JP2007232596A - 磁気共鳴力顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】MRI像の理解を一層深めることのできる磁気共鳴力顕微鏡を提供する。
【解決手段】高周波磁場発生装置31が試料21の全体に均一に発生した高周波磁場中で、カンチレバー自己励振ループ部が前記カンチレバー23を自己励振した状態で、試料21(検体)のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、周波数復調器26が磁気共鳴力に基づいた前記カンチレバー変位計測器29の検出信号から前記カンチレバーの共振周波数を計測し、かつカンチレバーの共振周波数シフトを計測し、カンチレバーの共振周波数のシフト量の直流成分Δνが一定となるようにスキャナー22を制御して試料21表面から探針24先端までの距離Zを調整して、試料21の原子間力像(AFM)をスキャナー駆動電源25が生成し、周波数復調器26での前記カンチレバーの共振周波数シフト量の交流成分δνに応じて磁気共鳴力像(MRFM)を位相検波器34が生成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、試料の磁気共鳴力像を撮影する磁気共鳴力顕微鏡(MRFM:Magnetic Resonance Force Microscopy)に関する。
磁気共鳴力顕微鏡は、従来技術である磁気共鳴法を用いた画像処理装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)と試料表面の原子像を観測できる原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscopy)の技術を融合させた、原子レベルの空間分解能が期待されるMRI装置である。その利用目的は、単一の遺伝子・蛋白質・生体分子ほか、極微小試料に対しその立体構造を画像化し、解析する事を主とした定量分析と定義される。MRFMは現在いくつかのグループがその開発を行っている開発途上の装置であり、現時点での到達空間分解能は20nmと言われている。MRFMについての説明は、下記特許文献1、特許文献2、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。
図1は、MRFM装置の簡略構成図である。AFMの構成要素は光ファイバー1を通ったレーザー光、カンチレバー2および試料4を載置しスキャナーとして動作する試料台3である。一方、磁気共鳴に必要な要素は、高周波(RF)コイル5、および、省略されている外部静磁場となる。MRIに必須の磁場勾配は、カンチレバー2先端に装着された高透磁率磁性材料(永久磁石を含む)で作られた磁気チップ6によって発生する空間的に極めて不均一な磁場によって作られる。
このMRFM装置の動作を説明する。MRFMにおける磁気共鳴現象は、外部より与えられた磁場と磁気チップ6が発生する磁場の和で定義される試料内静磁場と、RFコイル5によって照射された高周波磁場の周波数との一意的関係で決まる共鳴条件が成立した時に発生する。
共鳴条件が成立していない場合、カンチレバー2は、上記静磁場によって分極された試料の磁化と磁気チップ6により発生された磁場勾配の積で与えられる磁気力を感じて、磁場と磁場勾配が存在しない時に定義される熱平衡状態の位置から撓んでいる。
共鳴条件が成立すると、減少した分極磁化によって磁気力が弱められ、カンチレバー2が熱平衡状態時の位置方向へと戻る。この際発生する磁気力の変化を磁気共鳴力と呼ぶ。
MRFMにおける測定量はこのカンチレバー振幅変位量であり、光干渉法や光てこ法を用いて変位量を測定する。磁気チップ6と試料4の相対位置を走査することで、各場所における磁気共鳴力強度分布を得ることが出来る。この磁気共鳴力強度分布を、既知の磁場分布および磁場勾配分布を考慮しながらコンピューター処理を施すことで、実空間像を再現する。
米国特許5266896号公報 特公平7-69289号公報 日本応用磁気学会誌、第22巻、第1号、19頁 (1998) Journal of Applied Physics, Vol. 79, p. 1881 (1996)
MRIは、電子スピンや特定の原子核スピンを対象として、試料内部の位置における対象スピンの数またはスピン磁化の大きさについて、3次元分布を測定することができる。しかしながら、対象スピンが含まれる部位のみを撮影したMRI像が得られても、その部位が検体全体の中で何処に位置し、何処の組織に属する部位なのかが特定できない場合が考えられる。
図2(a)は、スキャナー(試料台)面に乗った検体(試料)4を、面に対して垂直方向から見た場合を示す。検体4は、組成や形の異なるいくつかの材料から構成されているとする。また、矢印7で指し示す部位8にのみMRIで観測可能な対象スピンが含まれているとする。
図2(b)は、検体4をMRIで撮影した際に予想される取得画像8’である。ここで、MRI像のみから、得られた像が検体のどの部位に位置していたのかを推定したいとする。その為には、予め構成材料の個々の形状が把握できていなければならない。更に、それらの情報と得られたMRI像とを照合し選定できる為には、MRI像が特徴的な形状であるか、もしくはMRI像に象徴的な部位が含まれていなければならない。
図2(b)と図2(a)を照合すると、図2(a)の検体4に含まれる6つの横長の材料(部位)8〜13のいずれかというのは推定できるが、6つの中の何れかということは判らない。つまり、MRI像の理解のためには未だ改善すべき点がある。
ここで、MRI像だけではなく、対象スピンの有無に関わらず試料全体を同視野で撮影した像が加われば、MRI像の理解が一層深まる。
図2(c)は、このような撮影手法で検体を撮影した際に予想される取得画像である。さらに、視野および視点は図2(b)のそれらと同じであるとする。仮に図2(c)のような像が得られれば、図2(b)と重畳することによって、図2(b)で撮影された部位8‘が、図2(c)のどの部位であるかを特定することができる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、MRI像の理解を一層深めることのできる磁気共鳴力顕微鏡の提供を目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明に係る磁気共鳴力顕微鏡は、先端に探針を備えてなり、探針と試料の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバーと、前記カンチレバーの前記探針に対して、載置された試料を相対的に走査するスキャナー部と、前記カンチレバーの前記変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測部と、前記カンチレバー変位計測部の検出信号に基づいて前記カンチレバーを自己励振するカンチレバー自己励振ループ部と、前記スキャナー部により相対的に走査される前記試料の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生部と、前記高周波磁場発生部に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源と、前記高周波信号源に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源と、前記変調信号源から供給された周期的な変調信号に基づいて前記高周波信号源が周期的に変調して発生した高周波信号により前記高周波磁場発生部が前記試料の全体に均一に発生した高周波磁場中で、前記カンチレバー自己励振ループ部が前記カンチレバーを自己励振した状態で、前記試料の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、前記磁気共鳴力の勾配に基づいた前記カンチレバー変位計測部の検出信号から前記カンチレバーの共振周波数を計測し、かつカンチレバーの共振周波数シフトを計測する周波数復調部と、前記カンチレバーの共振周波数のシフト量の直流成分Δνが一定となるように前記スキャナー部を制御して前記試料表面から前記探針先端までの距離Zを調整し、前記試料の原子間力像(AFM)を生成する原子間力像生成部と、前記周波数復調部での前記カンチレバーの共振周波数シフト量の交流成分δνに応じて磁気共鳴力像(MRFM)を生成する磁気共鳴力像生成部とを有する。
