JP6108769B2 - 地下空間構築方法 - Google Patents
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本発明は、地下空間構築方法に関する。
道路トンネルの分岐・合流部や、鉄道トンネル等の駅部分等において、本線トンネルを拡幅して大断面地下構造物を構築する場合には、地表面から立坑を構築して拡幅部の施工を行うのが一般的である。
ところが、新設する地下構造物の深度が深い場合には、立坑等の開削工には手間や費用が嵩む。また、都市部等においては、開削するための用地を確保することができない場合もある。
非開削により大断面地下空間を形成する方法としては、先行トンネルから複数の小断面トンネルを並設して外殻を形成し、この外殻の内部を掘削することにより形成する方法がある。
例えば、特許文献1には、先行トンネルから複数の小断面トンネルを発進させて、計画された大断面地下空間の端部において各小断面トンネルを折り返させることで地山を囲繞し、複数の小断面トンネルで囲繞された地山を掘削することで大断面地下空間を形成する地中構造物の構築方法が開示されている。
前記特許文献1の地中構造物の構築方法は、複数の小断面トンネルにより地山を囲繞するため、本線トンネルが先行して掘進されている場合等には適用することができなかった。
また、地中構造物の構築後に本線トンネルを施工する場合には、小断面トンネル群を貫通する必要があるため、施工に手間がかかる。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、本線トンネルに干渉することなく、この本線トンネルを包含する地下空間を構築する地下空間構築方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る地下空間構築方法は、本線トンネルの構築前または構築後に前記本線トンネルの軸方向に沿った複数の小断面トンネルを並設し、前記複数の小断面トンネルで囲まれた領域に前記本線トンネルが内包された状態で前記領域を掘削して大断面地下空間を形成する地下空間構築方法であって、前記大断面地下空間の基端から先端に向って小断面トンネル用の掘進機を掘進させる往路掘進工程と、前記大断面地下空間の先端側における前記本線トンネルの断面外の地中において前記掘進機をUターンさせる先端掘進工程と、前記先端から前記基端に向って前記掘進機を掘進させる復路掘進工程とを備えることを特徴としている。
かかる地下空間構築方法によれば、小断面トンネルを本線トンネルと干渉することがないように形成するため、本線トンネルが先行して構築されている場合であっても、施工が可能である。また、本線トンネルを後施工で構築する場合であっても、小断面トンネルを削孔する必要がないため、施工性に優れている。
前記先端掘進工程では、前記復路掘進工程により形成される小断面トンネルの標高が前記往路掘進工程により形成される小断面トンネルの標高と異なるように傾斜させた状態で掘進し、前記大断面地下空間の中心を通る水平面よりも上側において前記往路掘進工程を行った場合は、前記水平面の上側において前記復路掘進工程を行い、前記水平面の下側において往路掘進工程を行った場合は、前記水平面の下側において復路掘進工程を行うのが望ましい。
かかる地下空間構築方法によれば、小断面トンネルを、大断面地下空間の上半と下半に分けて施工を行うため、小断面トンネルを折り返す際の傾斜を45°程度以下に抑えることが可能となる。
前記復路掘進工程の後、前記大断面地下空間の基端側における前記本線トンネルの断面外の地中において前記掘進機をUターンさせる基端掘進工程をさらに備え、前記基端掘進工程の後、再び前記往路掘進工程を行えば、小断面トンネルの連続施工により段取り替え等に要する手間を省略することが可能となる。
前記小断面トンネルをUターンさせる際に、掘進機の掘進可能曲げ半径を確保する観点からすれば、前記先端掘進工程において前記大断面地下空間の中心を通る鉛直面を前記掘進機が跨ぐように施工を行うのが望ましい。
また、前記先端掘進工程および前記基端掘進工程における前記掘進機によるUターン開始時の小断面トンネルの中心とUターン終了時の小断面トンネルの中心との距離が、当該小断面トンネルの最小曲げ半径の2倍以上であれば、より施工性が向上する。
