以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[写真シール作成装置の外観構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業を利用者にゲームとして行わせ、撮影画像や編集済み画像を提供する代わりに利用者より代金を受け取るゲーム機である。写真シール作成装置1はゲームセンタなどの店舗に設置される。利用者は1人であることもあるし、複数人であることもある。
写真シール作成装置1が提供するゲームで遊ぶ利用者は、代金を投入し、自身が被写体となって撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した編集対象の画像に対して、手書きの線画やスタンプ画像を合成する編集機能を用いて編集を行うことにより、撮影画像を彩り豊かな画像にする。利用者は、編集済みの画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させることになる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、主に、撮影ユニット11、編集部12、および事後接客部13から構成される。撮影ユニット11と編集部12が接した状態で設置され、編集部12と事後接客部13が接した状態で設置される。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置され、撮影部21と背景部22の間に形成される空間である撮影空間において撮影作業が行われる。
撮影部21は撮影作業を利用者に行わせる装置である。撮影部21は、撮影空間に入り、撮影作業を行っている利用者の正面に位置する。撮影空間を正面に臨む面を構成する撮影部21の正面パネル41には、撮影作業時に利用者により用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間にいる利用者から見て左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル42Aにより構成され、右側面が側面パネル42B(図示せず)により構成される。
背景部22は、正面を向いて撮影作業を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52A、および、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52B(図2)から構成される。
撮影部21の左側面を構成する側面パネル42Aと背景部22の側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Aによって連結される。また、撮影部21の右側面を構成する側面パネル42Bと背景部22の側面パネル52Bは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Bによって連結される。
撮影部21の側面パネル42A、連結部23A、および背景部22の側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口G1となる。なお、図示はしないが、撮影部21の側面パネル42B、連結部23B、および背景部22の側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口G2となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部23A、連結部23B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成され、その開口の一部を覆うように天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて発光するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部には蛍光灯が設けられており、撮影空間の照明としても機能する。
なお、撮影空間にいる利用者の正面−背面方向を奥行き方向とすると、撮影ユニット11の寸法(奥行き、幅、および高さ)は、例えば、1850mm×1800mm×2225mmとされる。
編集部12は、撮影作業によって得られた画像を編集する編集作業を利用者に行わせる装置である。編集部12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41の背面に接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。編集部12には、編集作業時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタなどの構成が設けられる。
図1に示す編集部12の構成を正面側の構成とすると、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるように、編集部12の正面側と背面側には編集作業に用いられる構成がそれぞれ設けられる。
編集部12の正面側は、床面に対して垂直な面であり、側面パネル42Aとほぼ平行な面である面71と、面71の上方に形成された斜面72から構成され、編集作業に用いられる構成が斜面72に設けられる。斜面72の左側には、柱状の形状を有し、照明装置74の一端を支持する支持部73Aが設けられる。斜面72の右側にも、照明装置74の他端を支持する支持部73B(図2)が設けられる。さらに、支持部73Aの左側には、板状の形状を有し、事後接客部13が連結して設けられる支持部73Cが設けられる。また、支持部73Cの上面にはカーテンレール26を支持する支持部75が設けられる。
編集部12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、上から見たときの形状がコの字状となるように3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。平行に設けられるレール26Aと26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、他端に残りの一本のレール26Cの両端が接合される。
カーテンレール26には、編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間の内部が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
図2は、写真シール作成装置1を別の角度から見た斜視図である。
事後接客部13は利用者に対して事後接客を行う装置である。事後接客では、撮影画像や編集済みの画像が携帯電話機などの携帯端末に送信される。
図2に示すように、事後接客部13は、所定の厚さを有する板状の筐体を有しており、その背面が編集部12の左側面に接するように編集部12に連結して設けられる。事後接客部13の正面には、事後接客時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタや、撮影画像や編集済みの画像が印刷されたシール紙が排出される排出口などが設けられる。事後接客部13の正面前方の空間が、シール紙への印刷が終わるのを待っている利用者に対して事後接客を行う事後接客空間となる。
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について図3を参照して説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
写真シール作成装置1の利用者は、白抜き矢印#1で示すように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示すように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入り、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示すように出入り口G1を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示すように出入り口G2を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集部12の正面側の編集空間であり、編集空間A2−2は、編集部12の背面側の編集空間である。編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかが、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方の空間が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、撮影画像や編集済みの画像の中から選択された画像の印刷が開始される。画像の印刷中、編集作業を終えた利用者は、編集空間A2−1で編集作業を行っていた場合には白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−1から事後接客空間A3に移動して事後接客を受ける。また、編集作業を終えた利用者は、編集空間A2−2で編集作業を行っていた場合には白抜き矢印#6で示すように編集空間A2−2から事後接客空間A3に移動し、事後接客空間A3において事後接客を受ける。
画像の印刷が終了したとき、利用者は、事後接客部13に設けられた排出口からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終えることになる。
次に、各装置の構成について説明する。
[撮影部の構成]
図4は、撮影部21の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成される。
