説明する。利用者走行位置判断サーバ102は、所定のタイミングで、各車両の車載機器の位置情報を取得してこれを利用者走行位置判断サーバ102内のDB(図示省略)に保持する。この位置情報には、取得された車載機器の(すなわち車両の)位置を特定する情報(座標値等)と、その車載機器を識別する情報(又はそれを使用するユーザを識別する情報等)と、位置情報が取得された時刻と、が含まれる。このような位置情報は、種々の方法によって取得することができる。
例えば、各車両の車載機器が定期的に位置座標検出センサ310等を用いて位置座標を測定し、その結果を含むメッセージ(例えば発信元ID602、時刻603及び場所604を含むメッセージ)を利用者走行位置判断サーバ102に送信してもよい。必要に応じて、モーションセンサ309によって計測された方位、加速度等が使用されてもよいし、さらに、車両内部情報・制御機器群315から取得されたタイヤの回転数及び操舵量等が使用されてもよい。あるいは、利用者走行位置判断サーバ102が、例えば公衆無線通信局123が受信する車載機器からの無線信号の強度等に基づいて各車両の位置を測定してもよい。あるいは、車両が有料道路の料金所を通過したことを示す情報に基づいて車両の位置が特定されてもよい。
利用者走行位置判断サーバ102が保持する車両の位置情報は、単なる位置座標だけでなく、当該車両が走行している道路及び走行方向等を特定する情報を含んでもよい。例えば、車載機器又は利用者走行位置判断サーバ102が車両の位置座標の履歴と地図情報とを照合する、いわゆるマップマッチングを行うことによって、車両が走行している道路を特定し、その道路の種別及びID等を位置情報として保持してもよい。具体的には、過去の位置座標の履歴から車両が移動可能な範囲を特定し、それに基づいて走行中の道路及び走行方向を限定することができる。
利用者走行位置判断サーバ102は、種々の方法で、車両が走行している道路の種別を変更することができる。例えば、上記のように料金所の通過情報を利用できる場合には、それに基づいて車両が有料道路に入った又はそこから離脱したと判定し、その判定に従って道路の種別を変更してもよい。あるいは、利用者走行位置判断サーバ102は、モーションセンサ309及び位置座標検出センサ310を用いて、車両が料金所又はインターチェンジを通過するときの速度、進行方向又は高度の変化を検出し、それに基づいて道路の種別を変更してもよい。あるいは、利用者走行位置判断サーバ102は、モーションセンサ309を用いて、駐車場における車両の特有の動きを検出し、それに基づいて道路の種別を変更してもよい。
利用者走行位置判断サーバ102は、位置座標の履歴に基づいて走行方向を特定することができるが、さらに、曲がり角、インターチェンジ、ロータリー、駐車場、転回可能道路、又は私有地といった特定の場所に車両が到達したことを検出して、走行方向を変更する必要があるか否かを判定してもよい。あるいは、利用者走行位置判断サーバ102は、モーションセンサ309又は位置座標検出センサの値の変化に基づいて、又は、車両内部情報・制御機器群315から得られた操舵量及び速度等に基づいて、走行方向を変更する必要があるか否かを判定してもよい。
ただし、実際には走行方向が変わっていなくてもセンサが反応する場合があるため、位置座標の履歴及び地図情報も併用する必要がある。具体的には、位置座標の履歴及び地図情報に基づいて、車両が走行方向を変更できない場所にいると判定される場合には、センサが反応したとしてもそれはエラーであると判定して、走行方向を固定する(すなわち変更しないと判定する)こともできる。
利用者走行位置判断サーバ102は、このようにして取得された各車両の位置情報をDBに保持し、新たな情報が得られるたびにこれを更新する。
情報配信サーバ101は、メッセージを受信すると、利用者走行位置判断サーバ102にメッセージの発信元位置特定の問合せを行う。この問合せには、メッセージに含まれる発信元ID602が含まれる。利用者走行位置判断サーバ102は、DBに格納された位置情報のうち、問合せに含まれる発信元ID602に対応するものを読み出して、情報配信サーバ101に応答する。ただし、発信元ID602がどのような情報であるか(例えばユーザのIDであるのか車載機器のIDであるのか)は、メッセージを発信した車載機器の種類に依存する。このため、利用者走行位置判断サーバ102は、問合せに含まれる発信元ID602と、位置情報とを対応付ける処理を行う必要がある。
