<実施形態>
本発明の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
(スロットマシンシステム)
まず、スロットマシンシステムについて図1および図4を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態にかかるスロットマシンとメダル貸出ユニットの正面図、図4がスロットマシンシステムを示すブロック図である。
図4に示すように、スロットマシンシステムは、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200と、ホールコンピュータHPとで構成されている。スロットマシン1では、メダル貸出ユニット200から枚数データの形式でメダル表示装置(メダル管理制御基板83)に送られ、該メダル管理制御基板83による枚数データ管理により、遊技が実行される。
また、本実施の形態では、スロットマシンシステムにおいて、遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データはメダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている。そして、後で詳細に説明するように、スロットマシン1のベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の押下により所定枚数分の賭け数が設定されると、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから、賭け数である所定枚数分の枚数データが減算される。また、入賞することによりスロットマシン1から遊技者に対して所定の利益として所定の払出枚数のメダルが付与される場合には、本実施の形態では、メダルが払い出される代わりに、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データに、所定の払出枚数分の枚数データが加算されることにより、遊技者にメダルが疑似払出される。つまり、このスロットマシン1では、遊技媒体としてのメダルを使用せず、メダルの投入と払出の代わりに枚数データという遊技価値を用いて遊技を行う。
また、各種遊技情報がメイン制御基板63から外部端子板91を介してホールコンピュータHPに送信される。各種遊技情報は、例えば、前面パネル2の開放状態、メダルの疑似投入、疑似払出枚数に関する情報、エラー発生情報、設定変更中である旨の情報、設定確認状態である旨の情報、ボーナス状態中である旨の情報、入賞・再遊技役・ボーナス役に入賞した旨の情報、各リール6L,6M,6Rが停止した旨の情報などである。
なお、各種遊技情報の一部または全部を、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信するようにしてもよい。この場合、メダル貸出ユニット200からホールコンピュータHPに当該情報を送信するようにしてもよい。さらに、当該情報を、メイン制御基板63からメダル管理制御基板83と貸出端子板90とを介してメダル貸出ユニット200に送信するようにしてもよい。なお、各種遊技情報の全部を貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信する場合は、外部端子板91を無くすことができる。また、一部の情報を貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信する場合は、当該一部の情報を外部端子板91に伝送するための配線等が不要になるため、メイン制御基板63の設計自由度が向上する。
また、メダル管理制御基板83と、メダル貸出ユニット200とは、貸出端子板90を介して双方で情報のやり取りが行われる。
また、メイン制御基板63は、払出表示器46にメダルの疑似払出枚数を表示したり、エラー種別情報を表示したりする際の制御を行う。また、メダル管理制御基板83は、メモリ85に記憶されている所持メダルの枚数データに基づいて、所持メダルの枚数を所持メダル表示器26に表示する際の制御と、メダル管理制御基板83に関わるエラーをエラー表示ランプ30a,30b,30cで表示する際の制御とを行う。以下では、まず、メダル貸出ユニット200について詳細に説明した後に、スロットマシン1について詳細に説明する。
(メダル貸出ユニット)
図1や図4に示すように、メダル貸出ユニット200は、遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で遊技者に貸し出すものであり、ユニット情報表示装置210、現金投入ユニット(図示省略)、カード挿入排出装置220、ユニット制御装置240を備えている。
ユニット情報表示装置210は、ユニット制御装置240において記憶されている現金残高(度数)、メダル管理制御基板83から送信される枚数データに基づく所持メダル数、挿入されたメダルカードに記憶されている所持メダル枚数などを表示するものである。ユニット情報表示装置210は、複数の7セグメントLED(図示省略)により構成されたり、液晶表示器(図示省略)により構成される。ここで、現金残高とは、投入された現金の残高である。メダル管理制御基板83から送信される枚数データに基づく所持メダル数とは、例えば、後述する返却ボタン230bの操作に基づき、メダル管理制御基板83のメモリ85に保持されている枚数データ(遊技者の所持メダルデータ)がユニット制御装置240に送信された際の、当該枚数データに応じたメダル枚数である。
なお、返却ボタン230bの操作に基づき、メダル管理制御基板83のメモリ85に保持されている枚数データ(遊技者の所持メダルデータ)がユニット制御装置240に送信された場合は、データ保持手段241に記憶させずに、メダルカードに直接記憶させるようにしてもよい。
現金投入ユニットは、メダル貸出ユニット200からメダルを借り受けるために紙幣等の現金が投入されるものであり、遊技者により投入された現金を検出する。そして、遊技を開始するために現金が現金投入ユニットに投入されると、ユニット制御装置240のデータ保持手段241に投入された金額が記憶されることによりメダルの貸し出しが可能な状態になる。また、メダルが貸し出されると、貸し出されたメダル枚数分の金額がデータ保持手段241に記録された金額から減算される。その後、更に現金が現金投入ユニットに投入されると、その金額が加算される。なお、現金が投入された場合は、カード挿入排出装置220に収納されている無記録状態の複数のメダルカードのうちの一枚に、投入された金額を直接記録し、その後の現金残高を当該カードで管理するようにしてもよい。
ユニット制御装置240は、メダル貸出ユニット200全体の制御を行うものであり、現金投入ユニットに現金が投入された場合に、もしくは、メダルの借り受けに使用可能な金額が記録されたメダルカードが挿入された場合に、遊技者にメダルを枚数データの形式で貸し出すものである。また、ユニット制御装置240は、遊技を終了するときに遊技者の操作等でメダルカードを遊技者に返却することになるが、その際にメダル管理制御基板83のメモリ85に所持メダルが残っていれば、残っているメダル枚数に関する枚数データをカード挿入排出装置220に収納されているメダルカードに記録する。ユニット制御装置240は、データ保持手段241、貸出手段242、減算手段243、加算手段244、返却手段245、送受信手段246を備えている。
データ保持手段241は、メダル管理制御基板83から送信される枚数データ(所持メダルデータ)や、投入された現金の残高に関するデータを保持するものである。
貸出手段242は、貸出ボタン230aが押下された場合は、投入された現金で設定されている枚数データのうち、例えば、50枚分の枚数データを、メダル管理制御基板83に送信することにより、遊技者に遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で貸し出すものである。また、貸出ボタン230aが押下された際、貸出手段242により枚数データがメダル管理制御基板83に送信された場合には、所定の貸出枚数分(50枚分)の貸出料金がデータ保持手段241に記憶されている現金残高から減算される。
また、貸出手段242は、所持メダルが残った状態のメダルカードがカード挿入排出装置220に挿入された場合は、その枚数に応じた枚数データを、メダル管理制御基板83に送信することにより、遊技者に遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で貸し出す。このとき、当該メダルカードの枚数データ(所持メダル)をクリアする。
なお、本実施の形態では、貸出手段242からメダル管理制御基板83へのデータの送信は、貸出端子板90を介して行われる(図4参照)。このように、遊技者に対してメダルが枚数データの形式で貸し出される。また、この実施形態では、所持メダルが記憶されたメダルカードを挿入した場合は、自動的にその全て枚数分の枚数データがメダル管理制御基板83に送信されるようにしたが、貸出ボタン230aの押下を契機として、メダル管理制御基板83に送信するようにしてもよい。また、貸出ボタン230aを押下する度に一部のメダルの枚数データ(例えばメダル50枚分の枚数データ)をメダル管理制御基板83に送信するようにしてもよい。
