以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す図である。
図1に示される写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供する代わりに、利用者より代金を受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。
この写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲームにおいて、利用者は、ゲームの代金を投入し、写真シール作成装置1に設けられたカメラを用いて自分自身等を撮影し、その撮影画像に対して、前景や背景を合成したり、ペン入力やスタンプ入力等の編集機能(落書き編集機能)を用いたりして編集を行い、撮影画像を彩り豊かなものにデザインする。そしてゲーム終了後、利用者は、編集した画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。
このような写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。つまり、写真シール作成装置1は、例えば、メーカや販売会社などから、それらの店舗の経営者に販売される。写真シール作成装置1を購入した経営者は、店舗(例えばゲームセンタ)にその写真シール作成装置1を設置して管理・運営し、女子高校生や女子中学生に代表される一般の利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。
従って、店舗の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる方法がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる。ただし、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。つまり、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
例えば、写真シール作成装置1は、ゲームをプレイしたことのない利用者が「プレイしてみたい」と思うような期待度の高い機能を設けることにより利用者数を増加させることができる。また、一度プレイした利用者が「楽しかった、もう一度プレイしたい」と思うような満足度の高い機能を設けることにより、写真シール作成装置1は、所謂リピータを増加させ、利用者数をさらに増加させることができる。すなわち、写真シール作成装置1の収益が向上する。
利用者にとって、写真シール作成装置1には、大きく分けて、写真シール作成ゲームをプレイすること(写真シールの作成作業)と、成果物として写真シール用画像や写真シールを得ること(完成した写真シールそのもの)の2つの娯楽性がある。
前者の、写真シール作成ゲームの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、撮影機能や、落書き等の編集機能の多機能化、操作性の向上、またはプレイ時間や待ち時間の調整等がある。後者の、写真シールの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、シール紙の品質向上、高画質印刷、および特殊色印刷等のようなハードウェアの向上や、写真シールの画像に対する利用者の満足度を向上させることなどがある。
主な利用者層である女子高校生や女子中学生は、得られた写真シールを所有物に貼り付けるだけでなく、その写真シールを交換したり、その写真シールを話題にして会話を行ったりする。従って、例えば、写真シールの画像内容が、派手だったり、面白かったり、希少性が高かったり、目新しさがあったりする場合、その画像を利用者自身が気に入ることもあるが、それだけでなく、その写真シールを話題として会話が盛り上がることも考えられる。
また、このような写真シールの利用により、写真シール自体が写真シール作成装置1の広告としての役割も果たすこともある。従って、写真シールの娯楽性を向上させることは、単にその利用者の満足度を向上させるだけでなく、他者の期待度を向上させ、評判の広がりによる集客、すなわち、所謂口コミによる新規利用者を増やすことも期待することができる。
つまり、写真シール作成ゲームにおいて、利用者らが気に入るような画像を容易に作成することができる機能を提供することにより、利用者の写真シール作成ゲームに対する満足度だけでなく、写真シールに対する満足度も向上させることができ、さらに、写真シールの話題性や広告効果等も同時に向上させることができる。
そこで、写真シール作成装置1は、利用者が撮影作業をより容易に行うことができるように、カメラにより取り込まれた取り込み画像を、撮影作業が行われる空間内のモニタに表示し、撮影作業中の利用者に提示する。このとき、撮影結果をより正確に把握することができるように、モニタには、取り込み画像に、利用者が指定した背景や前景等の画像を合成した合成画像を表示する。
利用者はモニタに表示される自分の画像を見ながら撮影結果を想像して、立ち位置や姿勢を決定する。ところで、合成画像においては、合成する背景や前景の画サイズ等によって、取り込み画像の一部を切り出す(トリミングする)必要がある場合がある。写真シール作成装置1は、このような場合、そのトリミング後の合成画像を、画面の、そのトリミングの位置に応じた位置に表示させる。このようにすることにより、トリミングによる画角の変化を利用者に直感的に把握させることができるようになる。つまり、利用者は、より容易に表示画像から自分自身の立ち位置や姿勢を確認することができる。
写真シール作成装置1は、このような特徴を有するが、その筐体10は、図1に示されるように、撮影ユニット12、編集ユニット13、および天井ストロボユニット14の4つのユニットに大きく分けられる。
撮影ユニット12は、被写体(利用者等)を撮影する機能を有しており、後述する内部の空間(撮影空間)において、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を映像や音声で案内(説明)するコンテンツ(デモンストレーション)を出力したり、写真シール作成ゲームの受け付けを行ったり、被写体の撮影を行ったりする。この撮影ユニット12は、大きく、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの2つに分けられる。
前方ユニット12Aは、撮影空間の前方とされる側のユニットであり、撮影空間の利用者の撮影に関する処理を行ったり、利用者の写真シール作成ゲームに関する操作を受け付けたりする。後方ユニット12Bは、撮影空間の後方とされる側のユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bの内部は、空洞(空間)となっており、利用者が撮影を行う際に利用される空間(後述する撮影空間)の一部として構成される。この後方ユニット12Bの内部には、例えば、背景に利用する可動式のカーテン(背景カーテン)や利用者がポーズをとるために利用するステージ等が設けられるようにしてもよい。
編集ユニット13は、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、モニタ、タッチパネル、およびタッチペン等)が設けられている。後述するように1つの筺体からなる編集ユニット13は、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるように、2つの面のそれぞれに、落書き編集等を行うための構成が設けられている。後述するように、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを並列的に実行することができる。換言すれば、複数組の利用者が、同時に写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームをプレイすることができる。編集ユニット13は、写真シール作成ゲームのプレイの回転率を向上させるために、それらの複数組の利用者が同時に落書き編集を行うことができるように、2つの落書き編集等を行うための構成が設けられている。
撮影空間の上方に設けられる天井ストロボユニット14は、撮影タイミングに合わせて撮影空間内に向けてストロボ発光するフラッシュを内蔵する。この天井ストロボユニット14は、さらに内部に蛍光灯が配置されており、撮影空間(撮影空間内の利用者)を常時照らす照明としても機能する。撮影空間は、後述するように簡易的に閉鎖的な空間として構成される。従って、外部より光が進入しづらく、暗くなりがちで利用者の操作性が低下する恐れがある。天井ストロボユニット14が、その照明により撮影空間を明るく照らすことにより、そのような恐れを回避し、操作性を向上させることができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aや後方ユニット12Bにも設けられている。
図2は、図1の写真シール作成装置1を、編集ユニット13側より見た斜視図である。
編集ユニット13は、図2に示されるように、前方ユニット12Aの、後方ユニット12B側の面(つまり、撮影空間側の面)と反対の面に隣接して設置される。編集ユニット13の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース13Aと第2編集インタフェース13Bがそれぞれ設けられている。つまり、編集ユニット13には、写真シール作成ゲームを行う複数組の利用者が、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェースが設けられている。
