JP5954809B2 - 磁場値測定装置および磁場値測定方法 - Google Patents

磁場値測定装置および磁場値測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、観察試料が発生する直流磁場を測定する磁場測定装置および磁場測定方法に関する。
特に、本発明は、前記直流磁場を高い精度で測定することができる磁場測定装置および磁場測定方法に関する。
従来、観察試料が発生する磁場を観察する装置として、磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscope:MFM)が知られている。
MFMでは、交流磁場(AC磁場)を観察するものと、直流磁場(DC磁場)を観察するものがある。
本発明は、DC磁場を観察するMFMにかかる技術なので、以下、DC磁場を観察する従来のMFMについて説明する。
図6(A)は、DC磁場を観察する従来のMFMの説明図である(特許文献1参照)。図6(A)に示したMFMでは、カンチレバー81の探針811はハード磁性材料からなる。ハード磁性材料は、ひとたび磁化されると磁化反転が生じにくい材料である。図6(A)ではハード磁性材料として、コバルトとクロムとの合金、鉄と白金との合金等が使用される。
図6(A)のMFMでは、カンチレバー81は圧電素子812により、共振周波数ないし共振周波数に近い周波数(例えば、300kHz程度)で励振される。図6(A)では励振用の電源をACで示す。探針811と観察試料82との間には磁気的な相互作用が生じる。
この磁気的な相互作用により、カンチレバー81のバネ定数が、見かけ上変化する。この見かけ上のバネ定数の変化により、カンチレバー81の共振周波数が変化する。この結果、探針811の振動の状態(振幅や位相)も変化する。
図6(A)のMFMでは、探針811の振動の、振幅および位相の変化(カンチレバー81のバネ定数の変化)を光学検出する。これにより、観察試料82の表面の磁場勾配の分布を画像として取得することができる。
特開2003−65935号公報 国際公開2009/0101992号パンフレット
図6(A)のMFMでは、観察試料82の磁場を直接測定するものではなく、カンチレバー81のバネ定数の変化の値(振幅および位相の変化の値)に基づき、観察試料82の磁場勾配を検出している。
また、図6(A)のMFMでは、観察試料82の表面近傍では、遠距離力である磁気力と比較して、表面近傍のファンデルワールス力等の近距離力が強いので、磁場勾配の検出が困難である。したがって、磁場勾配は磁気力が近距離力より大きくなる、探針・観察試料間距離で計測されており、空間分解能の向上が、磁気力が主となる前記探針・観察試料間距離に制限されている。
本願出願人は、この不都合を解消するべく、図6(B)に示す技術を提案している(特許文献2)。この技術では、カンチレバー91は圧電素子912により、共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振される。図6(B)では励振用の電源をACで示す。カンチレバー91の先端部の探針911をソフト磁性体により構成し、探針911にコイル93を用いて交流外部磁場HACを与える。そして、探針911の磁化を周期的に変化させ、観察試料92からの直流磁場により探針911の強制振動に導入される周波数変調の程度を計測する。この計測結果から観察試料92の表面の直流磁場勾配∂HSUR/∂Zを測定することができる。
特許文献2の技術を用いると、圧電素子912による探針911の強制振動を交流外部磁場HACで周波数変調することで、観察試料92の表面の直流磁場勾配∂HSUR/∂Zを高い精度で検出することができる。
しかし、特許文献2の技術では、観察試料92の表面の磁場勾配の検出には向いているが、磁場自体を検出することができない。
また、特許文献2の技術では、表面磁場HSURが、観察試料92の保磁力が低い場合には、交流外部磁場HACにより乱される。このために、さらに高い精度での磁場測定の要求に応えることができない場合がある。
本発明の目的は、観察試料から発生する直流磁場を乱さずに、当該の直流磁場自体を高い精度で測定することである。
本発明の典型的な作用を以下に説明する。
(a)励振させた常磁性体材料等(磁化の強さが外部磁場の大きさに比例する性質を持つ材料)からなる探針に、当該探針の振動方向の変化率がゼロでない(大きな)交流外部磁場を与える。
(b)探針先端位置に、前記探針の機械振動方向の変化率がゼロでない、前記探針の機械振動周波数と異なる周波数の交流磁場を与える。
(c)探針先端に加わる観察試料からの直流磁場を、直流外部磁場により打ち消すように変化させることで、探針振動の周波数変調が弱まる。
(d)周波数変調が生じないとき、または周波数変調の大きさが極小となったときに直流外部磁場を測定する。これが、観察試料から発生する直流磁場である。
本発明の磁場測定装置は、以下の形態を包含する。
(1)
観察試料から発生する直流磁場を検出する磁場測定装置であって、
磁化の強さが外部磁場の大きさに比例する性質を持つ一種以上の材料からなる探針を備えた振動式の探針装置と、
