以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における情報配信システム100を示す。
情報配信システム100は、図1に示すように、車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20、センター装置30を含んで構成され、センター装置30が路側無線装置20を介して車載器10にコンテンツ情報を配信する。路側無線装置20は路上や駐車場等に複数設置され、各路側無線装置20はネットワークNを介してセンター装置30と接続されている。また、路側無線装置20と、路上を走行する車両Cの車載器10とは無線通信が可能である。
センター装置30が車載器10に配信するコンテンツ情報の内容としては、例えば、車両C周辺の店舗、駐車場、医療施設等の各種施設のサービス案内等が挙げられる。
以下、各構成装置について詳細に説明する。
路側無線装置20は、図2に示すように本体装置20aとアンテナ20bとから構成されている。路側無線装置20は、道路脇や道路上方、駐車場、道の駅等に設置されたアンテナ20bから、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して、路側無線装置20近傍に相互通信エリアZを形成する。この相互通信エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。以下、路側無線装置20と車載器10間の狭域無線通信を路車間通信という場合がある。
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20がそれぞれ形成する相互通信エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
本体装置20aは、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ20bを介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10へ転送する。本体装置20aは、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータ端末を適用することができる。
なお、路側無線装置20の本体装置20aがセンター装置30としての機能を一部或いは全部備えていてもよい。
車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electronic Toll Collection System)利用のた
めの処理を行う機能等を有している。
車載器10は、図3に示すように、カーナビ部1、通信モジュール2、DSRC部3、制御部4を備えて構成されている。
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)
等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、路側無線装置20との路車間通信を行う際にはDSRC部3の通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。また、DSRC部3を介してセンター装置30から受信したコンテンツ情報の保存、再生制御等を行う。
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g等を備えて、車両Cを案内経路へ誘導するための処理を行う。
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから取得した現在地の情報及び地図記憶部1cに記憶された地図情報等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの案内経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図情報を用いて算出した案内経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させる。
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車の加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行い、車両の絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両の現在地を示す現在地情報(経度、緯度等の情報)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図情報、通信モジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。
入力部1dは、操作キーや、表示部1eと一体に構成され、表示部1eの画面上の押下操作を検出するタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、制御部4に出力する。
表示部1eは、モニタを備え、制御部4の制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報の表示画面等である。
記憶部1fは、不揮発メモリ等により構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。
また、記憶部1fは、センター装置30に提供するアップリンク情報を記憶するとともに、センター装置30から受信したコンテンツ情報を記憶し保存する。
アップリンク情報は、センター装置30において、車載器10にどのような内容のコンテンツ情報を配信するかを決定する際に用いられる情報である。車載器10のユーザがコンテンツ情報の配信サービスについて契約をした配信事業者が複数ある場合には、アップリンク情報は配信事業者毎に各配信事業者に応じた内容で制御部4により生成され、記憶部1fに記憶される。アップリンク情報は最新の内容となるように制御部4が常に更新を行って記憶部1fに保存させる。
図4に、アップリンク情報のデータ構成例を示す。図4に示すように、アップリンク情報は、「基本情報」、「過去立ち寄り地情報」、「受信/再生履歴情報」を含んで構成される。
「基本情報」には、「事業者コード」、「目的地情報」、「経由地情報」、「累計走行距離情報」、「嗜好ジャンルテーブルバージョン情報」、「嗜好ジャンルデータ」、「会員情報」等の項目の情報が含まれる。
「事業者コード」は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約した配信事業者を特定する情報である。
「目的地情報」は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、「経由地情報」はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、「累計走行距離情報」はDSRC部3のセットアップ(販売店などにより、車両情報を登録する作業)時点から現在までの車両Cの累計走行距離の情報である。
「嗜好ジャンルテーブルバージョン情報」は、「事業者コード」により特定される配信事業者から配信された嗜好ジャンルテーブルのバージョンを示す情報である。嗜好ジャンルテーブルは、予め配信事業者が準備したジャンル項目(例えば、ショッピング、グルメ、暮らし等)についての嗜好データ番号(ジャンル項目を特定する番号)やジャンル名の表示用テキスト情報等を一覧にしたテーブルであり、ユーザが嗜好するジャンルを設定する際に使用される。
「嗜好ジャンルデータ」は、ユーザが嗜好するジャンルとして設定したジャンル項目を示す情報である。嗜好ジャンルデータは、嗜好ジャンルテーブルに規定される嗜好データ番号で表されており、96項目まで含めることができる。
「過去立ち寄り地情報」は、過去に車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
会員情報は、配信サービスの会員であるユーザが配信事業者に通知する各種の情報である。会員情報としては、例えば、配信されたコンテンツ情報に対するコメント情報や、配信されたコンテンツ情報に含まれる後述するID40の詳細情報(会員に賦与したクーポン等の特典情報等)のコピー等が挙げられる。
受信/再生履歴情報は、センター装置30から配信されたコンテンツ情報の情報コード(受信情報コード)及びそのコンテンツ情報を再生したか否かを示す再生識別フラグ(再生したことを示す「1」、再生しなかったことを示す「0」)により構成される情報である。
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4から指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4から指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
通信モジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、通信センターと光通信、FM通信、電波通信を行う。通信モジュール2は通信センターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。通信センターとしてはVICSセンター等を挙げることができるが、これに限らず、また、通信センターから受信する情報としては、渋滞情報や道路交通情報に限らない。
なお、通信モジュール2は他にもWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のDSRC以外の通信手段を使用することにより、インターネット等の情報を入手することもできる。
DSRC部3は、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
DSRC部3は、図3に示すようにDSRC制御部3a、通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3e、ICカードI/F3fを備えて構成されている。
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3eにより決済情報の書き込み処理を行わせる。
また、センター装置30からコンテンツ情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに記憶されている情報を、通信部3bにより路側無線装置20に送信させる一方、通信部3bにより路側無線装置20を介してコンテンツ情報を受信した場合にはこれを制御部4に出力する。
