JP5958754B2 - 大断面トンネルの施工方法 - Google Patents
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このようなシールドルーフ先受工を採用することによって地中空洞部を施工する方法では、地中空洞部の必要空間を包含する筒型覆工壁が例えば外径4m程度の外殻シールドトンネルにより構成され、先行して施工されるシールドトンネルより複数の外殻シールドトンネルを発進させている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1の場合、先行するシールドトンネルの外周面からトンネル軸方向に並行な方向に発進させることが困難なため、トンネル外周面から径方向の外側に向けて発進させた直後に、シールド機を急旋回させる急曲線区間を設けて目的の方向、例えば先行するシールドトンネルと平行な方向に掘進の向きを変えている。そのため、発進直後の急曲線区間が先行するシールドトンネルよりも径方向で外側に向けて広がることから、都市部などで用地の占有制限が厳しい場合において、施工に制限を受けるうえ、区分地上権の設定に時間がかかり、工期が長くなり、且つコストが増大する虞があるという問題があった。
そのため、周方向に隣り合う外殻シールドトンネル同士を適宜な連結手段により一体的に結合することで外殻体を築造することが可能となり、この外殻体が本線シールドトンネルの外側を覆うルーフシールドを構成するので、外殻体の内部を掘削して大断面の地中空洞部を構築することができる。
ここで、本線シールドトンネル1におけるトンネル軸方向を符号Xで示す。
なお、図1では、見易くするために複数の外殻シールドトンネル2のうち一部(紙面手前側に位置するもの)を省略している。
また、外殻シールドトンネル2は、外殻シールド発進基地4において周方向に沿って配置される複数の外殻シールド機6を同時、あるいは適宜な順番で掘進させることにより、施工される。
本実施の形態では、図4に示すように、本線シールドトンネル1が所定の予定位置に達した時点で、解体することを考慮した一次セグメントとガイドリング51A、51Bを組み立てた後、さらに掘進を続ける。そして、本線シールドトンネル1の発進基地部1Aにおいて、円周シールド機5により、本線シールドトンネル1の周囲にドーナツ状(リング状)の外殻シールド発進基地4(図1参照)を築造し、この発進基地内部より外殻シールド機6(図2参照)を発進させる。
なお、外殻シールド機6は、外殻シールドトンネル2を掘進し、分岐拡幅部の褄壁予定地点に到達させて解体、回収し、再び外殻シールド発進基地4で組み立てて発進させ、別の外殻シールドトンネル2を施工するように繰り返し使用するようにしても良い。
図4に示すように、本実施の形態では、本線シールドトンネル1の任意の位置における周方向の一部分に円周シールド発進基地3を形成し、その円周シールド発進基地3から円周シールド機5を用いて本線シールドトンネル1の外周面1aに沿ってリング状に掘削された部分を外殻シールド機6の外殻シールド発進基地4とすることができる。図1および図2に示すように、外殻シールド発進基地4の側壁部41Bに掘削面を向けた外殻シールド機6を配置させ、その外殻シールド機6を本線シールドトンネル1に沿って直線的に発進させて、本線シールドトンネル1と平行となる方向に掘進させることができる。
そして、発進直後は、適宜な位置で本線シールドトンネル1から径方向の外側に離れる曲線部2Bを形成させて掘進することで、本線シールドトンネル1の外周側に複数の外殻シールドトンネル2を形成することができる。
例えば、本実施の形態では、外殻シールド機6の掘進方向を本線シールドトンネル1の掘進方向と同一方向の前方としているが、この方向に限定されることはなく、外殻シールド発進部より後方に向けて発進させるようにしてもよい。すなわち、外殻シールド発進部の前方側または後方側に外殻シールドトンネル2を設けることが可能である。要は、外殻シールド機6が外殻シールド発進基地4の側壁部41Bを発進坑口として発進する方法であればよいのである。
1A 発進基地部
1a 外周面
2 外殻シールドトンネル
2A 第1直線部
2B 曲線部
2C 第2直線部
3 円周シールド発進基地(円周シールド発進部)
4 外殻シールド発進基地(外殻シールド発進部)
5 円周シールド機
6 外殻シールド機
10 地中空洞部
11 多分割セグメント
20 外殻体
41 円周セグメント
41B、41C 側壁部
51A、51B ガイドリング
X トンネル軸方向
Claims (2)
- 地中を掘削して地中空洞部を施工するに際して、該地中空洞部の掘削予定位置の外側に、予め複数の外殻シールドトンネルを配列した状態で施工することにより、それら外殻シールドトンネルによって前記掘削予定位置を取り囲む外殻体を構築し、該外殻体の内側を掘削する大断面トンネルの施工方法であって、
本線シールドトンネルを施工する工程と、
前記本線シールドトンネルの周方向の一部分を切り広げた円周シールド発進部を施工する工程と、
前記円周シールド発進部から円周シールド機によって前記本線シールドトンネルの外周面に沿って周方向に掘削してリング状の外殻シールド発進部を施工する工程と、
前記外殻シールド発進部における前記本線シールドトンネルのトンネル軸方向に直交する平面を有する側壁部より外殻シールド機を発進させて、複数の外殻シールドトンネルを施工する工程と、
を有し、
前記外殻シールドトンネルは、前記外殻シールド発進部から前記本線シールドトンネルと平行に発進させると共に、掘進するに従って漸次、前記本線シールドトンネルから径方向の外側に離れる方向に向けて掘進することで施工されることを特徴とする大断面トンネルの施工方法。 - 前記外殻シールド発進部において周方向に沿って複数の前記外殻シールド機が配置され、それら複数の外殻シールド機を同時に掘進させることを特徴とする請求項1に記載の大断面トンネルの施工方法。
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