正面パネル41は撮影空間A1で撮影作業を行う利用者の正面に位置し、側面パネル42Aと側面パネル42Bは、それぞれ、撮影空間A1で撮影作業を行う利用者の左側、右側に位置する。側面パネル42Aの上方には連結部23Aが固定され、側面パネル42Bの上方には連結部23Bが固定される。
正面パネル41のほぼ中央には撮影・表示ユニット81が設けられる。撮影・表示ユニット81は、カメラ91、カメラストロボ92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。
カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を有する撮像装置を含むように構成され、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)は、タッチパネルモニタ93にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)として保存される。なお、カメラ91により取り込まれた画像、すなわち、ライブビュー画像および撮影画像を併せて、以下、取り込み画像ともいう。
カメラ91の背面側には、カメラストロボ92が設けられ、カメラ91は、カメラストロボ92の表面側で上下方向に駆動(移動)するようになされている。カメラストロボ92は、発光面を構成するアクリル板と、その背後に設けられる蛍光灯等の照明装置とから構成され、他のストロボと同様にカメラ91による撮影に合わせて発光する。カメラストロボ92においては、カメラ91の上下方向の位置に応じて露出する部分が発光面となる。つまり、カメラストロボ92は、カメラ91の上下方向の位置に応じて、被写体としての利用者の顔付近をカメラ91の上方または下方から照射する。
カメラ91の下側に設けられたタッチパネルモニタ93は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ93は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)画像を表示し、利用者の選択操作をタッチパネルにより受け付ける機能とを備えている。タッチパネルモニタ93には、適宜、背景等の画像が合成された後の動画像が表示される。
正面パネル41には、撮影・表示ユニット81の位置を基準として、上方に上ストロボ82が設置される。また、左方に左ストロボ83が設置され、右方に右ストロボ84が設置される。撮影・表示ユニット81の下方の位置には、ベース部43の上面が一部突出する形で下ストロボ85が設けられる。
上ストロボ82は、利用者を上前方から照射する。左ストロボ83は、利用者を左前方から照射し、右ストロボ84は、利用者を右前方から照射する。下ストロボ85は、利用者を下前方から照射する。
ベース部43には利用者の足元を照射する足元ストロボ86も設けられる。上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、下ストロボ85、および足元ストロボ86の内部には蛍光灯が設けられており、天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部の蛍光灯と合わせて、撮影空間A1内の照明として用いられる。各蛍光灯の発光量が調整されることによって、または、発光させる蛍光灯の数が調整されることによって、撮影空間A1内の明るさが、利用者が行っている撮影作業の内容に応じて適宜調整される。
また、足元ストロボ86の右側には、利用者がお金を投入する硬貨投入返却口87が設けられる。
さらに、下ストロボ85の上側であって、タッチパネルモニタ93の左側には、利用者を左下前方から照射するモニタ左ストロボ88が設けられ、タッチパネルモニタ93の右側には、利用者を右下前方から照射するモニタ右ストロボ89が設けられる。
なお、各ストロボ内部には、蛍光灯以外の照明装置が設けられてもよい。
下ストロボ85を挟んでベース部43の上面の左右に形成されるスペース43Aおよび43Bは、撮影作業を行う利用者が手荷物等を置くための荷物置き場として用いられる。また、正面パネル41の例えば天井付近には、利用者に撮影作業を行わせる撮影処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音を出力するスピーカも設けられる。
ここで、カメラ91の上下方向の駆動について説明する。
撮影処理においては、カメラ91の上下方向の位置が、被写体としての利用者を、利用者から見て前方略正面から撮影する位置と、利用者から見て前方斜め上から撮影する位置とになるように、カメラ91を上下方向に駆動させて撮影が行われる。
以下、適宜、利用者を前方略正面から撮影する位置にあるカメラ91を下カメラといい、利用者を前方斜め上から撮影する位置にあるカメラ91を上カメラという。
[撮影・表示ユニットの構成例]
図5は、上下方向に駆動するカメラ91を含む撮影・表示ユニット81の詳細な構成例を示している。
図5Aに示されるように、撮影・表示ユニット81は、縦長の直方体の形状を有する筐体の一側面に、カメラ91、カメラストロボ92、およびタッチパネルモニタ93が設けられることで構成される。カメラ91およびカメラストロボ92の周囲には、それらを囲うような額縁状のカバー94が設けられており、カメラ91は、カバー94の開口部の範囲内で上下方向に駆動する。
図5Bは、図5Aの状態から、タッチパネルモニタ93およびカバー94を取り外した撮影・表示ユニット81を示している。図5Bに示されるように、カメラ91は、カメラストロボ92の発光面を構成するアクリル板95と一体に構成されており、アクリル板95は、カメラ91とともに上下方向に駆動する。また、カメラ91は、カメラ支持部96によってその側面が支持されており、カメラ支持部96に設けられたガイド溝に従って上下方向に駆動する。
図5Cは、図5Bの状態から、アクリル板95を取り外した撮影・表示ユニット81を示している。図5Cに示されるように、カメラ91の背面上方には、カメラ上蛍光灯97Uが設けられ、カメラ91の背面下方には、カメラ下蛍光灯97Dが設けられている。カメラ91は、カメラストロボ92を構成する照明装置としてのカメラ上蛍光灯97Uおよびカメラ下蛍光灯97Dと一体に構成されており、カメラ上蛍光灯97Uおよびカメラ下蛍光灯97Dは、カメラ91とともに上下方向に駆動する。
つまり、図5Aに示されるように、カメラ91がカバー94の開口部の下端に位置し、下カメラの状態となるとき、カメラ91の上側のアクリル板95が露出し、カメラ上蛍光灯97Uが発光することで、カメラストロボ92は、被写体としての利用者の顔付近をカメラ91の上方から照射する。
また、図示はしないが、カメラ91がカバー94の開口部の上端に位置し、上カメラの状態となるとき、カメラ91の下側のアクリル板95が露出し、カメラ下蛍光灯97Dが発光することで、カメラストロボ92は、被写体としての利用者の顔付近をカメラ91の下方から照射する。
[カメラの構成例]
図6は、カメラ91の詳細な構成例を示している。
カメラ91は、撮像装置であるカメラ本体91Mがケース91Cに搭載されて構成される。カメラ91には、所定の駆動機構により、カメラ本体91Mのレンズの光軸に平行な軸を中心に回転する回転部91Rが設けられている。また、カメラ本体91Mの焦点距離を調整するズームリング91Fの円周面に設けられたギアと、回転部91Rの一端に設けられたギア(図示せず)とは、内側にリブが設けられたタイミングベルト91Bにより連結されている。
すなわち、回転部91Rが回転することにより、タイミングベルト91Bを介してズームリング91Fが回転し、カメラ本体91Mの焦点距離が調整されるようになされている。これにより、例えば、カメラ91が下カメラの状態において、ズームインするように焦点距離を調整し、カメラ91が上カメラの状態において、ズームアウトするように焦点距離を調整することができる。
また、ケース91Cの側面には、突起物P1,P2が設けられている。カメラ91は、突起物P1,P2がそれぞれ、図7に示されるようなカメラ支持部96に設けられたガイド溝g1,g2に沿ってガイドされることで上下方向に駆動する。ガイド溝g1,g2は、カメラ支持部96を貫通するように形成されてもよいし、貫通しないように形成されてもよい。また、図7に示されるように、ガイド溝g2は、ガイド溝g1の上端に対応する位置より上では、ガイド溝g1の上端を中心に孤を描くように形成されている。これにより、突起物P1,P2がそれぞれ、ガイド溝g1の上端、および、ガイド溝g2のガイド溝g1の上端に対応する位置に達した後、カメラ91は、ガイド溝g1の上端を中心に、図中左方向に所定角度だけ回転(前傾)し、撮影空間の下方向を撮影するようになる。
具体的には、カメラ91が下カメラの状態のとき、写真シール作成装置1の設置面からカメラ91のレンズ中心までの高さは1440mm、焦点距離は22mm、レンズの光軸と水平面とのなす角度(前傾角度)は14°とされる。また、カメラ91が上カメラの状態のとき、写真シール作成装置1の設置面からカメラ91のレンズ中心までの高さは1550mm、焦点距離は10mm、レンズの光軸と水平面とのなす角度(前傾角度)は33°とされる。
このような構造により、カメラ91が下カメラの状態のときには、利用者は前方略正面から撮影され、カメラ91が上カメラの状態のときには、利用者は前方斜め上から撮影されるようになる。
また、カメラ91においては、カメラ本体91Mが、そのレンズの光軸を中心に回転するようになされている。
[背景部の構成]
図8は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。図8Aは、背景部22の構成例を示す正面図であり、図8Bは、背景部22の構成例を示す斜視図である。
背面パネル51の上方のほぼ中央には、撮影空間A1内で撮影作業を行っている利用者を後方中央から照射する背面中央ストロボ101が取り付けられる。
背面パネル51の上方であって、出入り口G1側の位置には、撮影空間A1内で撮影作業を行っている利用者を左後方から照射する背面左ストロボ102が取り付けられる。また、背面パネル51の上方であって、出入り口G2側の位置には、撮影空間A1内で撮影作業を行っている利用者を右後方から照射する背面右ストロボ103が取り付けられる。