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームがプレイされることにより作成された写真シールが排出されて利用者に提供される写真シール排出部13Cが設けられている。
図3は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図3に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、カーテン21が設けられ、撮影作業が行われる撮影空間や編集作業が行われる編集空間等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、カーテン21は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
このカーテン21の外側の面は、通常、広告を掲載する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画が印刷される。
以上のような写真シール作成装置1は、利用者の各組に対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の組に写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各組の利用者は、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させる。
写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う空間の移動について、図4を参照して説明する。
図4は、ゲーム中に利用者が、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。図4に示されるように、利用者は、外部(利用者Aまたは利用者A')から、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの間を通って撮影空間32に入場し、代金を投入することで写真シール作成ゲームを開始する(利用者B)。もし、前の組の利用者が撮影空間32を使用中であれば(撮影作業中であれば)、利用者は、ユニット外部において待機する(利用者Aまたは利用者A’)。
代金を投入し、写真シール作成ゲームが開始されると、利用者(利用者B)は、前方ユニット12Aの正面に設けられたカメラやモニタを利用して自分自身等を撮影させる撮影作業を行う。
撮影作業が終了すると利用者は、得られた撮影画像の中から編集・印刷を行うためにキープするキープ画像(編集用画像)を選択し、表示された移動案内に従って、撮影作業を行った撮影空間32から、図中点線で示される、編集作業を行う編集空間へと移動する。
編集ユニット13の、前方ユニット12Aから見て左側(第1編集インタフェース13Aの前方)に第1編集空間33Aが設けられ、右側(第2編集インタフェース13Bの前方)に第2編集空間33Bが設けられている。つまり、この写真シール作成装置1においては、第1編集空間33Aの利用者(利用者C)および第2編集空間33Bの利用者(利用者C’)の、合計2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。撮影空間32の利用者(利用者B)は、この2つの編集空間のうち、空いている方に案内される。第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、利用者は、落書き編集作業を行う。以下において、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとを区別する必要の無い場合、編集空間33と称する。
その後、落書き編集が終了すると、利用者(利用者Cまたは利用者C’)は、次に、印刷設定作業を行い、分割数等の設定を行う。そして印刷が開始されると、利用者は、その印刷中にミニゲームを行う。そして、印刷が終了すると、写真シール排出部13C前方の印刷物受取領域34に移動し(利用者D)、排出された写真シール紙を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、撮影空間32の利用者Bが、第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、撮影空間32が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に撮影空間32を使用させることができる。さらに、第1編集空間33Aの利用者C、または、第2編集空間33Bの利用者C’が、印刷物受取領域34に移動すると、その編集空間(第1編集空間33Aまたは第2編集空間33B)が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者にその編集空間を使用させることができる。
つまり、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間辺りおよび単位床面積辺りの回転率を向上させるために、撮影空間32、第1編集空間33A、第2編集空間33B、および印刷物受取領域34を用いて、同時に、複数組の利用者に、写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客を行うことができる)。
なお、このような筐体10の構成は任意であり、上述した以外の構成であってもよい。同様に、多重接客の仕方も任意である。
次に、各ユニットの構成について説明する。
図5は、前方ユニット12Aの構成例を示す図である。図5に示される正面12A−1は、撮影空間32内に面する側面であり、撮影作業を行う利用者にとって前方に位置する面である。つまり、利用者は、撮影空間32において、基本的にこの正面12A−1に向かって(前方ユニット12A側を向いて)撮影作業を行う。
この正面12A−1には、撮影空間32内の被写体を撮影するカメラ51と、カメラ51により光電変換されてリアルタイムに(即時)取り込まれている取り込み画像に背景や前景等の画像を合成した合成画像(動画像)を表示するライブビューモニタ52が設けられている。また、正面12A−1には、この他にも、撮影空間32内を照明したり、カメラ51による撮影タイミングに合わせてフラッシュ光を発光したりする照明装置53−1乃至照明装置53−8、各種GUI画像を表示するとともに、画面上に重畳されたタッチパネルにより利用者の指示を受け付けるタッチパネルモニタ54、写真シール作成ゲームの代金が投入される硬貨投入返却口55、撮影作業に関する案内や効果音等の音声が出力されるスピーカ56−1およびスピーカ56−2、並びに、撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置場57−1および荷物置場57−2が設けられている。
カメラ51は、CCD(Charge Coupled Device)を利用した撮像素子等により構成され、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者を撮像し、画像(動画)を取り込む(取り込み画像)。カメラ51により取り込まれた取り込み画像は、一部が切り出されたり、背景等の画像が合成されたりして、ライブビューモニタ52に即時的に表示される。また、所定のタイミングでカメラ51により取り込まれた取り込み画像は、そのタイミングのフレーム画像が抜き出され、撮影画像(静止画)として保存される。なお、カメラ51として、CCDの代わりに、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを用いたカメラを使用してもよい。もちろん、これら以外にも、利用者を撮影し、デジタル画像データを得られるものであればどのようなカメラを用いるようにしてもよい。また、カメラ51の個数も設置位置も任意である。
ライブビューモニタ52は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、撮影作業中の利用者が撮影結果を確認しながら立ち位置や姿勢を決定することができるようにするために、カメラ51により取り込まれた取り込み画像を即時的に(リアルタイムに)表示する。このとき、ライブビューモニタ52に表示される取り込み画像は、背景や前景等、例えば利用者に指定された合成用画像が合成されたり、その合成用画像の画サイズ等に合わせて一部分が切り出されたり(トリミングされたり)する。ライブビューモニタ52は、利用者が自分自身の位置を直感的に確認することができるように、そのようにトリミングされ、画サイズが変更された画像を、その切り出し位置に応じた位置に表示する。
照明装置53−1乃至照明装置53−8は、複数の、蛍光灯およびストロボ発光可能な照明装置により構成され、撮影空間32を明るくし、操作性や安全性を確保するために、撮影空間32を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングに対応するタイミングでストロボ発光し、撮影される利用者に光を多様な角度から照射する。以下において、照明装置53−1乃至照明装置53−8を互いに区別して説明する必要の無い場合、照明装置53と称する。
タッチパネルモニタ54は、CRTディスプレイやLCD等により構成され、さらにその表示画面上に無色透明のタッチパネル(例えば、感圧式や電磁誘導式等)が重畳されており、例えば利用者の指等でタップすることによりその位置情報(利用者の指示)を入力することができる。タッチパネルモニタ54は、表示画面に、撮影の設定、案内、確認等、撮影作業に関する情報を提示したり、操作入力を受け付けたりするためのGUI画像を表示し、タッチパネルによってそのGUI画像に対する利用者の操作入力を受け付ける。
