JP5605522B1 - 大断面トンネルの構築工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2本のトンネルが接合する分岐合流部を、当該2本のトンネル各々の施工と錯綜することなく、施工性がよくまた効率的に大断面トンネルとして構築する。
【解決手段】接合して分岐合流部を形成する2本のトンネルのうち、いずれか一方のトンネルにおける、大断面トンネル構築予定領域の外側に位置する側壁部から、水平かつ前記一方のトンネルの軸線に直交する方向に延在する発進横坑を、前記一方のトンネルの軸方向に間隔を有して複数構築する。
【選択図】図3

Description

本発明は、2本のトンネルが接合する分岐合流部を大断面トンネルとして構築するための大断面トンネルの構築工法に関する。
従来より、大深度地下において2つのシールドトンネルが接合する分岐合流部を大断面トンネルとして構築するにあたり、大断面トンネル構築予定領域と外側の地山とを隔絶する補強体を構築し、当該補強体の内方にて分岐合流部となる大断面トンネルを施工する工法が知られている。
そして、補強体の構築方法として、例えば特許文献1には、シールドトンネルからルーフシールド機を発進させ、分岐合流部の周囲に所定の間隔で複数のルーフシールドトンネルを配列することにより、分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、その後ルーフシールドトンネル間に改良ゾーンを形成する方法が開示されている。
特開2006−70530号公報
しかし、特許文献1に記載のトンネル工法では、シールドトンネルの側壁部から直接ルーフシールド機を発進させてルーフシールドトンネルを構築するため、以下に示すような課題を有している。
(1)ルーフシールド機の発進基地がシールドトンネル内に配置されるため、シールドトンネルの坑内において、シールドトンネルを施工するための作業エリアとルーフシールド機の発進基地とが錯綜し、シールドトンネル工事の作業の妨げとなりやすい。
(2)ルーフシールドトンネルは分岐合流部構築予定領域の長手方向に延在するよう構築するが、ルーフシールド機をシールドトンネルの側壁部から発進させる場合、ルーフシールド機は側壁部に直交する方向に向けて地山を掘進した後、分岐合流部構築予定領域の長手方向に向けて略90度の方向転換を行う必要があるため、線形管理が煩雑となる。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、2本のトンネルが接合する分岐合流部を、当該2本のトンネル各々の施工と錯綜することなく、施工性がよくまた効率的に大断面トンネルとして構築することができる、大断面トンネルの構築工法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明の大断面トンネルの構築工法は、2本のトンネルが接合する分岐合流部を大断面トンネルとして構築する際に、あらかじめ大断面トンネル構築予定領域の周囲を補強体で囲繞した後、該補強体の内方にて大断面トンネルを施工する大断面トンネルの構築工法において、前記2本のトンネルの少なくとも一方のトンネルの、前記大断面トンネル構築予定領域の外側に位置する側壁部から、地山を水平に掘削し、小断面シールド掘削機の発進横坑を構築する発進横坑構築工程と、該発進横坑から小断面シールド掘削機を前記大断面トンネル構築予定領域の長手方向に向けて掘進させ、前記大断面トンネル構築予定領域の周囲を囲繞するように複数の小断面トンネルを構築する小断面トンネル構築工程と、隣り合う前記小断面トンネルを用いて前記補強体を構築する補強体構築工程とを有し、前記発進横坑構築工程では、前記発進横坑を、該発進横坑を構築したトンネルの軸方向に間隔をおいて複数構築することを特徴とする。
上記の大断面トンネルの構築工法によれば、前記発進横坑が小断面トンネル構築工程に係る作業エリアとなるため、2本のトンネル各々の施工に係る作業エリアとは別個に作業エリアを確保することができる。これにより、小断面トンネル構築工程と2本のトンネル各々に係る施工とを同時進行することができ、工事全体の施工効率を向上することが可能となる。
