<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1〜図18を参照して説明する。
(スロットマシンシステム)
まず、スロットマシンシステムについて図1を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかる封入式のスロットマシンを備えるスロットマシンシステムを示す図である。
図1に示すように、スロットマシンシステムは、封入式のスロットマシン1とメダル貸出ユニット200とを備えている。スロットマシン1では、メダル貸出ユニット200から枚数データの形式で遊技者に貸し出されるメダルが疑似投入されることにより賭け数が設定されて遊技が実行される。
また、本実施の形態では、スロットマシンシステムにおいて、遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データはメダル貸出ユニット200に保持されている。そして、後で詳細に説明するように、スロットマシン1にメダルが疑似投入されて所定枚数分の賭け数が設定されると、メダル貸し出しユニット200に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データから、賭け数である所定枚数分の枚数データが減算される。また、入賞することによりスロットマシン1から遊技者に対して所定の利益として所定の払出枚数のメダルが付与される場合には、本実施の形態では、メダルが払い出される代わりに、メダル貸し出しユニット200に保持される遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データに、所定の払出枚数分の枚数データが加算されることにより、遊技者にメダルが疑似払出される。以下では、まず、メダル貸出ユニット200について詳細に説明した後に、スロットマシン1について詳細に説明する。
(メダル貸出ユニット)
図1に示すように、メダル貸出ユニット200は、遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で遊技者に貸し出すものであり、メダル枚数表示装置210、現金残高表示装置211、メダルカード装置220、現金カード装置230、ユニット制御装置240を備えている。
メダル枚数表示装置210は、ユニット制御装置240において保持されている枚数データに基づいて、遊技に使用可能なメダル枚数を表示するものである。メダル枚数表示装置210は、複数の7セグメントLED(図示省略)により構成されたり、液晶表示器(図示省略)により構成される。
現金残高表示装置211は、メダルを借り受けるためにメダル貸出ユニット200(現金カード装置230)に投入された現金の残高を表示するものである。現金残高表示装置211は、複数の7セグメントLED(図示省略)により構成されたり、液晶表示器(図示省略)により構成される。
メダルカード装置220は、ICカード等により形成されたメダルカード(図示省略)が排出されるものであり、メダルの枚数データをメダルカードに記録するものである。なお、メダルカードにメダルの枚数データを記録する際に、記録される枚数データに基づくメダル枚数を視認することができるようにメダルカードの表面にメダル枚数が表示されるようにしてもよい。
現金カード装置230は、メダル貸出ユニット200からメダルを借り受けるために紙幣等の現金が投入されたり、ICカード等により形成された現金カード(図示省略)が挿入されるものであり、遊技者により投入された現金や現金カードを検出する。また、現金カードは、メダルを借り受けるために現金カード装置230に投入された現金の残高が記録されるものであり、無記録状態の複数の現金カードが予め現金カード装置230に内蔵されている。
そして、遊技を開始するために現金が現金カード装置230に投入されると、無記録状態の複数の現金カードのうちの一枚に、投入された金額が記録されることにより、メダルの貸し出しが可能な状態となる。また、メダルが貸し出されると、貸し出されたメダル枚数分の金額が現金カードに記録された金額から減算される。その後、更に現金が現金カード装置230に投入されると、当該現金カードに投入された金額が加算される。
また現金に代えて、メダルを借り受けるのに使用可能な金額が記録された現金カードが現金カード装置230に挿入されると、メダルの貸し出しが可能な状態となる。また、メダルが貸し出されると、貸し出されたメダル枚数分の金額が現金カードに記録された金額から減算される。その後、更に現金が現金カード装置230に投入されると、当該現金カードに投入された金額が加算される。なお、遊技を終了する際に、現金カードに残金が記録されていれば、当該現金カードが遊技者に返却される。
ユニット制御装置240は、メダル貸出ユニット200全体の制御を行うものであり、現金カード装置230に現金が投入された場合に、もしくは、メダルの借り受けに使用可能な金額が記録された現金カードが挿入された場合に、遊技者にメダルを枚数データの形式で貸し出すものである。また、ユニット制御装置240は、遊技者がスロットマシン1における遊技を終了する場合に、遊技に使用可能なメダル枚数がまだ残っていれば、残っているメダル枚数に関する枚数データをメダルカード装置220に挿入されたメダルカードに記録するものである。ユニット制御装置240は、データ保持手段241、貸出手段242、減算手段243、加算手段244、返却手段245を備えている。
データ保持手段241は、遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データを保持するものである。
貸出手段242は、所定の貸出枚数の枚数データをデータ保持手段241に保持させることにより、遊技者に遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で貸し出すものである。また、貸出手段242により遊技者(スロットマシン1)にメダルが枚数データの形式で貸し出された場合には、所定の貸出枚数分(例えば50枚分)の貸出料金が現金カード装置230に挿入状態の現金カードに記録されている金額から減算される。なお、本実施の形態では、スロットマシン1に搭載されている貸出スイッチ12が操作されることにより(図2参照)、貸出スイッチ用センサ12aの出力がスロットマシン1の中継基板に搭載されているI/Oポート(図示省略)を介してメダル貸出ユニット200に入力された場合に、貸出手段242により遊技者に対してメダルが枚数データの形式で貸し出される。
減算手段243は、スロットマシン1へのメダルの疑似投入枚数分の枚数データをデータ保持手段241から減算するものである。また、加算手段244は、スロットマシン1からのメダルの疑似払出枚数分の枚数データをデータ保持手段241に加算するものである。なお、疑似投入枚数および疑似払出枚数に関する枚数データはスロットマシン1からメダル貸出ユニット200に出力される。
返却手段245は、データ保持手段241に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データをメダルカードに記録することにより、遊技者にメダルを枚数データの形式で返却するものである。また、返却手段245により遊技者にメダルが枚数データの形式で返却された場合には、データ保持手段241に保持されている枚数データが初期化される。なお、本実施の形態では、スロットマシン1に搭載されている返却スイッチ13が操作されることにより(図2参照)、返却スイッチ用センサ13aの出力がスロットマシン1の中継基板に搭載されているI/Oポート(図示省略)を介してメダル貸出ユニット200に入力された場合に、返却手段245により遊技者に対してメダルが枚数データの形式で返却される。また、現金カードに残金が記録されていれば、当該現金カードがメダルカードと一緒に遊技者に返却される。
(スロットマシン)
スロットマシン1の構成の概略について、図1も参照しつつ図2を参照して説明する。図2はスロットマシンの正面図である。
本実施の形態における封入式のスロットマシン1では、ベットスイッチ7(本発明の「操作手段」に相当)または最大ベットスイッチ8(本発明の「操作手段」に相当)の操作により、遊技を開始させるための所定条件を成立させるためにメダルの疑似投入が行われる。また、メダルの疑似投入により所定枚数分の賭け数が設定されて所定条件が成立したことを条件として、遊技者によりスタートスイッチ9が操作されると、各々複数個の図柄が配列された複数の回転リール6L,6M,6Rが回転を開始する。また、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄表示結果が所定の入賞態様であれば、予め定められた所定の払出枚数分のメダルの疑似払出が行われることにより1回の遊技が終了する。
スロットマシン1は、例えば、図2に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、前面が開放された箱型の筐体の前面が前面パネル2により開閉自在に閉塞され、この前面パネル2のほぼ中央高さの位置に操作板3が配設されると共に、この操作板3の上方に正面板4が配設されている。そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられている。また、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右回転リール6L,6M,6Rが配置されている。
左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面には、所定の個数の図柄が所定の配列で設けられている。また、左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数の図柄には、種類が異なる複数種類の図柄が含まれている。なお、各回転リール6L,6M,6Rは、複数種類の図柄が印刷されたリールテープが回転リールの周面に貼り付けられて形成されている。また、各回転リール6L,6M,6Rが回転すると、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ表示窓5に変動表示される。また、各回転リール6L,6M,6Rの回転が停止すると、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれについて、表示窓5の上段、中段および下段のそれぞれに1個ずつの合計3個の図柄が表示されるように設定されている。すなわち、全ての回転リール6L,6M,6Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示される。
また、各回転リール6L,6M,6Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各回転リール6L,6M,6Rには、それぞれステッピングモータにより構成される回転リール用のモータが連結されている。また、各回転リール6L,6M,6Rを支持する支持枠体が筐体内の後壁に固定されて設けられており、各回転リール6L,6M,6Rは支持枠体に支持されて筐体内に配設されている。
また、操作板3には、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、レバー状のスタートスイッチ9、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rが設けられている。ベットスイッチ7は、後述する投入・払出装置100に、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に保持されている枚数データから1枚ずつのメダルの疑似投入を指示するためのものである。最大ベットスイッチ8は、後述する投入・払出装置100に、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に保持されている枚数データから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(規定枚数:3枚に設定されている)のメダルの疑似投入を指示するためのものである。なお、ベットスイッチ7および最大ベットスイッチ8は、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データにより示されるメダル枚数が1枚以上である場合に有効化されるように設定されている。また、最大ベットスイッチ8が操作されたときに、データ保持手段241に保持されている枚数データが示すメダル枚数が規定枚数(例えば3枚)よりも少ない場合には、メダルの貸し出しを遊技者に促す報知を行うようにしてもよいし、規定枚数(例えば3枚)より少ない所定枚数で遊技できるようにしてもよい。
スタートスイッチ9は、各回転リール6L,6M,6Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるものである。左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させるものである。なお、スタートスイッチ9は、後述する投入・払出装置100により所定枚数分のメダルが疑似投入されることにより有効化されるように設定されている。また、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、スタートスイッチ9の操作により回転開始した各回転リール6L,6M,6Rが所定の加速期間が経過して定速回転するようになった後に有効化されるように設定されている。