具体的には、利用者管理サーバ103がユーザ特定IDを保持し、これを利用者走行位置判断サーバ102が読み出して、問合せに対応する位置情報を特定する。
図8は、本発明の実施形態の利用者管理サーバ103が保持するユーザ特定IDの説明図である。
例えば、図8に示すユーザ特定ID800は、機器ID801、ユーザID802、回線ID803及びアプリケーションID804を相互に対応付ける情報である。具体的には、ユーザID802は、あるユーザ自身の固有ID、例えば、そのユーザが加入している情報配信サーバ101による情報配信サービスの契約番号等である。機器ID801は、そのユーザが使用する車載機器の固有ID、例えば、その車載機器のシリアル番号等である。回線ID803は、そのユーザが車載機器を用いて情報配信サーバ101と通信するときに使用する通信回線の固有ID、例えば、携帯電話番号等である。アプリケーションID804は、そのユーザが情報配信サービスを受けるために使用するアプリケーションの固有ID、例えばアプリケーションのシリアル番号である。
図8に示すユーザ特定ID800が一人のユーザに関するIDの組であり、ユーザごとに同様のIDの組が利用者管理サーバ103に保持される。なお、図8は一例であり、実際にはユーザ特定ID800が上記以外のID情報、例えば、ユーザが乗車している車両の登録番号(車両のナンバープレートに記載されている番号)等を含んでもよい。
これらのIDの対応関係は、変更される場合がある。例えば、一人のユーザが複数の車載機器を所有し、それらを使い分ける場合、又は、あるユーザが別のユーザから車載機器を借りて使用する場合がある。このような場合には、例えば、ユーザが情報配信サービスにログインしたときに入力されたID番号と、そのときの機器ID等とに基づいてユーザ特定ID800が更新される。
利用者走行位置判断サーバ102は、情報配信サーバ101からの問合せを受けたときに、上記のユーザ特定ID800に基づいて位置情報を読み出す。例えば、利用者走行位置判断サーバ102に保持された位置情報が車載機器の機器IDを含み、情報配信サーバ101からの問合せにはユーザIDが含まれていた場合、利用者走行位置判断サーバ102は、問合せに含まれるユーザIDと同一のユーザID802を含むユーザ特定ID800を利用者管理サーバ103から読み出し、それに含まれる機器ID801に対応する位置情報をDBから読み出して情報配信サーバ101に返信する。
図9は、本発明の実施形態の利用者走行位置判断サーバ102が情報配信サーバ101に返信する位置情報のフォーマットの説明図である。
返信される位置情報900は、例えば、ID情報910、位置情報920及び時間情報930を含む。ID情報910は、機器ID911、ユーザID912、回線ID913及びアプリケーションID914を含む。これらは、図8に示した機器ID801、ユーザID802、回線ID803及びアプリケーションID804と同様である。利用者走行位置判断サーバ102のDBに保持されている位置情報がこれらのIDの組の一部を欠いている場合、利用者走行位置判断サーバ102は、利用者管理サーバ103から読み出されたユーザ特定ID800に基づいて欠けているIDを補完する。
位置情報920は、ID情報910によって特定されるユーザが使用している車載機器の位置を示す情報であり、例えば、座標値(緯度・経度・高度等)921、走行車線922、走行道路種別923及び進行方向924を含む。座標値921は、位置座標検出センサ310によって取得された座標値である。走行車線922、走行道路種別923及び進行方向924は、それぞれ、車両が走行している道路のID、その道路の種別(例えば有料道路であるか否か)、及び、その道路における車両の進行方向である。これらは既に説明した方法によって特定される。
時間情報930は、位置情報920が取得された時刻を示す。