さらに、前記小断面シールド掘削機が前記発進横坑から大断面トンネル構築予定領域の長手方向に向けて発進するため、トンネルの側壁部から発進する場合と比較して、掘進途中における略90度の方向転換施工が不要となる。これにより、小断面トンネルを施工する際に煩雑な線形を計画する必要がないため、施工時の線形管理が容易となる。
本発明の大断面トンネルの構築工法は、複数の前記発進横坑のうち前記大断面トンネル構築予定領域の近接に位置する発進横坑から構築される前記小断面トンネルを、大断面トンネル構築予定領域の側部に配置し、前記大断面トンネル構築予定領域の遠隔に位置する発進横坑から構築される前記小断面トンネルを、前記大断面トンネル構築予定領域の頂部もしくは底部に配置するよう構築することを特徴とする。
上記の大断面トンネルの構築工法によれば、前記大断面トンネル構築予定領域の頂部もしくは底部に配置される前記小断面トンネルは、前記発進横坑から前記大断面トンネル構築予定領域に至るまでの軸線距離を長く確保することができる。これにより、前記発進横坑と大断面トンネル構築予定領域の頂部もしくは底部との高低差が大きい場合であっても、小断面トンネルの高さ方向の屈曲角を小さく抑えることが可能となる。
本発明の大断面トンネルの構築工法は、前記小断面トンネル構築工程において、1つの前記発進横坑から複数の前記小断面トンネルを構築することを特徴とする。
上記の大断面トンネルの構築工法によれば、前記一方のトンネルにおいて側壁部の欠損箇所が前記発進横坑の構築位置のみとなる。これにより、前記小断面シールド機を側壁部から発進する場合と比較して、該側壁部の欠損箇所を大幅に削減することが可能となる。
本発明の大断面トンネルの構築工法は、前記発進横坑構築工程において、複数の前記発進横坑を、前記大断面トンネル構築予定領域の両端各々の外側領域に構築することを特徴とする
上記の大断面トンネルの構築工法によれば、複数の発進横坑を大断面トンネル構築予定領域を挟んだ広い領域で分散して配置することができる。これにより、該発進横坑を構築することによるトンネルの欠損箇所が軸方向の一部分に集中することを回避でき、本線トンネルの健全性を確保しやすい。
本発明の大断面トンネルの構築工法は、前記発進横坑構築工程において、前記大断面トンネル構築予定領域における一端側の外側領域に構築する複数の前記発進横坑を、該発進横坑を構築したトンネルの両側壁部のうちの一方に配置するとともに、他端側の外側領域に構築する複数の前記発進横坑を、前記一端側の外側領域に構築する複数の前記発進横坑を配置した側壁部とは異なる、前記2本のトンネルのいずれかの側壁部に配置することを特徴とする。
上記の大断面トンネルの構築工法によれば、トンネルの坑内から発進横坑に続く作業動線が、トンネルの両側壁部のうち一方側もしくは他方側に集約配置されるため、トンネル坑内における軸方向の作業動線を確保しやすく、2本のトンネルの施工性を向上することが可能となる。
本発明の大断面トンネルの構築工法は、前記発進横坑構築工程において、複数の前記発進横坑を、該発進横坑を構築したトンネルの、両側壁部に対して軸方向に位置をずらして配置することを特徴とする。
上記の大断面トンネルの構築工法によれば、トンネルの坑内において、該坑内から発進横坑に続く発進横坑用の作業動線も、トンネルの軸方向にずれて形成される。このため、トンネルの両側壁部に発進横坑を構築しても、該発進横坑用の作業動線にて、トンネルの坑内を施工するための軸方向の作業動線を分断することがなく、トンネルに係る施工性を向上することが可能となる。
本発明の大断面トンネルの構築工法は、前記小断面トンネル構築工程において、前記発進横坑から構築される前記小断面トンネルを、前記大断面トンネル構築予定領域における、前記発進横坑が設けられた側と同じ側を覆う領域に配置されるように構築することを特徴とする。
