JP6829825B2 - 小径シールドの発進エリア構築方法 - Google Patents

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本発明は、主としてシールドトンネルの分岐合流部を構築する際に適用される小径シールドの発進エリア構築方法に関する。
シールド工法でトンネル掘削を行うにあたっては、トンネルの分岐合流部、典型的には本線トンネルとランプトンネルとの接合箇所における分岐合流部でトンネル断面を拡幅する必要がある。
トンネルの分岐合流部は、道路トンネルであれば、幅が20mを上回る大断面となることも多く、直径が15mを超えるシールドマシン(シールド機、以下、単にシールド)も製作されるようになってきたとはいえ、分岐合流部という限られた区間をシールドで全断面掘削することは現実的ではない。
このような状況下、シールドトンネルの断面を拡幅可能な技術として、小径のシールドトンネルを、本体のシールドトンネルにおける分岐合流部を取り囲むようにそのトンネル軸線方向に沿って複数本配置し、それらを周方向に相互連結する形で拡幅部の外殻を構築した後、該外殻の内側領域を掘削する構築工法が開発されている。
ここで、小径のシールドトンネルを構築するにあたってはたとえば、本線トンネルの周面に沿ってそのトンネル軸線廻りに円周シールドを周回させることで本線トンネルの周囲を掘削し、しかる後、本線トンネルの内部空間と掘削空間とを隔てるシールドセグメントを切り開いて両者を連通させることにより、本線トンネルよりも外径が大きな鍔状空間を形成し、この鍔状空間を発進基地あるいは発進エリアとして小径シールドを発進させる工法が知られている(特許文献1)。
特開2014−43738号公報 特許第4228311号公報 特許第4958035号公報
小径シールドを発進させる方法としては他にも、本線トンネルあるいはランプトンネルからそれらのトンネル軸線に直交する方向に小径シールドをいったん発進させてからトンネル軸線方向に軌道修正する工法(特許文献2)や、本線トンネル等からそれらのトンネル軸線に直交する方向に沿って横坑を構築し、該横坑を発進エリアとして小径シールドを発進させる工法(特許文献3)も知られているが、特許文献2記載の工法では小径シールドの経路が大回りとなり、特許文献3記載の工法では横坑が発進エリアとなるため、いずれも施工範囲が大きくなるほか、特許文献3記載の工法では横坑からの発進ゆえ、小径シールドトンネルの均等配置が難しい。
そのため、発進エリア構築のための施工範囲が小さくて済み、複数本の小径シールドトンネルを均等に配置しやすいという点では、特許文献1記載の工法がより望ましい。
しかしながら、分岐合流部の規模が大きくなり、それに伴って外殻もより大径のものが必要になってくると、外殻を構成する小径シールドトンネルの本数も多くなるとともに、小径シールドを発進させるための発進エリアもより大きなスペースが必要となる。
そのため、特許文献1記載の工法では、円周シールドが大型化して製作コストが負担増となるほか、これを本線トンネル等で組み立てる際には、トンネル内空間を大きく占有してセグメント搬送その他の作業の進行を遅延させたり、掘削作業に入ってからも、他の作業との兼ね合い等で掘削に長時間を要する場合もあるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、小径シールドトンネルの均等配置が可能で施工範囲も小さくて済みなおかつ経済性に優れた小径シールドの発進エリア構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は請求項1に記載したように、大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って該大断面トンネルの外殻の先受け構造体となる複数本の小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設する際に、該小径シールドトンネル構築のための小径シールドの発進エリアを構築する方法において、
前記構築予定領域がシールドトンネルの拡幅予定領域、該シールドトンネルが本線トンネル又は該本線トンネルに分岐合流するランプトンネルであって、それらのうち、既に構築されている構築済トンネルのトンネル内空間と連通する形で導坑を構築し、
該導坑を構築開始点として、前記本線トンネルが取り囲まれるように又は前記本線トンネル及び前記ランプトンネル若しくはそれらの構築範囲が取り囲まれるように、前記導坑から推進方式で函体を環状に押し出すことで円筒体を構築し、
該円筒体の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成し、
