JP5954682B2 - トイレ・シャワーユニット - Google Patents

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Description

本発明は、病院の個室に設置するのに好適なトイレ・シャワー室ユニットに関する。
従来より、病院の個室に設置するトイレ・シャワー室ユニットは、種々提案されている。
特許文献1では、ユニットルームの一方をトイレルームに、他方をシャワールームにして、ユニットルームの出入口に3枚引き戸を設けた病院向けのユニットルームが提案されている。
特許文献2では、便器やシャワー設備を備えた衛生設備室を、病院の個室の廊下に近い位置に配置して、個室のベッドでの治療空間または療養空間を廊下より目視可能にするための隅切り面を衛生設備室に形成し、その隅切り面に3枚のパネルを連結した折戸を設置した病院用の衛生設備室が提案されている。
特開2000−297550号公報 特開2001−295485号公報
特許文献1の病院用ユニットルームでは、ユニットルームの奥壁パネルに、奥壁パネルから出入口に向けて大便器が設置されている。このため、ユニットルームの奥行寸法が長くなっていた。また、大便器の便座に座った状態で前方に手を伸ばしても3枚引き戸に手は届かないから、便座に座ったままで3枚引き戸を開けることができず、足腰が弱まった車椅子利用者は、ユニットルームの外に置いてある車椅子に一人で辿りつくことができなかった。
特許文献2の病院用衛生設備室では、大便器は衛生設備室の右側面壁の奥側に設置されている。このため、やはり、大便器の便座に座った状態で手を伸ばしても折戸に手は届かないから、便座に座ったままで折戸を開けることができず、足腰が弱まった車椅子利用者は、衛生設備室の外に置いてある車椅子に一人で辿りつくことができなかった。
このように、特許文献1,2のどちらにおいても、足腰が弱まった車椅子利用者の用便の際には、介護者が必要であった。
本発明は、車椅子利用者が一人でも安全にトイレを使用することができるトイレ・シャワー室ユニットを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、請求項1のトイレ・シャワー室ユニットでは、平面視が略長方形状とされたユニットルームの内部における一方の短辺側を、洋式大便器を設置したトイレルームとし、他方の短辺側を、シャワー装置を設置したシャワールームとし、前記ユニットルームの一方の長辺側に、出入口として三枚引き戸を設置したトイレ・シャワー室ユニットであって、前記一方の短辺側の壁面と他方の長辺側の壁面との間に第一の入隅壁面を設けて、当該第一の入隅壁面に前記洋式大便器を取り付け、前記一方の短辺側の壁面と一方の長辺側の壁面との間に、前記洋式大便器と略平行に配置される第二の入隅壁面を前記一方の短辺側の壁面と前記一方の長辺側の壁面に連続して設けて、前記一方の長辺側の壁面の横幅の端から端まで前記三枚引き戸を設置して、前記三枚引き戸のうちの前記一方の短辺側の障子及び前記他方の短辺側の障子にそれぞれ引手を設け、前記一方の短辺側の障子の引手を、前記一方の短辺側の障子の横方向における前記第二の入隅壁面側の端部近傍に配置し、前記洋式大便器に座った使用者から手が届く範囲に設置したことを特徴とする。
これによれば、トイレ・シャワー室ユニットの長辺側の壁面に三枚引き戸を設置したので、トイレ・シャワー室ユニットへの出入口が広くなり、トイレ・シャワー室ユニットとして適する。
また、洋式大便器に座った状態で三枚引き戸を開け閉めすることが可能なので、足腰が弱った車椅子利用者が一人でトイレ・シャワー室ユニットに出入りする際の三枚引き戸の開け閉めが楽に行えるようになる。
さらに、洋式大便器に座った使用者はさらに手を伸ばして、開いた3枚引き戸の外に置いていた車椅子にも手が届く。そのため、洋式大便器に座った人が立ち上がることなく、トイレ・シャワー室ユニットの外にある車椅子を引き寄せることが可能となるので、足腰が弱まった車椅子利用者が洋式大便器から車椅子への移乗を一人で安全に行うことができる。これにより、トイレ・シャワー室ユニットと個室のベッドとの間を一人で行き来することができる。そのため、車椅子利用者のトイレ使用時における介護者の付き添いが不要となる。
また、請求項2のトイレ・シャワー室ユニットでは、前記一方の長辺側の壁面の横幅の端から端まで前記三枚引き戸を設置し、前記第二の入隅壁面の前記長辺側の壁面寄りに縦長の手摺りを設置したことを特徴とする。