探針を機械励振させる機械振動源と、
探針の機械振動周波数および機械振動振幅を検出する振動検出装置と、
探針の機械振動方向の変化率がゼロでない、探針の機械振動周波数と異なる周波数の交流磁場を探針に与える交流磁場発生装置と、
機械振動方向の直流外部磁場を探針に与える直流外部磁場発生装置と、
振動検出装置が検出した機械振動周波数から探針の機械振動に生じる周波数変調を検出する周波数変調検出装置と、
直流外部磁場発生装置が探針に与える機械振動方向の直流外部磁場の大きさを調整する直流外部磁場調整装置と、
周波数変調の大きさが極小となったときの直流外部磁場発生装置の出力値、または周波数変調の大きさが極小となるであろうときの直流外部磁場発生装置の予想出力値に基づいて、観察試料が発生する上記振動方向の直流磁場の値を特定する直流磁場特定装置と、
を備えたことを特徴とする磁場測定装置。
(2)
直流外部磁場調整装置は、直流外部磁場が直流磁場の全部を打ち消すように直流外部磁場を調整することを特徴とする(1)に記載の磁場測定装置。
(3)
直流外部磁場調整装置は、直流外部磁場が直流磁場の一部を打ち消すように直流外部磁場を調整することを特徴とする(1)に記載の磁場測定装置。
(4)
交流磁場発生装置が、電磁コイルを有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の磁場測定装置。
(5)
交流磁場発生装置が2つ以上の電磁コイルを有し、
当該2つ以上の電磁コイルが、探針の先端で互いに打ち消し合う向きの複数の磁場を発生することにより、交流磁場発生装置は磁場振幅がゼロになる位置を有する磁場を発生し、且つ、
交流磁場発生装置が発生する磁場の、上記磁場振幅がゼロになる位置における磁場勾配が、上記2つ以上の電磁コイルのそれぞれが単独で発生する磁場の当該位置における磁場勾配のいずれよりも大きいことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の磁場測定装置。
(6)
外部磁場発生装置が、探針に磁場を印加する電磁コイルを有し、
直流外部磁場調整装置が電流調整装置を有することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の磁場測定装置。
(7)
探針により、観察試料の表面を一次元、二次元または三次元で走査する機構を備えたことを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の磁場測定装置。
(8)
磁化の強さが外部磁場の大きさに比例する性質を持つ一種以上の磁性材料からなる探針を備えた振動式の探針装置を用いて観察試料から発生する直流磁場を測定する方法において、
探針を機械励振させる工程と、
探針の機械振動方向の変化率がゼロでない、探針の機械振動周波数と異なる周波数の交流磁場を与えるとともに、観察試料から発生する直流磁場を打ち消す向きの機械振動方向の直流外部磁場を探針に与える工程と、
探針の機械振動に生じる周波数変調を検出する工程と、
周波数変調の検出結果に基づき、探針に与えられる振動方向の直流外部磁場の大きさを調整する工程と、
周波数変調が生じないとき若しくは周波数変調の大きさが極小となったときの直流外部磁場の値、または周波数変調の大きさが極小となるであろうときの直流外部磁場の予想値に基づいて、観察試料が発生する振動方向の直流磁場の値を特定する工程と、
を有することを特徴とする磁場測定方法。
(9)
直流外部磁場が直流磁場の全部を打ち消すように直流外部磁場を調整する工程を有することを特徴とする(8)に記載の磁場測定方法。
(10)
直流外部磁場が直流磁場の一部を打ち消すように直流外部磁場を調整する工程と、
少なくとも2つの直流外部磁場の値、および少なくとも2つの直流外部磁場の値に対応する周波数変調の大きさに基づいて、観察試料が発生する上記振動方向の直流磁場の値を特定する工程と
を有することを特徴とする(8)に記載の磁場測定方法。
(11)
観察試料がセットされていないときに、(a)周波数変調がゼロとなるように交流磁場を校正する、又は(b)周波数変調をゼロに近付けるように交流磁場を校正する工程を有することを特徴とする(8)乃至(10)のいずれかに記載の磁場測定方法。
(12)
探針により、観察試料の表面を一次元、二次元または三次元で走査する工程を有することを特徴とする(8)乃至(11)のいずれかに記載の磁場測定方法。
本発明では、磁化の強さが外部磁場の大きさに比例する一種以上の材料からなる探針を備えた探針装置を励振し、探針位置に直流磁場が与えられたときに探針の機械振動に周波数変調を生じさせるような(探針位置に直流磁場が与えられていないときは探針の機械振動に周波数変調を生じさせないような)交流外部磁場を探針に与える。
観察試料から生じる直流磁場に基づいて探針装置の機械振動に生じる周波数変調が、直流外部磁場によりゼロとなるとき、または該周波数変調の大きさが極小となるときの直流外部磁場が、観察試料から生じる直流磁場として実測ないし算出される。