さらに、操作板3には、精算スイッチ11、貸出スイッチ12、返却スイッチ13が設けられている。精算スイッチ11は、後述する投入・払出装置100に、疑似投入された枚数分のメダルの疑似払出を行わせることによって、メダル貸出ユニット200の加算手段244に、疑似投入された枚数分の枚数データをデータ保持手段241に加算させてメダル貸出ユニット200に戻すことにより、一旦設定された賭け数を初期化するためのものである。貸出スイッチ12は、メダル貸出ユニット200の貸出手段242に、データ保持手段241に所定の貸出枚数分の枚数データを加算させることによって、メダル貸出ユニット200にメダル貸し出しを行わせるためのものである。返却スイッチ13は、メダル貸出ユニットの返却手段245に、データ保持手段241に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データをメダルカード装置220に挿入されたメダルカードに記録させることによって、メダル貸出ユニット200にメダルを枚数データの形式で遊技者に対して返却させるものである。また、返却スイッチ13が操作されたときに、現金カード装置230に挿入された現金カードに残金が記録されていれば、当該現金カードがメダルカードと一緒に遊技者に返却される。
なお、精算スイッチ11は、メダルの疑似投入枚数が1枚以上である場合に有効化されるように設定されている。本実施の形態では、1ゲーム(1回の遊技)に必要な賭け数(所定枚数)は、1枚、2枚、3枚の3種類が設定されている。また、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれにより複数種類の図柄を可変表示する可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ10L,10M,10Rは、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行うための液晶表示器14が設けられている。液晶表示器14は液晶ディスプレイ(LCD)の駆動回路が設けられた液晶制御基板14a(図3参照)を備え、液晶制御基板14aにより駆動されることによって液晶表示器14に種々の映像が表示される。
また、液晶表示器14の紙面に向って左側に隣接して、投入・払出装置100が配設されている。なお、投入・払出装置100の構成については後で詳細に説明する。
また、正面板4の上方の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための上部スピーカ15が設けられている。また、操作板3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための下部スピーカ16が設けられている。
また、前面パネル2の上側の周縁部分に上部ランプ部21が設けられ、前面パネル2の下部パネル18の左右に下部ランプ部22が設けられている。各ランプ部21,22それぞれは、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などの発光手段を備え、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
(スロットマシンの電気的な構成の概略)
スロットマシン1の電気的な構成の概略について、図1および図2も参照しつつ図3を参照して説明する。図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、各ストップスイッチ10L,10M,10R、精算スイッチ11、貸出スイッチ12、返却スイッチ13それぞれは、ボタン状の操作部と、操作部の内部に配置され遊技者による操作部の操作に伴い移動する検知片を検出するセンサとを備えている。すなわち、ベットスイッチ7はベットスイッチ用センサ7aを備え、最大ベットスイッチ8は最大ベットスイッチ用センサ8aを備え、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rそれぞれは左・中・右ストップスイッチ用センサ10La,10Ma,10Raを備えている。また、精算スイッチ11は精算スイッチ用センサ11aを備え、貸出スイッチ12は貸出スイッチ用センサ12aを備え、返却スイッチ13は返却スイッチ用センサ13aを備えている。
また、ボタン状の操作部は、遊技者により操作されていない状態ではセンサが検知片を検知しないように、遊技者による操作部の押圧方向とは反対の方向に常時ばねで付勢されている。そして、ボタン状の操作部を備える「ベットスイッチ」等の各ボタン状スイッチの操作部が遊技者により押し込まれると、「ベットスイッチ」等の各ボタン状スイッチに対する操作状態が押圧状態となる。また、遊技者による操作部の押し込みに伴い検知片が移動し、移動した検知片がセンサにより検知される。その後、遊技者が手を離すことにより「ベットスイッチ」等の各ボタン状スイッチに対する押圧状態が解除されると、ばねの付勢力によってボタン状の操作部が初期位置に復帰移動することにより、検知片がセンサにより検知されなくなるので、センサによる検知片の検知状態が解除される。
スタートスイッチ9は、レバー状の操作部と、遊技者による操作部の操作に伴い移動する検知片を検出するスタートスイッチ用センサ9aとを備えている。スタートスイッチ9は、遊技者によるレバー状の操作部に対する操作状態と、スタートスイッチ用センサ9aによる検知片の検知状態との関係を除いて、上記した「ベットスイッチ」等のボタン状スイッチとほぼ同様の構成を備えている。
すなわち、本実施の形態では、遊技者によりスタートスイッチ9のレバー状の操作部が下方に押し込まれると、スタートスイッチ9に対する操作状態が押圧状態となる。そして、遊技者によるレバー状の操作部の押し込みに伴い検知片が移動し、移動した検知片がスタートスイッチ用センサ9aにより検知されなくなって、スタートスイッチ用センサ9aによる検知片の検知状態が解除される。その後、遊技者が手を離すことによりスタートスイッチ9に対する押圧状態が解除されると、ばねの付勢力によってレバー状の操作部が初期位置に復帰移動することにより、検知片がスタートスイッチ用センサ9aにより検知される。
なお、各センサと検知片との関係は、上記した例に限定されるものではない。すなわち、各センサと検知片との関係は、各スイッチが備える操作部が遊技者により操作されると、操作部が初期位置にあるときとセンサによる検知片の検知状態が異なる状態になる関係であればよい。このようにすると、各スイッチの操作部が遊技者により操作されたことを検知ことができる。したがって、センサと検知片との関係は適宜変更可能である。
また、このスロットマシン1では、少なくとも遊技の進行に関する制御を行うメインCPU31が実装されたメイン制御基板32と、メイン制御基板32から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU41が実装されたサブ制御基板42とが別々に設けられており、メイン制御基板32からサブ制御基板42に対して各種のデータがコマンド形式で一方通行で送信される。
メイン制御基板32のRAM33はスロットマシン1の遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、疑似投入枚数および疑似払出枚数に関する枚数データなどの各種のデータを格納するための各種の記憶領域がRAM33に形成される。また、メイン制御基板32のROM34は各種のデータを予め記憶するものであり、抽選テーブルなどの予め設定されたデータを含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)が格納されている。したがって、ROM34に格納された遊技機用プログラムがCPU31により実行されることにより、メイン制御基板32において各種の機能が実現される。
また、メイン制御基板32のメインCPU31は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM34に格納された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU31は、後述する抽選手段60(図1参照)による役抽選処理における抽選結果に関するデータ、各ベットスイッチ7,8等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータ、などのメイン制御基板32における遊技の進行状況やスイッチ、センサの作動状況に関する情報を示す種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板42のサブCPU41に送信する。
また、本実施の形態では、後述する投入・払出装置100が駆動することによりスロットマシン1に疑似投入されたメダルの枚数に関する枚数データやスロットマシン1から疑似払出されたメダルの枚数に関する枚数データが、メイン制御基板32からI/Oポート(図示省略)を介してメダル貸出ユニット200に出力される。そして、メダル貸出ユニット200において、メイン制御基板32から出力された疑似投入枚数に関する枚数データに基づいて減算手段243によりデータ保持手段241から疑似投入枚数分の枚数データが減算され、メイン制御基板32から出力された疑似払出枚数に関する枚数データに基づいて加算手段244によりデータ保持手段241に疑似払出枚数分の枚数データが加算される。
なお、約1.8ミリ秒ごとにメインCPU31において実行されるタイマ割込処理のタイミングで、種々のデータがコマンド形式でメイン制御基板32からI/Oポートを介してサブ制御基板42およびメダル貸出ユニット200に送信される。また、本実施の形態では、貸出スイッチ用センサ12aおよび返却スイッチ用センサ13aの出力がメイン制御基板32を介さずにメダル貸出ユニット200に出力されている。しかしながら、貸出スイッチ用センサ12aおよび返却スイッチ用センサ13aの出力が、一旦、メイン制御基板32に入力された後に、メイン制御基板32からI/Oポートを介して貸出スイッチ12および払出スイッチ13の操作に関するデータがメダル貸出ユニット200に送信されるようにしてもよい。
サブ制御基板42のRAM43は、各種データを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域がRAM43に形成される。また、サブ制御基板42のROM44には、演出用の各種データや各種プログラムなどが格納されている。また、サブ制御基板42のサブCPU41は、タイマ割込などの割込機能を有し、メインCPU31から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(抽選手段60による役抽選処理における抽選結果、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてROM44に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対して実行される遊技に関連する演出の内容を決定する。
また、サブ制御基板42が有するI/Oポートを介して、液晶表示器14(液晶制御基板14a)や各スピーカ15,16、各ランプ部21,22などの各種の演出機器がサブ制御基板42に接続されている。そして、サブCPU41において決定された演出の内容に基づく制御信号(演出コマンド)が各演出機器に対して出力される。そして、サブ制御基板42から出力された演出コマンドに応じて、サブCPU41において決定された内容に基づく演出が各演出機器において実行される。
なお、約1.2ミリ秒ごとにサブCPU41において実行されるタイマ割込処理のタイミングで、サブCPU41において決定された内容に基づいてサブ制御基板42の出力バッファに設定されている演出コマンドがサブ制御基板42からI/Oポートを介して各演出機器に対して出力される。
(投入・払出装置)
投入・払出装置100の構成について、図1および図2も参照しつつ図4〜図7を参照して説明する。図4は投入・払出装置の正面図、図5は投入・払出装置の左側面図、図6は投入・払出装置の斜視図である。また、図7は投入・払出装置が備える投入ディスクおよび払出ディスクの動作を説明するための図であって、(a)は投入ディスクおよび払出ディスクの左側面図、(b)は投入ディスクおよび払出ディスクの正面図である。なお、図6では正面板101が図示省略されている。
投入・払出装置100は、スロットマシン1へのメダルの疑似投入と、スロットマシン1からのメダルの疑似払出を行うための装置である。図2に示すように、投入・払出装置100は、図4の正面図に示す正面板101がスロットマシン1の正面側から遊技者が視認できるように前面パネル2の液晶表示器14の左側に配設されている。また、投入・払出装置100は、円盤状の投入ディスク110(本発明の「疑似投入用メダル保持体」に相当)および払出ディスク120(本発明の「疑似払出用メダル保持体」に相当)を備えている。また、正面板101には、投入ディスク110および払出ディスク120それぞれの一部を遊技者が視認できるように、疑似投入メダル視認用窓102および疑似払出メダル視認用窓103が形成されている。
投入ディスク110は、円盤状の中心に透設された貫通孔111を有し、貫通孔111には回転軸112の一端が嵌挿されて、投入ディスク110は、回転軸112を回転中心として回転自在に配設されている。また、投入ディスク110の正面側の表面には、回転軸112を中心とする円周上の3か所に等間隔に凹部113が設けられている。そして、各凹部113内のそれぞれに第1の封入メダルM1が配置されることにより、3枚の第1の封入メダルM1が、それぞれ、取り出しができないように各凹部113内に封入された状態で投入ディスク110に保持されている。したがって、図7(b)に示すように、投入ディスク110が回転軸112を回転中心として反時計方向に回転することにより、投入ディスク110の各凹部113内に保持された各第1の封入メダルM1が円周状に設定された所定経路を通るように移動する。
