JP5975535B2 - 交流磁場の磁気プロファイル測定装置および磁気プロファイル測定方法 - Google Patents

交流磁場の磁気プロファイル測定装置および磁気プロファイル測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、励振したカンチレバーの先端に設けた探針により、交流磁場が存在する空間を走査することで、当該空間の磁気プロファイルや交流磁場発生デバイスの磁気プロファイルを測定する技術に関する。
本発明は、特に、位相が初期値のままの画像データ(初期データ)を用いて位相を任意に調整した磁場分布画像(具体的には、垂直磁場分布画像および/または面内磁場分布画像)を得ることができる磁気プロファイル測定装置および磁気プロファイル測定方法に関する。
従来、被測定対象の磁気プロファイルを得る装置として、磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscope:MFM)が知られている。
MFMでは、直流磁場(DC磁場)を観察するものと交流磁場(AC磁場)を観察するものがある。本発明は、交流磁場を観察するMFMにかかる技術なので、以下、交流磁場を観察するMFMの従来技術について説明する。
図10は、MFMを用いた従来の磁気プロファイル測定装置8の説明図である(特許文献1参照)。磁気プロファイル測定装置8は、カンチレバー81を備えており、カンチレバー81の先端には磁性を帯びた探針811が設けられている。
この磁気プロファイル測定装置8は、交流磁場発生デバイス88が生成した交流磁場が存在する空間の磁気プロファイル(磁場分布状態)を測定できる。また、磁気プロファイル測定装置8は、交流磁場発生デバイス88自体の磁気プロファイル(たとえば、ハードディスクの書き込みヘッドの表面の磁気特性)を測定することができる。
図10では、カンチレバー81は励振器82により、共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振される。
たとえば、カンチレバー81の励振周波数は、その共振周波数近傍(たとえば、300kHz程度)とすることができる。ここで、交流磁場発生デバイス88が発生する交流磁場の周波数も、カンチレバー81の励振周波数と同様に、カンチレバー81の共振周波数近傍にすることができる。
探針811に交流磁場を印加すると、その先端に形成した探針811は磁気的励振力を直接受ける。
この磁気的励振力は、励振器82により機械的に励振されているカンチレバー81の振動の振幅と位相を直接変化させる。
したがって、カンチレバー81の励振周波数を一定とした場合には、この交流磁場による直接的な磁気的励振力により、探針811の振動は振幅変調と同時に位相変調を受ける。
この振幅や位相が変調された振動をたとえば光学検出することで、探針811と交流磁場発生デバイス88との間に生じる磁気力に対応する磁気信号を復調することができる。
また、走査機構85は、探針811により交流磁場が存在する空間を走査することができる。これにより、磁気プロファイル測定装置8は、交流磁場発生デバイス88の磁気プロファイルを、磁場分布画像として取得することができる。
図10では、カンチレバー81は励振器82により、共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振される例を説明したが、交流磁場発生デバイス88の交流磁場発生周波数は、カンチレバーの共振周波数と大きく異なる周波数であってもよい。
たとえば、カンチレバー81の励振周波数が300kHz程度である場合、交流磁場発生デバイス88の交流磁場発生周波数が1〜100kHzの範囲にあれば、上述した磁場分布画像を取得することができる。
すなわち、カンチレバー81の先端に形成した探針811を、交流磁場発生デバイス88が発生する交流磁場中に置いたとする。この場合に、探針811と交流磁場発生デバイス88との間には、非共振の交流磁気力が生じる。
しかし、この非共振の交流磁気力は単独では、カンチレバー81を振動させることはできず、したがって交流磁場信号を取得することができない。
そこで、探針811と交流磁場発生デバイス88との間に非共振の交流磁気力を生じさせると同時に、カンチレバー81を共振周波数近傍で圧電素子等の励振器82を用いて励振させる。これにより、交流磁場信号の検出ができるようになる。
ところで、このように探針811と交流磁場発生デバイス88との間に非共振の交流磁気力を生じさせると同時に、カンチレバー81を共振周波数近傍で励振させた場合、非共振の交流磁気力により、カンチレバー81は、あたかもバネ定数が周期的に変化したように振る舞う。この見かけ上のバネ定数の周期的な変化により、カンチレバー81の振動に周波数変調が生じる。
カンチレバー81の周波数変調された振動は、レーザ(LASER)とフォトダイオード(PD)からなる振動センサー83によりたとえば光学的に検出することができる。交流磁気力信号復調器84は、この検出信号を取り込んで、交流磁気力信号を復調することができる。