本発明によれば、観察試料から生じる直流磁場を乱すことなく、観察試料から生じる直流磁場自体を高い精度で測定することが可能である。
本発明の磁場測定装置の一実施形態を示すブロック図である。 図1の磁場測定装置の作用を示すフローチャートである。 直流外部磁場HzEXT dcと周波数変調との関係を示す図であり、(A)は直流外部磁場HzEXT dcが直流磁場HzSMP dcに一致すると周波数復調波の強度IFMがゼロになる様子を示す図、(B)は周波数復調波の強度IFMがゼロになるときの直流磁場HzEXT dcの大きさの外挿による算出を説明する図である。 本発明の磁場測定装置の他の実施形態を示すブロック図である。 探針の振動を周波数変調したときの、スペクトル強度(測波帯スペクトル)の直流外部磁場に対する依存性を示す図である。 従来技術の説明図であり、(A)は従来の磁気力顕微鏡の説明図、(B)は本発明者らの提案にかかる磁気力顕微鏡の説明図である。
探針装置は、フックの法則に従ってバネ振動する装置であり、典型的な具体例としてはカンチレバーを挙げることができる。
探針装置の検出部である探針は、磁化の強さが外部磁場の大きさに比例する性質を持つ一種以上の材料からなる。ここで、外部磁場の大きさに比例するとは、たとえば、ヒステリシスを示さずに、磁化の強さが外部磁場の大きさに比例することを意味する。すなわち、探針には、磁化の強さが外部磁場に比例する常磁性材料または反磁性材料が用いられる。また、ヒステリシスを示さない強磁性材料を用いることも可能である。
探針装置には、機械振動源が設けられており、探針を共振周波数又は共振周波数近傍の周波数で振動させることができる。機械振動源の典型的な具体例としては、ピエゾ素子を挙げることができる。
振動検出装置は、探針装置の振動を光学検出して、少なくともその周波数変化を計測することができる。本発明において、探針振動の周波数変調の大きさは、例えば、探針振動スペクトル中の周波数変調の側帯波強度を測定することや、周波数復調器の周波数復調信号の強度を測定すること等により計測することが可能である。
振動検出装置は、例えば探針装置に設けられたミラーと、該ミラーに向けてレーザビームを出射するレーザと、ミラーの反射光を受光するフォトダイオードとから構成できる。
後述するように、交流磁場発生装置は、例えば、交流で駆動される2つの電磁コイルによって構成することができる。交流磁場発生装置は、3つ以上の電磁コイルを有していてもよい。
交流磁場発生装置の各電磁コイルから発生する交流磁場の、探針が振動する方向(以下において単に「振動方向」ということがある。)成分の、探針位置における和はゼロとなることが好ましい。
また、探針位置において、交流磁場発生装置から発生する交流磁場の振動方向についての変化率はゼロではなく、できるだけ大きい値を持つことが好ましい。
直流外部磁場発生装置は、例えば、直流電流で駆動される鉄心入り電磁コイルによって構成することができる。直流外部磁場発生装置は、2つ以上の電磁コイルを有していてもよい。また、直流外部磁場発生装置は、アクチュエータにより移動される永久磁石により構成することも可能である。
直流外部磁場調整装置は、人間のオペレータが操作する装置であってもよく、また、(自動化された)制御装置であってもよい。この制御装置は、例えば、PID制御(Proportional Integral Derivative Controller)やPI制御(Proportional Integral Controller)により、直流外部磁場発生装置が発生する直流外部磁場を、探針の機械振動に周波数変調が生じないように、または探針の機械振動の周波数変調の大きさが極小となるように制御するように構成される。
本発明の磁場測定装置は、走査機構によって探針で観察試料の表面を一次元、二次元または三次元で走査しつつ、直流磁場特定装置によって直流磁場を特定するように構成することができる。
後述するように直流外部磁場発生装置が鉄心入りの電磁コイルを有してなる場合には、直流磁場特定装置は、探針の機械振動に周波数変調が生じないとき、または探針の機械振動の周波数変調が極小になるときに直流外部磁場発生装置の電磁コイルに流れる直流電流値により、観察試料が探針位置に生成する磁場を特定することができる。
また、直流外部磁場発生装置が鉄心入りの電磁コイルを有してなる場合には、鉄心が残留磁化(ヒステリシス)を持つために、正確な直流外部磁場を電磁コイルに流れる直流電流値によって特定することができない場合があり得る。このような場合には、磁場検出器(例えば、コイル,ホール素子等を用いた磁気センサ)を用いて、直流外部磁場を高精度で特定することもできる。たとえば、測定に先立って、探針位置に磁場検出器を配置し、この検出器により直流外部磁場を測定することができる。
また、後述するように直流外部磁場発生装置が永久磁石と、この永久磁石を移動するためのアクチュエータとを有してなる場合には、直流磁場特定装置は、探針の機械振動に周波数変調が生じないとき、または探針の機械振動の周波数変調が極小になるときのアクチュエータの移動量(位置)により、観察試料が探針先端位置に生成する直流磁場を特定することができる。