前記構築済トンネルのトンネル内空間と前記環状空間とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、該トンネル内空間と該環状空間とが一体化されてなる発進エリアを構築する小径シールドの発進エリア構築方法であって、
前記導坑を前記構築済トンネルの軸線廻りに複数配置するとともに、該各導坑から前記函体をそれぞれ押し出すことで前記円筒体を所定の角度範囲ごとに分割構築するものである。
また、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は、前記函体を前記本線トンネル又は前記ランプトンネルのトンネル軸線に沿って複数列となるようにかつ各列が互いに隣接するように押し出して前記円筒体を構築するものである。
また、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は請求項3に記載したように、大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って該大断面トンネルの外殻の先受け構造体となる複数本の小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設する際に、該小径シールドトンネル構築のための小径シールドの発進エリアを構築する方法において、
前記構築予定領域がシールドトンネルの拡幅予定領域、該シールドトンネルが本線トンネル又は該本線トンネルに分岐合流するランプトンネルであって、それらのうち、既に構築されている構築済トンネルのトンネル内空間と連通する形で導坑を構築し、
該導坑を構築開始点として、前記本線トンネルが取り囲まれるように又は前記本線トンネル及び前記ランプトンネル若しくはそれらの構築範囲が取り囲まれるように、前記導坑から推進方式で函体を環状に押し出すことで円筒体を構築し(但し、先導掘進機を用いる場合を除く)
該円筒体の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成し、
前記構築済トンネルのトンネル内空間と前記環状空間とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、該トンネル内空間と該環状空間とが一体化されてなる発進エリアを構築するものである。
また、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は請求項4に記載したように、大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って該大断面トンネルの外殻の先受け構造体となる複数本の小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設する際に、該小径シールドトンネル構築のための小径シールドの発進エリアを構築する方法において、
前記構築予定領域がシールドトンネルの拡幅予定領域、該シールドトンネルが本線トンネル又は該本線トンネルに分岐合流するランプトンネルであって、それらのうち、既に構築されている構築済トンネルのトンネル内空間と連通する形で導坑を構築し、
該導坑を構築開始点として、前記本線トンネルが取り囲まれるように又は前記本線トンネル及び前記ランプトンネル若しくはそれらの構築範囲が取り囲まれるように円筒体を構築し、
該円筒体の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成し、
前記構築済トンネルのトンネル内空間と前記環状空間とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、該トンネル内空間と該環状空間とが一体化されてなる発進エリアを構築する小径シールドの発進エリア構築方法であって、
前記導坑を、前記構築済トンネルから掘削形成された立坑から掘削することで、該構築済トンネルのトンネル軸線にほぼ平行にかつ該本線トンネルから離隔した位置となるように構築するものである。
また、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は、前記導坑から推進方式で函体を環状に押し出すことで前記円筒体を構築するものである。
また、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は、前記函体を前記本線トンネル又は前記ランプトンネルのトンネル軸線に沿って複数列となるようにかつ各列が互いに隣接するように押し出して前記円筒体を構築するものである。