これによれば、出入口近くの壁面に、見えやすい位置に縦長の手摺りを設置したので、足腰の弱い患者が一人で用便する際のトイレ・シャワー室ユニット外からトイレ・シャワー室ユニット内への移動がしやすく、安全性が高まる。
また、請求項3のトイレ・シャワー室ユニットでは、前記他方の短辺側の壁面と一方の長辺側の壁面との間に、第三の入隅壁面を設けて、前記他方の短辺側の壁面にシャワーチェアを設置し、前記第三の入隅壁面の前記長辺側の壁面寄りに縦長の手摺りを設置し、前記他方の短辺側の壁面と他方の長辺側の壁面との間に第四の入隅壁面を設けて、当該第四の入隅壁面もしくは他方の長辺側の壁面に前記シャワー装置のシャワーヘッドを保持するシャワーハンガーを取り付けたことを特徴とする。
これによれば、シャワーチェアへのアプローチ性が良好になる。
本発明によれば、車椅子利用者が一人でも安全にトイレを使用することができるトイレ・シャワー室ユニットを提供することができる。
本発明にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットの正面図である。 本発明にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットの平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 図1のD−D断面図である。 本発明にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットの内部を示す図で、内部から出入口部分を描写した図である。 本発明にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットを、病院の個室に設置した例を示す図である。 本発明にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットの使用状態を示す図である。 本発明にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットの使用状態を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットの平面図、図2はこの病院用トイレ・シャワー室ユニットの正面図、図3は図1のA−A断面図、図4は図1のB−B断面図、図5は図1のC−C断面図、図6は図1のD−D断面図、図7はこの病院用トイレ・シャワー室ユニットの内部から出入口部分を描写した図である。
まず、本実施形態にかかる病院用トイレ・シャワー室ユニットの躯体構造について説明する。
トイレ・シャワー室ユニット100の躯体は、床材101と、天井材102と、床材101と天井材102とを連結する壁パネル103と、で構成され、平面視が略長方形状のユニットルームとされている。そして、複数枚の壁パネル103の接合角度を変えて接続することによって、トイレ・シャワー室ユニット100の室内に八つの側面壁111〜118を形成している。
図3に示すように、八つの側面壁は、出入口が設けられる正面壁111、正面壁111に正対する後方壁112、正面壁111から向かって左に位置する左側面壁113、正面壁111から向かって右に位置する右側面壁114、後方壁112と左側面壁113とのコーナー部を斜めに繋ぐ左後方入隅壁115、正面壁111と左側面壁113とのコーナー部を斜めに繋ぐ左前方入隅壁116、正面壁111と右側面壁114とのコーナー部を斜めに繋ぐ右前方入隅壁117、後方壁112と右側面壁114とのコーナー部を斜めに繋ぐ右後方入隅壁118、とから成る。正面壁111、後方壁112、左側面壁113、右側面壁114は、平面視で互いに90度の角度を成しており、正面壁111及び後方壁112は、左側面壁113及び右側面壁114よりも長くなっている。4つの入隅壁115〜118は、いずれも正面壁111、後方壁112、左側面壁113、右側面壁114に対して平面視で約45度の角度で接している。なお、正面壁111が本発明の「一方の長辺側の壁面」、後方壁112が「他方の長辺側の壁面」、左側面壁113が「一方の短辺側の壁面」、右側面壁114が「他方の短辺側の壁面」、左後方入隅壁115が「第一の入隅壁面」、左前方入隅壁116が「第二の入隅壁面」に該当する。
なお、本実施形態では、各側面壁111〜118は、それぞれ1枚の平面状の壁パネル103で構成され、各側面壁111〜118のコーナー部で隣接する壁パネルと接合されるが、隣り合う複数の側面壁を、屈曲した1枚の壁パネルで構成してもよいし、壁パネル同士の接合部を側面壁の平面部に配置することも可能である。