また、投入ディスク110が反時計方向に回転することにより、円周状に設定された所定経路を通るように移動する第1の封入メダルM1は、図7(b)中に斜線で示す疑似投入メダル視認用窓102の位置を通過することにより遊技者に視認される。なお、本実施の形態では、第1の封入メダルM1が投入ディスク110上に所定間隔を開けて等間隔に配置されているので、投入ディスク110が反時計方向に回転することにより、疑似投入メダル視認用窓102を通る各第1の封入メダルM1は間欠的に遊技者により視認される。したがって、本実施の形態では、後述するように、疑似投入メダル視認用窓102を通過した第1の封入メダルM1がスロットマシン1に疑似投入されるが、各第1の封入メダルM1のうち、疑似投入される第1の封入メダルM1のみが疑似投入メダル視認用窓102において遊技者により視認される。
また、疑似投入メダル視認用窓102を通過した直後の検出位置P1(疑似投入用メダル通路)を通過する第1の封入メダルM1を検出するための検知用ディスク114および投入センサ115が配設されている。
円盤状の検知用ディスク114は、投入ディスク110の裏面側の回転軸112に、投入ディスク110と一緒に同軸で回転するように固定配置されている。また、図6に示すように、検知用ディスク114には、回転軸112を中心とする円周上の3か所に等間隔で透孔114aが透設されている。なお、各透孔114aそれぞれは、投入ディスク110上での3枚の第1の封入メダルM1の配置位置に平面視で対応する位置に配置されている。
投入センサ115は、発光部および検出部を有し、発光部と検出部との間に検知用ディスク114が配置されるように配設されることにより、通常状態では、発光部の光が検知用ディスク114により遮断されて検出部に届かないようになっている。そして、投入ディスク110が反時計方向に回転することにより検知用ディスク114が一緒に反時計方向に回転することによって、検知用ディスク114に設けられた各透孔114aのうちのいずれかが投入センサ115の位置を通過すると、検知用ディスク114により遮断されていた発光部の光が透孔114aを通ることにより検出部により検出される。したがって、透孔114aが発光部と検出部との間を通過したことが検出部により検出される。
本実施の形態では、投入ディスク110に保持された各第1の封入メダルM1のそれぞれが検出位置P1を通過するタイミングで、検知用ディスク114の各透孔114aのうちのいずれかが投入センサ115の位置を通過するように、各透孔114aの検知用ディスク114上での配置位置および投入センサ115の配置位置が設定されている。したがって、検出位置P1を通過する第1の封入メダルM1を、検知用ディスク114を介して投入センサ115により検出することができる。そして、検出位置P1を通過する第1の封入メダルM1が投入センサ115により検出されると、投入センサ115の検出部から疑似投入メダル検出信号がメイン制御基板32に対して出力される。以上のように、検知用ディスク114および投入センサ115が本発明の「疑似投入用メダル検出部」として機能している。
払出ディスク120は、円盤状の中心に透設された貫通孔121を有し、貫通孔121には回転軸122の一端が嵌挿されて、投入ディスク110は、回転軸122を回転中心として回転自在に配設されている。また、払出ディスク120の正面側の表面には、回転軸122を中心とする円周上の6か所に等間隔に凹部123が設けられている。そして、各凹部123内のそれぞれに第2の封入メダルM2が配置されることにより、6枚の第2の封入メダルM2が、それぞれ、取り出しができないように各凹部123内に封入された状態で払出ディスク120に保持されている。したがって、図7(b)に示すように、払出ディスク120が回転軸122を回転中心として時計方向に回転することにより、払出ディスク120の各凹部123内に保持された各第2の封入メダルM2が円周状に設定された所定経路を通るように移動する。
また、払出ディスク120が時計方向に回転することにより、円周状に設定された所定経路を通るように移動する第2の封入メダルM2は、図7(b)中に斜線で示す疑似払出メダル視認用窓103の位置を通過することにより遊技者に視認される。なお、本実施の形態では、第2の封入メダルM2が払出ディスク110上に連続的にほぼ密着配置されているので、払出ディスク120が時計方向に回転することにより、疑似払出メダル視認用窓103を通る各第2の封入メダルM2は連続的に遊技者により視認される。
また、疑似払出メダル視認用窓103を通過した直後の検出位置P2(疑似払出用メダル通路)を通過する第2の封入メダルM2を検出するための検知用ディスク124および払出センサ125が配設されている。
円盤状の検知用ディスク124は、検知用ディスク114と同様に、払出ディスク120の裏面側の回転軸122に、払出ディスク120と一緒に同軸で回転するように固定配置されている。また、図6に示すように、検知用ディスク124には、回転軸122を中心とする円周上の6か所に等間隔で透孔124aが透設されている。なお、各透孔124aそれぞれは、払出ディスク120上での6枚の第2の封入メダルM2の配置位置に平面視で対応する位置に配置されている。
払出センサ125は、投入センサ115と同様に、発光部および検出部を有し、発光部と検出部との間に検知用ディスク124が配置されるように配設されることにより、通常状態では、発光部の光が検知用ディスク124により遮断されて検出部に届かないようになっている。そして、払出ディスク120が時計方向に回転することにより検知用ディスク124が一緒に時計方向に回転することによって、検知用ディスク124に設けられた各透孔124aのうちのいずれかが払出センサ125の位置を通過すると、検知用ディスク124により遮断されていた発光部の光が透孔124aを通ることにより検出部により検出される。したがって、透孔124aが発光部と検出部との間を通過したことが検出部により検出される。
本実施の形態では、払出ディスク120に保持された各第2の封入メダルM2のそれぞれが検出位置P2を通過するタイミングで、検知用ディスク124の各透孔124aのうちのいずれかが払出センサ125の位置を通過するように、各透孔124aの検知用ディスク124上での配置位置および払出センサ125の配置位置が設定されている。したがって、検出位置P2を通過する第2の封入メダルM2を、検知用ディスク124を介して払出センサ125により検出することができる。そして、検出位置P2を通過する第2の封入メダルM2が払出センサ125により検出されると、払出センサ125の検出部から疑似払出メダル検出信号がメイン制御基板32に対して出力される。以上のように、検知用ディスク124および払出センサ125が本発明の「疑似払出用メダル検出部」として機能している。
また、投入・払出装置100の省スペース化およびコンパクト化を図るために、図5および図6に示すように、各回転軸112,122をできる限り近接配置することができるように、投入ディスク110および払出ディスク120の円盤部分が重ねて配置されている。なお、本実施の形態では、払出ディスク120が投入ディスク110よりも前方側(図2の紙面に向って手前側)にずらして配置されているが、投入ディスク100が払出ディスク120よりも前方側にずらして配置されていてもよい。
また、図5および図6に示すように、回転軸112の他端には、その回転中心が回転軸112と同軸となるようにギア116がクラッチ機構(図示省略)を介して連結され、回転軸122の他端には、その回転中心が回転軸122と同軸となるようにギア126がクラッチ機構(図示省略)を介して連結されている。また、ギア116を回転軸112の他端に連結するクラッチ機構は、ギア116の反時計方向への回転力のみを回転軸112に伝達するように構成されている。また、ギア126を回転軸122に連結するクラッチ機構は、ギア126の時計方向への回転力のみを回転軸122に伝達するように構成されている。
また、図5に示すように、側面視において各回転軸112,122間のほぼ中央位置にステッピングモータ等のモータを備える駆動部130が設けられている。そして、駆動部130は、モータの回転軸131の先端に設けられたピニオン132がギア116,126の両方に回転力を伝達するように配設されている。したがって、図7(b)に示すように、駆動部130のモータが回転駆動されて回転軸131が紙面の反時計方向に回転すると、ギア116を反時計方向に回転する回転力のみが回転軸112に伝達されるので、投入ディスク110のみが反時計方向に回転する。その一方で、図7(b)に示すように、駆動部130のモータが逆方向に回転駆動されて回転軸131が紙面の時計方向に回転すると、ギア126を時計方向に回転する回転力のみが回転軸122に伝達されるので、払出ディスク120のみが時計方向に回転する。
なお、本実施の形態では、投入センサ115および払出センサ125それぞれは、透孔114a,124aを通過した発光部の光が検出部により検出されることによって、各封入メダルM1,M2それぞれが所定の検出位置P1,P2を通過したことを検出する。しかしながら、投入センサ115および払出センサ125は上記した構成に限定されるものではなく、検出部により検出されている発光部の光が検知片により遮断されることによって、各封入メダルM1,M2それぞれが所定の検出位置P1,P2を通過したことが検出されるようにしてもよい。この場合には、例えば、各検知用ディスク114,124のそれぞれに、各センサ115,125の発光部からの光が照射される位置に沿って円周状の長孔が形成されると共に、上記各透孔114a,124aの位置において、各検知用ディスク114,124それぞれの長孔の内側の部分と外側の部分とが橋絡されるように、透孔に代えて検知片が設けられているとよい。
このようにすると、通常状態では、発光部の光が各検知用ディスク114,124に円周状に形成された長孔を通過して検出部により検出されるようになっている。そして、投入ディスク110および払出ディスク120の回転に伴い、各検知用ディスク114,124が一緒に回転することによって、各検知用ディスク114,124に設けられた円周状の長孔内に配置された検知片のいずれかが、発光部と検出部との間を通過すると、発光部の光が検知片により遮断されるので、各封入メダルM1,M2のいずれかが所定の検出位置P1,P2を通過したことを検出することができる。
また、投入ディスク110および払出ディスク120が互いに異なる方向に回転するように構成されている。したがって、疑似投入メダル視認用窓102を通過する第1の封入メダルM1の移動方向と、疑似払出メダル視認用窓103を通過する第2の封入メダルM2の移動方向とを確認することにより、遊技者は、疑似投入が行われているのか、疑似払出が行われているのかを、より明確に認識することができる。
また、各封入メダルM1,M2が、それぞれ、各凹部113,123内に配置されている。したがって、従来のスロットマシンにおいて使用されるメダルのように、各封入メダルM1,M2が斜面を転がるように回転したりしないので、静電気や摩耗粉に起因する各封入メダルM1,M2の汚れを防止することができる。
また、投入ディスク110および払出ディスク120をそれぞれ異なる方向に回転させることが、駆動部130が備える1個のモータの回転力をいずれか一方のディスクのみに伝達することにより実現されている。したがって、投入ディスク110および払出ディスク120の両方を1個のモータで駆動することができるので、投入・払出装置100の省スペース化および低コスト化を図ることができる。
また、投入・払出装置100はメイン制御基板32の投入制御手段140および払出制御手段150により駆動制御される。投入制御手段140および払出制御手段150については次の項目において詳細に説明する。
(メイン制御基板の機能)
メイン制御基板32の機能について図2、図3および図7(b)も参照しつつ図1を参照して説明する。
(1)遊技制御手段50
遊技制御手段50は、封入式のスロットマシン1において実行される遊技を制御するためのものである。このスロットマシン1の遊技では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されてメダルの疑似投入の指示があると、投入・払出装置100による疑似投入が行われて賭け数が設定される。そして、所定枚数の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、まず、当選か否かを決定する抽選手段60による乱数抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が開始する。
その後に、3個のストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの1個が操作されると、当該操作されたストップスイッチに対応した回転リール6L,6M,6Rのうちのいずれかの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作が終了すると、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、投入・払出装置100による遊技者に対する所定枚数のメダルの疑似払出、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に保持された遊技者所有のメダル枚数に関する枚数データの減算を行うことなく次回の遊技を実行可能なリプレイ、などの所定の利益が遊技者に対して付与される。
(2)投入制御手段140