上述したように、直流外部磁場発生装置は、電磁コイルによって構成することができるほか、アクチュエータによって駆動される永久磁石により構成することも可能である。
直流外部磁場発生装置が、鉄心入り電磁コイルから構成される場合には、鉄心の残留磁化によって発生する直流磁場の影響により、探針振動に周波数変調が生じることがある。この影響を回避するためには、上記鉄心の残留磁化をゼロにすることが好ましい。
電磁コイルの鉄心の残留磁化をゼロにした場合には、直流外部磁場調整装置は、後述するように探針振動の周波数変調が生じないように、または探針振動の周波数変調の大きさが極小となるように、電磁コイルを流れる電流を調整すればよい。
観察試料から生じる直流磁場は、直流外部磁場特定装置が特定した直流磁場に残留磁場を加えた値、または直流外部磁場特定装置が特定した直流磁場から残留磁場を差し引いた値となる。
本発明の磁場測定装置は、走査機構によって探針で観察試料の表面を一次元、二次元または三次元で走査しつつ、直流磁場特定装置によって直流磁場を特定するように構成され得る。そしてその測定結果を、画像表示装置や印刷装置等の出力装置に出力するように構成され得る。
以下、図1を参照しつつ本発明の構成および作用を説明する。
図1は本発明の磁場測定装置1を示すブロック図である。
図1において磁場測定装置1は、探針装置11、機械振動源12、振動検出装置13、交流磁場発生装置14、直流外部磁場発生装置15、周波数変調検出装置16、直流外部磁場制御装置(本発明における、「直流外部磁場調整装置」)17および直流磁場特定装置18を備えている。
探針装置11は、図1の磁場測定装置1においてはカンチレバーである。カンチレバーは、アーム112と、アーム112の先端に設けた探針111からなり、アーム112の先端の探針111が設けられていない側にはレーザ光反射用のミラーが設けられている。探針111は、観察試料100から発生する直流磁場HzSMP dcを検出するための、常磁性体材料を被覆したチップである。
機械振動源12は、探針装置11を励振させる(探針111を励振させる)装置であり、図1の磁場測定装置1においては機械振動源12は、交流電源121とピエゾ素子122とから構成されている。
振動検出装置13は、探針111の振動波形を検出する。図1の磁場測定装置1においては、振動検出装置13は、レーザ131(図1では「LD」で示す)と、フォトダイオード132(図1では「PD」で示す)を備えている。
交流磁場発生装置14は、探針先端において交流磁場の大きさがゼロ(H ac=0)であり且つ探針振動方向(z軸方向)の交流磁場変化率(∂H ac/∂z)が大きい交流磁場を発生する。そして、交流磁場発生装置14は、探針を励振させた周波数ωと異なる周波数ωの交流磁場H acを探針111に与える。本実施形態では、交流磁場発生装置14は、探針の先端で互いに打ち消しあう磁場を生成する2つの交流コイル(空心コイル)141、142と、交流電源143とを有してなる。
磁場測定装置1において、探針装置11の励振周波数ωとしては、探針装置11のカンチレバーの共振周波数とQカーブ(カンチレバーのQ値を周波数に対してプロットしたカーブ)とに基づいて、共振周波数またはQカーブがゼロでない勾配を有する周波数を適宜選択することができる。励振周波数が共振周波数に近いほど周波数変調の側帯波(ω±ω)のスペクトル強度を高めることができるので、磁場測定の際には共振周波数近傍の周波数を励振周波数に採用することが好ましい。なお後述するように試料表面を走査する場合には、探針振動の振幅を一定にして探針−試料間距離を一定に保つ制御が容易になる点から、周波数変化によるQ値の変化が大である、Qカーブの勾配が急峻な周波数を励振周波数に採用してもよい。探針装置11の機械振動の周波数としては通常、共振周波数ωまたは共振周波数近傍の周波数であって、例えばω−ω/3Q以上ω+ω/3Q以下、好ましくはω−ω/4Q以上ω+ω/4Q以下(ただしQは探針装置11のQ値である。)の周波数が選択される。交流磁場発生装置14が発生させる交流磁場の振動数ωとしては、周波数ω±ωにおいてQカーブがゼロでない勾配を有する周波数ωを適宜選択することができ、例えばω/3Q以下、好ましくはω/4Q以下(ただしQは探針装置11のQ値である。)の周波数が選択される。一例として、共振周波数ω=300kHz、Q=500の場合には、例えばω=300.01kHz、ω=100Hz等とすることができる。
このとき、探針振動の周波数変調による側帯波スペクトルの周波数は、ω±ωとなる。
直流外部磁場発生装置15は、探針111に、振動方向(z軸方向)の直流外部磁場HzEXT dcを与える。本実施形態では、直流外部磁場発生装置15は、鉄心入りの直流コイル(直流電磁石)からなる。
周波数変調検出装置16は、振動検出装置13が検出した振動波形から探針111の振動に生じる周波数変調を検出する。周波数変調検出装置16は、周波数復調器(PLL:Phase Locked Loop)161とロックインアンプ162とからなる。
