JP2017001082A - 異形線条材の製造装置及び製造方法並びに組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧延荷重の変動を従来よりも抑制することができる異形線条材の製造装置及び製造方法を提供すること。【解決手段】異形線条材の製造装置1は、線材の表面に凹凸形状を形成するための一対の溝付ロール21を備える圧延機2を有する。各溝付ロール21は、その外周面に、周方向に直交する横断面の形状が円弧状である周溝22を有する。周溝22には、周方向に互いに間隔をあけて複数の帯状の凸部23が形成されている。凸部23は、長手方向の少なくとも一方の端部が溝付ロール21における外周端よりも内側に位置している。また、凸部23は、溝付ロール21の外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向に対して傾斜するように形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、異形線条材の製造装置及び製造方法並びに組立体に関する。
例えばコンクリート鉄筋等に用いられる線材として、表面に凹凸形状が形成された異形線条材がある。例えば、特許文献1には、線材の長手方向に沿って突出形成された2条又は4条のリブと、線材の長手方向において互いに一定間隔をあけて形成されると共に線材周方向に沿って隣り合うリブを連結するように突出形成された節と、を有する異形線条材が記載されている。
また、特許文献1には、上記異形線条材の製造装置として、互いに対向配置された一対あるいは二対の溝付ロールを備える圧延機が開示されている。この圧延機の溝付ロールには、外周面に、周方向に直交する断面の形状が円弧状である周溝が形成されている。そして、一対又は二対の溝付ロールの周溝に線材を挟んで圧延することによって、異形線条材を製造できることが特許文献1に記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の圧延機は、周方向に直交する方向に沿った複数の突起部が、周溝において周方向に互いに間隔をあけて形成されている。それゆえ、線材圧延時に、線材に突起部が接触する場合と接触しない場合とが交互に訪ずれるため、圧延荷重の変動が繰り返し生じる。
さらに、上記圧延機は、突起部が周方向に直交する方向に沿って形成されているため、周方向に直交する方向の突起部の寸法は、周溝の全幅の寸法、あるいはこれに近い寸法となる。それゆえ、線材圧延時における突起部と線材の表面との接触面積は、周溝の全幅の寸法あるいはこれに近い十分に大きなものとなり、比較的大きな圧延荷重が必要となる。一方、周方向に隣り合う突起部の間が線材と接触する際には、当然突起部との接触がなく、圧延荷重は非常に小さくなる。したがって、線材圧延時において、突起部が線材に接触する場合と接触しない場合との間の圧延荷重の差が比較的大きくなり、大きな荷重変動が繰り返される。
上述のような圧延荷重の大きい変動の繰り返しは、安定した圧延状態を妨げ、異形線条材の寸法精度に影響する場合もある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、圧延荷重の変動を従来よりも抑制することができる異形線条材の製造装置及び製造方法並びに組立体を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、線材の表面に凹凸形状を形成するための一対の溝付ロールを備える圧延機を有する異形線条材の製造装置であって、
上記各溝付ロールは、その外周面に、周方向に直交する横断面の形状が円弧状である周溝を有し、
該周溝には、周方向に互いに間隔をあけて複数の帯状の凸部が形成されており、
該凸部は、長手方向の少なくとも一方の端部が上記溝付ロールにおける外周端よりも内側に位置しており、上記溝付ロールの外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする異形線条材の製造装置にある。
上記各溝付ロールは、その外周面に、周方向に直交する横断面の形状が円弧状である周溝を有し、
該周溝には、周方向に互いに間隔をあけて複数の帯状の凸部が形成されており、
該凸部は、長手方向の少なくとも一方の端部が上記溝付ロールにおける外周端よりも内側に位置しており、上記溝付ロールの外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする異形線条材の製造装置にある。
本発明の他の態様は、異形線条材の製造装置を用いて製造することを特徴とする異形線条材の製造方法にある。
本発明のさらに他の態様は、上記異形線条材の製造方法によって製造される複数の異形線条材を、格子状に交差させて接合してなることを特徴とする組立体にある。