また、背面パネル51の下側で、撮影空間A1において側面パネル52Aおよび側面パネル52Bに挟まれる部分には、床104が設けられている。床104は、図9に示されるように、背面パネル51側に近いほど高くなるように、写真シール作成装置1が設置される設置面に対して、例えば7°等の傾斜が設けられている。
なお、撮影空間にいる利用者の正面−背面方向を奥行き方向とすると、床104の寸法(奥行き、幅、および背面パネル51側の高さ)は、例えば、550mm×1710mm×80mmとされる。
[床の傾斜により得られる効果]
ここで、図10を参照して、床104に傾斜を設けることによって得られる効果について説明する。
図10には、撮影空間A1において、上カメラの状態のカメラ91によって撮影される被写体(利用者)111が示されている。被写体の全身を撮影しようとする場合、上カメラによる撮影によれば、下カメラによる撮影と比較して、顔が大きく写るので、顔が強調された撮影画像を得ることができる。また、下カメラにより得られる全身画像より、上カメラにより得られる全身画像の方が、画像における被写体の割合を高めることができる。このように、上カメラによる撮影は、被写体の全身画像を得るのに好適とされている。
例えば、一般的な写真シール作成装置の撮影空間において、図10Aに示されるように、被写体111がカメラ91に顔を近づけるように前傾姿勢をとった場合には、顔がより強調された撮影画像を得ることができる。
さらに、本発明の写真シール作成装置1のように傾斜を設けた床104を備えることで、図10Bに示されるように、被写体111のかかと部分がヒールのある靴を履いているときと同じ状態となり、カメラ91の撮像面に対する足の甲の長さが、図10Aの場合より長くなるので、より足が長く見える撮影画像を得ることができる。
特に、ヒールのある靴を履いた場合の地面と足の裏のなす角度が7°のときに最も足が長く見えるものとすると、床104の傾斜を7°とすることで、例えば学校指定のヒールの低い靴を履いている女子中高生であっても、ヒールのある靴を履いたときと同様に、より足が長く見える撮影画像を得ることができる。
また、図10Aに示されるように、被写体111が前傾姿勢をとってカメラ91を見た場合、顎の下から首にかけての部分111nがストロボによって照射されてしまうので、撮影画像においては、顔の輪郭がわかりにくく、必要以上に顔が大きく見えてしまう恐れがある。
一方、図10Bのように床104を備えることで、被写体111は、図10Aのように前傾姿勢にならず、顎を出さない姿勢で撮影することができるので、顎の下から首にかけての部分111nに影ができ、撮影画像においては、顔の輪郭が強調されて、必要以上に顔が大きく見えることを避けることができる。
さらに、図10Aにおいて、被写体111が前傾姿勢をとらずにカメラ91を見た場合、撮影画像においては、上目遣いをした顔となってしまう。一方、図10Bのように床104を備えることで、被写体111の視線が高くなるので、被写体111は、カメラ91を自然に見ることができ、撮影画像においては、上目遣いをした顔となることを避けることができる。
[クロマキー用シートについて]
また、本実施の形態においては、背景部22の撮影空間A1側に、背景に利用する巻き取り式の背景カーテンや、クロマキー用のカーテンとして使用する昇降式カーテンを設けず、背景部22を構成する背面パネル51、側面パネル52A,52B、および床104の表面にクロマキー用のシートが貼付される。
図11は、背景部22の撮影空間A1側に貼付されるクロマキー用シートについて説明する図である。
図11に示されるように、背面パネル51にはクロマキー用シート121Aが貼付され、側面パネル52Bの下部にはクロマキー用シート121Bが貼付され、床104の斜面部分にはクロマキー用シート121Cが貼付される。クロマキー用シート121A乃至121Cは、緑色のクロマキー用シートであり、これにより、いわゆるグリーンバック合成が行われる。なお、図示はしないが、側面パネル52Aの下部にもクロマキー用シート121Bと同様のクロマキー用シート121C’が貼付される。なお、図11に示されるように、クロマキー用シート121Bは、側面パネル52Bの下部のみに貼付されるものとしたが、側面パネル52Bにおいてクロマキー用シート121Bが貼付される部分は、カメラ91の画角に入る部分より広ければよく、例えば側面パネル52Bの全面であってもよい。また、側面パネル52Aに貼付されるクロマキー用シート121C’についても同様である。
クロマキー用シート121A,121B,121Cはそれぞれ、同一の材質で構成されるようにしてもよいし、異なる材質で構成されるようにしてもよい。具体的には、例えば、撮影空間A1の背面となるクロマキー用シート121Aを布製とし、側面となるクロマキー用シート121Bを樹脂製または布製とし、クロマキー用シート121Cをゴム等の樹脂製としてもよい。
[編集部の構成]
図12は、編集部12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面72のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aまたは132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどの編集用モニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集対象画像として選択された撮影画像の編集に用いられる画面である編集画面が表示される。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aは一方の利用者により用いられ、タッチペン132Bは他方の利用者により用いられる。
編集部12の左側には事後接客部13が設けられる。
[事後接客部の構成]
図13は、事後接客部13の正面側の構成例を示す図である。
事後接客部13の上方中央にはタブレット内蔵モニタ161が設けられる。タブレット内蔵モニタ161を挟んで左側にタッチペン162Aが設けられ、右側にタッチペン162Bが設けられる。タブレット内蔵モニタ161もタブレット内蔵モニタ131と同様に、タッチペン162Aまたは162Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどの事後接客用モニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ161には、撮影画像や編集済みの画像を携帯電話機などの携帯端末に送信する事後接客処理に用いられる画面が表示される。
タブレット内蔵モニタ161の下には非接触型ICリーダ/ライタ163が設けられ、非接触型ICリーダ/ライタ163の下にはシール紙排出口164が設けられる。シール紙排出口164の下にはスピーカ165が設けられる。
非接触型ICリーダ/ライタ163は、近接された非接触型ICと通信を行い、非接触型ICからのデータの読み出しや非接触型ICに対するデータの書き込みを行う。
シール紙排出口164には、編集空間A2−1の利用者が編集作業を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙、または、編集空間A2−2の利用者が編集作業を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙が排出される。編集部12の内部にはプリンタが設けられており、画像の印刷がそのプリンタにより行われる。
スピーカ165は、事後接客処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
[写真シール作成装置の内部構成]
次に、写真シール作成装置1の内部構成について説明する。図14は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。なお、重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などよりなり、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209、および事後接客部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体からなり、制御部201から供給された各種の設定情報を記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203はインターネットなどのネットワークのインタフェースであり、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムやデータが記憶されている。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1における撮影処理を行う構成である硬貨処理部221、照明装置222、カメラ91、タッチパネルモニタ93、およびスピーカ223から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口87に対する硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば300円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部201に出力する。
照明装置222は、撮影空間A1内の各ストロボの内部に設けられる蛍光灯であり、制御部201より供給される照明制御信号に従って発光する。上述したように、撮影空間A1には、天井ストロボユニット24のストロボの他に、撮影部21に設けられる上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、下ストロボ85、足元ストロボ86、モニタ左ストロボ88、モニタ右ストロボ89と、背景部22に設けられる背面中央ストロボ101、背面左ストロボ102,背面右ストロボ103が設けられている。