また、本発明に係る磁気共鳴力顕微鏡は、前記課題を解決するために、試料の磁気共鳴力像を撮影する磁気共鳴力顕微鏡において、先端に探針を備えてなり、探針と試料の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバーと、前記カンチレバーの前記探針に対して、載置された試料を相対的に走査するスキャナー部と、前記カンチレバーの前記変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測部と、前記カンチレバー変位計測部の検出信号に基づいて前記カンチレバーを励振するカンチレバー励振部と、前記スキャナー部により相対的に走査される前記試料の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生部と、前記高周波磁場発生部に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源と、前記高周波信号源に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源と、前記変調信号源から供給された周期的な変調信号に基づいて前記高周波信号源が周期的に変調して発生した高周波信号により前記高周波磁場発生部が前記試料の全体に均一に発生した高周波磁場中で、前記カンチレバー励振部が前記カンチレバーを励振した状態で、前記試料の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、前記磁気共鳴力の勾配に基づいた前記カンチレバー変位計測部の検出信号から前記カンチレバーの位相シフトを計測する位相検波器と、前記カンチレバーの位相シフトの直流成分Δφが一定となるように前記スキャナー部を制御して前記試料表面から前記探針先端までの距離Zを調整し、前記試料の原子間力像(AFM)を生成する原子間力像生成部と、前記周波数復調部での前記カンチレバーの位相変調強度δφに応じて磁気共鳴力像(MRFM)を生成する磁気共鳴力像生成部とを有することが好ましい。
また、本発明に係る磁気共鳴力顕微鏡は、先端に探針を備えてなり、探針と試料の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバーと、前記カンチレバーの前記探針に対して、載置された試料を相対的に走査するスキャナー部と、前記カンチレバーの前記変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測部と、前記カンチレバー変位計測部の検出信号に基づいて前記カンチレバーを励振するカンチレバー励振部と、前記スキャナー部により相対的に走査される前記試料の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生部と、前記高周波磁場発生部に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源と、前記高周波信号源に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源と、前記変調信号源から供給された周期的な変調信号に基づいて前記高周波信号源が周期的に変調して発生した高周波信号により前記高周波磁場発生部が前記試料の全体に均一に発生した高周波磁場中で、前記カンチレバー励振部が前記カンチレバーを励振した状態で、前記試料の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、前記磁気共鳴力の勾配に基づいた前記カンチレバー変位計測部の検出信号から前記カンチレバーの振動位相シフトを計測する位相検波器と、前記カンチレバーの位相シフトの直流成分Δφが一定となるように前記スキャナー部を制御して前記試料表面から前記探針先端までの距離Zを調整し、前記試料の原子間力像(AFM)を生成する原子間力像生成部と、前記周波数復調部での前記カンチレバーの位相変調強度δφに応じて磁気共鳴力像(MRFM)を生成する磁気共鳴力像生成部とを有することが好ましい。
特に、本発明では、被測定体の原子間力顕微鏡像と磁気共鳴力顕微鏡像を同視野で撮影するために、走査型プローブ顕微鏡用探針(カンチレバーの先端に付着された探針)を用いる。
また、原子間力顕微鏡用の機能と磁気共鳴力顕微鏡用の機能との両方を兼ね備えた走査型プローブ顕微鏡用探針を用いる。
そして、前記プローブから出力される信号が次の様な特徴を持つ走査型プローブ顕微鏡である。すなわち、(1)信号の周波数において時間変動しない成分が原子間力顕微鏡像の信号であり、時間変動する成分が磁気共鳴力顕微鏡の信号である、あるいは、(2)信号の位相において時間変動しない成分が原子間力顕微鏡像の信号であり、時間変動する成分が磁気共鳴力顕微鏡の信号である、あるいは(3)信号の位相において時間変動しない成分が原子間力顕微鏡の信号であり、時間変動する位相が磁気共鳴力顕微鏡の信号である。
本発明は、従来のMRFMを含むMRIであって、対象スピンが含まれる部位のみを撮影したMRI像を提供することができる。更に、MRI像だけではなく、対象スピンの有無に関わらず試料全体を同視野で撮影した像が加われば、MRI像の理解が一層深まることが期待できる。
すなわち、本発明においては、MRFMの信号とAFMの信号とが発生・検出可能なプローブ探針を備え、また、探針から得られる1つの信号に2種類の信号を分離可能な方式で含むという特徴によって、重畳画像が取得可能となり、MRFM像と、その像と同視野で撮影可能なAFM像との重畳画像を提供できる。
以下、本発明を実施するためのいくつかの最良の形態を説明する。いくつかの最良の形態は、被測定体(試料)の原子間力顕微鏡(AFM)像と磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)像を同視野で撮影する磁気共鳴力顕微鏡である。この磁気共鳴力顕微鏡によれば、MRI像だけではなく、対象スピンの有無に関わらず試料全体を同視野で撮影した像を得ることができるので、MRI像の理解を一層深めることができる。
本実施の形態では、2種類の信号の発生・検出方法を、三つの実施例に分けて3通り記述する。実施例1は、交流信号の周波数において時間変動しない成分(AFMの信号)と、時間変動する成分(MRFMの信号)を用いる。実施例2は交流信号の位相において時間変動しない成分(AFMの信号)と、時間変動する成分(MRFMの信号)を用いる。実施例3は、交流信号の周波数(AFMの信号)と、時間変動する位相(MRFMの信号)とを用いる。
まず、原子間力顕微鏡(AFM)画像と磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)画像との重畳画像を取得する実施例1について説明する。
測定されるAFM画像は、カンチレバーの共振周波数が一定となるように探針と検体表面との距離を制御しながら、探針が検体表面上を走査した軌跡である。この像取得方法は、AFMでは一般的な非接触式FM検出法に準ずるものである。FM検出法の原案は、T.R.Albrecht, P.Gruetter, D.Horne and D.Rugar “Frequency modulation detection using high-Q cantilevers for enhanced force microscope sensitivity” J. Appl. Phys. 69 (1991) 668-673で述べられている。カンチレバーの共振周波数のシフト量Δνは、式(1)で表されるように、カンチレバーに掛かる力勾配に比例する。ここでαは、カンチレバーの振動方向を表す。
Figure 2007232596
依って、この手法によって取得された画像は、探針と検体表面との間に発生する力勾配について、それが一定となる曲面を描いていることになる。
次に、測定されるMRFM像について概説する。磁気共鳴技術によって検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させる。その力勾配を周期的に変動させると、式(1)に従って、カンチレバーの共振周波数が変調(変調強度をδν)される。MRFM像は、スキャナーを走査して得られた変調強度の分布(磁気共鳴力分布)から、適切な画像処理を施すことによって取得される。
各点において観測されたカンチレバー共振周波数シフトは、その直流成分(Δν、時間に依存しない成分)がAFMに関する信号であり、その交流成分(δν、周期的に時間変化する成分)がMRFMに関する信号となる。以下に、各点において観測されたカンチレバー共振周波数シフトを計測することを目的とした装置(磁気共鳴力顕微鏡)の構成要素ならびに動作を述べる。