硬貨投入返却口55は、利用者が写真シール作成ゲームの代金として硬貨を投入したり、投入に失敗した硬貨やお釣りの硬貨を返却したりするユーザインターフェースである。
スピーカ56−1およびスピーカ56−2は、写真シール作成ゲームの撮影作業における案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音声を適宜出力する。スピーカ56−1およびスピーカ56−2を互いに区別する必要のない場合、スピーカ56と称する。なお、スピーカ56の数および設置位置は任意である。
荷物置場57−1および荷物置場57−2は、撮影時における利用者の手荷物の置き場所として利用する棚である。荷物置場57−1および荷物置場57−2は、いずれも、撮影の邪魔にならないような位置、すなわち、利用者が撮影ポーズをとるのに邪魔にならず、かつ、照明装置53の光の照射の妨げとならない位置に設けられている。利用者は、手荷物を荷物置場57−1または荷物置場57−2に置くことにより、より快適に撮影作業を行うことができる。以下において、荷物置場57−1および荷物置場57−2を互いに区別して説明する必要のない場合、単に荷物置場57と称する。
もちろん、前方ユニット12Aの正面12A−1に上述した以外の構成が設けられるようにしてもよい。
図6は、後方ユニット12Bの構成例を示す斜視図である。図6に示されるように、後方ユニット12Bは、その内部の一部が撮影空間32として利用できるようになされており、利用者が撮影時に姿勢を維持したり、合成に利用したりするための撮影台61が設けられている。利用者は、例えば撮影台61に座ったりもたれたりする等、撮影台61を用いて撮影姿勢を作ったり、撮影台61の後ろに立つ等して、前景との合成に利用したりする。
後方ユニット12Bの内側(撮影空間32)の面や撮影台61の色は、任意であるが、合成処理がし易いように、例えばクロマキー等の単色で構成されるのが望ましい。なお、後方ユニット12Bには、背景カーテン等、上述した以外の、撮影に利用するアイテムを設けるようにしてもよい。
次に、編集ユニット13の構成について説明する。
図7は、編集ユニット13の、撮影ユニット12側から見て左側面の構成例(第1編集空間33A側の構成例)を示す図である。
図7において、この左側面には、第1編集インタフェース13Aが設けられている。その上側には、カーテン21等で仕切られているために暗くなる第1編集空間33Aを照らすための照明装置71が設けられている。この照明装置71により、写真シール作成装置1は、利用者の編集作業効率の低下を抑制し、第1編集空間33Aの安全性を向上させることができる。なお、図7の例においては、編集ユニット13の、照明装置71が設けられている第1編集インタフェース13Aの上側の部分が、第2編集空間33B側に貫通しており、照明装置71は、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとで共有している。つまり、照明装置71は、第1編集空間33Aだけでなく第2編集空間33Bも照明し、安全性を向上させる。なお、この照明装置71の設置位置および個数は任意である。
第1編集インタフェース13Aには、タブレット内蔵モニタ72、2本のタッチペン(タッチペン73−1およびタッチペン73−2)、スピーカ74、並びに追加硬貨投入返却口75が設けられている。
タブレット内蔵モニタ72は、撮影空間における撮影作業により得られた撮影画像を編集するためのGUI画像(落書き編集入力画面)等を表示する。タブレット内蔵モニタ72は、タッチペン73−1またはタッチペン73−2により位置情報を入力可能なタブレットと、CRTディスプレイやLCD等の、画像を表示可能な表示デバイスを有するモニタである。ここでは、タブレットは、例えば、感圧式や電磁誘導式の入力デバイスであり、無色透明で、表示デバイスの表示画面上に重畳されて設置されている。つまり、タブレット内蔵モニタ72は、表示デバイスにより単にGUI画像等を表示するだけでなく、タブレットにより利用者からの入力操作を受け付ける。
このタブレット内蔵モニタ72の左右近傍には、画面上に重畳されたタッチパネルに対応するタッチペン73−1とタッチペン73−2が左右1本ずつ所定のアタッチメントにより編集ユニット13に着脱可能に固定されており、同じ組の2人の利用者が、これらのタッチペンをそれぞれ使用することにより、同時に、写真シール作成作業の編集作業の工程をプレイすることができるようになされている。なお、以下において、タッチペン73−1およびタッチペン73−2を互いに区別して説明する必要のない場合、単にタッチペン73と称する。
そのタッチペン73は、編集ユニット13内部に設置されたシステムと有線(または無線)により電気的にも接続されている。タッチペン73は、タブレット内蔵モニタ72の表示デバイスの表示画面上に重畳された無色透明のタブレットと連携して動作する。利用者がこれらのタッチペン73を操作して、そのタブレットをタップする(タッチペン73とタブレット内蔵モニタ72の表示画面を接触(または近接)させる)ことにより、これらは、利用者からの入力を受け付ける入力手段として動作する。なお、タッチペン73の設置本数、設置位置、及び形状等は任意である。
スピーカ74は、例えば、案内音声、効果音、またはBGM等、写真シール作成ゲームの編集作業に関する音声を出力する。なお、スピーカ74の設置個数、デザイン、および形状等は任意である。
追加硬貨投入返却口75は、写真シールの印刷枚数を増やす(追加印刷を行う)場合に必要な追加代金を受け付ける。追加硬貨投入返却口75は、利用者による硬貨投入を受け付け、投入に失敗した硬貨やお釣りを返却する。
なお、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成も、図7に示される第1編集空間33A側の構成と基本的に同様であるので、その説明については省略する。以下においては、図7に示される構成例は、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成を説明する場合にも適用する。
図8は、編集ユニット13の、写真シール排出部13Cの構成例を示す図である。
図8に示されるように、写真シール排出部13Cには、第1編集空間33Aにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第1編集インタフェース13Aが操作されて作成された写真シール)と、第2編集空間33Bにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された写真シール)が排出される写真シール排出口81が設けられている。
編集ユニット13内部には、プリンタが設置されており、第1編集インタフェース13Aまたは第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された印刷用の画像は、そのプリンタによりシール紙に印刷される。プリンタより出力された写真シールは、この写真シール排出口81より排出される。
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
図9は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。以上において説明した部分と同じ部分については、同じ番号を付し、その説明を省略する。
図9において、写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する処理部である制御装置101を有しており、その制御装置101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部112、編集部113、およびプリンタ114がそれぞれ所定のバスを介して接続される。
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、制御装置101より供給される各種設定情報をその記憶媒体に保存したり、記憶媒体に記録されている設定情報を読み出して制御装置101に供給したりする。なお、この記憶媒体は、情報を記憶することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
通信部103は、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク(図示せず)を介して、または単に通信ケーブル(図示せず)を介して、他の通信装置(図示せず)に接続され、制御装置101に制御されて、例えば利用者の携帯型電話機、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等のような他の通信装置と通信を行う。例えば、通信部103は、制御装置101より供給される送信情報を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信情報を制御装置101に供給したりする。
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御装置101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
ROM106には、制御装置101において実行されるプログラムやデータが予め格納されており、ROM106は、制御装置101の指示に基づいて、プログラムやデータを制御装置101に供給する。RAM107は、制御装置101が処理するデータやプログラムを一時的に保持する。