また、照明装置222は、制御部201による制御に従って発光量を調整することによって、利用者が行っている撮影作業の段階に応じて撮影空間A1内の明るさを調整する。
カメラ91は、制御部201による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部201に出力する。
スピーカ223は、利用者に撮影作業を行わせる撮影処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1における編集処理を行う構成として編集部12の正面側に設けられるタブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bも編集部209Aと同一の構成を有しており、編集空間A2−2における編集処理を行う。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って、内蔵する編集用モニタに編集画面を表示し、編集画面(内蔵するタブレット)に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われる。
スピーカ231は、利用者に編集作業を行わせる編集処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
事後接客部210は、事後接客空間A3における事後接客処理を行う構成であるタブレット内蔵モニタ161、タッチペン162A,162B、非接触型ICリーダ/ライタ163、スピーカ165、印刷処理を行う構成であるプリンタ241、およびシール紙ユニット242から構成される。
タブレット内蔵モニタ161は、制御部201による制御に従って、内蔵する事後接客用モニタに事後接客に用いられる画面を表示し、その画面(内蔵するタブレット)に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、事後接客が行われる。
プリンタ241は、撮影画像、または編集処理によって得られた編集済みの画像を、プリンタ241に装着されたシール紙ユニット242に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口164に排出する。
[制御部の構成]
次に、制御部201について説明する。図15は、制御部201がROM206などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
制御部201は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金に関する処理や利用者グループを撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部301、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部302、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部303、および、編集作業を終了した利用者グループを接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部304を有する。
つまり、制御部201は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
[撮影処理部の構成]
図16は、図15の撮影処理部301のさらに詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
図16の例において、撮影処理部301は、進行制御部311、撮影パラメータ設定部312、ライブビュー表示制御部313、撮影画像取得部314、カメラ駆動制御部315、および傾き設定部316から構成される。
進行制御部311は、撮影作業の工程の進行を制御する。
撮影パラメータ設定部312は、写りや明るさ、目のサイズ等の撮影に関するパラメータの設定に関する処理を行う。
ライブビュー表示制御部313は、タッチパネルモニタ93の表示(ライブビュー表示)に関する処理を行う。
撮影画像取得部314は、撮影、特に、撮影画像の取得に関する処理を行う。
カメラ駆動制御部315は、カメラ91の駆動に関する処理を行う。
傾き設定部316は、カメラ91の上下位置に応じて、撮影画像における被写体の傾きを設定する処理を行う。
[写真シール作成装置の動作]
次に、図17のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の処理について説明する。
ステップS1において、写真シール作成装置1の制御部201の撮影処理部301は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを硬貨処理部221から供給される信号に基づいて判定し、投入されたと判定するまで待機する。
硬貨が投入されたとステップS1において判定した場合、ステップS2において、撮影処理部301は、撮影部208を制御し、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ93にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影する撮影処理を行う。なお、撮影処理については、図18乃至図20のフローチャートを参照して後述する。
ステップS3において、撮影処理部301は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、撮影部208のタッチパネルモニタ93に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ223から出力させることによって行われる。
ステップS4において、編集処理部302は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御し、編集処理を行う。具体的には、編集処理部302は、編集対象画像として選択された撮影画像に合成する合成用画像を利用者に選択させ、選択された合成用画像を撮影画像に合成させ、得られた合成画像に対して、利用者による編集操作に従って編集を行う。
ステップS5において、編集処理部302は、編集空間A2−1または編集空間A2−2で編集処理を終えた利用者に対して事後接客空間A3への移動を案内する。事後接客空間A3への移動の案内は、タブレット内蔵モニタ131に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。
ステップS6において、印刷処理部303は、利用者により選択された画像をプリンタ241に出力してシール紙に印刷させる印刷処理を行う。
ステップS7において、事後接客処理部304は、事後接客部210を制御し、印刷終了待機中の利用者に対する事後接客処理を行う。具体的には、事後接客処理部304は、撮影画像や編集済みの画像を携帯端末に送信する携帯送信ゲーム処理を事後接客処理として行い、携帯端末の電子メールアドレスを直接入力することで画像を携帯端末に送信するか、非接触型ICと通信することで画像を携帯端末に送信するかを利用者に選択させる送信方法の選択画面や、送信する画像の選択画面をタブレット内蔵モニタ161に表示させ、利用者による操作に応じて画像を送信する。
印刷が終了すると、ステップS8において、事後接客処理部304は、印刷が終了した旨をタブレット内蔵モニタ161に表示させ、プリンタ241は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口164に排出し、処理を終了させる。
[撮影処理の例]
次に、図18乃至図20のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS2の撮影処理の流れの例を説明する。
ステップS31において、撮影パラメータ設定部312は、写り選択画面をタッチパネルモニタ93に表示させ、利用者による写り選択を受け付ける。写り選択は、色合いやシャープネス等の、画像の画質の選択である。撮影パラメータ設定部312は、利用者により選択された写りに応じて、カメラ91により撮影された画像の画質を調整する。
ステップS32において、進行制御部311は、撮影方法のガイダンス画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。具体的には、利用者の顔または上半身を前方略正面から撮影する下カメラアップ撮影を行う旨のガイダンス画面を表示する。すなわち、このとき、カメラ91は、下カメラの状態とされる。ガイダンス画面を表示した後、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御し、画像の取り込みを開始させる。
ステップS33において、ライブビュー表示制御部313は、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ93に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
図21は、下カメラアップ撮影時にタッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー画像について説明する図である。
図21Aは、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像401を示している。このライブビュー原画像401は、図21Bに示されるように、縦横比が1.2:1のトリミング枠401TRによってトリミングされる。すなわち、ライブビュー原画像401においてトリミング枠401TRで囲まれる範囲が抽出され反転されることで、図21Cに示されるように、ライブビュー画像がタッチパネルモニタ93に表示される。