次に、図7のステップ702〜704におけるメッセージのランクの判定について説明する。メッセージのランクは、種々の考え方に基づいて判定することができる。以下にいくつかの例を示す。
例えば、ランキング判断サーバ104は、通知対象の車両(又はそのユーザ)が発信元のユーザによって指定されているメッセージのランクを、それ以外のメッセージのランクより高く判定してもよい。例えば、発信元のユーザが、友人又は家族等、既にユーザIDを知っている他のユーザへのメッセージを発信する場合、そのユーザIDが指定されてもよい。発信元のユーザが未知のユーザ(例えば発信元のユーザの車両の前方の特定の車両に乗車しているユーザ)へのメッセージを発信する場合、当該特定の車両のナンバープレートを発信元のユーザが目視して、そこに記載された登録番号を指定してもよい。これらの指定は、配信先608としてDBレコード600(図6)に含まれるため、ランキング判断サーバ104は、配信先608による指定の有無に基づいてメッセージのランクを判定することができる。
あるいは、ランキング判断サーバ104は、予め指定した事象(例えば重大事故)と関連のあるメッセージのランクを、それ以外のメッセージのランクより高く判定してもよい。例えば、ランキング判断サーバ104は、指定した事象に関連のあるキーワードのリストを保持し、そのキーワードを含むメッセージのランクをそれ以外のメッセージのランクより高く判定してもよい。
あるいは、ランキング判断サーバ104は、ユーザの関心が高いキーワードを含むメッセージのランクを、それ以外のメッセージのランクより高く判定してもよい。例えば、ランキング判断サーバ104は、ユーザの関心が高いキーワードのリストを保持し、そのキーワードを含むメッセージのランクをそれ以外のメッセージのランクより高く判定してもよい。ユーザの関心が高いキーワードは、ユーザ自身によって直接入力されてもよいし、後述するメッセージに対するユーザの評価に基づいて自動的に抽出されてもよいし、一旦決定されたキーワードの優先順位がユーザの評価に基づいて変更されてもよい。
あるいは、ランキング判断サーバ104は、報告される頻度が高い事象に関するメッセージのランクを、それ以外のメッセージのランクより高く判定してもよい。例えば、ランキング判断サーバ104は、情報配信サーバ101から受信したメッセージを報告蓄積DB105に格納し、そこに蓄積されたメッセージから、報告される頻度が高い事象に関するメッセージを特定することができる。
具体的には、例えば、同一の(又は類似する)キーワードを含み、かつ、発信された場所が近い(例えば所定の範囲内である)複数のメッセージを、同一の事象を報告するメッセージであると判定してもよい。メッセージが発信された時刻の近さをさらに判定条件として追加してもよい。そのようにして、ランキング判断サーバ104は、ある事象を報告するメッセージが発信される頻度が所定の頻度より高い場合に、そのメッセージのランクをそれ以外のメッセージのランクより高く判定してもよい。複数のユーザから同一の事象を報告するメッセージが発信される場合における上記のようなランクの判定は、ステップ704に対応する。
ランキング判断サーバ104は、さらに、メッセージの内容と、センタ100の外部から取得した情報とを比較した結果に基づいてランクを判定してもよい(ステップ704)。例えば、発信されたメッセージが渋滞を報告するものである場合、ランキング判断サーバ104は、そのメッセージの発信場所における道路情報を外部交通情報配信サーバから交通状況判断サーバ108を介して取得し、それらの内容が一致した場合には、一致しない場合よりそのメッセージのランクを高く判定してもよい。
上記のような、メッセージに所定のキーワードが含まれるか否かに基づくランクの判定の際に、所定のキーワードだけでなくそれに類似するキーワードが含まれるか否かが判定されてもよいし、所定のキーワードの組み合わせが含まれるか否かが判定されてもよい。ランキング判断サーバ104は、報告蓄積DB105に蓄積されたメッセージに基づいて、組み合わせられるキーワードの関連性についても学習し、それに基づいて組み合わせの重みを変更してもよい。
図10は、本発明の実施形態のランキング判断サーバ104が保持するメッセージのランクの判断リストの説明図である。