図3は装置の構成図である。この実施例1の磁気共鳴力顕微鏡は、試料の磁気共鳴力像を撮影する磁気共鳴力顕微鏡であり、先端に探針24を備えてなり、探針24と試料21の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバー23と、カンチレバー23の探針24に対して、載置された試料21を相対的に走査するスキャナー22と、カンチレバー23の前記変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測器29と、カンチレバー変位計測器29の検出信号に基づいてカンチレバー23を自己励振するカンチレバー自己励振ループ部と、スキャナー部22により相対的に走査される前記試料の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生装置31と、高周波磁場発生装置31に対して磁場中にある試料21が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源32と、高周波信号源32に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源33と、変調信号源33から供給された周期的な変調信号に基づいて高周波信号源32が周期的に変調して発生した高周波信号により高周波磁場発生装置31が試料21の全体に均一に発生した高周波磁場中で、カンチレバー自己励振ループ部が前記カンチレバー23を自己励振した状態で、試料21(検体)のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、前記磁気共鳴力の勾配に基づいた前記カンチレバー変位計測器29の検出信号から前記カンチレバーの共振周波数を計測し、かつカンチレバーの共振周波数シフトを計測する周波数復調器26と、カンチレバーの共振周波数のシフト量の直流成分Δνが一定となるようにスキャナー22を制御して試料21表面から探針24先端までの距離Z(後述)を調整し、試料21の原子間力像(AFM)を生成する原子間力像生成部であるスキャナー駆動電源25と、周波数復調器26での前記カンチレバーの共振周波数シフト量の交流成分δνに応じて磁気共鳴力像(MRFM)を生成する磁気共鳴力像生成部である位相検波器34とを備える。
なお、後の参照の便宜のため、スキャナー22において試料20を載置する載置面内をX,Y軸方向とし、この載置面に対して垂直にカンチレバー23の探針24方向をZ軸方向としたXYZ座標系を設定する。そして、探針24先端の載置面に対する接離方向の位置をこの載置面を原点としたZ座標で表すことにする。この場合、載置面と探針24先端の距離はZとなる。また、同様に探針24先端の載置面方向の位置を(X,Y)座標で表すことにする。
カンチレバー自己励振ループ部は、カンチレバー23と、カンチレバー23の変位を計測するカンチレバー変位計測器29と、カンチレバー変位計測器29の検出信号の位相を遅延させる移相器30と、移相器30によって遅延された変位検出信号の電圧を増幅率を可変として増幅する電圧制御可変増幅器28と、電圧制御可変増幅器28からの増幅信号に基づいてカンチレバーを加振するカンチレバー加振器27を含み、一連のループを構成する。
以下に各要素と構成を説明する。また変調用信号源については、図3に示す以外にも図4に示す方法も可能である。図4については、補足として説明する。
試料21としては、たとえば単一の遺伝子・蛋白質・生体分子に適用することができる。この試料21は、スキャナー22上に載置される。スキャナー22は試料台であり、かつ後述のカンチレバー23の先端に付着した探針24に対して、試料21を相対的に走査する3次元アクチュエータである。相対的に走査できれば、探針24を固定して試料21を走査することでも、試料21を固定して探針24を走査することでも構わない。スキャナー22は、制御電源であるスキャナー駆動電源25によって制御される。
スキャナー駆動電源25は、後述する周波数復調器26から復調信号を受け取り、この復調信号によってスキャナー12の駆動を制御する。
カンチレバー23は、先端に探針24を備えた力検出用てこである。探針24と試料21の局所部分との間に発生する相互作用を、変位距離として変換する。カンチレバー23はカンチレバー加振器27によって加振される。なお、カンチレバー23の変位方向は後述の図5および図6において、スキャナー22の試料21の載置面に対する法線方向(Z軸方向)である。
カンチレバー加振器27は、後述する電圧制御可変増幅器28によって増幅された交流電圧に基づいてカンチレバー23を加振するアクチュエータである。
探針24は、原子間力顕微鏡(AFM)と磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)との両方の信号が検出可能な力検出プローブ探針である。以下具体例を記述する。AFM用探針は、探針先端と検体表面の局所部分との間に相互作用を発生させ、そして相互作用を検出する役割を担う。分解能向上は、探針先端を鋭利にし、先端径を小さくすることによって実現される。MRFM用探針は、検体に不均一な磁場を発生させ、共鳴磁場領域にあるスピンとの間に磁気相互作用を起こし、そして、相互作用を検出する役割を担う。これらの目的の為、探針は強磁性体で作製される必要がある。また、分解能向上は、磁場勾配を大きくすることで実現され、強磁性磁石を小さくする必要がある。したがって、AFM用とMRFM用との特徴を合わせ持つ探針24は、先端径の小さい強磁性磁石である。本実施の形態では、強磁性磁石の磁化方向はスキャナー22の試料21の載置面に対する法線方向(Z軸方向)であるが、これに限らず例えばZ軸に垂直なXY面内にあってもよい。
図5と図6には、カンチレバー23の先端に設けた探針24の具体例を示す。探針24は、永久磁石からなる台24bと先端の鋭いチップ24aからなる。図5ではチップ24aを機能させてAFM画像を取得する様子が、図6には永久磁石を機能させてMRFM画像を取得する様子が描かれている。
また、電磁石や超伝導磁石などで探針の周囲に大きな磁場が発生している状況には、加工し易いとされる軟磁性探針、もしくは軟磁石の台と常磁性体から成る鋭利なチップを取り付けた探針でも構わない。
ここで、永久磁石は、保磁力が高く一旦強磁場で着磁すると、外部磁場を必要とせず半永久的に磁束を保持し続ける強磁性体であるとする。また軟磁石は、保磁力が弱く周囲に磁場が無ければ大きな磁束は発生じ得ないが、しかしながら、透磁率が高く、外部磁場によって容易に磁化される強磁性体であるとする。
図3の構成の説明に戻る。カンチレバー変位計測器29は、カンチレバー23の変位距離を検出し、電気信号へ変換する装置である。カンチレバー変位計測器29の変位検出信号は後述の周波数復調器26及び後述の移相器30に供給される。
高周波磁場発生装置31は、試料21全体に均一な高周波磁場を発生させる為の装置である。高周波磁場方向は、探針24が試料21に作る磁場方向に対して垂直になるように設定する。
移相器30は、入力信号の位相を遅延させることが可能な位相変換器である。入力信号はカンチレバー変位計測器29からの変位検出信号である。
電圧制御可変増幅器28は、外部信号(電圧)によって増幅率が可変可能な交流電圧増幅器である。移相器30によって位相遅延された前記変位検出信号を受け取り、この信号に基づいて交流電圧を増幅する。増幅した交流電圧をカンチレバー加振器27に供給する。
周波数復調器26は、入力された信号の周波数シフトを計測する装置である。必ずしも周波数の絶対値を測定する必要は無く、相対値を精度良く計測できれば十分である。入力信号は、カンチレバー変位計測器29からの変位検出信号である。
高周波信号源32は、磁場中にある試料21が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を発生させる装置である。発生させた高周波信号を高周波磁場発生装置31に供給している。更に外部信号によって振幅変調(AM)または周波数変調(FM)が施されることを条件とする。後述の変調信号源33からAMまたはFM変調信号が供給される。
変調信号源33は、磁気共鳴を変調させる為の信号源である。磁気共鳴力に周期的に変動を与えることは、磁気共鳴条件ω=γB0(γは磁気共鳴比)において、例えば高周波角周波数ωや磁場Bもしくは高周波磁場強度B1に変調を掛けることに依って実行される。図3には、ωのFMやB1のAMを与える為の変調信号源33を、一例として描いている。
