JP2016008427A - 大断面トンネルの構築方法 - Google Patents

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邦靖 足立
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吾郎 磐田
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勉 屋代
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克洋 宮元
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Abstract

【課題】シールドトンネルの切り開きを不要にするとともに、支保工を大規模に設置せずとも内部掘削に伴う地盤の変状を抑制して掘削時の作業安全性を高める。【解決手段】本発明に係る大断面トンネルの構築方法を実施するには、まず、外殻の構築予定領域21のうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に複数の鋼管22を、下半分に相当する構築予定領域の内周側に複数の鋼管23をそれぞれ配置し、次いで、鋼管22の内周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41aとの間に支保工44aを挿入配置しつつ掘削するとともに、鋼管23の外周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41bとの間に支保工44bを挿入配置しつつ掘削することで外殻構築用作業空間45a及び外殻構築用作業空間45bからなる円筒状作業空間46に外殻61を構築し、その後で外殻61に囲まれた地山を内部掘削する。【選択図】 図1

Description

本発明は、主としてシールドトンネルの分岐合流部の構築に適用される大断面トンネルの構築方法に関する。
シールド工法でトンネル掘削を行うにあたっては、シールドトンネルの分岐合流部、典型的には道路トンネルにおける本線トンネルとランプトンネルとの接合箇所でトンネル断面を拡幅する必要がある。
トンネルの分岐合流部は、道路トンネルであれば、幅が20mを上回る大断面となることも多く、直径が15mを超えるシールドマシンも製作されるようになってきたとはいえ、分岐合流部という限られた区間をシールドマシンで全断面掘削することは現実的ではない。
このような状況下、シールドトンネルの断面を拡幅する工法として、パイプルーフと呼ばれる直線状又は曲線状の鋼管を支保工として既設のシールドトンネルを拡張し、あるいは2つのシールドトンネルを一体化するパイプルーフ工法(特許文献1)や、ルーフシールドと呼ばれる小径のシールドトンネルを、本体のシールドトンネルにおける分岐合流部を取り囲むようにそのトンネル軸線方向に沿って複数本配置し、それらを切り開いて外殻と呼ばれるRC躯体を連続的に構築した後、該外殻の内側領域を掘削する小断面シールド工法(特許文献2)が開発されている。
特開2010−43440号公報 特開2009−144463号公報
これらの工法はいずれも、シールドトンネルの拡幅工法として計画ないしは実績があるが、小断面シールド工法では、外殻を構築する際、周方向に沿って隣り合うルーフシールドをそれらの対向部位で切り開く必要があるため、拡幅部の径が大きい場合、ルーフシールドの本数も多くなってそれらの切り開き作業が増大する。
一方、パイプルーフ工法では、パイプルーフで土圧を先受けし、かかる状態でパイプルーフの内側に拡がる地山を掘削し、掘削完了後、パイプルーフの内側に外殻を構築するので、シールドトンネルを切り開く必要はないものの、小断面シールド工法のように外殻を先行構築するものではないため、掘削による応力開放に伴って地盤に変状が生じる傾向がある。
そのため、掘削及び外殻構築時の作業安全性を高めるには、支保工を大規模に設置したり、パイプルーフの設置スパンを短くしたりせねばならず、いずれにしろ施工能率が低下するという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、シールドトンネルの切り開きを不要にするとともに、支保工を大規模に設置せずとも内部掘削に伴う地盤の変状を抑制して掘削時の作業安全性を高めることが可能な大断面トンネルの構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は請求項1に記載したように、外殻の構築予定領域のうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に外周側土圧支持手段を、下半分に相当する構築予定領域の内周側に内周側土圧支持手段をそれぞれ配置し、