通信部3bは、例えば車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20やETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
記憶部3cは、不揮発メモリ等により構成され、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。
また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域Mが設けられている。アップリンク情報記憶領域Mは、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、図4に示すアップリンク情報の他、車載器10の特性情報(図示せず)が記憶される。
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10の車載器ID、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、車載器10が対応可能な著作権管理技術、表示部1eのディスプレイの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応、コンテンツ情報の蓄積が可能な記憶容量等の情報が含まれる。なお、車載器IDは各車載器10に固有の識別情報である。
アップリンク情報をセンター装置30に送信する際のデータ形式は予め定められており、記憶部1fに記憶されたアップリンク情報は、上記予め定められたデータ形式に則ってアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれる。アップリンク情報記憶領域Mは、より詳細には、5つのタグエリアが設けられており、タグ1に基本情報が、タグ2〜3に過去立ち寄り地情報が、タグ4〜5に受信/再生履歴情報が書き込まれる。センター装置30にアップリンク情報が送信される際には、タグ1〜5に書き込まれた情報のそれぞれにタグを識別するタグ番号を付与して送信される。
図5に、タグ1に書き込まれる「基本情報」部分のデータ形式の一例を示す。なお、事業者コードのByte数は、センター装置30から取得された事業者コードと同一である。
会員情報は、図5に示す会員情報数識別フラグ領域(4bit)、会員情報1〜8(それぞれ16byte)、コメント識別フラグ領域に格納される情報により構成される。
会員情報数識別フラグは、0=情報なし、1〜8=会員情報数と定義されており、会員情報数識別フラグ領域には、会員情報1〜8に格納されている会員情報数に応じた数値が格納される。
会員情報1〜8領域には、会員が配信事業者に通知する任意の情報が格納される。会員が配信事業者に通知する任意の情報は、例えば、配信されたコンテンツ情報に対して入力されたコメント情報や、配信されたコンテンツ情報に含まれるID40の詳細情報(詳細後述。クーポン情報等)のコピー等が挙げられる。
コメント識別フラグは、0=コメント情報なし、1〜8=会員情報1〜8と定義されており、コメント識別フラグ領域には会員情報1〜8に格納されているコメント情報数に応じた数値が格納される。
ETC処理部3eは、ICカードI/F3fに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F3fは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3eの間で情報のやりとりを仲介する。
次に、センター装置30について説明する。
センター装置30は、コンテンツ情報を記憶し、これを車載器10に配信する。
なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、コンテンツ情報を配信する配信事業者は複数あり、センター装置30は配信事業者毎に備えられるものである。
図6に、センター装置30の機能的構成を示す。
図6に示すように、センター装置30は制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、制御部31は記憶部34に保存されているコンテンツ情報を読み出して編成したり、編成したコンテンツ情報の配信制御を行う。なお、編成とは配信するコンテンツ情報をアップリンク情報に基づいて選択すること等をいう。また、制御部31は、車載器10から取得したアップリンク情報にコメント情報が含まれている場合に車載器10のユーザに対する特典ポイントを加算し、付与した特典の通知を行う特典加算処理等を行う。
入力部32は、キーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
記憶部34は、不揮発メモリやハードディスク等により構成され、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
また、記憶部34は、図6に示すように、会員情報DB(Data Base)341、コメントDB342を記憶している。
図7に、会員情報DB341のデータ格納例を示す。ユーザと配信事業者との間でコンテンツ情報の配信サービスに加入する契約を行う際には、会員登録が行われる。会員情報DB341は、この会員登録された情報や会員の取得ポイント等を格納するデータベースである。会員情報DB341は、図7に示すように、「レコードNO.」フィールド、「車載器ID」フィールド、「会員氏名」フィールド、「住所」フィールド、「取得ポイント」フィールド等を有し、各フィールドの情報を対応付けて1レコードとして格納する。
「レコードNO.」フィールドは、会員情報DB341においてレコードを識別するために付与された番号を格納する領域である。「車載器ID」フィールドは、会員登録されたユーザの車載器10を識別するための車載器IDを格納する領域である。「会員氏名」フィールドは、会員登録されたユーザの氏名を格納する領域である。「住所」フィールドは、会員登録されたユーザの住所を格納する領域である。「取得ポイント」フィールドは、会員登録されたユーザが取得した特典ポイント数を格納する領域である。
図8に、コメントDB342のデータ格納例を示す。コメントDB342は、車載器10から送信されたアップリンク情報に含まれるコメント情報を格納するデータベースである。コメントDB342は、図8に示すように、「レコードNO.」フィールド、「車載器ID」フィールド、「情報コード」フィールド、「コメント」フィールド等を有し、各フィールドの情報を対応付けて1レコードとして格納する。
「レコードNO.」フィールドは、コメントDB342においてレコードを識別するために付与された番号を格納する領域である。「車載器ID」フィールドは、コメント情報を送信した車載器10の車載器IDを格納する領域である。「情報コード」フィールドは、コメント情報の入力対象となったコンテンツ情報を識別するための情報コードを格納する領域である。「コメント」フィールドは、コメント情報を格納する領域である。
また、記憶部34は、コンテンツ情報の配信事業者に個別に付与されている事業者コードや、配信すべきコンテンツ情報を記憶している。コンテンツ情報は、車載器10に配信した嗜好ジャンルデータテーブルにより規定されるジャンル項目毎に分類されている。
図9に、センター装置30から配信されるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す。
コンテンツ情報は、図9に示すように、大区分番号(ID)より分類される情報がいくつかの格納可能なファイルにより構成され、提供するコンテンツの内容に応じて必要なIDの情報が格納されている。
ここで、IDにより分類される情報のうち、本実施の形態に必要な主要な情報について説明する。
ID00に分類される「構成ID情報」は、当該コンテンツ情報を構成するIDの情報である。即ち、構成ID情報は、当該コンテンツ情報の何れのIDに情報が格納されているかを示す情報である。
ID01に分類される「事業者情報」は、当該コンテンツを配信する配信事業者に関する情報であり、例えば、コンテンツを提供する配信事業者の「事業者コード」、「事業者名表示用テキスト」等が含まれる。
ID02、ID03に分類される「コンテンツ属性情報」は、当該コンテンツの属性を示す情報である。
ID02に分類される「コンテンツ属性情報」には、例えば、コンテンツを提供する情報提供企業の「情報提供企業コード」、「情報提供企業名表示用テキスト」、コンテンツを特定するための識別情報である「情報コード」、コンテンツの内容を示す「情報タイトル表示用テキスト」、コンテンツのカテゴリを示す「嗜好データカテゴリ情報」等が含まれる。なお、「嗜好データカテゴリ情報」のカテゴリは、上述の嗜好ジャンルテーブルにより規定されるジャンル項目と同義であり、「嗜好データカテゴリ情報」は、上述の嗜好データ番号で記載される。
ID03に分類される「コンテンツ属性情報」には、当該コンテンツを相互通信エリアZ外でも利用可能なコンテンツとして蓄積するか、受信完了後に即時再生するかを表す識別子としての「即時/蓄積コード」が含まれる。
ID04に分類される「有効期限情報」は、当該コンテンツの有効期限を示す情報であり、「開始年月日時分秒」、「終了年月日時分秒」等が含まれる。
ID10に分類される「対象地点情報」は、当該コンテンツにより案内されるサービスが提供される地点(対象地点という)に関する情報や当該コンテンツの実データを含む。「対象地点情報」は、対象地点の緯度経度を示す「対象地点座標情報」、対象地点で提供されるサービスや店舗の名称を示す「サービス名称表示用テキスト」、サービスの説明用テキスト情報である「表示用文字データ」、サービス案内等の画面を表示するための「表示画像データ」、サービスの音声案内のための「表音文字列データ」及び「圧縮音声データ」、当該コンテンツの内容に関連する情報を提供するWebページの格納場所のアドレスを示す「URL情報」、対象地点以外の提携駐車場を示す「提携駐車場情報」、対象地点を地図画面上に表示する際の「アイコン表示画像データ」等が含まれる。
ID30に分類される「遷移情報」は、当該コンテンツの再生の次に再生可能なコンテンツ(再生遷移先)を示す情報である。「遷移情報」により、8分岐の再生遷移が可能であり、「遷移情報」は、次に再生可能なコンテンツの情報コード(ID02)を示す「次再生情報コード1」〜「次再生情報コード8」が含まれる。なお、画面遷移先が8未満の場合には、その遷移先の数を超える「次再生情報コード」には情報コードが格納されない。
