JP5958808B2 - 表示パネルの製造方法、その検査装置及び検査方法 - Google Patents

表示パネルの製造方法、その検査装置及び検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、表示パネルの製造方法、その検査装置及び検査方法に関し、特にリペア可能な有機EL素子を有する表示パネルの製造方法、その検査装置及び検査方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記載する)を用いた表示パネル(以下、有機EL表示パネルと記載する)は、低消費電力で明瞭な画像を得られる表示パネルとして研究及び開発が進められている。
有機EL表示パネルは、複数の有機EL素子がマトリクス状に配置されることにより表示パネルを構成している。この有機EL素子は、有機電子材料を一対の電極の間に挟持しており、具体的には、有機電子材料で構成された発光層に正孔と電子とを注入することにより起こるエレクトロルミネッセンス(electro luminescence)発光現象を利用して表示を行うものである。しかし、表示パネル内の全ての有機EL素子の発光層を、設計通りの形状(または、パターンという)で形成することは困難であると考えられている。例えば、表示パネルを大面積かつ高精細化させるほど、有機EL素子の構造が微細化、薄型化されるほど、また、画素数が増加するほど、微細加工を必要とする製造工程において、有機EL素子の短絡や開放といった電気的な不具合が発生してしまう。
そこで、有機EL素子を製造する工程で、基板上に発光層を形成した後、基板上の発光層パターンの欠陥検査を実施する手段が検討されている。
特許文献1では、発光層が形成された被検査基板に照射する光源を赤外線とし、当該被検査基板からの反射光または散乱光による光学像を取り込んで当該被検査基板上の発光層のパターン欠陥を検出する方法が開示されている。これにより、上記欠陥検査時における紫外線の累積照射を回避できるので、有機EL素子の劣化を防止することが可能となる。
また、特許文献2では、カラー液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタの画素欠陥及び突起欠陥を検出する光学検査装置が開示されている。具体的には、可視光源及び短波長光源から出射された光を、プリズムを用いてそれぞれ透過光及び反射光とし、当該透過光及び反射光の照射により得られた光学像により、カラーフィルタの画素欠陥及び突起欠陥を検出する。
特開2009−158126号公報 特開平10−132704号公報
有機EL表示パネルは、赤色、緑色及び青色で自発光する有機EL素子が、それぞれ、赤色画素、緑色画素及び青色画素に配置されることにより、所望の画像を表現しているが、各画素の色精度を高めるため、画素ごとにカラーフィルタが配置される。例えば、赤色画素の上部には、可視光の中で赤色に対応する波長のみを通過させる特性を有する赤色カラーフィルタが配置される。
しかしながら、特許文献1に記載された、赤外線を光源とした発光層のパターン欠陥検査方法を、上記カラーフィルタを有する有機EL表示パネルに適用した場合、当該カラーフィルタの可視光以外の通過特性によっては、欠陥部からの赤外反射光または赤外散乱光の強度が十分得られないことがある。これは、赤外光はカラーフィルタを介して各画素へ入射され、上記赤外反射光または赤外散乱光はカラーフィルタを介して出射され、有機EL表示パネルの光学像において検出される赤外光輝度は、カラーフィルタを2回通過することに起因する。そのため、上記欠陥部の検出精度が低下してしまう恐れがある。
また、特許文献2に記載された光学検査装置による画素欠陥及び突起欠陥の検出方法では、カラーフィルタの可視光以外の通過特性によっては、短波長照射による反射光の強度が十分得られないことがある。また、可視光照射の場合には、カラーフィルタの透過特性及び撮像装置の受光特性等により、赤色画素、緑色画素及び青色画素間での検出精度が異なる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、カラーフィルタを有する画素の欠陥部の検出精度の高い表示パネルの検査方法、その検査方法を含む表示パネルの製造方法、及びその検査方法を実現する検査装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様である表示パネルの検査方法は、赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素を含み、各色表示画素の表示色に対応する表示色フィルタを有する表示パネルを、検査装置で検査する検査方法であって、前記検査装置により撮像される前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素の光学像の露出量が各光学像間で略同一となるよう、前記検査装置による撮像時に前記表示パネルに照射される、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光の強度を個別に設定する強度設定工程と、前記強度設定工程で設定された強度で、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光を、前記表示色フィルタを介して前記各色表示画素に照射する照射工程と、前記照射工程で前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光が照射されている間に、前記検査装置により前記各色表示画素を撮像して当該各色表示画素の光学像を取得する取得工程と、前記取得工程で取得された前記光学像から前記各色表示画素の欠陥部を検出する検出工程とを含むことを特徴とする。
上記構成によれば、カラーフィルタが配置された画素を撮像して得られた光学像の露出量を、赤色、緑色及び青色の各色画素間で略同一となるよう、赤色、緑色及び青色の単色光源の光量を個別に調整して表示パネルに照射するので、全画素において異物の検出率が向上する。よって、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。
本発明の実施の形態に係る有機EL表示パネルの検査及びリペアの構成を示す機能ブロック図である。 有機EL表示パネルの有する正常な画素の回路構成図である。 有機EL表示パネルの有する欠陥画素の回路構成図である。 本発明の実施の形態に係る表示パネルの断面概略図である。 本発明の実施の形態に係る、異物が混入した画素の断面概略図である。 本発明の実施の形態に係る表示パネルの製造方法を説明する工程フローチャートである。 本発明の要部である画素検査工程の動作フローチャートである。 第1の比較例に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。 第1の比較例に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。 第1の比較例に係る表示パネルの検査方法により取得された光学像を表す図である。 本発明の実施の形態に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。 本発明の実施の形態に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。 本発明の実施の形態に係る表示パネルの検査方法により取得された光学像を表す図である。 第2の比較例に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。 第2の比較例に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。 本発明の実施の形態の第1変形例に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。 レーザーリペア後の点灯確認を表す図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る画素の断面概略図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る画素の断面概略図である。 本発明の製造方法による発光パネルを備えたテレビシステムの外観図である。 画素に赤外光を照射した場合の光学像を表す図である。 画素に白色(可視)光を照射した場合の光学像を表す図である。
(本発明の基礎となった知見)
有機EL素子により発光する表示パネルの製造工程において、例えば、有機EL素子を構成する有機層内に異物等が混入し、有機EL素子が短絡欠陥部を有する場合、当該有機EL素子に信号電圧に対応した電圧が印加されても、短絡欠陥部に優先的に電流が流れてしまう。そのため、上記有機EL素子には正常な電流が流れず、滅点化してしまう。従って、有機EL素子の滅点化を防ぐため、滅点化の原因になる短絡欠陥部を検出し、該当箇所をリペアすることが要求される。