減算手段243は、メダル管理制御基板83への枚数データの送信に基づいて、データ保持手段241に記憶されている現金残高から貸出枚数データに応じた貸出料金を減算するものである。また、加算手段244は、更に現金が現金投入ユニットに投入されると、データ保持手段241に記憶されている現金残高に投入金額を加算するものである。
返却手段245は、データ保持手段241に保持されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データをメダルカードに記録することにより、遊技者にメダルを枚数データの形式で返却するものである。また、返却手段245により遊技者にメダルが枚数データの形式で返却された場合には、データ保持手段241に保持されている枚数データが初期化される。なお、本実施の形態では、返却ボタン230bが操作されることにより(図1参照)、メダル管理制御基板83から送信される所持メダルの枚数データがデータ保持手段241で一旦記憶される。そして、当該枚数データがメダルカードのメモリに移されて、当該メダルカードが挿入/排出口220aから排出される(所持メダルデータの返却)。このとき、データ保持手段241に記憶されている当該枚数データはクリアされる。
送受信手段246は、メダル管理制御基板83からの各種情報を受信するとともに、メダル管理制御基板83に各種情報を送信するものである。メダル管理制御基板83から受信する情報としては、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データや、エラー情報などである。また、メダル管理制御基板83に送信する情報としては、各ボタン230a〜230cの操作状態に関する情報などである。なお、この実施形態では、返却ボタン230bが押下されると、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データがメダル管理制御基板83から送信されるように構成しているが、このデータやその他の各情報は、メダル管理制御基板83とメダル貸出ユニット200との間で常時通信する構成であってもよい。この場合、例えば、(i)毎ゲームの終了時(疑似払出処理の後)、(ii)スタートスイッチ9の操作があったとき、(iii)メイン制御基板63のタイマ割込み処理と同様のタイミング、(iv)所持メダル表示器26で表示されるメダル数が変更されるタイミング(疑似投入処理、疑似払出処理)のいずれか、または、これらの全てのタイミングで、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データがメダル管理制御基板83から送信されるようにしてもよい。なお、(iii)の場合は、メイン制御基板63のタイマ割込み処理において、メダル管理制御基板83とメダル貸出ユニット200との通信処理を行うようにしてもよいし、メイン制御基板63のタイマ割込み処理の所定回数に1回の割合でメダル管理制御基板83とメダル貸出ユニット200との通信処理を行うようにしてもよい。
カード挿入排出装置220は、挿入/排出口220aからメダルカードが挿入された場合は、当該カードを収納するとともに、返却ボタン230bや離席ボタン230cが操作された場合は、所定の情報が記録されたメダルカードを挿入/排出口220aから排出するものである。
(スロットマシン)
続いて、スロットマシン1の構成の概略について、図1を参照して説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作により、遊技を開始させるための所定条件を成立させるためにメダルの疑似投入が行われる。また、メダルの疑似投入により所定枚数分の賭け数が設定されて所定条件が成立したことを条件として、遊技者によりスタートスイッチ9が操作されると、各々複数個の図柄が配列された複数の回転リール6L,6M,6Rが回転を開始する。また、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により各回転リール6L,6M,6Rが停止する。このときの停止図柄表示結果が所定の入賞態様であれば、予め定められた所定の払出枚数分のメダルの疑似払出が行われることにより1回の遊技が終了する。ここで、メダルの疑似投入とは、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データ(所持メダルデータ)を、当該遊技に賭け数に応じたメダル数が減じられた枚数データ(所持メダルデータ)に書き換えられることをいう。また、メダルの疑似払出とは、当該遊技で入賞した場合に、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データ(所持メダルデータ)を、入賞役に応じて設定されたメダル数が加算された枚数データに書き換えられることをいう。
なお、疑似投入が行われ、枚数データ(所持メダルデータ)が減じられた場合であってもスタートスイッチ9の操作が行われるまでは、設定された賭け数を変更することができ、これに応じて賭け数及び枚数データ(所持メダルデータ)が適宜更新され、スタートスイッチ9を操作すると賭け数として設定された分が遊技に供されることとなる。例えば、規定枚数として「3」または「1」が設定されている遊技状態において賭け数を設定する場合、最大ベットスイッチ8を操作することで賭け数として「3」が設定されるとともに、枚数データ(所持メダルデータ)からは「3」が減じられる。その後、賭け数を「1」に変更する場合、ベットスイッチ7を操作することで賭け数として「1」が設定されるとともに、枚数データ(所持メダルデータ)には「2」が戻る(加算される)こととなる。
スロットマシン1は、例えば、図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、前面が開放された箱型の筐体の前面が前面パネル2により開閉自在に閉塞され、この前面パネル2のほぼ中央高さの位置に操作板3が配設されると共に、この操作板3の上方に正面板4が配設されている。そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられている。また、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右回転リール6L,6M,6Rが配置されている。
左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面には、所定の個数の図柄が所定の配列で設けられている。また、左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数の図柄には、種類が異なる複数種類の図柄が含まれている。なお、各回転リール6L,6M,6Rは、複数種類の図柄が印刷されたリールテープが回転リールの周面に貼り付けられて形成されている。また、各回転リール6L,6M,6Rが回転すると、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ表示窓5に変動表示される。また、各回転リール6L,6M,6Rの回転が停止すると、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれについて、表示窓5の上段、中段および下段のそれぞれに1個ずつの合計3個の図柄が表示されるように設定されている。すなわち、全ての回転リール6L,6M,6Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示される。
また、各回転リール6L,6M,6Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各回転リール6L,6M,6Rには、それぞれステッピングモータにより構成される左、中、右リールモータ27L,27M,27Rが連結されている。また、各回転リール6L,6M,6Rを支持する支持枠体が筐体内の後壁に固定されて設けられており、各回転リール6L,6M,6Rは支持枠体に支持されて筐体内に配設されている。
