JP2010071674A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は走査型プローブ顕微鏡に関し、評価したい力fに起因する信号と、評価の妨げとなるノイズwに起因する信号とを区別することを目的としている。
【解決手段】探針3aと試料1とを接近させた状態で探針3aを試料1に対して相対的に走査する際に、探針3aから試料1へ局所的刺激を発生させ、その刺激に対する試料表面からの局所的応答を測定することによって試料1の表面を観察する走査型プローブ顕微鏡において、カンチレバー3の変位を検出する変位検出器7の出力をその正入力に、ゲイン制御可能増幅器21の出力をその負入力にうけて両方の信号の差分となるノイズ成分を含む信号を出力する差動増幅器22と、該差動増幅器22の出力を受けてノイズ成分を抑制するためのノイズ成分抑制回路30を設けて構成される。
【選択図】図1
【解決手段】探針3aと試料1とを接近させた状態で探針3aを試料1に対して相対的に走査する際に、探針3aから試料1へ局所的刺激を発生させ、その刺激に対する試料表面からの局所的応答を測定することによって試料1の表面を観察する走査型プローブ顕微鏡において、カンチレバー3の変位を検出する変位検出器7の出力をその正入力に、ゲイン制御可能増幅器21の出力をその負入力にうけて両方の信号の差分となるノイズ成分を含む信号を出力する差動増幅器22と、該差動増幅器22の出力を受けてノイズ成分を抑制するためのノイズ成分抑制回路30を設けて構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は走査型プローブ顕微鏡に関する。走査型プローブ顕微鏡は、探針(プローブ)と試料とを接近させた状態で探針を試料に対して相対的に走査する際に、探針から試料へ局所的刺激を発生させ、その刺激に対する試料表面からの局所的応答を測定することによって試料の表面を観察する顕微鏡である。
走査型プローブ顕微鏡は、応答の違いから2種類に分別される。一つ目は、走査型トンネル顕微鏡である。これは、探針を金属製探針、刺激をトンネル電圧、それに対する応答をトンネル電流とする。二つ目は走査型原子間力顕微鏡である。これは探針を力検出用カンチレバー、刺激を原子間力、応答を力によるカンチレバーの変位とする。本発明が適用される装置は、後者の走査型原子間力顕微鏡に関するものである。
走査型原子間力顕微鏡から派生した顕微鏡として、走査型磁気力顕微鏡(探針:探針部に磁石が付着したカンチレバー、刺激:磁気力)、走査型静電気力顕微鏡(探針:探針部が電極として働くカンチレバー、刺激:静電気力)、走査型磁気共鳴力顕微鏡(探針:探針部に磁石が付着したカンチレバー、刺激:磁気力)などが開発されている。これらは全て力を応答として観察する顕微鏡と考えられ、走査型原子間力顕微鏡の範疇に属すると考えられる。
走査型原子間力顕微鏡(Scanning Atomic Force Microscope、以下AFMと略す)には、測定状況の違いから接触式測定モードと、非接触式測定モードの2種類が存在する。接触式測定モードは、探針と試料表面に発生する強い斥力を刺激として、探針と試料表面を接触させながら力を観測する方法である。これに対し、非接触式測定モードは、探針と試料表面に発生する弱い引力を刺激として、探針と試料を接触させずに力を観測する測定方法である。本発明は後者の非接触式測定モードのAFMに関するものである。
本発明はAFMに適用される。AFMは、探針と試料上の原子との間に発生する微弱な原子間力を観測することによって、高い空間分解能を持つ試料表面の凹凸像を提供することができる。AFMの特徴並びに技術については、例えば非特許文献1や非特許文献2等で説明されている。
本発明は、AFMの中で非接触式測定モードを用いた力検出法に用いて効果が期待されるものである。力検出法について説明する。AFMにおいて測定対象となる力は、片持ちバネであるカンチレバーを用いて検出するのが一般的であり、カンチレバー先端に付いた探針(プローブ)に掛かる力Fに因ってカンチレバーが撓む量xを、或いはカンチレバーを励振させる強制力fに因って誘起されるカンチレバーの振動量Aを、精密な位置変位計で観察して、それぞれ力F=kx、或いはf=kA/Q0から評価することができる。
ここで、kはバネ定数であり、Q0はカンチレバーのQ値を表す。ここで、Q値はカンチレバーに蓄えられるエネルギーに対する損失量を示す指標であり、カンチレバーに蓄えられるエネルギーと、一周期で失われるエネルギーの比の2π倍で定義される。カンチレバー先端に付いた探針に作用する力は、試料表面と若しくはその近傍との相互作用に起因する原子間力、静電気力、磁気力(この場合には探針は磁性チップであること)などが対象となる。
以下に、力検出法を用いたAFMの例として非特許文献3に記載された装置を取り上げて説明する。この非特許文献3では、力検出法を用いた磁気共鳴力顕微鏡について記述されている。
図3は従来装置の構成例を示す図である。図において、1は試料、2は該試料1をXYZ方向に移動させるステージである。3はカンチレバー、3aは該カンチレバー3の先端に取り付けられた探針(プローブ)である。9はカンチレバー3を片持ちバネで励振するカンチレバー励振器である。