投入制御手段140は、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、投入・払出装置100にスロットマシン1へのメダルの疑似投入を許容し、所定枚数のメダルの疑似投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。また、投入制御手段140は、スロットマシン1に疑似投入されたメダル枚数分の枚数データに関する情報をメダル貸出ユニット200に送信する。メダル貸出ユニット200では、投入制御手段140から疑似投入枚数に関する枚数データが受信されると、データ保持手段241から疑似投入枚数分の枚数データが減算手段243により減算される。投入制御手段140は以下の機能を備えている。
(2−1)疑似投入用作動制御部141
疑似投入用作動制御部141は、ベットスイッチ用センサ7aまたは最大ベットスイッチ用センサ8aからの信号がメイン制御基板32に入力されると、投入・払出装置100の駆動部130のモータを反時計方向に回転駆動することにより投入ディスク110を作動し、投入ディスク110を反時計方向に回転させる(図7(b)参照)。
(2−2)投入メダル計数部142
投入メダル計数部142は、投入ディスク110が保持する各第1の封入メダルM1が検出位置P1を通過することにより投入センサ115から出力される疑似投入メダル検出信号の出力回数に基づいて、検出位置P1を各第1の封入メダルM1が通過した回数を、スロットマシン1へのメダルの疑似投入枚数として、所定条件が成立する、すなわち、所定枚数分の賭け数が設定されるまで計数する。なお、投入メダル計数部142により計数された疑似投入枚数が、スロットマシン1の遊技を行うための賭け数として設定される。
また、本実施の形態では、投入メダル計数部142により疑似投入されたメダルの枚数が計数される毎に、すなわち、疑似投入メダル検出信号が投入センサ115から出力される毎に、1枚のメダルが疑似投入されたという情報が投入制御手段140からメダル貸出ユニット200に対して送信される。したがって、投入ディスク110が保持する各第1の封入メダルM1が検出位置P1を通過することにより投入センサ115から疑似投入メダル検出信号が出力される毎に、スロットマシン1において賭け数が加算されると共に、メダル貸出ユニット200においてデータ保持手段241から1枚分の枚数データが減算手段243により減算される。
また、疑似投入用作動制御部141は、投入メダル計数部142により計数された疑似投入枚数が、各ベットスイッチ7,8に設定されている疑似投入枚数(ベットスイッチ7では1枚、最大ベットスイッチ8では3枚)に達するか、データ保持手段241の枚数データが0枚になると、投入・払出装置100の駆動部130のモータの回転を停止させることにより、投入ディスク110の回転を停止させる。
以上のように、投入・払出装置100および投入制御手段140が本発明の「疑似投入手段」として機能している。
(3)抽選手段60
抽選手段60は、本実施の形態では、スタートスイッチ9の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選かまたはハズレかの抽選を行うためのものである。また、抽選手段60は、乱数発生手段、乱数抽出手段、抽選テーブル、および抽選判定手段を備えている。乱数発生手段は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(本実施の形態では、例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものである。この乱数発生手段は、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を抽出するもので、乱数発生手段が発生させた乱数をスタートスイッチ9の操作を契機として抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ9が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものである。抽選判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数と、抽選テーブルとを照合して、抽出された乱数が、複数の抽選結果のいずれに該当するかを判定するものである。
(4)停止制御手段70
停止制御手段70は、遊技者によるストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作態様と抽選手段60の抽選結果とに基づき、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行うものである。本実施の形態では、抽選手段60による抽選結果が複数の役のいずれかへの当選であった場合に、停止制御手段70は、遊技者がストップスイッチ10L,10M,10Rを操作したタイミングが適切であれば、後述の判定手段80により当選した役に入賞したと判定されるように、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行う。なお、ストップスイッチ10L,10M,10Rの遊技者による操作態様としては、前述の操作タイミングに限らず、いずれのストップスイッチ10L,10M,10Rを最初に操作したか等の操作順序であってもよい。また、当選役の種類によっては、ストップスイッチ10L,10M,10Rが遊技者によりどのようなタイミングで操作されても、当該当選役に対応した入賞態様で停止図柄が表示されるように、各回転リール6L,6M,6R上での各図柄の配置位置が設定されている。
(5)判定手段80
判定手段80は、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により全ての回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄の表示態様を判定するものである。本実施の形態では、各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかが判定手段80により判定される。なお、入賞と判定される表示態様は、当選役毎に異なる表示態様が予め定められている。
(6)払出制御手段150
払出制御手段150は、判定手段80により停止図柄表示結果が所定の入賞と判定された場合、もしくは、精算スイッチ11が操作された場合に、投入・払出装置100にスロットマシン1からのメダルの疑似払出を許容し、所定の払出枚数のメダルの疑似払出を行うものである。また、払出制御手段150は、スロットマシン1から疑似払出されたメダル枚数分の枚数データに関する情報をメダル貸出ユニット200に送信する。メダル貸出ユニット200では、払出制御手段150から疑似払出枚数に関する枚数データが受信されると、データ保持手段241に疑似払出枚数分の枚数データが加算手段244により加算される。払出制御手段150は以下の機能を備えている。
(6−1)疑似払出用作動制御部151
疑似払出用作動制御部151は、判定手段80により停止図柄表示結果が所定の入賞と判定されるか、もしくは、精算スイッチ用センサ11aからの信号がメイン制御基板32に入力されると、投入・払出装置100の駆動部130のモータを時計方向に回転駆動することにより払出ディスク120を作動し、払出ディスク120を時計方向に回転させる(図7(b)参照)。
(6−2)払出メダル計数部152
払出メダル計数部152は、払出ディスク120が保持する各第2の封入メダルM2が検出位置P2を通過することにより払出センサ125から出力される疑似払出メダル検出信号の出力回数に基づいて、検出位置P2を各第2の封入メダルM2が通過した回数を、スロットマシン1からのメダルの疑似払出枚数として、所定の払出枚数に達するまで計数する。なお、所定の払出枚数として、判定手段80により入賞と判定された場合には、入賞の種類に応じて予め設定されている入賞枚数が設定され、精算スイッチ11が操作された場合には、投入メダル計数部142により計数されることにより賭け数として設定されている枚数が設定される。
また、本実施の形態では、払出メダル計数部152により疑似払出されたメダルの枚数が計数される毎に、すなわち、疑似払出メダル検出信号が払出センサ125から出力される毎に、1枚のメダルが疑似払出されたという情報が払出制御手段150からメダル貸出ユニット200に対して送信される。したがって、払出ディスク120が保持する各第2の封入メダルM2が検出位置P2を通過することにより払出センサ125から疑似払出メダル検出信号が出力される毎に、メダル貸出ユニット200においてデータ保持手段241に1枚分の枚数データが加算手段244により加算される。
また、疑似払出用作動制御部151は、払出メダル計数部152により計数された疑似払出枚数が、所定の払出枚数(入賞では入賞の種類に応じた払出枚数、精算スイッチ11では賭け数)に達すれば、投入・払出装置100の駆動部130のモータの回転を停止させることにより、払出ディスク120の回転を停止させる。
以上のように、投入・払出装置100および払出制御手段150が本発明の「疑似払出手段」として機能している。
(変形例)
投入・払出装置100の変形例について説明する。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明を行い、上記した第1実施形態と同様の構成および動作については、同一符号を付すことによりその説明は省略する。
1.変形例(1)
図8は投入・払出装置の変形例(1)における投入ディスクおよび払出ディスクの動作を説明するための図であって、(a)は投入ディスクおよび払出ディスクの左側面図、(b)は投入ディスクおよび払出ディスクの正面図である。
図8に示す変形例(1)では、図8(b)において斜線で示された位置に配置されている疑似投入メダル視認用窓102および疑似払出メダル視認用窓103は、それぞれ、ハーフミラー(図示省略)により閉塞されている。また、疑似投入メダル視認用窓102付近において、投入ディスク110に隣接して発光手段117が配設され、疑似払出メダル視認用窓103付近において、払出ディスク120に隣接して発光手段127が配設されている。なお、各発光手段117,127は、それぞれ、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などを備えている。
この変形例(1)では、疑似投入が行われているときには、発光手段117のみが点灯する。このようにすると、ハーフミラーにより閉塞された疑似投入メダル視認用窓102を通過する第1の封入メダルM1のみをハーフミラーを介して視認することができる。また、疑似払出が行われているときには、発光手段127のみが点灯する。このようにすると、ハーフミラーにより閉塞された疑似払出メダル視認用窓103を通過する第2の封入メダルM2のみをハーフミラーを介して視認することができる。
また、投入ディスク110および払出ディスク120が同じ方向に回転したり、同時に一緒に回転しても、発光手段117,127の点灯および消灯のタイミングを制御することにより、疑似投入メダル視認用窓102および疑似払出メダル視認用窓103のいずれか一方をより強調して遊技者に視認させることができる。したがって、上記した図7(b)に示す投入・払出装置100のように、投入ディスク110および払出ディスク120を互いに異なる方向に回転させる機構を省略することにより、投入・払出装置100のさらなる簡素化および低コスト化を図ることができる。
また、各発光手段117,127の発光色を変化させることにより、遊技者の興趣を高める演出を行うこともできる。
2.変形例(2)
図9は投入・払出装置の変形例(2)における投入ディスクの動作を説明するための図である。
図9に示す変形例(2)では、第1の封入メダルM1が疑似投入メダル視認用窓102(同図中のT1で示す範囲)を通過するときの投入ディスク110の回転速度よりも、第1の封入メダルM1を視認することができない同図中のT2で示す範囲が疑似投入メダル視認用窓102を通過するときの投入ディスク110の回転速度が速くなるように、駆動部130が疑似投入用作動制御部141により制御される。このようにすると、投入ディスク110の回転速度を適切に変化させることにより、メダルの疑似投入が連続して行われる際に、疑似投入メダル視認用窓102を通過する第1の封入メダルM1の自然な流れを演出することができる。したがって、連続してメダルの疑似投入が行われる際に、疑似投入メダル視認用窓102において遊技者に視認される第1の封入メダルM1の動きの違和感を低減することができる。
なお、本実施の形態では、メダルが連続して疑似払出される際の払出ディスク120の回転速度は等速度に維持されているが、投入ディスク110と同様にして、所定のタイミングで払出ディスク120の回転速度を変化させてもよい。例えば、払出ディスク120の回転開始時と回転停止時において、払出ディスク120の回転速度を微妙に変化させることによって、疑似払出メダル視認用窓103において遊技者により視認される第2の封入メダルM2の動作の質感を演出することができる。
(動作)
次に、本実施の形態における動作の一例について図10を参照しつつ説明する。図10はスロットマシンにおいて遊技が行われる際の各部の状態を示す状態遷移図である。
また、以下で説明する動作は、上記した種々の機能および手段と、説明は省略したが、メイン制御基板32のメインCPU31およびメダル貸出ユニット200のユニット制御装置240のCPUが種々のプログラムを実行することにより実現されるその他の機能とにより実行される処理である。また、以下の処理で実行される各種のフラグをON(オン)またはOFF(オフ)に設定したり、各種のフラグに値を設定したり、カウンタの値を更新する処理については、周知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
1.貸出・返却処理