本発明の地下空間構築方法によれば、本線トンネルに干渉することなく、本線トンネルを包含する地下空間を構築することが可能となる。
本発明の実施形態に係る地下空間構築方法は、図1に示すように、既設の本線トンネルT1の軸方向(図1の紙面垂直方向)に沿った複数の小断面トンネルt1〜t25を並設して閉環断面2を形成し、この閉環断面2(複数の小断面トンネルt1〜t25)により囲まれた領域3を掘削することで、本線トンネルT1が内包された大断面地下空間1を形成するものである。なお、本線トンネルT1は、大断面地下空間1を形成した後に施工してもよい。
本実施形態では、本線トンネルT1とアプローチトンネルT2との合流部において、本線トンネルT1とアプローチトンネルT2とを内包するように大断面地下空間1を形成する場合について説明する。
大断面地下空間1は、環状に並設された複数本の小断面トンネルt1〜t25により外殻(閉環断面2)が形成されている。隣り合う小断面トンネル同士は、部分的に重合している。
小断面トンネルt1〜t25は、掘進機が大断面地下空間1(合流部)の前後においてUターンする(折り返す)ことにより形成されている。つまり、大断面地下空間1となる領域の周囲を掘進機が往復することにより小断面トンネルt1〜t25が形成されている(図3の(a)または(b)参照)。
本実施形態では、6台の掘進機(1号機〜6号機)が、それぞれ大断面地下空間1の外周囲において複数回往復することにより、大断面地下空間1の周囲に複数の小断面トンネル(第1トンネルt1〜第25トンネルt25)を並設している。なお、本実施形態では、1台の掘進機で複数の小断面トンネルを形成するので、小断面トンネルの施工上の本数は掘進機と同数の6本であるが、本実施形態では、図1、図4に現れる小断面トンネルの断面毎に異なる符号(t1〜t25)を付している。大断面地下空間1の外殻(閉環断面2)を形成する小断面トンネルの本数は限定されない。
本実施形態の地下空間の構築方法は、図2に示すように、往路掘進工程S1と、先端掘進工程S2と、復路掘進工程S3と、基端掘進工程S4と、内部掘削工程S5とを備えている。
往路掘進工程S1は、大断面地下空間1の基端12から先端11に向って小断面トンネル用の掘進機を掘進させる工程である(図3の(a)および(b)参照)。
往路掘進工程S1において、掘進機は本線トンネルT1の軸方向に沿って掘進させる。
先端掘進工程S2は、往路掘進工程S1の後、大断面地下空間1の先端11側における本線トンネルT1の断面外の地中(先端Uターン領域4)において掘進機をUターンさせる工程である(図3の(a)および(b)参照)。
先端掘進工程S2では、復路掘進工程S3により形成される小断面トンネルの標高が、往路掘進工程S1において形成された小断面トンネルの標高と異なるように傾斜させた状態で掘進する(図4の(a)参照)。
また、掘進機をUターンさせる際には、大断面地下空間1の中心を通る鉛直面CVを掘進機が跨ぐように行う。
なお、往路掘進工程S1により施工された小断面トンネルt1〜t4,t6,t7が、大断面地下空間1(閉環断面2)の中心を通る水平面CLよりも上側に形成されているので、復路掘進工程S3により施工する小断面トンネルt20〜t25が水平面CLの上側となるように掘進機をUターンさせる。
逆に、往路掘進工程S1により施工された小断面トンネルt8〜t13が、大断面地下空間1(閉環断面2)の中心を通る水平面CLよりも下側に形成されているので、復路掘進工程S3により施工する小断面トンネルt14〜t19が水平面CLの下側となるように掘進機をUターンさせる。
先端掘進工程S2では、小断面トンネルt1〜t25が既設トンネル(本線トンネルT1およびアプローチトンネルT2)と接触することがなく、かつ、小断面トンネルt1〜t25同士が接触することがないように、大断面地下空間1の先端から離れた位置においてUターンを開始する。
なお、掘進機は、図4の(a)に示すように、Uターン開始時の小断面トンネル(例えば第1トンネルt1)の中心とUターン終了時の小断面トンネル(例えば第20トンネル)の中心との距離Lが、当該小断面トンネルの最小曲げ半径の2倍以上となるように掘進する。