走査機構85は、探針811を、交流磁場が存在する空間で走査することができるので、磁気プロファイル測定装置8は、交流磁場発生デバイス88の磁気プロファイルを、磁場分布画像として取得することができる。
一方、カンチレバー81を圧電素子等によりカンチレバーの共振周波数から離れた周波数で励振させると、カンチレバー81の振動に周波数変調と同時に振幅変調も生じる。
この周波数変調および振幅変調された振動をたとえば光学検出して、周波数復調あるいは振幅復調することにより、交流磁場発生デバイスの磁気プロファイルを磁場分布画像として取得することができる。
以上述べた例のように、交流磁場発生デバイス88が発生する交流磁場の周波数がカンチレバー81の共振周波数と大きく異なっており、交流磁場発生デバイス88の磁気プロファイルの測定に際して、非共振の交流磁気力が、カンチレバー81と交流磁場発生デバイス88との間に発生したとする。
交流磁場発生デバイス88が、磁気コイル881と信号発生源882とからなる場合には、磁気プロファイルは、たとえば、磁気コイル881が生成する交流磁場である。
この交流磁場の位相が信号発生源882の位相と同期(一致)している場合には、ロックインアンプ86は、信号発生源882からの同期信号出力を参照して、磁気コイル881の基準面(たとえば、ハードディスクの磁気記録ヘッドでは、当該磁気記録ヘッドの摺動面)に垂直な磁場成分(垂直磁場成分Hv)を得ることができる。
この場合、交流磁場発生デバイス88の磁気コイル881は、磁性材料の磁化過程に遅れがない場合、信号発生源882の出力電流の瞬時値(絶対値)が最大になるタイミングで、最大の垂直磁場を発生する。
WO2009/101991公報
交流磁場発生デバイス88(たとえば、ハードディスクの磁気記録ヘッド)が発生する交流磁場の周波数が、カンチレバー81の共振周波数よりも十分に小さいときの交流磁場発生デバイス88の磁気プロファイルは、交流磁場発生デバイス88の信号発生源882の出力電圧を参照信号Vrefとして、ロックインアンプ86を用いて測定される。
上述したように、交流磁場発生デバイス88が発生する交流磁場の位相が、信号発生源882の出力電圧の位相と同期(一致)する場合には、ロックインアンプ86の同期信号出力により、磁気コイル881の基準面(磁気記録ヘッドの摺動面)に垂直な磁場成分(垂直磁場成分)を得ることができる。そして、磁性材料の磁化過程に遅れがない場合、磁気コイル881は信号発生源882の電流が最大になるときに、最大の垂直磁場を検出する。
しかし、磁気プロファイルの測定に際して、信号発生源882の内部の電気回路、信号ライン、交流磁気力信号復調器84の電気回路内で測定信号の位相が遅れることがある。さらに、交流磁場発生デバイス88に用いられている磁性材料(磁気コイルのコア等)の磁化の変化が磁場の変化よりも遅れる場合があり、位相がさらに遅れることがある。
位相遅れは、ロックインアンプ86の同期信号出力において、磁気コイル881の基準面(ハードディスクの磁気記録ヘッドの場合には摺動面)に垂直な、磁性材料(磁気コイルのコア等)の磁化成分から発生する垂直磁場成分に、前記ヘッド面に平行な磁化成分から発生する垂直磁場成分を加える。
したがって、位相遅れは、磁気コイル881の基準面に垂直な磁化成分から発生する磁場成分のみを得ること(磁性材料(磁気コイルのコア等)の磁気コイル881の基準面に対して平行な磁化成分が発生源とならない磁場を得ること)を困難にする。
本発明の目的は、交流磁場発生デバイスに対して、取得した磁場分布画像データを用いて、観察試料の直交する2つの磁化成分(たとえば、磁気コイルでは、基準面に垂直な磁化成分および当該基準面に平行な磁化成分)のうちの一方の磁化成分(たとえば、基準面に垂直な磁化成分)のみを発生源とする磁場分布画像を得ることができる磁気プロファイル測定技術を提供することである。
さらに、本発明の目的は、交流磁場発生デバイスの磁気モーメントの時間変化に伴う、垂直磁場成分の時間変化を連続的に観察する測定技術を提供することである。
本発明者らは、まず、交流磁場発生デバイスに対して、検出信号を復調処理するに際して、復調信号を、観察試料の直交する磁化から発生する2つの磁場成分に分解して磁場分布画像生成用の画像を作成することを着想した。
そして、これらの画像の一方または双方から位相を変化させた磁場分布画像を作成すれば、前記直交する2つの磁化成分の一方にかかる磁場画像を得ることができるし、また、交流磁場発生デバイスの磁気モーメントの時間変化に伴う、前記直交する2つの磁化成分の一方または双方が発生源となる磁場の時間変化を連続的に観察することもできるとの知見を得て本発明に想到した。
本発明の磁気プロファイル測定装置は以下を要旨とする。
(1)
励振したカンチレバーの先端の磁性を帯びた探針を用いて、交流磁場発生デバイスが生成した交流磁場が存在する空間を走査しつつ、前記カンチレバーの振動を検出し、当該検出結果に基づき前記交流磁場が存在する空間の磁場分布画像を生成する磁気プロファイル測定装置であって、
先端に前記探針が取り付けられた前記カンチレバーと、
前記カンチレバーを当該カンチレバーの共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振する励振器と、