図21Cは、タッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー表示画面の例を示しており、カメラ91のライブビュー画像を表示するライブビュー表示領域411、および、撮影の結果得られる撮影画像が表示される撮影結果表示領域412−1乃至412−6から構成されている。このようにして、タッチパネルモニタ93のライブビュー表示領域411には、縦横比が1.2:1のライブビュー画像が表示される。なお、ライブビュー画像においては、クロマキー処理により背景領域に所定の背景画像が合成されるようになる。
図18のフローチャートに戻り、ステップS34において、撮影画像取得部314は、タッチパネルモニタ93にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS35において、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御して下カメラアップ撮影を行い、静止画像である撮影画像(下カメラアップ画像)を取得する。
すなわち、図21Cのライブビュー表示画面において、図示せぬカウントダウンインジケータで示される数字が0になったときに、ライブビュー表示領域411に表示されているライブビュー画像が、縦横比が1.2:1の下カメラアップ画像として得られる。得られた下カメラアップ画像は、撮影した順に、撮影結果表示領域412−1乃至412−6のうちの所定の領域(具体的には、撮影結果表示領域412−1乃至412−3)に表示されるようになる。
ステップS36において、進行制御部311は、撮影画像をタッチパネルモニタ93に表示し、撮影結果を利用者に確認させる。
ステップS36の後、ステップS37において、進行制御部311は、撮影を所定回数繰り返し行ったか否かを判定する。ステップS37において撮影を所定回数行っていないと判定された場合、処理はステップS33に戻り、上述の処理を繰り返し行う。具体的には、3回の下カメラアップ撮影が行われるまで、上述の処理が繰り返される。
一方、ステップS37において、下カメラアップ撮影を3回繰り返し行ったと判定された場合、処理はステップS38に進み、カメラ駆動制御部315は、カメラ91を上方向に移動させるように、カメラ91の駆動を制御する。これにより、カメラ91は、上カメラの状態とされる。
ステップS39において、進行制御部311は、撮影方法のガイダンス画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。具体的には、利用者の顔または上半身を前方斜め上から撮影する上カメラアップ撮影を行う旨のガイダンス画面を表示する。ガイダンス画面を表示した後、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御し、画像の取り込みを開始させる。
なお、上述したように、カメラ91は、上カメラの状態では、ズームアウトするように焦点距離が調整されるが、ここでは、デジタルズーム機能により、取り込み画像の倍率を電気的に変更することで、上カメラアップ撮影を行う。また、カメラ91の焦点距離は、図6を参照して説明した機構により調整される以外に、撮影方法に応じてカメラ駆動制御部315により調整されるようにしてもよい。
さらに、上カメラの状態でのカメラ91のレンズの光軸と水平面とのなす角度(前傾角度)もまた、図7を参照して説明した機構以外の機構を利用して、カメラ駆動制御部315により調整されるようにしてもよい。
ステップS40において、ライブビュー表示制御部313は、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ93に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
ステップS41において、撮影画像取得部314は、タッチパネルモニタ93にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS42において、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御して上カメラアップ撮影を行い、静止画像である撮影画像(上カメラアップ画像)を取得する。
ステップS43において、進行制御部311は、撮影画像をタッチパネルモニタ93に表示し、撮影結果を利用者に確認させる。
ステップS43の後、図19のステップS44において、進行制御部311は、撮影方法のガイダンス画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。具体的には、利用者の全身を前方斜め上から撮影する上カメラ全身撮影を行う旨のガイダンス画面を表示する。ガイダンス画面を表示した後、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御し、画像の取り込みを開始させる。
ステップS45において、傾き設定部316は、カメラ91により取り込まれた取り込み画像における被写体の傾きを設定するよう、カメラ91(カメラ本体91M)を、そのレンズの光軸を中心に所定角度だけ回転させる。
ここで、所定角度は、取り込み画像において、その対角に近い位置に直立した被写体の頭とつま先が収まるようになる角度であり、例えば7°とされる。
ステップS46において、ライブビュー表示制御部313は、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ93に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
図22は、上カメラ全身撮影時にタッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー画像について説明する図である。
図22Aは、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像431を示している。ライブビュー原画像431において、2人の被写体は、カメラ91の回転角度の分だけ傾いている。このライブビュー原画像431は、図22Bに示されるように、縦横比が1.2:1のトリミング枠431TRによってトリミングされる。すなわち、ライブビュー原画像431においてトリミング枠431TRで囲まれる範囲が抽出され反転されることで、図22Cに示されるように、ライブビュー画像がタッチパネルモニタ93に表示される。図22Cは、タッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー表示画面の例を示しており、タッチパネルモニタ93のライブビュー表示領域411には、縦横比が1.2:1のライブビュー画像が表示される。なお、ライブビュー画像においては、クロマキー処理により背景領域に所定の背景画像が合成されるようになる。
図19のフローチャートに戻り、ステップS47において、撮影画像取得部314は、タッチパネルモニタ93にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS48において、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御して上カメラ全身撮影を行い、静止画像である撮影画像(上カメラ全身画像)を取得する。
すなわち、図22Cのライブビュー表示画面において、図示せぬカウントダウンインジケータで示される数字が0になったときに、ライブビュー表示領域411に表示されているライブビュー画像が、縦横比が1.2:1の上カメラ全身画像として得られる。撮影結果表示領域412−1乃至412−3には、下カメラアップ画像が表示され、また、撮影結果表示領域412−4には、上カメラアップ画像が表示されるので、得られた上カメラ全身画像は、撮影結果表示領域412−5,412−6に表示されるようになる。
ステップS49において、進行制御部311は、撮影画像をタッチパネルモニタ93に表示し、撮影結果を利用者に確認させる。
ステップS49の後、ステップS50において、進行制御部311は、撮影を所定回数繰り返し行ったか否かを判定する。ステップS50において撮影を所定回数行っていないと判定された場合、処理はステップS50の処理を繰り返し行う。具体的には、2回の上カメラ全身撮影が行われるまで、上述の処理が繰り返される。
一方、ステップS50において、上カメラ全身撮影を2回繰り返し行ったと判定された場合、ステップS51において、進行制御部311は、撮影可能時間内か否かを判定し、経過時間または残り時間に基づいて、また撮影可能か否かを判定する。ステップS51において、撮影可能であると判定された場合、追加的な撮影、いわゆる「ボーナス撮影」の処理が行われる。
ステップS52において、進行制御部311は、ボーナス撮影のガイダンス画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。ガイダンス画面を表示した後、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御し、画像の取り込みを開始させる。
ステップS53において、ライブビュー表示制御部313は、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ93に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
ステップS54において、撮影画像取得部314は、タッチパネルモニタ93にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS55において、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御してボーナス撮影を行い、静止画像である撮影画像(ボーナス撮影画像)を取得する。