なお、変調信号源33は、しばしば、ωのFMだけ、もしくはB1のAMだけでは、磁気共鳴力に無関係な力の変動をカンチレバーへ与え、大きな寄生ノイズとなって出現するトラブルが見られている。“Anharmonic modulation for noise reduction in magnetic resonance force microscopy”, K.J.Bruland, J.Krzystek, J.L.Garbini and J.A.Sidles Rev.Sci.Instrum.66(1995)2853-2856、では、このトラブルが取り上げられ、そしてその対処法が述べられている。このトラブルが発生する場合には、たとえば磁場Bの磁場変調(HM)と高周波磁場強度B1のAMとの2つの変調から成る非調和変調を掛ける必要がある。
図4(b)は、磁場変調(HM)と高周波変調の2つの変調方式から成る非調和変調の構成図の一例である。変調信号源33と変調信号源37が、周波数混合器36に接続されている。周波数混合器36の出力は高周波通過フィルタ35に供給される。高周波通過フィルタ35は周波数混合器36の出力の中で高周波成分を通過させて高周波信号源32に供給する。高周波信号源32は、発生させた高周波信号を高周波磁場発生装置31に供給している。変調信号源37は、変調信号を磁場発生器38にも供給する。磁場発生器33は、磁場変調(HM)を行う。
図4(a)は、図4(b)に対して図3に示したように、一つの変調方式で構成した際の構成図である。変調信号源33から変調信号が高周波信号源32に供給され、高周波信号源32が高周波発生装置31に磁場中にある試料21が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を発生させる。
位相検波器34は、入力交流信号:Asin(2πνt+φ)、と参照交流信号:Arefsin(2πνt+φref)の2つ信号の入力に対して、90度出力:Asin(φ-φref)と0度出力:Acos(φ-φref)の2つの出力直流電圧が出力可能な変換器である。また、適切な低周波通過フィルタなどによって、周波数2νなどの高調波成分出力はカットされているものとする。この位相検波器34の検波出力に基づいてMRFM像N(X,Y,Z)が生成される。
次に、図3に構成を示した磁気共鳴力顕微鏡の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS1にてカンチレバー23が自由な状態(探針24と、スキャナー22や試料21との距離が十分に離れた状態)になるようにスキャナー22を移動しておく。
ステップS2にて、カンチレバー自己励振ループを稼動させる。詳細には、ステップS2-1で移相器30の位相量は、カンチレバー変位計測器29で検出されたカンチレバー23の振動信号が最も大きくなるように調整する。移送器の理論値は90°である。
ステップS2-2で、カンチレバー23の自己励振振幅は、カンチレバー変位計測器29から検出される信号を参考にして、電圧制御可変増幅器28のゲインで調整する。周波数の測定精度は振幅が大きいほど高くなるが、振幅が大きいとAFMやMRFM像の分解能が低下するので、目的の分解能に合わせて適量に調整する必要がある。
次に、ステップS3にて、カンチレバー23が自由な状態でのカンチレバーの共振周波数を測定する。具体的には、ステップS2で安定して発振した交流信号の周波数を、周波数復調器26で計測する。
ステップS4にて、適当なカンチレバー共振周波数シフト量Δνを決定する。そして、ステップS5にて、周波数復調器26でモニターする周波数シフト量が前記Δνに一致するように、周波数復調器26からスキャナー駆動電源25へフィードバックを稼動させ、試料表面から探針先端までの距離Zを調整する。
次に、図8に示すように、ステップS6にてスキャナー22をある(X,Y)の位置へ走査する。このときのZをZ0(X,Y)として記録する。
ステップS7にて周波数復調器26からスキャナー駆動電源25へのフィードバックを停止し、図9に示すように、(X,Y)を一定にした状態で、Zを走査して、点(X,Y,Z)での位相検波器34の出力信号δν(X,Y,Z)を記録する。
ステップS8では、出力信号δν(X,Y,Z)が終了か否かを判定する。終了を判定するまで、上記ステップS5からステップS7への工程を繰り返して、δν(X,Y,Z)の三次元データを取得する。同時にΔνについても記録しておくと、力勾配の分布を得ることができる。
図10は、取得されたδνの模様を示す模式図である。パラボラ型の模様40は、探針24が作る磁場の等磁場曲面がパラボラ型に類似することに起因する。またZ方向に広がった幅Wは、検体21の大きさと磁気共鳴線幅に起因する。
ステップS9では、AFM像を、図8に示したようにZ=Z0(X,Y)で表される曲面として与えられる。
そして、ステップS10にて、δν(X,Y,Z)から、式(2)に従ってMRFM像N(X,Y,Z)へ変換する。
Figure 2007232596
δν(X,Y,Z)からN(x,y,z)への変換は、装置関数をPとした3次元デコンボリューション変換である。装置関数は、実験的にステップS10-1-1で、もしくは計算上ステップS10-1-2の作業で決定される。また3次元デコンボリューション変換についてはステップ10−2に記述する。
ステップS10-1-1では、装置関数を求める。質点試料(N(x,y,z)=δ(x,y,z)、δはデルタ関数)において、δν(x,y,z)が実験的に計測されている時、P(X,Y,Z)=F(X,Y,Z)として与えられる。
ステップS10-1-2でも装置関数を求めることが可能である。探針24が発生する磁場分布
Figure 2007232596
が既知であるとき、以下の式で与えられる。
Figure 2007232596
ここで、xはスピン磁化率であり、前記磁場分布
Figure 2007232596
、高周波磁場強度B1、高周波角周波数ω、緩和時間T1、T2の関数として表わされる。
ステップS10−2では、3次元デコンボリューション変換を行う。3次元デコンボリューション変換の具体的な手順については、フーリエ変換法や実空間繰り返し法など広く知られるところであり、例えば、以下の文献に詳しく記載されている。
・“Magnetic resonance detection and imaging using force microscope techniques” O.Zueger and D.Rugar J.Appl.Phys. 75 (1994) 6211-6216
・“Numerical Recipes in C book On-Line”, W.H.Press, S.A. Teukolsky, W.T.Vetterlinlng and B.P.Flannery Cambridge University Press 1988,P538-545
・“Image Processing and Data Analysis”,J.-L・Starck and F.Murtagh and A.Bijaoui, Cambridge University Press1988
ただし、図11に示すように、δν(X,Y,Z)が得られた空間配列の並びが不規則である場合、一般的なデコンボリューション変換法を適用し難いことが考えられる。この場合は、適宜必要な範囲を選択して、処理する必要がある。
次に、原子間力顕微鏡(AFM)画像と磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)画像との重畳画像を取得する実施例2について説明する。
測定されるAFM像は、カンチレバーの共振周波数が一定となるように探針と検体表面との距離を制御しながら、探針が検体表面上を走査した軌跡である。この像取得方法は、AFMでは一般的な非接触式FM検出法に準ずるものである。カンチレバーの共振周波数のシフト量Δνは、式(1)で表されるように、カンチレバーに掛かる力勾配に比例する。依って、この手法によって取得された画像は、探針と検体表面との間に発生する力勾配について、それが一定となる曲面を描いていることになる。
測定されるMRFM像について概説する。磁気共鳴技術によって検体のスピンを制御して磁気共鳴力が発生される。その力勾配を周期的に変動させると、式(1)に従って、カンチレバーの共振周波数が変調(変調強度をδν)される。MRFM像は、スキャナーを走査して得られた変調強度の分布(磁気共鳴力分布)から、適切な画像処理を施すことによって取得される。