また、掘進機のUターン開始時およびUターン終了時の位置は、必要に応じて閉環断面2の中心から放射線上に移動させることで、小断面トンネル同士の干渉を防止する。つまり、Uターンの始点および終点は、必ずしも閉環断面2上に配置されていない。
また、小断面トンネルのUターンのルート同士が重なる場合には、トンネル軸方向(図3において左右方向)で前後にずらすことで、小断面トンネル同士が干渉することを防止する。
復路掘進工程S3は、先端掘進工程S2の後、大断面地下空間1の先端11から基端12に向って掘進機を掘進させる工程である(図3の(a)および(b)参照)。
復路掘進工程S3においては、本線トンネルT1の軸方向に沿って掘進機を掘進させる。
基端掘進工程S4は、復路掘進工程S3の後、大断面地下空間1の基端12側における本線トンネルT1の断面外の地中(基端Uターン領域5)において掘進機をUターンさせる工程である(図3の(a)および(b)参照)。
基端掘進工程S4では、先端掘進工程S2と同様に、復路掘進工程S3により形成される小断面トンネルの標高が、往路掘進工程により形成された小断面トンネルの標高と異なるように傾斜させた状態で掘進する(図4の(b)参照)。
また、掘進機をUターンさせる際には、大断面地下空間1の中心を通る鉛直面CVを掘進機が跨ぐように行う。
また、復路掘進工程S3により施工された小断面トンネルt21〜t23,t25が、閉環断面2の中心を通る水平面CLよりも上側に形成されているので、往路掘進工程S1により施工する小断面トンネルt1,t4〜t6が水平面CLの上側となるように、掘進機をUターンさせる。
逆に、復路掘進工程S3により施工された小断面トンネルt15,t16,t18が、閉環断面2の中心を通る水平面CLよりも下側に形成されているので、往路掘進工程S1により施工する小断面トンネルt8,t10,t12が水平面CLの下側となるように、掘進機をUターンさせる。
基端掘進工程S4では、小断面トンネルが、既設トンネル(本線トンネルT1およびアプローチトンネルT2)と接触することがなく、かつ、小断面トンネル同士が接触することがないように、大断面地下空間1の基端から離れた位置においてUターンを開始する。
なお、掘進機は、Uターン開始時の小断面トンネル(例えば、第21トンネルt21)の中心とUターン終了時の小断面トンネル(例えば、第1トンネルt1)の中心との距離Lが、当該小断面トンネルの最小曲げ半径の2倍以上となるように掘進する。
また、掘進機のUターン開始時およびUターン終了時の位置は、図4の(b)に示すように、必要に応じて閉環断面2の中心から放射線上に移動させることで、小断面トンネル同士の干渉を防止する。つまり、Uターンの始点および終点は、必ずしも閉環断面上に配置されていない。
また、小断面トンネルのUターンのルート同士が重なる場合には、トンネル軸方向(図3において左右方向)で前後にずらすことで、小断面トンネル同士が干渉することを防止する。
基端掘進工程S4の後、再び往路掘進工程S1、先端掘進工程S2および復路掘進工程S3を実施して、掘進機を2往復させる。なお、掘進機の往復回数は限定されるものではない。
内部掘削工程S5は、小断面トンネルt1〜t25で囲まれた領域3の内部を掘削して、大断面地下空間1を形成する工程である(図1参照)。
内部掘削工程S5では、大断面地下空間1の両端に対応する位置に凍結工法等の地盤改良を行い、その内側に褄壁を構築した状態で、領域3の掘削を行う。なお、大断面地下空間1の褄部の構成は限定されるものではない。
次に、本実施形態における各掘進機の掘進ルートについて説明する。
本実施形態では、6台の掘進機(1号機〜6号機)を利用する。
なお、大断面地下空間1は、図1に示すように、頂点から左回りに第1小断面トンネルt1〜第25小断面トンネルt25が並設されている。
1号機は、水平面CLより上側において、第2小断面トンネルt2、第21小断面トンネルt21、第1小断面トンネルt1および第20小断面トンネルt20を形成するための掘進機である。
1号機は、図5の(a)および(b)に示すように、アプローチトンネルT2の壁面から掘進を開始し、本線トンネルT1の中心を通る水平面CLよりも上側において、第2小断面トンネルt2を形成する(往路掘進工程S1)。