異形線条材の製造装置において、周溝に形成された凸部は、溝付ロールの外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向に対して傾斜するように形成されている。この傾斜形成された凸部は、従来の傾斜していない凸部よりも、周方向に直交する方向の寸法が小さくなる。それゆえ、線材圧延時における凸部と線材の表面との接触面積を、従来の場合よりも小さくすることができる。また、圧延時における凸部と線材との接触面積の減少に伴って、凸部により圧延する際の圧延荷重を従来よりも小さくすることができる。そのため、上記製造装置においては、従来よりも圧延荷重の変動を抑制することができる。その結果、上記製造装置においては、異形線条材の安定した圧延状態を確保することができ、これにより、異形線条材の寸法精度向上にも寄与することができる。
また、異形線条材の製造方法においては、上述のごとく圧延荷重を小さくし、かつ、変動を抑制することができる異形線条材の製造装置を用いて異形線条材を製造する。それゆえ、製造装置の構造を従来よりも簡単なものとすることができ、設備コストの低減を図ることができると共に、異形線条材を高い寸法精度にて製造することができる。
また、上記組立体は、上記製造方法により得られた異形線条材によって構成されている。この異形線条材は、表面に凹凸形状が施されている。そのため、この異形線条材を格子状に配置した組立体は、例えば朝顔等のつる植物のつるを絡ませるためのもの登はん壁用部材として利用することができる。そして、この場合には、異形線条材が有する表面の凹凸形状が、つるが巻きつく際のすべり止めとしての機能を発揮するので、登はん壁用部材に従来用いられていたすべり止め機能を向上させるためのマット等を用いる必要がない。当該マット等は、比較的寿命が短く、取り替えることも必要であったが、上記組立体においては取り替えが必要な部分がなく、低コストの登はん壁用部材を得ることができる。
以上のごとく、本発明によれば、圧延荷重の変動を従来よりも抑制することができる異形線条材の製造装置及び製造方法並びに組立体を提供することができる。
(実施形態1)
異形線条材の製造装置の実施形態につき、図1〜図7を用いて説明する。
まず、本実施形態の製造装置1が製造する異形線条材7について、図6、図7を用いて説明する。
異形線条材7は、線材軸方向に沿って延びるように突出形成された2条のリブ71を有する。2条のリブ71は、線材における中心軸を挟んで互いに反対側に位置している。異形線条材7は、2条のリブ71を連結すると共に、線材軸方向において互いに間隔をあけて突出形成された複数の節部72を有する。節部72は、線材周方向に対して傾斜するように形成されている。異形線条材7は、ステンレス鋼からなる。
異形線条材の製造装置の実施形態につき、図1〜図7を用いて説明する。
まず、本実施形態の製造装置1が製造する異形線条材7について、図6、図7を用いて説明する。
異形線条材7は、線材軸方向に沿って延びるように突出形成された2条のリブ71を有する。2条のリブ71は、線材における中心軸を挟んで互いに反対側に位置している。異形線条材7は、2条のリブ71を連結すると共に、線材軸方向において互いに間隔をあけて突出形成された複数の節部72を有する。節部72は、線材周方向に対して傾斜するように形成されている。異形線条材7は、ステンレス鋼からなる。
次に、上述の異形線条材7の製造装置1について説明する。
本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、図1〜図3に示すごとく、線材8の表面に凹凸形状を形成するための一対の溝付ロール21を備える圧延機2を有する。図2に示すごとく、各溝付ロール21は、その外周面に、周方向に直交する横断面の形状が円弧状である周溝22を有する。図3に示すごとく、周溝22には、周方向に互いに間隔をあけて複数の帯状の凸部23が形成されている。図3、図4に示すごとく、凸部23は、長手方向の両端部が溝付ロール21における外周端よりも内側に位置している。また、図3に示すごとく、凸部23は、溝付ロール21の外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向(以下において、適宜、直交方向Xという。)に対して傾斜するように形成されている。
本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、図1〜図3に示すごとく、線材8の表面に凹凸形状を形成するための一対の溝付ロール21を備える圧延機2を有する。図2に示すごとく、各溝付ロール21は、その外周面に、周方向に直交する横断面の形状が円弧状である周溝22を有する。図3に示すごとく、周溝22には、周方向に互いに間隔をあけて複数の帯状の凸部23が形成されている。図3、図4に示すごとく、凸部23は、長手方向の両端部が溝付ロール21における外周端よりも内側に位置している。また、図3に示すごとく、凸部23は、溝付ロール21の外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向(以下において、適宜、直交方向Xという。)に対して傾斜するように形成されている。