図2,図3に示すように、トイレ・シャワー室ユニット100は、その正面壁111の端から端まで開口させて設けた出入口105に3枚引き戸120を備えている。
3枚引き戸120は、3枚の障子121〜123から構成されている。左右両側の障子121,123にはそれぞれ引手121a,123aが設けられていて、左右どちらの側からでも3枚引き戸120を開くことができる。また、中央の障子122は、左右の障子121,123に連動して移動することが可能である。この3枚引き戸120は、全開するとトイレ・シャワー室ユニット100の正面に障子2枚分の開口が形成される。障子1枚の横幅は約450mmであるから、3枚引き戸120を全開すると約900mmの横幅の出入口となるから、車椅子をトイレ・シャワー室ユニット100の内部に入れるのも容易となる。
なお、この正面壁111以外の側壁面には、出入口は設けられていない。
また、図3に示すように、トイレ・シャワー室ユニット100は、床材101の中央に排水部130を設けている。この排水部130は、床材101の中央を前後方向に横断する排水溝131と、排水溝131の所定の箇所に形成されて建築排水管に連通する排水口132と、排水溝131を覆うグレーチング133と、を備えている。グレーチング133は、上面が床材101の上面と面一になるように、排水溝131の内部で支持されている。
さらに、トイレ・シャワー室ユニット100は、この排水部130を境にして左右を区分けするカーテン(図示せず)を備えてもよい。このカーテンは、透光性のある不透明な素材で作られたものである。
また、図4に示すように、トイレ・シャワー室ユニット100は、後方壁112の上方に照明具140を備えている。本実施形態では、照明具140は、後方壁112の左後方入隅壁115寄りに設置されている。前述したカーテンを閉めてシャワー浴をする場合であっても、カーテンが透光性を有するのでシャワールーム側もシャワー浴が可能な程度に明るく照らされる。
次に、本実施形態のトイレ・シャワー室ユニット100の内部の設備について説明する。
トイレ・シャワー室ユニット100は、その内部に、大便器200、トイレットペーパーホルダー220、手洗い器230、シャワー浴用のシャワー装置240、シャワーチェア250、手摺りなどを設置している。これにより、トイレ・シャワー室ユニット100は、一つのユニットルームの内部にトイレルーム及びシャワールームとしての機能を備えたものとなる。
まず、図3〜5を参照して、トイレ側の設備について説明する。
大便器200は、温水洗浄機能を有する便座201を付設した洋式大便器であり、左後方入隅壁115に取り付けられている。また、この大便器200は、床材101から浮かした状態として、左後方入隅壁115に取り付けられている。後方壁112に大便器200を設置した場合には、トイレ・シャワー室ユニット100の奥行寸法が大きくなってしまい、左側面壁113に大便器200を設置した場合には、トイレ・シャワー室ユニット100の横幅寸法が大きくなってしまい、いずれの場合でも病院の個室の空間を圧迫してしまう。しかし、本実施形態のように、左後方入隅壁115に大便器200を壁付けして、大便器200が出入口105を向くようにトイレ・シャワー室ユニット100に対して大便器200を斜めに配置することによって、トイレ・シャワー室ユニット100の奥行や横幅の寸法を小さく抑えることができる。これにより、トイレ・シャワー室ユニット100が、病院の個室の空間を大きく圧迫することはない。これについては後述する。
大便器200の後方には、便座201に座った人が寄り掛かることが可能な背もたれ210を設けている。この背もたれ210は、左後方入隅壁115に取り付けられている。
トイレットペーパーホルダー220は、左前方入隅壁116に取り付けられている。この左前方入隅壁116は、便座201に座った位置から見て大便器200の右側方において、大便器200と略平行となるように配置されている。
このトイレットペーパーホルダー220は、便座201に座った人が無理な姿勢をとらずに扱える位置に配置するのが好ましい。