ID40に分類される「詳細情報」は、ID10のコンテンツ(画像、音声等)の内容に関する詳細な情報である。「詳細情報」には、ID10のコンテンツの内容を示す情報(例えば、クーポン情報、バーゲン情報であることを示すコード等)からなる「詳細情報データ」、ID10のコンテンツの内容を示すテキスト情報である「詳細情報表示用テキスト」、ID10のコンテンツの内容を音声出力するための「詳細情報表音文字列データ」等が含まれる。
センター装置30から車載器10に対しては、複数のコンテンツ情報が配信される。配信される複数のコンテンツ情報は階層化されており、車載器10において、ID30の遷移情報によって規定される階層構造に従って順次画面を遷移させてコンテンツ情報を再生できるようになっている。
次に、動作について説明する。
図10〜図11は、コンテンツ情報を配信する際におけるセンター装置30、路側無線装置20、車載器10のDSRC部3及び制御部4における処理の流れを説明するフローチャートである。
図10に示すように、まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップS1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS2)。特性情報は、予めセンター装置30との間で取り決められている項目について制御部4が表示部1e等の各部に問い合わせて取得したり、予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得する。そして、取得された情報を制御部4がコード化し、アップリンク情報記憶領域Mの対応する領域に当該コードを書き込む。なお、実際には書き込みを指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域Mに書き込む。
その後、車両Cが走行を開始し、路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップS3a、S3b)。すなわち、DSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップS4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップS4b)。
次いで、DSRC部3はアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップS5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。
センター装置30において、通信部35により特性情報が受信されると、制御部31は、受信した特性情報に含まれる車載器IDに基づいて車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かを判断する(ステップS6)。
センター装置30の制御部31は、会員情報DB341に登録されている配信サービスの全会員の車載器IDのうち、受信した車載器IDと一致するものがなく、車載器10のユーザが非会員であると判断すると(ステップS6;NO)、通信部35により路側無線装置20を介して非会員向けのコンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップS38)。配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成して車載器10に送信し(ステップS39)、センター装置30における処理を終了する。非会員用のコンテンツ情報とは、例えば、電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。
一方、受信した車載器IDと一致する車載器IDが会員情報DB341に登録されており、車載器10のユーザが会員であると判断すると(ステップS6;YES)、センター装置30の制御部31は、通信部35により、路側無線装置20を介して会員用のデフォルトのコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップS7)。会員用のデフォルトのコンテンツ情報は、例えば、コンテンツ情報の配信開始を示すWelcome画面情報等である。
また、制御部31は、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS8、S11)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報の送信を要求する。
路側無線装置20を介してコンテンツ情報が受信されると、車載器10の制御部4は、受信したコンテンツ情報に含まれる事業者コードと、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれる契約した事業者の事業者コードとを照合することにより、受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者であるか否かを判断する。受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者ではないと判断した場合(ステップS9;NO)、制御部4は、センター装置30からの配信終了を通知するメッセージ情報の受信に応じて、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップS40)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS41)。そして、制御部4は、入力部1dを介して入力されるユーザの指示に応じて記憶部1fに保存されたコンテンツ情報を読み出して、表示部1eや音声出力部1gにより再生を行う(ステップS42)。なお、コンテンツ情報の表示、再生は車載器10のエリアアウト後も可能である。
一方、通信が確立したセンター装置30における配信事業者が契約した事業者であると判断すると(ステップS9;YES)、制御部4は、当該配信事業者の事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS10)。
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書き込みが行われると、センター装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS12)。
センター装置30において、通信部35を介してアップリンク情報が受信されると、制御部31は、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10にアップリンク情報開放要求を送信する(ステップS13)。制御部4は、センター装置30から送信されたアップリンク情報開放要求を路側無線装置20を介して受信すると、ステップS10においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだアップリンク情報を削除するとともに、記憶部1fに記憶された過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報のうち、ステップS10においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだ情報を削除する(ステップS14)。
なお、記憶部1fに記憶されたアップリンク済みの過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報については、削除せずにアップリンク済みであることを示すフラグ等を立てて保存するように管理してもよい。この場合、次にアップリンク情報記憶領域Mにアップリンク情報を書き込む際、制御部4は、アップリンク済みで内容が同じの情報は書き込まないように制御する。
センター装置の制御部31は、通信部35によりアップリンク情報を受信すると、受信したアップリンク情報の会員情報を参照し、当該受信したアップリンク情報にコメント情報が含まれているか否かを判断する(ステップS15)。当該受信したアップリンク情報にコメント情報が含まれていると判断すると(ステップS15;YES)、制御部31は、特典加算処理を実行する(ステップS16)。
図12に、ステップS16においてセンター装置30の制御部31により実行される特典加算処理を示す。
特典加算処理において、制御部31は、受信したアップリンク情報の会員情報から情報コード及びコメント情報(コメント文字列)を取得し(ステップS101)、取得した情報をコメントDB342に登録する(ステップS102)。
次いで、制御部31は、会員情報DB341において、アップリンク情報の送信元車載器10の車載器IDに対応する「取得ポイント」フィールドのポイント数を加算し(ステップS103)、加算した(付与した)特典ポイント数の通知情報を通信部35により車載器10に送信し(ステップS104)、本処理を終了する。
例えば、受信したアップリンク情報に含まれるコメント情報数やコメントの文字数に応じた特典ポイント数が予め定められており、制御部31は、会員情報DB341において、アップリンク情報の送信元車載器10の車載器IDに対応する「取得ポイント」フィールドに、受信したアップリンク情報に含まれるコメント情報数やコメントの文字数に応じたポイント数を加算する。アップリンク情報に含まれる会員情報1〜8にコメントが書き込まれた際には、最初の上位所定Byte(ここでは5Byte)にコメントの入力対象となったコンテンツ情報の情報コードが書き込まれ、次のByteには情報コードとコメントの文字列との間には区切り記号である「,」が含まれるので(図16参照)、会員情報1〜8の上位所定Byte目に含まれる区切り記号をカウントすることにより会員情報に含まれるコメント情報数を取得することができる。
特典ポイント数の通知情報は、例えば、「○○ポイントが加算されました」等のメッセージが表示された通知画面を表示するためのコンテンツ情報として送信される。なお、通知画面のコンテンツ情報のID40の詳細情報に特典ポイントに応じたクーポン情報等の特典情報を記載して、車載器10に送信するようにしてもよい。
また、センター装置30の制御部31は、受信されたアップリンク情報に基づいて配信するコンテンツ情報を編成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS17)。
ステップS17においては、例えば、受信したアップリンク情報の嗜好ジャンルデータ等を参照し、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報のうちユーザが嗜好するジャンル項目に分類されるコンテンツ情報等を配信するコンテンツとして選択し、該当するコンテンツ情報を記憶部34から読み出して順次車載器10に配信する。
