JP5954395B2 - ディンプル鋼管の製造方法およびディンプル鋼管製造装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載された鋼管は、加工コストが増大するという欠点がある。
この段付鋼管によれば、外表面に形成された溝によって、地層やコンクリートとの充分な付着により、大きな摩擦力およびグリップ力を得て、充分な支持力を確保することができ、加工コストの増大も抑制できる。
請求項1に記載の発明は、外周面の周方向に成形溝が形成された成形ローラを、回転軸周りに回転させながら前記成形溝を鋼管の外表面に接触させて、前記鋼管の外表面に複数のディンプルを形成するディンプル鋼管の製造方法であって、前記ディンプルは前記成形溝に前記鋼管の周方向に沿って設けられた複数の凸部によって成形するように構成され、前記凸部は、前記鋼管の中心軸方向に見たときに、前記成形ローラの回転軸と直交するとともに前記鋼管の外周面から前記鋼管の中心軸がなす中心に向かう法線との前記中心における交差角が±30°以下の範囲に配置されていることを特徴とする。
ディンプル鋼管8は、図1に示すように、円筒形をなす鋼管の外表面に、内方に向かって窪んだ凹部(以下、ディンプルという)が、鋼管8の周方向に間隔をあけて配列されたディンプル群9Gを備え、このディンプル群9Gが鋼管8の長手方向に間隔をあけて複数形成された構成とされている。
なお、ディンプル群9Gは、長手方向の一定位置に周方向に成形されたディンプルにより構成される必要はなく、例えば、千鳥状に形成してもよい。
鋼管製造ライン1は、いわゆる鍛接鋼管を製造するものであり、例えば、鋼帯6を管状に成形して鍛接する成形鍛接ロールユニット2と、成形された鋼管7を絞り加工する絞り加工ロールユニット3と、ディンプル鋼管用成形ローラ10を有するディンプル加工ユニット(ディンプル鋼管製造装置)4と、切断機5と、を備えている。
かかる構成により、ディンプル加工ユニット4を構成する各成形ローラ10は、互いに同期して回転し、鋼管7は成形ローラ10の周速度に同期して移動するように構成されている。
成形ローラ10は、図5に示すように、回転軸ORを中心に回転され、成形ローラ10の外周面には、鋼管7の中心軸方向に見たときに、回転軸OR方向の中央側が回転軸ORに向かって凹んだ成形溝12が形成されている。
成形溝12は、回転軸線ORを含む断面において、半円状に形成されており、2つの成形ローラ10を、互いの成形溝12同士が対向するように配置することで、鋼管7の外表面にディンプル9を成形してディンプル鋼管8が製造されるようになっている。
この実施形態において、凸部20は、成形溝12をなす半円の周方向に3つ形成されている。具体的には、例えば、鋼管7の中心軸O1方向に見たときに、成形ローラ10の回転軸ORとと直交するとともに鋼管7の外周面から鋼管7の中心軸O1がなす中心に向かう法線OS上に一つの凸部20が形成され、成形溝12上において法線OSを挟んで中心軸O1がなす中心おける交差角θが45°となる位置にそれぞれ凸部20が形成されている。
なお、複数の成形ローラ10の凸部20が、鋼管7上の同一位置で重複する場合には、いずれかの成形ローラ10の凸部20をなくすか、凸部20を成形溝12をなす半円の周方向における異なる位置(例えば、22.5°、67.5°等)に設けるなど、成形ローラ10相互間で重複しないように構成してもよい。
なお、図5に記載したものは、法線OSに対して交差角θがそれぞれ45°の位置に配置された場合を示している。
また、凸部20は、例えば、円錐形状、円錐台形状、円錐の先端が球面状に成形された構成等を任意に設定することができる。
なお、図6(A)におけるH1/H2は、図6(B)に示した三日月状ディンプルの最大幅H1、最小幅H2に対応しており、H1/H2が1.0の場合に、最大幅H1と対応する凹部の実面積が確保されて、ディンプル9による付着力100%である。なお、図6(B)における矢印は、鋼管7の長手方向を示している。