また、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は、前記導坑を前記構築済トンネルの軸線廻りに複数配置するとともに、該各導坑から前記函体をそれぞれ押し出すことで前記円筒体を所定の角度範囲ごとに分割構築するものである。
また、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法は、前記導坑を発進到達スペースとしたシールド工法によって前記円筒体を構築するものである。
本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法においては、まず、本線トンネル又はランプトンネルのうち、既に構築されている構築済トンネルのトンネル内空間と連通する形で、換言すれば構築済トンネルのシールドセグメントを切り開いてそのトンネル内空間から掘り進める形で導坑を構築する。導坑は、構築済トンネルから離隔した位置であって、そのトンネル軸線にほぼ平行になるように構築される構成が典型例となる。
次に、導坑を構築開始点として、本線トンネルが取り囲まれるように又は本線トンネル及びランプトンネル若しくはそれらの構築範囲が取り囲まれるように円筒体を構築する。
円筒体の構築形態は、小径シールドを、ランプトンネルが設置されるトンネル区間から発進させるのか、それともランプトンネルが設置されないトンネル区間から発進させるのかによって、さらには本線トンネルやランプトンネルの施工状況に応じて、以下のように分類される。すなわち、
(a) ランプトンネルが設置されない区間から発進させる場合には、本線トンネルが取り囲まれるように該本線トンネルを構築済トンネルとして導坑を構築する。
(b) ランプトンネルが設置される区間から発進させる場合であって、本線トンネルのみが構築済である場合には、該本線トンネルを構築済トンネルとして、本線トンネルとランプトンネルの構築範囲とが取り囲まれるように導坑を構築する。
(c) ランプトンネルが設置される区間から発進させる場合であって、ランプトンネルのみが構築済である場合には、該ランプトンネルを構築済トンネルとして、本線トンネルの構築範囲とランプトンネルとが取り囲まれるように導坑を構築する。
(d) ランプトンネルが設置される区間から発進させる場合であって、本線トンネル、ランプトンネルともに構築済である場合には、それらのいずれかを構築済トンネルとして、本線トンネル及びランプトンネルが取り囲まれるように導坑を構築する。
次に、円筒体の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成する。
環状空間を形成する具体例としては、地山強度が高い場合であれば、掘削後に該環状空間に露出することとなる地山位置、換言すれば円筒体の各開口端から構築済トンネルの外周面にそれぞれ延びる一対の環状平面近傍に必要に応じて薬液注入を行って止水性を予め確保し、その上で円筒体の内側に拡がる地山を上から下に向けて掘削しつつ、掘削が終了した箇所から順にその露出面にロックボルトの挿入及びコンクリートの吹付けを行えばよい。
一方、地山強度が低い場合には、必要に応じて同様に薬液注入で止水性を予め確保した上、円筒体の内側に拡がる地山を上から下に向けて掘削しつつ、掘削が終了した箇所からRC躯体を逆巻きで順次構築することで環状空間の形成が可能である。
次に、構築済トンネルのトンネル内空間と環状空間とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、該トンネル内空間と該環状空間とが一体化されてなる発進エリアを構築する。
なお、上述した(d)の場合には、本線トンネルとランプトンネルの両方でシールドトンネルの切り開きが行われる。
発進エリアが構築された後は、その環状空間に小径シールドを配置して構築済トンネルのトンネル軸線方向に発進させるとともに、該小径シールドにより、本線トンネルとそれに分岐合流するランプトンネルとの分岐合流部の構築予定領域の周縁に沿って複数本の小径シールドトンネルを先受け構造体として構築し、次いで、該複数本の小径シールドトンネルのシールドセグメントを切り開きつつ、それらを貫通する形で周方向に連続する外殻を構築した後、その内側に拡がる地山を掘削除去して分岐合流部を構築すればよい。
本発明において小径シールドトンネルとは、大断面トンネルに対する相対的概念を表した表現であって、その径がシールド工法における当業者の認識に拘束されるものではなく、本発明の小径シールドトンネルとして、シールド工法分野で中口径と呼ばれる大きさ、例えばφ4m程度のシールドトンネルを用いる場合も本発明に包摂される。
円筒体は、導坑を構築開始点として構築される限り、どのような施工手順で構築するかは任意であるが、導坑から推進方式で函体を環状に押し出すいわゆる函体推進工法や、導坑を発進到達スペースとしたシールド工法が典型例となる。