前記交流磁場により前記カンチレバーの励振振動を周波数変調または同時に振幅変調することで生じる前記探針の振動を検出する振動センサーと、
前記振動センサーの検出信号から、前記探針の位置の交流磁場に対応する磁気信号を復調(周波数復調または振幅復調)するとともに、復調した前記磁気信号を位相が90°異なる互いに直交した2つの信号成分に分離して検出するか、復調した前記磁気信号から前記探針の位置における磁場の振幅および位相を検出する復調処理装置と、
前記探針により前記交流磁場が存在する空間を走査(二次元走査または三次元走査)する走査機構(カンチレバー移動機構または交流磁場発生デバイス移動機構)と、
前記走査機構により前記交流磁場が存在する空間を走査することで得られた、当該空間の各座標における前記互いに直交した2つの信号成分または前記磁場の振幅および位相を、初期位相のまま初期データとして記憶するデータ記憶装置と、
前記データ記憶装置に記憶した、前記初期データを呼び出し、当該初期データの位相を変更したデータを複数生成する変更データ生成器と、
前記変更データ生成器により生成した前記走査領域の各座標におけるデータに基づく磁場分布画像を表示する画像表示装置と、
を備えたことを特徴とする磁気プロファイル測定装置。
前記復調処理装置は、
前記探針の位置における磁場を、XY複素平面(ガウス平面:図1参照)において、
x+jHY≡H0exp(jθ)
で表わすとともに、
前記探針の位置における磁場の振幅H0をXY複素平面における原点からの距離、
0≡(HX 2+HY 21/2
前記探針の位置における磁場の位相を、XY複素平面における偏角θ、
θ≡tan-1(HY/HX
で表し、
前記探針の位置における磁場のX軸に平行な成分(X成分)を、
X=H0cosθ、
前記探針の位置における磁場のX軸に直交しているY軸に平行な成分(Y成分)を、
Y=H0sinθ
として、
前記X成分と前記Y成分のデータ対(HX,HY)または、振幅と位相のデータ対(H0,θ)として検出することができる。
前記探針の位置における磁場を、偏角θの変化に応じて、前記X成分および/または前記Y成分を前記画像表示装置に画像化して表示することができる。
本発明の磁気プロファイル測定方法は以下を要旨とする。
(2)
励振したカンチレバーの先端の磁性を帯びた探針により交流磁場発生デバイスが生成した交流磁場が存在する空間を走査しつつ、前記カンチレバーの振動を検出し、当該検出結果に基づき前記交流磁場が存在する空間の磁場分布画像を生成する磁気プロファイル測定方法であって、
先端に前記探針が取り付けられた前記カンチレバーを、当該カンチレバーの共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振するステップ(S110)、
前記交流磁場により前記カンチレバーの励振振動を周波数変調または同時に振幅変調するステップ(S120)、
前記探針の振動を検出し、この検出信号から、前記探針と前記交流磁場発生デバイスとの間に生じる交流磁気力に対応する磁気信号を復調するステップ(S130)、
復調した前記磁気信号を位相が90°異なる互いに直交した2つの信号成分に分離して検出するか、復調した前記磁気信号から前記探針の位置における磁場の振幅および位相を検出するステップ(S140)、
前記探針により前記交流磁場が存在する空間を走査するステップ(S150)、
前記空間の各座標における前記互いに直交した2つの信号成分または前記磁場の振幅および位相を初期位相のまま初期データとしてデータ記憶装置に記憶するステップ(S160)、
前記データ記憶装置から前記初期データを呼び出し、当該初期データの位相を変更したデータを複数生成するステップ(S170)
前記初期データの位相を変更したデータに基づく磁場分布画像を画像表示装置に表示するステップ(S180)、
前記画像表示装置に表示した各磁場分布画像に基づき前記交流磁場発生デバイスが生成した前記交流磁場が存在する空間の磁気プロファイルを測定するステップ(S190)、
を含むことを特徴とする磁気プロファイル測定方法。
(3)
前記データ記憶装置に記憶した初期位相のままの前記磁場分布画像に、位相を変更する処理を行い、位相が異なる複数の磁場分布画像を生成し、これら複数の磁場分布画像から前記交流磁場が存在する空間の磁場分布の明度が最大または最小となるか、明度差が最大または最小となる磁場分布画像を特定することを特徴とする(2)に記載の磁気プロファイル測定方法。
復調した前記磁気信号を位相が90°異なる、互いに直交した2つの信号成分に分離するステップ(S140)では、
前記探針の位置における磁場を、XY複素平面(ガウス平面:図1参照)において、
x+jHY≡H0exp(jθ)
で表わすとともに、
前記探針の位置における磁場の振幅H0をXY複素平面における原点からの距離、
0≡(HX 2+HY 21/2
前記探針の位置における磁場の位相を、XY複素平面における偏角θ、
θ≡tan-1(HY/HX
で表し、
前記探針の位置における磁場のX軸に平行な成分(X成分)を、
X=H0cosθ、
前記探針の位置における磁場のX軸に直交しているY軸に平行な成分(Y成分)を、
Y=H0sinθ