図11および図12を参照して貸出・返却処理について説明する。図11および図12は貸出・返却処理を示すフローチャートであって、図12は図11に続くフローチャートである。なお、貸出・返却処理はメダル貸出ユニット200において繰り返し実行される処理である。
また、貸出・返却処理が実行されているときに、スロットマシン1の貸出スイッチ12が操作されると、スロットマシン1における遊技に使用可能なメダルが枚数データの形式で遊技者に貸し出される。また、貸出・返却処理が実行されているときに、スロットマシン1の返却スイッチ13が操作されると、データ保持手段241に保持されている、スロットマシン1における遊技に使用可能なメダルの枚数データがメダルカードに記録されることにより、メダルが枚数データの形式で遊技者に返却される。また、返却スイッチ13が操作されたときに、現金カード装置230に挿入された現金カードに残金が記録されていれば、当該現金カードがメダルカードと一緒に遊技者に返却される。
貸出・返却処理では、まず、現金カード装置230に現金が投入されたか否か、もしくは、現金カードが挿入されたか否かが判定され(ステップS1)、現金が投入されるか、もしくは、現金カードが挿入されるまで待機する(ステップS1でNO)。現金カード装置230に現金が投入されるか、もしくは、現金カードが挿入されると(ステップS1でYES)、現金が投入されたか否かが判定される(ステップS2)。現金カード装置230に現金(例えばA円)が投入されると(ステップS2でYES)、現金カード装置230に投入された現金の残高(A円)が現金カード装置230内の現金カードに記録される(ステップS3)。ステップS3において現金カードに残高が記録された後、もしくは、ステップS2でNO(現金カード装置230への現金カードの挿入)であれば、現金カード装置230に挿入状態の現金カードに記録されている残高が0円であるか否かが判定される(ステップS4)。現金カードの残高が0円でないと判定されれば(ステップS4でNO)、貸出スイッチ12および返却スイッチ13の操作が有効化される(ステップS5)。
続いて、スロットマシン1の貸出スイッチ12が操作されたか否かが判定されて(ステップS6)、貸出スイッチ12が操作されていれば(ステップS6でYES)、現金カード装置230において、所定の貸出枚数(例えば50枚)分のメダルの貸出料金(例えばB円)が徴収される(ステップS7)。そして、データ保持手段241(仮想下皿)に所定の貸出枚数分の枚数データが貸出手段242により加算されることによって、遊技者にメダルが枚数データの形式で貸し出されて(ステップS8)、ステップS4からの処理が繰り返し実行される。
一方、ステップS6において、貸出スイッチ12が操作されていないか(ステップS6でNO)、もしくは、ステップS4でYES(現金カードの残高が0円)であれば、スロットマシン1の返却スイッチ13が操作されたか否かが判定される(ステップS9)。このとき、現金カードの残高が0円であれば、貸出スイッチ12の操作が無効化される。返却スイッチ13が操作されていなければ(ステップS9でNO)、現金カード装置230に現金が投入されたか否かが判定されて(ステップS10)、現金が投入されていなければ(ステップS10でNO)、ステップS4からの処理が繰り返し実行される。また、現金が投入されていれば(ステップS10でYES)、現金カードの残高に投入された金額が加算されて(ステップS11)、ステップS4からの処理が繰り返し実行される。
また、返却スイッチ13が操作されたと判定されれば(ステップS9でYES)、データ保持手段214に保持されている遊技に使用可能な枚数データが0枚であるか否かが判定される(ステップS12)。データ保持手段241に保持されている遊技に使用可能なメダルの枚数データが0枚でなければ(ステップS12でNO)、データ保持手段241に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データが、返却手段245により、メダルカード装置220に挿入されたメダルカードに記録されることによって、メダルが枚数データの形式で遊技者に対して返却される(ステップS13)。そして、メダルカード装置220に挿入されたメダルカードが返却される(ステップS14)。なお、この際、データ保持手段241に保持されている枚数データが初期化される。
そして、ステップS14においてメダルカードが返却された後、もしくは、ステップS12でYES(データ保持手段241に保持されている遊技に使用可能なメダルの枚数データが0枚)であれば、続いて、現金カード装置230に挿入されている現金カードの残高が0円であるか否かが判定される(ステップS15)。現金カードの残高が0円でなければ(ステップS15でNO)、現金カード装置230から残金が記録された現金カードが遊技者に対して返却される(ステップS16)。そして、ステップS16において現金カードが遊技者に対して返却された後、もしくは、ステップS15でYES(現金カードの残高が0円)であれば、ステップS17に進み貸出スイッチ12および返却スイッチ13の操作が無効化され、ステップS1に戻って、再度、現金が投入されるか、現金カードが挿入されるまで待機する(ステップS1でNO)。
なお、遊技者は、ステップS16において返却された残金が記録された現金カードを再度現金カード装置230に挿入することにより、現金カードに記録された残金に応じた枚数のメダルを借り受けることができる。
2.メイン制御処理
図13および図14を参照してメイン制御処理について説明する。図13および図14はメイン制御処理を示すフローチャートであって、図14は図13に続くフローチャートである。なお、メイン制御処理はメイン制御基板32において実行される処理である。
スロットマシン1の電源がオンされれば、メイン制御基板32が備えるRAM33の状態がチェックされ、メモリにエラーが生じていないかどうかが判定されて、各種の初期設定が行われる。
次に、各メモリのチェックが終了し、異常が無ければメダル貸出ユニット200のデータ保持手段241(仮想下皿)に保持されている遊技に使用可能なメダルの枚数データが0枚であるか否かが判定され(ステップS101)、データ保持手段241にメダルが貸し出されるまで待機する(ステップS101でYES)。データ保持手段241にメダルが枚数データの形式で貸し出されると(ステップS101でNO)、ベットスイッチ7の操作が有効化され(ステップS102)、最大ベットスイッチ8の操作が有効化される(ステップS103)。
続いて、最大ベットスイッチ8が操作されたか否かが判定され(ステップS104)、最大ベットスイッチ8が操作されていれば(ステップS104でYES)、最大ベットスイッチ8の操作が有効化されているか否かが判定される(ステップS105)。そして、最大ベットスイッチ8の操作が有効化されていれば(ステップS105でYES)、後述する最大ベット処理が実行される(ステップS106)(図15参照)。
そして、ステップS106において最大ベット処理が実行された後、もしくは、ステップS104でNO(最大ベットスイッチ8が操作されていない場合)、ステップS105でNO(最大ベットスイッチ8が有効化されていない場合)であれば、ベットスイッチ7が操作されたか否かが判定される(ステップS107)。ベットスイッチ7が操作されていれば(ステップS107でYES)、ベットスイッチ7の操作が有効化されているか否かが判定される(ステップS108)。そして、ベットスイッチ7の操作が有効化されていれば(ステップS108でYES)、後述するベット処理が実行される(ステップS109)(図16参照)。
そして、ステップS109においてベット処理が実行された後、もしくは、ステップS107でNO(ベットスイッチ7が操作されていない場合)、ステップS108でNO(ベットスイッチ7の操作が有効化されていない場合)であれば、精算スイッチ11が操作されたか否かが判定される(ステップS110)。精算スイッチ11が操作されていれば(ステップS110でYES)、精算スイッチ11の操作が有効化されているか否かが判定される(ステップS111)。そして、精算スイッチ11の操作が有効化されていれば(ステップS111でYES)、後述する投入精算処理が実行される(ステップS112)(図17参照)。
そして、ステップS112において投入精算処理が実行された後、もしくは、ステップS110でNO(精算スイッチ11が操作されていない場合)、ステップS111でNO(精算スイッチ11の操作が有効化されていない場合)であれば、スタートスイッチ9が操作されたか否かが判定される(ステップS113)。スタートスイッチ9が操作されていなければ(ステップS113でNO)、ステップS104からの処理を繰り返し実行する。なお、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作により、所定枚数分の賭け数が設定されていなければ、スタートスイッチ9の操作は無効化されており、ステップS113においてNOと判定される。本実施の形態では、上記したように、1枚、2枚、3枚のいずれかの賭け数が設定されていれば、スタートスイッチ9の操作が有効化される。
一方、スタートスイッチ9が操作されれば(ステップS113でYES)、各ベットスイッチ7,8、スタートスイッチ9および精算スイッチ11が無効化されて、遊技処理が実行される(ステップS114)。ステップS114の遊技処理においては、抽選手段60による役抽選処理が実行され、各々複数個の図柄が配列された複数の回転リール6L,6M,6Rが回転を開始する。そして、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作に応じて停止制御手段70により各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄表示結果が、判定手段80により判定される。
ステップS114の遊技処理が終了すると、判定手段80による判定結果が、リプレイ(再遊技役)への入賞であったか否かが判定され(ステップS115)、リプレイに入賞していれば(ステップS115でYES)、スタートスイッチ9の操作が有効化された状態、かつ、ベットスイッチ7および最大ベットスイッチ8の操作が無効化された状態で、すなわち、所定枚数分の賭け数が設定された状態でステップS113からの処理が繰り返し実行される。なお、リプレイへ入賞した場合には所定枚数分の賭け数は設定されるが、メダルの疑似投入は行われていないので、投入メダル計数部142に計数されている疑似投入枚数は0枚であり、精算スイッチ11の操作は無効化されている。次に、判定手段80による判定結果が、リプレイへの入賞でなければ(ステップS115でNO)、判定手段80による判定結果が、所定の当選役への入賞であるか否かが判定される(ステップS116)。
判定手段80による判定結果が、所定の当選役への入賞であれば(ステップS116でYES)、当該入賞役に対応して予め設定されている払出枚数がメダルの疑似払出の払出枚数として払出メダル計数部152に設定され(ステップS117)、後述する払出処理が実行される(ステップS118)(図18参照)。なお、払出枚数は、当選役(入賞役)の種類に対応して予め設定されている。そして、ステップS118において払出処理が実行された後、もしくは、ステップS116でNO(判定手段80による判定結果が入賞でなかった場合)であれば、ステップS101からの処理が繰り返し実行される。
3.最大ベット処理
図15を参照して最大ベット処理について説明する。図15は最大ベット処理を示すフローチャートである。
まず、疑似投入されることにより設定された現在のメダルの賭け数が0枚であるか否かが判定される(ステップS201)。設定されている賭け数が0枚でなければ(ステップS201でNO)、すなわち、ベットスイッチ7の操作により1枚以上のメダルが疑似投入されていれば、後述する投入精算処理が実行されることにより(ステップS202)、疑似投入された枚数分のメダルの疑似払出が行われて、一旦、設定された賭け数が初期化される。
そして、ステップS202において投入精算処理が実行されて賭け数が初期化されるか、もしくは、ステップS201でYES(賭け数が設定されていない場合)であれば、疑似投入用作動制御部141により投入・払出装置100の駆動部130のモータの反時計方向への回転が開始される(ステップS203)。続いて、投入・払出装置100の投入センサ115から疑似投入メダル検出信号が出力されるまで待機し(ステップS204でNO)、疑似投入メダル検出信号が出力されれば(ステップS204でYES)、1枚のメダルの疑似投入が行われたことが投入メダル計数部142により計数されると共に、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241(仮想下皿)から疑似投入された1枚分の枚数データが減算手段243により減算される(ステップS205)。
続いて、データ保持手段241に保持されている枚数データが0枚であるか否かが判定され(ステップS206)、保持されている枚数データが0枚でなければ(ステップS206でNO)、投入メダル計数部142により計数されたメダルの疑似投入枚数が規定枚数(例えば3枚)であるか否かが判定される(ステップS207)。疑似投入枚数が規定枚数に達していなければ(ステップS207でNO)、ステップS204からの処理が繰り返し実行される。
そして、疑似投入枚数が規定枚数に達したか(ステップS207でYES)、もしくは、ステップS206でYES(データ保持手段241に保持されている枚数データが0枚の場合)であれば、疑似投入用作動制御部141により投入・払出装置100の駆動部130のモータの回転が停止されると共に、スタートスイッチ9の操作が有効化される(ステップS208)。続いて、精算スイッチ11の操作が有効化され(ステップS209)、最大ベットスイッチ8の操作が無効化されて(ステップS210)、元の処理に復帰する。
4.ベット処理