ここで、函体推進工法の場合においては、たとえば横断面の縦横比が大きい矩形断面の函体を一列で環状に押し出して円筒体を構築することも可能であるが、この構成では、トンネル軸線方向に沿った発進エリアの内法寸法を一つの函体の幅で確保する必要が生じ、函体の製作が困難になる場合が想定される。
かかる場合には、函体を構築済トンネルのトンネル軸線に沿って複数列となるようにかつ各列が互いに隣接するように押し出して円筒体を構築するようにすればよい。
この構成によれば、上述した発進エリアの内法寸法を複数個の函体の全幅で確保すれば足りるため、函体の製作が容易になるとともに、その結果として、小径シールドを余裕をもって発進させることも可能となる。
また、導坑を構築済トンネルの軸線廻りに複数配置するとともに、該各導坑から函体をそれぞれ押し出すことで円筒体を所定の角度範囲ごと、たとえば120゜ごとに分割構築するようにすれば、推進方式による円筒体の構築を合理的に行うことが可能となる。
本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法の施工手順を示したフローチャート。 本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法を用いて構築された外殻1を示した全体水平断面図。 外殻1を示した横断面図であり、(a)は図2のA−A線に沿う横断面図、(b)は同じくB−B線に沿う横断面図。 本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法の施工手順を各工程ごとに示した施工説明図のうち、導坑43を構築する様子を示した断面図であり、(a)、(c)は縦断面図、(b)、(d)はそれぞれC−C線、D−D線に沿う横断面図。 導坑43から函体51を押し出す様子を示した施工説明図であって、(a)は縦断面図、(b)、(c)はE−E線に沿う横断面図。 函体51の押出しによって構築された円筒体61を示した図であり、(a)は横断面図、(b)は縦断面図。 後工程で形成される環状空間の露出面近傍に薬液注入を施した施工説明図であって、(a)は縦断面図、(b)はF−F線に沿う横断面図。 円筒体61の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成する様子を示した施工説明図であって、(a)は縦断面図、(b)はG−G線に沿う横断面図。 環状空間81が形成された様子を示した施工説明図であって、(a)は縦断面図、(b)はH−H線に沿う横断面図。 発進エリア3が形成された様子を示した施工説明図であって、(a)は縦断面図、(b)はI−I線に沿う横断面図。 発進エリア3から小径シールド91を発進させる様子を示した施工説明図であって、(a)は縦断面図、(b)はJ−J線に沿う横断面図。 発進エリアを小径側に代えて、大径側に設置する場合の外殻1との位置関係を示した全体水平断面図。 上記変形例において導坑を構築する様子を示した横断面図。
以下、本発明に係る小径シールドの発進エリア構築方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法の施工手順を示したフローチャート、図2は、本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法を用いて小径シールドトンネルを構築するとともに該小径シールドトンネルを先受け構造体として構築された外殻を示した水平断面図、図3は、そのA−A線とB−B線に沿う横断面図である。
本実施形態によって構築される外殻1は図2,3でわかるように、複数本の小径シールドトンネル2を貫通する形で周方向に連続して構築されるものであって、該小径シールドトンネルは、図示しない小径シールドを発進エリア3から発進させることにより、本線トンネル4とこれに分岐合流するランプトンネル5との分岐合流部6の構築予定領域に沿って構築されるが、本実施形態では、本線トンネル4が先行構築された状態で外殻1を構築するものとする。
本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法を用いて外殻1を構築するには、まず、図4(a),(b)に示すように、既に構築されている構築済トンネルとしての本線トンネル4のシールドセグメント41を一部切り開いて立坑42を掘削形成するとともに、該立坑の底部近傍から水平方向に掘削することで、同図(c),(d)に示すように本線トンネル4のトンネル軸線にほぼ平行にかつ該本線トンネルから離隔した位置となるように、本線トンネル4のトンネル内空間と連通する形で導坑43を構築する(ステップ101)。