第2小断面トンネルt2が大断面地下空間1の先端に到達したら、1号機を閉環断面2の外側にオフセットさせ、その後、大断面地下空間1の奥側(先端の外側)の地中(先端Uターン領域4)において、1号機をUターンさせ、第2小断面トンネルt2と第21小断面トンネルt21とをつなぐU字状のトンネルを形成する(先端掘進工程S2)。1号機は、下り勾配で掘進させ、小断面トンネルの最小曲げ半径以上の半径によりUターンさせる。
1号機をUターンさせたら、1号機の中心を閉環断面2の中心線上に位置させた後、第21小断面トンネルt21を形成する(復路掘進工程S3)。
そして、第21小断面トンネルt21が、大断面地下空間1の基端12に到達したら、大断面地下空間1の手前側(基端の外側)の地中(基端Uターン領域5)において、1号機をUターンさせ、第21小断面トンネルt21と第1小断面トンネルt1とをつなぐU字状のトンネルを形成する(基端掘進工程S4)。1号機は、上り勾配で掘進させ、小断面トンネルの最小曲げ半径以上の半径によりUターンさせる。
1号機をUターンさせたら、1号機を第2小断面トンネルt2に近づけて、1号機の中心を閉環断面2の中心線上であって、第2小断面トンネルt2に隣接した位置において、第2小断面トンネルの一部を削りながら、第1小断面トンネルt1を形成する(往路掘進工程S1)。
第1小断面トンネルt1が、大断面地下空間1の先端11に到達したら、1号機を閉環断面2の外側にオフセットさせ、その後、大断面地下空間1の奥側(先端の外側)の地中(先端Uターン領域4)において、1号機をUターンさせ、第1小断面トンネルt1と第20小断面トンネルt20とをつなぐU字状のトンネルを形成する(先端掘進工程S2)。1号機は、下り勾配で掘進させ、小断面トンネルの最小曲げ半径以上の半径によりUターンさせる。
1号機をUターンさせたら、1号機を第21小断面トンネルt21に近づけて、1号機の中心を閉環断面2の中心線上に位置させた後、第21小断面トンネルt21に隣接した位置において第21小断面トンネルt21の一部を削りながら第20トンネルt20を形成する(復路掘進工程S3)。
そして、第20トンネルt20の掘進が大断面地下空間1の基端12に到達したら、1号機を回収あるいは地中に残置する。
図4の(a)に示すように、1号機のUターンルートt2→t21とt1→t20は断面視で重なる。そのため、Uターンルートt2→t21とt1→t20は、互いに離れた位置でUターンさせる。
同様に、水平面CLより上側において、2号機により第7小断面トンネルt7、第25小断面トンネルt25、第6小断面トンネルt6、第24小断面トンネルt24を形成する。
2号機は、図5の(a)および(b)に示すように、アプローチトンネルT2の壁面から掘進を開始し、本線トンネルT1の中心を通る水平面CLよりも上側において、第7小断面トンネルt7、第25小断面トンネルt25、第6小断面トンネルt6、第24小断面トンネルt24の順に形成する。第25小断面トンネルt25は、第1小断面トンネルt1に隣接した位置に形成する。
第24小断面トンネルt24の掘進が大断面地下空間1の基端12に到達したら、2号機を回収あるいは地中に残置する。
図4の(a)および(b)に示すように、2号機のUターンルート(図4の(a)のt7→t25、t6→t24、図4の(b)のt25→t6)は、1号機のUターンルート(図4の(a)のt2→t21、t1→t20、図4の(b)のt21→t1)と断面視で重なる。そのため、2号機は、1号機のUターンルートよりも大断面地下空間1の両端11,12から離れた位置でUターンさせる。
また、図4の(a)に示すように、2号機のUターンルートt7→t25とt6→t24は断面視で重なる。そのため、Uターンルートt7→t25とt6→t24は、互いに離れた位置でUターンさせる。
同様に、水平面CLより上側において、3号機により第3小断面トンネルt3、第23小断面トンネルt23、第4小断面トンネルt4、第22小断面トンネルt22、第5小断面トンネルt5を形成する。