コンテンツ情報の配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップS18)。
車載器10において、センター装置30から配信されたコンテンツ情報及び配信終了通知を路側無線装置20を介して受信すると、車載器10の制御部4は、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップS19)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存するとともに、記憶部1fに受信履歴を記憶する(ステップS20)。具体的には、記憶部1fに記憶されている当該事業者コードに対応するアップリンク情報に、受信したコンテンツ情報の受信情報コードを書き込む。
コンテンツ情報を保存すると、制御部4は、入力部1dにより入力されるユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行する(ステップS21)。
図13に、ステップS21において車載器10の制御部4により実行されるコンテンツ再生処理を示す。
コンテンツ再生処理において、制御部4は、まず、受信した1つのコンテンツ情報を読み出す(ステップS201)。処理開始時には、受信したコンテンツ情報のうち最上位階層のコンテンツ情報を検索して読み出す。
次いで、制御部4は、コンテンツに対するコメントを書き込む指示をユーザが入力するための「コメント入力」ボタンB1を作成し(ステップS202)、「コメント入力」ボタンB1を含むコンテンツ情報の再生を行う(ステップS203)。具体的に、読み出されたコンテンツ情報の「表示用文字データ」、「表示画像データ」に基づいて表示部1eに画面を表示するとともに、表示された画面上の所定の位置に「コメント入力」ボタンB1を表示する。「コメント入力」ボタンB1の作成はコンテンツ情報再生後、画面G1の何れかをタッチ指示された場合を切っ掛けに「コメント入力」ボタンB1の作成を開始しても良い。また、「表音文字列データ」に基づいて音声出力部1gにより音声を出力する。図14に、ステップS203において表示部1eに表示される画面G1の一例を示す。
次いで、制御部4は、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報における当該コンテンツ情報の情報コードに対応する再生識別フラグに「1」を設定することによって再生履歴を保存する(ステップS204)。
入力部1dにより「コメント入力」ボタンB1が押下され、コメントを書き込む指示が入力されると(ステップS205;YES)、制御部4は、入力インターフェース画面G2を表示部1eに表示する(ステップS206)。
図15に、ステップS206において表示される入力インターフェース画面G2の一例を示す。図15に示すように、例えば、コメント情報を入力するためのキーボート等により構成される入力インターフェース画面G2が表示される。
入力インターフェース画面G2に従って、入力部1dによりコメント情報が入力されると(ステップS207)、制御部4は、ステップS203において再生したコンテンツ情報の情報コード及び入力されたコメント情報(コメント文字列)をセンター装置30から通知された事業者コードの配信事業者についてのアップリンク情報の会員情報として記憶部1fに記憶し(ステップS208)、ステップS209の処理に移行する。
ステップS205において、入力部1dによりコメント書き込みが指示されない場合(ステップS205;NO)、ステップS209の処理に移行する。
ステップS209においては、制御部4は、入力部1dにより次のコンテンツ情報の再生が指示されたか否かを判断する。次のコンテンツ情報の再生が指示されたと判断すると(ステップS209;YES)、ステップS201の処理に戻り、ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。入力部1dにより次のコンテンツ情報の再生が所定時間内に指示されていないと判断するもしくはユーザにより再生の終了を指示されると(ステップS209;NO)、制御部4は、本処理を終了する。
一方、センター装置30の制御部31は、通信部35により、路側無線装置20を介して車載器10に対し定期的にポーリングを行って(図11ステップS22、S24)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報の送信を要求する。
車載器10の制御部4は、コンテンツ再生処理が終了すると、センター装置30から通知された事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS23)。このステップS23により、コンテンツ再生処理で書き込まれたコメント情報がアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれる。
図16に、アップリンク情報記憶領域Mの会員情報領域1〜8へのデータ書き込みの一例を示す。図16に示すように、まず、コメントの対象となったコンテンツ情報の情報コードが会員情報1〜8の空き領域の上位所定Byte(ここでは、5Byte)に書き込まれ、次いで、区切り記号「,」が書き込まれ、区切り記号に続いてコメントの文字情報が書き込まれる。文字数が多い場合は、次の会員情報欄に跨って書きまれる。なお、会員情報1〜8においては、合計128byteの情報しか書き込みできず、1回のセンター装置30へのアップリンク情報の送信により、情報コードとコメント情報を合わせて最大128Byteの情報しかセンター装置30に送信することができないが、文字数が多い場合は、センター装置30に複数回アップリンク情報を送信することで、文字数の多いコメント情報にも対応することができる。
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書き込みが行われると、センター装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS25)。
センター装置30において、通信部35を介してアップリンク情報が受信されると、制御部31は、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10にアップリンク情報開放要求を送信する(ステップS26)。制御部4は、センター装置30から送信されたアップリンク情報開放要求を路側無線装置20を介して受信すると、ステップS23においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだアップリンク情報を削除するとともに、記憶部1fに記憶された過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報のうち、ステップS23においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだ情報を削除する(ステップS27)。
センター装置30の制御部31は、通信部35によりアップリンク情報を受信すると、受信したアップリンク情報の会員情報を参照し、当該アップリンク情報にコメント情報が含まれているか否かを判断する(ステップS28)。当該受信したアップリンク情報にコメント情報が含まれていると判断すると(ステップS28;YES)、制御部31は、図12に示す特典加算処理を実行する(ステップS29)。ここで、文字数の多いコメント情報の場合、複数回のアップリンク情報の送信によってコメントの全文が送信されてくるが、情報コードは図16に示すように1つのコメント情報のはじめに1つ付加されるので、ステップS16で説明したように、ユーザのコメント情報数に応じて特典ポイントを加算する場合、アップリンク情報に含まれる情報コード数(或いは区切り記号数)をカウントすることにより、重複無く特典ポイントを加算することができる。例えば、今回受信したコメント情報が途中で切れていた場合、今回の特典加算処理でポイントが加算されるが、次回受信時は今回の続きのコメント情報にはポイントが情報コードが含まれないため特典ポイントは加算されない。なお、コメント情報の文字列の最後にコメントが終了したことを示す識別子(例えば、「;」等)を送ることとし、コメント情報を全て受信した時点で特典ポイントを加算することとしてもよい。
また、センター装置30の制御部31は、通信部35により、路側無線装置20を介して車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS30、S32)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報の送信を要求する。
車載器10の制御部4は、ステップS27におけるアップリンク情報の削除が終了すると、センター装置30から通知された事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS31)。このステップS31により、コンテンツ再生処理で書き込まれたコメント情報がステップS23で送信しきれなかった場合、まだ送信されていない続きのコメント情報がアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれる。
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書き込みが行われると、センター装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS33)。
センター装置30において、通信部35を介してアップリンク情報が受信されると、制御部31は、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10にアップリンク情報開放要求を送信する(ステップS34)。制御部4は、センター装置30から送信されたアップリンク情報開放要求を路側無線装置20を介して受信すると、ステップS31においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだアップリンク情報を削除するとともに、記憶部1fに記憶された過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報のうち、ステップS31においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだ情報を削除する(ステップS35)。