各点において観測された周波数シフトは、その直流成分(Δν、時間に依存しない成分)がAFMに関する信号であり、その交流成分(δν、周期的に時間変化する成分)がMRFMに関する信号となる。カンチレバー共振周波数シフトを計測するために、実施例1ではカンチレバー自己励振ループと周波数復調器26を用いたFM検出法を用いたが、本実施例2では、カンチレバーの力学的振る舞いを考慮した位相比較法による周波数シフト精密計測法を用いる。実施例1で計測される周波数シフト量Δνや変調強度δνに対して、実施例2では位相シフト量Δφや位相変調強度δφが計測対象となる。例えばδνとδφとの関係は、式(4)で与えられる。
Figure 2007232596
以下に、各点において観測されたカンチレバ−共振周波数シフトを計測することを目的とした装置(実施例2)の構成要素ならびに動作を述べる。ただし、実施例2の構成要素は、実施例1と重複するものが多く、異なる要素のみを記述することにする。
図12は、実施例2(磁気共鳴力顕微鏡)の構成図である。この磁気共鳴力顕微鏡は、先端に探針24を備えてなり、探針24と試料21の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバー23と、カンチレバー23の探針24に対して、載置された試料21を相対的に走査するスキャナー22と、カンチレバー23の変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測器29と、カンチレバー変位計測器29の検出信号に基づいてカンチレバー23を励振するカンチレバー励振部と、スキャナー22により相対的に走査される試料21の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生装置31と、高周波磁場発生装置31に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源32と、高周波信号源32に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源33と、変調信号源33から供給された周期的な変調信号に基づいて前記高周波信号源32が周期的に変調して発生した高周波信号により高周波磁場発生装置31が試料21の全体に均一に発生した高周波磁場中で、カンチレバー励振部がカンチレバー23を励振した状態で、試料21の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、磁気共鳴力に基づいた前記カンチレバー変位計測器29の検出信号からカンチレバーの位相シフトを計測する位相検波器41と、カンチレバーの位相シフトの直流成分Δφが一定となるようにスキャナー22を制御して前記試料21表面から探針24先端までの距離Zを調整し、前記試料の原子間力像(AFM)を生成する原子間力像生成部(スキャナー駆動電源25)と、前記カンチレバー23の位相変調強度δφに応じて磁気共鳴力像(MRFM)を生成する磁気共鳴力像生成部(位相検波器46)とを備える。
カンチレバー励振部は、発振器42と、移相器30と、位相検波器41と、低周波通過フィルタ44と、電圧制御可変増幅器43と、カンチレバー加振器27とを備える。
図3に示した実施例1と異なるのは、カンチレバー変位計測器29の変位計測信号に対して第1の位相検波器41で位相を検波し、90度出力:Asin(φ-φref)を低周波通過フィルタ45を介してスキャナー駆動電源25にフィードバックし、また同じく90度出力:Asin(φ-φref)を第2の位相検波器46に供給している点である。さらに、第1の位相検波器41は、カンチレバー変位計測器29の変位計測信号の位相を検波し、0度出力:Acos(φ-φref)を低周波通過フィルタ44を介して後述する電圧制御可変増幅器43に供給している。
低周波通過フィルタ44及び45は、高周波成分をカットし、直流成分もしくは低周波成分を通過させる装置である。低周波通過フィルタ44は、位相検波器41の前記0度出力の高周波成分:Acos(4πνt+φ+φref)をカットし、直流成分もしくは低周波成分を通過させて電圧制御可変増幅器43に供給する。低周波通過フィルタ45は、位相検波器41の前記90度出力の高周波成分:Asin(4πνt+φ+φref)をカットし、直流成分もしくは低周波成分を通過させてスキャナー駆動電源25に供給する。
電圧制御可変増幅器43は、低周波通過フィルタ44により高周波成分がカットされた前記直流成分もしくは低周波成分と後述する発振器42によって発振された交流信号に基づいて交流電圧を可変増幅し、カンチレバー加振器27に供給する。
発振器42は、出力信号の周波数と振幅が半固定で調整できる交流信号発振器である。本発振器42は、例えば、高精度な基準発振器、分周器もしくは逓倍器、位相検波器などから構成されるPLL方式任意周波数発生回路を例として挙げ、周波数を一旦調整した後、極めて安定に発振周波数を維持する機能を必要条件とする。本発振器42は、一般の電圧制御発振器のようにその発振周波数が外部信号に依って高速に可変できる機能を求めない。
発振器42は、発振した交流信号を前述したように、電圧制御可変増幅器43に供給すると共に移相器30にも供給する。
移相器30は、入力信号の位相を遅延させることが可能な位相変換器であり、発振器42から供給された交流信号の位相を遅延して、第1の位相検波器41に供給する。このため、第1の位相検波器41は、前記発振器42からの交流信号に基づいてカンチレバー変位計測器29からの変位計測信号の位相を検波する。
第2の位相検波器46は、変調信号源33からの変調信号と第1の位相検波器41からの検波出力に基づいて位相変調強度δφを算出する。そして、この位相変調強度δφからMRFM画像が変換される。
次に、図12に構成を示した磁気共鳴力顕微鏡の動作を図13のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS11にてカンチレバー23が自由な状態(探針24と、スキャナー22や試料21との距離が十分に離れた状態)になるようにスキャナー22を移動しておく。
ステップS12にて、予め移相器30における移相量を調整しておく。この移相器30の調整方法について、ステップS12-1として説明する。なんらかの理由で、ステップS12-1-1が実施できない場合には、ステップS12-1-1’で述べる方法でも近似的に調整可能である。
ステップS12-1-1により、カンチレバー23の共振周波数を計測する。測定方法として、例えば、カンチレバー23のノイズスペクトル測定、またカンチレバー23のリングダウン測定が知られる。これらの具体的な実施方法は、解説書“Scanning Probe Microscopy The Lab on a Tip”, Ernst Meyer,Hans Josef Hug, Raland Bennewitz Springer(2004)のp81-83に記載されている。発振器42の周波数をカンチレバー23の共振周波数に一致させる。このとき、位相検波器41の90度出力がゼロとなるように移相器30の移相量を調整する。
ステップS12-1-1’での調整方法は、以下のとおりに、近似的にφref=π/2と設定する。そして位相検波器41の90度出力がゼロとなるように、発振器42の発振周波数:νを調整する。このときのνは、無負荷の状態におけるカンチレバー23の共振周波数に等しい。この方法は、発振器42から、電圧制御可変増幅器43やカンチレバー変位計測器29を経て、位相検波器41へ到達するまでの物理的な経路の長さが、交流信号の波長に比べて十分に短い場合に正しい。
ステップS12-2ではカンチレバー23の自己励振振幅を調整する。このカンチレバー23の自己励振振幅は、カンチレバー変位計測器29から検出される信号を参考にして、電圧制御可変増幅器43のゲインで調整する。周波数の測定精度は振幅が大きい程、高くなるが、振幅が大きいとAFMやMRFM像の分解能が低下するので、目的の分解能に合わせて適量に調整する必要がある。
次に、ステップS13では、カンチレバーの周波数シフト分布を測定する。探針24と試料21を接近させ、位相シフトΔφが一定となるようにZを調整し、決定されたZの分布を測定することによってAFM像を観測する。スキャナー22およびスキャナー駆動電源25によって、試料21が、カンチレバー23の探針24に対して走査される。各位置でのZの調整方法をステップS13-1〜S13-2として以下に記述する。
ステップS13-1では、位相検波器41の90度出力がゼロとなるように、90度出力をスキャナー駆動電源25へフィードバックしてZを調整する。
ステップS13-2では、上記ステップS13-1と同時に、位相検波器41の0度出力が一定値となるように、0度出力を電圧制御可変増幅器43へフィードバックして電圧制御可変増幅器43の増幅率を調整する。