そこで、有機EL素子内の欠陥部の有無を検出する方法として、表示パネルの表示面側から光を照射し、カラーフィルタを介して得られる反射光、または散乱光を検出器で撮像することで取得される表示パネルの光学像により、有機EL素子内に欠陥部が存在するかを判別する検査方法が挙げられる。
本発明者は、従来の表示パネルの検査方法に関し、以下の問題が生じることを見出した。
図15Aは、画素に赤外光を照射した場合の光学像を表す図である。同図に示された光学像は、赤色画素R、緑色画素G及び青色画素Bに対して、カラーフィルタを介して赤外光を照射したときに取得されたものである。図15Aに表されたように、各画素に赤外光を照射した場合、カラーフィルタを構成する各色フィルタが赤外領域を透過させる特性であれば、各色画素において欠陥部が視認できる。しかし、赤外光は可視光に比べて波長が長く、光学像の分解能が低下し散乱光が減少するため、微小欠陥部の検出率が低下する。つまり、図15Aに示されたように、カラーフィルタの影響を低減させるために、表示パネルに照射する光源を赤外光とすると、微小欠陥部の検出感度が低下する。
図15Bは、画素に白色(可視)光を照射した場合の光学像を表す図である。同図に示された光学像は、赤色画素R、緑色画素G及び青色画素Bに対して、カラーフィルタを介して単一白色光を照射したときに取得されたものである。図15Bに表されたように、各画素に単一白色光を照射した場合、特に青色画素Bでは、欠陥部が検出されていない。ここで、青色を発光する青色画素Bには、青色を透過する青色カラーフィルタが配設されている。この青色カラーフィルタは、可視光領域では、青色以外の色に応じた光は吸収し透過させない特性を有する。即ち、青色画素に白色光を照射すると、光学像は青色に応じた波長によって得られる。ここで、一般的に、青色カラーフィルタの青色透過率は低く、また、光学像を取得すべき検出器の青色検出感度及び赤色検出感度は低いことが知られている。よって、図15Bに表されたように、各画素に単一白色光を照射して光学像を取得した後、緑色画素Gについて適正露出調整した場合、青色画素B及び赤色画素Rでは、欠陥部検出が可能な光学像を得ることは困難である。一方、赤色画素Rまたは青色画素Bについて適正露出調整した場合、緑色画素Gでは露出量過多となり欠陥部と正常部とのコントラストが確保できず、欠陥部検出が困難である。つまり、各画素の光学像において、露出量が適正ではないと欠陥部の検出が困難となる。また、白色光は、光量上限が低いので、露出量調整にあたり撮像素子の感度を上げるか、露光時間を長くする必要がある。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る表示パネルの検査方法は、赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素を含み、各色表示画素の表示色に対応する表示色フィルタを有する表示パネルを、検査装置で検査する検査方法であって、前記検査装置により撮像される前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素の光学像の露出量が各光学像間で略同一となるよう、前記検査装置による撮像時に前記表示パネルに照射される、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光の強度を個別に設定する強度設定工程と、前記強度設定工程で設定された強度で、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光を、前記表示色フィルタを介して前記各色表示画素に照射する照射工程と、前記照射工程で前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光が照射されている間に、前記検査装置により前記各色表示画素を撮像して当該各色表示画素の光学像を取得する取得工程と、前記取得工程で取得された前記光学像から前記各色表示画素の欠陥部を検出する検出工程とを含むことを特徴とする。
本態様によれば、第1波長域(赤色)の光、第2波長域(緑色)の光及び第3波長域(青色)の光の強度を、取得された各色表示画素の光学像において露出量が略同一となるよう個別に設定するので、取得された各色表示画素の光学像において適切な露出量が確保される。よって、赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素の全画素において異物の検出率が向上する。よって、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。
また、前記検査装置は、複数の光電変換素子を有しており、前記強度設定工程では、前記複数の光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性及び前記表示色フィルタの透過率の可視光波長依存性に基づいて、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光の強度を個別に設定してもよい。
本態様によれば、第1波長域(赤色)の光、第2波長域(緑色)の光及び第3波長域(青色)の光は、表示パネルを撮像する側の光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性及び表示パネルが有する表示色フィルタの透過率の可視光波長依存性に基づいて、個別に強度が設定されるので、取得された各色表示画素の光学像において適切な露出量が確保される。よって、赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素の全画素において異物の検出率が向上する。
本発明の一態様に係る表示パネルの検査方法は、前記強度設定工程では、前記第1波長域、前記第2波長域及び前記第3波長域のうち、前記受光感度と前記透過率との積が大きい波長域ほど、当該波長域の光強度を小さく設定することを特徴とする。
これにより、各色表示画素の輝度状態を表現する光学像の露出量を、単一白色光を照射して取得された光学像と比較して、各色表示画素間で均一にすることが可能となる。よって、全画素にわたり、微小欠陥部の検出が可能となる。
また、前記強度設定工程では、前記各波長域における前記積と当該波長域の光の強度との積が同じとなるよう前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光の強度を設定してもよい。
これにより、各色表示画素の光学像の露出量を同一にすることが可能となる。よって、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。
また、前記受光感度は、前記第1波長域よりも前記第3波長域が高く、かつ前記第3波長域よりも前記第2波長域が高くてもよい。
また、前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素に対応した前記表示色フィルタのうち少なくとも一つは、透過率の可視光波長依存性において、当該表示色フィルタが配置された表示画素の色に対応した波長域において透過率が最大となる第1ピーク波長と、当該波長域以外の可視光波長域において透過率が最大となる第2ピーク波長とを有し、前記強度設定工程では、さらに、前記表示色フィルタの前記第2ピーク波長における透過率を加味して、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光の強度を個別に設定してもよい。
これにより、強度設定工程では、第1波長域、第2波長域及び第3波長域のうち、第1ピーク波長を含む波長域に対応する光の強度を、第2ピーク波長を加味しない場合の第1ピーク波長を含む波長域に対応する光の強度よりも小さく設定することが可能となる。
また、前記強度設定工程では、前記第1波長域、前記第2波長域及び前記第3波長域のうち、前記第1ピーク波長を含む波長域に対応する光の強度を、前記第2ピーク波長を加味しない場合の前記第1ピーク波長を含む波長域に対応する光の強度よりも小さく設定してもよい。
また、前記照射工程では、前記強度設定工程で設定された強度で、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光を、同時に、前記各色表示画素に照射してもよい。
これにより、個別に強度設定された3種類の単色光を同時照射しても各色表示画素の光学像の露出量を略同一にすることができ、また、上記照射工程を短縮化できるので、当該照射工程を含む表示パネルの検査工程ならびに表示パネルの製造工程を短縮化及び低コスト化できる。