撮影部112は、撮影ユニット12に関するブロックであり、硬貨処理部121、照明装置53、カメラ51、ライブビューモニタ52、タッチパネルモニタ54、およびスピーカ56を有する。
硬貨処理部121は、硬貨投入返却口55に硬貨が投入されると、利用者による写真シール作成装置1の代金支払いに関する処理(ゲーム参加受け付け等)を行い、課金処理や案内等をタッチパネルモニタ54及びスピーカ56に行わせたりする。
照明装置53は、制御装置101より供給される照明制御信号に基づいて、点灯したり、消灯したり、またはフラッシュ光を発光したりする。
カメラ51は、制御装置101に制御されて、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の被写体(利用者)の撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御装置101の制御の下、動画像を取りこみ、その取得した動画像データを制御装置101に供給する。また、カメラ51は、制御装置101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像(静止画像)の取得を行い、取得した静止画像データを制御装置101に供給する。
ライブビューモニタ52は、制御装置101より供給されるRGB信号に基づく画像(取り込み画像を用いて作成された合成画像)を表示する。
タッチパネルモニタ54は、制御装置101より供給されるRGB信号に基づく画像(撮影画像を用いて作成された合成画像やGUI画像)を表示する。また、タッチパネルモニタ54は、利用者が自分自身の指等を用いてタッチパネルにタップ(接触または近接)すると、その位置情報を制御装置101に供給する。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
スピーカ56は、例えば、制御装置101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
編集部113は、編集ユニット13に関するブロックであり、第1編集インタフェース13Aに対応する第1編集部113Aと、第2編集インタフェース13Bに対応する第2編集部113Bよりなる。第1編集部113Aおよび第2編集部113Bは互いに同一の構成を有しており、以下の説明は、第1編集部113Aについて行うが、第2編集部113Bにも適用可能である。
第1編集部113Aは、タブレット内蔵モニタ72、タッチペン73−1およびタッチペン73−2、スピーカ74、並びに、硬貨処理部143を有する。
タブレット内蔵モニタ72は、制御装置101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮像画像等、編集に関する画像を、編集用モニタ141に表示する。また、利用者が、タッチペン73−1またはタッチペン73−2を操作してタブレット142にタップ(接触または近接)すると、タブレット内蔵モニタ72は、その位置情報を制御装置101に供給する。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像(GUI等)に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
スピーカ74は、制御装置101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、またはBGM等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する音声)を出力する。
硬貨処理部143は、写真シールの印刷枚数を増やす追加印刷用の代金(追加代金)の徴収に関する処理を行う。
プリンタ114は、編集部113により行われた編集作業結果をシール紙に印刷する。プリンタ114は、制御装置101より編集作業結果を取得すると、シール紙ユニット161よりシール紙162を取得し、編集作業結果をシール紙162に印刷する。プリンタ114は、印刷を終了すると、その印刷されたシール紙162を写真シールとして写真シール排出口81より排出し、利用者に提供する。
次に、制御装置101について説明する。図10は、制御装置101が有する機能ブロックの構成例を示す図である。図10に示されるように、制御装置101は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金(硬貨)に関する処理や、利用者の撮影等の、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部202、撮影画像に対する落書き編集等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部203、シール紙の印刷等の、写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部204、および、編集作業を終了した利用者を接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部205を有する。
つまり、制御装置101は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理を行う。
図11は、図10の撮影処理部202のさらに詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
撮影処理部202は、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程における処理を行う処理部であり、例えば、代金投入を受け付けたり、利用者を撮影したり、GUI画像を表示したりする。
撮影処理部202は、そのような撮影の機能として、進行制御部211、撮影準備処理部212、合成用画像準備処理部213、トリミング位置情報取得部214、取り込み画像合成部215、ライブビュー表示制御部216、撮影画像取得部217、撮影画像合成部218、およびトリミング部219を有する。
進行制御部211は、撮影作業の工程の進行を制御する。撮影準備処理部212は、明るさ調整や写り調整等、撮影の準備に関する処理を行う。合成用画像準備処理部213は、背景や前景等の、カメラ51において得られる取り込み画像や撮影画像に合成する合成用画像の準備に関する処理を行う。トリミング位置情報取得部214は、取り込み画像や撮影画像のトリミングする範囲を指定する位置情報であるトリミング位置情報の取得に関する処理を行う。このトリミング位置は、取り込み画像や撮影画像のトリミングが必要になる合成用画像のそれぞれにおいて指定される。
取り込み画像合成部215は、取り込み画像の合成に関する処理を行う。ライブビュー表示制御部216は、ライブビューモニタ52の表示に関する処理を行う。撮影画像取得部217は、撮影、特に、撮影画像の取得に関する処理を行う。撮影画像合成部218は、撮影画像の合成に関する処理を行う。トリミング部219は、取り込み画像や撮影画像の切り出し(トリミング)を行う。
ここで合成用画像について説明する。
図12は、記憶部102に記憶される合成用画像の構成例を説明する模式図である。取り込み画像や撮影画像に合成される合成用画像は、予め複数用意され、記憶部102に記憶されている。撮影作業において、利用者が、この合成用画像群の中から、使用する合成用画像を選択すると、その合成用画像のデータが制御部101により読み出され、合成に使用される。
図12に示されるように、各合成用画像は、例えば、トリミング前背景画像221、トリミング前前景画像222、トリミング後背景画像231、トリミング後前景画像232、およびトリミング位置情報241により構成される。
トリミング前背景画像221は、取り込み画像や撮影画像の後ろ側に重畳されるように合成され、所謂、「被写体(利用者の画像)の背景」として利用される。このトリミング前背景画像221の画サイズは、トリミングを行う前の取り込み画像や撮影画像と同一である。
トリミング前背景画像221の左上右下の斜線で示される切り出し部分221Aが、実際に被写体の背景となる画像である。ここでは説明の便宜上、この切り出し部分221Aの絵柄を左上右下の斜線で示しているが、実際にはどのような絵柄であってもよい。また、トリミング前背景画像221の、切り出し部分221A以外の白の部分は、画サイズをトリミング前の取り込み画像や撮影画像の画サイズに合わせるための領域である。この領域は、基本的に不可視の領域であるので、実際には白画像ではなくてもよく、例えばブランクデータにより構成される。
トリミング前前景画像222は、トリミング前背景画像221に対応し、取り込み画像や撮影画像の前側に重畳されるように合成され、所謂、「被写体(利用者の画像)の前景」として利用される。このトリミング前前景画像222の画サイズは、トリミングを行う前の取り込み画像や撮影画像と同一である。
トリミング前前景画像222において、左下右上の斜線模様の円が描かれた切り出し部分222Aは、トリミング後の取り込み画像や撮影画像の前景となる画像である。トリミング前前景画像222の黒色で示される部分は、取り込み画像や撮影画像の、トリミングされない部分を覆い隠す(マスクする)ための領域である。
トリミング前背景画像221における切り出し部分221Aの位置(範囲)と、トリミング前前景画像222における切り出し部分222Aの位置(範囲)とは互いに同一である。
なお、図12においては、右上左下の斜線模様の4つの輪が前景として示されているが、この絵柄は任意である。また、図12においては、トリミング前前景画像222の、切り出し部分222A以外の領域を黒色画像として示しているが、この領域の画像は他の色であってもよいし、絵柄や文字が含まれるようにしてもよい。例えば写真シール作成装置1の名称や、「画角に入ってね」等の、撮影姿勢を誘導する文言が含まれるようにしてもよい。