前記外周側土圧支持手段の内周側に拡がる地山を、該外周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に支保工を挿入配置しつつ掘削することで、前記外周側土圧支持手段の内周側に第1の外殻構築用作業空間を形成するとともに、前記内周側土圧支持手段の外周側に拡がる地山を、該内周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に支保工を挿入配置しつつ掘削することで、前記内周側土圧支持手段の外周側に前記第1の外殻構築用作業空間と連通される形で第2の外殻構築用作業空間を形成し、
前記第1の外殻構築用作業空間及び前記第2の外殻構築用作業空間からなる筒状作業空間に鉄筋コンクリート躯体からなる外殻を構築し、
前記外殻の内側に拡がる地山を掘削するものである。
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、前記筒状作業空間のうち、内周側に前記外殻を構築してその外周面に防水工を施すとともに、該筒状作業空間のうち、前記外周面と前記外周側土圧支持手段との間及び前記外周面とそれに対向する掘削露出面との間に拡がる空間を埋め戻すものである。
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、前記筒状作業空間を形成した後、前記外周側土圧支持手段の内周側及び前記内周側土圧支持手段に対向する掘削露出面にそれぞれ防水工を施し、次いで、前記筒状作業空間に前記鉄筋コンクリート躯体を構築するものである。
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、前記内周側土圧支持手段及び前記外周側土圧支持手段をそれぞれ、前記外殻の周方向に沿って並列になるようにトンネル軸線方向に延設されてなる複数の鋼管とするものである。
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、予め形成された立坑を発進部とし、該発進部から前記鋼管を推進するものである。
本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、地山強度が比較的高くかつ、地下水位が低いか又は不透水層に位置する場合に適しており、該構築方法においては、外殻の構築予定領域のうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に外周側土圧支持手段を、下半分に相当する構築予定領域の内周側に内周側土圧支持手段をそれぞれ配置し、外周側土圧支持手段の内周側に拡がる地山を、該外周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に支保工を挿入配置しつつ掘削することで、外周側土圧支持手段の内周側に第1の外殻構築用作業空間を形成するとともに、内周側土圧支持手段の外周側に拡がる地山を、該内周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に支保工を挿入配置しつつ掘削することで、内周側土圧支持手段の外周側に上述の第1の外殻構築用作業空間と連通される形で第2の外殻構築用作業空間を形成し、第1の外殻構築用作業空間及び第2の外殻構築用作業空間からなる筒状作業空間に鉄筋コンクリート躯体からなる外殻を構築する。
ここで、第1の外殻構築用作業空間や第2の外殻構築用作業空間は、外殻を構築するための作業空間であるため、径方向(放射方向)に沿った空間寸法は、外殻の厚みよりも若干大きい程度にとどまる。
そのため、外周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に挿入されるべき支保工や、内周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に挿入されるべき支保工は比較的短尺で足りるとともに、例えば伸縮機能を備えた汎用の支保部材を用いることも可能となり、安全かつ合理的なコストで第1の外殻構築用作業空間及び第2の外殻構築用作業空間を形成することができる。
次に、外殻の内側に拡がる地山を掘削するが、内部掘削を行う時点で外殻が既に構築されているため、内部掘削の作業安全性が高まる。
また、外周側土圧支持手段については、外殻の外周側に位置するため、地山内に残置することができるし、内周側土圧支持手段についても、外殻の内周側ではあるがその下半分に位置するため、外殻で囲まれた地山のうち、道路下方である等の理由で下半分を掘削しない場合には同じく残置することが可能であり、いずれも撤去は不要となる。なお、外周側土圧支持手段や内周側土圧支持手段を鋼管で構成する場合には、該鋼管の内部空間を、流動化処理土、エアーモルタル等の充填材で充填した上で残置する。
外殻を構築するにあたり、周辺地山からの土圧を支持するだけではなく、供用期間中に想定される地下水位の上昇に対応可能な止水体としても機能させる必要がある場合には、周辺地山からの出水がなきよう、必要に応じて防水工を施す必要があるが、防水工としては、外殻の外周面に施す場合と外殻の内周面に施す場合に大別され、前者の場合においては、次の2つの施工手順、すなわち、