ステップS14では、スキャナー22をある(X,Y)の位置へ走査する。このときのZをZ(X,Y)として記録する。
ステップS15では、位相検波器41からスキャナー駆動電源25へのフィードバックを停止する。そして、(X,Y)を一定にした状態で、Zを走査して、点(X,Y,Z)での位相変調強度δφを記録する。ただし、Zを走査する際にΔφが0から大きくずれるときには、Δφがゼロになるように、式(4)を参考にして発振器42の周波数を変更する必要がある。
次に、ステップS16にて、δφが終了か否かを判定する。終了を判定するまで、前記ステップS13からステップS15までの工程を繰り返して、MRFM信号の3Dデーターを取得する。同時にΔφ(Y,Y,Z)を記録しておくと力勾配の分布が観測できる。
ステップS17により、AFM像は、Z=Z(X,Y)で表される曲面(図8)として与えられる。
そして、ステップS18では、δφからδνへの変換を行い、さらにδνからMRFM画像を算出する。このステップS18の処理は、実施例1で参照した図7のステップS10の処理と同様である。但し、δφからδνへの変換は、式(4)を用いる。
次に、原子間力顕微鏡(AFM)画像と磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)画像との重畳画像を取得する実施例3について説明する。
測定されるAFM像は、カンチレバーの共振周波数が一定となるように探針と検体表面との距離を制御しながら、探針が検体表面上を走査した軌跡である。この像取得方法は、AFMでは一般的な非接触式FM検出法に準ずるものである。カンチレバーの共振周波数のシフト量Δνは、式(1)で表されるように、カンチレバーに掛かる力勾配に比例する。依って、この手法によって取得された画像は、探針と検体表面との間に発生する力勾配について、それが一定となる曲面を描いていることになる。
測定されるMRFM像について概説する。磁気共鳴技術によって検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生される。その力をカンチレバーの共振周波数で周期的に変動させると、カンチレバーの振動位相がシフト(δφ)する。MRFM像は、スキャナーを走査して得られたδφの分布(磁気共鳴力分布)から、適切な画像処理を施すことによって取得される。
各点において観測された周波数シフト(Δν、時間に依存しない成分)がAFMに関する信号であり、信号の位相変調強度(δφ、周期的に時間変化する成分)がMRFMに関する信号となる。以下に、各点において観測されたカンチレバー振動の信号波形を計測することを目的とした装置の構成要素ならびに動作を述べる。ただし、実施例3の構成要素は、実施例2と重複するものが多く、異なる要素のみを記述することにする。
図14は、実施例3(磁気共鳴力顕微鏡)の構成図である。この磁気共鳴力顕微鏡は、先端に探針24を備えてなり、探針24と試料21の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバー23と、カンチレバー23の探針24に対して、載置された試料21を相対的に走査するスキャナー22と、カンチレバー23の変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測器29と、カンチレバー変位計測器29の検出信号に基づいて前記カンチレバー23を励振するカンチレバー励振部と、スキャナー22により相対的に走査される試料21の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生装置31と、高周波磁場発生装置31に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源32と、高周波信号源32に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源33と、変調信号源33から供給された周期的な変調信号に基づいて高周波信号源32が周期的に変調して発生した高周波信号により高周波磁場発生装置31が試料21の全体に均一に発生した高周波磁場中で、カンチレバー励振部がカンチレバー23を励振した状態で、試料21の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、磁気共鳴力に基づいたカンチレバー変位計測器29の検出信号からカンチレバー23の振動位相シフトを計測する位相検波器41と、カンチレバー23の位相シフトの直流成分Δφが一定となるようにスキャナー22を制御して試料21表面から探針24先端までの距離Zを調整し、試料21の原子間力像(AFM)を生成する原子間力像生成部(スキャナー駆動電源25)と、カンチレバー23の位相変調強度δφに応じて磁気共鳴力像(MRFM)を生成する磁気共鳴力像生成部(位相検波器46)とを備える。
カンチレバー励振部は、発振器42と、移相器30と、位相検波器41と低周波通過フィルタ44と、電圧制御可変増幅器43とを備えている。
また、発振器42からの信号は、移相器48により遅延され、変調信号源47に供給される経路へも送信される。
移相器48は、入力信号である交流電圧の移相を遅延させることが可能な位相変換器である。移相量は、時間に対して変動することなく安定して設定できることが条件となる。発振器42にて外部信号に応じて周波数が調整された交流信号の位相を移相器48が遅延して、他の変調信号源47に供給する。
変調信号源33は、磁気共鳴を変調させる為の信号源である。磁気共鳴力に周期的に変動を与えることは、磁気共鳴条件ω=γB0(γは磁気共鳴比)において、例えば高周波角周波数ωや磁場B0もしくは高周波磁場強度B1に変調を掛けることによって実行される。図14には、ωのFMやB1のAMを与える為の変調源を、一例として示している。
他の変調信号源47も、磁気共鳴を変調させる為の信号源である。変調信号源33と異なる別の変調源である。磁気共鳴力に周期的に変動を与えることは、磁気共鳴条件ω=γB0(γは磁気共鳴比)において、例えば高周波角周波数ωや磁場B0もしくは高周波磁場強度B1に変調を掛けることによって実行される。図14には、探針24が発生する磁場に変調を与える為の変調磁場装置を、一例として示している。
これら二つの変調信号源に依って、磁気共鳴力Fs cosωtが発生可能であって、かつその振幅Fsが周期的に時間変化可能である状況が実現できる。図14には、磁気共鳴力Fs cosωtが変調信号源47で与えられ、Fsの周期的な時間変化が変調信号源33に依って与えられる例が示されている。別の例として、磁気共鳴力Fs cosωtが変調信号源33で与えられ、Fsの周期的な時間変化が変調信号源47に依って与えられる例でも構わない。あるいは別の例として、変調信号源33に強度変調機能が与えられている場合には、磁気共鳴力Fs cosωtが変調信号源33で与えられ、Fsの周期的な時間変化が変調信号源33の強度変調機能に依って与えられる例でも構わない。この例では、変調信号源47は不要である。あるいは別の例として、変調信号源47に強度変調機能が与えられている場合には、磁気共鳴力Fs cosωtが変調信号源47で与えられ、Fsの周期的な時間変化が変調信号源47の強度変調機能に依って与えられる例でも構わない。この例では、変調信号源33は不要である。
図12に示した実施例と大きく異なるのは、強度変調を担った磁気共鳴力(:Fs cosωt、ここでFsは周期的に変動)を発生させる為の変調信号源が備わっていることである。また強度変調の変動位相を調整する為の移相器が備わっていることも特徴的である。図12に示した実施例では、定常的な磁気共鳴力の勾配(:dF/dαcosωt、ここでdF/dαは一定)を発生させる為の変調信号源が備わっていれば十分であった。
この実施例3の磁気共鳴力顕微鏡は、動作原理が実施例1、実施例2とは異なる。まず、動作原理について説明する。カンチレバー加振器27がカンチレバー23に与える強制力をFs cosωtとして、カンチレバー23が励振している状況を考える。
更に、同周波数で位相が90度異なる強制力Fs cosωtとして磁気共鳴力を発生する。ここでFsは、周期的に時間変化可能であるとする。
カンチレバー23は、式(5)の運動方程式で記述される。
Figure 2007232596
ここで、ν0はカンチレバーの共振周波数であり、次の(6)式となる。
Figure 2007232596