として、
前記X成分と前記Y成分のデータ対(HX,HY)または、振幅と位相のデータ対(H0,θ)として検出することができる。
本発明によれば、取得した磁場分布画像データを用いて、交流磁場発生デバイスに対して、観察試料の直交する2つの磁化成分のうち一方の磁化成分を発生源とする磁場画像(たとえば、試料面に平行な面内磁化成分を発生源とする垂直磁場画像)を得ることができる。
また、交流磁場発生デバイスの磁性材料(磁気コイルのコア等)の磁気モーメントの時間変化に伴う、垂直磁場成分の時間変化を連続的に観察することができる。
すなわち、本発明では、位相が任意に調整された磁場分布画像(具体的には、垂直磁場分布画像および/または面内磁場分布画像)を得ることができるので、たとえば交流磁場発生デバイスが発生するコイル駆動用電圧(または電流)対して、測定信号の位相が遅れた場合に、この位相遅れを補償することができる。
これにより、ある測定点における磁場の位相を、磁場の発生源(交流磁場発生デバイス)の磁化の位相に一致させて検出することが可能となった。また、交流磁場発生デバイスに関しては、磁気モーメントの時間変化に伴う、磁場成分の時間変化も連続的に観察することが可能となった。
具体的には、ハードディスクの磁気記録ヘッドの磁気的なプロファイルを測定でき、これにより当該磁気記録ヘッドの評価も行うことができる。
図1は、本発明の作用を示すXY複素平面を用いた説明図である。 図2は、本発明の磁気プロファイル測定装置の実施形態を示す説明図である。 図3は、本発明の磁気プロファイル測定方法の実施形態を示すフローチャートである。 図4は、本発明において、周波数変調または同時に振幅変調がなされた振動を検出する場合の説明図であり、図4(A)はスペクトル図であり、図4(B),(C)は励振振動による中心周波数(中心のスペクトル)と、交流磁場発生デバイスが生成する交流磁場による周波数(サイドバンド)との関係を示すベクトル図である。 図5は、本発明において、周波数変調がなされた振動を検出する場合の説明図であり、図5(A)はスペクトル図であり、図5(B)は励振振動による中心周波数(中心のスペクトル)と、交流磁場発生デバイスが生成する交流磁場による周波数(サイドバンド)との関係を示すベクトル図である。 図6は、本発明の磁気プロファイル測定装置の実施形態および磁気プロファイル測定方法の実施形態の処理を示す、初期データの位相を表す補助説明図である。 図7は、発明の磁気プロファイル測定装置の実施形態および磁気プロファイル測定方法の実施形態の処理を示す、位相調整を行った後の位相を表す補助説明図である。 図8(A)はデータ記憶装置に記憶した初期データの位相(初期値)の垂直磁場分布画像を示す図である、図8(B)は(A)の垂直磁場分布画像と位相が90°異なる垂直磁場分布画像の例を示す図である。 図9は、図8(A),(B)の画像から生成した、位相が順次変化した垂直磁場分布画像である。 図10は、先端に磁性を帯びた探針が設けられたカンチレバーを備えた従来の磁気プロファイル測定装置の説明図である。
図2は、本発明の磁気プロファイル測定装置の実施形態を示す説明図である。
図2において、磁気プロファイル測定装置1は、カンチレバー11と、励振器12と、振動センサー13と、復調処理装置14と、走査機構15と、データ記憶装置16と、変更データ生成器17と、画像表示装置18とを備えている。磁気プロファイル測定装置1は、励振したカンチレバー11の先端の磁性を帯びた探針111を用いて、交流磁場発生デバイス5が生成した交流磁場が存在する空間を走査しつつ、カンチレバー11の振動(定常振動)を検出し、当該検出結果に基づき交流磁場が存在する空間の磁場分布画像を生成することができる。なお、交流磁場発生デバイス5が生成する磁場の周波数は、100〜1kHz程度とすることができる。
カンチレバー11は、先端に探針111が取り付けられている。探針111は、錐形をなし、表面にFe,Pt系合金材料からなる膜が形成されている。探針111の磁化は、交流磁場発生デバイス5からの磁場によって変化することはない。
励振器12は、圧電素子121および電源122とからなり、電源122が圧電素子121を駆動し、圧電素子121の振動によりカンチレバー11が励振される。これにより、励振器12は、カンチレバー11をカンチレバー11の共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振する。本実施形態では、電源122の周波数は300kHzとすることができる。
交流磁場発生デバイス5が発生した交流磁場によりカンチレバー11の励振振動は、周波数変調または同時に振幅変調される。
振動センサー13は、交流磁場によりカンチレバー11の励振振動を周波数変調または同時に振幅変調することで生じる探針111の振動を検出する。
本実施形態では、振動センサー13は、レーザ(LASER)131およびフォトダイオード(PD)132とからなり、レーザ131から、カンチレバー11の先端上面にレーザビームを照射し、その反射光をフォトダイオード132で検出することで、探針111の振動を検出する。
励振器12の励振周波数を変えることで、種々のパターンの周波数スペクトルを生成することができる。