また、前記各色表示画素は、陰極及び陽極で挟まれた有機エレクトロルミネッセンス発光層を有し、前記検出工程では、前記陰極及び前記陽極が短絡された前記欠陥部を検出してもよい。
本態様によると、陽極及び陰極に挟まれた有機EL発光層に発生する短絡欠陥部を、高精度に検出することが可能となる。
また、前記検出工程では、前記光学像により測定された輝度値が所定値以上となっている領域を前記欠陥部と判定してもよい。
短絡または開放による欠陥部を有する表示画素は、上記照射工程での照射により、その反射光または散乱光により当該欠陥部は正常部よりも高輝度となる。よって、取得された光学像により所定値以上の輝度値を有する領域を欠陥部と判定することにより、高精度な欠陥検出が可能となる。
なお、本発明は、このような表示パネルの検査方法として実現できるだけでなく、当該検査方法に含まれる特徴的なステップを実現する表示パネルの検査装置として実現することもできる。
また、本発明は、このような表示パネルの検査方法として実現できるだけでなく、当該検査方法に含まれる特徴的なステップを手段とする表示パネルの製造方法として実現することもできる。
本発明の一態様に係る表示パネルの製造方法は、赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素を含む表示パネルの製造方法であって、表示パネル基板上に、前記各色表示画素をマトリクス状に形成し、前記各色表示画素の上に、対応する表示色フィルタを形成する表示画素形成工程と、検査装置により撮像される前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素の光学像の露出量が、各光学像間で略同一となるよう、前記撮像時に前記表示パネルに照射される、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光の強度を個別に設定する設定工程と、前記設定工程で設定された強度で、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光を、前記表示色フィルタを介して前記各色表示画素に照射する照射工程と、前記照射工程で前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光が照射されている間に、前記検査装置により前記各色表示画素の光学像を取得する取得工程と、前記取得工程で取得された前記光学像から前記各色表示画素の欠陥部を検出する検出工程と、前記検出工程で検出された前記欠陥部について、リペアを行うリペア工程とを含むことを特徴とする。
上記製造方法によると、カラーフィルタが配置された画素を撮像する検査装置の露出量を、各色表示画素間で略同一となるよう、各色に対応した単色光源の光量を個別に調整して表示パネルに照射するので、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。この高精度な欠陥部の検出により、欠陥部のリペアを確実に実行することができるので製造歩留まりが向上する。
以下、本発明の実施の形態における表示パネルの製造方法、その検査装置及び検査方法について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る表示パネルの検査装置、検査方法及び製造方法について説明する。
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示パネルの検査及びリペアの構成を示す機能ブロック図である。同図に記載された有機EL表示パネルの検査及びリペアの構成は、検査装置1と、表示装置2と、リペア装置3とを備える。なお、本発明の検査方法及び製造方法を実施する対象となるのは表示パネル22であり、表示装置2が有する制御部21、データ線駆動回路23及び走査線駆動回路24は、構成要素としてなくてもよい。
まず、表示装置2について簡潔に説明する。表示装置2は、制御部21と、表示パネル22と、データ線駆動回路23と、走査線駆動回路24とを備える。
制御部21は、外部から入力される映像信号を画素の発光を決定する輝度信号に変換して走査順にデータ線駆動回路23に出力する。また、制御部21は、データ線駆動回路23から出力される輝度信号を出力するタイミング、及び、走査線駆動回路24から出力される走査信号の出力タイミングを制御する。
データ線駆動回路23は、各データ線へ、輝度信号を出力することにより、映像信号に対応した画素の発光を実現する。
走査線駆動回路24は、各走査線へ走査信号を出力することにより、画素の有する回路素子を所定の駆動タイミングで駆動する。
なお、制御部21、データ線駆動回路23及び走査線駆動回路24は、本発明の製造方法において、リペア後の点灯検査用データを表示パネル22に供給する際に使用される場合がある。
表示パネル22は、複数の画素がマトリクス状に配置されている。複数の画素のそれぞれは、赤色を表示する赤色表示画素、緑色を表示する緑色表示画素及び青色を表示する青色表示画素のいずれかであり、各色表示画素には当該各色に対応する表示色フィルタが形成されている。複数の画素のそれぞれは、データ線駆動回路23からの輝度信号、及び、走査線駆動回路24からの走査信号に応じて発光する。
図2Aは、有機EL表示パネルの有する正常な画素の回路構成図である。同図に記載された画素は、有機EL素子221と、駆動トランジスタ222と、選択トランジスタ223と、コンデンサ224とを備える。また、画素列ごとにデータ線231が配置され、画素行ごとに走査線241が配置され、全画素に共通して正電源線251及び負電源線261が配置されている。選択トランジスタ223のドレイン電極はデータ線231に、選択トランジスタ223のゲート電極は走査線241に、さらに、選択トランジスタ223のソース電極は、コンデンサ224及び駆動トランジスタ222のゲート電極に接続されている。また、駆動トランジスタ222のドレイン電極は正電源線251に接続され、ソース電極は有機EL素子221のアノードに接続されている。
有機EL素子221は、例えば、陽極、正孔注入層、有機発光層、電子注入層及び陰極がこの順で積層された構造を有し、陽極側から正孔が、また陰極側から電子が、有機発光層に注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。有機発光層としては、低分子有機材料だけでなく、インクジェットやスピンコートのような湿式成膜法で成膜できる発光性の高分子有機材料も適用される。
この構成において、走査線241に走査信号が入力され、選択トランジスタ223をオン状態にすると、データ線231を介して供給された、発光階調に対応した輝度信号がコンデンサ224に書き込まれる。そして、コンデンサ224に書き込まれた保持電圧は、1フレーム期間を通じて保持され、この保持電圧により、駆動トランジスタ222のコンダクタンスがアナログ的に変化し、発光階調に対応した駆動電流が有機EL素子221のアノードに供給される。さらに、有機EL素子221のアノードに供給された駆動電流は、有機EL素子221のカソードへと流れる。これにより、有機EL素子221が発光し画像として表示される。このとき、有機EL素子221のアノードには、順バイアス電圧が印加されていることになる。
なお、上述した画素の回路構成は、図2Aに記載された回路構成に限定されない。選択トランジスタ223、駆動トランジスタ222は、輝度信号の電圧値に応じた駆動電流を有機EL素子221に流すために必要な回路構成要素であるが、上述した形態に限定されない。また、上述した回路構成要素に、別の回路構成要素が付加される場合も、本発明に係る表示装置の画素回路に含まれる。
アクティブマトリクス型の有機EL表示パネルでは、画素の構造が微細化、薄型化されるほど、また、画素数が増加するほど、微細加工を必要とする製造工程において、有機EL素子のアノード−カソード間の短絡や開放といった電気的な不具合が発生してしまう。
図2Bは、有機EL表示パネルの有する欠陥画素の回路構成図である。同図に記載された回路構成は、有機EL素子のアノード−カソード間が短絡している状態を表している。つまり、図2Aに記載された回路構成と比較して、有機EL素子421のアノードとカソードとの間に電気的導通状態を実現する短絡成分422が並列接続されている点が異なる。ここで、有機EL素子421が短絡している状態とは、短絡成分422の抵抗値が低抵抗状態である場合に、有機EL素子421は短絡状態であると定義する。有機EL素子421のアノード−カソード間が短絡状態である場合の一例としては、有機発光層の膜厚の不均一性により、有機発光層を挟む正孔注入層と電子輸送層とが有機発光層内に生じたピンホールを介して点接触している場合などが想定される。