図10には、キーワードのリストの一例として、緊急度のランクを判定するためのキーワードのリスト(判断リスト1000)を示す。これは、図7のステップ702における判定の際に参照される。
判断リスト1000は、例えば、先頭から順に、「事故車両」1001、「落下物」1002、「渋滞」1003、「取り締まり」1004及び「おしらせ」1005といったキーワードを含む。例えば、ランキング判断サーバ104は、判断リスト1000に含まれるキーワードを一つ以上含むメッセージのランクを、いずれのキーワードも含まないメッセージのランクより高く判定してもよい。
判断リスト1000は、さらに各キーワードの緊急度を示す値を含んでもよい。その場合には、ランキング判断サーバ104は、メッセージに含まれるキーワードの緊急度が高いほど、そのメッセージのランクを高く判定してもよい。あるいは、先頭に近いキーワードほど緊急度が高いと判定してもよい。
ところで、既に説明したように、同一の事象を報告する複数のメッセージが複数のユーザから発信される場合がある。例えば、道路上で事故が発生した場合、その事故を複数の(場合によっては非常に多数の)ユーザが目撃してそれを報告するメッセージを発信する場合がある。このような場合に、発信された全てのメッセージを通知対象車両群135に配信することは望ましくない。それらのメッセージを全て配信したとしても、ユーザにとって、既に知っている内容のメッセージの有用性は低く、むしろネットワーク120を混雑させることによってそれ以外の有用なメッセージの配信の妨げとなり得るためである。
このため、情報配信サーバ101は、同一の事象を報告する複数のメッセージが発信された場合には、それらのうち一つ又は少数を選択して配信するか、又はそれらを一つのメッセージに合成して配信することが望ましい。ここで、このようなメッセージの選択の処理について説明する。このようなメッセージの選択は、例えば図7のステップ704において実行される。
例えば、情報配信サーバ101は、受信したメッセージの場所604及び時刻603を参照して、報告蓄積DB105に蓄積されているメッセージのうち、受信したメッセージと類似するものの件数を確認する。具体的には、例えば、蓄積されているメッセージのうち、受信したメッセージと同一の又は類似するキーワード(又はキーワードの組)を含み、かつ、場所604及び時刻603が受信したメッセージのものと近い(すなわちそれらの差が所定の範囲内である)ものを、受信したメッセージに類似するメッセージと判定してもよい。
ランキング判断サーバ104又は情報配信サーバ101は、報告蓄積DB105に格納されているメッセージを、上記のように互いに類似するメッセージを含むグループに分類した場合、それぞれのグループに含まれるメッセージの件数を保持してもよい。上記のように受信したメッセージがいずれかの蓄積されているメッセージと類似すると判定された場合、その蓄積されているメッセージが属するグループのメッセージの件数が一つ増加する。ここでは、受信したメッセージがいずれかのグループに含まれるメッセージと類似する(すなわち受信したメッセージが当該グループに属する)場合について説明する。
情報配信サーバ101は、受信したメッセージのランクを確認し、さらに、受信したメッセージが属するグループに含まれるいずれかのメッセージが既に配信されたか否かを判定する。情報配信サーバ101は、受信したメッセージが属するグループに含まれるいずれかのメッセージがまだ配信されていない場合には、受信したメッセージを配信し、既に配信されている場合には、受信したメッセージの配信を省略してもよい。受信したメッセージが属するグループに含まれるいずれかのメッセージが既に配信されている場合であっても、受信したメッセージのランクが既に配信されたメッセージのランクより高い場合には、情報配信サーバ101は受信したメッセージを配信してもよい。
次に、図7のステップ705におけるメッセージの配信先である通知対象車両群135の選別処理について、図11及び図14を参照して説明する。
図11は、本発明の実施形態の情報配信サーバ101が保持するメッセージ配信先情報の説明図である。図14は、本発明の実施形態における情報配信サーバ101によるメッセージの配信先である通知対象車両群135と発信車両131との位置関係の説明図である。