また、(5)式にて、Qはカンチレバーの共振Q値、mはカンチレバーの有効質量、kはカンチレバーに負荷が掛かっていない状態でのバネ定数である。式(5)の運動方程式を時間について解くことによって、式(7)の解を得る。式(7)の解に含まれるzとφは、それぞれ式(8)と式(9)で記述される。
Figure 2007232596
Figure 2007232596
Figure 2007232596
式(7)の解で得られた信号z(t)を、参照信号cos(2πνt)で位相検波(位相検波器41)すると、0°出力zcosφと90°出力zsinφとが得られる。ここで、90°出力の時間平均が常にゼロとなるように調整する。時間平均は、変調信号源33の発振周波数の逆数より十分大きな時間間隔で行う。調整は、発振器42の発振周波数νを調整することで実施される。または、式(1)に応じて、スキャナー22を操作しカンチレバーに掛かる力を調整することでも実施可能である。このとき、発振器42の周波数νはνに等しい。そこで0°出力はzに等しい。振幅zは式(10)で与えられる。
Figure 2007232596
また、位相器42の位相とカンチレバー23の振幅位相との差φは、式(11)で与えられる。
Figure 2007232596
式(7)で表される信号z(t)の、以下の式(12)で表される周波数νにAFMの信号が、式(11)で表される位相差φにMRFM信号(F)が含まれている。更に、前述したようにFは変調信号源33で周期的に時間変化することが可能であることを考慮すると、位相検波器41の90°出力において、その直流成分がAFMの出力であり、その交流成分がMRFMの信号である、と換言される。
Figure 2007232596
次に、前記動作原理に基づき、図14の構成要素を用いて、実際に重畳画像を得る為の動作を説明する。図15は、重畳画像を得るための処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS21にて、カンチレバーが自由な状態(探針24と、スキャナー22や試料21との距離が十分に離れており、探針24と試料21との間に働く一切の相互作用が無い(原子間力や磁気共鳴力が働いていない状態))になるようにスキャナー22を移動しておく。
ステップS22にて、予め移相器30における移相量と、電圧制御可変増幅器43のゲインを調整しておく。位相器30の移相量の調整方法について、ステップS22-1に説明する。なんらかの理由でステップS22-1-1が実施できない場合に、ステップS22-1-1’で述べる方法でも近似的に調整可能である。
ステップS22-1-1では、カンチレバーの共振周波数を計測する。測定方法として、例えば、カンチレバーのノイズスペクト測定、またカンチレバーのリングダウン測定が知られる。これらの具体的な実施方法は、解説書“Scanning Probe Microscopy The Lab on a Tip”, Ernst Meyer,Hans Josef Hug, Raland Bennewitz Springer(2004)のp81-83に記載されている。発振器42の周波数をカンチレバー23の共振周波数に一致させる。このとき、位相検波器41の90度出力がゼロとなるように移相器30の移相量を調整する。
ステップS22-1-1’での調整方法は、以下のとおりに、近似的にφref=π/2と設定する。そして位相検波器41の90度出力がゼロとなるように、発振器42の発振周波数:νを調整する。このときのνは、無負荷の状態におけるカンチレバー23の共振周波数に等しい。この方法は、発振器42から、電圧制御可変増幅器43やカンチレバー変位計測器29を経て、位相検波器41へ到達するまでの物理的な経路の長さが、交流信号の波長に比べて十分に短い場合に正しい。
ステップS22-2では、移相器48を調整し、変調の振動位相がカンチレバーの励振位相に対して90°ずれるようにしておく。移相量の最適値は、理論的には90°である。しかしながら、変調信号が大電力のアンプなどを経る場合には、位相の遅れが発生する可能性があるので適宜補正する必要がある。
ステップS22-3ではカンチレバーの励振振幅の調整について説明する。このカンチレバーの自己励振振幅は、カンチレバーの変位計測器29から検出される信号を参考にして、電圧制御可変増幅器43のゲインで調整する。周波数の測定精度は振幅に反比例するが、振幅が大きいとAFMやMRFM像の分解能が低下するので、目的の分解能に合わせて適量に調整する必要がある。
次に、ステップS23では、カンチレバーの位相シフト分布を測定する。探針24と試料21を接近させ、位相シフトΔφが一定となるようにZを調整し、決定されたZの分布を測定することによってAFM像を観測する。スキャナー22およびスキャナー駆動電源25によって、試料21が、カンチレバー23の探針24に対して走査される。各位置でのZの調整方法を以下に記述する。
ステップS23-1では、位相検波器41の90度出力がゼロとなるように、90度出力をスキャナー駆動電源25へフィードバックしてZを調整する。
ステップS23-2では、上記ステップS23-1と同時に、位相検波器41の0度出力が一定値となるように、0度出力を電圧制御可変増幅器43へフィードバックして電圧制御可変増幅器43の増幅率を調整する。
ステップS24では、スキャナー22をある(X,Y)の位置へ走査する。このときのZをZ(X,Y)として記録する。
ステップS25では、位相検波器41からスキャナー駆動電源25へのフィードバックを停止する。そして、(X,Y)を一定にした状態で、Zを走査して、点(X,Y,Z)での位相変調強度δφを記録する。ただし、Zを走査する際にΔφが0から大きくずれるときには、Δφがゼロとなるように式(4)を参考にして発振器42の周波数を変更する必要がある。
次に、ステップS26にて、δφが終了か否かを判定する。終了を判定するまで、前記ステップS23からステップS25までの工程を繰り返して、MRFM信号の3Dデーターを取得する。同時にΔφ(X,Y,Z)を記録しておくと力勾配の分布が観測できる。
ステップS27により、AFM像は、Z=Z(X,Y)で表される曲面(図5)として与えられる。
そして、ステップS28では、磁気共鳴データFs(X,Y,Z)から、式(13)に従ってMRFM像N(X,Y,Z)へ変換する。
Figure 2007232596
FsからNへの変換は、装置関数をPとした3次元デコンボリューション変換である。装置関数Pは、実験的にステップS28-1-1で、もしくは計算上ステップS28-1-1’の作業で決定される。また3次元デコンボリューション変換についてはステップS28-2に記述する。
ステップS28-1-1では、質点試料(N(x,y,z)=δ(x,y,z))において、Fs(x,y,z)が実験的に計測されている時、P(X,Y,Z)=Fs(X,Y,Z)として与えられる。
S28-1-1’により、探針24が発生する磁場分布
Figure 2007232596
が既知であるとき、以下の式の計算で装置関数が与えられる。
Figure 2007232596
ここで、χはスピン磁化率であり、前記磁場分布
Figure 2007232596
、高周波磁場強度B1、高周波角周波数ω、緩和時間T1、T2の関数として表さわされる。
ステップS28-2では、3次元デコンボリューション変換により、MRFM像が実施例1のステップS10と同様にして算出できる。但し、δφからδνへの変換は、式(4)を用いる。
要するに、第1実施例では、検出信号の周波数シフトにおいて、時間変動しない成分から原子間力顕微鏡像を作成し、時間変動する成分から磁気共鳴力顕微鏡像を作成する。
第2実施例では、検出信号の位相シフトにおいて、時間変動しない成分から原子間力顕微鏡像を作成し、時間変動する成分から磁気共鳴力顕微鏡像を作成する。
前記各実施例においては、検出信号の周波数シフト又は位相シフトにおいて、時間変動しない成分と時間変動する成分とから、それぞれ原子間力顕微鏡像と磁気共鳴力顕微鏡像を作成するとしたが、情報ソースは、必ずしも時間変動する成分と時間変動しない成分である必要はなく、一つのフーリエ成分から原子間力顕微鏡像を作成し、他のフーリエ成分から磁気共鳴力顕微鏡像を作成することもできる。
第3実施例では、検出信号の位相シフトにおいて時間変動しない成分から原子間力顕微鏡像を作成し、検出信号の位相シフトにおいて時間変動する成分から磁気共鳴力顕微鏡像を作成する。
また、第3実施例においては、検出信号の位相シフトにおいてある一つのフーリエ成分から原子間力顕微鏡像を作成し、検出信号の位相シフトにおいて別のフーリエ成分から磁気共鳴力顕微鏡像を作成することもできる。