センター装置30の制御部31は、通信部35によりアップリンク情報を受信すると、受信したアップリンク情報の会員情報を参照し、当該アップリンク情報にコメント情報が含まれているか否かを判断する(ステップS36)。当該受信したアップリンク情報にコメント情報が含まれていると判断すると(ステップS36;YES)、制御部31は、図12に示す特典加算処理を実行する(ステップS37)。
以降、車載器10が相互通信エリアZ外に移動することにより(エリアアウト)一定時間以上路側無線装置20との通信が途絶えるまで、ステップS30〜S37の処理が繰り返し実行される。車載器10が相互通信エリアZ外に移動することにより(エリアアウト)一定時間以上通信が途絶えると、コンテンツ情報配信の一連の処理は終了する。
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、車載器10は、センター装置30から受信したコンテンツ情報を再生した際に、入力部1dにより当該コンテンツ情報についてのコメントの入力が指示されると、当該コンテンツ情報についてのコメント情報を入力するためのキーボードが表示された入力インターフェース画面G2を表示部1eに表示し、入力されたコメント情報及び当該コメント情報の入力対象となったコンテンツ情報を識別するための情報コードを、センター装置30に送信するアップリンク情報の会員情報に含めてセンター装置30に送信する。
従って、車載器のユーザが、コンテンツ情報の配信を行うセンター装置に対し、受信したコンテンツ情報に関するコメント情報を車載器から発信することが可能となる。
また、センター装置30は、車載器10から受信したアップリンク情報にコメント情報が含まれているか否かを判断し、コメント情報が含まれている場合に、送信元車載器10のユーザにコメント情報に対する特典ポイントを加算し、加算した特典ポイント数の通知情報を車載器10に送信する。
従って、コンテンツ情報に対するコメント情報を入力してくれたユーザに特典ポイントを付与することが可能となり、配信事業者は、会員へのサービスを向上させることができる。
また、車載器10は、入力されたコメント情報を記憶部1fに記憶しておき、センター装置30から以前送信したアップリンク情報開放要求を受信した後、新たにポーリングを受信した場合に、記憶部1fに記憶された、送信済みのコメント情報の続きのコメント情報を含むアップリンク情報をDSRC部3によりセンター装置30に送信する。
従って、文字数の多いコメント情報が入力されても、センター装置30に送信することができる。
なお、受信したコンテンツ情報の再生は、相互通信エリアZ外でも行うことができる。相互通信エリアZ外で図13に示すコンテンツ再生処理が実行されてコメント情報が入力された場合、入力されたコメント情報は情報コードと対応付けて記憶部1fに保存されるので、次にエリアインしたときに入力されたコメント情報がアップリンク情報の会員情報1〜8に書き込まれて送信される。
また、上記実施の形態においては、全てのコンテンツ情報のなかからユーザが所望するコンテンツ情報にコメントが入力できる構成としたが、コメント入力対象のコンテンツ情報をセンター装置30で予め定めてコメント入力対象のコンテンツ情報にその旨を示すフラグを立てて送信するようにしてもよい。そして、車載器10においては、コメント入力対象のコンテンツ情報に対してコメント入力ボタンB1を表示するようにしてもよい。このようにすれば、配信事業者はコメントを希望するコンテンツ情報に対してのみコメント情報を収集することが可能となる。
また、上記実施の形態においては、コメント情報として文章を入力する場合を例にとり説明したが、ID10の表示画像データ、表音列データ、音声データ等に、コメントに対応するコードを含ませ、そのコードをユーザが入力するようにしてもよい。例えば、図14のコンテンツを表示している場合に、このコンテンツについて、「一番近いと思われるコメントを入力してください。Aとても役に立ったB面白かったC役に立たなかった」と音声出力し、ユーザはその選択岐として例えば「A」とコメントを入力することにより、コメント情報の入力としてもよい。或いは、評価点を入力するようにしてもよい。例えば、図14のコンテンツについて「本コンテンツについての評価点を入力してください」と音声出力し、ユーザが「80」と入力することでもよい。なお、コンテンツ情報が表示画像データの場合は、画面に選択岐や評価点を促す内容の文章が表示されることとなる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
まず、第2の実施の形態の構成を説明する。
第2の実施の形態における各装置の構成、及びコンテンツ情報、アップリンク情報のデータ構成は第1の実施の形態と略同様であるので説明を援用し、第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
第2の実施の形態において、センター装置30の記憶部34は、第1の実施の形態で説明したように、制御部31により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要な各種データ、コンテンツ情報の配信事業者に個別に付与されている事業者コード、配信すべきコンテンツ情報、会員DB341を記憶している他、アンケートDB343を記憶している。アンケートDB343は、車載器10のユーザに対して実施するアンケートについての情報を格納するデータベースである。
図17に、アンケートDB343のデータ格納例を示す。図17に示すように、アンケートDB343は、「レコードNO.」フィールド、「アンケート該当情報コード」フィールド、「アンケート画面情報コード」フィールド、「YES」フィールド、「NO」フィールド等を有し、各フィールドの情報を対応付けて1レコードとして格納する。「レコードNO.」フィールドは、アンケートDB343においてレコードを識別するために付与された番号を格納する領域である。「アンケート該当情報コード」フィールドは、アンケートの実施対象となるコンテンツ情報の情報コードを格納する領域である。「アンケート画面情報コード」フィールドは、アンケートの実施対象となるコンテンツ情報を再生したユーザに対して送信すべきコンテンツ情報(アンケート画面のコンテンツ情報)の情報コードを格納する領域である。「YES」フィールドは、アンケート画面のアンケートに対し「YES」と回答した人数を格納する領域である。「NO」フィールドは、アンケート画面のアンケートに対し「NO」と回答した人数を格納する領域である。
また、センター装置30及び車載器10は、ITS情報通信システム推進会議にあるITS FORUM RC−004により規定された車載器指示応答アプリケーションによる通信機能を搭載しており、路側無線装置20を介してセンター装置30から車載器10に対して確認要求コマンド(詳細後述)を通知したり、車載器10における確認要求コマンドに対する確認応答コマンドをセンター装置30に送信したりすることが可能である。
次に、第2の実施の形態における情報配信システム100の各装置間における動作について説明する。
図18〜図19は、コンテンツ情報を配信する際におけるセンター装置30、路側無線装置20、車載器10のDSRC部3及び制御部4における処理の流れを説明するフローチャートである。
図18に示すように、まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップT1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップT2)。特性情報は、予めセンター装置30との間で取り決められている項目について制御部4が表示部1e等の各部に問い合わせて取得したり、予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得する。そして、取得された情報を制御部4がコード化し、アップリンク情報記憶領域Mの対応する領域に当該コードを書き込む。なお、実際には書き込みを指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域Mに書き込む。
その後、車両Cが走行を開始し、路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップT3a、T3b)。すなわち、DSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップT4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップT4b)。
次いで、DSRC部3はアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップT5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。
センター装置30において、通信部35により特性情報が受信されると、制御部31は、受信した特性情報に含まれる車載器IDに基づいて車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かを判断する(ステップT6)。
センター装置30の制御部31は、会員情報DB341に登録されている情報配信サービスの全会員の車載器IDのうち、受信した車載器IDと一致するものがなく、車載器10のユーザが非会員であると判断すると(ステップT6;NO)、通信部35により路側無線装置20を介して非会員向けのコンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップT32)。配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成して車載器10に送信し(ステップS33)、センター装置30における処理を終了する。非会員用のコンテンツ情報とは、例えば、電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。
一方、受信した車載器IDと一致する車載器IDが会員情報DB341に登録されており、車載器10のユーザが会員であると判断すると(ステップT6;YES)、センター装置30の制御部31は、通信部35により、路側無線装置20を介して会員用のデフォルトのコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップT7)。会員用のデフォルトのコンテンツ情報は、例えば、コンテンツ情報の配信開始を示すWelcome画面情報等である。