トリミング前背景画像221およびトリミング前前景画像222は、取り込み画像に合成される合成用画像である。その合成結果となる合成画像は、ライブビューモニタ52に表示される。
トリミング後背景画像231は、「被写体(利用者の画像)の背景」として利用される部分の画像である。トリミング後背景画像231は、トリミング前背景画像221の切り出し部分221Aをトリミングした(切り出した)画像である。つまり、トリミング後背景画像231の画像は、トリミング前背景画像221の切り出し部分221Aの画像に一致する。
同様に、トリミング後前景画像232は、「被写体(利用者の画像)の前景」として利用される部分の画像である。トリミング後前景画像232は、トリミング前前景画像222の切り出し部分222Aをトリミングした(切り出した)画像である。つまり、トリミング後前景画像232の画像は、トリミング前前景画像222の切り出し部分222Aの画像に一致する。
トリミング後背景画像231およびトリミング後前景画像232は、撮影画像に合成される合成用画像である。その合成結果となる合成画像は、タッチパネルモニタ54に表示されたり、編集対象画像として保存されたり、落書き編集されたり、写真シール紙に印刷されたりする。
トリミング位置情報241は、取り込み画像または撮影画像において行われるトリミングの位置(範囲)を示す情報である。つまり、トリミング位置情報241は、切り出し部分221Aや切り出し部分222Aの範囲や位置を示す情報である。このトリミング位置情報241に示される位置(範囲)で、取り込み画像または撮影画像のトリミングを行うことにより、取り込み画像または撮影画像の、切り出し部分221Aや切り出し部分222Aに対応する部分の画像(部分画像)が得られる。
なお、以上に説明した構成は一例であり、これ以外であってもよい。例えば、合成用画像が、トリミング前背景画像221およびトリミング前前景画像222のみを有し、必要に応じて、トリミング後背景画像231、トリミング後前景画像232、およびトリミング位置情報241を生成するようにしてもよい。また、例えば、合成用画像が、トリミング後背景画像231、トリミング後前景画像232、およびトリミング位置情報241のみを有し、必要に応じて、トリミング前背景画像221やトリミング前前景画像222を生成するようにしてもよい。
次に、合成について説明する。図13は、取り込み画像の合成の様子を示す図である。
取り込み画像251(図13A)には、トリミング前背景画像221およびトリミング前前景画像222よりなるトリミング前合成用画像220(図13B)が合成される。前からトリミング前前景画像222、取り込み画像251、トリミング前背景画像221の順に重畳されて合成される。その合成結果がトリミング前合成画像253(図13C)である。取り込み画像251、トリミング前背景画像221、およびトリミング前前景画像222の各画サイズは、互いに等しい。
取り込み画像251の各フレーム画像(インターレース方式の場合、各フィールド画像)が上述したようにトリミング前合成用画像220と合成される。このようにして生成されたトリミング前合成画像253全体がライブビューモニタ52に表示される。つまり、ライブビューモニタ52には、図13Cに示されるトリミング前合成画像253が表示される。
トリミング前合成画像253の黒色で示される領域は、トリミング前前景画像222の画像であり、この領域の取り込み画像251は表示されない。取り込み画像251は、トリミング前合成用画像220の切り出し部分に対応する部分のみがライブビューモニタ52に表示される。
つまり、取り込み画像251は、合成用画像の切り出し部分(トリミング位置)においてトリミングされ、その切り出された画像が、トリミング位置に表示されるのと同等の状態で表示されている。したがって、ライブビューモニタ52における取り込み画像(合成画像)の表示位置は、トリミング位置、つまり、トリミング前合成用画像220の切り出し部分によって決まる。
ただし、取り込み画像251は常に同じ画角であるので、ライブビューモニタ52の表示画面全体における利用者の画像の位置は、トリミングによって変化しない。つまり、合成用画像(トリミング位置)に関わらず、ライブビューモニタ52に表示された画像上の位置と、実際の位置との関係は一定である。したがって、利用者は、ライブビューモニタ52の画像から、実際の立ち位置を直感的に容易に把握することができる。これにより利用者は、ライブビューモニタ52に表示された画像を確認しながら、合成用画像の切り出し部分に自分自身が表示されるように立ち位置や姿勢を調整することは容易に行うことができる。つまり、利用者は、満足できる撮影を容易に行うことができる。
これに対して、図14は、撮影画像の合成の様子を示す図である。
所定のタイミングの静止画である撮影画像261(図14A)の場合、トリミング後背景画像231およびトリミング後前景画像232よりなるトリミング後合成用画像230(図14B)と合成される。つまり、撮影画像261は、合成の前にトリミング位置情報241(図14B)が示す位置でトリミングされてから合成される。このようにして生成されたトリミング後撮影画像262(図14C)とトリミング後合成用画像230とが合成され、トリミング後合成画像263(図14D)が生成される。
トリミング後合成用画像230、トリミング後撮影画像262、およびトリミング後合成画像263の画サイズは、互いに等しい。撮影画像261と取り込み画像251が互いに同一の画像であるとすると、トリミング後合成画像263は、図13Cのトリミング前合成画像253の黒色で示される領域以外の部分を切り出したものと同等である。
取り込み画像の場合、ライブビューモニタに表示するのみで保存の必要は無く、また、表示の即時性(画像の取り込みから表示までの遅延時間の短縮)が要求されるので、図13に示されるように、合成処理はより簡素化されていることが望ましい。これに対して、撮影画像の場合、編集のために合成結果を保存する必要がある。したがって、図14に示されるように、トリミングを行ってデータ量を低減させることが望ましい。
写真シール作成装置1は、以上のように合成処理をし、合成画像の表示を行うことで、利用者がより容易に撮影作業を行うことができるようにしている。
次に、ゲームの流れについて説明する。最初に、写真シール作成ゲームの全体の流れについて、図15のフローチャートを参照して説明する。
写真シール作成ゲームを行う利用者は、最初に、前方ユニット12Aの硬貨投入返却口55にコインを投入し、ゲームの代金を支払う。硬貨処理部121は、このような硬貨投入を受け付け、起動信号を制御装置101に供給する。制御装置101の撮影処理部202は、ステップS1において、その起動信号に基づいて、代金が投入されたか否かを判定し、正当な代金が投入されたと判定するまで待機し、投入されたと判定した場合、処理をステップS2に進める。
ステップS2において、撮影処理部202は、撮影部112の各部を制御し、撮影空間32内において行われる、写真シール作成ゲームの撮影作業に関する処理である撮影処理を実行する。撮影作業が終了すると、撮影処理部202は、ステップS3において、撮影作業を終えた撮影空間32内の利用者に対して、画像や音声によって第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bへの移動を促す移動案内処理を行う。
編集処理部203および印刷処理部204は、ステップS4において、編集空間33に移動した利用者に対して、写真シール作成ゲームの編集作業および印刷処理に関する処理である編集印刷処理を行う。
編集印刷処理が終了すると、事後接客処理部205は、ステップS5において、印刷終了待機中の利用者に対してミニゲームや画像転送等のサービスを提供する事後接客処理を行う。そして事後接客処理が終了すると、事後接客処理部205は、ステップS6において、編集空間33の利用者を印刷物受取領域34に移動させる移動案内を行う。また、印刷処理が終了すると、印刷処理部204は、プリンタ114を制御し、ステップS7において印刷済みのシール紙を写真シール排出口81より排出させ、写真シール作成ゲーム処理を終了する。
次に、図16および図17のフローチャートを参照して、図15のステップS2において実行される撮影処理の流れの例を説明する。必要に応じて図18を参照して説明する。
撮影処理が開始されると、ステップS21において、撮影準備処理部212は、撮影人数を利用者に選択させる。ステップS22において、撮影準備処理部212は、タッチパネルモニタ54にGUI画像を表示する等して、利用者により入力される明るさ指定を受け付ける。ステップS23において、進行制御部211は、明るさを指定されたか否かを判定し、指定されたと判定した場合、処理をステップS24に進める。ステップS24において、撮影準備処理部212は、明るさ調整を行い、処理をステップS26に進める。また、ステップS23において、明るさを指定されなかったと判定した場合、処理をステップS25に進める。ステップS25において、撮影準備処理部212は、明るさを初期値に設定し、処理をステップS26に進める。ステップS26において、撮影準備処理部212は、露出やホワイトバランス等の写り調整を行う。
合成用画像準備処理部213は、ステップS27において、予め用意されている合成用画像をタッチパネルモニタ54に一覧(GUI画像)として表示し、ステップS28において、そのGUI画像に対して入力される利用者の合成用画像選択の指示を受け付ける。