図2Bに記載された、有機EL素子が短絡状態となっている画素が、表示パネル22の中に存在する場合、有機EL表示パネルの製造段階で、リペア工程により短絡成分422を除去することが可能である。短絡成分422を除去するリペア工程として、例えば、短絡成分422の存在箇所にレーザーを照射することが挙げられる。このリペア工程については、後述する有機EL表示パネルの製造方法にて説明する。
次に、本発明の実施の形態に係る検査装置1の構成及び機能について説明する。図1に記載された検査装置1は、照射部11と、輝度測定部12と、判定部13とを備える。検査装置1は、リペア装置3によるリペア作業の前段階において、表示装置2の欠陥画素を検出する機能を有する。
照射部11は、表示パネル22に対し、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光を照射する機能を有する。照射部11は、例えば、第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光を個別に出射するレーザー光源を備える。あるいは、照射部11は、例えば、第1波長域の光を出射する第1LED(Light Emitting Diode)、第2波長域の光を出射する第2LED、第3波長域の光を出射する第3LEDを備え、第1LED、第2LED及び第3LEDが、一定の間隔で平面上に配置された構成となっている。これにより、照射部11は、個別に強度設定された第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光を、同時に表示パネル22に照射することが可能である。
輝度測定部12は、照射部11から第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光が照射されている間に、赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素の光学像を取得し、当該光学像を基に、各画素が細分化された領域ごとの発光輝度を測定する機能を有する。輝度測定部12は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラを備える。輝度測定部12は、光の入射経路にカラーフィルタを有していない。
なお、第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光の強度は、輝度測定部12により取得される各色表示画素の光学像の露出量が各光学像間で略同一となるよう、予め個別に設定される。
判定部13は、輝度測定部12で測定された発光輝度の大きさに基づいて上記領域ごとに欠陥部を判定する機能を有する。
また、判定部13は、欠陥部を有すると判定した欠陥画素及び当該欠陥部の位置情報をリペア装置3に伝達する。
リペア装置3は、判定部13から入手した欠陥画素及び欠陥部の位置情報から、リペア作業を実行する。
上述した表示パネル22の検査装置1の構成及び機能によれば、照射部11が、個別に設定された強度を有する第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光を表示パネル22に照射する。上記照射中に、輝度測定部12が、各色表示画素の光学像を取得して当該光学像により各画素が細分化された領域ごとの発光輝度を測定する。上記測定結果を基に、判定部13が、欠陥部を判定する。これにより、単一種類の可視光または赤外光を照射して光学像を取得する場合に比べて、欠陥部の検出分解能が向上する。よって、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。
次に、表示パネル22が有する画素の構造を説明する。
図3Aは、本発明の実施の形態に係る表示パネルの断面概略図である。同図に示した表示パネル22は、陽極、陰極、および当該両極で挟まれた発光層を含む有機層130を有する有機機能デバイスである。同図に記載された表示パネル22は、赤色表示画素である赤色画素22R、緑色表示画素である緑色画素22G、及び、青色表示画素である青色画素22Bが隣接配置されて形成された1単位画素が、行列状に配置されている。各表示画素は、基板110の上に、平坦化膜111と、陽極112と、正孔注入層113と、発光層114と、隔壁123と、電子注入層115と、陰極116と、薄膜封止層117と、封止用樹脂層118と、カラーフィルタ122と、接着層119と透明基板120とを備える。カラーフィルタ122は、各色表示画素に対応する表示色フィルタであり、図3Aでは、赤色画素22R、緑色画素22G、及び、青色画素22Bに対応して、それぞれ、可視光領域では赤色を優先透過する赤色カラーフィルタ122R、可視光領域では緑色を優先透過する緑色カラーフィルタ122G、及び、可視光領域では青色を優先透過する青色カラーフィルタ122Bとして表されている。また、赤色カラーフィルタ122R、緑色カラーフィルタ122G、及び、青色カラーフィルタ122Bの間には、それぞれブラックマトリクス121が配置されている。
陽極112及び陰極116は、それぞれ、本発明における下部電極層及び上部電極層に相当する。また、正孔注入層113、発光層114及び電子注入層115は、本発明における有機層に相当する。
基板110及び透明基板120は、表示パネル22の裏面及び発光表面を保護する基板であり、例えば、厚みが0.5mmである透明の無アルカリガラスである。
平坦化膜111は、一例として、絶縁性の有機材料からなり、例えば駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)などを含む基板上に形成されている。
陽極112は、正孔が供給される、つまり、外部回路から電流が流れ込むアノードであり、例えば、Al、あるいは銀合金APCなどからなる反射電極が平坦化膜111上に積層された構造となっている。反射電極の厚みは、一例として10〜40nmである。
正孔注入層113は、正孔注入性の材料を主成分とする層である。正孔注入性の材料とは、陽極112側から注入された正孔を安定的に、または正孔の生成を補助して発光層114へ注入する機能を有する材料である。
発光層114は、陽極112および陰極116間に電圧が印加されることにより発光する層であり、例えば、下層としてα−NPD(Bis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl]benzidine)、上層としてAlq3(tris−(8−hydroxyquinoline)aluminum)が積層された構造となっている。
電子注入層115は、電子注入性の材料を主成分とする層である。電子注入性の材料とは、陰極116から注入された電子を安定的に、または電子の生成を補助して発光層114へ注入する機能を有する材料である。
陰極116は、電子が供給される、つまり、外部回路へ電流が流れ出すカソードであり、例えば、透明金属酸化物であるITOにより積層された構造となっている。電極の厚みは、一例として10〜40nmである。
隔壁123は、発光層114をサブ画素ごとに分離するための壁であり、例えば、感光性の樹脂からなる。
薄膜封止層117は、例えば、窒化珪素からなり、上記した発光層114や陰極116を水蒸気や酸素から遮断する機能を有する。発光層114そのものや陰極116が、水蒸気や酸素にさらされることにより劣化(酸化)してしまうことを防止するためである。
封止用樹脂層118は、アクリルまたはエポキシ系の樹脂であり、上記の基板上に形成された平坦化膜111から薄膜封止層117までの一体形成された層と、カラーフィルタ122とを接合する機能を有する。
カラーフィルタ122は、隔壁123で分離された各発光領域を覆うように、透明基板120及び接着層119の下面に、赤の色調整を行う赤色フィルタである赤色カラーフィルタ122R、緑の色調整を行う緑色フィルタである緑色カラーフィルタ122G、及び、青の色調整を行う青色フィルタである青色カラーフィルタ122Bで構成されている。赤色カラーフィルタ122R、緑色カラーフィルタ122G、及び、青色カラーフィルタ122Bのそれぞれは、当該各色に対応する表示色フィルタである。
上述した陽極112、発光層114及び陰極116の構成は有機EL素子の基本構成であり、このような構成により、陽極112と陰極116との間に適当な電圧が印加されると、陽極112側から正孔、陰極116側から電子がそれぞれ発光層114に注入される。これらの注入された正孔および電子が発光層114で再結合して生じるエネルギーにより、発光層114の発光材料が励起され発光する。
なお、正孔注入層113および電子注入層115の材料は、本発明では限定されるものではなく、周知の有機材料または無機材料が用いられる。