3号機は、図5の(a)および(b)に示すように、アプローチトンネルT2の壁面から掘進を開始し、本線トンネルT1の中心を通る水平面CLよりも上側において、第3小断面トンネルt3、第23小断面トンネルt23、第4小断面トンネルt4、第22小断面トンネルt22の順に形成した後、大断面地下空間1の手前側(基端12の外側)の地中(基端Uターン領域5)においてUターンして、第5小断面トンネルt5を形成する。
第5小断面トンネルt5の掘進が大断面地下空間1の先端11に到達したら、3号機を回収あるいは地中に残置する。
図4の(a)および(b)に示すように、3号機のUターンルート(図4の(a)のt3→t23、t4→t22、図4の(b)のt23→t4、t22→t5)は、1号機および2号機のUターンルート(図4の(a)のt2→t21、t1→t20、t7→t25、t6→t24、図4の(b)のt21→t1、t25→t6)と断面視で重なる。そのため、3号機は、1号機及び2号機のUターンルートよりも大断面地下空間1の両端11,12から離れた位置でUターンさせる。
また、図4の(a)に示すように、3号機のUターンルートt3→t23とt4→t22は断面視で重なる。そのため、Uターンルートt3→t23とt4→t22は、互いに離れた位置でUターンさせる。
4号機は、水平面CLより下側において、第13小断面トンネルt13、第18小断面トンネルt18、第12小断面トンネルt12および第19小断面トンネルt19を形成するための掘進機である。
4号機は、図5の(b)に示すように、アプローチトンネルT2の壁面から掘進を開始し、本線トンネルT1の中心を通る水平面CLよりも下側において、第13小断面トンネルt13を形成する(往路掘進工程S1)。
第13トンネルt13が大断面地下空間1の先端11に到達したら、4号機を閉環断面2の外側にオフセットさせ、その後、大断面地下空間1の奥側(先端の外側)の地中(先端Uターン領域4)において、4号機をUターンさせ、第13小断面トンネルt13と第18小断面トンネルt18とをつなぐU字状のトンネルを形成する(先端掘進工程S2)。4号機は、上り勾配で掘進させ、小断面トンネルの最小曲げ半径以上の半径によりUターンさせる。
4号機をUターンさせたら、4号機の中心を閉環断面2の中心線上に位置させた後、第18小断面トンネルt18を形成する(復路掘進工程S3)。
そして、第18小断面トンネルt18が、大断面地下空間の基端12に到達したら、4号機を閉環断面2の外側にオフセットさせ、その後、大断面地下空間1の手前側(基端12の外側)の地中(基端Uターン領域5)において、4号機をUターンさせ、第18小断面トンネルt18と第12小断面トンネルt12とをつなぐU字状のトンネルを形成する(基端掘進工程S4)。4号機は、下り勾配で掘進させ、小断面トンネルの最小曲げ半径以上の半径によりUターンさせる。
4号機をUターンさせたら、4号機を第13小断面トンネルt13に近づけて、4号機の中心を閉環断面2の中心線上に位置させた後、第13小断面トンネルt13に隣接した位置において第13小断面トンネルの一部を削りながら、第12トンネルt12を形成する(往路掘進工程S1)。
第12トンネルt12が、大断面地下空間1の先端11に到達したら、4号機を閉環断面2の外側にオフセットさせ、その後、大断面地下空間1の奥側(先端11の外側)の地中(先端Uターン領域4)において、4号機をUターンさせ、第12小断面トンネルt12と第19小断面トンネルt19とをつなぐU字状のトンネルを形成する(先端掘進工程S2)。4号機は、上り勾配で掘進させ、小断面トンネルの最小曲げ半径以上の半径によりUターンさせる。
4号機をUターンさせたら、4号機を第18小断面トンネルt18に近づけて、4号機の中心を閉環断面2の中心線上に位置させた後、第18小断面トンネルt18に隣接した位置において第18小断面トンネルt18の一部を削りながら第19トンネルt19を形成する(復路掘進工程S3)。
そして、第19トンネルt19の掘進が大断面地下空間1の基端12に到達したら、4号機を回収あるいは地中に残置する。
図4の(a)に示すように、4号機のUターンルートt13→t18とt12→t19は断面視で重なる。そのため、Uターンルートt13→t18とt12→t19は、互いに離れた位置でUターンさせる。