また、操作板3には、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、レバー状のスタートスイッチ9、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rが設けられている。ベットスイッチ7は、後述するメダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから1枚分ずつのメダルの疑似投入を指示するためのものである。最大ベットスイッチ8は、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(規定枚数:3枚に設定されている)のメダルの疑似投入を指示するためのものである。なお、ベットスイッチ7および最大ベットスイッチ8は、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データにより示されるメダル枚数が1枚以上である場合に有効化されるように設定されている。また、最大ベットスイッチ8が操作されたときに、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データが示すメダル枚数が規定枚数(例えば3枚)よりも少ない場合には、メダルの貸し出しを遊技者に促す報知を行うようにしてもよいし、規定枚数(例えば3枚)より少ない所定枚数で遊技できるようにしてもよい。また、そもそもベットスイッチ7及び最大ベットスイッチ8の操作を受付けないようにしてもよい。
スタートスイッチ9は、各回転リール6L,6M,6Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるものである。左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させるものである。なお、スタートスイッチ9は、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから所定枚数分のメダルの疑似投入(所定枚数が減算された枚数データへの書き換え)が行われた後、有効化されるように設定されている。また、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、スタートスイッチ9の操作により回転開始した各回転リール6L,6M,6Rが所定の加速期間が経過して定速回転するようになった後に有効化されるように設定されている。
本実施の形態では、1ゲーム(1回の遊技)に必要な賭け数(所定枚数)は、1枚、2枚、3枚の3種類が設定されている。また、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれにより複数種類の図柄を可変表示する可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ10L,10M,10Rは、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行うための液晶表示器14が設けられている。
また、正面板4の上方の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための上部スピーカ15が設けられている。また、操作板3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための下部スピーカ16が設けられている。
また、前面パネル2の上側の周縁部分に上部ランプ部21が設けられ、前面パネル2の下部パネル18の左右に下部ランプ部22が設けられている。各ランプ部21,22それぞれは、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などの発光手段を備え、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
また、表示窓5の右下方には、遊技者が所有する遊技価値(枚数データ)に応じたメダルの枚数を表示するため所持メダル表示器26が配設される。また、所持メダル表示器26の隣りには、メダル管理制御基板83に関連するエラー表示を行う3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cが配設される。
また、表示窓5の左下方には、メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。この払出表示器46は、図5に示すように、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。
(スロットマシンの電気的な構成の概略)
スロットマシン1の電気的な構成の概略について、図1も参照しつつ図2を参照して説明する。図2はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール6L,6M,6Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール6L,6M,6Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール6L,6M,6Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。このスロットマシン1では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、各リール6L,6M,6Rそれぞれに設定された0〜20番の図柄のコマ番号のうち、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓5の中段に位置するように構成されている。
変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりオンオフが切り換えられる。リセットスイッチ52は、操作ボックス49内に設けられ、設定変更中は1回押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。電源スイッチ50aは、電源のON、OFFを切り換えるものであり、操作ボックス49内に設けられている。
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73、遊技で疑似投入と疑似払出を行うためのメダルの所持数を管理する管理CPU81が実装されたメダル管理制御基板83とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。また、メイン制御基板63からメダル管理制御基板83とは各種の情報が双方向で送信される。
メイン制御基板63のRAM65はスロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域が形成されている。
また、メイン制御基板63のROM67は予め設定されたデータ(図3の役抽選テーブル671など)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、抽選手段102(図3参照)による役抽選結果(後述する役の入賞に必要な情報も含む)に関する情報、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種の遊技情報に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器14やスピーカ15,16などの演出機器の制御を行う。
また、メダル管理制御基板83のメモリ85は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、メダル管理制御基板83の管理CPU81は、タイマ割込などの割込機能を有し、メインCPU61から送信される情報や、メダル貸出ユニット200から送信されるメダル情報に基づいて遊技で疑似投入/払出されるメダルの枚数データ(所持メダルデータ)を管理する。また、管理CPU81は、メモリ85に記憶している枚数データに応じたメダル枚数(所持メダル)を所持メダル表示器26に表示する制御を行う。また、メインCPU61から送信される情報に基づいて、エラー表示ランプ30a,30b,30cの点灯制御を行う。
また、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200の返却ボタン230bが押下された旨の信号を受信すると、メモリ85に記憶されている所持メダルの枚数データをメダル貸出ユニット200に送信する。このとき、管理CPU81は、メモリ85に記憶されている所持メダルの枚数データをクリアする。
また、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200の離席ボタン230cが押下された旨の信号を受信すると、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8が操作されるか否かにかかわらず、メダルの疑似投入を禁止する制御を行う。つまり、離席ボタン230cが押下された場合は、一時的に遊技ができない状態となる。なお、離席ボタン230cが押下されると、1枚のメダルカードが挿入/排出口220aから排出される。遊技者が離席から復帰して当該メダルカードを挿入/排出口220aに挿入すると、その旨の信号が管理CPU81に送信される、管理CPU81は、この信号に基づいてメダルの疑似投入の禁止制御を解除する。この場合、メダルカードにID情報を記憶させておき、離席ボタン230cが操作された場合は、当該ID情報を、例えばデータ保持手段241で記憶する。そして、遊技者が帰ってきてメダルカードが挿入された際に、ID情報の照合を行い、一致すれば、その旨の情報をメダル管理制御基板83に送信し、これによりメダルの疑似投入の禁止制御が解除される。