上記の大断面トンネルの構築工法によれば、前記小断面トンネルの水平方向の屈曲角を小さく抑えることが可能となる。これにより、小断面トンネルを施工する際に煩雑な線形を計画する必要がなくなるため、施工時の線形管理が容易となる。
本発明によれば、2本のトンネルのうちいずれか一方のトンネルの側壁部から、水平かつ前記一方のトンネルの軸線に直交する方向に複数の発進横坑を構築し、該発進横坑より小断面トンネルを構築するため、小断面トンネルを施工する際に煩雑な線形を計画する必要がなく、また、当該発進横坑が小断面トンネル構築工程に係る作業エリアとなり、前記一方のトンネルの施工と錯綜することがないため、施工性がよくまた効率的に、2本のトンネルが接合する分岐合流部を大断面トンネルとして構築することが可能となる。
本発明の本線トンネルと分岐トンネルが接合する分岐合流部を示す平面図である。 大断面トンネル構築予定領域の断面図である。 大断面トンネル構築予定領域を囲繞する小断面トンネルの斜視図である。 本線トンネルの両側壁部に複数の発進横坑を本線トンネルの軸方向にずらして配置した状態を示す平面図である。 複数の発進横坑を、本線トンネルの軸方向にずらして配置した場合における発進横坑および本線トンネル坑内の作業動線を示す平面図である。 本線トンネルの一方の側壁部に複数の発進横坑を集約して配置した状態を示す平面図である。 複数の発進横坑を一方の側壁部に集約して配置した場合における発進横坑および本線トンネル坑内の作業動線を示す平面図である。 複数の発進横坑を大断面トンネル構築予定領域における両端各々の外側領域に構築した状態を示す斜視図である。 分岐トンネルの側壁に複数の発進横坑を構築した状態を示す斜視図である。 本線トンネルおよび分岐トンネルの両者各々に複数の発進横坑を構築した状態を示す斜視図である。
本発明の大断面トンネルの構築工法を、図1〜図10を用いて説明する。
本発明は、図1の平面図に示すように、本線トンネル1と分岐トンネル2が接合する分岐合流部を大断面トンネル3として構築するための工法である。
なお、本線トンネル1と分岐トンネル2は、新設または既設の構造物に限定されるものではないが、本実施の形態では、既知のシールド掘削機(図示せず)にて新設する場合を例にとり説明する。
本発明の工法にて構築しようとする大断面トンネル3は、図1の平面図に示すように、本線トンネル1の一部分に拡幅部11を形成することで構築されるものである。そして、拡幅部11は、本線トンネル1と前記分岐トンネル2が接合する地点の断面を最も大径に形成され、軸方向に進むにつれて徐々に縮径し本線トンネル1にすり付く形状を有している。
このような大断面トンネル3を構築するにあたり、本発明の工法では大断面トンネル構築予定領域4の周囲をあらかじめ補強体5にて囲繞する。そのうえで、大断面トンネル構築予定領域4内に位置する本線トンネル1を拡幅して拡幅部11を施工し、前記大断面トンネル3を構築する。
補強体5は、図2の断面図に示すように、複数の小断面トンネル6と、これらを連結する地盤改良部7とにより構成される。小断面トンネル6は、ルーフシールド機等の既知の小断面シールド掘削機(図示せず)にて構築する。
以下に、上述した補強体5を構築するための手順を示す。
まず、発進横坑構築工程を以下に説明する。
図1の平面図および図3の斜視図に示すように、本線トンネル1における大断面トンネル構築予定領域4の外側に位置する側壁部から、水平かつ本線トンネル1の軸線と直交する方向に向けて地山を掘削し、発進横坑8、8’を構築する。本実施の形態では、分岐トンネル2が併設していない領域に位置する本線トンネル1の側壁部に発進横坑8、8’を構築したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、分岐トンネル2が併設している領域に位置する本線トンネル1の側壁部に、発進横坑8、8’を構築してもよい。
発進横坑8、8’の掘削方法は、特に限定されるものではなく何れの方法を用いてもよい。例えば、併設するトンネルどうしを連結するための横坑を施工する際に従来より用いられている刃口式の推進工法等、既存の掘削方法を適用できる。
上述した発進横坑8、8’を、本線トンネル1の軸方向に間隔をおいて複数構築する。