同様に、水平面CLより下側において、5号機により第14小断面トンネルt14、第8小断面トンネルt8、第15小断面トンネルt15、第9小断面トンネルt9を形成する。
5号機は、図5の(b)に示すように、アプローチトンネルT2の壁面から掘進を開始し、本線トンネルT1の中心を通る水平面CLよりも下側において、第14小断面トンネルt14、第8小断面トンネルt8、第15小断面トンネルt15、第9小断面トンネルt9の順に形成する。
第9小断面トンネルt9の掘進が大断面地下空間1の基端12に到達したら、5号機を回収あるいは地中に残置する。
図4の(a)および(b)に示すように、5号機のUターンルート(図4の(a)のt14→t8、t15→t9、図4の(b)のt8→t15)は、4号機のUターンルート(図4の(a)のt13→t18、t12→t19、図4の(b)のt18→t12)と断面視で重なる。そのため、5号機は、4号機のUターンルートよりも大断面地下空間1の両端11,12から離れた位置でUターンさせる。
また、図4の(a)に示すように、5号機のUターンルートt14→t8とt15→t9は断面視で重なる。そのため、Uターンルートt14→t8とt15→t9は、互いに離れた位置でUターンさせる。
同様に、水平面CLより下側において、6号機により第11小断面トンネルt11、第16小断面トンネルt16、第10小断面トンネルt10、第17小断面トンネルt17を形成する。
6号機は、図5の(b)に示すように、アプローチトンネルT2の壁面から掘進を開始し、本線トンネルT1の中心を通る水平面CLよりも下側において、第11小断面トンネルt11、第16小断面トンネルt16、第10小断面トンネルt10、第17小断面トンネルt17の順に形成する。
第17小断面トンネルt17の掘進が大断面地下空間1の基端12に到達したら、6号機を回収あるいは地中に残置する。
図4の(a)および(b)に示すように、6号機のUターンルート(図4の(a)のt11→t16、t10→t17、図4の(b)のt16→t10)は、4号機および5号機のUターンルート(図4の(a)のt13→t18、t12→t19、t14→t8、t15→t9、図4の(b)のt18→t12、t8→t15)と断面視で重なる。そのため、6号機は、4号機及び5号機のUターンルートよりも大断面地下空間1の両端11,12から離れた位置でUターンさせる。
また、図4の(a)に示すように、5号機のUターンルートt11→t16とt10→t17は断面視で重なる。そのため、Uターンルートt11→t16とt10→t17は、互いに離れた位置でUターンさせる。
本実施形態の地下空間構築方法によれば、非開削によりトンネルの分岐・合流部等の大断面地下空間を施工することができる。そのため、地上部での用地確保等に要する手間や費用を削減することができる。また、深度が深いトンネルであっても、分岐・合流部の施工を行うことが可能である。
小断面トンネルt1〜t25を本線トンネルT1と干渉することがないように形成するため、既設の本線トンネルT1の周囲に施工することができる。
また、小断面トンネルt1〜t25を、大断面地下空間1の上半と下半に分けて施工を行うため、小断面トンネルt1〜25を折り返す際(Uターンする際)の傾斜を45°程度以下に抑えることが可能となる。そのため、内部での移動や資材の搬送等が比較的容易である。
掘進機を複数回往復させて、小断面トンネルを連続的に施工することで、段取り替え等に要する手間や費用を省略することができる。
小断面トンネルの最小曲げ半径以上の半径により掘進機をUターンさせることが可能となるように小断面トンネルを配置しているため、施工性に優れている。
以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、既設の本線トンネルT1を包含した状態で大断面地下空間1を形成する場合について説明したが、本線トンネルT1は、後施工により形成してもよい。なお、後施工により本線トンネルT1を施工する場合であっても、小断面トンネルは本線トンネルT1と干渉することがないように施工するため、本線トンネルT1の施工時に小断面トンネルを切削する必要がない。