情報配信サーバ101は、受信したメッセージの内容に基づいて、メッセージの配信先の範囲等を特定する。例えば、配信先608に配信先を特定する情報(例えば配信先のユーザID又は車両の登録番号等)が指定されている場合には、それが配信先として特定される。あるいは、配信されるメッセージが、ユーザからの問合せのメッセージに応答する内容を含む場合、その問合せを行ったユーザのID等が配信先として特定されてもよい。振り分けコード606に配信先の範囲(例えば「前方」又は「後方」等)が指定されている場合には、その範囲がメッセージの配信先として特定される。
上記のような指定がない場合には、情報配信サーバ101は、メッセージの内容605に基づいて配信先を特定する。例えば、情報配信サーバ101は、キーワード(又はキーワードの組)と配信先とを対応付ける情報を保持し、メッセージの内容605に含まれるキーワードに基づいて配信先を特定してもよい。
図11に示すメッセージ配信先情報1100は、メッセージに含まれるキーワード1101とそのメッセージの配信先範囲1102と配信先の車両の走行方向1103とを対応付ける情報である。
例えば、ある地点における事故の発生、落下物の発見、又は渋滞の発生を報告するメッセージは、既にその地点を通過してしまったユーザには有用でないが、これからその地点に到達するユーザ(すなわちメッセージの発信元より後方を、発信元と同じ方向に走行している車両のユーザ)には有用である。このため、「事故」「落下物」「渋滞」といったキーワード1101には、配信先範囲1102及び走行方向1103として例えば「後方Xキロメートル」及び「同方向」(すなわち発信元の走行方向と同一の方向)が対応付けられる(図14(a)参照)。ここで、Xは所定の値であり、固定された値であってもよいが、後述するように学習を行うことで更新されてもよい。また、それぞれのキーワード1101に対応するXの値は異なっていてもよい。以後に説明するXについても同様である。
なお、報告される事故、落下物又は渋滞等が、発信元のユーザが走行している車線ではなく、その対向車線において発生した場合には、そのメッセージは、発信元のユーザの前方を、逆方向(すなわち発信元の走行方向と反対の方向)に走行しているユーザに有用である。このため、例えば、「事故」「落下物」「渋滞」といったキーワードと「対向車線」のようなキーワードとの組み合わせには、配信先範囲1102及び走行方向1103として「前方Xキロメートル」及び「逆方向」が対応付けられてもよい(図示省略)。
また、渋滞に関するメッセージであっても、渋滞の発生(自車が渋滞に巻き込まれたこと)を報告するメッセージではなく、ユーザが巻き込まれている渋滞の先頭がどこにあるか(すなわちその渋滞がどこから続いているものであるか)を問い合わせるメッセージが発信される場合もある。このようなメッセージは、渋滞の先頭がある方向、すなわち発信者の前方を、発信者と同方向に走行するユーザに配信する必要があり、後方に配信する意味はない。このため、例えば、キーワード「渋滞」及び「どこから」の組み合わせには、配信先範囲1102及び走行方向1103として「前方Xキロメートル」及び「同方向」が対応付けられる(図14(b)参照)。
さらに、例えば「きれいな景色が見える」といったメッセージが発信された場合、同じ景色が発信元の前方又は後方に限らず、走行方向にも関わりなく、発信元の周囲の車両から見える可能性がある。このため、例えばキーワード「景色」には配信先範囲1102として「前後Xキロメートル」(又は「周囲Xキロメートル」)が対応付けられる(図14(e)参照)。この場合、走行方向1103は特定されてもよいが、走行方向にかかわらず有効なメッセージである場合には特定されなくてもよい。車内から見える地物(例えば山又は建造物等)が何であるかを問い合わせるメッセージの配信先についても、同様に適切なキーワードと「前後Xキロメートル」等が対応付けられる。