本実施の形態では、発進横坑8、8’を本線トンネル1の両側壁部に構築するが、図4および図5の平面図に示すように、本線トンネル1の軸方向に位置をずらして配置する。このようないわゆる千鳥配置にすると、図5に示すように、発進横坑8、8’の構築作業を行うための発進横坑用作業動線9、9’も、本線トンネル1の坑内において本線トンネル1の軸方向に位置をずらして配置されることになる。
このため、本線トンネル1の両側壁部に発進横坑8、8’を構築しても、発進横坑用作業動線9、9’により坑内が塞がれることがなく、本線トンネル1の構築作業を行うための本線用作業動線10を、発進横坑用作業動線9、9’と錯綜することなく確保することが可能となる。これにより、発進横坑構築工程の施工中であっても、本線トンネル1の坑内作業を中断する必要がないから、本線トンネル1を構築するシールド掘削機が、発進横坑8、8’の構築予定領域を掘進し終えた後であれば、発進横坑8、8’を構築するための施工をいずれの施工段階でも開始できる。
なお、複数の発進横坑8、8’は、その高さ位置が同一となるよう構築してもよいし、高さをずらして構築してもよい。また、発進横坑8、8’における軸方向の配置間隔は、後述する小断面トンネル6を必要な線形形状に施工するための最小限距離を確保すれば、いずれの間隔にて構築してもよい。
次に、小断面トンネル構築工程について説明する。
複数の前記発進横坑8、8’のうち、施工が完了した発進横坑8、8’を発進基地として逐次前記小断面シールド掘削機を発進させ、図3の斜視図に示すように、小断面トンネル6を大断面トンネル構築予定領域4の長手方向に延在するよう構築する。
なお、小断面トンネル構築工程においても、発進横坑用作業動線9、9’が発進横坑8、8’にて作業する際の作業動線となる。
小断面シールド掘削機は、発進横坑8、8’における前記本線トンネル1の軸方向と直交する面から大断面トンネル構築予定領域4に向けて発進させる。このように小断面シールド掘削機を発進横坑8、8’から発進させると、本線トンネル1の側壁部から発進する場合に必要な略90度の方向転換作業を省略できるため、小断面トンネル6は、図3の斜視図に示すような簡略な線形となり、これに伴い線形管理も容易となるとともに施工効率も向上する。
なお、小断面シールド掘削機は、既知の掘削機を用いており、例えばカッタヘッドを備える掘削機本体、掘削機本体の後方に設置されるスクリューコンベアおよびスキンプレートを備えている。
小断面シールド掘削機にて大断面トンネル構築予定領域4を超える長さまで掘進した後掘進を停止し、前記スキンプレートを残置した状態でカッタヘッドを備える掘削機本体を、前記小断面トンネル6を介して発進横坑8、8’に向けて後進させ、回収する。
上述する掘削機本体の回収にあたり、その回収方法は、到達立坑を設けることができない現場などで従来より実施されている既知の方法を採用すればよい。
例えば、掘削機本体の後方に設置されるスクリューコンベアを解体し、小断面トンネル6を介して発進横坑8、8’にて回収する。次に、前記スキンプレートと前記掘削機本体との連結を解き、掘削機本体を後方に移動可能にすると共に、発進横坑8、8’側から小断面トンネル6を介して掘削機本体の回収装置を搬入する。該回収装置にて掘削機本体を牽引し、発進横坑8、8’側に回収する。
しかる後、発進横坑8、8’内において、回収した掘削機本体を再利用して新たな小断面シールド掘削機を組み立て、小断面トンネル6と並列に新たな小断面トンネル6を構築する。
なお、小断面シールド掘削機の回収方法は、必ずしも上記の方法に限定されるものではない。例えば、大断面トンネル構築予定領域4を超える位置に到達坑を設けておき、該到達坑から、小断面トンネル6を掘進し終えた小断面シールド掘削機を回収してもよい。
本実施の形態では図4の平面図に示すように、一つの発進横坑8、8’を利用して2本または3本の小断面トンネル6を構築する。このように、1つの発進横坑8、8’から、複数の小断面トンネル6を構築するため、本線トンネル1の側壁部に生じる欠損箇所を大幅に減らすことができる。