図16を参照してベット処理について説明する。図16はベット処理を示すフローチャートである。なお、本実施の形態では、図10の状態遷移図に示すように、ベットスイッチ7が操作された際に、既に最大ベットスイッチ8が操作されメダルが疑似投入されて賭け数が設定されている場合には、疑似投入された枚数分のメダルの疑似払出が行われることにより、一旦、設定された賭け数が初期化される。
まず、最大ベットスイッチ8の操作が有効化されているか否かが判定されることにより(ステップS301)、図15の最大ベット処理が既に実行されているか否かが判定される。すなわち、図15の最大ベット処理が既に実行されていれば、ステップS210において最大ベットスイッチ8の操作が無効化されるので、最大ベットスイッチ8の操作が有効化されているか否かを判定することにより、図15の最大ベット処理が既に実行されたか否かを判定することができる。
図15の最大ベット処理が既に実行されており、最大ベットスイッチ8の操作が無効化されていれば(ステップS301でNO)、後述する投入精算処理が実行されることにより(ステップS302)、疑似投入された枚数分のメダルの疑似払出が行われて、一旦、設定された賭け数が初期化される。そして、ステップS302において投入精算処理が実行されて賭け数が初期化されるか、もしくは、ステップS301でYES(最大ベットスイッチ8が操作されていない場合)であれば、疑似投入用作動制御部141により投入・払出装置100の駆動部130のモータの反時計方向への回転が開始される(ステップS303)。
続いて、投入・払出装置100の投入センサ115から疑似投入メダル検出信号が出力されるまで待機し(ステップS304でNO)、疑似投入メダル検出信号が出力されれば(ステップS304でYES)、疑似投入用作動制御部141により投入・払出装置100の駆動部130のモータの回転が停止されると共にスタートスイッチ9の操作が有効化される(ステップS305)。そして、1枚のメダルの疑似投入が行われたことが投入メダル計数部142により計数されると共に、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241(仮想下皿)から疑似投入された1枚分の枚数データが減算手段243により減算される(ステップS306)。
次に、データ保持手段241に保持されている枚数データが0枚であるか否かが判定され(ステップS307)、保持されている枚数データが0枚でなければ(ステップS307でNO)、投入メダル計数部142により計数されたメダルの疑似投入枚数が規定枚数(例えば3枚)であるか否かが判定される(ステップS308)。疑似投入枚数が規定枚数に達していなければ(ステップS308でNO)、精算スイッチ11の操作が有効化されて(ステップS310)、元の処理に復帰する。
また、疑似投入枚数が規定枚数に達したか(ステップS308でYES)、もしくは、ステップS307でYES(データ保持手段241に保持されている枚数データが0枚)であれば、ベットスイッチ7の操作が無効化され(ステップS309)、精算スイッチ11の操作が有効化されて(ステップS310)、元の処理に復帰する。
5.投入精算処理
図17を参照して投入精算処理について説明する。図17は投入精算処理を示すフローチャートである。
まず、賭け数として設定されているメダルの疑似投入枚数が払出枚数として払出メダル計数部152に設定されて(ステップS401)、後述する払出処理が実行される(ステップS402)。続いて、精算スイッチ11の操作が無効化され(ステップS403)、ベットスイッチ7の操作が有効化され(ステップS404)、最大ベットスイッチ8の操作が有効化されて(ステップS405)、元の処理に復帰する。
6.払出処理
図18を参照して払出処理について説明する。図18は払出処理を示すフローチャートである。
まず、疑似払出用作動制御部151により投入・払出装置100の駆動部130のモータの時計方向への回転が開始される(ステップS501)。続いて、投入・払出装置100の払出センサ125から疑似払出メダル検出信号が出力されるまで待機し(ステップS502でNO)、疑似払出メダル検出信号が出力されれば(ステップS502でYES)、1枚のメダルの疑似払出が行われたことが払出メダル計数部152により計数されると共に、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241(仮想下皿)に疑似払出された1枚分の枚数データが加算手段244により加算される(ステップS503)。
なお、本実施の形態では、図18の払出処理が実行される前に、図14のステップS117や図17のステップS401において、入賞枚数や疑似投入枚数が払出枚数として払出メダル計数部152に予め設定されている。そして、1枚のメダルの疑似払出が行われると(疑似払出メダル検出信号が1回出力されると)、ステップS503において、予め設定された払出枚数から1減算されることにより、1枚のメダルの疑似払出が行われたことが払出メダル計数部152により計数される。
続いて、予め設定された払出枚数分の疑似払出が行われたか否かが判定され(ステップS504)、疑似払出枚数が予め設定された払出枚数に達していなければ(ステップS504でNO)、ステップS502からの処理が繰り返し実行される。そして、疑似投入枚数が予め設定された払出枚数に達すれば(ステップS504でYES)、疑似払出用作動制御部151により投入・払出装置100の駆動部130のモータの回転が停止されて(ステップS505)、元の処理に復帰する。
以上のように、この実施形態では、各々複数個の図柄が配列された各回転リール6L,6M,6Rの回転を開始させるのに、所定枚数の賭け数を設定するためのベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作が行われると、賭け数を設定するための投入・払出装置100(投入制御手段140)による疑似投入が行われる。また、投入・払出装置100によるメダルの疑似投入が行われて、遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データを保持するデータ保持手段241から所定枚数分の枚数データが減算手段243により減算されて、所定枚数の賭け数が設定されることを条件としてスタートスイッチ9が操作されると、各回転リール6L,6M,6Rが回転開始する。
また、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかが判定手段80により判定される。また、判定手段80により停止図柄表示結果が所定の入賞態様であると判定されると、投入・払出装置100(払出制御手段150)による疑似払出が行われる。また、投入・払出装置100による疑似払出が行われて、入賞態様の種類に対応して予め設定された所定の払出枚数分の枚数データがデータ保持手段241に加算手段244により加算される。
ところで、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作に応じて投入・払出装置100による疑似投入が許容されると、少なくとも1枚の第1の封入メダルM1を、検出位置P1を通過可能に封入状態で保持する投入ディスク110が疑似投入用作動制御部141により作動して反時計方向に回転開始する。また、投入ディスク110が回転することにより、検出位置P1を通過する第1の封入メダルM1が投入センサ115により検出されて疑似投入メダル検出信号が出力される。
また、検出位置P1を第1の封入メダルM1が通過した回数、すなわち、疑似投入メダル検出信号の出力回数が疑似投入枚数として、所定枚数の賭け数が設定されるまで投入メダル計数部142により計数される。そして、投入メダル計数部142により計数された疑似投入メダル検出信号の出力回数分の枚数データが、枚数データを保持するデータ保持手段241から疑似投入枚数として減算手段243により減算される。
また、判定手段80による停止図柄表示結果が所定の入賞態様であるとの判定結果に応じて、投入・払出装置100による疑似払出が許容されると、少なくとも1枚の第2の封入メダルM2を、検出位置P2を通過可能に封入状態で保持する払出ディスク120が疑似払出用作動制御部151により作動して時計方向に回転開始する。また、払出ディスク120が回転することにより、検出位置P2を通過する第2の封入メダルM2が払出センサ125により検出されて疑似払出メダル検出信号が出力される。
また、検出位置P2を第2の封入メダルM2が通過した回数、すなわち、疑似払出メダル検出信号の出力回数が疑似払出枚数として、入賞態様に応じて設定された所定の払出枚数に達するまで払出メダル計数部152により計数される。そして、払出メダル計数部152により計数された疑似払出メダル検出信号の出力回数分の枚数データが、枚数データを保持するデータ保持手段241に疑似払出枚数として加算手段により加算される。
以上のように、第1の封入メダルM1を介した疑似投入により、枚数データを保持するデータ保持手段241から所定枚数分の枚数データを疑似投入枚数として減算して遊技の賭け数を設定することができ、第2の封入メダルM2を介した疑似払出により、枚数データを保持するデータ保持手段241に所定の払出枚数分の枚数データを疑似払出枚数として加算して遊技者に所定の利益を付与することができる。そのため、従来のクレジット機能と異なり、データ保持手段241が保持する枚数データの上限枚数が法規制による制限を受けない。したがって、データ保持手段241に保持される枚数データを介して遊技を行うことにより、遊技者がメダルに触れることなく遊技をすることが可能な封入式のスロットマシン1を提供することができる。したがって、メダル投入の煩わしさを低減したり、偽造メダル対策などのセキュリティの向上を図り、メダルに関連する不正を予防することができる。また、従来、遊技を行うために大量に必要であった消耗品であるメダルが不要であるため、エコな構成のスロットマシンを提供することができる。
また、疑似投入の際に投入ディスク110が回転することによる第1の封入メダルM1の移動状態を疑似投入メダル視認用窓102を介して視認することができ、疑似払出の際に払出ディスク120が回転することによる第2の封入メダルM2の移動状態を疑似払出メダル視認用窓103を介して視認することができるので、遊技者は疑似投入が行われていることや、入賞することによる利益が付与されていることを実感することができる。したがって、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
また、疑似投入メダル視認用窓102および疑似払出メダル視認用窓103を通過する各封入メダルM1,M2の移動状態(速度や、各封入メダルM1,M2に対する照明状態)を変化させることにより、スロットマシン1の演出の多様性の向上を図ることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図19を参照して説明する。図19は本発明の第2実施形態にかかるスロットマシンが備える投入・払出装置の投入・払出ディスクの動作を説明するための図である。
この実施形態の投入・払出装置100aが上記した第1実施形態と異なるのは、図19に示すように、メダルの疑似投入およびメダルの疑似払出の両方に共通して使用される投入・払出ディスク160(本発明の「メダル保持体」に相当)を備えている点である。その他の構成および動作については上記した第1実施形態と同様であるため、以下では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明を行い、上記した第1実施形態と同様の構成および動作については、同一符号を引用することによりその説明は省略する。
投入・払出ディスク160は、円盤状の中心に透設された貫通孔を有し、貫通孔には回転軸162の一端が嵌挿されて、投入・払出ディスク160は、回転軸162を回転中心として回転自在に配設されている。また、投入・払出ディスク160の正面側の表面には、回転軸162を中心とする円周上の6か所に等間隔に凹部163が設けられている。そして、各凹部163内のそれぞれに封入メダルMが配置されることにより、6枚の封入メダルMが、それぞれ、取り出しができないように各凹部163内に封入された状態で投入・払出ディスク160に保持されている。したがって、図19に示すように、投入・払出ディスク160が回転軸162を回転中心として反時計方向(疑似投入時)および時計方向(疑似払出時)の両方向に回転することにより、投入・払出ディスク160の各凹部163内に保持された各封入メダルMが円周状に設定された所定経路を通るように移動する。
また、図19において斜線で示された位置に配置されている疑似投入メダル視認用窓102および疑似払出メダル視認用窓103は、それぞれ、ハーフミラー(図示省略)により閉塞されている。また、疑似投入メダル視認用窓102付近において、投入・払出ディスク160に隣接して発光手段117が配設され、疑似払出メダル視認用窓103付近において、投入・払出ディスク160に隣接して発光手段127が配設されている。
また、疑似投入の際に発光手段117のみが点灯することにより、駆動部130により反時計方向に回転駆動されている投入・払出ディスク160に保持されて円周状に設定された所定経路を通るように移動する封入メダルMが、疑似投入メダル視認用窓102の位置を通過することにより、ハーフミラーを介して遊技者に視認される。また、疑似払出の際に発光手段127のみが点灯することにより、駆動部130により時計方向に回転駆動されている投入・払出ディスク160に保持されて円周状に設定された所定経路を通るように移動する封入メダルMが、疑似払出メダル視認用窓103の位置を通過することにより、ハーフミラーを介して遊技者に視認される。