なお、上述の実施の形態は本発明を例示するものであって、本発明がこれらの実施の形態に限定されないことはいうまでもない。
MRFM装置の簡略構成図である。 従来技術の課題を説明するための図である。 実施例1の磁気共鳴力顕微鏡の構成図である。 磁場変調(HM)と高周波変調の2つの変調方式へ変更した際の構成図の一例である。 カンチレバー先端に付着した探針の具体例を示す図であり、AFM画像を取得する様子を示す図である。 カンチレバー先端に付着した探針の具体例を示す図であり、MRFM画像を取得する様子を示す図である。 実施例1の磁気共鳴力顕微鏡の動作を説明するためのフローチャートである。 スキャナーをある(X,Y)の位置へ走査する様子を示す図である。 (X,Y)を一定にした状態で、Zを走査して、点(X,Y,Z)での位相検波器の出力信号δν(X,Y,Z)を記録する様子を示す図である。 取得されたδνの模様を示す模式図であり、MRFM磁気共鳴力分布を示す図である。 δν(X,Y,Z)が得られた空間配列の並びが不規則であることを示す図である。 実施例2の磁気共鳴力顕微鏡の構成図である。 実施例2の磁気共鳴力顕微鏡の動作を説明するためのフローチャートである。 実施例3の磁気共鳴力顕微鏡の構成図である。 実施例3の磁気共鳴力顕微鏡の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
21 試料
22 スキャナー
23 カンチレバー
24 探針
25 スキャナー駆動電源
26 周波数復調器
27 カンチレバー加振器
28 電圧制御可変増幅器
29 カンチレバー変位計測器
30 移相器
31 高周波発生装置
32 高周波信号源
33 変調信号源
34 位相検波器

Claims (6)

  1. 試料の磁気共鳴力像を撮影する磁気共鳴力顕微鏡において、
    先端に探針を備えてなり、探針と試料の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの前記探針に対して、載置された試料を相対的に走査するスキャナー部と、
    前記カンチレバーの前記変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測部と、
    前記カンチレバー変位計測部の検出信号に基づいて前記カンチレバーを自己励振するカンチレバー自己励振ループ部と、
    前記スキャナー部により相対的に走査される前記試料の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生部と、
    前記高周波磁場発生部に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源と、
    前記高周波信号源に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源と、
    前記変調信号源から供給された周期的な変調信号に基づいて前記高周波信号源が周期的に変調して発生した高周波信号により前記高周波磁場発生部が前記試料の全体に均一に発生した高周波磁場中で、前記カンチレバー自己励振ループ部が前記カンチレバーを自己励振した状態で、前記試料の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、前記磁気共鳴力の勾配に基づいた前記カンチレバー変位計測部の検出信号から前記カンチレバーの共振周波数を計測し、かつカンチレバーの共振周波数シフトを計測する周波数復調部と、
    前記カンチレバーの共振周波数のシフト量の直流成分が一定となるように前記スキャナー部を制御して前記試料表面から前記探針先端までの距離を調整し、前記試料の原子間力像を生成する原子間力像生成部と、
    前記周波数復調部での前記カンチレバーの共振周波数シフト量の交流成分に応じて磁気共鳴力像を生成する磁気共鳴力像生成部とを含むことを特徴とする磁気共鳴力顕微鏡。
  2. 前記カンチレバーは磁場を発生するための永久磁石の台と、その台の上に取り付けたチップとで前記探針を構成することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴力顕微鏡。
  3. 試料の磁気共鳴力像を撮影する磁気共鳴力顕微鏡において、
    先端に探針を備えてなり、探針と試料の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの前記探針に対して、載置された試料を相対的に走査するスキャナー部と、
    前記カンチレバーの前記変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測部と、
    前記カンチレバー変位計測部の検出信号に基づいて前記カンチレバーを励振するカンチレバー励振部と、
    前記スキャナー部により相対的に走査される前記試料の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生部と、
    前記高周波磁場発生部に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源と、
    前記高周波信号源に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源と、
    前記変調信号源から供給された周期的な変調信号に基づいて前記高周波信号源が周期的に変調して発生した高周波信号により前記高周波磁場発生部が前記試料の全体に均一に発生した高周波磁場中で、前記カンチレバー励振部が前記カンチレバーを励振した状態で、前記試料の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、前記磁気共鳴力の勾配に基づいた前記カンチレバー変位計測部の検出信号から前記カンチレバーの位相シフトを計測する位相検波器と、
    前記カンチレバーの位相シフトの直流成分が一定となるように前記スキャナー部を制御して前記試料表面から前記探針先端までの距離を調整し、前記試料の原子間力像を生成する原子間力像生成部と、
    前記カンチレバーの位相変調強度に応じて磁気共鳴力像を生成する磁気共鳴力像生成部とを含むことを特徴とする磁気共鳴力顕微鏡。
  4. 前記カンチレバーは磁場を発生するための永久磁石の台と、その台の上に取り付けたチップとで前記探針を構成することを特徴とする請求項3記載の磁気共鳴力顕微鏡。
  5. 試料の磁気共鳴力像を撮影する磁気共鳴力顕微鏡において、
    先端に探針を備えてなり、探針と試料の局所部分との間に発生する相互作用に基づいた変位距離を検出するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの前記探針に対して、載置された試料を相対的に走査するスキャナー部と、
    前記カンチレバーの前記変位距離を電気信号に変換するカンチレバー変位計測部と、
    前記カンチレバー変位計測部の検出信号に基づいて前記カンチレバーを励振するカンチレバー励振部と、
    前記スキャナー部により相対的に走査される前記試料の全体に均一な高周波磁場を発生させる高周波磁場発生部と、
    前記高周波磁場発生部に対して磁場中にある試料が磁気共鳴を起こすのに適した周波数を持つ高周波信号を周期的に変調して発生する高周波信号源と、
    前記高周波信号源に対して周期的な変調信号を供給する変調信号源と、
    前記変調信号源から供給された周期的な変調信号に基づいて前記高周波信号源が周期的に変調して発生した高周波信号により前記高周波磁場発生部が前記試料の全体に均一に発生した高周波磁場中で、前記カンチレバー励振部が前記カンチレバーを励振した状態で、前記試料の検体のスピンを制御して磁気共鳴力を発生させ、前記磁気共鳴力の勾配に基づいた前記カンチレバー変位計測部の検出信号から前記カンチレバーの振動位相シフトを計測する位相検波器と、
    前記カンチレバーの位相シフト量の直流成分が一定となるように前記スキャナー部を制御して前記試料表面から前記探針先端までの距離を調整し、前記試料の原子間力像を生成する原子間力像生成部と、
    前記カンチレバーの位相変調強度に応じて磁気共鳴力像を生成する磁気共鳴力像生成部とを含むことを特徴とする磁気共鳴力顕微鏡。
  6. 前記カンチレバーは磁場を発生するための永久磁石の台と、その台の上に取り付けたチップとで前記探針を構成することを特徴とする請求項5記載の磁気共鳴力顕微鏡。

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