また、メイン制御基板63、サブ制御基板73、メダル管理制御基板83、貸出端子板90それぞれは、外部から容易にアクセスできないように、カシメ機構を有する個別の基板ケース内に封印されている。不正行為を防止するための各基板の接続方法としては、それぞれに実装されたコネクタにより、直接基板間接続(BtoB接続)する方法、物理的アクセスの他に、電磁波ノイズの影響を抑えるワイヤカバーで被覆された信号線を用いて接続する方法、信号線を遊技者から視認し難い場所から引き回す方法、基板間の通信信号を暗号化する方法、各基板に設けたID情報を、定期的またはエラー発生時にやり取りする方法などがある。なお、基板それぞれに実装されたコネクタにより両基板を接続する場合は、基板の視認性が低下する積層接続ではなく、横並びに接続し、接続箇所を含めた基板ユニットとしてカバーすることでアクセスを困難にするとよい。
(メイン制御基板)
メイン制御基板63の機能について図3を参照して説明する。
(1)遊技制御手段100
遊技制御手段100は、メダルレスのスロットマシン1において実行される遊技を制御するためのものである。このスロットマシン1の遊技では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されてメダルの疑似投入の指示があると、メダル管理制御基板83のメモリ85の所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データが、疑似投入の枚数分、減じられた枚数データに書き換えられる。このとき、書き換えたことを特定可能な情報が、メダル管理制御基板83からメイン制御基板63に送信され、これにより賭け数が設定される。また、スタートスイッチ9の操作がされるまでは賭け数の変更が可能であって、これに応じてメダル管理制御基板83のメモリ85の所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データも更新されることとなる。そして、所定枚数の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、まず、当選か否かを決定する抽選手段102による乱数抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が開始する。
その後に、3個のストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの1個が操作されると、当該操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rに対応した回転リール6L,6M,6Rのうちのいずれかの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作が終了すると、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、所定枚数のメダルの疑似払出、メダル管理制御基板83のメモリ85の所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データ(所持メダルデータ)の減算を行うことなく次回の遊技を実行可能なリプレイ、などの所定の利益が遊技者に対して付与される。
(2)投入制御手段101
投入制御手段101は、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、所定枚数のメダルの疑似投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。このとき、投入制御手段101は、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、その旨を特定可能な情報をメダル管理制御基板83に送信する。当該情報を受信したメダル管理制御基板83は、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データを、ベット数に応じた枚数が減じられた枚数データに書き換え、その旨を特定可能な情報をメイン制御基板63に送信する。メダル管理制御基板83からの情報を受信すると、投入制御手段101は、スタートスイッチ9の操作を有効化する。
(3)抽選手段102
抽選手段102は、本実施の形態では、スタートスイッチ9の操作を契機に、小役、再遊技役、ボーナス役を含む複数の役のいずれかに当選かまたはハズレかの抽選を行うためのものである。また、抽選手段102は、乱数発生手段、乱数抽出手段、抽選テーブル、および抽選判定手段を備えている。乱数発生手段は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(本実施の形態では、例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものである。この乱数発生手段は、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を抽出するもので、乱数発生手段が発生させた乱数をスタートスイッチ9の操作を契機として抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ9が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
役抽選テーブル671は、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものである。抽選判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数と、抽選テーブルとを照合して、抽出された乱数が、複数の抽選結果のいずれに該当するかを判定するものである。
(4)停止制御手段103
停止制御手段103は、遊技者によるストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作態様と抽選手段102の抽選結果とに基づき、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行うものである。本実施の形態では、抽選手段102による抽選結果が複数の役のいずれかへの当選であった場合に、停止制御手段103は、遊技者がストップスイッチ10L,10M,10Rを操作したタイミングが適切であれば、後述の判定手段104により当選した役に入賞したと判定されるように、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行う。なお、ストップスイッチ10L,10M,10Rの遊技者による操作態様としては、前述の操作タイミングに限らず、いずれのストップスイッチ10L,10M,10Rを最初に操作したか等の操作順序であってもよい。また、当選役の種類によっては、ストップスイッチ10L,10M,10Rが遊技者によりどのようなタイミングで操作されても、当該当選役に対応した入賞態様で停止図柄が表示されるように、各回転リール6L,6M,6R上での各図柄の配置位置が設定されている。
(5)判定手段104
判定手段104は、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により全ての回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄の表示態様を判定するものである。本実施の形態では、各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかが判定手段104により判定される。なお、入賞と判定される表示態様は、当選役毎に異なる表示態様が予め定められている。
(6)払出制御手段105
払出制御手段105は、判定手段104により停止図柄表示結果が所定の入賞と判定された場合、所定の払出枚数のメダルの疑似払出を行うものである。具体的には、払出制御手段105は、スロットマシン1から疑似払出されたメダル枚数分の枚数データに関する情報をメダル管理制御基板83に送信する。メダル管理制御基板83は、当該情報を受信した場合、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データを、疑似払出されたメダルの枚数が加算された枚数データに書き換える。なお、これらの処理の一部または全部をメダル管理制御基板83で行うようにしてもよい。
(7)エラー検知手段106
エラー検知手段106は、通常の状態とは異なる異常な状態が発生している状態、いわゆるエラーが発生したか否かを検知するものである。エラー検知手段106が検知するエラーには、例えば、RWMエラー、リールエラー、メイン制御・メダル管理制御通信エラー、メダル管理制御エラー、ユニット通信エラー、メダル数上限エラー等が該当する。これらのエラーが発生した場合は、当該エラーの発生に基づいてエラー処理に移行し、遊技が中止される。