(a) 筒状作業空間のうち、内周側に外殻を構築してその外周面に防水工を施すとともに、該筒状作業空間のうち、上述の外周面と外周側土圧支持手段との間及び上述の外周面とそれに対向する掘削露出面との間に拡がる空間を埋め戻す構成
(b) 筒状作業空間を形成した後、外周側土圧支持手段の内周側及び内周側土圧支持手段に対向する掘削露出面にそれぞれ防水工を施し、次いで、筒状作業空間に鉄筋コンクリート躯体を構築する構成
のいずれかを適宜選択することができる。
防水工は、外殻の外周面((a)の場合)や、外周側土圧支持手段の内周側及び内周側土圧支持手段に対向する掘削露出面((b)の場合)に防水シートを敷設する形で行うことができるが、外殻を貫通する形で残置されている支保工が防水シートの敷設作業に支障となる場合や((a)の場合)、外殻構築前の支保工が防水シートの敷設作業に支障となる場合には((b)の場合)、防水工が終了した箇所に支保工を適宜盛り替えながら防水工を進めればよい。
一方、外殻の内周面に防水工を施す際の具体例としては、内部掘削完了後、トンネル内空間の内面に、例えば仕上げ材とともに防水工を施す例が挙げられる。
内周側土圧支持手段や外周側土圧支持手段をどのように構成するかは任意であって、構成部材としては例えば、鋼管や小断面シールドトンネルを用いることが可能であり、配置形態としては例えば、トンネル軸線方向に沿って延設するかトンネル軸線回りに延設するかを選択することが可能であり、施工方法としては例えば、鋼管の場合であれば推進方式を採用すればよい。
具体的には、内周側土圧支持手段及び外周側土圧支持手段をそれぞれ、外殻の周方向に沿って並列になるようにトンネル軸線方向に延設されてなる複数の鋼管とする構成を採用することができる。
内周側土圧支持手段及び外周側土圧支持手段をそれぞれ、外殻の周方向に沿って並列になるようにトンネル軸線方向に延設されてなる複数の鋼管とする場合の具体的な鋼管配置方法としては、先行構築された本線トンネルのうち、該本線トンネルに分岐合流するランプトンネルから遠い側に発進部を設け、該発進部からランプトンネルの方向に向けて鋼管を推進して外周側土圧支持手段及び内周側土圧支持手段とする構成が可能である。
また、予め形成された立坑を発進部とし、該発進部から前記鋼管を推進する構成を採用することも可能である。
本実施形態に係る大断面トンネルの構築方法の実施手順を示したフローチャート。 鋼管22及び鋼管23の配置状況を示す図であり、(a)はそれらの中間部分を省略した全体斜視図、(b)は、それらを包絡面で示した分解斜視図。 鋼管22及び鋼管23の配置状況を示す縦断面図。 本実施形態に係る大断面トンネルの構築方法の実施状況をA−A線に沿う横断面で示した図。 引き続き大断面トンネルの構築方法の実施状況を示した横断面図。 引き続き大断面トンネルの構築方法の実施状況を示した横断面図。 変形例に係る大断面トンネルの構築方法の実施状況を示した横断面図。 別の変形例に係る大断面トンネルの構築方法の実施状況を示した横断面図。 引き続き大断面トンネルの構築方法の実施状況を示した横断面図。
以下、本発明に係る大断面トンネルの構築方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態に係る大断面トンネルの構築方法は、地山強度が比較的高くかつ、地下水位が低いか又は不透水層に位置する場合であって、本線トンネルに拡幅部を設けてランプトンネルとの分岐合流部とする場合に適用されるものであり、図1は、その実施手順を示したフローチャートである。
本実施形態に係る大断面トンネルの構築方法を実施するには、図2及び図3に示すように、まず、外殻の構築予定領域21のうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に外周側土圧支持手段としての複数の鋼管22を、下半分に相当する構築予定領域の内周側に内周側土圧支持手段としての複数の鋼管23をそれぞれ配置する(図1,ステップ101)。
外殻は、周辺地山からの土圧を支持するとともに、供用期間中に想定される地下水位の上昇に対応可能な止水体としても機能する本設構造体であって、最終的には、トンネル内空間26の内面に円筒状に構築されるが、図2及び図3に示すように本設トンネル24にランプトンネル25が接続される分岐合流部では、分岐開始あるいは合流終了となる断面位置(同図右端)よりも、分岐終了あるいは合流開始となる断面位置(同図左端)の方で、該外殻の横断面を大きくしなければならない。
そのため、外殻の径が同図右端から同図左端にかけて徐々に大きくなるように、鋼管22と鋼管23を配置する。