図18Aに示される合成用画像選択画面310は、この合成用画像選択のためのGUI画像の表示例を示している。合成用画像選択画面310には、利用者にこのGUI画面の主旨を伝えるための「撮りたいイメージを3つ選んでね」のメッセージと、合成画像例表示部311、および選択済み画像表示部312が表示される。
合成画像例表示部311には、予め用意された合成用画像の合成結果を示すサンプル画像(モデルを用いた合成画像)の一覧が表示される。利用者は、この一覧により、合成用画像のデザインを確認し、所望の画像をタップする等して選択する。なお、合成用画像が多数用意されている場合は、図18Aに示されるように、タブ等を用いて複数画面に分けて表示するようにすることにより、操作性を向上させることができる(1つの画像を大きく表示することができ、利用者が選択し易くなる)。このとき、画像321乃至画像324のように、アスペクト比が取り込み画像や撮影画像と異なる合成用画像が、合成の際にトリミングが必要な画像である。
選択済み画像表示部312には、利用者に選択された合成用画像のサンプル画像が表示される。図18Aの場合、最大3枚選択可能であるので、画像312A乃至画像313Cの画像3枚分の領域が設けられている。なお、この選択可能枚数は任意である。
なお、図18Bに示されるように、合成画像例表示部311において、アスペクト比が取り込み画像や撮影画像と異なる合成画像例は、例えば画像321乃至画像324のように、トリミング前の合成画像の様子を示すものとしてもよい。このようにすることにより、トリミング位置も表現することができる(利用者がトリミング位置も把握することができる)。
図16に戻り、合成用画像準備処理部213は、利用者に選択された合成用画像のデータを記憶部102より読み出す。
ステップS29において、トリミング位置情報取得部214は、利用者に選択された合成用画像の中から、処理対象の合成用画像を選択し、その処理対象の合成用画像のトリミング位置情報241を取得する。
ステップS30において、取り込み画像合成部215は、トリミング前合成用画像220とカメラ51の取り込み画像251を合成し、ライブビュー表示制御部216は、生成されたトリミング前合成画像253をライブビューモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
ステップS31において、撮影画像取得部217は、タッチパネルモニタ54等にカウントダウンインジゲータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像261を得る。ステップS32において、トリミング部219は、得られた撮影画像261を、トリミング位置情報241により指定されるトリミング位置でトリミングする(指定された範囲を切り出す)。ステップS33において、撮影画像合成部218は、トリミング後撮影画像262にトリミング後合成用画像230を合成し、トリミング後合成画像263を生成する。
ステップS34において、撮影画像合成部218は、トリミング後合成画像263を、タッチパネルモニタ54(またはライブビューモニタ52)に表示し、利用者に撮影結果を確認させる。なお、このとき、トリミング後合成画像263を、ライブビューの場合と同様に、そのトリミング位置に応じた位置に表示させるようにしてもよい。
ステップS35において、進行制御部211は、所定回数撮影したか否かを判定し、撮影回数が予め定められている所定回数に達していない場合、処理をステップS29に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS35において、所定回数撮影したと判定された場合、処理は、ステップS36に進む。
ステップS36において、進行制御部211は、写真シール作成ゲームの残り時間(または、これまでの経過時間)に基づいて、さらに3枚以上撮影可能か否かを判定し、可能であると判定した場合、処理をステップS27に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS36において、3枚以上撮影不可能と判定された場合、処理は図17のステップS41に進む。
図17のステップS41において、進行制御部211は、撮影可能時間内か否かを判定し、経過時間または残り時間に基づいて、まだ撮影可能か否かを判定する。撮影可能であると判定した場合、処理はステップS42に進み、追加的な撮影、所謂「ボーナス撮影」の処理が行われる。
合成用画像準備処理部213は、ステップS42において、ステップS27およびステップS28の場合と同様に、予め用意されている合成用画像をタッチパネルモニタ54に一覧(GUI画像)として表示し、ステップS43において、そのGUI画像に対して入力される利用者の合成用画像選択の指示を受け付ける。この場合、選択可能な合成用画像の最大枚数は予め設定されている。その数は任意であるが、以下においては説明の便宜上1枚として説明する。合成用画像準備処理部213は、利用者に選択された合成用画像のデータを記憶部102より読み出す。
ステップS44において、トリミング位置情報取得部214は、ステップS29の場合と同様に、処理対象の合成用画像のトリミング位置情報241を取得する。ステップS45において、取り込み画像合成部215は、ステップS30の場合と同様に、トリミング前合成用画像220とカメラ51の取り込み画像251を合成し、ライブビュー表示制御部216は、生成されたトリミング前合成画像253をライブビューモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
ステップS46において、撮影画像取得部217は、追加的な撮影であるボーナス撮影を行う。このボーナス撮影も上述した通常の撮影と同様に行われる。つまり、撮影画像取得部217は、ステップS31の場合と同様に、タッチパネルモニタ54等にカウントダウンインジゲータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像261を得る。ステップS47において、トリミング部219は、ステップS32の場合と同様に、得られた撮影画像261を、トリミング位置情報241により指定されるトリミング位置でトリミングする(指定された範囲を切り出す)。ステップS48において、撮影画像合成部218は、ステップS33の場合と同様に、トリミング後撮影画像262にトリミング後合成用画像230を合成し、トリミング後合成画像263を生成する。
ステップS49において、撮影画像合成部218は、ステップS34の場合と同様に、トリミング後合成画像263を、タッチパネルモニタ54(またはライブビューモニタ52)に表示し、利用者に撮影結果を確認させる。なお、この場合も、トリミング後合成画像263を、ライブビューの場合と同様に、そのトリミング位置に応じた位置に表示させるようにしてもよい。
ステップS50において、進行制御部211は、所定時間経過したか否かを判定し、まだ撮影可能である場合、処理をステップS42に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS50において、所定時間経過したと判定された場合、処理は、ステップS51に進む。また、ステップS41において、撮影可能時間内でなく、撮影する時間がないと判定された場合、処理は、ステップS51に進む。
ステップS51において、進行制御部211は、これまでに生成したトリミング後合成画像263を、タッチパネルモニタ54(またはライブビューモニタ52)に表示し、利用者に、編集対象画像としてキープさせる画像(キープ画像)を選択させる。利用者がGUI画像に基づいて編集対象画像(キープ画像)を選択すると、進行制御部211は、選択された画像を編集対象画像として記憶部102に保存する。
ステップS52の処理が終了すると、処理は、図15のステップS2に戻り、ステップS3以降の処理が実行される。
以上のように、合成の際に撮影画像のトリミングを行う場合、その撮影の際に、取り込み画像を、ライブビューモニタ52に、そのトリミング位置を示すように、トリミング位置に基づく位置に表示させるようにする。このように、トリミング位置をライブビューモニタ52に示すことにより、利用者は、トリミングによる画角の変化を直感的に把握することができ、自分自身の体をどの方向に移動させればよいかを直感的に把握することができる。
例えば、図19に示される合成用画像401が選択されるとする。例えば、合成用画像選択画面310(図18)において、利用者が合成用画像401を用いたモデルによるサンプル画像を選択すると、合成用画像401が選択され、この合成用画像401に対応するトリミング前合成用画像やトリミング後合成用画像が記憶部102より読み出される。この合成用画像401は、撮影画像402の上側をトリミングした画像に合成され、トリミング後合成画像403が生成される。このトリミング後合成画像403は、編集画像として落書き編集することができ、印刷画像としてシール紙に印刷される。
このようなトリミング後合成画像403を生成するための撮影、つまり、撮影画像402を得るための撮影において、カメラ51の取り込み画像と合成用画像を合成し、その合成画像をライブビューモニタ52に、表示画像404のように上側(例えばトリミング位置)に表示させる。例えば、合成用画像401を含むトリミング前合成用画像を、カメラ51の取り込み画像(つまり、撮影画像402)に合成し、その合成結果であるトリミング前合成画像をライブビューモニタ52に表示させる。このようにすることにより、ライブビューモニタ52には、取り込み画像の合成結果が表示画像404のように表示される。つまり、ライブビューモニタ52に合成結果が撮影画像全体(すなわち撮影範囲)に対するトリミング位置を示すように表示されるので、利用者は、撮影範囲の上側に自分自身の体を位置させるように姿勢作りをすればよい事を直感的に把握することができる。