4は試料1の周囲に物理的に変調をかける力変調装置、5は該力変調装置4を駆動するドライバ、6は正弦波を発振する正弦波発振器である。7は試料1と探針3a間に作用する試料1からの局所的応答を変位として検出する変位検出器である。8は前記正弦波発振器6の出力を基準信号としてREFポートから受け、変位検出器7の出力信号を入力信号としてINポートに受けて、振幅Aの情報信号を装置の出力信号としてOUTポートから出力するロックインアンプである。
但し、非特許文献3では、試料1がカンチレバー3の先端に、ステージ2上に磁石が装着されている。上記の構成では、磁石が探針としてカンチレバー3の先端に装着され、ステージ2上に試料が載っており、磁石と試料1との配置が逆になっている。本発明において、本質的なのは磁石と試料との間に発生する磁気力をカンチレバー3を用いて計測することであり、カンチレバー3の先端に載っているのが試料なのか磁石なのかは問わない。上記の構成では、一般的なAFMの配置に倣って配置を置き換えたものである。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
磁気共鳴力顕微鏡は、試料1が乗ったステージ2を走査して、各位置でカンチレバー3に掛かる磁気共鳴力のデータを収集する。ここで、磁気共鳴力とは、磁気力によりスピンが変わり、変わったことにより磁気が変化する力のことをいう。具体的には、空間均一性の高い静磁場中に置かれた高周波コイル内に、多くの磁気モーメントを含む試料をセットし、この試料に高周波磁場をかけて試料の磁気モーメントを共鳴させることで得られる力であり、試料全体の測定を行なうものである。
そして、磁気共鳴力マップを取得し、適切な画像処理を施して、試料のスピン密度分布の情報を画像化する。ここで、磁気共鳴力マップは、ステージを移動させて当該点の磁気共鳴力を求めたものである。以下では、力量を評価するために動作に焦点を当て、説明する。
試料1に含まれるスピンと、カンチレバー3の先端に載った磁石との間で磁気力が発生する。その力は、カンチレバー3に作用する。更に、広く知られた磁気共鳴原理に基づき、力変調装置4を用いて試料1に含まれる一部のスピンを操作し、磁気力を定常的に変調させる。ここで、力の変調振幅をfとする。
ここで、変調の周波数をカンチレバー3の機械的共振角周波数ω0に一致させると、カンチレバー3は振幅A=f・Q0/kで共振する。カンチレバー3が共振する振る舞いは、カンチレバー変位検出器7で検出される。検出された信号は、変調源である正弦波発振器6の出力正弦波を参照信号としたロックインアンプ8で検波され、カンチレバー3の振幅値Aが取得され、ロックインアンプ8から信号成分(signal out)として出力される。
次に、非特許文献4について説明する。この文献では、上記の構成と動作において、以下を問題として取り上げ、現代制御理論に基づいたカンチレバーのフィードバック制御法を新たに導入することを提案している。この方法では、以下のような問題がある。
1)カンチレバーの熱振動ノイズに対するfの検出感度は1/√kに比例することから、kを小さくすることが求められる。しかしながら、kを小さくすると、A=f・Q0/kからAが大きくなり、Aの測定許容範囲を超えるおそれがある。
2)測定速度を速めるため、信号のダンピング時間定数が2Q0/ω0であることからQ0を小さくし、ω0を大きくすることが求められる。しかしながら、カンチレバーの熱振動ノイズに対するfの検出感度は、√Q0に比例することから、Q0を小さくすると感度が悪化してしまうおそれがある。
1)カンチレバーの熱振動ノイズに対するfの検出感度は1/√kに比例することから、kを小さくすることが求められる。しかしながら、kを小さくすると、A=f・Q0/kからAが大きくなり、Aの測定許容範囲を超えるおそれがある。
2)測定速度を速めるため、信号のダンピング時間定数が2Q0/ω0であることからQ0を小さくし、ω0を大きくすることが求められる。しかしながら、カンチレバーの熱振動ノイズに対するfの検出感度は、√Q0に比例することから、Q0を小さくすると感度が悪化してしまうおそれがある。
図4は従来装置の他の構成例(引用文献4)を示す図である。図3と同一のものは、同一の符号を付して示す。図4に示す装置の回路は、図3に示す回路にフィードバックを加えた点が相違している。図において、9はカンチレバー3を励振用するカンチレバー励振器である。11は変位検出器7の出力を受けるカルマンフィルタである。12はカルマンフィルタ11の出力を受けて最適なカンチレバーの振動振幅値を前記カンチレバー励振器9に与える最適レギュレータ器である。該最適レギュレータ器の出力uは、コスト関数最小となる制御力である。その他の構成は、図3と同じである。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