第2の実施形態に係るディンプル鋼管加工ユニット4Aが、第1の実施形態と異なるのは、ディンプル鋼管加工ユニット4が、対向配置させたふたつの成形ローラ10、10を二段階に配置して、一段目の成形ローラ10、10と二段目の成形ローラ10、10の回転軸ORが互いに直交するように構成されていたのに対して、ディンプル加工ユニット4Aは、鋼管7の周方向に3分割された3つの成形ローラ10Aのそれぞれの成形溝12Aによって鋼管7を囲むようにして配置し、一段階でディンプルを成形するように構成されている点である。その他は、第1の実施形態と同様であるので、同様の符号を付して、説明を省略する。なお、第2実施形態において、成形ローラ外周面の凸部が、鋼管の中心軸がなす中心に向かう法線との中心における交差角が±30°以下の範囲に配置されているものが本発明の対象であり、±30°を超えて±45°以下のものは本発明を説明するための参考例である。
例えば、第1の実施形態においては、ひとつのディンプル群9Gが8個のディンプル9を備え、第2の実施形態においては、ひとつのディンプル群が9個のディンプルを備える場合について説明したが、成形溝の大きさ(ディンプル鋼管の外径)や凸部20の大きさ、ディンプル鋼管8の外径を考慮して、ディンプル郡9Aに配置するディンプル9の数を設定してもよい。
O1 (鋼管の)中心軸
O2 (ディンプル鋼管の)中心軸
OS 法線
OR 回転軸
4、4A ディンプル加工ユニット
7 鋼管
8 ディンプル鋼管
10、10A 成形ローラ
12、12A 成形溝
20 凸部
Claims (6)
- 外周面の周方向に成形溝が形成された成形ローラを、回転軸周りに回転させながら前記成形溝を鋼管の外表面に接触させて、前記鋼管の外表面に複数のディンプルを形成するディンプル鋼管の製造方法であって、
前記ディンプルは前記成形溝に前記鋼管の周方向に沿って設けられた複数の凸部によって成形するように構成され、
前記凸部は、
前記鋼管の中心軸方向に見たときに、前記成形ローラの回転軸と直交するとともに前記鋼管の外周面から前記鋼管の中心軸がなす中心に向かう法線との前記中心における交差角が±30°以下の範囲に配置されていることを特徴とするディンプル鋼管の製造方法。 - 請求項1に記載のディンプル鋼管の製造方法であって、
前記成形ローラを、前記回転軸を互いに交差させて前記鋼管の長手方向に複数段階に配置することにより前記ディンプルを成形することを特徴とするディンプル鋼管の製造方法。 - 請求項1又は2に記載のディンプル鋼管の製造方法であって、
前記鋼管の周方向において分割された3つ以上の成形ローラにより前記ディンプルを成形することを特徴とするディンプル鋼管の製造方法。 - 鋼管の外表面に複数のディンプルが形成されたディンプル鋼管を製造するディンプル鋼管製造装置であって、
回転軸回りに回転され外周面に前記回転軸の周方向に成形溝が形成されるとともに前記成形溝に前記鋼管の周方向に沿って複数の凸部が設けられた成形ローラと、
前記成形ローラを回転させる回転駆動部と、
前記成形ローラ同士の回転及び前記成形ローラと前記鋼管とを同期させて駆動する同期手段と、
を備え、
前記凸部は、
前記鋼管の中心軸方向に見たときに、前記成形ローラの回転軸と直交するとともに前記鋼管の外周面から前記鋼管の中心軸がなす中心に向かう法線との前記中心における交差角が±30°以下の範囲に配置されていることを特徴とするディンプル鋼管製造装置。 - 請求項4に記載のディンプル鋼管製造装置であって、
前記成形ローラを、前記回転軸を互いに交差させて前記鋼管の長手方向に複数段階に配置することを特徴とするディンプル鋼管製造装置。 - 請求項4又は5に記載のディンプル鋼管製造装置であって、
前記成形ローラは、前記鋼管の周方向において3つ以上に分割して構成されていることを特徴とするディンプル鋼管製造装置。
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