各エラーには、それぞれ種類を分類するためのエラーコード(上記の順番にE0、E1、E2、EA、EC、EF)が設定されている。これらのエラーについては、図6を参照して後述する。
(8)払出表示器制御手段107
払出表示器制御手段107は、払出表示器46の表示を制御するものである。具体的には、払出表示器制御手段107は、通常遊技において、当選役に入賞した際、払出表示器46に当該入賞役に設定されたメダルの払い出し枚数が表示されるように払出表示器46を制御する。
図5に示すように、払出表示器46は、2つの7セグメントディスプレイSEG1,SEG2を有する。各7セグメントディスプレイSEG1,SEG2は、いずれも8箇所の点灯可能箇所A、B、C、D、E、F、G、DPがあり、二桁の数字や、A、C、F、Fなどの一部のアルファベットが表示可能となっている。したがって、例えば、1枚の払い出しが得られる役に入賞した場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1のA、B、C、D、E、Fが点灯するとともに(「0」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2のB、Cが点灯(「1」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。
また、払出表示器46では、エラーが発生した場合は、そのエラー種別を識別可能なエラー表示も行われる。この場合、エラー発生時点でエラー表示をしても良いし、エラー発生に基づいたエラー処理へ移行し、遊技が中止された場合にエラー表示をしても良い。払出表示器制御手段107は、エラー表示の制御も行う。エラー表示は、エラー検知手段106が検知したエラー種別に基づいて行われる。以下、各エラーの内容と、払出表示器46による表示態様について図6を参照して説明する。
RWMエラー(エラーコード:E0)は、RWM((Read Write Memory)読み出し書き込みメモリであって、RAM(Random Access Memory)随時書き込み読み出しメモリとも言う)のバックアップ不良等が発生している状態である。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1のA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2のA、B、C、D、E、Fが点灯(「0」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1,SEG2の全ての点灯箇所の消灯制御を行う。なお、当該エラーは、スロットマシン1の設定値を再入力することにより解除できる。
リールエラー(エラーコード:E1)は、回胴(リール)位置検出エラー(左・中・右位置センサ55L,55M、55Rによる位置検出エラー)であって、左・中・右リール6L,6M,6Rの停止処理中に電源断になった場合や、左・中・右リール6L,6M,6Rの停止処理中のリールユニットの故障等により左・中・右リール6L,6M,6Rの位置検出に関するエラーが発生している状態である。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1のA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2のB、Cが点灯(「1」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1,SEG2の全ての点灯箇所の消灯制御を行う。なお、当該エラーは、リセットスイッチ52を押下することにより解除することができる。
メイン制御・メダル管理制御通信エラー(エラーコード:E2)は、メイン制御基板63とメダル管理制御基板83との間の通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、両基板を接続する信号線の破損や、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1のA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2のA,B、D,E、Gが点灯(「2」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1,SEG2の全ての点灯箇所の消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。その他、エラー原因の解消後にリセットスイッチ52を押下することにより、エラー解除できる構成であってもよい。
メダル管理制御エラー(エラーコード:EA)は、メダル管理制御基板83に不良等が発生している状態であって、具体的には、メダル管理制御基板83のメモリ85のデータ不良であったり、メイン制御基板63に送信される信号に異常が発生したりしている状態である。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1のA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2のA、B、C、E、F、Gが点灯(「A」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1,SEG2の全ての点灯箇所の消灯制御を行う。なお、当該エラーは、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。
ユニット通信エラー(エラーコード:EC)は、メダル管理制御基板83と、メダル貸出ユニット200との通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、メダル管理制御基板83と貸出端子板90との間の信号線の破損、貸出端子板90とメダル貸出ユニット200との間の信号線の破損、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1のA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2のA,D、E,Fが点灯(「C」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1,SEG2の全ての点灯箇所の消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。その他、エラー原因の解消後にリセットスイッチ52を押下することにより、エラー解除できる構成であってもよい。
メダル数上限エラー(エラーコード:EF)は、メダル管理制御基板83で計数可能なメダル数の上限に到達している状態である。この実施形態では、計数可能なメダルの上限値が60000枚に設定されており、これを超えると当該エラーが発生する。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1のA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2のA,E、F,Gが点灯(「F」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1,SEG2の全ての点灯箇所の消灯制御を行う。なお、当該エラーは、メダル貸出ユニット200の返却ボタン230bを押して、メダル管理制御基板83の所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データを、メダルカードに移し、所持メダル数記憶領域851をクリアすることにより解除することができる。また、払出制御手段105は、メダルの疑似払出の際に上限を超える状況となった場合は、一旦上限までの分の疑似払出を行い、エラー解除後に残り分の疑似払出を行う。
また、メダル数上限エラーについては、例えば、所持メダル数記憶領域851の記憶領域が60000枚分の容量で設定されている場合は、所持メダルの枚数データが59999枚分のデータ量に到達したときに当該エラーを発生させるようにしてもよい。また、例えば、1ゲームで得られる最大のメダル数が15枚であるときは、所持メダルの枚数データが60000−15=59985枚分のデータ量を超えると当該エラーを発生させるようにしてもよい。さらに、メダルカードに記憶されている所持メダルの枚数データが、所定のデータ量(例えば、59985枚)を超えている場合、当該カードが挿入/排出口220aに挿入された場合も当該エラーが発生するようにしてもよい。
また、リール6L,6M,6Rが回転中に、例えば、59985枚分のデータ量を超える枚数データ(所持メダル)が記憶されているメダルカードが挿入/排出口220aに挿入された場合は、その遊技の終了後にメダル数上限エラーを払出表示器46に表示する。さらに、当該ゲームでメダルの疑似払出にかかる役に入賞した場合、払出制御手段105は、当該エラーが解除されるまで、疑似払出の処理を中断する。