また、制御部31は、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップT8、T11)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報を要求する。
路側無線装置20を介してコンテンツ情報が受信されると、車載器10の制御部4は、受信したコンテンツ情報に含まれる事業者コードと、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれる事業者コードとを照合することにより、受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者であるか否かを判断する。受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者ではないと判断した場合(ステップT9;NO)、制御部4は、センター装置30からの配信終了を通知するメッセージ情報の受信に応じて、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップT34)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップT35)。そして、制御部4は、入力部1dを介して入力されるユーザの指示に応じて記憶部1fに保存されたコンテンツ情報を読み出して、表示部1eや音声出力部1gにより再生を行う(ステップT36)。なお、コンテンツ情報の表示、再生は車載器10のエリアアウト後も可能である。
一方、受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者であると判断すると(ステップT9;YES)、制御部4は、当該配信事業者の事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップT10)。
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書き込みが行われると、センター装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップT12)。
センター装置30において、通信部35を介してアップリンク情報が受信されると、制御部31は、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10にアップリンク情報開放要求を送信する(ステップT13)。制御部4は、センター装置30から送信されたアップリンク情報開放要求を路側無線装置20を介して受信すると、ステップT10においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだアップリンク情報を削除するとともに、記憶部1fに記憶された過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報のうち、ステップT10においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだ情報を削除する(ステップT14)。
なお、記憶部1fに記憶されたアップリンク済みの過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報については、削除せずにアップリンク済みであることを示すフラグ等を立てて保存するように管理してもよい。この場合、次にアップリンク情報記憶領域Mにアップリンク情報を書き込む際、制御部4は、アップリンク済みで内容が同じの情報は書き込まないように制御する。
センター装置の制御部31は、通信部35によりアップリンク情報を受信すると、受信したアップリンク情報の受信/再生履歴情報を参照し、アンケート該当の情報コードが再生履歴に存在するか否かを判断する(図19ステップT15)。具体的には、受信/再生履歴情報に含まれる再生識別フラグ「1」が対応した情報コード(再生済情報コードと呼ぶ)を抽出し、抽出した再生済情報コードのそれぞれをアンケートDB343に格納されているアンケート該当情報コードと比較し、一致した情報コードを再生履歴に含まれるアンケート該当情報コードとして抽出する。
アンケート該当の情報コードが再生履歴に存在しないと判断した場合(ステップT15;NO)、制御部4は、ステップT16以降の処理をスキップしてステップT27の処理に移行する。
アンケート該当の情報コードが再生履歴に存在すると判断した場合(ステップT15;YES)、制御部31は、再生履歴に存在するアンケート該当の情報コードに応じたアンケート画面(より詳細には、アンケート画面を表示するためのコンテンツ情報)を記憶部34から読み出して通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップT16)。図20(a)に、ステップT16において車載器10に送信されるアンケート画面の一例を示す。図20(a)に示すように、アンケート画面には、アンケートの質問等が記載されている。ステップT16で送信されるアンケート画面を表示するためのコンテンツ情報には、ID03の「即時再生/蓄積コード」として即時再生を示すコードが格納されており、制御部4は、センター装置30から受信されたアンケート画面を表示部1eに表示する。
また、センター装置30の制御部31は、上述のITS情報通信システム推進会議にあるITS FORUM RC−004により規定されている、車載器10におけるYES/NOの確認応答を要求するための確認要求コマンドを、通信部35により車載器10に送信する(ステップT19)。確認要求コマンドとは YES/NOの応答をユーザが入力するためのインターフェースの出力を促す情報を含むものである。
センター装置30からの確認要求コマンドがDSRC部3により受信されると、制御部4は、確認要求コマンドに含まれる情報に基づいて、YES/NOの応答用の入力ボタンB2をアンケート画面上に表示する(ステップT20)。
図20(b)に、応答用の入力ボタンB2が表示されたアンケート画面の一例を示す。入力ボタンB2は、アンケート画面が見えなくならないように画面一部へ重ねる、若しくは透かしてアンケート画面が確認できるようにする。YES/NOの応答の入力は、入力ボタンB2の押下をタッチパネルにより検出して入力するようにしてもよいし、予め機械式のYESキー、NOキー等を用意しておき、これらのキーの押下により入力するようにしてもよい。
車載器10において、入力部1dにより応答用の入力ボタンB2の何れかが押下され、アンケート画面の質問に対するYES又はNOの応答が入力されると(ステップT21)、制御部4は、入力に応じた確認応答コマンドを生成し、DSRC3及び路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップT22)。
センター装置30の制御部31は、通信部35により確認応答コマンドが受信されると、受信した確認応答コマンドに基づいてアンケートの回答を集計する(ステップT23)。例えば、確認応答コマンドに「YES」の応答が含まれている場合、制御部31は、アンケートDB343において、ステップT16で送信したアンケート画面の情報コードを有するレコードの「YES」フィールドの数値に1を加算し、確認応答コマンドに「NO」の応答が含まれている場合、制御部31は、アンケートDB343において、ステップT16で送信したアンケート画面の情報コードを有するレコードの「NO」フィールドの数値に1を加算する。また、センター装置30は車載器10へ確認要求コマンドを送信する際に車載器10がコマンドを受信してから確認応答をするまでの時間を指示することができセンター装置30は指示した時間までに確認応答コマンドを受信しない場合はタイムアウトと判断しアンケート集計にカウントしない、もしくは未回答と集計をする。
次いで、制御部31は、会員情報DB341において、アップリンク情報の送信元車載器10の車載器IDに対応するレコードの「取得ポイント」フィールドの値に所定の数を加算することにより特典ポイントの加算を行い(ステップT24)、特典を加算したこと(加算した特典ポイント)を通知する情報(特典加算の通知画面を表示するためのコンテンツ情報)を通信部35により車載器10に送信する(ステップT25)。そして、ステップT27の処理に移行する。ステップT25で送信される特典加算の通知情報には、ID03の「即時再生/蓄積コード」として即時再生を示すコードが格納されている。
車載器10の制御部4は、センター装置30から配信された特典加算の通知情報を受信すると、表示部1eに、配信された情報に基づき特典加算の通知画面を表示する(ステップT26)。図20(c)に、ステップT26において表示部1eに表示される特典加算の通知画面の一例を示す。
なお、ステップT15においてアンケート該当の情報コードが複数存在していた場合、情報コード毎に異なる複数のアンケート画面を送信することとしてもよいし、アンケート該当の全ての情報コードに共通するアンケート画面を一つ用意しておき、共通のアンケート画面を一つ送信するようにしてもよい。また、情報コード毎に複数のアンケート画面を送信する場合には、送信するアンケート画面毎にステップT16〜T26の処理を繰り返し実行するようにしてもよいし、センター装置30において複数のアンケート画面に対しまとめて1回の確認要求コマンドを車載器10に送信し、1回の確認要求コマンドの受信に応じて制御部4においてアンケート画面毎に応答用入力ボタンB2を作成してアンケート画面の受信順に表示し、入力された応答に応じた確認応答コマンドを順次センター装置30に送信するようにしてもよい。なお、上述のように、センター装置30は車載器10へ確認要求コマンドを送信する際に車載器10がコマンドを受信してから確認応答をするまでの時間を指示することができるが、複数のアンケート画面に対し1回の確認要求コマンドを送信する場合、センター装置30は、車載器10に指示する応答時間に応じて、送信するアンケート画面の数を制御する。または、送信するアンケート画面の数に応じて車載器10に指示する応答時間を制御する。
ステップT27において、センター装置30の制御部31は、車載器10から受信されたアップリンク情報に基づいて配信するコンテンツ情報を編成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップT27)。
ステップT27においては、例えば、受信したアップリンク情報の嗜好ジャンルデータ等を参照し、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報のうちユーザが嗜好するジャンル項目に分類されるコンテンツ情報等を配信するコンテンツとして選択し、該当するコンテンツ情報を記憶部34から読み出して車載器10に配信する。