情報配信サーバ101は、前述の処理によってメッセージの配信対象のユーザID又は車両の登録番号を特定できた場合、それに基づいて通知対象車両135を特定する。具体的には、情報配信サーバ101は、特定されたユーザID又は車両の登録番号等に対応するユーザ特定ID800を利用者管理サーバ103から受け取り、これに基づいてメッセージを配信することができる。例えば、発信されたメッセージに通知対象の車両を特定する情報(例えば車両の登録番号)が指定されている場合がこれに相当する(図14(c)参照)。
一方、上記の処理によって「後方Xキロメートル」のような配信先の範囲及び走行方向等が特定された場合、特定された範囲を特定された方向に走行中の車両を通知対象車両群135として特定する必要がある。情報配信サーバ101は、例えば、受信したメッセージの発信元に関する情報(例えばメッセージの発信元ID602又は場所604等)と、特定された配信先に関する情報(例えば「後方Xキロメートル」及び「同方向」等)とを含む配信先検索の問合せを利用者走行位置判断サーバ102に送信する。
この問合せを受けた利用者走行位置判断サーバ102は、配信先として特定された範囲を特定された方向に走行している車両を検索して、その結果を情報配信サーバ101に返信する。
例えば、発信元に関する情報として発信元ID602が含まれる場合、利用者走行位置判断サーバ102は、利用者走行位置判断サーバ102内のDBに格納されている当該発信元の位置情報を読み出し、その座標、走行している道路及び走行方向等を特定する。それらの情報を含む場所604が発信元に関する情報として問合せに含まれている場合はその場所604に従って発信元の座標、走行している道路及び走行方向等を特定してもよい。
次に、利用者走行位置判断サーバ102は、DBを参照して、発信元の車両との位置関係が、問合せに含まれる配信先に関する情報に合致するユーザを検索する。例えば、配信先に関する情報が「後方Xキロメートル」及び「同方向」である場合、利用者走行位置判断サーバ102は、特定された発信元が走行している道路上を走行している別のユーザのうち、発信元の位置から後方Xキロメートルまでの間を、発信元と同じ方向に走行しているユーザを検索し、それによって得られたユーザ特定IDを情報配信サーバ101に返信する。
なお、上記の例では、利用者走行位置判断サーバ102のDBに格納された位置情報、すなわち、各車両の車載装置から取得された位置情報が検索される。それらの位置情報は、実際に計測された最新の位置情報であり、それらを取得する間隔が十分に短ければ、それらを近似的に現在の位置情報として扱うこともできる。しかし、それらは厳密には現在の位置情報ではなく、過去の位置情報であるため、特にメッセージが配信される時点では実際の各車両の位置との乖離が無視できない可能性がある。
このため、利用者走行位置判断サーバ102は、各車両の位置情報の履歴に基づいて所定の時間が経過した時点(具体的には、例えば、配信されたメッセージが各車両に到達すると予想される時点)の各車両の位置情報を推定し、それを対象として上記の検索を行ってもよい。これによって、例えば、所定の時間が経過した時点で、発信元の位置から後方Xキロメートルまでの間を、発信元と同じ方向に走行しているであろうと推定されるユーザを検索することができる。
情報配信サーバ101は、利用者走行位置判断サーバ102から取得したユーザ特定IDによって特定される通知対象車両群135にメッセージを配信する。
なお、ユーザは、他のユーザに伝える必要はないが、道路サポートセンタ等に伝えたい情報を含むメッセージを発信する場合もある。例えば、道路上の設備の故障を報告するメッセージ等がこれに相当する。このような場合のために、メッセージ配信先情報1100は、道路サポートセンタへの報告に特有のキーワード又はその組み合わせと、配信先「道路サポートセンタ」とを対応付ける情報を含んでもよい。情報配信サーバ101は、そのようなキーワード又はその組み合わせを含むメッセージを受信すると、それを通知対象車両群135に配信するのではなく、道路サポートセンタに通知する(図14(d)参照)。
上記のメッセージ処理(図4のステップ402、図7)が終了すると、次に、メッセージ配信処理(図4のステップ403)が実行される。以下、その詳細について説明する。
図12は、本発明の実施形態の通知対象車両群135の車載機器によって実行されるメッセージ配信処理の説明図である。