図3に示す装置と同様に、以下の手順でカンチレバー3に掛かる力を検出する。力変調装置4を用いて試料1に含まれる一部のスピンを操作し、磁気力を定常的に変調させて、カンチレバー3を共振させる。カンチレバー3が共振する振る舞いは、カンチレバー変位検出器7で検出される。検出された信号は、変調源である正弦波発振器6の出力である正弦波を参照信号としたロックインアンプ8で検波され、カンチレバー3の振幅値Aが取得される。
図4の構成では、更にカンチレバー3の許容振幅値を設定し、カンチレバー3の振幅がその範囲に収まるようにフィードバックする機能が含まれている。フィードバックループは、変位検出器7→カルマンフィルタ11→最適レギュレータ器12→カンチレバー励振器9→カンチレバー3→変位検出器7のループである。
カルマンフィルタ11では、カンチレバー変位検出器7で観測した値を用いて、統計的に測定ノイズを除去したカンチレバー3の真の状態変数
x=(x(t),v(t))
を推定する。ここで、x(t)はカンチレバー3の振動位置変位、v(t)はカンチレバー3の振動速度である。
x=(x(t),v(t))
を推定する。ここで、x(t)はカンチレバー3の振動位置変位、v(t)はカンチレバー3の振動速度である。
最適レギュレータ器12では、カンチレバー3の許容振幅値を超える状況、或いはカンチレバー励振器9がカンチレバー3に与える制御力が許容範囲を超える状況をペナルティーとしたコスト関数を定義し、コスト関数が最小になるような制御力uを、u=kxとして計算し、カンチレバー励振器9へ送信する。ここで、kはカルマンゲインである。
結果として、カンチレバー励振器9、カルマンフィルタ11、最適レギュレータ器12を構成に付加することにより、カンチレバー3の振動振幅値を制御でき、また言い換えれば、カンチレバー3の共振角周波数ω0とクオリティファクタQ0を変更することができる。
従来のこの種の装置としては、試料に対向するカンチレバーの先端の探針にマイクロ波を照射すると共に周波数変調が可能なマイクロ波発振器を備え、前記カンチレバーの振動振幅が一定になるように前記マイクロ波発振器から探針の先端に向けて照射されるマイクロ波の周波数を調整する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、中心対称軸を含む断面で該中心対称軸との外形角度が先端方向に向かい除々に小さくなった磁気チップをカンチレバーの先端に装着した技術が知られている(例えば特許文献2参照)。また、探針を試料に対して非接触で、共振周波数ωで自励振動させ、この探針と試料間に直流バイアス電圧と、その共振周波数ωと同一の周波数を有しかつ探針の振動と90度ずれた位相を有する散逸周波数を、共振周波数ωよりも充分に低い変調周波数ωmを有する変調信号で振幅変調した交流信号を印加し、直流バイアス信号を フィードバック制御し、直流バイアス信号に対応する探針と試料間の接触電位差を検出するようにした技術が知られている(例えば特許文献3)。
森田清三編著、解説書「走査型プローブ顕微鏡 基礎と未来予測」丸善株式会社(2000) Ernst Meyer, Hans Josef Hug, Roaland Bennewitz Springer ,"Scanning Probe Microscopy The Lab on a Tip"(2004). O.Zuger and D.Rugar, J.Appl. Phys."Magnetic Resonance detection and imaging using force microscope techniques"75(1994) 6211-6216. J.L.Garbini,K.J.Bruland,M.Dougherty and J.A..Sidles."Optical control of force microscope cantilevers. I. Controller design",J.Appl.Phys 80(1996)1951-1958. 特許第3566567号公報(段落0028〜0039、図3,図4)
特開2003−28773号公報(段落0047〜0060、図1〜図4)
特開20004−294218号公報(段落0025〜0030、図1)
森田清三編著、解説書「走査型プローブ顕微鏡 基礎と未来予測」丸善株式会社(2000) Ernst Meyer, Hans Josef Hug, Roaland Bennewitz Springer ,"Scanning Probe Microscopy The Lab on a Tip"(2004). O.Zuger and D.Rugar, J.Appl. Phys."Magnetic Resonance detection and imaging using force microscope techniques"75(1994) 6211-6216. J.L.Garbini,K.J.Bruland,M.Dougherty and J.A..Sidles."Optical control of force microscope cantilevers. I. Controller design",J.Appl.Phys 80(1996)1951-1958.