鋼管22及び鋼管23のうち、鋼管22は上述したように、外殻の構築予定領域21のうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に、鋼管23は同じく下半分に相当する構築予定領域の内周側にそれぞれ配置されるが、本線トンネル24には同図に示すように、小径側近傍に発進部31を設置してあり、鋼管22及び鋼管23は該発進部から推進方式で延設される。
発進部31は、本線トンネル24の周辺地山を周方向に掘削除去することで、該本線トンネルの周囲に鍔状の作業空間を設けるとともに、該作業空間に鋼管22,23を推進させるための推進機(図示せず)を設置して構成してあり、鍔状の作業空間は例えば、本線トンネル24のセグメントを一部撤去して側方空間を掘削形成し、該側方空間に周方向に地山掘削可能な掘進機を設置して該掘進機を本線トンネル24の外周面に沿って周回させることで形成が可能である。
ここで、鋼管22は外周側土圧支持手段として、鋼管23は内周側土圧支持手段としてそれぞれ土圧を支持する役目を果たすため、隣り合う鋼管同士の離間距離は、どの断面位置でも一定の大きさ以下に抑える必要がある。
そのため、発進部31は、内周と外周の両方から鋼管推進ができるようになっており、図2(b)でよくわかるように、外周からは、その全周にわたって複数の鋼管22が推進方式で発進され、大径側に近づくにつれて、全周配置から上半分の半周配置へと少しずつ配置形態が調整されながら、外殻の構築予定領域21の周方向に沿って並列になるようにトンネル軸線方向に延設される。
一方、内周からは、その全周にわたって複数の鋼管23が推進方式で発進され、大径側に近づくにつれて、全周配置から下半分の半周配置へと少しずつ配置形態が調整されながら、外殻の構築予定領域21の周方向に沿って並列になるようにトンネル軸線方向に延設される。
なお、鋼管22と鋼管23は図2(b)でよくわかるように、小径側に行くほど、互いに重複する部分が多くなり、発進部31の直近では、鋼管22が外側全周に、鋼管23が内側全周に配置された二重配置状態となるが、本実施形態では、鋼管22が概ね上半分に、鋼管23が概ね下半分に配置された断面位置、すなわち大径側に近い範囲での外殻の構築方法を扱うものとする。
鋼管22及び鋼管23を上述したようにトンネル軸線方向に延設したならば、次に図4(a)に示すように、鋼管22の内周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41aとの間に支保工44aを挿入配置しつつ掘削することで、鋼管22の内周側に第1の外殻構築用作業空間としての外殻構築用作業空間45aを形成するとともに、鋼管23の外周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41bとの間に支保工44bを挿入配置しつつ掘削することで、鋼管23の外周側に第2の外殻構築用作業空間としての外殻構築用作業空間45bを形成する(図1,ステップ102)。
ここで、外殻構築用作業空間45aや外殻構築用作業空間45bは、外殻を構築するための作業空間であるため、径方向(放射方向)に沿った空間寸法は、外殻の厚みよりも若干大きい程度にとどまる。
そのため、鋼管22とそれに対向する掘削露出面41aとの間に挿入されるべき支保工44aや、鋼管23とそれに対向する掘削露出面41bとの間に挿入されるべき支保工44bは比較的短尺で足りるとともに、例えば伸縮機能を備えた汎用の支保部材を用いることも可能となり、安全かつ合理的なコストで外殻構築用作業空間45a及び外殻構築用作業空間45bを形成することができる。
なお、支保工44aや支保工44bを挿入配置するにあたり、それらの一方の端部を掘削露出面41aや掘削露出面41bにそれぞれ当接させる必要があるが、当接箇所での地山への食いこみが起こらないよう、必要に応じて支圧板を挟み込む、土間コンクリートを打つなどの措置を講じる。
外殻構築用作業空間45a及び外殻構築用作業空間45bを掘削形成するにあたっては、例えば本線トンネル24の側方に位置するセグメントを一部切除して開口(図示せず)を設け、該開口を掘削作業用出入り口とすることができる。
外殻構築用作業空間45a及び外殻構築用作業空間45bは、同図矢印に示すようにそれぞれ反時計方向と時計方向に掘進し、半周した後、先端同士でそれらを互いに連通させ、同図(b)に示すように外殻構築用作業空間45a及び外殻構築用作業空間45bからなる円筒状作業空間46を形成する。
次に、図5(a)に示すように、円筒状作業空間46のうち、内周側に外殻61を構築する(図1,ステップ103)。
外殻61は、トンネル軸線回りに沿って分割された複数のブロックごとに鉄筋コンクリート躯体を構築し、これらを、鉄筋の定着、コンクリートの打継ぎ等に適宜配慮しつつ、互いに連続一体化させる形で構築することが可能である。
次に、図5(b)に示すように、外殻61の外周面に防水シート62を敷設する防水工を施す(図1,ステップ104)。