センタ100の情報配信サーバ101から通知対象車両群135にメッセージが配信されると、通知対象車両群135の車載機器は受信したメッセージをユーザに対して出力する(ステップ1201)。例えば、車載機器の音声出力装置312が、配信されたメッセージを読み上げる音声を出力してもよいし、表示装置313が、配信されたメッセージのテキストを表示してもよい。
なお、既に説明したように、配信されたメッセージには、ランキング判断サーバ104によって判定されたランクが付与されている場合がある。車載機器は、このランクに応じてメッセージの出力を制御することができる。例えば、車載機器は、ユーザが予め設定した条件に従ってメッセージをフィルタリングしてもよい。具体的には、例えば、車載機器は、ユーザが指定した値以上のランクが付与されたメッセージのみを出力し、それ以外のメッセージは出力せずに破棄してもよい。
さらに詳細には、メッセージに付与されたランクが、そのメッセージ(又はそれに類似するメッセージ)を発信したユーザの数を示す値を含む場合、車載機器は、そのユーザの数が所定の値以上であるメッセージのみを出力してもよいし、メッセージに付与されたランクが、そのメッセージに対する他のユーザからの評価の高さを示す値を含む場合、その評価が所定の値以上に高いメッセージのみを出力してもよい。あるいは、車載機器は、メッセージがその発信元を示す情報を含んでいる場合、特定の発信元からのメッセージのみを出力してもよい。
あるいは、車載機器は、付与されたランクを示す情報をメッセージと共に出力してもよい。あるいは、車載機器は、付与されたランクが所定の値より高いメッセージを強調するために、その他のメッセージとは異なる態様で(例えばその他のメッセージより大きい音量の音声で、その他のメッセージより大きい文字で、又はその他のメッセージと異なる色彩の(又は書体の)文字で)出力してもよい。
次に、車載機器は、メッセージに対するユーザからの評価の入力を受け付ける(ステップ1202)。例えば、ユーザが事故又は落下物等を報告するメッセージを受けた後、そのメッセージの内容と一致する事故現場等を目撃した場合、高い評価を入力してもよい。車載機器は、入力された評価をセンタ100に送信する。
次に、メッセージ評価処理(図4のステップ404)の詳細について説明する。
図13は、本発明の実施形態のセンタ100によって実行されるメッセージ評価処理の説明図である。
センタ100は、車載機器から送信された評価を受信し、それを集計する(ステップ1301)。具体的には、センタ100は、配信したメッセージごとに、そのメッセージに対する評価を集計してもよいし、配信したメッセージの発信元のユーザごとに、メッセージに対する評価を集計してもよいし、メッセージを受信したユーザ(すなわち評価を行ったユーザ)と、そのメッセージの種類との組み合わせごとに、メッセージに対する評価を集計してもよい。例えば、メッセージごとの評価の平均値又は最頻値といった統計値を、各メッセージの集計後の評価として算出し、これを前述のランクに反映させることができる。ユーザごとの集計等についても同様である。
例えば、情報配信サーバ101が上記のような集計を行い、メッセージごとに集計した結果をランキング判断サーバ104に通知し、ユーザごとに集計した結果を利用者管理サーバ103及びランキング判断サーバ104に通知してもよい。利用者管理サーバ103及びランキング判断サーバ104は、通知された集計後の評価を各ユーザ及び各メッセージに対応付けて保持する。
その後、センタ100の情報配信サーバ101は、集計後の評価をメッセージの配信に反映させることができる(ステップ1302、図7のステップ703等)。例えば、評価が所定の値より低いユーザ(より詳細には、例えば虚偽の報告をすることが多く、信頼性が低いと評価されたユーザ)から発信されたメッセージは配信せずに破棄してもよい。あるいは、既に説明したように、メッセージに評価を付与して配信してもよい。
なお、既に説明したように、図12に示したもとの同様のフィルタリングを情報配信サーバ101が行う場合もある(ステップ1303)。例えば、図12を参照して説明したようなフィルタリングの条件をユーザが予めセンタ100に送信し、センタ100の情報配信サーバ101がその条件に従ってメッセージのフィルタリングを行ってもよい。