なお、ボーナス撮影処理においては、カメラ91は上カメラの状態とされるので、上カメラアップ撮影または上カメラ全身撮影のいずれかが行われるものとする。また、ボーナス撮影を行わずに、2回の上カメラ全身撮影により得られる2枚の上カメラ全身画像のうちの1枚をボーナス撮影画像として扱うようにしてもよい。すなわち、3回の下カメラアップ撮影、1回の上カメラアップ撮影、1回の上カメラ全身撮影に加えて、確率の高いボーナス撮影として上カメラ全身撮影が行われるようにしてもよい。さらに、編集処理においては、得られた撮影画像(ボーナス撮影画像を含む)から編集対象画像が選択されるようになるが、この場合、得られた撮影画像の全て(例えば6枚)が編集対象画像とされるようにしてもよい。
ステップS56において、進行制御部311は、撮影画像をタッチパネルモニタ93に表示し、撮影結果を利用者に確認させる。その後、処理は図20のステップS57に進む。
一方、ステップS51において、撮影可能でないと判定された場合、ステップS52乃至S56はスキップし、処理は図20のステップS57に進む。
図20のステップS57において、撮影パラメータ設定部312は、撮影画像に写る利用者の目のサイズの選択に用いられる目サイズ選択画面を、タッチパネルモニタ93に表示させる。
図23は、利用者自身が写されている撮影画像を使用して、被写体の目のサイズを選択するのに用いられる目サイズ選択画面の例を示す図である。
目サイズ選択画面には、撮影の結果得られた撮影画像441が表示される。例えば、撮影を6回行ったときには、6枚の撮影画像が得られており、目サイズ選択画面では、6枚の撮影画像441−1乃至441−6が、画面の中央から左側に表示される。なお、目サイズ選択画面に表示される撮影画像441−1乃至441−6は、撮影されたままの画像である。
目サイズ選択画面の右側には、3つの目サイズ選択ボタン442−1乃至442−3が上から順に表示される。目サイズ選択ボタン442−1には、目のサイズが自然な大きさのモデルの目の画像とが表示され、目サイズ選択ボタン442−2には、目のサイズが若干大きな(例えば、自然な大きさよりも1割程度大きな)モデルの目の画像とが表示されている。また、目サイズ選択ボタン442−2には、この大きさの目サイズを選択することが推奨されることを示唆する「おすすめ」の文字がハート形の図形とともに表示されている。
目サイズ選択ボタン442−3には、目のサイズが比較的大きな(例えば、自然な大きさよりも2割程度大きな)モデルの目の画像とが表示されている。また、目サイズ選択画面の右下側には、目のサイズの選択を決定するときに操作される決定ボタン443が表示されている。
すなわち、ステップS58において、利用者が、目サイズ選択画面の目サイズ選択ボタン442−1乃至442−3のいずれかに対する操作(タッチ)を行って目のサイズの選択を受け付けると、撮影パラメータ設定部312は、タッチパネルモニタ93から供給された情報に基づいて、目のサイズを選択する。
ステップS59において、撮影パラメータ設定部312は、利用者により選択されたサイズの目が写っている画像になるように、全ての撮影画像441−1乃至441−6に写る利用者の目のサイズを一括して変更する。
ステップS60において、撮影パラメータ設定部312は、目のサイズを変更した撮影画像441−1乃至441−6をタッチパネルモニタ93に表示し、目のサイズの変更結果を利用者に確認させる。
ステップS61において、撮影パラメータ設定部312は、決定ボタン443が押されたか否かをタッチパネルモニタ93から供給された情報に基づいて判定し、押されていないと判定した場合、ステップS58に戻り、上述の処理を繰り返す。
一方、ステップS61において、決定ボタン443が押されたと判定された場合、ステップS62において、撮影パラメータ設定部312は、目のサイズを決定し、決定した目のサイズを表す情報を記憶部202などに記憶させて保存する。
ステップS63において、撮影パラメータ設定部312は、撮影画像に写る被写体の明るさの選択に用いられる明るさ選択画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。
図24は、利用者自身が写されている撮影画像を使用して、被写体の明るさを選択するのに用いられる明るさ選択画面の例を示す図である。
明るさ選択画面には、撮影の結果得られた撮影画像471が表示される。例えば、撮影を6回行ったときには、6枚の撮影画像が得られており、明るさ選択画面では、6枚の撮影画像471−1乃至471−6が、画面の中央から左側に表示される。
明るさ選択画面の右側には、5つの明るさ選択ボタン472−1乃至472−5が上から順に表示される。明るさ選択ボタン472−1乃至472−5には、「1」から「5」までの数値がそれぞれ表示されているとともに、明るさの異なるモデルがそれぞれ表示されている。明るさ選択ボタン472−1乃至472−5の「1」から「5」までの数値は、明るさの程度を示しており、数値が大きくなるほど被写体が暗い色合いとなる。
また、明るさ選択画面の右下側には、被写体の明るさを決定するときに操作される決定ボタン473が表示されている。
すなわち、ステップS64において、利用者が、明るさ選択画面の明るさ選択ボタン472−1乃至472−5のいずれかに対する操作(タッチ)を行って被写体の明るさを選択を受け付けると、撮影パラメータ設定部312は、タッチパネルモニタ93から供給された情報に基づいて、明るさを選択する。
ステップS65において、撮影パラメータ設定部312は、利用者により選択された明るさの被写体になるように、全ての撮影画像471−1乃至471−6の被写体の明るさを一括して変更する。
ステップS66において、撮影パラメータ設定部312は、被写体の明るさを変更した撮影画像471−1乃至471−6をタッチパネルモニタ93に表示し、明るさの変更結果を利用者に確認させる。
ステップS67において、撮影パラメータ設定部312は、決定ボタン473が押されたか否かをタッチパネルモニタ93から供給された情報に基づいて判定し、押されていないと判定した場合、ステップS64に戻り、上述の処理を繰り返す。
一方、ステップS67において、決定ボタンが押されたと判定された場合、ステップS68において、撮影パラメータ設定部312は、被写体の明るさを決定し、決定した明るさを表す情報を記憶部202などに記憶させて保存する。
ステップS68の処理が終了すると、撮影処理は終了され、処理は図17のステップS2に戻る。なお、目サイズ選択処理および明るさ選択処理は、撮影処理ではなく、編集空間において行われる編集処理において実行されるようにしてもよい。
以上の処理によれば、カメラ91の上下位置に応じて、取り込み画像における被写体の傾きが設定される。具体的には、下カメラの場合、取り込み画像における被写体の傾きの角度は0度とされ、上カメラの場合、取り込み画像における被写体の傾きの角度は所定角度とされる。これにより、被写体が直立して写る全身画像において、被写体以外の領域の割合が大きくなることなく、被写体部分が強調されるようになり、また、利用者は、その全身画像を確認しながら撮影作業を行うことができるので、利用者にとってより満足度の高い画像を提供することが可能となる。
また、撮影空間A1においては、床104には傾斜が設けられているので、カメラ91の撮像面に対する足の甲の長さがより長くなり、ヒールのある靴を履いたときと同様に、より足が長く見える全身画像を、違和感なく、またユーザに負担をかけることなく得ることができる。さらに、その全身画像において、被写体は所定角度だけ傾くようになるので、ユニークな構図を実現することができ、結果として、最終的に得られるシール紙の印刷物としての希少価値を高めることができる。
[撮影処理の他の例]
次に、図25および図26のフローチャートを参照して、撮影処理の他の例について説明する。なお、図25および図26の撮影処理においては、カメラ91(カメラ本体91M)は、予めそのレンズの光軸を中心に所定角度(例えば7°)だけ回転させられて固定されているものとする。
また、図25および図26のフローチャートのステップS131,S132,S137乃至S156は、それぞれ図18および図19のフローチャートのステップS31,S32,S36乃至S44,S46乃至S56の処理と基本的に同様であるので、その説明は省略する。また、図26のフローチャートのステップS156より先の処理は、図20のフローチャートのステップS57以降の処理と同様であるので、図示を省略する。
すなわち、ステップS133において、傾き設定部316は、カメラ91により取り込まれた取り込み画像における被写体の傾きがなくなるように、取り込み画像を回転してトリミングする。
ステップS134において、ライブビュー表示制御部313は、傾き設定部316により回転されトリミングされた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ93に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
図27は、下カメラアップ撮影時にタッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー画像について説明する図である。
図27Aは、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像501を示している。ライブビュー原画像501において、2人の被写体は、カメラ91の回転角度の分だけ傾いている。このライブビュー原画像501は、図27Bに示されるように、2人の被写体の傾きがなくなるように、カメラ91の回転角度と同じ角度の分だけ回転される。さらに、回転されたライブビュー原画像501は、トリミング枠501TRによってトリミングされる。これにより、図27Cに示される、被写体の傾きが0度のトリミング画像511が得られる。
ここで、ライブビュー原画像501を回転させる前にトリミング枠501TRによってトリミングするようにした場合、被写体の傾きが0度のトリミング画像511の1ラインを得るには、ライブビュー原画像501の画素を斜めに処理する必要があり、演算の負荷が大きくなってしまう。