力検出法について、フィードバック制御を用いない例(図3参照)と、用いる例(図4参照)の二つの事例で説明した。力検出法に限ることではないが、場合によっては、高速性よりも、高感度性を望む状況が考えられる。以下では、前記した二つの事例は、同じ感度を与え、たとえフィードバック制御を行なってもS/N比を向上することはできないことを述べる。
信号である力について、ラプラス変換したs成分をf(s)とする。同様に、カンチレバーに力を与えた時の伝達関数、カンチレバーの熱振動の起因となノイズ力、カンチレバー変位検出器で発生する測定ノイズについて、ラプラス変換した成分をそれぞれG(s)、w(s)、v(s)とする。また、フィードバック制御を用いる場合のフィードバック制御回路の伝達関数のラプラス変換をH(s)とする。観測変数のラプラス変換をy(s)とする。
(フィードバック制御を用いない場合)
この場合には、信号出力は、y(s)=G(s)・f(s)で表される。一方、ノイズ出力は、
ynoise(s)=G(s)・w(s)+v(s)
で与えられる。よって、角周波数ωでのS/N比は、以下のように表される。
(フィードバック制御を用いない場合)
この場合には、信号出力は、y(s)=G(s)・f(s)で表される。一方、ノイズ出力は、
ynoise(s)=G(s)・w(s)+v(s)
で与えられる。よって、角周波数ωでのS/N比は、以下のように表される。
S/N=G(jω)・f(jω)/(G(jω)・w(jω)+v(jω)) (1)
で表される。
(フィードバック制御を用いる場合)
この場合には、信号出力はy(s)は、
y(s)=G(s)・f(s)/(1+G(s)・H(s))
で表される。一方、ノイズ出力ynoise(s)は
ynoise(s)=(G(s)・w(s)+v(s))/(1+G(s)・H(s))
で与えられる。よって、角周波数ωでのS/N比は、
S/N=G(jω)・f(jω)/(G(jω)・w(jω)+v(jω)) (2)
(1),(2)式をみると明らかなようにフィードバック制御の有無によって、S/N比は変わらないことが分かる。
で表される。
(フィードバック制御を用いる場合)
この場合には、信号出力はy(s)は、
y(s)=G(s)・f(s)/(1+G(s)・H(s))
で表される。一方、ノイズ出力ynoise(s)は
ynoise(s)=(G(s)・w(s)+v(s))/(1+G(s)・H(s))
で与えられる。よって、角周波数ωでのS/N比は、
S/N=G(jω)・f(jω)/(G(jω)・w(jω)+v(jω)) (2)
(1),(2)式をみると明らかなようにフィードバック制御の有無によって、S/N比は変わらないことが分かる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、第1に評価したい力fに起因する信号と、評価の妨げとなるノイズwに起因する信号とを区別することができる走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的とし、第2に評価したい力fに起因する信号はフィードバック制御せず、評価の妨げとなるノイズwに起因する信号のみをフィードバック制御して減衰させることができる走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の発明は、探針と試料とを接近させた状態で探針を試料に対して相対的に走査する際に、探針から試料へ局所的刺激を発生させ、その刺激に対する試料表面からの局所的応答を測定することによって試料の表面を観察する走査型プローブ顕微鏡において、前記試料に力変調成分を印加する力変調装置と、該力変調成分を印加することにより変調した変調場において、前記試料に対する探針からの変位を検出する変位検出器と、正弦波を出力する正弦波発振器と、該正弦波発振器からの基準信号と、前記変位検出器からの変位検出信号を入力して入力信号に応じた振幅値を出力するロックインアンプと、該ロックインアンプの出力をゲイン制御信号として受け、前記正弦波発振器の出力を移相器で移相させた信号を受けて、前記ロックインアンプの出力振幅値がかかった正弦波信号を出力するゲイン制御可能増幅器と、前記変位検出器の出力をその正入力に、前記ゲイン制御可能増幅器の出力をその負入力にうけて両方の信号の差分となるノイズ成分を含む信号を出力する差動増幅器と、該差動増幅器の出力を受けてノイズ成分を抑制するためのノイズ成分抑制回路と、前記カンチレバーを励振するカンチレバー励振器と、を具備し、前記ノイズ成分抑制回路をフィードバック回路としてその出力を前記カンチレバー励振器に与えると共に、前記ロックインアンプの出力を信号成分出力とするように構成されたことを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、前記ノイズ成分抑制回路は、前記差動増幅器からの出力であるノイズ成分を含んだ信号を微分する微分回路と、該微分回路の出力を受けてカンチレバー励振器を加振する励振器用ドライバから構成されることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記ノイズ成分抑制回路は、前記差動増幅器からの出力であるノイズ成分を含んだ信号を受けるカルマンフィルタと、該カルマンフィルタの出力を受けてカンチレバー励振器を加振する最適レギュレータ器から構成されることを特徴とする。