センタ100は、さらに、ステップ1301における集計によって得られた、メッセージを受信したユーザと、そのメッセージの種類との組み合わせごとの評価を記録してもよい(ステップ1304)。これによって、それぞれのユーザのメッセージに対する好みを推定することができ、情報配信サーバ101は、推定された各ユーザの好みに従ってメッセージの配信を制御してもよい。
これまでに説明したメッセージのランクの判定基準(例えば図10参照)及びメッセージの配信先の判定基準(例えば図11参照)は、予め管理者112等によって与えられ、それらが(管理者112等によって明示的に更新されない限り)更新されないまま継続的に使用されてもよいが、種々の条件に応じて自動的に更新(すなわち学習)されてもよい。
例えば、メッセージを受信した通知対象車両群135の各車両の車載機器は、モーションセンサ309及び車両内部情報・制御機器群315等から取得された車両の動きに関する情報をランキング判断サーバ104に送信してもよい。ランキング判断サーバ104は、情報配信サーバ101が配信したキーワードを含むメッセージの受信と、そのメッセージを受信した車両の動きとの相関を計算し、その相関が高いほど当該キーワードに対応するランク(例えば緊急度、危険度又は重要度等)が高くなるように、ランクの判断リストを更新してもよい。キーワードを含むメッセージの受信と車両の動きとの相関が高いほど、そのキーワードを含むメッセージが車両の動きに大きな影響を与える(すなわちそのメッセージの有用性が高い)と考えられるためである。
同様に、情報配信サーバ101は、キーワードと車両の動きとの相関に基づいて配信先情報1100を更新してもよい。例えば、上記と同様にメッセージの受信と各車両の動きとの相関を計算した結果、発信車両の後方Xキロメートルの範囲内の車両の動きとメッセージの受信との相関が所定の値より高い場合、その範囲内の車両のユーザにとって当該メッセージの有用性が高い、言い換えると、その範囲が当該メッセージの有効範囲であると考えられる。このため、情報配信サーバ101は、当該メッセージに含まれるキーワード1101に対応する配信先範囲1102を「後方Xキロメートル」に更新してもよい。
上記のような学習は、ユーザが入力したメッセージに対する評価に基づいて行われてもよい。例えば、ランキング判断サーバ104は、配信したメッセージに対する評価を集計し、集計された評価が高いほど、そのメッセージに含まれるキーワードに対応するランクが高くなるように、ランクの判断リストを更新してもよい。
あるいは、情報配信サーバ101は、メッセージに対する評価と、その評価を行ったユーザの位置とに基づいて、そのメッセージの有効範囲を推定し、それに基づいて配信先情報1100を更新してもよい。例えば、発信車両の後方Xキロメートルの範囲内の車両のユーザからの評価が所定の値より高い場合、情報配信サーバ101は、その範囲を当該メッセージの有効範囲と推定し、当該メッセージに含まれるキーワード1101に対応する配信先範囲1102を「後方Xキロメートル」に更新してもよい。
以上に記載したように、本発明の実施形態によれば、車載機器から取得された情報を、取得した情報の内容及び各車両の位置情報に基づいて、適切な車両の車載機器に配信することができる。さらに、取得した情報の内容に基づいて当該情報のランクを判定し、それに基づいて情報の配信を制御することができる。これによって、緊急度の高さ等に応じて適切に情報を処理することができる。複数の車両から類似する情報が取得された場合、それらから配信する情報を絞り込むことによって、ネットワークの混雑を防止することができる。配信された情報を受けた車両のユーザから当該情報の評価を入力されると、それに基づいて情報のランクを判定することもできる。これによって、例えば信頼性の低い情報の配信を制御することができる。さらに、配信された情報を受けた車両の動き又は入力された評価に基づいて、配信先に関する情報及びランクの判定に関する情報を学習することもできる。これによって、より的確なランクの判定及び適切な配信先の選択を行うことができる。