防水シート62を敷設するにあたり、外殻61を貫通する形で残置されている支保工44aあるいは支保工44bが防水シート62の敷設作業に支障となる場合には、既存の支保工44aを、防水工が終了した外殻61の外周面と鋼管22との間に盛り替える、すなわち防水工が終了した外殻61の外周面と鋼管22との間にあらたな支保工44aを設置した上で既存の支保工44aを切断撤去すればよい。
支保工44bも同様であり、既存の支保工44bを、防水工が終了した外殻61の外周面と掘削露出面41bとの間に盛り替える、すなわち防水工が終了した外殻61の外周面と掘削露出面41bとの間にあらたな支保工44bを設置した上で既存の支保工44bを切断撤去すればよい。
次に、円筒状作業空間46のうち、防水工が終了した外殻61の外周面(防水シート62の表面)と鋼管22との間、及び同じく外殻61の外周面と掘削露出面41bとの間に拡がる空間63を埋め戻す(図1,ステップ105)。
次に、図6に示すように、外殻61の内側に拡がる地山を掘削することにより、トンネル内空間26を形成する(図1,ステップ106)。なお、かかる内部掘削は、外殻61で囲まれた領域を必ずしもすべて掘削する必要はなく、例えば道路下方の領域について掘削が不要な場合、鋼管23については、必要に応じて、流動化処理土、エアーモルタル等の充填材で内部空間を充填した上、撤去せずにそのまま残置すればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る大断面トンネルの構築方法によれば、外殻の構築予定領域21のうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に複数の鋼管22を、下半分に相当する構築予定領域の内周側に複数の鋼管23をそれぞれ配置し、次いで、鋼管22の内周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41aとの間に支保工44aを挿入配置しつつ掘削するとともに、鋼管23の外周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41bとの間に支保工44bを挿入配置しつつ掘削するようにしたので、鋼管22とそれに対向する掘削露出面41aとの間に挿入されるべき支保工44aや、鋼管23とそれに対向する掘削露出面41bとの間に挿入されるべき支保工44bは比較的短尺で足りるとともに、例えば伸縮機能を備えた汎用の支保部材を用いることも可能となり、安全かつ合理的なコストで外殻構築用作業空間45a及び外殻構築用作業空間45bを形成することができる。
また、本実施形態に係る大断面トンネルの構築方法によれば、外殻構築用作業空間45a及び外殻構築用作業空間45bからなる円筒状作業空間46に外殻61を構築した後、該外殻の内側に拡がる地山を掘削するようにしたので、内部掘削の作業安全性が高まり、かくしてシールドトンネルの切り開きを不要にしつつ、なおかつ支保工を大規模に設置せずとも内部掘削に伴う地盤の変状を抑制して掘削時の作業安全性を高めることが可能となる。
本実施形態では、外殻61の外周面に防水シート62を敷設し、しかる後、円筒状作業空間46のうち、防水工が終了した外殻61の外周面(防水シート62の表面)と鋼管22との間、及び同じく外殻61の外周面と掘削露出面41bとの間に拡がる空間63を埋め戻すようにしたが、これに代えて、図7(a)に示すように、円筒状作業空間46を形成した後、鋼管22の内周側及び鋼管23に対向する掘削露出面41bに防水シート62を敷設し、次いで、同図(b)に示すように円筒状作業空間46に鉄筋コンクリート躯体を構築し、これを周方向に連続一体化させることで外殻61としてもよい。
かかる構成によれば、円筒状作業空間46の全体にわたって鉄筋コンクリート躯体が構築されるため、上述した実施形態のように円筒状作業空間46の一部を埋め戻す必要がなくなる。
また、本実施形態では、鋼管22,23を発進させるにあたり、発進部31の外周からその全周にわたって複数の鋼管22を発進させるとともに、内周からその全周にわたって複数の鋼管23を発進させるように該発進部を構成したが、鋼管22,23をどのように延設させるかは任意であり、例えば発進部の上半分から鋼管22を、下半分から鋼管23をそれぞれ発進させるようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、外殻61がほぼ円筒状、横断面で言えば円環状である場合について説明したが、横断面が楕円状でもよいし、そもそも本発明の外殻は、筒状であれば足りるものであって横断面の形状は任意であり、例えば角筒状であってもかまわない。
また、本実施形態では、本線トンネル24を利用して発進部31を設置したが、発進部をどのように構成するかは任意である。