なお、その他のエラーとして、サブ通信エラー、液晶通信エラー、誤入賞エラーがある。サブ通信エラーはメイン制御基板63とサブ制御基板73との間の通信に異常がある状態である。液晶通信エラーは、サブ制御基板73からの信号が液晶表示器14に入力されていない状態である、誤入賞エラーは、当選していない役の図柄組合せが入賞ライン上に停止している状態である。これらのエラーについても、払出表示器46にエラーコードが表示されるが説明は省略する。
(9)コマンド作成手段108
コマンド作成手段108は、抽選手段102の役抽選結果に関する情報、通常遊技状態やボーナス遊技状態などの遊技状態の種類に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段108により生成されたコマンドは、後述するコマンド送信手段109によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
(10)コマンド送信手段109
コマンド送信手段109は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、抽選手段102の役抽選結果、各リール6L,6M,6Rの回転・停止状態、払出制御手段105によるメダルの疑似払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
(11)メダル管理送受信手段110
メダル管理送受信手段110は、メダル管理制御基板83に各種情報を送信するとともに、メダル管理制御基板83からの各種情報を受信するものである。メダル管理送受信手段110は、メダル管理制御基板83に、例えば、入賞役に関する情報やベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8の操作に関する情報などの各種情報を送信する。一方、メダル管理制御基板83からは、例えば、疑似払出に関する情報、メダル貸出ユニット200の貸出ボタン230a、返却ボタン230b、離席ボタン230cの操作に関する情報、メダル管理制御基板83のエラーに関する情報などの各種情報を受信する。なお、この実施形態では、遊技制御手段100、抽選手段102、停止制御手段103、判定手段104、コマンド作成手段108、コマンド送信手段109などによる遊技の制御に関する信号を扱う部品と、投入制御手段101、払出制御手段105、払出表示器制御手段107、メダル管理送受信手段110などによるメダルの疑似投入、疑似払出制御に関する信号を扱う部品とは、メイン制御基板63上の部品配置領域が分離している。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について図3を参照して説明する。図3のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出や各種エラー報知、返却処理を行っている旨の報知等を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図2参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)コマンド受信手段150
図3のコマンド受信手段150は、メイン制御基板63のコマンド送信手段109により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段150は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段151
図3の演出内容決定手段151は、コマンド受信手段150により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、抽選手段102の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器14に表示される動画を決定したり、スピーカ15,16から流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22の光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
そして、演出内容決定手段151は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を液晶表示制御手段152および音声制御手段153に送信する。
(3)液晶表示制御手段152
図3の液晶表示制御手段152は、演出内容決定手段151から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器14に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。例えば、液晶表示制御手段152は演出内容決定手段151から送信されるデータに基づいて上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別にフラッシュさせる。
(4)音声制御手段153
図3の音声制御手段153は、演出内容決定手段151から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ15,16から音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。例えば、音声制御手段153は、演出内容決定手段151から送信されるデータに基づいてスピーカ16から再遊技役の入賞音を鳴らしたり、スピーカ16からメダルの投入音を鳴らしたりする。
(メダル管理制御基板)
次に、メダル管理制御基板83について図3を参照して説明する。図3のメダル管理制御基板83は、メイン制御基板63から送信された各種情報を受信し、メダルの疑似払出に関する処理や疑似投入に関する処理などを行うものである。メダル管理制御基板83は、メモリ85(図2参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)受信手段300
受信手段300は、メイン制御基板63から送信される、メダルの疑似投入の指示や、入賞役にかかる疑似払出枚数に関する情報などの各種情報を受信するとともに、メダル貸出ユニット200から送信されるボタン230a,230b,230cに関する情報などの各種情報を受信するものである。受信手段300は、メイン制御基板63から送信される情報や、メダル貸出ユニット200から送信される情報を受信すれば、情報の種類に応じてメダル管理制御基板83が備える各機能に通知を行う。なお、受信手段300については、メイン制御基板63からの情報を受信する手段と、メダル貸出ユニット200からの情報を受信手段とが別々の手段であってもよい。
また、この実施形態では、メダルの疑似投入枚数や、入賞役にかかる疑似払出枚数に関する情報は、1枚ごとに1パルス分の信号により送信されるが、枚数に応じたデータを一括で送信するようにしてもよい。
(2)メダル表示制御手段301
メダル表示制御手段301は、メイン制御基板63からの情報や、メダル貸出ユニット200からの情報に基づいて、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データに応じたメダル数を、遊技者が所持するメダル数として表示させるように所持メダル表示器26を制御するものである。メダル表示制御手段301は、記憶領域書換手段301aを備えている。
所持メダル表示器26は、表示窓5の右下方に遊技者が視認できる位置に配設されており、図7に示すように、5つの7セグメントディスプレイSEG1〜SEG5で構成されている。各7セグメントディスプレイSEG1〜SEG5の構成は、払出表示器46のものと同じであるので説明を省略するが、各7セグメントディスプレイSEG1〜SEG5が横並びで1列に配列されることで、5桁の数字が表示可能になっている。
記憶領域書換手段301aは、メダル貸出ユニット200の貸出ボタン230aが操作された旨の情報を受信した場合、所持メダル数記憶領域851に、所定枚数(この実施形態では50枚)の枚数データを記憶させる。なお、メダル管理制御基板83には、図示省略のバックアップ電源が設けられるとともに、所持メダル数記憶領域851のデータをバックアップするメモリが設けられており、例えば、電断や所持メダル数記憶領域851不具合等が発生しても、所持メダル数記憶領域851に記憶されているデータを復元できるように構成されている。また、所持メダル数記憶領域851のデータとバックアップメモリのデータが異なっている状態が何度か連続していると判断すれば、不正行為が行われた可能性があるとして、エラー報知(上述したメイン制御・メダル管理制御通信エラー等)を行ってもよい。
また、記憶領域書換手段301aは、所定枚数のメダルが記憶されているメダルカードがメダル貸出ユニット200の挿入/排出口220aに挿入された場合、所持メダル数記憶領域851の枚数データを、メダルカードに記憶されている所定枚数が加算された枚数データに書き換える。