前述したように、大便器200が出入口105を向くようにトイレ・シャワー室ユニット100に対して大便器200を斜めに配置しているので、便座201に座っている人からみて、左側面壁113や後方壁112は前方に向かうほど次第に離れるレイアウトになっている。そのため、左側面壁113や後方壁112にトイレットペーパーホルダー220を設置した場合は、左後方入隅壁115に近い位置に設置しなければならず、その場合には体を比較的大きく捻らないとトイレットペーパーホルダー220を使うことができなかった。
しかし、本実施形態では、大便器200と略平行となるように左前方入隅壁116を設け、この左前方入隅壁116にトイレットペーパーホルダー220を設置している。このため、便座201に座った人が体を大きく捻る必要なしに、トイレットペーパーホルダー220を楽な姿勢で扱うことができる。これにより、病院に入院中の病人にとって、従来よりもトイレを使いやすくすることが可能となる。
なお、温水洗浄機能を作動させるリモコン(図示せず)は、左前方入隅壁116に取り付けられている。温水洗浄機能のリモコンについても、トイレットペーパー220と同様、従来よりも楽な姿勢で使用することができる。
手洗い器230は、後方壁112の左後方入隅壁115寄りに、後方壁112から前方に20〜25cm程度突出するように設置されている。この手洗い器230は、ボウルに手を挿入すると自動的に水が出る自動水栓機能を備えている。なお、自動水栓機能に代えて、吐水操作部を押すか、回すかによって吐水を行う水栓を備えていてもよい。
このような位置に手洗い器230を設置しているので、便座201に座りながら、手を伸ばして手を洗うことが可能である。また、自動水栓機能とすれば、さらに楽に手を洗うことが可能となる。
次に、図3〜4,図6を参照して、シャワールーム側の設備について説明する。
シャワー装置240は、後方壁112の右後方入隅壁118寄りに設置されている。このシャワー装置240は、トイレ・シャワー室に別々に供給された湯と水を適温に混合する温度調節機能付きの湯水混合栓241と、シャワーヘッド242と、湯水混合栓241で混合された適温湯をシャワーヘッド242に供給するシャワーホース243と、シャワーホース243を壁の複数の高さに保持するシャワーハンガー244と、を備えている。また、シャワーヘッド242は、吐水と止水を切替える止水弁(図示せず)と、止水弁を操作するボタン(図示せず)を備えている。
シャワーチェア250は、右側面壁114に設置されている。このシャワーチェア250は、上方に折り畳みすることにより、右側面壁114に沿うように収納することが可能である。
前述した湯水混合栓241は、シャワーチェア250に座った状態で使用者の手が届く範囲に設置されている。そのため、足腰が悪い車椅子利用者も、一人でシャワー浴を行うことが可能となる。
むろん、シャワー装置240を後方壁112に設置するのに代えて、右後方入隅壁118に設置してもよいし、シャワー装置240の湯水混合栓241を後方壁112に設置してシャワーハンガー244及びシャワーヘッド242を右後方入隅壁118に設置するようにしてもよい。
次に、図3〜7を参照して、トイレ・シャワー室ユニット内を移動する際に使用する手摺りについて説明する。
左前方入隅壁116及び右前方入隅壁117の正面壁111寄りには、入退室用手摺り261,262が設けられている。より詳しくは、この入退室用手摺り261,262は、左前方入隅壁116及び右前方入隅壁117の正面壁111寄りの端部において、出入口105に沿って縦方向に配置されている。
この入退室用手摺り261,262は、左前方入隅壁116及び右前方入隅壁117の正面壁111寄りの端部に設置され、3枚引き戸120を開くと、トイレ・シャワー室ユニット100の外部から入退室用手摺り261,262の一部を視認することができる。言い換えれば、トイレ・シャワー室ユニット100の正面から見て、入退室用手摺り261,262の一部が出入口105から露呈する大きさを有している。
足腰が弱った車椅子利用者は、車椅子でトイレ・シャワー室ユニット100の出入口105まで車椅子で移動して3枚引き戸120を開き、出入口105のすぐそばに設置された入退室用手摺り261,262につかまって立ち上がり、トイレ・シャワー室ユニット100内に移動するのである。この際、入退室用手摺り261,262が、出入口105の外側から視認可能なので、足腰が弱った車椅子利用者が一人でトイレ・シャワー室ユニット100を使用する場合でも、安心して使用することが可能となる。また、入退室用手摺り261,262は、出入口105のすぐそばに設置されるので、車椅子から無理な姿勢で手摺りにつかまる必要もなく、安全性も高い。