コンテンツ情報の配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップT28)。
車載器10において、センター装置30から配信されたコンテンツ情報及び配信終了通知を路側無線装置20を介して受信すると、車載器10の制御部4は、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップT29)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存するとともに、記憶部1fに受信履歴を記憶する(ステップT30)。具体的には、記憶部1fに記憶されている当該事業者コードのアップリンク情報における受信/再生履歴情報に受信したコンテンツ情報の受信情報コードを書き込む。
そして、車載器10の制御部4は、所定のタイミングでコンテンツ情報の再生を行う(ステップT31)。具体的には、記憶部1fに記憶されたコンテンツ情報を読み出し、読み出されたコンテンツ情報の「表示用文字データ」、「表示画像データ」に基づいて表示部1eに画面を表示し、「表音文字列データ」に基づいて音声出力部1gにより音声を出力する。そして、制御部4は、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報における当該コンテンツ情報の情報コードに対応する再生識別フラグに「1」を設定することによって再生履歴を記憶する。コンテンツ情報の再生(T31)は後述する車載器10が相互通信エリアZ外に移動した後でも可能である。
車載器10が相互通信エリアZ外に移動することにより(エリアアウト)一定時間以上路側無線装置20との通信が途絶えると、情報配信の一連の処理は終了する。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、センター装置30は、車載器10から受信したアップリンク情報の受信/再生履歴情報にアンケート対象のコンテンツ情報の再生履歴が含まれているか否かを判断し、含まれていると判断した場合に、アンケート画面及びアンケートに対するYES/NOの応答をユーザが入力するためのインターフェースの出力を促す確認要求コマンドを車載器10に送信する。車載器10の制御部4は、確認要求コマンドを受信すると、アンケート画面上にYES/NOの応答用の入力ボタンB2を表示し、YES/NOの応答用の入力ボタンB2の何れかが押下されると、入力に応じた確認応答コマンドをセンター装置30に送信する。センター装置30は、受信した確認応答コマンドに基づいてアンケートの回答を集計する。
従って、コンテンツ情報の配信サービスを提供する配信事業者は、指示応答アプリケーションを用いて車載器10のユーザに視聴したコンテンツ情報についてのアンケートを実施し、アンケート回答を取得することによって、コンテンツの内容の向上のための情報収集を行うことが可能となる。
また、アンケートに回答したユーザに特典ポイントを加算することで、配信事業者は、会員へのサービスを向上させることができる。車載器のユーザは、アンケートに回答することで、特典ポイントを取得することが可能となる。
[第3の実施の形態]
以下、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。
まず、第3の実施の形態の構成を説明する。
第3の実施の形態における各装置の構成、及びコンテンツ情報、アップリンク情報のデータ構成は第1の実施の形態と略同様であるので説明を援用し、第3の実施の形態と異なる部分について説明する。
第3の実施の形態において、センター装置30の記憶部34は、第1の実施の形態で説明したように、制御部31により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要な各種データ、コンテンツ情報の配信事業者に個別に付与されている事業者コード、配信すべきコンテンツ情報、会員DB341を記憶している他、アンケート集計結果を格納するアンケート集計DB(図示せず)等を記憶している。また、記憶部34は、情報配信履歴DB(図示せず)を記憶している。情報配信履歴DBは、コンテンツ情報の配信対象となった車載器10の車載器IDと配信したコンテンツ情報の情報コードとを対応付けて格納するデータベースである。
また、センター装置30及び車載器10は、ITS情報通信システム推進会議にあるITS FORUM RC−004により規定された車載器指示応答アプリケーションによる通信機能を搭載しており、路側無線装置20を介してセンター装置30から車載器10に対して確認要求コマンドを通知したり、車載器10における確認要求コマンドに対する確認応答コマンドをセンター装置30に送信したりすることが可能である。
次に、第3の実施の形態における情報配信システム100の各装置間における動作について説明する。
図21〜図22は、コンテンツ情報を配信する際におけるセンター装置30、路側無線装置20、車載器10のDSRC部3及び制御部4における処理の流れを説明するフローチャートである。
図21に示すように、まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップA1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップA2)。特性情報は、予めセンター装置30との間で取り決められている項目について制御部4が表示部1e等の各部に問い合わせて取得したり、予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得する。そして、取得された情報を制御部4がコード化し、アップリンク情報記憶領域Mの対応する領域に当該コードを書き込む。なお、実際には書き込みを指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域Mに書き込む。
その後、車両Cが走行を開始し、路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップA3a、A3b)。すなわち、DSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップA4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップA4b)。
次いで、DSRC部3はアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップA5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。
センター装置30において、通信部35により特性情報が受信されると、制御部31は、受信した特性情報に含まれる車載器IDに基づいて車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かの会員認証を行い、認証結果を一時的に記憶する(ステップA6)。具体的には会員情報DB341に登録されている配信サービスの全会員の車載器IDのうち、受信した車載器IDと一致するものがある場合は会員と判断し、受信した車載器IDと一致するものがない場合は、非会員であると判断する。
次いで、センター装置30の制御部31は、通信部35により路側無線装置20を介してデフォルトのコンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップA7)。デフォルトのコンテンツ情報としては、例えば、コンテンツ情報の配信開始を示すWelcome画面情報等が挙げられる。
次いで、センター装置30の制御部31は、記憶部34に記憶されている情報配信履歴DBを参照し(ステップA8)、受信した車載器IDの情報配信履歴が存在するか否かを判断する。受信した車載器IDの情報配信履歴が存在すると判断した場合(ステップA9;YES)、制御部31は、アンケート画面(より詳細には、アンケート画面を表示するためのコンテンツ情報)を記憶部34から読み出して通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップA10)。ステップA10で送信されるアンケート画面を表示するためのコンテンツ情報には、ID03の「即時再生/蓄積コード」として即時再生を示すコードが格納されており、制御部4は、センター装置30から受信されたアンケート画面を表示部1eに表示する。
アンケート画面は、例えば、過去に配信事業者が配信したコンテンツ情報全般について、役に立ったか否かを問い合わせる画面等が挙げられる。また、センター装置30が予め定められた地点に位置する路側無線装置20とのみ接続されている場合、情報配信履歴が記憶されている車載器10は、過去に同じ地点に立ち寄ったことがあるということになる。例えば、センター装置30が或るショッピングセンターの駐車場に設置されている路側無線装置20とのみ接続されている場合には、センター装置30に情報配信履歴が記憶されている車載器10は、過去にそのショッピングセンターに立ち寄ったことがあるということになる。そこで、このような場合に、路側無線装置20が設置されている地点の施設に関する評価を問い合わせる画面等をアンケート画面としてもよい。また、センター装置30が複数地点に存在する複数の路側無線装置20と接続されている場合には、路側無線装置20毎に情報配信履歴DBを用意しておき、現在車載器10とセンター装置30との中継を行っている路側無線装置20についての情報配信履歴DBに当該車載器10の情報配信履歴があるか否かを判断することにより、過去にその車載器10が当該路側無線装置20が設置された地点に立ち寄ったことがあるか否かを判断することができる。そこで、過去に立ち寄ったことがある車載器10に対し、その地点にある施設についてのアンケート画面等を送信することができる。
次いで、センター装置30の制御部31は、上述のITS情報通信システム推進会議にあるITS FORUM RC−004により規定されている、車載器10におけるYES/NOの確認応答を要求するための確認要求コマンドを、通信部35により車載器10に送信する(ステップA13)。確認要求コマンドは、YES/NOの応答をユーザが入力するためのインターフェースの出力を促す情報を含むものである。
センター装置30からの確認要求コマンドがDSRC部3により受信されると、制御部4は、確認要求コマンドに含まれる情報に基づいて、YES/NOの応答用の入力ボタンB2を表示部1eのアンケート画面上に表示する(ステップA14)。