したがって、投入・払出ディスク160の回転速度と、各発光手段117,127の点灯、消灯タイミングとが適切に制御されることにより、封入メダルMの自然な移動状態を遊技者に対して演出することができる。また、疑似投入および疑似払出のそれぞれにおいて投入・払出ディスク160の回転速度を異ならせることにより、疑似投入および疑似払出のいずれが実行されているのかを確実に遊技者に認識させることができる。
また、本実施の形態では、検出位置P(本発明の「メダル通路」に相当)を通過する封入メダルMが、投入センサ115および払出センサ125により検出される。すなわち、疑似投入の際は、反時計方向に投入・払出ディスク160が回転駆動されているときに、検出位置Pを通過する封入メダルMが投入センサ115により検出されて、疑似投入メダル検出信号が出力される。また、疑似投入メダル検出信号から、検出位置Pを封入メダルMが通過した回数が疑似投入枚数として投入メダル計数部142により計数される。
また、疑似払出の際は、時計方向に投入・払出ディスク160が回転駆動されているときに、検出位置Pを通過する封入メダルMが払出センサ125により検出されて、疑似払出メダル検出信号が出力される。また、疑似払出メダル信号から、検出位置Pを封入メダルMが通過した回数が疑似払出枚数として払出メダル計数部152により計数される。
(変形例)
投入・払出装置100aの変形例について説明する。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明を行い、上記した第2実施形態と同様の構成および動作については、同一符号を付すことによりその説明は省略する。
1.変形例(3)
図20は投入・払出装置の変形例(3)における投入・払出ディスクの動作を説明するための図である。図20に示す変形例(3)では、投入・払出ディスク160の正面側の表面に、回転軸162を中心とする円周上の3か所に等間隔に凹部163が設けられている。そして、各凹部163内のそれぞれに封入メダルMが配置されることにより、3枚の封入メダルMが、それぞれ、取り出しができないように各凹部163内に封入された状態で投入・払出ディスク160に保持されている。
したがって、この変形例(3)においては、疑似投入の際に、遊技者は、疑似投入メダル視認用窓102において1枚ずつ封入メダルが通過するのを視認することができる。そのため、遊技者に対して、1枚ずつメダルが疑似投入される様子を体感できる演出を行うことができるので、従来のスロットマシンに慣れた遊技者の封入式のスロットマシン1に対する違和感を緩和することができる。また、疑似払出の際に、投入・払出ディスク160を時計方向に高速回転させると共に、発光手段127の点灯、消灯のタイミングを適切に制御することにより、大量のメダルが一気に払い出される従来のスロットマシンと同様に、所定枚数のメダルが一気に疑似払出されている様子を遊技者に対して演出することができる。
2.変形例(4)
図21は投入・払出装置の変形例(4)を説明するための図であって、(a)は投入・払出装置の正面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。図21(a),(b)に示す変形例(4)では、投入・払出装置100bは、正六角柱状の本体部170aの対向する両主面それぞれに円盤170bが設けられたドラム状のメダル保持体170を備えている。また、メダル保持体170は、円盤状の中心に透設された貫通孔を有し、貫通孔には駆動部130が備えるモータの回転軸131の一端が嵌挿されて、メダル保持体170は、回転軸131を回転中心として両方向に回転自在に配設されている。
また、メダル保持体170の六角柱状の本体部170aの各周面それぞれに封入メダルMが配置されることにより、6枚の封入メダルMが、それぞれ、取り出しができないようにメダル保持体170に保持されている。したがって、メダル保持体170が、疑似投入または疑似払出に応じて、回転軸131を回転中心として両方向のいずれか一方の方向に回転することにより、メダル保持体170の各周面に保持された各封入メダルMが円周状に設定された所定経路を通るように移動する。すなわち、この変形例(4)では、遊技者から見ると、メダル保持体170が両方向に回転することにより封入メダルMが上下方向に移動する。
また、封入メダルMが、本発明の「メダル通路」に相当する所定の検出位置を通過したことを検出するための検知用ディスク174および投入・払出センサ175が配設されている。
円盤状の検知用ディスク174は、駆動部130の回転軸131に、メダル保持体170と一緒に同軸で回転するように固定配置されている。また、図21(b)に示すように、検知用ディスク174には、回転軸131を中心とする円周上の6か所に等間隔で透孔174aが透設されている。なお、各透孔174aそれぞれは、図21(b)の紙面に向って、メダル保持体170の本体部170aの各周面上での6枚の封入メダルMの配置位置に対応する位置に配置されている。
投入・払出センサ175は、発光部および検出部を有し、発光部と検出部との間に検知用ディスク174が配置されるように配設されることにより、通常状態では、発光部の光が検知用ディスク174により遮断されて検出部に届かないようになっている。そして、メダル保持体170が回転することにより検知用ディスク174が一緒に回転することによって、検知用ディスク174に設けられた各透孔174aのうちのいずれかが投入・払出センサ175の位置を通過すると、検知用ディスク174により遮断されていた発光部の光が透孔174aを通ることにより検出部により検出される。したがって、透孔174aが発光部と検出部との間を通過したことが検出部により検出される。
この変形例(4)では、メダル保持体170に保持された各封入メダルMのそれぞれが検出位置を通過するタイミングで、検知用ディスク174の各透孔174aのうちのいずれかが投入・払出センサ175の位置を通過するように、各透孔174aの検知用ディスク174上での配置位置および投入・払出センサ175の配置位置が設定されている。したがって、検出位置を通過する封入メダルMを、検知用ディスク174を介して投入・払出センサ175により検出することができる。そして、検出位置を通過する封入メダルMが投入・払出センサ175により検出されると、メダル保持体170の回転方向に応じて、投入・払出センサ175の検出部から疑似投入メダル検出信号または疑似払出メダル検出信号がメイン制御基板32に対して出力される。
そして、疑似投入メダル検出信号から、検出位置を封入メダルMが通過した回数が疑似投入枚数として投入メダル計数部142により計数される。また、疑似払出メダル信号から、検出位置を封入メダルMが通過した回数が疑似払出枚数として払出メダル計数部152により計数される。
以上のように、検知用ディスク174および投入・払出センサ175が本発明の「疑似投入用メダル検出部」、「疑似払出用メダル検出部」として機能している。なお、図19を参照して説明した形態と同様に、投入・払出センサ175に代えて、投入センサ115および払出センサ125が検知用ディスク174に対して設けられていてもよい。
3.変形例(5)
図22は投入・払出装置の変形例(5)を説明するための図であって、(a)は投入・払出装置の正面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図である。図22(a),(b)に示す変形例(5)が、図21(a),(b)に示す変形例(4)と異なるのは、投入・払出装置100cが備えるメダル保持体170の本体部170aが中空に形成されており、その内部に、検知用ディスク174および投入・払出センサ175が配設されている点である。その他の構成は上記した変形例(4)と同様であるため、以下の説明では、上記した変形例(4)と異なる点を中心に説明を行い、その他の構成については同一符号を付すことによりその説明は省略する。
円盤状の検知用ディスク174は、メダル保持体170の本体部170aの中空の内部において、駆動部130の回転軸131に、メダル保持体170と一緒に同軸で回転するように固定配置されている。また、図22(b)に示すように、検知用ディスク174には、その端縁に沿った円周上の6か所に等間隔で突起174bが設けられている。なお、各突起174bそれぞれは、図22(b)の紙面に向って、メダル保持体170の本体部170aの各周面上での6枚の封入メダルMの配置位置に対応する位置に配置されている。
投入・払出センサ175は、発光部および検出部を有し、発光部と検出部との間を検知用ディスク174の各突起174bが通過するように配設されることにより、通常状態では、発光部の光が検出部により検出されるようになっている。そして、メダル保持体170が回転することにより検知用ディスク174が一緒に回転することによって、検知用ディスク174に設けられた各突起174bのうちのいずれかが投入・払出センサ175の位置を通過すると、発光部の光が突起174bにより遮断されて検出部に届かなくなることにより、突起174bが発光部と検出部との間を通過したことが投入・払出センサ175により検出される。
この変形例(5)では、メダル保持体170に保持された各封入メダルMのそれぞれが検出位置を通過するタイミングで、検知用ディスク174の各突起174bのうちのいずれかが投入・払出センサ175の位置を通過するように、各突起174bの検知用ディスク174上での配置位置および投入・払出センサ175の配置位置が設定されている。したがって、検出位置を通過する封入メダルMを、検知用ディスク174を介して投入・払出センサ175により検出することができる。そして、検出位置を通過する封入メダルMが投入・払出センサ175により検出されると、メダル保持体170の回転方向に応じて、投入・払出センサ175の検出部から疑似投入メダル検出信号または疑似払出メダル検出信号がメイン制御基板32に対して出力される。なお、変形例(4)(5)では、疑似投入と疑似払出でメダル保持体170を異なる方向に回転する形態で説明したが、疑似投入と疑似払出で同方向に回転するようにしてもよい。
4.変形例(6)
図23は投入・払出装置の変形例(6)を説明するための正面図である。図23に示す変形例(6)が、図22(a),(b)に示す変形例(5)と異なるのは、投入・払出装置100dが、上記した第1実施形態と同様に、疑似投入用と疑似払出用の2個のメダル保持体170を備え、2個のメダル保持体170それぞれが、駆動部130が備えるモータにより個別に駆動される点である。また、投入・払出センサ185に代えて、各メダル保持体170のうちの一方の中空の内部に投入センサ115が検知用ディスク174の各突起174bに対して設けられ、他方の中空の内部に払出センサ125が検知用ディスク174の各突起174bに対して設けられている。その他の構成は上記した変形例(5)と同様であるため、同一符号を付すことによりその構成の説明は省略する。なお、本変形例(6)は、疑似投入と疑似払出でメダル保持体170を同方向に回転してもよいし、異なる方向に回転してもよい。
5.変形例(7)
図24は投入・払出装置の変形例(7)を説明するための図であって、(a)は投入・払出装置の正面図、(b)は(a)の右側図である。なお、図24(b)では、説明を容易なものとするために、図24(a)に向って右側に配置されている側板180aが図示省略されている。
図24(a),(b)に示す変形例(7)では、投入・払出装置100eは、対向配置された2枚の側板180aと、両側板180aの長手方向(上下方向)における両端位置に回転自在に配設された駆動ローラ180bおよび従動ローラ180cと、駆動ローラ180bおよび従動ローラ180cに架け渡された無端ベルト180dとを備えるメダル保持体180を備えている。また、メダル保持体180の駆動ローラ180bには、駆動部130が備えるモータの回転軸131の一端が連結されている。
また、メダル保持体180の無端ベルト180dの表面に封入メダルMが配置されることにより、8枚の封入メダルMが、それぞれ、取り出しができないようにメダル保持体180に保持されている。したがって、疑似投入または疑似払出に応じて、駆動部130のモータの回転軸131が両方向のいずれか一方の方向に回転することにより、メダル保持体180の無端ベルト180dが回転して、無端ベルト180の各周面に保持された各封入メダルMが楕円状に設定された所定経路を通るように移動する。すなわち、この変形例(7)では、遊技者から見ると、メダル保持体180の無端ベルト180dが両方向に回転することにより封入メダルMが上下方向に移動する。
また、封入メダルMが、本発明の「メダル通路」に相当する所定の検出位置を通過したことを検出するための検知用突起184および投入・払出センサ185が配設されている。
検知用突起184は、無端ベルト180dの幅方向における一端側に、無端ベルト180dと一緒に回転するように固定して設けられている。また、図24(b)に示すように、検知用突起184それぞれは、無端ベルト180dの表面上での8枚の封入メダルMの配置位置に対応する位置に配置されている。
投入・払出センサ185は、発光部および検出部を有し、発光部と検出部との間を検知用突起184が通過するように配設されることにより、通常状態では、発光部の光が検出部により検出されるようになっている。そして、メダル保持体180の無端ベルト180dが回転することにより検知用突起184が一緒に移動することによって、各検知用突起184のうちのいずれかが投入・払出センサ185の位置を通過すると、発光部の光が検知用突起184により遮断されて検出部に届かなくなることにより、検知用突起184が発光部と検出部との間を通過したことが投入・払出センサ185により検出される。