直流外部磁場制御装置17は、周波数変調検出装置16による探針振動の周波数変調の検出結果に基づき、直流外部磁場発生装置15が発生する振動方向(z軸方向)の直流外部磁場HzEXT dcを、探針振動の周波数変調がゼロまたは極小になるように制御する。制御信号は、直流電流として直流外部磁場発生装置15に与えられる。
図3(A)は、直流外部磁場HzEXT dcと周波数復調波の強度(または周波数変調の側帯波スペクトルの強度)との関係を示している。横軸が直流外部磁場HzEXT dc、縦軸が周波数復調波の強度IFMを示している。図3(A)に示すように、直流外部磁場HzEXT dcが観察試料からの直流磁場HzSMP dcに一致すると周波数復調波の強度IFMはゼロまたは極小になる。
直流磁場特定装置18は、周波数変調検出装置16の検出結果(周波数変調の程度)および直流外部磁場制御装置17の出力値に基づいて、観察試料100が発生する振動方向(z軸方向)の直流磁場HzSMP dcを特定する。
本発明の磁場測定方法は、図1の磁場測定装置1により実施することができる。図2は本発明の磁場測定方法を示すフローチャートである。以下、図1の磁場測定装置1の作用を、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
直流磁場を発生する観察試料100がセット位置にセットされる(S110)。
探針111を共振周波数ωの近傍で強制振動させる(S112)。
探針先端で、交流磁場の大きさがゼロでかつ振動方向についての磁場勾配が大きい、非共振周波数ωの交流磁場H acを探針111に与える(S114)。
探針111を観察試料100上の初期座標(x,y)にセットし(S116)し、交流磁場による周波数変調を測定する(S118)。
探針111の機械振動に周波数変調が生じているかが検出され(S120)、周波数変調が生じているとき(S120の「YES」)には振動方向の直流磁場を、周波数変調が極小になるように制御し(S122)、処理をS118に戻し交流磁場による探針振動の周波数変調を再度測定する。
S120において、周波数変調が生じていないとき(S120の「NO」)、または周波数変調の大きさが極小になるときには、変調の検出結果および直流磁場(直流外部磁場HzEXT dc)の値に基づいて、観察試料100が発生する振動方向の直流磁場(直流磁場HzSMP dc)が直流磁場特定装置18により特定される(S124)。
特定された直流磁場HzSMP dcの値は、直流磁場特定装置18内の記憶装置に記憶される(S126)。
全ての座標について、S118〜S126の処理が行われたかが判断され、未処理の座標があると判断されたとき(S128の「NO」)は、次の座標を指定し(S130)、S118〜S126の処理を再度行う。S128において未処理の座標がないと判断されたとき(S128の「YES」)は処理を終了する。
以下、本実施形態をさらに詳しく説明する。
機械振動源12による励振力をF、探針装置11のアーム112のz方向(観察試料面に垂直方向)のバネ定数をk、探針111の振動方向(z軸方向)のゼロ点(無負荷位置)からの変位をzとすると、F=k×zが成立する。
探針111に与えられるz軸方向の交流磁場をH ac、直流磁場をH dcとする。探針111の直流磁場H dcによる探針先端の磁極をqtip dcとし、探針111の交流磁場H acによる探針先端の磁極をqtip acとする。
探針111が磁場から受ける力をFとすると、磁場((交流磁場H ac)+(直流磁場H dc))によるバネ定数の変化分Δkは以下のように表される。
Figure 0005954809
(1)式において、qtip dc∝H dcである。したがって、H dcを高感度で検出するには、qtip dc(∂H ac/∂z)の項を大きくすることが必要になる。ここで振動方向(z軸方向)についての交流磁場変化率である、(∂H ac/∂z)を大きくするには、2個の空心コイルを発生する磁場の方向が反対向きになるように組み合わせたものが有効である。この空心コイルでは、交流磁場H acの極性が反転する、H acの大きさがゼロ、かつ(∂H ac/∂z)が最大となる場所が2個の空心コイルの間に存在し、この場所に探針先端を置くことにより、最大の検出感度が得られる。図1では、簡略化のために2個の空心コイルの紙面上方にカンチレバーの探針を記載しているが、実際には、この2個の空心コイルの間に探針先端を置くように配置がなされている。さらにこの場所では振動している探針先端が受けるH acの大きさがゼロに近くなるので、qtip ac≒0となる。
したがって、(1)式は次の(2)式のように表される。
Figure 0005954809
(2)式から、直流成分qtip dcがゼロのときは、Δk=0となり探針111のバネ定数はkであり、変調は生じない。よって、磁場測定装置1は、観察試料100がセットされていないときに(qtip dc=0すなわちH dc=0のときに)、周波数変調がゼロとなるように(qtip ac=0すなわちH ac=0となるように)交流磁場発生装置14を校正することができる。