また、例えば、図20に示される合成用画像411が選択されるとする。例えば、合成用画像選択画面310(図18)において、利用者が合成用画像411を用いたモデルによるサンプル画像を選択すると、合成用画像411が選択され、この合成用画像411に対応するトリミング前合成用画像やトリミング後合成用画像が記憶部102より読み出される。この合成用画像411は、撮影画像412の中央部分をトリミングした画像に合成され、トリミング後合成画像413が生成される。このトリミング後合成画像413は、編集画像として落書き編集することができ、印刷画像としてシール紙に印刷される。
このようなトリミング後合成画像413を生成するための撮影、つまり、撮影画像412を得るための撮影において、カメラ51の取り込み画像と合成用画像を合成し、その合成画像をライブビューモニタ52に、表示画像414のように中央(例えばトリミング位置)に表示させる。例えば、合成用画像411を含むトリミング前合成用画像を、カメラ51の取り込み画像(つまり、撮影画像412)に合成し、その合成結果であるトリミング前合成画像をライブビューモニタ52に表示させる。このようにすることにより、ライブビューモニタ52には、取り込み画像の合成結果が表示画像414のように表示される。つまり、ライブビューモニタ52に合成結果が撮影画像全体(すなわち撮影範囲)に対するトリミング位置を示すように表示されるので、利用者は、撮影範囲の中央付近に自分自身の体を位置させるように姿勢作りをすればよい事を直感的に把握することができる。
さらに、例えば、図21に示される合成用画像421が選択されるとする。例えば、合成用画像選択画面310(図18)において、利用者が合成用画像421を用いたモデルによるサンプル画像を選択すると、合成用画像421が選択され、この合成用画像421に対応するトリミング前合成用画像やトリミング後合成用画像が記憶部102より読み出される。この合成用画像421は、撮影画像422の下側をトリミングした画像に合成され、トリミング後合成画像423が生成される。このトリミング後合成画像423は、編集画像として落書き編集することができ、印刷画像としてシール紙に印刷される。
このようなトリミング後合成画像423を生成するための撮影、つまり、撮影画像422を得るための撮影において、カメラ51の取り込み画像と合成用画像を合成し、その合成画像をライブビューモニタ52に、表示画像424のように下側(例えばトリミング位置)に表示させる。例えば、合成用画像421を含むトリミング前合成用画像を、カメラ51の取り込み画像(つまり、撮影画像422)に合成し、その合成結果であるトリミング前合成画像をライブビューモニタ52に表示させる。このようにすることにより、ライブビューモニタ52には、取り込み画像の合成結果が表示画像424のように表示される。つまり、ライブビューモニタ52に合成結果が撮影画像全体(すなわち撮影範囲)に対するトリミング位置を示すように表示されるので、利用者は、撮影範囲の下側に自分自身の体を位置させるように姿勢作りをすればよい事を直感的に把握することができる。
特に、複数の合成用画像を選択可能な場合、利用者が、図19乃至図21に示されるように、互いに異なるトリミング位置での撮影画像のトリミングを必要とする合成用画像を選択する可能性がある。このような場合、撮影毎に(使用される合成用画像が変えられる度に)トリミング位置が変化することになる。
このような撮影において、ライブビューモニタ52に、トリミング後の画像を全て同じ位置(例えば中央)に表示するようにすると、撮影の度に利用者の実際の立ち位置と、ライブビューモニタ52の表示画像上の位置との関係(この場合上下方向)が変化することになる。
したがって、利用者は、撮影の度に、ライブビューモニタ52の表示画像上の位置と実際の位置との関係を確認する必要があった。つまり、利用者は、姿勢決定の前にまず、ライブビューモニタ52に表示される画像を確認しながら体を動かして、実際に体をどの方向にどの程度動かせば画像上でどの方向にどの程度動くかを感覚的に理解する必要があった。このように撮影時の位置や姿勢の決定作業が煩雑になる恐れがあった。
これに対して、上述したように、ライブビューモニタ52において、トリミング後合成画像の表示位置をそのトリミング位置に応じて変化させることにより、利用者は、容易にトリミング後画像における画角の変化を把握することができ、撮影時の位置や姿勢の決定作業をより容易に行うことができる。
つまり、撮影作業が容易になったので、利用者は、所望の画像をより容易に得ることができる。このように写真シール作成装置1は、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させ、収益性を向上させることができる。
なお、トリミング位置(トリミングにより抽出する領域の大きさや形状も含む)を変えることにより、利用者の姿勢や視線の方向等を変えることができる。例えば、図19のように上側をトリミングする場合、カメラ51やライブビューモニタ52を見る利用者の視線はやや下向きになる。また、例えば、図20のように中央部分をトリミングする場合、カメラ51やライブビューモニタ52を見る利用者の視線は正面を向く。さらに、例えば、図21のように下側をトリミングする場合、カメラ51やライブビューモニタ52を見る利用者の視線はやや上向きになる。このようにトリミング位置を変えることによって利用者の姿勢や視線の方向等をある程度制御することができるので、トリミング位置の種類を増やすことにより、より多様な画像を得ることができる。
なお、編集や印刷には、トリミング後の合成画像が使用される。トリミング後の合成画像は、撮影画像と合成用画像が合成された合成画像のトリミングされた部分画像である。次に、図22のフローチャートを参照して、図15のステップS4において実行される編集印刷処理の流れの例を説明する。
編集印刷処理が開始されると、編集処理部203は、ステップS71において、編集対象画像を取得し、ステップS72において、移動先の編集部113のタブレット内蔵モニタ72に、利用者に対してシールレイアウト(分割数)の例を提示し、利用者にシールレイアウトを選択させる。また、利用者に編集開始を決定させるGUI画像を、移動先の編集部113のタブレット内蔵モニタ72表示する。編集処理部203は、ステップS73において、そのGUIの編集開始ボタンが操作されたか否かを判定し、操作されたと判定するまで待機する。編集開始ボタンが操作されたと判定すると、編集処理部203は、処理をステップS74に進め、タブレット内蔵モニタ72に編集画面を表示させ、編集入力の受け付けを開始する。
ステップS75において、編集処理部203は、編集を行う編集画像をその編集画面に表示する。編集処理部203は、その表示中の編集画像に対する編集入力を、編集画像に順次反映させる。
ステップS76において、編集処理部203は、所定の時間が経過したか否か、または、編集画面の終了ボタンが操作されたか否かを判定する。所定の時間が経過しておらず、また、編集画面の終了ボタンも操作されていないと判定した場合、編集処理部203は、処理をステップS75に戻す。所定の時間が経過した、または、編集画面の終了ボタンが操作されたと判定した場合、編集処理部203は、処理をステップS77に進め、編集入力の受け付けを終了する。
ステップS78において、印刷処理部204は、追加印刷の案内画面を、タブレット内蔵モニタ72に表示する。印刷処理部204は、ステップS79において、利用者により追加印刷が選択されたか否かを判定し、選択されたと判定した場合、ステップS80において、追加代金の投入を受け付け、さらに、ステップS81において、追加印刷のシールレイアウトを利用者に選択させ、処理をステップS82に進める。
また、ステップS79において、追加印刷が選択されなかったと判定した場合、印刷処理部204は、処理をステップS82に進める。
ステップS82において、印刷処理部204は、以上の設定に基づいて印刷データを作成し、ステップS83において、プリンタ114を制御し、その印刷データのシール紙162への印刷を開始する。印刷を開始すると、印刷処理部204は、その印刷を継続させながら、編集印刷処理を終了し、処理を図15のステップS4に戻し、ステップS5以降の処理を実行させる。
なお、以上においては、トリミング位置(範囲の形状および広さも含む)の変化についてのみ説明したが、上述したようなライブビュー表示は、例えば、図23に示されるように、近距離撮影(アップ撮影)の場合にも有効である。
図23に示される撮影画像431のように通常の画角が縦長である場合、近距離撮影を行っても顔以外の部分も大きく写されてしまう。しかしながら、近距離撮影では、顔の画像を大きく撮影できることが望まれる場合が多い。そこで、トリミング後撮影画像432のように、顔の部分のみをトリミングして抽出することによって撮影画像のアスペクト比を適切にすることにより、近距離撮影に適した画像が得られる。
一般的に、撮影時における利用者の立ち位置は、通常の撮影の場合後方ユニット12B付近となり、近距離撮影の場合前方ユニット12A付近となる。つまり、近距離撮影を行う場合、利用者はその立ち位置を変化させる必要があることが多い。このような場合に、ライブビューモニタ52に、表示画像433のようにトリミング位置を示すようにトリミング後の画像を表示することにより、利用者は、容易に正しい立ち位置を把握することができる。