また、表示パネル22の構成として、正孔注入層113と発光層114との間に正孔輸送層があってもよいし、電子注入層115と発光層114との間に電子輸送層があってもよい。また、正孔注入層113の代わりに正孔輸送層が配置されてもよいし、電子注入層115の代わりに電子輸送層が配置されてもよい。正孔輸送層とは、正孔輸送性の材料を主成分とする層である。ここで、正孔輸送性の材料とは、電子ドナー性を持ち陽イオン(正孔)になりやすい性質と、生じた正孔を分子間の電荷移動反応により伝達する性質を併せ持ち、陽極112から発光層114までの電荷輸送に対して適正を有する材料のことである。また、電子輸送層は、電子輸送性の材料を主成分とする層である。ここで、電子輸送性の材料とは、電子アクセプター性を有し陰イオンになりやすい性質と、発生した電子を分子間の電荷移動反応により伝達する性質を併せ持ち、陰極116から発光層114までの電荷輸送に対して適正を有する材料のことである。
図3Bは、本発明の実施の形態に係る、異物が混入した画素の断面概略図である。同図に示した緑色画素22Gは、製造工程において、陽極112と陰極116との間に導電性の異物50が混入し、異物50を介して陽極112と陰極116とが短絡している。本発明の表示パネルの製造方法では、異物50が判定部13において欠陥部であると判定された場合には、例えば、異物50またはその周辺である陰極116の一部に対してレーザー照射して高抵抗化することにより、異物50により短絡された陽極112と陰極116との間の短絡を解消(リペア)する。短絡した部分のリペア工程については、後に説明する。
<検査方法及び製造方法>
次に、本発明の表示パネルの検査方法及び製造方法について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る表示パネルの製造方法を説明する工程フローチャートである。
まず、基板上に表示パネル22を形成する(S10)。
次に、ステップS10で形成された表示パネル22の画素を検査する(S20)。
最後に、ステップS20で特定された欠陥画素をリペアする(S30)。
以下、ステップS10〜S30を詳細に説明する。
まず、ステップS10での表示パネルの形成工程を説明する。具体的には、図3Aに示された表示パネル22を準備する。
まず、TFTを含む基板110上に、絶縁性の有機材料からなる平坦化膜111を形成し、その後、平坦化膜111上に陽極112を形成する。陽極112は、例えば、スパッタリング法により、平坦化膜111上にAlが30nm成膜され、その後、フォトリソグラフィ及びウエットエッチングによるパターニング工程を経て形成される。
次に、陽極112上に、例えば、PEDOTをキシレンよりなる溶剤に溶かし、このPEDOT溶液をスピンコートすることにより、正孔注入層113を形成する。
次に、正孔注入層113の上に、例えば、真空蒸着法によりα−NPD、Alq3を積層し、発光層114を形成する。
次に、発光層114の上に、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)を、キシレンまたはクロロホルムよりなる溶剤に溶かしてスピンコートすることにより、電子注入層115を形成する。
続いて、電子注入層115が形成された基板を大気曝露させることなく、陰極116を形成する。具体的には、電子注入層115の上に、スパッタリング法によりITO(Indium Tin Oxide)が35nm積層されることにより、陰極116が形成される。このとき、陰極116は、アモルファス状態になっている。
上記製造工程により、発光素子としての機能をもつ有機EL素子が形成される。なお、陽極112の形成工程と正孔注入層113の形成工程との間に、表面感光性樹脂からなる隔壁123が所定位置に形成される。
次に、陰極116の上に、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により窒化珪素を500nm積層し、薄膜封止層117を形成する。薄膜封止層117は、陰極116の表面に接して形成されるので、特に、保護膜としての必要条件を厳しくすることが好ましく、上記した窒化珪素に代表されるような非酸素系無機材料が好ましい。また、例えば、酸化珪素(Si)や酸窒化珪素(Si)のような酸素系無機材料や、これらの無機材料が複数層形成された構成であってもよい。また、形成方法は、プラズマCVD法に限らず、アルゴンプラズマを用いたスパッタリング法など、その他の方法であってもよい。
次に、薄膜封止層117の表面に、封止用樹脂層118を塗布する。その後、塗布された封止用樹脂層118上に、カラーフィルタ122を形成する。
次に、カラーフィルタ122の上に、接着層119及び透明基板120を配置する。なお、薄膜封止層117、封止用樹脂層118、接着層119及び透明基板120は、本発明における保護層に相当する。
最後に、透明基板120を上面側から下方に加圧しつつ熱またはエネルギー線を付加して封止用樹脂層118を硬化し、透明基板120、接着層119及びカラーフィルタ122と薄膜封止層117とを接着する。
上記形成方法により、図3Aに示す表示パネル22が形成される。なお、陽極112、正孔注入層113、発光層114、電子注入層115及び陰極116の形成工程は、本発明により限定されるものではない。
次に、図4の工程フローチャートに戻り、本発明の要部であるステップS20での画素の検査工程を説明する。
図5は、本発明の要部である画素検査工程の動作フローチャートである。
ステップS20において、まず、検査装置1により撮像される赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素の光学像の露出量が各光学像間で略同一となるよう、検査装置1による撮像時に、表示パネル22に照射される、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光の強度を個別に設定する(S201:強度設定工程)。具体的には、輝度測定部12が備える複数の光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性及び表示パネル22が備えるカラーフィルタの透過率の可視光波長依存性に基づいて、上記第1波長域の光、上記第2波長域の光及び上記第3波長域の光の強度を個別に設定する。
次に、照射部11は、ステップS201で設定された強度で、上記第1波長域の光、上記第2波長域の光及び上記第3波長域の光を、カラーフィルタを介して各色表示画素に照射する(S203:照射工程)。
次に、輝度測定部12は、ステップS203で上記第1波長域の光、上記第2波長域の光及び上記第3波長域の光が照射されている間に、表示パネル22の各色表示画素を撮像して当該各色表示画素の光学像を取得する(S205:取得工程)。
最後に、判定部13は、ステップS205で取得された各色表示画素の光学像から各色表示画素の欠陥部を検出する(S207:検出工程)。
以下、上記ステップS20について図面を用いて詳細に説明するにあたり、まず、照射すべき可視光を表示画素の色ごとに準備せず、かつ、当該照射光を表示画素の色ごとに強度設定しない、単一白色光を照射する場合の比較例について説明する。
図6Aは、第1の比較例に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。同図に示されるように、照射される単一白色光は、青色の波長領域にピーク強度を有する光である。この単一白色光が、カラーフィルタを介して各色表示画素に照射される場合、カラーフィルタの透過率の可視光波長依存性と輝度測定部12が有する光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性とにより、検査装置1で受光される表示パネル22からの反射光の各色成分の強度分布は上記単一白色光の各色成分の強度分布と異なる。
図6Bは、第1の比較例に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。同図には、上記第1の比較例に係る単一白色光を表示パネル22に照射することにより、輝度測定部12が表示パネル22の反射光を受光して取得した各色表示画素の光学像の相対露光量と可視光波長との関係が示されている。この関係より、各色表示画素に対応する各光学像の露出量は、上記相対露光量を各色波長域で積分することにより得られる。上記積分結果より、赤色表示画素の光学像、緑色表示画素の光学像及び青色表示画素の光学像の露出量比は、0.38:0.82:1となる。
上記露出量比の結果より、全ての表示画素における欠陥部(異物)を高精度に検出するには、光学像の露出量を、最も露出量の少ない赤色表示画素において欠陥部検出が可能なレベルに調整する必要がある。