なお、一つの発進横坑8、8’より構築する小断面トンネル6の数量は、上記の数量に限定されるものではなく、構築しようとする小断面トンネルの径や発進横坑8、8’の延在長に応じて適宜決定すればよい。
上記の方法にて小断面トンネル6を、大断面トンネル構築予定領域4を囲繞するのに必要な本数だけ構築していくが、小断面トンネル6の構築順序は特に限定されるものではない。例えば、1本目の小断面トンネル6を大断面トンネル構築予定領域4の底部に位置するよう構築する。次に、先行構築した該小断面トンネル6の隣りに、間隔をあけて新たな小断面トンネル6を構築する。このように、複数の小断面トンネル6を並列配置するにあたり、大断面トンネル構築予定領域4の底部を先行して構築し、順に大断面トンネル構築予定領域4の側部に向けて構築してもよい。
また、図3の斜視図に示すように、大断面トンネル構築予定領域4の底部に配置する小断面トンネル6は、複数の発進横坑8のうち大断面トンネル構築予定領域4より遠隔に位置する発進横坑8、8’から、小断面シールド掘削機を発進させることにより構築する。一方、大断面トンネル構築予定領域4の側部に配置する小断面トンネル6は、大断面トンネル構築予定領域4に近接する発進横坑8、8’から、小断面シールド掘削機を発進させることにより構築する。
これは、小断面トンネル6を発進横坑8、8’と高低差のある底部に延在配置させる際に、高さ方向の屈曲角をできるだけ小さく抑えて線形管理を容易にするべく、大断面トンネル構築予定領域4と発進横坑8、8’との距離を確保するためである。この点は、頂部に位置する小断面トンネル6を構築する場合においても同様である。
さらに、図3の斜視図に示すように、本線トンネル1の両側壁部のうち一方側に位置する発進横坑8から発進させた小断面シールド掘削機により、大断面トンネル構築予定領域4の同じ側を覆う領域に配置される小断面トンネル6を構築する。同じく、本線トンネル1の両側壁部のうち他端側に位置する発進横坑8’から発進させた小断面シールド掘削機により、大断面トンネル構築予定領域4の同じ側を覆う領域に配置される前記小断面トンネル6を構築する。
すなわち、本線トンネル1の両側の発進横坑8、8’から構築された小断面トンネル6を互いに交錯させないため、大断面トンネル構築予定領域4を囲繞する複数の小断面トンネル6を、入り組むことない整然とした配置とすることができる。これにより、その線形も水平方向の屈曲角をできるだけ小さく抑えた簡略な線形とすることができる。
なお、上記小断面トンネル6の配置間隔は、大断面トンネル構築予定領域4の断面形状や補強体5に必要な剛性、地山の地盤状況、作業効率性、経済性等を考慮して最適な間隔に配置する。
上述するように、小断面トンネル構築工程では、発進横坑8、8’が、小断面シールド掘削機を発進させるための発進基地としてだけでなく、小断面シールド掘削機を構成する掘削機本体の回収や該掘削機本体を再利用した新たな小断面シールド掘削機の組み立て等、小断面トンネル6の構築に係るあらゆる作業を実施するための作業エリアとなるため、小断面トンネル6の構築に係る作業を本線トンネル1の坑内作業と独立して実施することが可能となる。
また、小断面トンネル構築工程においても、発進横坑用作業動線9、9’が発進横坑8、8’にて作業する際の作業動線となり、本線トンネル1の構築作業を行うための本線用作業動線10を妨げることがない。
最後に、補強体構築工程について説明する。
複数の小断面トンネル6を構築した後、図2の断面図に示すように、隣り合う小断面トンネル6間に地盤改良部7を設けて大断面トンネル構築予定領域4を囲繞する補強体5を構築する。
地盤改良部7の構築方法は、特に限定されるものではないが、例えば、小断面トンネル6から地山に向けて地盤改良材を注入すればよい。これらの作業は、複数の小断面トンネル6にて大断面トンネル構築予定領域4を囲繞した後でもよいが、その手順も特に限定されるものではない。