(1)請求項1記載の発明によれば、前記差動増幅器により前記変位検出器の出力から前記ゲイン制御可能増幅器の出力を差し引くことにより、該差動増幅器の出力にはほぼノイズ成分が含まれるものとなり、このノイズ成分をノイズ成分抑制回路によりカンチレバーにフィードバックをかけることにより、ノイズ成分を抑圧することができるので、前記ロックインアンプから出力される信号はS/N比のよい信号成分となり、正確な試料の表面像を得ることができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、前記ノイズ成分抑制回路を、微分回路と励振器用ドライバより構成することで、ノイズのS/N比を高めることができるフィードバック回路を実現することができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、前記ノイズ成分抑制回路を、カルマンフィルタと最適レギュレータ器より構成することで、ノイズのS/N比を高めることができるフィードバック回路を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の原理を以下に説明する。信号である力について、ラプラス変換したs成分をf(s)とする。同様に、カンチレバーに力を与えた時の伝達関数、カンチレバーの熱振動の起因となノイズ力、カンチレバー変位検出器で発生する測定ノイズについて、ラプラス変換した成分をそれぞれG(s)、w(s)、v(s)とする。また、フィードバック制御を用いる場合のフィードバック制御回路の伝達関数のラプラス変換をH(s)とする。観測変数のラプラス変換をy(s)とする。
この時の信号出力は、y(s)=G(s)・f(s)で表される。一方、ノイズ出力ynoiseは次式で表される。
ynoise(s)=(G(s)・w(s)+v(s))/(1+G(s)・H(s))
よって、角周波数ωでのS/Nは次式で与えられる。
S/N=(G(jω)・f(jω)/(G(jω)・w(jω)+v(jω)))×
(1+G(jω)・H(jω)) (3)
ここで、G(jω)・H(jω)>>1となるようにH(jω)を設定すると、(3)式の値は増加し、S/N比の向上を実現することができる。
(実施の形態1)
実施の形態1では、評価したい測定対象の力についてはフィードバック制御を実施せず、評価を妨げるノイズ力については極配置法に基づいたフィードバック制御を施し減衰させる方法を導入する。具体的には、測定対象である力についてはカンチレバーのQ値Q0が適用され、非測定対象であるノイズ力についてはQ値としてQ0・Q’/(Q0+Q’)が適用される。ここで、Q’はフィードバック制御の設定パラメータである。この方法は、ノイズのみを減衰することが可能であり、S/N比を向上させることができる。
ynoise(s)=(G(s)・w(s)+v(s))/(1+G(s)・H(s))
よって、角周波数ωでのS/Nは次式で与えられる。
S/N=(G(jω)・f(jω)/(G(jω)・w(jω)+v(jω)))×
(1+G(jω)・H(jω)) (3)
ここで、G(jω)・H(jω)>>1となるようにH(jω)を設定すると、(3)式の値は増加し、S/N比の向上を実現することができる。
(実施の形態1)
実施の形態1では、評価したい測定対象の力についてはフィードバック制御を実施せず、評価を妨げるノイズ力については極配置法に基づいたフィードバック制御を施し減衰させる方法を導入する。具体的には、測定対象である力についてはカンチレバーのQ値Q0が適用され、非測定対象であるノイズ力についてはQ値としてQ0・Q’/(Q0+Q’)が適用される。ここで、Q’はフィードバック制御の設定パラメータである。この方法は、ノイズのみを減衰することが可能であり、S/N比を向上させることができる。
図1は本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。図3,図4と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1は試料、2は該試料1をその上に載置するステージ、3はカンチレバー、3aは該カンチレバー3の先端に取りつけられた探針(プローブ)、4は試料1に含まれる一部のスピンを操作し、磁気力を定常的に変調させる力変調装置である。
5は該力変調装置4を駆動するドライバ、6は正弦波を発生させる正弦波発振器、7はカンチレバー3からの変調信号を検出する変位検出器である。10は前記正弦波発振器6の出力を受けて、その位相を所定量だけ進める移相器、8はその一方の入力に前記変位検出器7の出力を入力ポートINから受け、他方の入力に移相器10の出力を参照信号ポートREFから受けて、これら入力信号に応じた振幅値Aを出力するロックインアンプである。この振幅値Aは、装置の信号出力(signal out)となる。9はカンチレバー3を励振するカンチレバー励振器である。
21は移相器10の出力を入力ポートINから、ロックインアンプ8の出力をゲイン制御ポートGCからそれぞれ受け、入力信号にロックインアンプの出力振幅値がかかった正弦波信号を出力ポートOUTに出力するゲイン制御可能増幅器、22は前記変位検出器7の出力をその正入力に、ゲイン制御可能増幅器21の出力をその負入力に受ける差動増幅器である。30は該差動増幅器22の出力を受けて、ノイズ成分を抑制するノイズ成分抑制回路である。
該ノイズ成分抑制回路30は、差動増幅器22の出力を微分する微分回路23と、該微分回路23の出力を受けて励振器用の制御信号を出力する励振器用ドライバ24から構成されている。該励振器用ドライバ24の出力は前記カンチレバー励振器9に与えられる。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