また、ベットスイッチ7や最大ベットスイッチ8の操作により、メイン制御基板63から疑似投入の指示に関する情報を受信した場合、記憶領域書換手段301aは、所持メダル数記憶領域851の枚数データを、ベットスイッチ7,8の種類に応じたメダルを減算した枚数データに書き換える。書き換え後は、その旨がメイン制御基板63に送信され、これによりスタートスイッチ9の操作が有効になる。
また、当選役の入賞により、メイン制御基板63から疑似払出の指示に関する情報を受信した場合、記憶領域書換手段301aは、所持メダル数記憶領域851の枚数データを、入賞役の種類に応じて設定された払出数を加算した枚数データに書き換える。ただし、再遊技役に入賞しても、記憶領域書換手段301aは、所持メダル数記憶領域851の枚数データの書き換えを行わない。なお、再遊技役に入賞した場合、メイン制御基板63からは、外部端子板91を介して、所定枚数分のパルス信号がホールコンピュータHPに送信される。例えば、3枚賭けのゲームで再遊技役に入賞した場合は、ホールコンピュータHPに向けて所定幅のパルス信号が3回発信される。一方、3枚の払い出しが得られる小役に入賞した場合も、ホールコンピュータHPに向けて特定幅のパルス信号が3回発信される。この実施形態では、小役入賞時と再遊技役入賞時とでパルス幅が異なる信号としている。したがって、ホールコンピュータHP側で、小役入賞に基づくパルス信号であるか、再遊技役入賞に基づくパルス信号であるかの識別可能である。
また、メダル貸出ユニット200の返却ボタン230bが操作された旨の情報を受信した場合、後述する送信手段303から所持メダル数記憶領域851の枚数データがメダル貸出ユニット200に送信される。メダル貸出ユニット200では、一旦データ保持手段241に当該枚数データが記憶されたあとメダルカードに移され、メダルカードが挿入/排出口220aから排出される。所持メダル数記憶領域851は、メダルカードが挿入/排出口220aから排出された旨の情報を受信手段300が受信すると、所持メダル数記憶領域851の枚数データを0枚の枚数データに書き換える。
メダル表示制御手段301は、記憶領域書換手段301aにより枚数データの書き換えが行われた場合は、書き換え後の枚数データに応じたメダル枚数が表示されるように所持メダル表示器26を制御する。枚数データが0枚となった場合は、「0」を表示するようにしても良いし、消灯させるようにしてもよい。
なお、この実施形態では、メダル貸出ユニット200とメダル管理制御基板83との通信に異常がある場合や、メダル管理制御基板83に異常がある場合以外は、どのタイミングで返却ボタン230bが操作されても、メダルカードが挿入/排出口220aから排出される。例えば、リール6L,6M,6Rが回転している場合は、当該ゲームで疑似投入されたメダルは返却されないが、疑似投入により所定枚数が減じられた枚数データ、すなわち、回転中に所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データが、メダル貸出ユニット200に送信される。その後、当該枚数データがメダルカードに記憶され、メダルカードが挿入/排出口220aから排出される。また、上記した異常以外のエラーが発生している状態であっても、返却ボタン230bが操作されると、同様のメダル返却処理が行われる。
また、疑似払出処理が行われている途中で、返却ボタン230bが操作された場合や、貸出ボタン230aが操作されて、メダルの貸出処理が行われている最中に返却ボタン230bが操作された場合などのように、返却処理と他の処理が重複した場合は、(i)先に開始された一方の処理が終了するまで、他方の処理を待つ、(ii)他の処理が行われている間、返却ボタン230bの操作を無効化する、(iii)返却処理と他の処理に優先順位をつけ、優先順位が高い方の処理を優先させる、という(i)〜(iii)のいずれかの方法を採用することができる。
(3)エラー表示ランプ制御手段302
エラー表示ランプ制御手段302は、3つのエラー表示ランプ30a,30b,30c点灯/消灯を制御することにより、メダル管理制御基板83に関連するエラーを報知するものである。エラーの種類は、3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cの点灯/消灯の組み合わせで判別できるようになっている。なお、メダル管理制御基板83で検知可能なエラーが生じた場合も、その旨の情報がメイン制御基板63に送信され、遊技が中止される。
3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cは、所持メダル表示器26の隣りに配設されるとともに、縦1列に配列されている。以下、上段のエラー表示ランプ30aを第1エラー表示ランプ30a、中段のエラー表示ランプ30bを第2エラー表示ランプ30b、下段のエラー表示ランプ30cを第3エラー表示ランプ30cという場合もある。
メダル管理制御基板83に関連するエラーとしては、メダル管理制御エラー、ユニット通信エラー、メダル数上限エラー、メイン制御・メダル管理制御通信エラー、メイン制御基板エラーなどが挙げられる。以下、図8を参照して各エラーについて説明する。
メダル管理制御エラーは、メダル管理制御基板83からメイン制御基板63に不良等が発生している状態であって、具体的には、メダル管理制御基板83のメモリ85のデータ不良であったり、メイン制御基板63に送信される信号に異常が発生したりしている状態である。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第1エラー表示ランプ30aと第2エラー表示ランプ30bとの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。
ユニット通信エラーは、メダル管理制御基板83と、メダル貸出ユニット200との通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、メダル管理制御基板83と貸出端子板90との間の信号線の破損、貸出端子板90とメダル貸出ユニット200との間の信号線の破損、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第1エラー表示ランプ30aの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。その他、エラー原因の解消後にリセットスイッチ52を押下することにより、エラー解除できる構成であってもよい。
メダル数上限エラーは、メダル管理制御基板83で計数可能なメダル数の上限に到達している状態である。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第2エラー表示ランプ30bの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、メダル貸出ユニット200の返却ボタン230bを押して、メダル管理制御基板83の所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データを、メダルカードに移し、所持メダル数記憶領域851をクリアすることにより解除することができる。
メイン制御・メダル管理制御通信エラーは、メイン制御基板63とメダル管理制御基板83との間の通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、両基板を接続する信号線の破損や、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第1エラー表示ランプ30aと、第3エラー表示ランプ30cの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。
メイン制御基板エラーは、メイン制御基板63側にエラーが発生している状態である。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第3エラー表示ランプ30cの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、メイン制御基板63のエラーが解除されることにより解除される。このように本実施形態では、何らかのエラーが生じると、メダル管理制御基板83が制御を行うエラー表示ランプ制御手段302及び、メイン制御基板63が制御を行う払出表示器46にてエラー報知されることとなる。
(4)送信手段303
送信手段303は、メダル貸出ユニット200の各種ボタンの操作状態に関する情報や記憶領域書換手段301aによる所持メダル数記憶領域851の枚数データの書き換え完了の情報(疑似投入や疑似払出が完了した旨の情報)や、メダル管理制御基板83が検知できるエラー状態に関する情報などの各種情報をメイン制御基板63に送信するとともに、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データなどの各種情報をメダル貸出ユニット200に送信するものである。