図7は、第1の比較例に係る表示パネルの検査方法により取得された光学像を表す図である。同図には、上記第1の比較例に係る白色光を照射し、赤色表示画素において欠陥部が検出可能となるレベルまで、光学像全体の露出量を調整して取得した光学像が表されている。ここで、上記露出量を調整する手段としては、単一白色光の強度を調整する、または、光電変換素子の露光時間を調整することが挙げられる。しかし、上記手段を採る場合、いずれの手段においても赤色表示画素の光学像と同じ方向に緑色表示画素の光学像及び青色表示画素の光学像の輝度が増減する。このため、図7に示されるように、例えば、赤色表示画素の光学像を明るくすべく露出量を増加させると、緑色表示画素の光学像及び青色表示画素の光学像の露出量が過多となり、精度良く欠陥部を検出することが困難となる。
上記第1の比較例に対して、本発明の実施の形態に係るステップS20を説明する。
図8Aは、本発明の実施の形態に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。上記ステップS201では、第1波長域(赤色)の光、第2波長域(緑色)の光及び第3波長域(青色)の光の強度を個別に設定し、ステップS203では、上記3種類の単色光を表示パネル22に照射する。これに対応させて、図8Aには、第1波長域の光(赤色LED)、第2波長域の光(緑色LED)及び第3波長域の光(青色LED)のスペクトルが独立に描かれている。上記第1波長域の光、上記第2波長域の光及び上記第3波長域の光は、同じく図8Aに記載された光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性及びカラーフィルタの透過率の可視光波長依存性に基づいて、個別に強度が設定されている。よって、これらの3種類の単色光の強度は、図6Aに示された白色光のスペクトルと異なる。上記3種類の単色光が、カラーフィルタを介して表示パネル22に照射される場合、カラーフィルタの透過率の可視光波長依存性と輝度測定部12が有する光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性とにより、検査装置1で受光される表示パネル22からの反射光の各色成分の強度分布は、上記3種類の単色光の強度分布と異なる。
図8Bは、本発明の実施の形態に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。同図には、上記3種類の単色光を表示パネル22に照射し、輝度測定部12が表示パネル22の反射光を受光して取得した各色表示画素の光学像の相対露光量と可視光波長との関係が示されている。この関係より、各色表示画素に対応する各光学像の露出量は、上記相対露光量を各色波長域で積分することにより得られる。上記積分結果より、赤色表示画素の光学像、緑色表示画素の光学像及び青色表示画素の光学像の露出量比は、1:1:1となる。
図9は、本発明の実施の形態に係る表示パネルの検査方法により取得された光学像を表す図である。同図には、個別に強度設定された上記3種類の単色光を照射して取得した各色表示画素の光学像が表されている。図9に示されるように、各色表示画素の光学像において、適切な露出量が確保されているので、赤色画素、緑色画素及び青色画素の全画素において異物の検出率が向上する。よって、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。また、上記3種類の単色光による照射は、可視光のほぼ全領域を含む白色光の照射に比べて消費電力を抑制することが可能となる。さらには、白色光に比べて上記3種類の単色光の方が、強度調整範囲が広いので、光学像の露出量調整の自由度が拡大される。
なお、輝度測定部12により取得された光学像の相対露光量を決定する要因としては、照射光の強度、カラーフィルタの透過率、光電変換素子の受光感度、光電変換素子の露光時間、光電変換素子上に配置されたレンズの絞り量、などが挙げられる。これらの要因のうち、製造工程のタクト時間の制約上、上記露光時間を所定時間以内に限定する必要があり、照射光の強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度が、光学像の相対露光量を決定する主要因である場合には、上記ステップS201において、第1波長域(赤色)、第2波長域(緑色)及び第3波長域(青色)のうち、光電変換素子の受光感度とカラーフィルタの透過率との積が大きい波長域ほど、当該波長域の光強度を小さく設定してもよい。これにより、単一白色光を照射して取得された光学像と比較して、各色表示画素の光学像の露出量を、各色表示画素間で均一にすることが可能となる。よって、全画素にわたり、微小欠陥部の検出が可能となる。
さらに、上記ステップS201において、各波長域における光電変換素子の受光感度とカラーフィルタの透過率との積と、当該波長域の光の強度との積が同じとなるよう第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光の強度を設定してもよい。これにより、各色表示画素の光学像の露出量を略同一にすることが可能となる。よって、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。
また、ステップS203(照射工程)において、ステップS201(強度設定工程)で設定された強度で、第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光を、同時に、表示パネル22の各色表示画素に照射してもよい。これによっても、各色表示画素の光学像の露出量を略同一にすることができ、また、上記照射工程を短縮化できるので、当該照射工程を含む表示パネルの検査工程ならびに表示パネルの製造工程を短縮化及び低コスト化できる。
ここで、カラーフィルタ特性が異なる場合の検出工程を、本実施の形態の変形例として説明する。以下、本変形例を説明するにあたり、まず、本変形例に対する第2の比較例を説明する。
図10Aは、第2の比較例に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。同図において、照射される単一白色光は、第1の比較例に係る白色光と同じである。この単一白色光が、カラーフィルタを介して各色表示画素に照射される場合、カラーフィルタの透過率の可視光波長依存性と輝度測定部12が有する光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性とにより、検査装置1で受光される表示パネル22からの反射光の各色成分の強度分布は上記単一白色光の各色成分の強度分布と異なる。ここでは、例えば、図10Aに示されるように、赤色カラーフィルタ122Rが、赤色波長域において透過率が最大となる第1ピーク波長(λR1)と、赤色波長域以外の可視光波長域において透過率が最大となる第2ピーク波長(λR2)とを有する場合を想定している。
図10Bは、第2の比較例に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。同図には、上記第2の比較例に係る単一白色光を表示パネル22に照射することにより、輝度測定部12が表示パネル22の反射光を受光して取得した各色表示画素の光学像の相対露光量と可視光波長との関係が示されている。本比較例の場合には、赤色カラーフィルタ122Rの有する第2ピーク波長(λR2)により、赤色表示画素の光学像には青色波長域の光が含まれるため、各色表示画素の光学像の露出量比が異なる。赤色表示画素の光学像、緑色表示画素の光学像及び青色表示画素の光学像の露出量比は、0.36:1:0.67となる。
上記第2の比較例に対して、本発明の実施の形態の変形例を説明する。
図11Aは、本発明の実施の形態の変形例に係る照射光強度、カラーフィルタの透過率及び光電変換素子の受光感度についての可視光波長依存性を表すグラフである。同図に記載された第1波長域の光(赤色LED)、第2波長域の光(緑色LED)及び第3波長域の光(青色LED)は、図11Aに記載された光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性及びカラーフィルタの透過率の可視光波長依存性に基づいて、個別に強度設定されている。よって、これらの3種類の単色光の強度は、図10Aに示された白色光のスペクトルと異なる。ここでは、例えば、図10A及び図11Aに示されるように、赤色カラーフィルタ122Rが、赤色波長域において透過率が最大となる第1ピーク波長(λR1)と、赤色波長域以外の可視光波長域において透過率が最大となる第2ピーク波長(λR2)とを有する場合を想定している。