振動センサー13は、励振周波数の選択を適切に行うことで、図4に示すように、周波数変調または同時に振幅変調がなされた振動を検出できる。また、振動センサー13は、励振周波数の選択を適切に行うことで、図5に示すように、周波数変調のみがなされた振動の検出を行うことができる。
図4(A)に示すスペクトル図では、中心のスペクトルが励振振動(ωc)による中心周波数であり、ωcは、共振周波数ωoと同じ(あるいは、ほぼ同じ)である。ωoの両側に、交流磁場発生デバイス5が生成する交流磁場による振動による2本のサイドバンド(ωo−ωm,ωo+ωm)が表れている。
図4(B),(C)は励振振動による中心周波数(中心のスペクトル)と、交流磁場発生デバイス5が生成する交流磁場による周波数(サイドバンド)との関係を示すベクトル図である。
図4(B)では、中心のスペクトルに対応するベクトルを、
1exp(jωct)
で示し、サイドバンドに対応する2つの振動(ωo−ωm,ωo+ωm)によるベクトル(それぞれが等速回転ベクトル)を、それぞれ、
2exp[j{(ωc−ωm)t−θ+180°}]
2exp[j{(ωo+ωm)t+θ}]
で示してある。
検出される合成ベクトルVは、励振振動によるベクトル(等速回転ベクトル)の軌跡の周方向を向いている。
この場合には、サイドバンドに対応する2つの振動によるベクトルの合成は、励振振動によるベクトルの周波数のみを変化させるので、励振振動によるベクトルと、サイドバンドに対応する2つの振動によるベクトルとの合成ベクトルは、サイドバンドの振動の振幅が小さい場合に、振幅が一定となり周波数のみが変化する。
図4(C)では、中心のスペクトルに対応するベクトルを、
1exp(jωct)
で示し、サイドバンドに対応する2つの振動(ωo−ωm,ωo+ωm)によるベクトル(それぞれが等速回転ベクトル)を、それぞれ、
2exp[j{(ωc−ωm)t−θ}]
2exp[j{(ωo+ωm)t+θ}]
で示してある。
検出される合成ベクトルVは、励振振動によるベクトル(等速回転ベクトル)の軌跡の径方向を向いている。
この場合には、サイドバンドに対応する2つの振動によるベクトルの合成は、励振振動によるベクトルの大きさをのみ変化させるので、励振振動によるベクトルと、サイドバンドに対応する2つの振動によるベクトルとの合成ベクトルは、周波数が一定で振幅のみが変化する。
励振振動の周波数ωcが探針の共振周波数ωoと異なる場合には、サイドバンドに対応する2つの振動(ωo−ωm,ωo+ωm)によるベクトルの合成は、図4(B)の周波数変調と、図4(C)の振幅変調が複合したものとなる。
図5(A)に示すスペクトル図では、中心のスペクトルが励振振動(ωc)による中心周波数である。ωcの両側に、交流磁場発生デバイス5が生成する交流磁場による振動による2本のサイドバンド(ωc−ωm,ωc+ωm)が表れている。ωc−ωmを、共振周波数ωoと同じ(あるいは、ほぼ同じ)になるように選ぶことで、ωc−ωm,のサイドバンドの強度の増大が可能となり、ωc+ωmのサイドバンドの強度は無視できるようになる。
図5(B)は、図5(A)に示すスペクトル図に対応する、励振振動による中心周波数(中心のスペクトル)と、交流磁場発生デバイス5が生成する交流磁場による周波数(サイドバンド)との関係を示すベクトル図である。
図5(B)では、中心のスペクトルに対応するベクトルを、
1exp(jωct)
で示し、ωo−ωmのサイドバンドに対応する振動によるベクトル(等速回転ベクトル)を、
2exp[j{(ωc−ωm)t+θ1}]
で示してある。
検出される合成ベクトルVは、励振振動によるベクトル(等速回転ベクトル)の軌跡から外れている。
この場合には、サイドバンドに対応する振動によるベクトルの合成は、励振振動によるベクトルの周波数および振幅を変化させる。
復調処理装置14は、交流磁気力信号復調器141と、復調信号処理装置142とからなる。交流磁気力信号復調器141は、振動センサー13の検出信号から探針111の位置の交流磁場に対応する磁気信号を復調(周波数復調または振幅復調)する。
復調信号処理装置142は、復元した磁気信号を位相が90°異なる2つの磁場成分に分離する。
走査機構15は、探針111により交流磁場が存在する空間を走査(二次元走査または三次元走査)する。走査機構15は、カンチレバー11を移動するように構成してもよいし、交流磁場発生デバイス5を移動するように構成してもよい。
データ記憶装置16は、走査機構15により交流磁場が存在する空間を走査することで得られた、当該空間の各座標における位相が90°異なる、互いに直交した2つの信号成分を、初期位相のままの初期データとして記憶する。
変更データ生成器17は、データ記憶装置16に記憶した初期データを呼び出し、当該初期データの位相を変更したデータを複数生成する。
画像表示装置18は、変更データ生成器17により生成した走査領域の各座標におけるデータに基づく磁場分布画像を表示する。画像表示装置18は、データ記憶装置16に記憶された初期データに基づく磁場分布画像を表示することもできる。