試料1が載置されたステージ2を走査して、その各走査位置で探針3a付のカンチレバー3に掛かる力量のデータを収集して画像化する。或いは、力量が一定になるようにZ方向に試料1を調整しながら、試料1が載ったステージ2をXY方向に走査し、各XY方向の位置に対してZ位置のデータを収集して画像化する。以下では、力量を評価するための動作に焦点を当てて説明する。
試料1の表面近傍の局所的な部分とカンチレバー3の先端との間になんらかの力が発生し、その力がカンチレバー3に作用しているものとする。更に、力変調装置4を用いると、その力が変調できるものとする。例えば、原子間力が対象であれば、ステージ2をZ方向に位置を変動させる装置が力変調装置4に当てはまる。また、静電気力が対象であれば、試料1やステージ2に対するカンチレバー3の電位差を変化させる装置が力変調装置4に当てはまる。
結果として、力変調装置4は、発振器6から発信される電気信号cos(ωt)を、ドライバ5を経て、力の時間変化f(t)=f・cos(ωt)を誘起できるものとする。ここで、fは未知数であり、評価したいパラメータである。力変調装置4に由来する力の変動cos(ωt)によって、カンチレバー3は、変位x(t)=Acos(ωt+φ)のように振動する。ここで、φは力の振動に対するカンチレバー3の振動位相差である。ωをカンチレバー3の共振周波数に一致させた時、A=f・Q0/kなる振幅でカンチレバー3は共振する。
カンチレバー3が共振する振る舞いは、カンチレバー変位検出器7で検出される。検出された信号は、変調源である正弦波を参照信号としたロックインアンプ8で検波され、カンチレバー3の振幅値Aが取得される。ここで、Q0やkは既知であるので、Aからfを評価することができる。移相器10では、φの値に応じて位相量を調整する。調整量は、ω=ω0の共振時には、φ=π/2に合わせる。
ロックインアンプ8からは、振幅Aの値が出力される。ゲイン制御可能増幅器21は、入力ポートINから入るcos(ωt+φ)に対してゲイン制御ポートGCから入力される数値Aに対して、出力ポートOUTからAcos(ωt+φ)の信号を出力する。
差動増幅器22は、正入力端子+に入力される信号から−端子に入力される信号を差し引いて出力する。この実施の形態では、変位検出器7からの信号が差動増幅器22の+端子に入力される。変位検出器7の出力は信号であるAcos(ωt)の他にカンチレバー3の熱振動に起因するノイズ信号を含んでいる。一方、差動増幅器22の負入力にはゲイン制御可能増幅器21からの出力であるAcos(ωt+φ)が入力されるので、差動増幅器22からはノイズ信号のみが出力されることになる。
微分回路23は、カンチレバー3の熱振動ノイズに対して、その速度v(t)を出力する。更に、励振器用ドライバ24では、カンチレバー励振器9がカンチレバー3に対して−m・ω0/Q’・v(t)の力を与えることができるように出力強度を調整する。ここで、mはカンチレバー3の総質量である。これによるフィードバックにより、ノイズ成分が小さくなるようなフィードバック制御が行なわれることになる。つまり、このフィードバック制御は、ノイズ成分に基準値を設けておき、差動増幅器12のノイズ成分がその基準値よりも小さくなるようにフィードバックするものである。
このように、この実施の形態によれば、前記差動増幅器22により前記変位検出器7の出力から前記ゲイン制御可能増幅器21の出力を差し引くことにより、該差動増幅器22の出力にはほぼノイズ成分が含まれるものとなり、このノイズ成分をノイズ成分抑制回路30によりカンチレバー3にフィードバックをかけることにより、ノイズ成分を抑圧することができるので、前記ロックインアンプ8から出力される信号はS/N比のよい信号成分となり、正確な試料の表面像を得ることができる。
また、前記ノイズ成分抑制回路30を、微分回路23と励振器用ドライバ24より構成することで、ノイズのS/N比を高めることができるフィードバック回路を実現することができる。
(実施の形態2)
この実施の形態では、評価したい測定対象の力についてはフィードバック制御せず、評価を妨げるノイズ力については最適レギュレータ法に基づいたフィードバック制御を施し、減衰させる方法を導入する。具体的に、測定対象である力についてはカンチレバー3を自由に振らせ、非測定対象であるノイズ力については指定する振幅に制限する。この方法は、ノイズのみを軽減させることが可能であり、S/N比を向上させることができる。
(実施の形態2)
この実施の形態では、評価したい測定対象の力についてはフィードバック制御せず、評価を妨げるノイズ力については最適レギュレータ法に基づいたフィードバック制御を施し、減衰させる方法を導入する。具体的に、測定対象である力についてはカンチレバー3を自由に振らせ、非測定対象であるノイズ力については指定する振幅に制限する。この方法は、ノイズのみを軽減させることが可能であり、S/N比を向上させることができる。
図2は本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1は試料、2はステージ、3はカンチレバー、3aはカンチレバー3の先端に取りつけられた探針、4は力変調装置、5はドライバ、6は正弦波発振器、7は変位検出器、8はロックインアンプ、9はカンチレバー励振器、10は移相器、11はゲイン制御可能増幅器、12は差動増幅器、30Aはノイズ成分抑制回路で、その出力はカンチレバー励振器9に接続され、フィードバックループを形成している。