図8及び図9は、本発明に係る大断面トンネルの構築方法を、トンネル内空間が概ね矩形状をなす地下鉄の駅舎に適用する場合の実施手順を示したものであって、まず図8(a)に示すように、角筒状をなす外殻の構築予定領域21aのうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に外周側土圧支持手段としての複数の鋼管22を、下半分に相当する構築予定領域の内周側に内周側土圧支持手段としての複数の鋼管23を、それぞれ外殻の構築予定領域21aの周方向に沿って並列になるようにかつトンネル軸線方向に沿うように延設する。
鋼管22及び鋼管23は、地盤内に立坑(図示せず)を予め形成するとともに、該立坑に推進機を設置して発進部とし、該発進部から例えば紙面手前側に向けて推進させることで延設が可能である。
次に、同図(b)に示すように、鋼管22の内周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41aとの間に支保工(図示せず)を挿入配置しつつ掘削することで、鋼管22の内周側に第1の外殻構築用作業空間としての外殻構築用作業空間85aを形成するとともに、鋼管23の外周側に拡がる地山を、該鋼管とそれに対向する掘削露出面41bとの間に支保工(図示せず)を挿入配置しつつ掘削することで、鋼管23の外周側に第2の外殻構築用作業空間としての外殻構築用作業空間85bを形成し、さらにそれらが連通一体化してなる角筒状作業空間86を形成する。
次に、図9(a)に示すように、角筒状作業空間86に鉄筋コンクリート躯体を構築するとともに、これを周方向に連続一体化させることで外殻61aとし、次いで、同図(b)に示すように、外殻61aの内側に拡がる地山を掘削することにより、トンネル内空間26aを形成する。
以下、外殻61aやトンネル内空間26aの横断面形状が概ね矩形状をなす点を除けば、実施手順は、上述した実施形態や変形例とほぼ同様であるので、その他の構成や作用効果については、ここではその説明を省略する。
21,21a 外殻の構築予定領域
22 鋼管(外周側土圧支持手段)
23 鋼管(内周側土圧支持手段)
24 本線トンネル
25 ランプトンネル
26,26a トンネル内空間
31 発進部
44a,44b 支保工
45a 外殻構築用作業空間(第1の外殻構築用作業空間)
45b 外殻構築用作業空間(第2の外殻構築用作業空間)
46 円筒状作業空間(筒状作業空間)
61,61a 外殻
62 防水シート
63 外殻61の外周面と鋼管22等との間の間に拡がる空間
(筒状作業空間のうち、外周面と外周側土圧支持手段等との間に拡がる空間)
85a 外殻構築用作業空間(第1の外殻構築用作業空間)
85b 外殻構築用作業空間(第2の外殻構築用作業空間)
86 角筒状作業空間(筒状作業空間)

Claims (5)

  1. 外殻の構築予定領域のうち、上半分に相当する構築予定領域の外周側に外周側土圧支持手段を、下半分に相当する構築予定領域の内周側に内周側土圧支持手段をそれぞれ配置し、
    前記外周側土圧支持手段の内周側に拡がる地山を、該外周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に支保工を挿入配置しつつ掘削することで、前記外周側土圧支持手段の内周側に第1の外殻構築用作業空間を形成するとともに、前記内周側土圧支持手段の外周側に拡がる地山を、該内周側土圧支持手段とそれに対向する掘削露出面との間に支保工を挿入配置しつつ掘削することで、前記内周側土圧支持手段の外周側に前記第1の外殻構築用作業空間と連通される形で第2の外殻構築用作業空間を形成し、
    前記第1の外殻構築用作業空間及び前記第2の外殻構築用作業空間からなる筒状作業空間に鉄筋コンクリート躯体からなる外殻を構築し、
    前記外殻の内側に拡がる地山を掘削することを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  2. 前記筒状作業空間のうち、内周側に前記外殻を構築してその外周面に防水工を施すとともに、該筒状作業空間のうち、前記外周面と前記外周側土圧支持手段との間及び前記外周面とそれに対向する掘削露出面との間に拡がる空間を埋め戻す請求項1記載の大断面トンネルの構築方法。
  3. 前記筒状作業空間を形成した後、前記外周側土圧支持手段の内周側及び前記内周側土圧支持手段に対向する掘削露出面にそれぞれ防水工を施し、次いで、前記筒状作業空間に前記鉄筋コンクリート躯体を構築する請求項1記載の大断面トンネルの構築方法。
  4. 前記内周側土圧支持手段及び前記外周側土圧支持手段をそれぞれ、前記外殻の周方向に沿って並列になるようにトンネル軸線方向に延設されてなる複数の鋼管とする請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の大断面トンネルの構築方法。
  5. 予め形成された立坑を発進部とし、該発進部から前記鋼管を推進する請求項4記載の大断面トンネルの構築方法。
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