このように校正した場合に、観察試料100がセットされたときは、qtip dc=a×HzSMP dcとなる。ここで、aは探針111を構成する材料(常磁性体等)により定まる定数である。したがって、Δk≠0となり、周波数変調検出装置16は、振動検出装置13が検出した振動波形から探針111の振動に生じる周波数変調を検出する。
直流外部磁場制御装置17が直流磁場HzSMP dcを直流外部磁場HzEXT dcにより打ち消したとき(直流磁場HzSMP dcの大きさが直流外部磁場HzEXT dcと同じで方向が逆方向のとき)は、直流磁場特定装置18は、直流外部磁場HzEXT dcの値を直流磁場HzSMP dcの値として特定する。
すなわち、この場合には、qtip dc=0すなわちH dc=0となるので(Δk=0となるので)、探針111の振動に周波数変調が生じなくなり、周波数変調検出装置16は、探針111の振動の周波数変調を検出しない。
なお、振動方向(z軸方向)での交流磁場を1個の空心コイルで発生させることも可能であるが、その場合には、H acの大きさがゼロにならないので、qtip ac≠0である。したがって、cos(ωt)で変化する1次の変調成分は、次のように表される。
Figure 0005954809
この場合には、観察試料100からの直流磁場HzSMP dcを直流外部磁場HzEXT dcにより打ち消すことで、qtip dc=0を実現し第2項を消去できても、第1項のqtip ac(∂H dc/∂z)が残るので、Δkの大きさは極小を示すもののゼロにはならない。また、(∂H ac/∂z)の大きさも2個の空心コイルを組み合わせた場合と比較して大幅に小さくなるので、周波数変調の大きさが極小になる直流外部磁場HzEXT dcを求めるのに際して、測定ノイズの影響を受けやすくなり、計測精度が低下する。
したがって、交流磁場の発生には、2個の空心コイルを組み合わせて、探針先端の位置においてH acの大きさをゼロ、かつ(∂H ac/∂z)を最大とすることが望ましい。
例えば、直流磁場HzSMP dcの計測において、直流磁場HzSMP dcが、直流外部磁場制御装置17による最大の直流外部磁場HzEXT dcの出力値よりも大きいために、探針111の直流磁場をゼロにできない場合がある。この場合には、直流磁場HzSMP dcは、直流外部磁場HzEXT dcの値から計算することができる。
すなわち、上記のように交流磁場発生装置14を校正した場合に、直流外部磁場制御装置17が、直流外部磁場HzEXT dcによっては、直流磁場HzSMP dcの一部しか打ち消せないときがある。この場合には、直流磁場特定装置18は、直流外部磁場HzEXT dcの値または直流外部磁場発生装置15を流れる直流電流Idcの値と、周波数変調された信号の大きさに基づき、直流磁場HzSMP dcを特定することができる。
図3(B)は、このときの直流外部磁場HzEXT dcと周波数復調波の強度(または周波数変調の側帯波スペクトルの強度)との関係を示している。横軸が直流外部磁場HzEXT dc、縦軸が周波数復調波の強度IFMを示す。図3(B)に示すように、2つの直流外部磁場HzEXT dcについての周波数変調の値がわかれば、周波数復調波の強度がゼロになるときの直流外部磁場HzEXT dcすなわち直流磁場HzSMP dcを推定(図3(B)では直線近似)することができる。
具体的には、以下のようにして直流磁場HzSMP dcを特定することができる。
観察試料100がセットされていないときには周波数変調がゼロとなるように、装置が初期化されているものとする。
観察試料100がセットされた場合において、直流外部磁場HzEXT dcを与えていないときの周波数変調(探針振動の周波数変調による側帯波スペクトル成分ω=ω±ω)の大きさがAEXT=0であるとする。
そして周波数変調(側帯波スペクトル成分ω=ω±ω)の大きさがAEXT1(≠0)であるときに、直流外部磁場HzEXT dc=EXT1を与えていたとする。
周波数変調の大きさが、AEXT=0−AEXT1だけ変化したときに、直流外部磁場HzEXT dcは、ゼロからEXT1まで変化している。
したがって、周波数変調の大きさが、AEXT=0−0だけ変化したとすると、直流外部磁場HzEXT dcは、ゼロからEXT1×AEXT=0/(AEXT=0−AEXT1)まで変化することになり、直流磁場HzSMP dcが特定される。
以下に、本発明の他の実施形態を説明する。
図1の実施形態では、交流磁場発生装置14は、2つの交流コイル141、142と、交流電流電源143とから構成した。
これに対し、図4の磁場測定装置は、スペクトル強度に対してゼロ位法を用いることにより磁場測定を行うもので、交流磁場発生装置は、1つの交流コイルと、交流電源とから構成することができる。
図4において、磁場測定装置3は、探針装置31、機械振動源32、振動検出装置33、交流磁場発生装置34、直流外部磁場発生装置35および周波数変調検出装置36を備えている。
図4の探針装置31、機械振動源32、振動検出装置33、および直流外部磁場発生装置35は、図1で説明した探針装置11、機械振動源12、振動検出装置13、および直流外部磁場発生装置15と同じである。