立坑42や導坑43を構築するにあたっては、掘削時の漏水や地山崩落を防止すべく、必要に応じて予め地盤改良を施した上、該地盤改良ゾーンを掘削するものとし、図4では、一例として立坑42を構築するための地盤改良ゾーン44を示してある。
次に、図5に示すように、導坑43を構築開始点として、本線トンネル4を取り囲むように、該導坑から函体51を推進方式で環状に押し出す(ステップ102)。
函体51は、鉄筋コンクリートや鋼材で形成された横断面が矩形のボックス材として製作することが可能であり、本実施形態では、本線トンネル4のトンネル軸線に沿って、同図(a)では左右方向に沿って複数列(同図では5列)となるように、かつ各列が互いに隣接するように押し出す。
ここで、上述した導坑43は同図(c)に示すように、本線トンネル4の下方のみならず、本線トンネル4のトンネル軸線廻りに概ね120゜ごととなるように、該本線トンネルの斜め上方にも同様な施工手順で複数構築してあり、函体51の押出しは、これら3本の導坑43から同図矢印に示す方向に沿ってそれぞれ行う。
図6は、このようにして押し出された3本の函体51を各導坑43で相互連結することで円筒体61が構築された様子を示したものであり、連結後は、導坑43の残余空間を適宜埋め戻すとともに、函体51の中空空間には、必要に応じてコンクリートを充填しておく。
なお、函体51を周方向及びトンネル軸線方向に沿って相互連結するにあたっては、円筒体61に作用する周辺土圧を安全確実に支持しつつ、小径シールドの発進を妨げるような地下水の流入が生じないよう、必要に応じて適宜止水工を施す。
次に、図7に示すように、後工程で掘削形成される環状空間に露出することとなる地山位置、換言すれば円筒体61の各開口端から本線トンネル4の外周面にそれぞれ延びる一対の環状平面近傍71,71に薬液注入を行って止水性を予め確保する(ステップ103)。
次に、図8に示すように、円筒体61の内側に拡がる地山を上から下に向けて掘削しつつ、掘削が終了した箇所から順にその露出面にロックボルト72の挿入及びコンクリート73の吹付けを行うことで、図9に示すように環状空間81を形成する(ステップ104)。
次に、図10に示すように、環状空間81と本線トンネル4のトンネル内空間82とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、環状空間81とトンネル内空間82とが一体化されてなる小径シールドの発進エリア3を構築する(ステップ105)。
次に、図11(a)に示すように、環状空間81の対向露出面のうち、小径シールド91が発進される側の露出面には、小径シールド91が挿入される挿入開口を保護すべく、坑口工を施すとともに、反対側の露出面には、鉄筋コンクリートや鋼板で形成された反力体92を設けておく。
発進エリア3が構築された後は、図11に示すように、その環状空間81に小径シールド91を配置して本線トンネル4のトンネル軸線方向に発進させるとともに、該小径シールドにより、本線トンネル4とそれに分岐合流するランプトンネル5との分岐合流部6の構築予定領域が取り囲まれるように、図2,3に示した複数本の小径シールドトンネル2を構築し、次いで、該複数本の小径シールドトンネルを貫通する形で周方向に連続した外殻1を構築した後、外殻1の内側に拡がる地山を掘削除去して分岐合流部6を構築すればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法によれば、本線トンネル4のトンネル軸線にほぼ平行にかつ該本線トンネルから離隔した位置となるように、本線トンネル4のトンネル内空間と連通する形で導坑43を構築し、次いで、該導坑43を構築開始点として、本線トンネル4が取り囲まれるように円筒体61を構築し、次いで、円筒体61の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間81を形成した後、該環状空間と本線トンネル4のトンネル内空間82とを一体化させて発進エリア3を構築するようにしたので、円周シールドを用いた従来の発進エリア構築方法に比べ、小径シールドトンネル2の均等配置を可能にしたまま、より経済性に優れた施工が可能となる。
また、本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法によれば、函体推進方式によって円筒体61を構築するようにしたので、比較的小規模な設備で円筒体61の構築が可能となる。
また、本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法によれば、函体51を本線トンネル4のトンネル軸線に沿って複数列となるようにかつ各列が互いに隣接するように押し出して円筒体61を構築するようにしたので、環状空間81における露出面の対向距離、いわば環状空間81の内法寸法を確保しやすくなり、小径シールド91を余裕をもって発進させることが可能となる。