画像表示装置18は、たとえば、明度(濃度あるいは輝度)の幅を、最も低い0から最も高い2N(Nは正の整数)の2N+1段階として、画像の表示することができる。この場合に、画像表示装置18は、磁場の強度が上向きに最大となったときに明度を「2N」、磁場の強度がゼロのときに明度を「N」、磁場の強度が下向きに最大となったときに明度を「0」とし、2N+1段階の明度を、向きも含めた磁場の強度に割り振ることで、磁場分布画像を作成する。
この磁場分布画像を、目視あるいはソフトウェアにより観察することで、交流磁場発生デバイス5の磁気プロファイルや、交流磁場発生デバイス5が生成した交流磁場が存在する空間の磁気プロファイルを取得することができる。
図3は、本発明の磁気プロファイル測定方法の実施形態を示すフローチャートである。
図3の磁気プロファイル測定方法は、図2の磁気プロファイル測定装置1により実施されるので、以下、図2の磁気プロファイル測定装置1の動作を主に説明し、併せて、図3のフローチャートに言及する。
交流磁場発生デバイス5は、信号発生器51と磁性材料を備えた磁気コイル52(たとえば、磁気記録ヘッド)とからなり、信号発生器51は、(1)式の交流電圧Vにより磁気コイル52を駆動している。
V=V01cos(ωt) ・・・(1)
(1)式のV01は、交流電圧の振幅である。これにより磁気コイル52の巻線には、(2)式の電流Iが流れる。
I=I01cos(ωt−θd1) ・・・(2)
(2)式のI01は、交流電流の振幅である。また遅れ角θd1は、磁性材料を備えた磁気コイル52(磁気記録ヘッド)を構成する電気回路の抵抗やインダクタンス等の値により決定される。
(2)式の電流I01により、交流磁場発生デバイスは、磁気コイル52の基準面(本実施形態では磁気記録ヘッドの摺動面:以下、「基準面」と言う)に(3)式の磁場(垂直磁場成分Hv)を発生させる。
v=H01cos(ωt−θ01) ・・・(3)
(3)式のH01は、交流磁場の振幅であり、垂直磁場成分Hvは信号発生器51の交流電圧からθ01/ωの時間だけ遅れて、磁場が最大になる。
ここで遅れ角θ01は、(2)式の遅れ角θd1に、交流磁場発生デバイス5における遅れ角θd2が加えられた角である。θd2は、交流磁場発生デバイス5のコイルに用いられる磁心材料に交流磁場を印加したときの磁化応答の遅れ等による遅れ角である。
前述したように、励振器12では、電源122が圧電素子121を駆動し、これにより生じる周波数でカンチレバー11が励振される(図3のステップS110参照)。
カンチレバー11の励振振動は、交流磁場発生デバイス5が発生する交流磁場により周波数変調または同時に振幅変調される(図3のステップS120)。
前述したように、振動センサー13では、レーザ131から、カンチレバー11の先端上面にレーザビームを照射し、その反射光をフォトダイオード132で検出する。交流磁気力信号復調器141は、振動センサー13の検出信号から探針111の位置の交流磁場に対応する信号(交流磁場信号)を復調する(図3のステップS130参照)。
復調処理装置14は、復調した前記磁気信号を、位相が90°異なる、互いに直交した2つの信号成分に分離する(図3のステップS140)。
交流磁気力信号復調器141の出力Fは、(4)式で表される。
F=F01cos(ωt−θ02) ・・・(4)
(4)式のF01は交流磁気力の振幅であり。遅れ角θ02は、(3)式の遅れ角θ01に、振動センサー13の検出回路の遅れ等が発生する場合にその遅れを加えたものである。ここで、交流磁場発生デバイス5で発生する磁場の周波数が低い場合には、θ02はθ01とほぼ等しくなる。
復調した交流磁気力信号は、(5)式で表される。
01cos(ωt−θ02
=F01cos(−θ02)cos(ωt)
−F01sin(−θ02)sin(ωt)
=F01cos(−θ02)cos(ωt)
+F01sin(−θ02)cos(ωt+90°) ・・・(5)
復調信号処理装置142は、交流磁気力信号復調器141により復調された交流磁気力信号の振幅(F01)および遅れ位相角(−θ02)を検出する。
ここで、交流磁場発生デバイス5の磁気コイル52の磁性材料の磁気モーメント(磁化)mの基準面に垂直方向の磁化成分をmz、基準面に平行方向の磁化成分をmxとおくと、磁性材料の磁気モーメントは交流磁場発生デバイスを構成する磁気コイルから発生する垂直磁場成分Hvにより変化し、(6A)式、(6B)式で表すことができる。
z=mocos(ωt−θ03) ・・・(6A)
x=mocos(ωt−θ03+90°)
=−mosin(ωt−θ03) ・・・(6B)
ここでmzとmxとの位相差は90°である。
遅れ角θ03は、(3)式の交流磁場発生デバイスの発生磁場の遅れ角θ01と等しくなる。
復調信号処理装置142は、ロックイン検出機構を備えており、mzに起因する垂直方向の磁場勾配と、mxに起因する垂直方向の磁場勾配を分離する(図3のステップS140参照)。
これにより、交流磁場発生デバイス5を構成する磁性材料の磁気モーメントmの磁化回転に伴う垂直磁場勾配の時間変化、
01cos(θ):0°≦θ≦360°
を連続的に観察することができる。