図11Bは、本発明の実施の形態の変形例に係る照射光で照射された表示パネルを検査装置が撮像した場合に取得された光学像の露光量を表すグラフである。同図には、上記3種類の単色光を表示パネル22に照射し、輝度測定部12が表示パネル22の反射光を受光して取得した各色表示画素の光学像の相対露光量と可視光波長との関係が示されている。この関係より、赤色表示画素の光学像、緑色表示画素の光学像及び青色表示画素の光学像の露出量比は、1:1:1となる。ここで、ステップS201(強度設定工程)では、さらに、赤色カラーフィルタ122Rの第2ピーク波長(λR2)における透過率を加味して、第1波長域の光、第2波長域の光及び第3波長域の光の強度を個別に設定している。これにより、本変形例の場合には、赤色カラーフィルタ122Rの有する第2ピーク波長(λR2)により、赤色表示画素の光学像には青色波長域の光が含まれるため、各色表示画素の光学像の露出量比が異なる。よって、上記ステップS201(強度設定工程)では、第2波長域及び第3波長域のうち、第1ピーク波長(λR1)を含む第1波長域(赤色)の光の強度を、第2ピーク波長(λR1)を加味しない場合の第1波長域(赤色)に対応する光の強度よりも小さく設定することが可能となる。また、赤色表示画素の光学像には、赤色波長光よりも波長の短い青色波長光が含まれているので、欠陥部の検出分解能が向上する。
ステップS207では、判定部13は、ステップS205で取得された光学像により測定された輝度値が所定値以上となっている領域を欠陥部と判定してもよい。この欠陥部検出方法は、有機EL表示素子の陽極と陰極との間に、短絡欠陥部または発光層の膜厚が局部的に厚い欠陥部などが存在し表示パネル22に上記3種類の単色光を照射した場合、当該欠陥部からの反射光または散乱光の輝度が異常に高くなることを利用するものである。
以上、本発明の実施の形態に係る表示パネルの検査方法によれば、カラーフィルタが配置された画素を撮像する検査装置の露出量を、赤色、緑色及び青色の各色画素間で略同一となるよう、赤色、緑色及び青色の単色光源の光量を個別に調整して表示パネルに照射するので、全画素において異物の検出率が向上する。よって、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。
以下、ステップS30のリペア工程について説明する。
ステップS30では、ステップS20で特定された欠陥画素を、リペア装置3によりリペアする。リペア装置3は、例えば、レーザー発振器と、検出器と、CCDカメラと、照明と、ステージとを備える。表示パネル22は、ステージの上に固定配置される。そして、例えば、表示パネル22の欠陥部付近の陰極116にレーザー焦点を合わせて、陰極116の一部を高抵抗化させる。CCDカメラは、ステージの高さ及び平面方向を高精度に調整するため、ステージ上の表示パネル22の表面を観察するモニタである。これにより、例えば、異物と電気的に短絡している陰極領域、つまり、陰極の一部で囲まれた陰極領域は、他の陰極領域と絶縁され、異物を介して陽極112と短絡接続されている。これにより、陽極112と陰極116との間に流れる電流パスは、陰極の一部で囲まれた陰極領域には発生しないが、当該陰極領域以外の陰極領域には正常に発生するようになる。ステップS30は、ステップS207で検出された欠陥部について、リペアを行なうリペア工程に相当する。
最後に、上述したレーザーリペアにより、欠陥部を有している画素が回復したかを、点灯確認する。
図12は、レーザーリペア後の点灯確認を表す図である。例えば、異物による短絡欠陥部が存在する画素は、所定の信号電圧を供給した場合、当該短絡欠陥部のみが輝点となる。これに対して、レーザーリペアを実施した後では、例えば、上記レーザーリペアにより短絡欠陥部は高抵抗化され黒点となり、当該短絡欠陥部以外の発光領域が発光する。このような発光モードにおける点灯確認により、画素の回復の可否を確認することが可能となる。
以上、本発明の表示パネルの製造方法によれば、カラーフィルタが配置された画素を撮像する検査装置の露出量を、赤色、緑色及び青色の各色画素間で略同一となるよう、赤色、緑色及び青色の単色光源の光量を個別に調整して表示パネルに照射するので、微小欠陥部の高精度な検出が可能となる。この高精度な欠陥部の検出により、欠陥部のリペアを確実に実行することができるので製造歩留まりが向上する。
以上、上記実施の形態に基づいて本発明に係る表示パネルの製造方法、その検査装置及び検査方法を説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る表示パネルを内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
上記実施の形態では、検出すべき画素の欠陥部として、異物50が有機層に跨って存在する場合を例示したが、本発明の検査装置及び検査方法により検出される欠陥部はこれに限られない。欠陥部としては、異物50による短絡欠陥の他、例えば、異物50が存在しないが陽極112と陰極116とが有機層を介さずに短絡している態様、または、発光層114が局部的に厚い態様、などが挙げられる。以下、上記2態様について図面を用いて説明する。
図13Aは、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る画素の断面概略図である。本変形例に係る緑色画素22Gが、図3Bに記載された緑色画素22Gと異なる点は、陽極112と陰極116とが導電性の異物50を介さずに直接接触して短絡している点である。これは、例えば、有機層の形成工程において短絡部分の位置にピンホールが形成され、その後、陰極116の形成工程において当該ピンホールに陰極116を構成する材料が流入して陰極116が形成されたために、このように直接接触したものである。このような態様においても、カラーフィルタの可視光波長域における最大透過率を示す波長より短い波長においてピーク強度を有する照射光を照射することにより、短絡部51は異常輝点として検出される。そして、短絡部51を高抵抗化することにより、短絡された陽極112と陰極116との短絡を解消することが可能である。
図13Bは、本発明の実施の形態の第3の変形例に係る画素の断面概略図である。本変形例に係る緑色画素22Gが、図3Bに記載された緑色画素22Gと異なる点は、発光層114が局部的に厚くなっている点である。このような態様においても、カラーフィルタの可視光波長域における最大透過率を示す波長より短い波長においてピーク強度を有する照射光を照射することにより、欠陥部52は異常輝点として検出される。そして、欠陥部52を高抵抗化することにより、当該欠陥を解消することが可能である。
また、上述した実施の形態では、下部電極を陽極、上部電極を陰極とする構成について示したが、下部電極を陰極、上部電極を陽極とする構成であってもよい。また、画素の構成である平坦化膜、陽極、正孔注入層、発光層、隔壁、電子注入層、陰極、薄膜封止層、封止用樹脂層、カラーフィルタ、接着層及び透明基板は、上記した実施の形態に示した構成に限らず、材料や構成、形成方法を変更してもよい。例えば、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層があってもよいし、電子注入層と発光層との間に電子輸送層があってもよい。
また、レーザーリペアにおけるレーザーの照射位置は、上述した実施の形態に限定されず、異物や短絡部分を含む所定の範囲に設定されてもよいし、異物や短絡部分のみに設定されてもよい。また、異物や短絡部分の周囲を囲むように設定されてもよい。また、レーザーの照射は、陰極に限らず陽極に対して行われてもよい。
また、本発明は、例えば、図14に示すような、本発明の製造方法による発光パネルを備えた薄型フラットテレビシステムの製造に好適である。
また、図1に記載された検査装置1は、表示装置2に組み込まれていてもよい。この場合、表示装置2の制御部21が、照射部11、輝度測定部12及び判定部13を有し、制御部21が実施の形態で説明した検査方法を実行する。この態様によっても、上述した赤色、緑色及び青色の単色光源の光量を個別に調整して表示パネルに照射するので、微小欠陥部の高精度な検出が可能となり、欠陥部のリペアを確実に実行することができるので製造歩留まりが向上する。
また、上記実施の形態において、可視光領域とは、波長が380nm〜800nmである領域である。また、赤色カラーフィルタ122Rは、赤色領域を主通過帯域とするフィルタである。また、緑色カラーフィルタ122Gは、緑色領域を主通過帯域とするフィルタである。また、青色カラーフィルタ122Bは、青色領域を主通過帯域とするフィルタである。ここで、赤色領域とは、波長が600〜800nmである領域である。また、緑色領域とは、波長が500〜600nmである領域である。また、青色領域とは、波長が380〜500nmである領域である。また赤外光の波長としては、800nm〜1μmである。