そこで、上述したように、ライブビュー原画像501を回転してからトリミングすることで、トリミング画像511の1ラインを得るときには、ライブビュー原画像501の画素が、トリミング画像511と同じライン方向に処理されるようになり、演算の負荷を軽減することができる。
このようにして得られたトリミング画像511は、図27Cに示されるように、縦横比が1.2:1のトリミング枠511TRによってトリミングされる。すなわち、トリミング画像511においてトリミング枠511TRで囲まれる範囲が抽出され反転されることで、図27Dに示されるように、ライブビュー画像がタッチパネルモニタ93に表示される。図27Dは、タッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー表示画面の例を示しており、タッチパネルモニタ93のライブビュー表示領域411には、縦横比が1.2:1のライブビュー画像が表示される。
ステップS135において、撮影画像取得部314は、タッチパネルモニタ93にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS136において、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御して下カメラアップ撮影を行い、静止画像である撮影画像(下カメラアップ画像)を取得する。
すなわち、図27Dのライブビュー表示画面において、図示せぬカウントダウンインジケータで示される数字が0になったときに、ライブビュー表示領域411に表示されているライブビュー画像が、縦横比が1.2:1の下カメラアップ画像として得られる。
このようにして、カメラ91が下カメラの状態で、下カメラアップ撮影が行われ、被写体の傾きの角度を0度とした下カメラアップ画像が得られる。
また、ステップS146乃至S148においては、カメラ91がレンズの光軸を中心に所定角度だけ回転された状態で上カメラ全身撮影が行われるので、被写体の傾きの角度を所定角度とした上カメラ全身画像が得られる。
以上のように、図25および図26の撮影処理においても、図18乃至図20の撮影処理と同様の作用効果を奏することができる。
[撮影処理のさらに他の例]
次に、図28および図29のフローチャートを参照して、撮影処理のさらに他の例について説明する。なお、図28および図29の撮影処理においては、カメラ91のレンズの光軸を中心にした回転角度は0°で固定されているものとする。
また、図28および図29のフローチャートのステップS231乃至S244,S249乃至256は、それぞれ図18および図19のフローチャートのステップS31乃至S44,S49乃至S56の処理と基本的に同様であるので、その説明は省略する。また、図29のフローチャートのステップS256より先の処理は、図20のフローチャートのステップS57以降の処理と同様であるので、図示を省略する。
すなわち、ステップS245において、傾き設定部316は、カメラ91により取り込まれた取り込み画像における被写体が傾くように、取り込み画像を回転してトリミングする。
ステップS246において、ライブビュー表示制御部313は、傾き設定部316により回転されトリミングされた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ93に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
図30は、上カメラ全身撮影時にタッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー画像について説明する図である。
図30Aは、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像601を示している。ライブビュー原画像601において、2人の被写体は傾いていない。このライブビュー原画像601は、図30Bに示されるように、2人の被写体が所定角度の分だけ傾くように回転される。さらに、回転されたライブビュー原画像601は、トリミング枠601TRによってトリミングされる。これにより、図30Cに示される、被写体の傾きが所定角度のトリミング画像611が得られる。
ここでも、ライブビュー原画像601を回転してからトリミングすることで、トリミング画像611の1ラインを得るときに、ライブビュー原画像601の画素が、トリミング画像611と同じライン方向に処理されるので、ライブビュー原画像601を回転させる前にトリミング枠601TRによってトリミングする場合と比較して、演算の負荷を軽減することができる。
このようにして得られたトリミング画像611は、図30Cに示されるように、縦横比が1.2:1のトリミング枠611TRによってトリミングされる。すなわち、トリミング画像611においてトリミング枠611TRで囲まれる範囲が抽出され反転されることで、図30Dに示されるように、ライブビュー画像がタッチパネルモニタ93に表示される。図30Dは、タッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー表示画面の例を示しており、タッチパネルモニタ93のライブビュー表示領域411には、縦横比が1.2:1のライブビュー画像が表示される。
ステップS247において、撮影画像取得部314は、タッチパネルモニタ93にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS248において、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御して上カメラ全身撮影を行い、静止画像である撮影画像(上カメラ全身画像)を取得する。
すなわち、図30Dのライブビュー表示画面において、図示せぬカウントダウンインジケータで示される数字が0になったときに、ライブビュー表示領域411に表示されているライブビュー画像が、縦横比が1.2:1の上カメラ全身画像として得られる。
このようにして、カメラ91が上カメラの状態で、上カメラ全身撮影が行われ、被写体の傾きの角度を所定角度とした上カメラ全身画像が得られる。
また、ステップS233乃至S235においては、カメラ91が回転していない状態で下カメラアップ撮影が行われるので、被写体の傾きの角度を0°とした下カメラアップ画像が得られる。
以上のように、図28および図29の撮影処理においても、図18乃至図20の撮影処理と同様の作用効果を奏することができる。
以上においては、3パターンの撮影処理について説明してきた。
[3パターンの撮影処理のそれぞれの利点]
ここで、図18乃至図20のフローチャートを参照して説明した撮影処理を第1の撮影処理、図25および図26のフローチャートを参照して説明した撮影処理を第2の撮影処理、図28および図29のフローチャートを参照して説明した撮影処理を第3の撮影処理とすると、第1の撮影処理では、第2および第3の撮影処理と比較して、画素数の多い撮影画像、すなわち、画質のよい撮影画像が得られるようになる。
具体的には、第2の撮影処理では、図27を参照して説明したように、トリミング画像511をトリミング枠511TRによってトリミングすることで、ライブビュー画像(ひいては下カメラアップ画像)が得られる。このトリミング画像511は、被写体の傾きをなくすために、ライブビュー原画像501がトリミングされて得られたものであり、ライブビュー画像501より小さい(画素数の少ない)画像となる。
一方、第1の撮影処理では、図21を参照して説明したように、ライブビュー原画像401をトリミング枠401TRによってトリミングすることで、ライブビュー画像(下カメラアップ画像)が得られる。
ライブビュー画像(下カメラアップ画像)として画素数の多い画像を得るには、トリミング枠によってトリミングされるトリミング領域を大きくとる必要があるが、図27Cに示されるトリミング画像511より、図21Bに示されるライブビュー原画像501の方が、トリミング領域を大きくとることができる。すなわち、第1の撮影処理においては、第2の撮影処理と比較して、画質のよい下カメラアップ画像が得られるようになる。
同様に、上カメラ全身撮影時のライブビュー画像(上カメラ全身画像)として画素数の多い画像を得るにも、トリミング領域を大きくとる必要があるが、図30Cに示されるトリミング画像611より、図22Bに示されるライブビュー原画像431の方が、トリミングする領域を大きくとることができる。すなわち、第1の撮影処理においては、第3の撮影処理と比較して、画質のよい上カメラ全身画像が得られるようになる。
また、第1の撮影処理では、取り込み画像における被写体の傾きの設定を、カメラ91の光軸を中心とした回転によって実現している。
一方、第2および第3の撮影処理では、取り込み画像における被写体の傾きの設定を、取り込み画像の回転およびトリミングといった画像処理によって実現している。
したがって、第2および第3の撮影処理においては、第1の撮影処理と比較して、カメラ91の回転を行わない分、カメラ91を備える撮影・表示ユニットの機械的な負荷が低減させることができる。
[画像の縦横比について]
なお、上述した第1乃至第3の撮影処理においては、下カメラアップ撮影時のライブビュー画像および撮影画像(下カメラアップ画像)、ならびに上カメラ全身撮影時のライブビュー画像および撮影画像(上カメラ全身画像)のいずれも、その縦横比を1.2:1とするようにしたが、下カメラアップ撮影時のライブビュー画像の縦横比を1.2:1とし、上カメラ全身撮影時のライブビュー画像の縦横比を4:3とするようにしてもよい。
このように、下カメラアップ撮影と上カメラ全身撮影とで、ライブビュー画像の見せ方を変えることで、利用者にどの種類の撮影を行うのかを認識させることができる。
上カメラ全身撮影時のライブビュー画像の縦横比が1.2:1である場合、直立して写る利用者が、見切れないように屈むなどして無理に画角に入ろうとし、よい構図の撮影画像が得られない恐れがある。