位相角θ01および振幅F01ならびに交流磁場発生デバイス5の信号発生器51に対して位相がθ02だけ遅れた(5)式のF01cos(−θ02)は、交流磁場発生デバイス5を構成する磁性材料の磁気モーメントmの基準面に垂直な方向の成分mzが発生させる垂直磁場勾配成分(∂Hz/∂z)cos(−θ02)に対応している。
また、位相が90°進んだF01sin(−θ02)は、交流磁場発生デバイス5を構成する磁性材料の磁気モーメントmの基準面に平行な方向の成分mxが発生させる垂直磁場勾配成分(∂Hz/∂z)sin(−θ02)に対応している。
走査機構15は、カンチレバー11の探針111を、交流磁場発生デバイス5が生成した磁場が存在する空間で二次元または三次元走査する(図3のステップS150参照)。
走査機構15による走査速度は、交流磁気力信号復調器141が、交流磁気力信号を復調する際に、無視できる程度に遅い速度である。なお、本実施形態では、走査機構15は、交流磁場発生デバイス5を二次元走査するように構成されている。
そして、データ記憶装置16は、前述したように、これらの信号を、初期位相のままの初期データとして記憶する(図3のステップS160参照)。
変更データ生成器17は、データ記憶装置16に記憶した初期データを呼び出し、初期データの位相を変更したデータを複数生成するステップ(図3のステップS170)。
変更データ生成器17により生成したデータに基づく磁場分布画像を、画像表示装置18に表示する(図3のステップ(S180)。
したがって、これらの磁場分布画像を、目視あるいはソフトウェアにより観察することで、交流磁場発生デバイス5の磁気プロファイルや、交流磁場発生デバイス5が生成した交流磁場が存在する空間の磁気プロファイルを取得することができる(図3のステップ(S190)。
図6,図7は、上記の処理の補助説明図である。
図6のXY座標系で示すベクトル図は、初期データの位相(初期位相)を表している。
図6において、磁気力勾配ベクトル(∂Hz/∂z)は、交流磁場発生デバイス5に具備された磁性材料の磁気モーメントmの基準面に垂直方向の成分mzが発生させる磁気力勾配(∂Hz/∂z)mzおよび、基準面に平行方向の成分mxが発生させる磁気力勾配(∂Hz/∂z)mxの和となり、(7)式で表される。
X+jY=(∂Hz/∂z)mzcos(−θ02
+j(∂Hz/∂z)mxsin(−θ02
すなわち、
X=(∂Hz/∂z)mzcos(−θ02
Y=(∂Hz/∂z)mxsin(−θ02) ・・・(7)
で表される。
図7のX11座標系で示すベクトル図は、図6のX11座標系を回転させたものであり、目視による操作あるいはソフトウェアにより(7)式の位相−θ02に補正位相角θを加えることで位相をゼロに調整することができる。
11座標系では、磁気力勾配ベクトルは(8)式で表される。
1+jY1=(∂Hz/∂z)mzcos(−θ02+θ)
+j(∂Hz/∂z)mxsin(−θ02+θ)
すなわち、
1=(∂Hz/∂z)mzcos(−θ02+θ),
1=(∂Hz/∂z)mxsin(−θ02+θ) ・・・(8)
位相アジャストの条件は、(9)式で表される。
θ=θ02 ・・・(9)
これにより、交流磁場発生デバイス5の磁気コイル52の磁性材料の磁気モーメントmの基準面に垂直方向の成分mz、および基準面に平行方向の成分mxが発生させる垂直磁場を分離することができる。
また、位相を連続的に変化させることで、交流磁場発生デバイス5に具備された磁性材料の磁気モーメントmの磁化回転に伴う垂直磁場勾配の時間変化、
(∂Hz/∂z)cos(θ):0°≦θ≦360°
を連続的に観察することができる。
オペレータが画面を目視しながら補正位相角θを変更し、あるいはソフトウェアにより補正位相角θを変更して、明度が最大となる画像または明度が最小となる画像を見つけ出すことで、(9)式の条件を取得することができる。
上記の例では、明度が最大となっている画像(または明度が最小となっている画像)を見つけ出して、探針111の位置における磁場Hの位相を特定したが、画像中の明度差が最大の磁場分布画像を見つけ出すこと、または、画像中の明度差が最小の磁場分布画像を見つけ出すことで、探針111の位置における磁場の位相(および振幅)を取得することが。
図8(A),(B)に、データ記憶装置16に記憶した、位相が初期値の磁気記録ヘッドの垂直磁場分布画像の例を示す。図8(A),(B)は位相が90°異なっている。
図9に、図6(A),(B)の画像(データ記憶装置17に記憶した初期データ)から生成した、位相を変化させたときの磁気記録ヘッドの磁場分布画像の例を示す。
図9では、垂直磁場分布画像の、磁性材料の磁気モーメントmの磁化回転に伴う変化を示してあり、磁場強度が最大となるときの位相をゼロとして位相を調整後に、位相を30°ごとに変化させた12の磁場分布画像を表示してある。各磁場分布画像には、位相の値を付記してあり、交流電圧V(前述した(1)式参照)の位相を基準にした位相を記すとともに、前述したX11座標系での位相を括弧内に記してある。
前述したように、画像表示装置18に表示した磁場分布画像を目視しながら補正位相角を変更することで(あるいは、ソフトウェアにより磁場分布画像を監視しつつ補正位相角を変更することで)、垂直磁場像および面内磁場像を得ることができる。