例えば、先行構築した小断面トンネル6の隣りに間隔をあけて新たな小断面トンネル6を構築した都度に地盤改良部7の構築を実施してもよい。このような手順によると、小断面トンネル構築工程と補強体構築工程とを同時に実施できるため、補強体5の構築に係る施工効率を向上することが可能となる。
なお、補強体5は、大断面トンネル構築予定領域4の安定性を確保するのに十分な剛性を備えるよう構築されるものであり、少なくとも土留機能および止水機能を有していれば、必ずしも上記の構成に限定されるものではない。
例えば、地盤改良体7を設けることなく、隣り合う小断面トンネル6どうしを、一部が重なり合うように構築して大断面トンネル構築予定領域4を囲繞する断面筒状体を構築し、これを補強体5としてもよい。また、補強体5を、隣り合う小断面トンネル6どうしを構造体にて連結することで構築される大断面トンネル構築予定領域4を囲繞する断面筒状体と、該断面筒状体の外周に構築する地盤改良体7とにより構築してもよい。
上記の発進横坑構築工程、小断面トンネル構築工程および補強体構築工程を経て構築した補強体5の内方で、大断面トンネル構築予定領域4内に位置する本線トンネル1を拡幅して拡幅部11を施工し、前記大断面トンネル3を構築する。
なお、本発明の大断面トンネルの構築工法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では発進横坑構築工程において、発進横坑8、8’を本線トンネル1の両側壁部に対して、本線トンネル1の軸方向に位置をずらして構築したが、必ずしもこの配置に限定されるものではない。
図6の平面図にて示すように、本線トンネル1の両側壁部うち、いずれか一方に集約して配置してもよい。このように配置すると、図7の平面図に示すように、前記発進横坑用作業動線9も本線トンネル1の発進横坑8を構築した側に集約されるため、前記本線用作業動線10を確保しやすい。
また、本実施の形態では発進横坑構築工程において、前記発進横坑8、8’を前記大断面トンネル構築予定領域4の外側であって本線トンネル1のみが構築された側に構築したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、図8の斜視図に示すように、大断面トンネル構築予定領域4を挟むようにして、大断面トンネル構築予定領域4における両端各々の外側に複数の発進横坑8、8’を構築する。この場合には、本線トンネル1を構築するシールド掘削機が、大断面トンネル構築予定領域4における一端側の外側であって発進横坑8の構築予定領域を掘進し終えた時点で、当該領域に発進横坑8の構築作業を開始する。このとき、シールド掘削機は中断することなく掘進を継続し、大断面トンネル構築予定領域4における他端側の外側であって発進横坑8’の構築予定領域を掘進し終えた時点で、当該領域に発進横坑8’の構築作業を開始する。
また、図8の斜視図では、大断面トンネル構築予定領域4における一端側の外側領域に構築した発進横坑8を、本線トンネル1の両側壁部のうち一方側に配置し、前記大断面トンネル構築予定領域4における他端部の外側領域に構築した発進横坑8’を、前記本線トンネル1の両側壁部のうち他方側に配置したがこれに限定するものではない。
図4の斜視図のような、前記本線トンネル1の両側壁部に対して本線トンネル1の軸方向にずらして配置した複数の発進横坑8、8’を、大断面トンネル構築予定領域4における両端各々の外側領域に構築してもよい。
さらに、本実施の形態では発進横坑構築工程において、複数の発進横坑8、8’を、前記本線トンネル1の側壁部に構築する場合を事例として詳述したが、発進横坑8、8’の構築位置はこれに限るものではない。例えば、図9に示すように、本線トンネル1とともに分岐トンネル2を構築し、構築後の分岐トンネル2の側壁部に複数の発進横坑8を構築してもよい。また、大断面トンネル構築予定領域4における一端側の外側領域に構築する発進横坑8を、本線トンネル1の両側壁部のうち一方側に配置し、前記大断面トンネル構築予定領域4における他端部の外側領域に構築する発進横坑8’を、発進横坑8を構築した側壁部以外の側壁部、例えば、図10に示すように、分岐トンネル2の両側壁部のうち一方側の側壁部に構築してもよい。