そこで、上カメラ全身撮影時のライブビュー画像の縦横比を4:3とすることで、上カメラ全身撮影時のライブビュー画像において、利用者が自然な姿勢でいても頭やつま先が見切れないようになり、縦横比が1.2:1の上カメラ全身画像においては、被写体の体の一部が若干見切れた、よい構図を実現することができる。
また、上述した内容に加え、ライブビュー画像と同様に、下カメラアップ画像の縦横比を1.2:1とし、上カメラ全身画像の縦横比を4:3とするようにしてもよい。これにより、撮影の種類(被写体の収まり方)に適した撮影画像が得られるようになる。
さらに、上述した写真シール作成装置1において、カメラ91は、上下方向に駆動するものとしたが、その他の所定方向に駆動するようにしてもよい。具体的には、カメラ91は、左右方向(水平方向)に駆動するようにしてもよいし、上下方向または左右方向を弦として、光軸方向に孤を描くように駆動するようにしてもよいし、レンズ面が同一平面上にあるように、自動車のワイパーのような搖動運動をするようにしてもよい。
[カメラの位置について]
上述した説明においては、カメラ91の上下位置は、下カメラアップ撮影時の位置(以下、下カメラ位置という)と、上カメラアップ撮影時または上カメラ全身撮影時の位置(以下、上カメラ位置という)のみとしたが、必要に応じて、これら以外の位置にカメラ91が位置するようにしてもよい。
例えば、撮影処理において、利用者に、撮影画像の背景として合成される背景用合成用画像を選択させてから撮影を行うような場合、選択された背景用合成用画像に応じて、利用者と背景とのバランスが最良となるような位置に、カメラ91を駆動させるようにしてもよい。
また、撮影空間内での利用者の立ち位置に応じて、取り込み画像における利用者の配置が最良となるような位置に、カメラ91を駆動させるようにしてもよい。この場合、利用者の立ち位置は、例えば、取り込み画像に対して人検出を行うことで推定されるようにしたり、床104に感圧センサを設ける等して検知されるようにできる。
さらに、上述した例において、カメラ91の位置とともに、カメラ91のズーム機能(焦点距離)が調整されるようにしてもよい。
また、上カメラ位置および下カメラ位置を含むカメラ91の上下位置や、その上下位置に応じたカメラ91の焦点距離に応じて、照明装置222(ストロボ)の発光を制御するようにしてもよい。
具体的には、例えば、カメラ91の上下位置が上カメラ位置で、ズームアウトするように焦点距離が調整されている場合、すなわち、上カメラ全身撮影が行われる場合には、利用者の全身(顔から足元まで)が照射されるように、発光させるストロボの数や位置が制御される。また、カメラ91の上下位置が下カメラ位置で、ズームインするように焦点距離が調整されている場合、すなわち、下カメラアップ撮影が行われる場合には、利用者の顔付近が照射されるように、発光させるストロボの数や位置が制御される。
なお、発光させるストロボの数や位置が制御される以外に、発光させるストロボの明るさが制御されるようにしてもよい。
ところで、以上においては、カメラ91の上下位置に応じて、カメラ91のレンズの光軸と水平面とのなす角度(前傾角度)が決まるようにしたが、カメラ91の上下位置によらず、前傾角度がついたような撮影画像が得られるようにもできる。
[前傾角度をつける画像処理の例]
以下においては、カメラ91により取り込まれた取り込み画像に対して、見かけ上前傾角度をつける画像処理を行う例について説明する。
図31は、図15の撮影処理部301の他の構成例を示す機能ブロック図である。
図31の例において、撮影処理部301は、進行制御部311、撮影パラメータ設定部312、ライブビュー表示制御部313、撮影画像取得部314、カメラ駆動制御部315、および台形画像変換部651から構成される。
なお、図31の撮影処理部301において、図16の撮影処理部に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。
台形画像変換部651は、撮影画像を、見かけ上(擬似的に)前傾角度をつけた画像である台形画像に変換する処理を行う。
次に、図32のフローチャートを参照して、見かけ上前傾角度をつける画像処理を含む撮影処理の例について説明する。なお、ここでの撮影処理においても、カメラ91のレンズの光軸を中心にした回転角度は0°で固定されているものとする。
また、図32のフローチャートのステップS344より前の処理は、図28のフローチャートのステップS231乃至S243の処理と同様であり、図32のフローチャートのステップS356より先の処理は、図20のフローチャートのステップS57以降の処理と同様であるので、それぞれ図示を省略する。
さらに、図32のフローチャートのステップS344,S349乃至S356は、図19のフローチャートのステップS44,S49乃至S56の処理と基本的に同様であるので、その説明も省略する。
すなわち、ステップS345において、台形画像変換部651は、カメラ91により取り込まれた取り込み画像を台形画像に変換してトリミングする。
ステップS346において、ライブビュー表示制御部313は、台形画像変換部651により台形画像に変換されトリミングされた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ93に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
図33は、取り込み画像の台形画像への変換について説明する図である。
図33Aは、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像701を示している。ライブビュー原画像701は、図33Bに示されるように、見かけ上、カメラ91の上下位置が、上カメラ位置よりさらに上の位置で撮影されたような(ライブビュー原画像701の下側を歪ませた)台形画像に変換される。
ここで、台形画像への変換は、カメラ91の焦点距離(レンズと撮像素子との距離)と、被写体(利用者)と撮像素子の撮像面とのなす角度の変化(すなわち、ライブビュー原画像701に対してつける見かけ上の前傾角度)とを用いて、ライブビュー原画像701を射影変換することにより行われる。射影変換は、2次元平面における矩形を任意の四辺形に変形するときに用いられる幾何学的手法である。
このようにして得られた台形画像711は、トリミング枠711TRによってトリミングされる。これにより、図33Cに示される、見かけ上前傾角度(例えば+15°)がつけられたトリミング画像721が得られる。この場合、トリミング画像721(台形画像711)は、カメラ91の実際の前傾角度33°に、見かけ上の前傾角度15°を加えた48°の前傾角度で撮影されたような画像となる。
なお、図示はしないが、得られたトリミング画像721が、縦横比が1.2:1のトリミング枠によってトリミングされて反転されることで、ライブビュー画像がタッチパネルモニタ93に表示されるようになる。
ステップS347において、撮影画像取得部314は、タッチパネルモニタ93にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS348において、撮影画像取得部314は、カメラ91を制御して上カメラ全身撮影を行い、静止画像である撮影画像(上カメラ全身画像)を取得する。
このようにして、見かけ上、上カメラ全身撮影が行われる上カメラ位置よりもさらに上の位置で撮影されたような上カメラ全身画像が得られる。
なお、以上においては、ライブビュー原画像が、見かけ上、上カメラ位置よりさらに上の位置で撮影されたような台形画像に変換される例について説明したが、見かけ上、上カメラ位置より下の位置で撮影したような台形画像に変換されるようにもできる。
この場合、図34Aに示される、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像701は、図34Bに示されるように、見かけ上、カメラ91の上下位置が、上カメラ位置より下の位置で撮影されたような(ライブビュー原画像701の上側を歪ませた)台形画像に変換される。
このようにして得られた台形画像761は、トリミング枠761TRによってトリミングされる。これにより、図34Cに示される、見かけ上前傾角度(例えば−15°)がつけられたトリミング画像771が得られる。なお、この場合、トリミング画像771(台形画像761)は、カメラ91の実際の前傾角度33°から、見かけ上の前傾角度15°を減じた18°の前傾角度で撮影されたような画像となる。
以上のように、カメラ91により取り込まれた取り込み画像に対して、見かけ上前傾角度をつける画像処理を行うことができる。これにより、例えば、写真シール作成装置1の構造上、または、駆動機構の故障により、カメラの上下方向の駆動範囲に制限があるような場合にも、カメラの上下位置が、あたかもその駆動範囲を超えて撮影されたような撮影画像を得ることができる。
なお、以上においては、上カメラ全身撮影時の取り込み画像に対して、見かけ上前傾角度をつける画像処理を行うようにしたが、上カメラアップ撮影時や下カメラアップ撮影時の取り込み画像に対して、同様の処理を行うようにしてよい。
また、以上においては、見かけ上、上下方向に角度をつける画像処理を行うようにしたが、射影変換を用いることにより、見かけ上、左右方向に角度をつける画像処理を行うようにもできる。これにより、あたかも利用者から見て前方斜め右(または前方斜め左)から撮影されたような撮影画像を得ることができる。
このように、様々な角度から撮影されたような撮影画像を得ることができるので、利用者にとってより満足度の高い画像を提供することが可能となる。
なお、図31における台形画像変換部651を、図16の撮影処理部301に備えるようにして、被写体の傾きが設定された画像に対して、見かけ上の角度をつけるようにしてもよい。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図14に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。