また、大便器200の近くには、可動手摺り263が設置されている。この可動手摺り263は、通常は、大便器200の左右に、便座201に座った人の肘が乗る程度の高さに設置されている。可動手摺り263を使わない場合には、回動手摺り263を後方に回動させて直立させ、この直立状態を保持することも可能である。なお、この可動手摺り263は、前述した背もたれ210と一体化されて左後方入隅壁115に取り付けられている。
さらに、シャワー装置240の近くには、立った姿勢でシャワー浴をしたり、シャワーチェア250に座った状態で湯水混合栓241を操作する際につかまるシャワー用手摺り264が設置されている。このシャワー用手摺り264は、水平方向に延びる水平握り部264aと、垂直方向に延びる垂直握り部264bとをL字状に連ねたものである。
このように、トイレ・シャワー室ユニット100は、用途に応じた複数種類の手摺り261〜264を備えている。
これらの手摺りは、トイレ・シャワー室ユニット100に入室する際には、具体的には以下のように利用される。
車椅子利用者がトイレを使用する場合には、車椅子でトイレ・シャワー室ユニット100の出入口105まで車椅子で移動して障子121の引手121aを引いて3枚引き戸120を開き、出入口105のすぐそばに設置された入退室用手摺り261につかまって立ち上がり、トイレ・シャワー室ユニット100内に移動するのである。トイレ・シャワー室ユニット100に入った後は、後述する可動手摺り263につかまりながら、便座201に着座する。この際、入退室用手摺り261が、出入口105の外側から視認可能なので、足腰が弱った車椅子利用者が一人でトイレ・シャワー室ユニット100を使用する場合でも、安心して使用することが可能となる。また、入退室用手摺り261は、出入口105のすぐそばに設置されるので、車椅子から無理な姿勢で手摺りにつかまる必要もなく、安全性も高い。
また、車椅子使用者がシャワー浴をする場合には、車椅子でトイレ・シャワー室ユニット100の出入口105まで車椅子で移動して障子123の引手123aを引いて3枚引き戸120を開き、出入口105のすぐそばに設置された入退室用手摺り262につかまって立ち上がり、トイレ・シャワー室ユニット100内に移動するのである。トイレ・シャワー室ユニット100に入った後は、入退室用手摺り262につかまりながら、体の向きを変えてシャワーチェア250に着座する。この際、入退室用手摺り262が、出入口105の外側から視認可能なので、足腰が弱った車椅子利用者が一人でトイレ・シャワー室ユニット100を使用する場合でも、安心して使用することが可能となる。また、入退室用手摺り262は、出入口105のすぐそばに設置されるので、車椅子から無理な姿勢で手摺りにつかまる必要もなく、安全性も高い。このように、本実施形態のトイレ・シャワー室ユニット100では、シャワーチェア250へのアプローチ性が良好となる。
以上に説明したトイレ・シャワー室ユニット100は、病院の個室に配備されるのに好適である。そのため、このトイレ・シャワー室ユニット100には、ナースコール用スイッチが適宜設置される。具体的には、トイレ利用の際に使用するナースコール用スイッチ271が左前方入隅壁116に設置され、シャワー浴の際に使用するナースコール用スイッチ272が後方壁112の右後方入隅壁118寄りに設置されている。
図8は、本実施形態の病院用トイレ・シャワー室ユニット100を病院の個室に設置した一例を示す図である。
図8に示すように、このトイレ・シャワー室ユニット100は、病院の個室に出入りする通路に隣接するように配置される。前述したように、このトイレ・シャワー室ユニット100は、内部の左後方入隅壁115から出入口105を向くように大便器200を設置しているので、トイレ・シャワー室ユニット100の奥行寸法及び横幅寸法が従来よりも小さくなっている。これにより、個室に出入りするための通路の広さを大きく確保することができる。このため、車椅子利用者にとっても、トイレ・シャワー室ユニット100が利用しやすいものとなる。
さて、本実施形態のトイレ・シャワー室ユニット100は、前述したように、大便器200が取り付けられる左後方入隅壁115は、後方壁112及び左側面壁113に対して平面視で約45度の角度で接しているから、大便器200は、トイレ・シャワー室ユニット100の内部で、後方壁112及び左側面壁113に対して平面視で約45度の角度でトイレ・シャワー室ユニット100の出入口105を向くように設けられている。また、従来よりもトイレ・シャワー室ユニット100の奥行寸法が小さくなるように構成されている。このため、便座201に座った使用者は、手を伸ばせば3枚引き戸120の引手121aをつかんで開くことが可能である(図9参照)。さらに、手を伸ばせば、開いた3枚引き戸120の外に置いていた車椅子にも手が届くのである(図10参照)。