本発明の表示パネルの製造方法、その検査装置及び検査方法は、大画面及び高解像度が要望される薄型テレビ及びパーソナルコンピュータのディスプレイなどの技術分野に有用である。
1 検査装置
2 表示装置
3 リペア装置
11 照射部
12 輝度測定部
13 判定部
21 制御部
22 表示パネル
22B 青色画素
22G 緑色画素
22R 赤色画素
23 データ線駆動回路
24 走査線駆動回路
50 異物
51 短絡部
52 欠陥部
110 基板
111 平坦化膜
112 陽極
113 正孔注入層
114 発光層
115 電子注入層
116 陰極
117 薄膜封止層
118 封止用樹脂層
119 接着層
120 透明基板
121 ブラックマトリクス
122 カラーフィルタ
122B 青色カラーフィルタ
122G 緑色カラーフィルタ
122R 赤色カラーフィルタ
123 隔壁
130 有機層
221、421 有機EL素子
222 駆動トランジスタ
223 選択トランジスタ
224 コンデンサ
231 データ線
241 走査線
251 正電源線
261 負電源線
422 短絡成分

Claims (12)

  1. 赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素を含み、各色表示画素の表示色に対応する表示色フィルタを有する表示パネルを、検査装置で検査する検査方法であって、
    前記検査装置により撮像される前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素の光学像の露出量が各光学像間で略同一となるよう、前記検査装置による撮像時に前記表示パネルに照射される、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光の強度を個別に設定する強度設定工程と、
    前記強度設定工程で設定された強度で、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光を、前記表示色フィルタを介して前記各色表示画素に照射する照射工程と、
    前記照射工程で前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光が照射されている間に、前記検査装置により前記各色表示画素を撮像して当該各色表示画素の光学像を取得する取得工程と、
    前記取得工程で取得された前記光学像から前記各色表示画素の欠陥部を検出する検出工程とを含む
    表示パネルの検査方法。
  2. 前記検査装置は、複数の光電変換素子を有しており、
    前記強度設定工程では、
    前記複数の光電変換素子の受光感度の可視光波長依存性及び前記表示色フィルタの透過率の可視光波長依存性に基づいて、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光の強度を個別に設定する
    請求項1に記載の表示パネルの検査方法。
  3. 前記強度設定工程では、
    前記第1波長域、前記第2波長域及び前記第3波長域のうち、前記受光感度と前記透過率との積が大きい波長域ほど、当該波長域の光強度を小さく設定する
    請求項2に記載の表示パネルの検査方法。
  4. 前記強度設定工程では、
    前記各波長域における前記積と当該波長域の光の強度との積が同じとなるよう前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光の強度を設定する
    請求項3に記載の表示パネルの検査方法。
  5. 前記受光感度は、前記第1波長域よりも前記第3波長域が高く、かつ前記第3波長域よりも前記第2波長域が高い
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示パネルの検査方法。
  6. 前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素に対応した前記表示色フィルタのうち少なくとも一つは、透過率の可視光波長依存性において、当該表示色フィルタが配置された表示画素の色に対応した波長域において透過率が最大となる第1ピーク波長と、当該波長域以外の可視光波長域において透過率が最大となる第2ピーク波長とを有し、
    前記強度設定工程では、さらに、
    前記表示色フィルタの前記第2ピーク波長における透過率を加味して、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光の強度を個別に設定する
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の表示パネルの検査方法。
  7. 前記強度設定工程では、
    前記第1波長域、前記第2波長域及び前記第3波長域のうち、前記第1ピーク波長を含む波長域に対応する光の強度を、前記第2ピーク波長を加味しない場合の前記第1ピーク波長を含む波長域に対応する光の強度よりも小さく設定する
    請求項6に記載の表示パネルの検査方法。
  8. 前記照射工程では、
    前記強度設定工程で設定された強度で、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光を、同時に、前記各色表示画素に照射する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示パネルの検査方法。
  9. 前記各色表示画素は、陰極及び陽極で挟まれた有機エレクトロルミネッセンス発光層を有し、
    前記検出工程では、前記陰極及び前記陽極が短絡された前記欠陥部を検出する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示パネルの検査方法。
  10. 前記検出工程では、前記光学像により測定された輝度値が所定値以上となっている領域を前記欠陥部と判定する
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示パネルの検査方法。
  11. 赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素を含み、各色表示画素に対応する表示色フィルタを有する表示パネルに対し、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光を照射する照射部と、
    前記照射部から前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光が照射されている間に、前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素の光学像を取得する輝度測定部と、
    前記光学像から前記各色表示画素の欠陥部を判定する判定部とを備え、
    前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光の強度は、前記輝度測定部により取得される、前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素の光学像の露出量が、各光学像間で略同一となるよう個別に設定されている
    表示パネルの検査装置。
  12. 赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素を含む表示パネルの製造方法であって、
    表示パネル基板上に、前記各色表示画素をマトリクス状に形成し、前記各色表示画素の上に、対応する表示色フィルタを形成する表示画素形成工程と、
    検査装置により撮像される前記赤色表示画素、前記緑色表示画素及び前記青色表示画素の光学像の露出量が、各光学像間で略同一となるよう、前記撮像時に前記表示パネルに照射される、赤色に対応する第1波長域の光、緑色に対応する第2波長域の光及び青色に対応する第3波長域の光の強度を個別に設定する設定工程と、
    前記設定工程で設定された強度で、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光を、前記表示色フィルタを介して前記各色表示画素に照射する照射工程と、
    前記照射工程で前記第1波長域の光、前記第2波長域の光及び前記第3波長域の光が照射されている間に、前記検査装置により前記各色表示画素の光学像を取得する取得工程と、
    前記取得工程で取得された前記光学像から前記各色表示画素の欠陥部を検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出された前記欠陥部について、リペアを行うリペア工程とを含む
    表示パネルの製造方法。
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