車載器10において、入力部1dにより応答用の入力ボタンB2のいずれかが押下され、アンケート画面の質問に対するYES又はNOの応答が入力されると(ステップA15)、制御部4は、入力に応じた確認応答コマンドを生成し、DSRC3及び路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップA16)。
センター装置30の制御部31は、通信部35により確認応答コマンドが受信されると、受信した確認応答コマンドに基づいてアンケートの回答を集計する(ステップA17)。例えば、確認応答コマンドに「YES」の応答が含まれている場合、制御部31は、記憶部34に記憶されているアンケート集計結果ファイルの「YES」のカウント数に1を加算し、確認応答コマンドに「NO」の応答が含まれている場合、制御部31は、記憶部34に記憶されているアンケート集計結果の「NO」のカウント数に1を加算する。また、センター装置30は車載器10へ確認要求コマンドを送信する際に車載器10がコマンドを受信してから確認応答をするまでの時間を指示することができセンター装置30は指示した時間までに確認応答コマンドを受信しない場合はタイムアウトと判断しアンケート集計にカウントしない、もしくは未回答と集計をする。
次いで、制御部31は、ステップA6で実施された会員認証の結果に基づき車載器10のユーザが会員であるか非会員であるかを判断し、非会員であると判断すると(図22ステップA18;NO)、ステップA30の処理に移行する。
車載器10のユーザが会員であると判断すると(ステップA18;YES)、制御部31は、会員情報DB341において、アップリンク情報の送信元車載器10の車載器IDに対応するレコードの「取得ポイント」フィールドの値に所定の数を加算することにより特典ポイントの加算を行い(ステップA19)、特典を加算したこと(加算した特典ポイント)を通知する情報(特典加算の通知画面を表示するためのコンテンツ情報)を通信部35により車載器10に送信する(ステップA20)。ステップA20で送信される特典加算の通知情報には、ID03の「即時再生/蓄積コード」として即時再生を示すコードが格納されている。そして、制御部31は、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップA23、A26)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報の送信を要求する。
車載器10においては、制御部4は、センター装置30から配信された特典加算の通知情報を受信すると、表示部1eに、配信された情報に基づき特典加算の通知画面を表示する(ステップA21)。
一方、ステップA9において、受信した車載器IDの情報配信履歴が存在しないと判断した場合(ステップA9;NO)、センター装置30の制御部31は、ステップA6において実施された会員認証の結果に基づき車載器10のユーザが会員であるか非会員であるかを判断し、非会員であると判断すると(ステップA22;NO)、ステップA30の処理に移行する。
車載器10においては、制御部4は、受信したデフォルトのコンテンツ情報に含まれる事業者コードと、アップリンク情報に含まれる事業者コードとを照合することにより、通信が確立したセンター装置30における配信事業者が契約した事業者であるか否かを判断する。契約した事業者ではないと判断すると(ステップA24;NO)、制御部4は、ステップA25〜A29の処理をスキップする。即ち、アップリンク情報記憶領域Mへのアップリンク情報の書き込みやアップリンク情報の送信は行わない。
センター装置30における配信事業者が契約した事業者であると判断すると(ステップA24;YES)、受信したデフォルトのコンテンツ情報に含まれる事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップA25)。
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書き込みが行われると、センター装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップA27)。
センター装置30において、通信部35を介してアップリンク情報が受信されると、制御部31は、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10にアップリンク情報開放要求を送信する(ステップA28)。制御部4は、センター装置30から送信されたアップリンク情報開放要求を路側無線装置20を介して受信すると、ステップA25においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだアップリンク情報を削除するとともに、記憶部1fに記憶された過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報のうち、ステップA25においてアップリンク情報記憶領域Mに書き込んだ情報を削除する(ステップA29)。
なお、記憶部1fに記憶されたアップリンク済みの過去立ち寄り地情報、受信/再生履歴情報、会員情報については、削除せずにアップリンク済みであることを示すフラグ等を立てて保存するように管理してもよい。この場合、次にアップリンク情報記憶領域Mにアップリンク情報を書き込む際、制御部4は、アップリンク済みで内容が同じの情報は書き込まないように制御する。
ステップA30において、センター装置30の制御部31は、車載器10のユーザが会員か非会員かの認証結果、及び会員である場合には車載器10から受信されたアップリンク情報に基づいて、配信するコンテンツ情報を編成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップA30)。
ステップA30においては、車載器10のユーザが非会員である場合には、電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の非会員用のコンテンツ情報を記憶部34から読み出して配信する。また、会員になるとポイントがもらえる旨を通知する画面を表示するコンテンツ情報を配信してもよい。車載器10のユーザが会員である場合には、例えば、受信したアップリンク情報の嗜好ジャンルデータ等を参照し、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報のうちユーザが嗜好するジャンル項目に分類されるコンテンツ情報等を配信するコンテンツとして選択し、該当するコンテンツ情報を記憶部34から読み出して車載器10に配信する。
コンテンツ情報の配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップA31)。また、センター装置30の制御部31は、車載器ID及び配信したコンテンツ情報の情報コードを情報配信履歴DBに記録する(ステップA32)。
車載器10において、センター装置30から配信されたコンテンツ情報及び配信終了通知を路側無線装置20を介して受信すると、車載器10の制御部4は、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップA33)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存するとともに、契約事業者のコンテンツ情報である場合には記憶部1fに受信履歴を記憶する(ステップA34)。具体的には、記憶部1fに記憶されている当該事業者コードのアップリンク情報における受信/再生履歴情報に受信したコンテンツ情報の受信情報コードを書き込む。
そして、車載器10の制御部4は、所定のタイミングでコンテンツ情報の再生を行う(ステップA35)。具体的には、記憶部1fに記憶されたコンテンツ情報を読み出し、読み出されたコンテンツ情報の「表示用文字データ」、「表示画像データ」に基づいて表示部1eに画面を表示し、「表音文字列データ」に基づいて音声出力部1gにより音声を出力する。そして、制御部4は、契約事業者のコンテンツ情報を再生した場合には記憶部1fに記憶されているアップリンク情報における当該コンテンツ情報の情報コードに対応する再生識別フラグに「1」を設定することによって再生履歴を記憶する。
車載器10が相互通信エリアZ外に移動することにより(エリアアウト)一定時間以上路側無線装置20との通信が途絶えると、情報配信の一連の処理は終了する。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、センター装置30は、会員であるか否かに拘わらず、過去にコンテンツ情報を配信した履歴のある車載器10に対してアンケート画面及びアンケートに対するYES/NOの応答をユーザが入力するためのインターフェースの出力を促す確認要求コマンドを車載器10に送信する。車載器10の制御部4は、確認要求コマンドを受信すると、アンケート画面上にYES/NOの応答用の入力ボタンB2を表示し、YES/NOの応答用の入力ボタンB2の何れかが押下されると、入力に応じた確認応答コマンドをセンター装置30に送信する。センター装置30は、受信した確認応答コマンドに基づいてアンケートの回答を集計する。
従って、コンテンツ情報の配信サービスを提供する配信事業者は、指示応答アプリケーションを用いて会員/非会員の区別なく、過去にコンテンツ情報を配信したことのある車載器10のユーザにアンケートを実施し、アンケート回答を取得することによって、コンテンツの内容の向上のための情報収集を行うことが可能となる。
また、アンケートに回答した会員ユーザに特典ポイントを加算することで、配信事業者は、会員へのサービスを向上させることができる。
以上、第1〜第3の実施の形態について説明してきたが、上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、上記第1の実施の形態においては、タッチパネルが一体となった入力インターフェース画面G2にキーボード画面を表示し、キーボードのキータッチによりコメント情報を入力することとして説明したが、コメント情報の入力手段としては、これに限定されない。例えば、入力部1dに、音声を入力するマイク及び入力された音声を認識してテキスト情報に変換する音声認識装置を備える構成とし、音声によりコメント情報を入力する構成としてもよい。また、入力部1dにキーボードを備え、キーボードからコメント情報を入力する構成としてもよい。
その他、情報配信システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。