そのため、便座201に座った人が立ち上がることなく、トイレ・シャワー室ユニット100の外にある車椅子を引き寄せることが可能となるので、足腰が弱まった車椅子利用者が便座201から車椅子への移乗を一人で安全に行うことができる。これにより、トイレ・シャワー室ユニット100と個室のベッドとの間を一人で行き来することができる。そのため、車椅子利用者のトイレ使用時における介護者の付き添いが不要となる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ・シャワー室ユニット100の外観を直方体状とし、内部のみが平面視で八角形状となるように各入隅壁を設けてもよい。さらには、トイレ・シャワー室ユニット100の内部を八角以上の多角形状にしたものも本発明に含まれる。また、トイレ・シャワー室ユニット100は、シャワーチェア250を備えなくてもよい。また、トイレ・シャワー室ユニット100は、トイレルームとシャワールームの位置を入れ替えることも可能である。さらに、大便器200の便座201は温水洗浄機能を備えていない普通便座であってもよい。
100 トイレ・シャワー室ユニット
105 出入口
111 正面壁(一方の長辺側の壁面)
112 後方壁(他方の長辺側の壁面)
113 左側面壁(一方の短辺側の壁面)
114 右側面壁(他方の短辺側の壁面)
115 左後方入隅壁(第一の入隅壁面)
116 左前方入隅壁(第二の入隅壁面)
120 三枚引き戸
121 一方の短辺側の障子
121a 一方の短辺側の障子の引手
123 他方の短辺側の障子
124a 他方の短辺側の障子の引手
200 洋式大便器
201 便座
220 トイレットペーパーホルダー
240 シャワー装置
242 シャワーヘッド
244 シャワーハンガー
250 シャワーチェア
261 入退室用手摺り
262 入退室用手摺り

Claims (3)

  1. 平面視が略長方形状とされたユニットルームの内部における一方の短辺側を、洋式大便器を設置したトイレルームとし、他方の短辺側を、シャワー装置を設置したシャワールームとし、前記ユニットルームの一方の長辺側に、出入口として三枚引き戸を設置したトイレ・シャワー室ユニットであって、
    前記一方の短辺側の壁面と他方の長辺側の壁面との間に第一の入隅壁面を設けて、当該第一の入隅壁面に前記洋式大便器を取り付け、
    前記一方の短辺側の壁面と一方の長辺側の壁面との間に、前記洋式大便器と略平行に配置される第二の入隅壁面を前記一方の短辺側の壁面と前記一方の長辺側の壁面に連続して設けて、
    前記一方の長辺側の壁面の横幅の端から端まで前記三枚引き戸を設置して、
    前記三枚引き戸のうちの前記一方の短辺側の障子及び前記他方の短辺側の障子にそれぞれ引手を設け、前記一方の短辺側の障子の引手を、前記一方の短辺側の障子の横方向における前記第二の入隅壁面側の端部近傍に配置し、前記洋式大便器に座った使用者から手が届く範囲に設置したことを特徴とするトイレ・シャワー室ユニット。
  2. 前記一方の長辺側の壁面の横幅の端から端まで前記三枚引き戸を設置し、
    前記第二の入隅壁面の前記長辺側の壁面寄りに縦長の手摺りを設置したことを特徴とする請求項1記載のトイレ・シャワー室ユニット。
  3. 前記他方の短辺側の壁面と一方の長辺側の壁面との間に、第三の入隅壁面を設けて、
    前記他方の短辺側の壁面にシャワーチェアを設置し、
    前記第三の入隅壁面の前記長辺側の壁面寄りに縦長の手摺りを設置し、
    前記他方の短辺側の壁面と他方の長辺側の壁面との間に第四の入隅壁面を設けて、当該第四の入隅壁面もしくは他方の長辺側の壁面に前記シャワー装置のシャワーヘッドを保持するシャワーハンガーを取り付けたことを特徴とする請求項2記載のトイレ・シャワー室ユニット。
JP2011166355A 2011-07-29 2011-07-29 トイレ・シャワーユニット Active JP5954682B2 (ja)

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