(動作)
次に、本実施の形態におけるメイン処理の一例について図9を参照しつつ説明する。図9は、スロットマシンにおいて遊技が行われる際のメイン処理を示すフローチャートである。
まず、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されたか否かが、メダル管理制御基板83の記憶領域書換手段301aにより判定される(ステップS1)。当該判定は、メイン制御基板63から送信されるベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8の操作情報に基づいて行う。記憶領域書換手段301aによりベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されたと判定されるまでは待機する(ステップS1のNO)。
記憶領域書換手段301aは、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されたと判定した場合(ステップS1のYES)、所持メダル数記憶領域851の枚数データを、操作されたベットスイッチ7に応じた枚数だけ減した枚数データに書き換える疑似投入処理を行う(ステップS2)。所持メダル数更新処理を行った後は、その旨の情報がメイン制御基板63に送信される。
続いて、メイン制御基板63において、遊技状態に応じた規定枚数(3枚)のメダルの疑似投入がされたかどうかを判定し(ステップS3)、規定枚数のメダルが投入されるまで待機する(ステップS3のNO)。一方、規定枚数(3枚)のメダルが疑似投入されれば(ステップS3のYES)、スタートスイッチ9が操作されるまで待機し(ステップS4のNO)、スタートスイッチ9が操作されれば(ステップS4のYES)、抽選手段102が役抽選処理を実行する(ステップS5)。
続いて、各リール6L,6M,6Rの回転を開始し(ステップS6)、回転中の各リール6L,6M,6Rに対応する各ストップスイッチ10L,10M,10Rのいずれかが操作されるまで待機し(ステップS7のNO)、各ストップスイッチ10L,10M,10Rのいずれかが操作されれば(ステップS7のYES)、停止制御手段103によるリール回転の停止制御により、操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rに対応するリールの回転を停止する(ステップS8)。
その後、全てのリール6L,6M,6Rの回転を停止するまでステップS7、ステップS8の処理を繰り返して実行し(ステップS9のNO)、全てのリール6L,6M,6Rの回転が停止すれば(ステップS9のYES)、判定手段104が図柄の判定を行う(ステップS10)。
ステップS10において、判定手段104によりメダルの疑似払出にかかる役に入賞したと判定された場合、入賞役に関する情報、または、疑似払出の指示に関する情報がメダル管理制御基板83に送信される。記憶領域書換手段301aは、この情報を受信した場合、所持メダル数記憶領域851の枚数データを、入賞役に応じた枚数を加算した枚数データに書き換える疑似払出処理を行う(ステップS11)。その後は、ステップS1〜ステップS11の処理が繰り返し実行される。
したがって、この実施形態によれば、スロットマシン1内でメダルの管理が行えるのに加えて、メダル貸出ユニット200とメダル管理制御基板83とが双方向で信号のやり取りが行えるため、貸出または入賞によるメダルの情報を適切に管理できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、貸出ボタン230aをメダル貸出ユニット200に設ける構成について説明したが、スロットマシン1側に設けるようにしてもよい。この場合、貸出スイッチはメダル管理制御基板83かメイン制御基板63のいずれかに接続させるとよい。また、貸出スイッチと、メイン制御基板63またはメダル管理制御基板83との接続を中継基板を介して行ってもよい。
また、上記した実施形態では、所持メダルの管理をメダル管理制御基板83で行ったが、例えば、メイン制御基板63に、管理CPU81やメモリ85を実装するなど、メダル管理制御基板83の機能を、メイン制御基板63に搭載する構成であってもよい。
また、上記した実施形態では、エラー解除等に用いられるリセットスイッチ52をメイン制御基板63側にのみ設ける場合について説明したが、メダル管理制御基板83に接続される第2リセットスイッチを別途設け、これらのスイッチのどちらかを操作すれば、エラー解除等が行えるようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、返却ボタン230bが押下された場合は、所持メダル数記憶領域851に記憶されている枚数データがメダル貸出ユニット200に送信されるようにしたが、これは、返却ボタン230bが押下されると、スロットマシン1に記憶されている所持メダルの全てが返却されることと同義である。そこで、例えば、一部返却ボタンを別途設け、当該ボタンが押下された場合は、所定枚数(例えば、500枚)をスロットマシン1側に残して、その他を返却するようにしてもよい。この場合、当該ボタンが押下された場合は、500枚を除くその他のメダルの枚数分の枚数データをメダル貸出ユニット200に送信し、メダル貸出ユニット200からの応答信号を待って、所持メダル数記憶領域851の枚数データを、500枚分の枚数データに書き換えるようにすればよい。
また、上記した実施形態では、貸出ボタン230a、返却ボタン230b、離席ボタン230cをメダル貸出ユニット200に設ける構成について説明したが、これらの一部または全部をスロットマシン1側に設けるようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、メイン制御基板63とメダル管理制御基板83とを個別のケースで封印するようにしたが、同一ケースで封印するようにしてもよい。
また、遊技を行うために用いるメダル(遊技用価値)の貸出レートを遊技者が設定可能な手段をさらに設けてもよい。この実施形態では、スロットマシン1側にあるメダル管理制御基板83と、外部のメダル貸出ユニット200とが双方向で通信可能でるため、貸出レートの管理を容易に行うことができる。例えば、遊技に用いるメダルカードに固有IDを設けると遊技者を特定可能となるため、遊技台(スロットマシン)ごとではなく、遊技者ごとに貸出レートの管理が可能となる。すなわち、遊技者が設定した貸出レートは、当該遊技台に限らず、別の遊技台に移動しても適用が可能となる。
この場合、貸出レートの変更を許可するか否かをホール側が設定できるようにしてもよい。例えば、変更前の貸出レートの大きさに応じて変更を許可するか否かを決定したり、変更時点で遊技者が使用したメダル数が所定値以上の場合に貸出レートの変更を許可するようにしてもよい。また、貸出レートの変更を許可する場合は、営業時間のうちの所定の時間(例えば、夜18時以降)から変更を許可したり、遊技者ごとに変更許可回数(例えば、1日1回)を設定したりするなど、遊技者が貸出レートの変更可能な条件をホール側で設定してもよい。さらに、ボーナス中やART中(AT中)、あるいは、ボーナス入賞を待っている状況や、ART抽選に当選してARTへの移行を待っている状況など、過度に有利となる状況では貸出レートの変更を許可しないようにしてもよい。また、ボーナスやARTの終了時や、所定ゲーム数経過(例えば、1000ゲーム経過)後や、遊技機で特定の演出(例えば、連続演出中、レート変更モード中)が行われているときなど、遊技状態に合わせて貸出レートの変更を許可するようにしてもよい。
また、貸出レートの変更に応じて、疑似払い出しが行われるメダル数を変更してもよい。
また、遊技者固有の判定データを設定しないと遊技ができないように設定することで、遊技者に対して遊技への金銭的/時間的なのめり込みを防止できるようにしてもよい。例えば、判定データとして遊技者を特定可能な固有IDが付されたメダルカードを用いないと遊技が許可されないようにしたり、指紋・静脈・顔・網膜・声等の認証を条件に遊技を許可するようにする。
また、遊技台(スロットマシン)の遊技履歴等の情報をブロックチェーン方式で管理して、遊技へののめり込みを防止するようにしてもよい。また、遊技台(スロットマシン)から出力される遊技の状態に関する信号(有利状態の当選や終了、消化ゲーム数、遊技開始からの経過時間)や、メダルの貸出操作や精算操作に関する情報に基づいて、メダル貸出ユニット200やホールコンピュータHPが遊技者ごとに過度の遊技によるのめり込み判定を行う。そして、のめり込み対象遊技者に対して注意喚起を行ったり、遊技を禁止したりすることで、遊技者の過度ののめり込みを防止してもよい。
そして、複数種類の図柄を可変表示する可変表示列を複数有する表示手段と、可変表示列それぞれの可変表示を停止させる停止操作手段とを備え、全ての可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技者に遊技価値を付与する遊技機に本発明を広く適用することができる。