ノイズ成分抑制回路30Aについて、26は差動増幅器12の出力を受けるカルマンフィルタ、27は該カルマンフィルタ26の出力を受け、カンチレバー励振器9を駆動する最適レギュレータ器である。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
この実施の形態は、試料1が載置されたステージ2を走査して、各走査位置でカンチレバー3に掛かる力量のデータを収集して画像化する。或いは、力量が一定になるようにZ方向に試料1を調整しながら、試料1が載ったステージ2をXY方向に走査し、各XY位置に対してZ位置のデータを収集して画像化するものである。以下では、力量を評価するための動作に焦点を当てて説明する。
試料1の表面近傍の局所的な部分とカンチレバー3の先端の探針3aとの間に何らかの力が発生し、その力がカンチレバー3に作用しているものとする。更に力変調器4を用いると、その力が変調できるものとする。例えば、原子間力が対象であれば、ステージ2をZ方向に位置を変動させる装置が力変調装置4である。静電気が対象であれば、試料1やステージ2に対するカンチレバー3の電位差を変化させる装置が力変調装置4に当てはまる。
結果として、力変調器4は発振器6から発振される電気信号cos(ωt)をドライバ5を経て、力の時間変化f(t)=fcos(ωt)を誘起できるものとする。ここでは、fは未知数であり、評価したいパラメータである。
力変調装置4に由来する力の変動fcos(ωt)によって、カンチレバー3は変位
x(t)=Acos(ωt+φ)のように振動する。ここで、φは力の振動に対するカンチレバー3の振動位相差である。ωをカンチレバー3の共振角周波数に一致させた時、
A=f・Q0/kなる振幅でカンチレバー3は共振することになる。
x(t)=Acos(ωt+φ)のように振動する。ここで、φは力の振動に対するカンチレバー3の振動位相差である。ωをカンチレバー3の共振角周波数に一致させた時、
A=f・Q0/kなる振幅でカンチレバー3は共振することになる。
カンチレバー3が共振する振る舞いは、カンチレバー変位検出器7で検出される。検出された信号は、変調源である正弦波を参照信号としたロックインアンプ8で検波され、カンチレバー3の振幅値Aが取得される。ここで、Q0やkは既知であるので、Aからfを評価することができる。移相器10では、φの値に応じて移相量を調整する。ここで、ω=ω0の共振時には、φ=π/2に合わせる。
ロックインアンプ8からは振幅Aの値が出力される。ゲイン制御可能増幅器11は、入力ポートINから入るcos(ωt+φ)に対して、ゲイン制御ポートGCから入力される数値Aに応じて、出力ポートOUTからAcos(ωt+φ)の信号が出力される。差動増幅器12では、+端子から入力される信号から−端子から入力される信号を差し引いて出力できるようになっている。
カンチレバー変位検出器7からの出力を差動増幅器12の+端子に入力する。カンチレバー変位検出器7からの出力には、信号であるAcos(ωt+φ)の他、カンチレバー3の熱振動に起因するノイズ信号を含んでいる。従って、差動増幅器12の+端子に入力される信号はAcos(ωt+φ)+(ノイズ)となる。一方、差動増幅器12の−端子に入力される信号はゲイン制御可能増幅器11の出力であり、Acos(ωt+φ)となる。
この結果、差動増幅器12の出力は、
(Acos(ωt+φ)+(ノイズ))−Acos(ωt+φ)となり、その出力は(ノイズ)のみとなる。この差動増幅器12の出力はノイズ成分抑制回路30Aに入る。該ノイズ成分抑制回路30Aでは、以下のような動作を行なう。先ず、カルマンフィルタ26は、カンチレバー変位検出器7で観測した値を用いて統計的に測定ノイズを除去したカンチレバー3の真の状態変数xを推定する。ここで、状態変数xは次式で与えられる。
(Acos(ωt+φ)+(ノイズ))−Acos(ωt+φ)となり、その出力は(ノイズ)のみとなる。この差動増幅器12の出力はノイズ成分抑制回路30Aに入る。該ノイズ成分抑制回路30Aでは、以下のような動作を行なう。先ず、カルマンフィルタ26は、カンチレバー変位検出器7で観測した値を用いて統計的に測定ノイズを除去したカンチレバー3の真の状態変数xを推定する。ここで、状態変数xは次式で与えられる。
x=(x(t),v(t)) (4)
ここで、x(t)はカンチレバー3の変位位置、v(t)はカンチレバー3の振動速度である。
ここで、x(t)はカンチレバー3の変位位置、v(t)はカンチレバー3の振動速度である。
次に、最適レギュレータ器27では、カンチレバー3の許容振幅値を超える状況、あるいはカンチレバー励振器9がカンチレバー3に与える制御力が許容範囲を超える状況をペナルティとしたコスト関数を定義し、このコスト関数が最小になるような制御力uを、
u=kxとして計算し、カンチレバー励振器9に与える。ここで、kはカルマンゲインである。結果として、カンチレバー励振器9、カルマンフィルタ26、最適レギュレータ器27を構成に追加することによって、カンチレバー3の振動振幅値を制御でき、別言すれば、カンチレバー3の共振周波数ω0とQ0を変更することができる。
u=kxとして計算し、カンチレバー励振器9に与える。ここで、kはカルマンゲインである。結果として、カンチレバー励振器9、カルマンフィルタ26、最適レギュレータ器27を構成に追加することによって、カンチレバー3の振動振幅値を制御でき、別言すれば、カンチレバー3の共振周波数ω0とQ0を変更することができる。