本実施形態の大断面トンネルの構築工法は、発進横坑構築工程にて前記発進横坑8、8’を構築し、小断面トンネル構築工程にて発進横坑8、8’を作業エリアとして小断面トンネル6を構築する。このため、小断面トンネル6を施工する際に煩雑な線形を計画する必要がないだけでなく、小断面トンネル6の構築に係る作業を本線トンネル1の坑内作業と完全に独立して実施できるため、施工性がよくまた効率的に、本線トンネル1と分岐トンネル2が接合する分岐合流部を大断面トンネル3として構築することが可能となる。
1 本線トンネル
2 分岐トンネル
3 大断面トンネル
4 大断面トンネル構築予定領域
5 補強体
6 小断面トンネル
7 地盤改良部
8 発進横坑
8’ 発進横坑
9 発進横坑用作業動線
10 本線用作業動線
11 拡幅部

Claims (7)

  1. 2本のトンネルが接合する分岐合流部を大断面トンネルとして構築する際に、あらかじめ大断面トンネル構築予定領域の周囲を補強体で囲繞した後、該補強体の内方にて大断面トンネルを施工する大断面トンネルの構築工法において、
    前記2本のトンネルの少なくとも一方のトンネルの、前記大断面トンネル構築予定領域の外側に位置する側壁部から、地山を水平に掘削し、小断面シールド掘削機の発進横坑を構築する発進横坑構築工程と、
    該発進横坑から小断面シールド掘削機を前記大断面トンネル構築予定領域の長手方向に向けて掘進させ、前記大断面トンネル構築予定領域の周囲を囲繞するように複数の小断面トンネルを構築する小断面トンネル構築工程と、
    隣り合う前記小断面トンネルを用いて前記補強体を構築する補強体構築工程とを有し、
    前記発進横坑構築工程では、前記発進横坑を、該発進横坑を構築したトンネルの軸方向に間隔をおいて複数構築することを特徴とする大断面トンネルの構築工法。
  2. 前記小断面トンネル構築工程において、複数の前記発進横坑のうち前記大断面トンネル構築予定領域の近接に位置する発進横坑から構築される前記小断面トンネルを、大断面トンネル構築予定領域の側部に配置し、前記大断面トンネル構築予定領域の遠隔に位置する発進横坑から構築される前記小断面トンネルを、前記大断面トンネル構築予定領域の頂部もしくは底部に配置するよう構築することを特徴とする請求項1に記載の大断面トンネルの構築工法。
  3. 前記小断面トンネル構築工程において、1つの前記発進横坑から複数の前記小断面トンネルを構築することを特徴とする請求項1または2に記載の大断面トンネルの構築工法。
  4. 前記発進横坑構築工程において、複数の前記発進横坑を、前記大断面トンネル構築予定領域の両端各々の外側領域に構築することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の大断面トンネルの構築工法。
  5. 前記発進横坑構築工程において、前記大断面トンネル構築予定領域における一端側の外側領域に構築する複数の前記発進横坑を、該発進横坑を構築したトンネルの両側壁部のうちの一方に配置するとともに、他端側の外側領域に構築する複数の前記発進横坑を、前記一端側の外側領域に構築する複数の前記発進横坑を配置した側壁部とは異なる、前記2本のトンネルのいずれかの側壁部に配置することを特徴とする請求項4に記載の大断面トンネルの構築工法。
  6. 前記発進横坑構築工程において、複数の前記発進横坑を、該発進横坑を構築したトンネルの両側壁部に対して、該トンネルの軸方向に位置をずらして配置することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の大断面トンネルの構築工法。
  7. 前記小断面トンネル構築工程において、前記発進横坑から構築される前記小断面トンネルを、前記大断面トンネル構築予定領域における、前記発進横坑が設けられた側と同じ側を覆う領域に配置されるように構築することを特徴とする請求項5または6に記載の大断面トンネルの構築工法。
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