図9では、位相角329.5°(初期画像の位相を0°としてある)および149.5°(初期位相から180°進んだ位相)で垂直磁場画像の濃度がピークとなっている。また、位相角59.5°(初期画像の位相を90°としてある)および239.5°(初期位相から270°進んだ位相)で、画像中央の磁気ヘッドの主磁極部分の垂直磁場強度がほぼゼロとなっている。
1,8 磁気プロファイル測定装置
5 交流磁場発生デバイス
11,81 カンチレバー
12,82 励振器
13,83 振動センサー
14 復調処理装置
15,85 走査機構
16 データ記憶装置
17 変更データ生成器
18 画像表示装置
51 信号発生器
52 磁気コイル
84 交流磁気力信号復調器
86 ロックインアンプ
111,811 探針
121 圧電素子
122 電源
131 レーザ
132 フォトダイオード
141 交流磁気力信号復調器
142 復調信号処理装置
881 磁気コイル
882 信号発生源

Claims (3)

  1. 励振したカンチレバーの先端の磁性を帯びた探針を用いて、交流磁場発生デバイスが生成した交流磁場が存在する空間を走査しつつ、前記カンチレバーの振動を検出し、当該検出結果に基づき前記交流磁場が存在する空間の磁場分布画像を生成する磁気プロファイル測定装置であって、
    先端に前記探針が取り付けられた前記カンチレバーと、
    前記カンチレバーを当該カンチレバーの共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振する励振器と、
    前記交流磁場により前記カンチレバーの励振振動を周波数変調または同時に振幅変調することで生じる前記探針の振動を検出する振動センサーと、
    前記振動センサーの検出信号から、前記探針の位置の交流磁場に対応する磁気信号を復調するとともに、復調した前記磁気信号を位相が90°異なる互いに直交した2つの信号成分に分離して検出するか、復調した前記磁気信号から前記探針の位置における磁場の振幅および位相を検出する復調処理装置と、
    前記探針により前記交流磁場が存在する空間を走査する走査機構と、
    前記走査機構により前記交流磁場が存在する空間を走査することで得られた、当該空間の各座標における前記互いに直交した2つの信号成分または前記磁場の振幅および位相を、初期位相のまま初期データとして記憶するデータ記憶装置と、
    前記データ記憶装置に記憶した、前記初期データを呼び出し、当該初期データの位相を変更したデータを複数生成する変更データ生成器と、
    前記変更データ生成器により生成した前記走査領域の各座標におけるデータに基づく磁場分布画像を表示する画像表示装置と、
    を備えたことを特徴とする磁気プロファイル測定装置。
  2. 励振したカンチレバーの先端の磁性を帯びた探針により交流磁場発生デバイスが生成した交流磁場が存在する空間を走査しつつ、前記カンチレバーの振動を検出し、当該検出結果に基づき前記交流磁場が存在する空間の磁場分布画像を生成する磁気プロファイル測定方法であって、
    先端に前記探針が取り付けられた前記カンチレバーを、当該カンチレバーの共振周波数ないし共振周波数に近い周波数で励振するステップ(S110)、
    前記交流磁場により前記カンチレバーの励振振動を周波数変調または同時に振幅変調するステップ(S120)、
    前記探針の振動を検出し、この検出信号から、前記探針と前記交流磁場発生デバイスとの間に生じる交流磁気力に対応する磁気信号を復調するステップ(S130)、
    復調した前記磁気信号を位相が90°異なる互いに直交した2つの信号成分に分離して検出するか、復調した前記磁気信号から前記探針の位置における磁場の振幅および位相を検出するステップ(S140)、
    前記探針により前記交流磁場が存在する空間を走査するステップ(S150)、
    前記空間の各座標における前記互いに直交した2つの信号成分または前記磁場の振幅および位相を初期位相のまま初期データとしてデータ記憶装置に記憶するステップ(S160)、
    前記データ記憶装置から前記初期データを呼び出し、当該初期データの位相を変更したデータを複数生成するステップ(S170)
    前記初期データの位相を変更したデータに基づく磁場分布画像を画像表示装置に表示するステップ(S180)、
    前記画像表示装置に表示した各磁場分布画像に基づき前記交流磁場発生デバイスが生成した前記交流磁場が存在する空間の磁気プロファイルを測定するステップ(S190)、
    を含むことを特徴とする磁気プロファイル測定方法。
  3. 前記データ記憶装置に記憶した初期位相のままの前記磁場分布画像に、位相を変更する処理を行い、位相が異なる複数の磁場分布画像を生成し、これら複数の磁場分布画像から前記交流磁場が存在する空間の磁場分布の明度が最大または最小となるか、明度差が最大または最小となる磁場分布画像を特定することを特徴とする請求項2に記載の磁気プロファイル測定方法。
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