一方、ロックインアンプ8からは本発明装置の信号である振幅値Aが出力される。この振幅値Aは試料1の表面観察像としてディスプレイに与えられ、表示される。
この実施の形態によれば、ノイズ成分抑制回路を、カルマンフィルタと最適レギュレータ器より構成することで、ノイズのS/N比を高めることができるフィードバック回路を実現することができる。
この実施の形態によれば、ノイズ成分抑制回路を、カルマンフィルタと最適レギュレータ器より構成することで、ノイズのS/N比を高めることができるフィードバック回路を実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、AFMの中で非接触式測定モードを用いた力検出法において、力の変調源である正弦波に同期した信号を通過させない適合フィルタを導入することにより、評価したい力fに起因する信号と、評価の妨げとなるノイズwに起因する信号とを区別することができる。また、適切な適合フィルタを用い、評価したい力に起因する信号は、フィードバック制御せず、評価の妨げとなるノイズ力に起因する信号のみをフィードバック制御し減衰する回路を構築することによって、力検出感度を向上させることができる。
1 試料
2 ステージ
3 カンチレバー
3a 探針
4 力変調装置
5 ドライバ
6 正弦波発振器
7 変位検出器
8 ロックインアンプ
9 カンチレバー励振器
10 移相器
21 ゲイン制御可能増幅器
22 差動増幅器
23 微分回路
24 励振器用ドライバ
30 ノイズ成分抑制回路
2 ステージ
3 カンチレバー
3a 探針
4 力変調装置
5 ドライバ
6 正弦波発振器
7 変位検出器
8 ロックインアンプ
9 カンチレバー励振器
10 移相器
21 ゲイン制御可能増幅器
22 差動増幅器
23 微分回路
24 励振器用ドライバ
30 ノイズ成分抑制回路
Claims (3)
- 探針と試料とを接近させた状態で探針を試料に対して相対的に走査する際に、探針から試料へ局所的刺激を発生させ、その刺激に対する試料表面からの局所的応答を測定することによって試料の表面を観察する走査型プローブ顕微鏡において、
前記試料に力変調成分を印加する力変調装置と、
該力変調成分を印加することにより変調した変調場において、前記試料に対する探針からの変位を検出する変位検出器と、
正弦波を出力する正弦波発振器と、
該正弦波発振器からの参照信号と、前記変位検出器からの変位検出信号を入力して入力信号に応じた振幅値を出力するロックインアンプと、
該ロックインアンプの出力をゲイン制御信号として受け、前記正弦波発振器の出力を移相器で移相させた信号を受けて、前記ロックインアンプの出力振幅値がかかった正弦波信号を出力するゲイン制御可能増幅器と、
前記変位検出器の出力をその正入力に、前記ゲイン制御可能増幅器の出力をその負入力にうけて両方の信号の差分となるノイズ成分を含む信号を出力する差動増幅器と、
該差動増幅器の出力を受けてノイズ成分を抑制するためのノイズ成分抑制回路と、
前記カンチレバーを励振するカンチレバー励振器と、
を具備し、前記ノイズ成分抑制回路をフィードバック回路としてその出力を前記カンチレバー励振器に与えると共に、前記ロックインアンプの出力を信号成分出力とするように構成されたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 - 前記ノイズ成分抑制回路は、
前記差動増幅器からの出力であるノイズ成分を含んだ信号を微分する微分回路と、該微分回路の出力を受けてカンチレバー励振器を加振する励振器用ドライバから構成されることを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記ノイズ成分抑制回路は、
前記差動増幅器からの出力であるノイズ成分を含んだ信号を受けるカルマンフィルタと、該カルマンフィルタの出力を受けてカンチレバー励振器を加振する最適レギュレータ器から構成されることを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
Priority Applications (1)
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JP2008236443A JP2010071674A (ja) | 2008-09-16 | 2008-09-16 | 走査型プローブ顕微鏡 |
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CN107430148A (zh) * | 2015-02-03 | 2017-12-01 | Fei Efa有限公司 | 利用扫描探针显微镜对特征成像的方法 |
-
2008
- 2008-09-16 JP JP2008236443A patent/JP2010071674A/ja not_active Withdrawn
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CN107430148B (zh) * | 2015-02-03 | 2019-11-26 | Feiefa有限公司 | 利用扫描探针显微镜对特征成像的方法 |
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