また、本実施形態に係る小径シールドの発進エリア構築方法によれば、導坑43を本線トンネル4のトンネル軸線廻りに複数配置するとともに、該各導坑から函体51をそれぞれ押し出すことで円筒体61を120゜ごとに分割構築するようにしたので、推進方式による円筒体61の構築を合理的に行うことが可能となる。
本実施形態では、図2に示したように、分岐合流部6の構築予定領域のうち、小径側(ランプトンネル5が設置されない区間)に発進エリア3を設置する場合を例とし、これに対応するように、本線トンネル4のトンネル内空間と連通する形で導坑43を構築するとともに、該導坑を構築開始点として本線トンネル4が取り囲まれるように円筒体61を構築したが、これに代えて、図12に示すように、分岐合流部6の構築予定領域の大径側(ランプトンネル5が設置される区間)に発進エリア3aを設置するようにしてもよい。
この場合、本線トンネル4が先行構築されていれば、これを構築済トンネルとして、図13に示すように本線トンネル4のトンネル内空間と連通する形で導坑43を形成し、次いで、導坑43を構築開始点として、本線トンネル4及び未だ構築されていないランプトンネル5の構築範囲が取り囲まれるように、円筒体61を構築すればよい。
一方、ランプトンネル5が先行構築されている場合には、該ランプトンネルを構築済トンネルとして同様の手順で円筒体61を構築することができるし、本線トンネル4及びランプトンネル5のいずれも構築済である場合には、いずれかのトンネルを適宜選択すればよい。
なお、導坑43の形成手順や円筒体61の構築手順は、上述の実施形態と概ね同様であるので、ここではその説明を省略する。
また、本実施形態では、環状空間81を形成する際、薬液注入で止水性を予め確保した上、図8で説明したように、円筒体61の内側に拡がる地山を上から下に向けて掘削しつつ、掘削が終了した箇所から順にその露出面にロックボルト72の挿入及びコンクリート73の吹付けを行うようにしたが、地山強度がそれほど高くない場合には、上述の手順と同様に、薬液注入で止水性を予め確保した上、円筒体61の内側に拡がる地山を上から下に向けて掘削しつつ、上述の手順に代えて、掘削が終了した箇所から順にRC躯体を逆巻きで構築するようにしてもよい。
また、本実施形態では、円筒体61を函体推進方式で構築するようにしたが、導坑を構築開始点として構築される限り、どのような施工手順で円筒体を構築するかは任意であり、上述の実施形態に代えて、導坑を発進到達スペースとしたシールド工法で円筒体を構築することが可能である。
また、本実施形態では、円筒体61をトンネル軸線廻りに概ね120゜ごとに分割構築するようにしたが、いくつに分割するかは任意であって、上述の実施形態の構成に代えて、90゜あるいは180゜ごとの分割構築が可能であるほか、可能であれば、分割せずに、すなわち導坑43を一つだけとしてもかまわない。
また、本実施形態では、外殻構築方法として、分岐合流部6の小径側でも大径側でも小径シールドトンネル2の本数が変わらない工法を例としたが、小径シールドトンネル2の本数を大径側では多く、小径側では少なくすることで、小径シールドトンネル2同士の離間寸法を均等にする場合にも適用可能である。
1 外殻
2 小径シールドトンネル
3,3a 発進エリア
4 本線トンネル(構築済トンネル)
5 ランプトンネル
6 分岐合流部
43 導坑
51 函体
61 円筒体
81 環状空間
82 トンネル内空間
91 小径シールド

Claims (8)

  1. 大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って該大断面トンネルの外殻の先受け構造体となる複数本の小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設する際に、該小径シールドトンネル構築のための小径シールドの発進エリアを構築する方法において、
    前記構築予定領域がシールドトンネルの拡幅予定領域、該シールドトンネルが本線トンネル又は該本線トンネルに分岐合流するランプトンネルであって、それらのうち、既に構築されている構築済トンネルのトンネル内空間と連通する形で導坑を構築し、
    該導坑を構築開始点として、前記本線トンネルが取り囲まれるように又は前記本線トンネル及び前記ランプトンネル若しくはそれらの構築範囲が取り囲まれるように、前記導坑から推進方式で函体を環状に押し出すことで円筒体を構築し、
    該円筒体の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成し、