探針装置31は、カンチレバーであり、アーム312と、アーム312の先端に設けた探針311から構成される。探針装置31(すなわち、探針311およびアーム312)は、図1に示した探針装置11(すなわち、探針111およびアーム112)と同じである。探針311には、Si探針にNi92.5Cr7.5常磁性合金を膜厚100nm程度成膜して作製した常磁性探針を用いた。その磁化率は5×10−8H/m(比透磁率は1.04)程度である。
ここでは、空間的制約により、探針311は、観察試料300の表面から約7mmの距離に配置されている。
機械振動源32は交流電源321とピエゾ素子322とから構成されている。機械振動源32(すなわち、交流電源321とピエゾ素子322)は、図1に示した機械振動源12(すなわち、交流電源121とピエゾ素子122)と同じである。
振動検出装置33は、探針311の振動を検出する。振動検出装置33は、レーザ331(図3では「LD」で示す)と、フォトダイオード332(図3では「PD」で示す)とから構成されている。振動検出装置33(すなわち、レーザ331とフォトダイオード332)は、図1に示した振動検出装置13(すなわち、レーザ131とフォトダイオード132)と同じである。
交流磁場発生装置34は、交流磁場変化率(∂H ac/∂z)が大きい交流磁場を発生する。
そして、交流磁場発生装置34は、励振させた周波数ωと異なる周波数ωの交流磁場H acを探針311に与える。
本実施形態では、交流磁場発生装置34は、1つの交流コイル(空心コイル)341と、交流電流電源343とからなる。
直流外部磁場発生装置35は、探針311に、振動方向(z軸方向)の直流外部磁場HzEXT dcを与える。本実施形態では、直流外部磁場発生装置35は、図1の直流外部磁場発生装置15と同じである。
周波数変調検出装置36は、図1の周波数変調検出装置16に対応する。図4では、周波数変調検出装置36は、リアルタイムスペクトルアナライザであり、振動検出装置33が検出した振動波形から探針311の振動に生じる周波数変調を検出する。
周波数変調検出装置36は、周波数復調器(図1の符号161参照)の機能およびロックインアンプ(図1の符号162参照)の機能を備えている。
図4では図示しない直流外部磁場制御装置(図1の符号17参照)は、周波数変調検出装置36による周波数変調の検出結果に基づき、周波数変調がゼロあるいは、小さくなるように、直流外部磁場発生装置35が発生する振動方向(z軸方向)の直流外部磁場HzEXT dcを制御する。
制御信号は、直流電流として直流外部磁場発生装置35に与えられる。
本実施形態では、交流電流電源343から交流コイル341に交流電流を流し、探針位置に周波数130Hz、交流磁場勾配が50[Oe/cm]の交流磁場を発生させた。
そして、探針311の振動を周波数変調したときの、スペクトル強度(測波帯スペクトル)の直流外部磁場HzEXT dcに対する依存性を、周波数変調検出装置36により調べた。
図5は、探針311の振動を周波数変調したときの、スペクトル強度(測波帯スペクトル)の直流外部磁場HzEXT dcに対する依存性を示す図である。
図5に示すように、本実施形態では、HzEXT dc=0のときの探針311の励振周波数ωは301kHz程度であり、交流磁場の周波数ω=130Hzである。
このとき、探針振動の周波数変調による側帯波スペクトルの周波数は、ω±ωとなる。
図5では、観察試料300から生じる直流磁場HzSMP dcの向きとは逆向きにHzEXT dcを増加させたときの、探針振動の周波数変調スペクトル強度IFMが示されている。
zEXT dcの増加に伴いIFMは単調に低下し、極小となった後に増加に転じる様子が示されている。ここで、ノイズレベルは約−90dBVである。
極小値では観察試料300からの直流磁場HzSMP dcが外部直流磁場HzEXT dcによって打ち消されており、そのときのHzEXT dcが探針位置での観察試料300からの直流磁場HzSMP dcに対応している。
図5では、HzEXT dcが約40[Oe]のときにIFMが極小となっており、したがって、直流磁場HzSMP dcは約40[Oe]であることがわかる。
以上のように、本発明においては、単一の電磁コイルを有する交流磁場発生装置を用い、スペクトル強度ゼロ位計測法によって観察試料の直流磁場値の計測を行うことも可能である。
1、3 磁場測定装置
11、31 探針装置
12、32 機械振動源
13、33 振動検出装置
14、34 交流磁場発生装置
15、35 直流外部磁場発生装置
16、36 周波数変調検出装置
17 直流外部磁場制御装置
18 直流磁場特定装置
111、311 探針
112、312 アーム
100、300 観察試料
131 レーザ
132 フォトダイオード
141、142 交流コイル
143 交流電源
161 周波数復調器
162 ロックインアンプ

Claims (12)

  1. 観察試料から発生する直流磁場を検出する磁場測定装置であって、
    磁化の強さが外部磁場の大きさに比例する性質を持つ一種以上の材料からなる探針を備えた振動式の探針装置と、
    前記探針を機械励振させる機械振動源と、