この変形例(7)では、メダル保持体180の無端ベルト180dに保持された各封入メダルMのそれぞれが検出位置を通過するタイミングで、各検知用突起184のうちのいずれかが投入・払出センサ185の位置を通過するように、無端ベルト180dにおける各検知用突起184の配置位置および投入・払出センサ185の配置位置が設定されている。したがって、検出位置を通過する封入メダルMを、各検知用突起184を介して投入・払出センサ185により検出することができる。そして、検出位置を通過する封入メダルMが投入・払出センサ185により検出されると、メダル保持体180の無端ベルト180dの回転方向に応じて、投入・払出センサ185の検出部から疑似投入メダル検出信号または疑似払出メダル検出信号がメイン制御基板32に対して出力される。
そして、疑似投入メダル検出信号から、検出位置を封入メダルMが通過した回数が疑似投入枚数として投入メダル計数部142により計数される。また、疑似払出メダル信号から、検出位置を封入メダルMが通過した回数が疑似払出枚数として払出メダル計数部152により計数される。
以上のように、各検知用突起184および投入・払出センサ185が本発明の「疑似投入用メダル検出部」、「疑似払出用メダル検出部」として機能している。なお、図19を参照して説明した形態と同様に、投入・払出センサ185に代えて、投入センサ115および払出センサ125が各検知用突起184に対して設けられていてもよい。なお、本変形例(7)では、疑似投入と疑似払出でメダル保持体180を異なる方向に回転する形態で説明したが、疑似投入と疑似払出で同方向に回転するようにしてもよい。
6.変形例(8)
図25は投入・払出装置の変形例(8)を説明するための正面図である。図25に示す変形例(8)が、図24(a),(b)に示す変形例(7)と異なるのは、投入・払出装置100fが、上記した第1実施形態と同様に、疑似投入用と疑似払出用の2個のメダル保持体180を備え、2個のメダル保持体180の無端ベルト180dそれぞれが、駆動部130が備えるモータにより個別に駆動される点である。また、投入・払出センサ185に代えて、各メダル保持体180のうちの一方の各検知用突起184に対して投入センサ115が設けられ、他方の各検知用突起184に対して払出センサ125が設けられている。その他の構成は上記した変形例(7)と同様であるため、同一符号を付すことによりその構成の説明は省略する。
なお、正面視において各封入メダルMがトラック状に設定された経路を移動するように構成されたベルトコンベア状のメダル保持体に保持された各封入メダルMが、タイミングベルトやチェーンなどを利用して駆動されることにより、トラック状に設定された経路を時計方向または反時計方向に移動するようにしてもよい。なお、本変形例(8)は、疑似投入と疑似払出でメダル保持体180を同方向に回転してもよいし、異なる方向に回転してもよい。
以上のように、この実施形態では、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、疑似投入および疑似払出の両方の場合において、投入・払出ディスク160またはメダル保持体170,180が共通して使用されることにより、投入・払出装置100の省スペース化および低コスト化を図ることができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について、図26を参照して説明する。図26は本発明の第3実施形態にかかる封入式のスロットマシンを備えるスロットマシンシステムを示す図である。
この実施形態のスロットマシンシステムが上記した第1実施形態と異なるのは、遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データを保持するデータ保持手段190と、データ保持手段190から疑似投入枚数分の枚数データを減算する減算手段191と、データ保持手段190に疑似払出枚数分の枚数データを加算する加算手段192とが、スロットマシン1aの筐体内に配設されている点である。その他の構成および動作については上記した第1実施形態と同様であるため、以下では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明を行い、上記した第1実施形態と同様の構成および動作については、同一符号を引用することによりその説明は省略する。
(メダル貸出ユニット)
図26に示すように、メダル貸出ユニット200aのユニット制御装置240が備える貸出手段242は、スロットマシン1aに搭載されている貸出スイッチ12が操作された場合に、所定の貸出枚数の枚数データをI/Oポートを介してスロットマシン1aのメイン制御基板32に送信することにより、遊技者に遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で貸し出すものである。なお、スロットマシン1aのメイン制御基板32に送信された枚数データは、データ保持手段190により保持される。
また、返却手段245は、スロットマシン1aに搭載されている返却スイッチ13が操作された場合に、スロットマシン1aのデータ保持手段190に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データをI/Oポートを介して受信してメダルカードに記録することにより、遊技者にメダルを枚数データの形式で返却するものである。また、返却手段245により遊技者にメダルが枚数データの形式で返却された場合には、スロットマシン1aのデータ保持手段190に保持されている枚数データが初期化される。
なお、返却スイッチ用センサ13aの出力がメイン制御基板32に出力されるようにしてもよい。この場合には、返却スイッチ用センサ13aの検出信号がメイン制御基板32に入力されると、データ保持手段190に保持されている枚数データがメダル貸出ユニット200aにI/Oポートを介して送信されるようにすればよい。
(スロットマシン)
図26に示すように、スロットマシン1aのメイン制御基板に、データ保持手段190、減算手段191、加算手段192が構成されている。
データ保持手段190は、遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データを保持するものであり、メダル貸出ユニット200aから送信された貸出枚数に関する枚数データを保持する。また、返却手段245によりデータ保持手段190に保持された枚数データ分のメダルが枚数データの形式で遊技者に返却された場合には、データ保持手段190に保持されている枚数データが初期化される。
減算手段191は、スロットマシン1aへのメダルの疑似投入枚数分の枚数データをデータ保持手段190から減算する。また、加算手段192は、スロットマシン1aからのメダルの疑似払出枚数分の枚数データをデータ保持手段190に加算する。
なお、データ保持手段190、減算手段191、加算手段192を備える制御基板がメイン制御基板32とは別個に構成されて、スロットマシン1aに搭載されるようにしてもよい。
以上のように、この実施形態では、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第1実施形態の構成と比較すると、スロットマシン1aとメダル貸出ユニット200aとの通信頻度を低減することができるので、スロットマシン1aおよび貸出ユニット20a間の通信信号を書き換えるゴト行為を防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した各実施形態では、遊技を行うための所定枚数分の疑似投入が完了することを条件として、スタートスイッチ9の操作が有効化されるように設定されている。しかしながら、例えば最大ベットスイッチ8が操作されたり、ベットスイッチ7の操作が行われたタイミングでスタートスイッチ9の操作が有効化されるようにしてもよい。この場合には、スタートスイッチ9が操作されたタイミングで抽選手段60において乱数を取得し、各回転リール6L,6M,6Rが定速回転するまでに抽出された乱数を用いた抽選を行わなければならないという法規制を満足するために、例えば、次のような制御を行うとよい。
すなわち、スタートスイッチ9が操作されたときに、遊技を行うための所定枚数分の疑似投入が完了していなければ、所定枚数分の疑似投入が完了した後に乱数を用いた役抽選を行い、役抽選が行われた後に各回転リール6L,6M,6Rを回転開始させるとよい。また、スタートスイッチ9の操作により各回転リール6L,6M,6Rの回転を開始させるが、所定枚数分の疑似投入が完了して役抽選が終了するまでは各回転リール6L,6M,6Rが定速回転しないように、回転の初速を遅くしたり、回転加速度を小さくしてもよい。また、所定枚数分の疑似投入が完了するまでの時間を短縮するために、疑似投入に用いられる封入メダルの移動速度をより高速にしてもよい。
また、遊技者が2枚賭けもしくは3枚賭けを意図して各ベットスイッチ7,8を操作した場合に、遊技者が、2枚分もしくは3枚分の疑似投入が完了する前にスタートスイッチ9を操作した場合には、スタートスイッチ9が操作されたタイミングでの疑似投入枚数に基づいて役抽選を行うようにしてもよい。この場合には、スタートスイッチ9が操作されたタイミング以降の疑似投入は無効となるようにしてもよい。また、遊技者が、2枚分もしくは3枚分の疑似投入が完了する前にスタートスイッチ9を操作した場合に、遊技者の意図通り、2枚賭けもしくは3枚賭けに基づく役抽選を行うようにしてももちろんよい。
また、上記した投入・払出装置100は疑似投入および疑似払出の両方を行うことができるように構成されているが、疑似投入を行う投入装置と疑似払出を行う払出装置とが個別にスロットマシンに搭載されていてもよい。また、投入制御手段140を備える制御基板、または、払出制御手段150を備える制御基板、または、投入制御手段140および払出制御手段150の両方を備える制御基板が、メイン制御基板32とは別個に構成されて、スロットマシンに搭載されるようにしてもよい。また、投入ディスク110、払出ディスク120、投入・払出ディスク160およびメダル保持体170のうちの少なくとも1つの駆動制御を、メダル貸出ユニット200,200aが行うようにしてもよい。
また、貸出スイッチ12および返却スイッチ13の少なくともいずれか一方がメダル貸出ユニット200,200aに搭載されていてもよい。
また、疑似投入の際には投入センサ115のみを有効化して払出センサ125を無効化し、疑似払出の際には払出センサ125のみを有効化して投入センサ115を無効化してもよい。また、1個のセンサにより疑似投入用メダル検出部および疑似払出用メダル検出部の両方の機能が実現されるようにしてもよい。
また、各封入メダルの移動経路は上記した例に限定されるものではない。また、疑似投入または疑似払出の際の各封入メダルの移動方向は上記した例に限定されるものではなく、疑似投入および疑似払出の両方の場合において同方向に各封入メダルが移動するようにしてもよいし、異なる方向に各封入メダルが移動するようにしてもよい。また、疑似投入および疑似払出それぞれの場合の各封入メダルの移動速度が異なるようにしてもよいし、同じ速度で各封入メダルが移動するようにしてもよい。また、疑似投入用メダル保持体、疑似払出用メダル保持体およびメダル保持体のそれぞれは少なくとも1枚の封入メダルを保持していればよく、各メダル保持体が保持する封入メダルの数は同数であってもよいし、異なっていてもよい。また、投入ディスク110および払出ディスク120を同軸で回転させてもよい。この場合には、投入ディスク100および払出ディスク120の直径を異ならせるとよい。
また、図15に示す最大ベット処理では、既にメダルが疑似投入されて賭け数が設定されている場合に、一旦、投入精算処理を行い(図15のステップS202)、賭け数(疑似投入枚数)を0枚に初期化した後に、再度、疑似投入を行うように構成されている(図15のステップS203〜ステップS208)。しかしながら、この場合に、投入精算処理を行わずに、最大賭け数(疑似投入枚数)を超えない範囲内において、既に設定されている賭け数に加算するように疑似投入を行うようにしてもよい。
また、図16に示すベット処理では、ベットスイッチ7が操作されて疑似投入枚数(賭け数)が規定枚数(例えば3枚)に達している場合に(図16のステップS308でYES)、遊技者の意思により規定枚数の賭け数が設定されたことを尊重して、更なる賭け数の変更を禁止するために、ベットスイッチ7の操作が無効化される(図16のステップS309)。しかしながら、この場合に、ベットスイッチ7の操作を無効化せずに、更に賭け数(疑似投入枚数)を変更できるようにしてもよい。
また上記した実施形態では、遊技可能な賭け数(疑似投入枚数)として、複数の賭け数(例えば、1枚、2枚、3枚)が設定されたスロットマシン1を例に挙げて説明しているが、規定の賭け数(例えば3枚)のみが設定されたスロットマシン1でもよい。この場合、上記したように、規定枚数のメダルの疑似投入が検出されたタイミングでスタートスイッチ9の操作を有効すればよい。また、1枚のメダルの疑似投入が検出されたタイミングでスタートスイッチ9の操作を有効化し、規定枚数のメダルの疑似投入が検出されたタイミングで役抽選を行うようにしてもよい。
また、精算スイッチ11(精算スイッチ用センサ11a)が設けられていなくてもよい。この場合には、例えば、返却スイッチ13が操作されることにより、一旦、疑似投入された枚数分のメダルの疑似払出が行われて、疑似投入された枚数分の枚数データがデータ保持手段190,241に加算されるようにするとよい。そして、メダル貸出ユニットの返却手段245に、データ保持手段190,241に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データをメダルカード装置220に挿入されたメダルカードに記録させることによって、メダル貸出ユニット200にメダルを枚数データの形式で遊技者に対して返却させるようにするとよい。
そして、所定枚数のメダルが投入されることを条件として遊技が実行されるスロットマシンに本発明を広く適用することができる。