前記実施形態では、複数本の小断面トンネルを断面視で円形状に配設することとしたが、小断面トンネルの配置は限定されるものではない。
また、小断面トンネルの施工順序は限定されるものではない。
また、大断面地下空間1は、必ずしも本線トンネルT1とアプローチトンネルT2との2本のトンネルを包含している必要はない。本線トンネルT1のみを包含していてもよいし、必要に応じて3本以上のトンネルを包含していてもよい。
同一の掘進機により形成される往路小断面トンネルと復路小断面トンネルは、平行に形成されていてもよい。
また、掘進機をUターンする際に、掘進機は必ずしも大断面地下空間1の中心を通る鉛直面CVを横断する必要はない。
また、掘進機は、Uターンする際に、大断面地下空間1の中心を通る水平面CLを横断させてもよい。
また、前記実施形態では、大断面地下空間1の中心を通る水平面CLの上下で掘進機の掘進ルートを設定したが、掘進機は、大断面地下空間1の中心を通る鉛直面CVの左右で掘進ルートを設定してもよい。
隣接する小断面トンネル同士の間に連絡口を形成して互いに接続することで、移動距離を短くしてもよい。こうすることで、掘進機の回収や各資材の搬送を簡易に行うことができる。特に、同一の掘進機で形成した小断面トンネル同士の間(1号機であれば第1小断面トンネルt1と第二小断面トンネルt2との間や第20小断面トンネルt20と第21小断面トンネルt21との間)を連通させれば、掘進機で組み立てるセグメント等の資材を効率よく運搬することができる。
前記実施形態では、大断面地下空間1の基端12側から全ての掘進機を発進させるものとしたが、掘進機は、基端12側と先端11側との両方から発進させてもよい。また、本線トンネルが先行して掘進されている場合には、本線トンネルから発進させてもよい。
1 大断面地下空間
11 先端
12 基端
2 閉環断面
3 領域
T1 本線トンネル
t1〜t25 小断面トンネル
Claims (5)
- 本線トンネルの構築前または構築後に前記本線トンネルの軸方向に沿った複数の小断面トンネルを並設し、前記複数の小断面トンネルで囲まれた領域に前記本線トンネルが内包された状態で前記領域を掘削して大断面地下空間を形成する地下空間構築方法であって、
前記大断面地下空間の基端から先端に向って小断面トンネル用の掘進機を掘進させる往路掘進工程と、
前記大断面地下空間の先端側における前記本線トンネルの断面外の地中において前記掘進機をUターンさせる先端掘進工程と、
前記先端から前記基端に向って前記掘進機を掘進させる復路掘進工程と、を備えることを特徴とする、地下空間構築方法。 - 前記先端掘進工程では、前記復路掘進工程により形成される小断面トンネルの標高が前記往路掘進工程により形成される小断面トンネルの標高と異なるように傾斜させた状態で掘進し、
前記大断面地下空間の中心を通る水平面よりも上側において前記往路掘進工程を行った場合は、前記水平面の上側において前記復路掘進工程を行い、
前記水平面の下側において往路掘進工程を行った場合は、前記水平面の下側において復路掘進工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載の地下空間構築方法。 - 前記復路掘進工程の後、前記大断面地下空間の基端側における前記本線トンネルの断面外の地中において前記掘進機をUターンさせる基端掘進工程をさらに備え、
前記基端掘進工程の後、再び前記往路掘進工程を行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の地下空間構築方法。 - 前記先端掘進工程では、前記大断面地下空間の中心を通る鉛直面を前記掘進機が跨ぐことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の地下空間構築方法。
- 前記先端掘進工程および前記基端掘進工程において、前記掘進機によるUターン開始時の小断面トンネルの中心とUターン終了時の小断面トンネルの中心との距離が、当該小断面トンネルの最小曲げ半径の2倍以上であることを特徴とする、請求項3に記載の地下空間構築方法。
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