また、以上においては、ライブビューモニタ52にトリミング前合成画像を表示するように説明したが、図14に参照して説明した撮影画像の場合と同様に、取り込み画像をトリミングしてトリミング後合成用画像と合成し、生成されたトリミング後合成画像を、トリミング位置情報に基づく位置に表示させるようにしてもよい。
その場合の撮影処理の流れの例を図24および図25のフローチャートを参照して説明する。
図24のステップS121乃至ステップS129の各処理は、図16のステップS21乃至ステップS29の各処理と同様に実行される。
ステップS130において、トリミング部219は、カメラ51の取り込み画像を、ステップS129において取得したトリミング位置情報に示されるトリミング位置でトリミングする。
取り込み画像合成部215は、ステップS131において、生成されたトリミング後取り込み画像を、トリミング後合成用画像230と合成し、トリミング後合成画像を生成する。ライブビュー表示制御部216は、そのトリミング後合成画像を、ライブビューモニタ52の表示画面上の、トリミング位置情報に示されるトリミング位置にライブビュー表示させる。このとき、ライブビュー表示制御部216は、トリミング後合成画像以外の部分には、所定の画像を表示させる。したがって、ライブビューモニタ52には、図13のトリミング前合成画像253と実質的に同等の画像が表示される。したがって、利用者は、その画像から容易に正しい立ち位置を把握することができる。
なお、トリミング後合成画像の表示位置は、トリミング位置に完全に一致させなくてもよい。例えば、図19乃至図21を用いて説明したように、トリミング後の画像を、上側や下側など、おおよそのトリミング位置を示すように表示するだけでも、利用者に正しい立ち位置を把握しやすくすることができる。
図24のステップS132乃至ステップS137の各処理は、図16のステップS31乃至ステップS36の各処理と同様に実行される。また、図25のステップS141乃至ステップS144の各処理も、図17のステップS41乃至ステップS44の各処理と同様に実行される。
ステップS145において、トリミング部219は、カメラ51の取り込み画像を、ステップS144において取得したトリミング位置情報に示されるトリミング位置でトリミングする。
取り込み画像合成部215は、ステップS146において、生成されたトリミング後取り込み画像を、トリミング後合成用画像230と合成し、トリミング後合成画像を生成する。ライブビュー表示制御部216は、そのトリミング後合成画像を、ライブビューモニタ52の表示画面上の、トリミング位置情報に示されるトリミング位置にライブビュー表示させる。このとき、ライブビュー表示制御部216は、トリミング後合成画像以外の部分には、所定の画像を表示させる。したがって、ライブビューモニタ52には、図13のトリミング前合成画像253と実質的に同等の画像が表示される。したがって、利用者は、その画像から容易に正しい立ち位置を把握することができる。
なお、この場合も、トリミング後合成画像の表示位置は、トリミング位置に完全に一致させなくてもよい。
ステップS147乃至ステップS153の各処理は、図17のステップS46乃至ステップS52の各処理と同様に実行される。
また、撮影画像に対して、図13に説明した取り込み画像の場合のように合成を行うようにしてもよい。つまり、図26に示されるように、撮影画像261(図26A)をトリミングせずにトリミング前合成用画像220(図26B)と合成し、生成されたトリミング前合成画像453(図26C)に対してトリミング位置情報241に示される位置でトリミングを行い、トリミング後合成画像263(図26D)を生成するようにしてもよい。
このようにすることにより、任意のタイミングでトリミングを行うことができるようになる。例えば、編集時までトリミング前合成画像453を保存し、印刷時にトリミングを行ってトリミング後合成画像263を生成するようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、携帯電話機等の他の装置に編集済み画像を転送させる場合に、トリミング前合成画像453を編集したものを転送することができる。このようにすることにより、転送させる画像のアスペクト比を固定化することができるので、画像転送処理が容易になるだけでなく、例えば、合成画像が表示されていない部分を任意の絵柄で装飾するなどして、写真シールに印刷するのと異なるデザインの画像を転送することができる。これにより、利用者の画像に対する楽しみを増やすことができ、利用者の満足度の向上を期待することができる。
なお、以上においては上下方向のトリミング位置の変化について説明したが、トリミング位置の変化の方向は任意である。例えば、図27に示されるように左右方向であってもよい。図27の例の場合、斜線で示される領域がトリミングにより抽出される領域(トリミング領域)である。
図27Aの場合、トリミング領域502は、横長の撮影画像501の左側に設定される。図27Bの場合、トリミング領域503は、横長の撮影画像501の中央に設定される。図27Cの場合、トリミング領域504は、横長の撮影画像501の右側に設定される。
もちろん、トリミング位置の変化はこの他であっても良く、斜め方向であってもよいし、各方向を組み合わせたものであってもよい。また、以上においては、トリミング位置を3段階で変化させるように説明したが、何段階で変化させるようにしても良い。さらに、トリミング領域のサイズや形状の変化もライブビューモニタ52の表示に反映させても良い。例えば、利用者がトリミング位置(座標、サイズ、形状等)を任意に設定することができるようにしてもよい。
つまり、合成用画像ごとに設定されるトリミングに関する設定であって、利用者の立ち位置に関係する情報であればどのような情報をライブビューモニタ52の表示に反映させてもよい。ライブビューモニタ52に取り込み画像をライブビュー表示させる際に、そのような情報を示すように画像表示を行うことにより、利用者がより容易に撮影作業を行うことができる。
なお、上述したように、トリミング後の合成画像は撮影画像と合成用画像が合成された合成画像のトリミングされた部分画像であり、その合成画像が編集画像や印刷画像となる。したがって、このような合成を行うことにより、カメラ51から離れた位置に立ち撮影を行った場合であっても、利用者は、合成画像の全領域を編集画像とする場合よりも、被写体が大きく写った編集画像を容易に得ることができる。またシール紙に出力された印刷画像においても被写体が大きく写っているため、利用者の写真シールに対する満足度の向上を期待することができる。つまり、写真シール作成装置1は、利用者にとってより価値の高い写真シール(成果物)を利用者に提供することができる。
また、合成用画像は、写真シール作成ゲームをプレイする1組の人数(撮影人数)に応じて用意されるようにしてもよい。つまり、2人用の画像、3人用の画像、4人用の画像、5人以上用の画像のように、撮影人数毎に、その人数に最適な絵柄の合成用画像を用意するようにしてもよい。例えば利用者が撮影人数を申告すると、写真シール作成装置1は、その人数に応じた合成用画像のサンプル画像を利用者に提示する。利用者は、その提示された画像の中から使用する合成用画像を選択する。このようにすることにより、利用者はより容易に撮影人数に応じた合成用画像を利用することができる。
さらに、写真シール作成装置1は、利用者が使用する合成用画像に応じて、明るさを調整するようにしてもよい。例えば、合成用画像毎に明るさ設定が予め決められており、写真シール作成装置1は、利用者が合成用画像を選択すると、その選択された合成用画像に対応する明るさ設定を用いて、撮影時の明るさ調整を行う。このようにすることにより、写真シール作成装置1は、照明効果を合成用画像の内容に合わせた、より効果的な合成画像を利用者に提供することができ、利用者の画像に対する満足度を向上させることができ、収益性を向上させることができる。
なお、明るさ設定を撮影人数に応じて行うようにしてももちろんよい。この場合、撮影人数毎に明るさ設定が予め決められており、例えば撮影時に利用者が撮影人数を申告することにより、写真シール作成装置1は、その撮影人数に応じて明るさ調整を行う。このようにすることにより、写真シール作成装置1は、照明効果を撮影人数に合わせた、より効果的な合成画像を利用者に提供することができ、利用者の画像に対する満足度を向上させることができ、収益性を向上させることができる。
また、以上においては、取り込み画像や撮影画像に背景や前景等の合成用画像を合成するように説明したが、合成用画像を合成せずに単にトリミングするだけでもよい。トリミング位置(トリミング領域の大きさや形状も含む)を変えることにより、利用者の姿勢や視線等を変更することができるので、トリミング位置の種類を多数用意することにより、多様な画像を得ることができる。その場合、ライブビューモニタ52には、トリミング後の取り込み画像が、そのトリミング位置に応じた位置に表示される。
以上のようにして、写真シール作成装置1は、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させることにより、収益性を向上させることができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図9に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア105により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM106や、記憶部102に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙や、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。