    前記探針の機械振動周波数および機械振動振幅を検出する振動検出装置と、
    前記探針の機械振動方向の変化率がゼロでない、前記探針の機械振動周波数と異なる周波数の交流磁場を前記探針に与える交流磁場発生装置と、
    前記機械振動方向の直流外部磁場を前記探針に与える直流外部磁場発生装置と、
    前記振動検出装置が検出した前記機械振動周波数から前記探針の機械振動に生じる周波数変調を検出する周波数変調検出装置と、
    前記直流外部磁場発生装置が前記探針に与える前記機械振動方向の直流外部磁場の大きさを調整する直流外部磁場調整装置と、
    前記周波数変調の大きさが極小となったときの前記直流外部磁場発生装置の出力値、または前記周波数変調の大きさが極小となるであろうときの前記直流外部磁場発生装置の予想出力値に基づいて、前記観察試料が発生する前記振動方向の前記直流磁場の値を特定する直流磁場特定装置と、
    を備えたことを特徴とする磁場測定装置。
  2. 前記直流外部磁場調整装置は、前記直流外部磁場が前記直流磁場の全部を打ち消すように前記直流外部磁場を調整することを特徴とする請求項1に記載の磁場測定装置。
  3. 前記直流外部磁場調整装置は、前記直流外部磁場が前記直流磁場の一部を打ち消すように前記直流外部磁場を調整することを特徴とする請求項1に記載の磁場測定装置。
  4. 前記交流磁場発生装置が、電磁コイルを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁場測定装置。
  5. 前記交流磁場発生装置が2つ以上の電磁コイルを有し、
    該2つ以上の電磁コイルが、前記探針の先端で互いに打ち消し合う向きの複数の磁場を発生することにより、前記交流磁場発生装置は磁場振幅がゼロになる位置を有する磁場を発生し、且つ、
    前記交流磁場発生装置が発生する磁場の、前記磁場振幅がゼロになる位置における磁場勾配が、該位置において前記2つ以上の電磁コイルのそれぞれが単独で発生する磁場の磁場勾配のいずれよりも大きいことを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の磁場測定装置。
  6. 直流外部磁場発生装置が、前記探針に磁場を印加する電磁コイルを有し、
    前記直流外部磁場調整装置が電流調整装置を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁場測定装置。
  7. 前記探針により、前記観察試料の表面を一次元、二次元または三次元で走査する機構を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の磁場測定装置。
  8. 磁化の強さが外部磁場の大きさに比例する性質を持つ一種以上の磁性材料からなる探針を備えた振動式の探針装置を用いて観察試料から発生する直流磁場を測定する方法において、
    前記探針を機械励振させる工程と、
    前記探針の機械振動方向の変化率がゼロでない、前記探針の機械振動周波数と異なる周波数の交流磁場を与えるとともに、前記観察試料から発生する前記直流磁場を打ち消す向きの前記機械振動方向の直流外部磁場を前記探針に与える工程と、
    前記探針の機械振動に生じる周波数変調を検出する工程と、
    前記周波数変調の検出結果に基づき、前記探針に与えられる前記振動方向の直流外部磁場の大きさを調整する工程と、
    前記周波数変調が生じないとき若しくは前記周波数変調の大きさが極小となったときの前記直流外部磁場の値、または前記周波数変調の大きさが極小となるであろうときの前記直流外部磁場の予想値に基づいて、前記観察試料が発生する前記振動方向の前記直流磁場の値を特定する工程と、
    を有することを特徴とする磁場測定方法。
  9. 前記直流外部磁場が前記直流磁場の全部を打ち消すように前記直流外部磁場を調整する工程を有することを特徴とする請求項8に記載の磁場測定方法。
  10. 前記直流外部磁場が前記直流磁場の一部を打ち消すように前記直流外部磁場を調整する工程と、
    少なくとも2つの前記直流外部磁場の値、および該少なくとも2つの前記直流外部磁場の値に対応する周波数変調の大きさに基づいて、前記観察試料が発生する前記振動方向の前記直流磁場の値を特定する工程と
    を有することを特徴とする請求項8に記載の磁場測定方法。
  11. 前記観察試料がセットされていないときに、(a)前記周波数変調がゼロとなるように前記交流磁場を校正する、又は(b)前記周波数変調をゼロに近付けるように前記交流磁場を校正する工程を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の磁場測定方法。
  12. 前記探針により、前記観察試料の表面を一次元、二次元または三次元で走査する工程を有することを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の磁場測定方法。
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