    前記構築済トンネルのトンネル内空間と前記環状空間とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、該トンネル内空間と該環状空間とが一体化されてなる発進エリアを構築する小径シールドの発進エリア構築方法であって、
    前記導坑を前記構築済トンネルの軸線廻りに複数配置するとともに、該各導坑から前記函体をそれぞれ押し出すことで前記円筒体を所定の角度範囲ごとに分割構築することを特徴とする小径シールドの発進エリア構築方法。
  2. 前記函体を前記本線トンネル又は前記ランプトンネルのトンネル軸線に沿って複数列となるようにかつ各列が互いに隣接するように押し出して前記円筒体を構築する請求項1記載の小径シールドの発進エリア構築方法。
  3. 大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って該大断面トンネルの外殻の先受け構造体となる複数本の小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設する際に、該小径シールドトンネル構築のための小径シールドの発進エリアを構築する方法において、
    前記構築予定領域がシールドトンネルの拡幅予定領域、該シールドトンネルが本線トンネル又は該本線トンネルに分岐合流するランプトンネルであって、それらのうち、既に構築されている構築済トンネルのトンネル内空間と連通する形で導坑を構築し、
    該導坑を構築開始点として、前記本線トンネルが取り囲まれるように又は前記本線トンネル及び前記ランプトンネル若しくはそれらの構築範囲が取り囲まれるように、前記導坑から推進方式で函体を環状に押し出すことで円筒体を構築し(但し、先導掘進機を用いる場合を除く)
    該円筒体の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成し、
    前記構築済トンネルのトンネル内空間と前記環状空間とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、該トンネル内空間と該環状空間とが一体化されてなる発進エリアを構築することを特徴とする小径シールドの発進エリア構築方法。
  4. 大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って該大断面トンネルの外殻の先受け構造体となる複数本の小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設する際に、該小径シールドトンネル構築のための小径シールドの発進エリアを構築する方法において、
    前記構築予定領域がシールドトンネルの拡幅予定領域、該シールドトンネルが本線トンネル又は該本線トンネルに分岐合流するランプトンネルであって、それらのうち、既に構築されている構築済トンネルのトンネル内空間と連通する形で導坑を構築し、
    該導坑を構築開始点として、前記本線トンネルが取り囲まれるように又は前記本線トンネル及び前記ランプトンネル若しくはそれらの構築範囲が取り囲まれるように円筒体を構築し、
    該円筒体の内側に拡がる地山を掘削除去して環状空間を形成し、
    前記構築済トンネルのトンネル内空間と前記環状空間とを隔てるシールドセグメントを切除することにより、該トンネル内空間と該環状空間とが一体化されてなる発進エリアを構築する小径シールドの発進エリア構築方法であって、
    前記導坑を、前記構築済トンネルから掘削形成された立坑から掘削することで、該構築済トンネルのトンネル軸線にほぼ平行にかつ該本線トンネルから離隔した位置となるように構築することを特徴とする小径シールドの発進エリア構築方法。
  5. 前記導坑から推進方式で函体を環状に押し出すことで前記円筒体を構築する請求項4記載の小径シールドの発進エリア構築方法。
  6. 前記函体を前記本線トンネル又は前記ランプトンネルのトンネル軸線に沿って複数列となるようにかつ各列が互いに隣接するように押し出して前記円筒体を構築する請求項5記載の小径シールドの発進エリア構築方法。
  7. 前記導坑を前記構築済トンネルの軸線廻りに複数配置するとともに、該各導坑から前記函体をそれぞれ押し出すことで前記円筒体を所定の角度範囲ごとに分割構築する請求項5又は請求項6記載の小径シールドの発進エリア構築方法。
  8. 前記導坑を発進到達スペースとしたシールド工法によって前記円筒体を構築する請求項4記載の小径シールドの発進エリア構築方法。
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