なお、図2において、凸部23は外周表面のみを図示しており、凸部23が突出している様子については図示を省略している。また、図3は、溝付ロール21の周溝22に形成された凸部23の形状を説明するため、溝付ロール21の外周表面を平面状に伸ばしたものをイメージした展開図である。また、図4は、周溝と1つの凸部との配置関係を説明するため、1つの凸部を、周溝の接線方向から見たものをイメージした説明図である。
以下、本実施形態の製造装置1について、さらに詳説する。
以下、本実施形態の製造装置1について、さらに詳説する。
製造装置1における圧延機2は、図1、図2に示すごとく、一対の溝付ロール21を、互いの外周面を対向させて配置させている。圧延時において、一対の溝付ロール21は、互いの間に数十μm程度の隙間(図示略)をあけて、かつ、各溝付ロール21に形成された周溝22を互いに対向させて配置される。
一対の溝付ロール21は、それぞれ略円板形状を有すると共に、互いに同形状を有する。図2に示すごとく、各溝付ロール21に周溝22が形成されている。周溝22は、回転軸方向における溝付ロール21の中央において、溝付ロール21の全周に連続的に形成されている。図2に示すごとく、一対の溝付ロール21は、互いに、周溝22を対向させて配置されている。
図2、図3に示すごとく、周溝22には、外周側に向って突出した複数の凸部23が形成されている。凸部23は、その長手方向が、直交方向Xに対して20°〜70°傾斜するように形成される。すなわち、図3に示すごとく、直交方向Xに対する凸部23の長手方向の傾斜角度αが、20°〜70°となる。本実施形態において、凸部23の傾斜角度αは、45°となっている。
図2、図3に示すごとく、複数の凸部23は、周溝22において、周方向に等間隔に配されている。周溝22の周方向のいずれの位置における、周方向に直交する横断面にも、凸部23が存在している。すなわち、図3に示すごとく、隣り合う凸部23は、直交方向Xにおいて互いの一部が重なり合うよう、位置している。周溝22の周方向のいずれの位置における横断面においても、凸部23の存在する割合は70%以下である。この割合は、周溝22の周方向に直交する横断面において、周溝22及び凸部23の周方向長さの合計に対する凸部23の周方向長さの割合である。
図2、図3に示すごとく、凸部23の周方向寸法は、隣り合う凸部23同士の間隙の周方向寸法よりも小さい。図4に示すごとく、凸部23は、突出方向に直交する方向の端縁部位が、端縁に向かうにつれて突出量が緩やかに少なくなったテーパ形状を有する。なお、図3においては、当該テーパ形状の図示を省略している。
次に、本実施形態の製造装置1が有する圧延機2以外の装置について、説明する。
図5に示すごとく、本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、矯正機3と切断機4とをさらに有する。矯正機3は、圧延機2の下流側に配され、圧延機2から導出される線材8を直線状に矯正する。また、切断機4は、矯正機3の下流側に配され、矯正機3から導出される線材8を所定長さに切断する。本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、圧延機2、矯正機3、切断機4をそれぞれ一台ずつ有する。そして、本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、1つの製造ラインにおいて、圧延機2と矯正機3と切断機4とを、この順にて並べて配置している。また、製造装置1は、圧延機2による圧延前の線材8を配置するためのアンコイラ6を有する。
図5に示すごとく、本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、矯正機3と切断機4とをさらに有する。矯正機3は、圧延機2の下流側に配され、圧延機2から導出される線材8を直線状に矯正する。また、切断機4は、矯正機3の下流側に配され、矯正機3から導出される線材8を所定長さに切断する。本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、圧延機2、矯正機3、切断機4をそれぞれ一台ずつ有する。そして、本実施形態の異形線条材7の製造装置1は、1つの製造ラインにおいて、圧延機2と矯正機3と切断機4とを、この順にて並べて配置している。また、製造装置1は、圧延機2による圧延前の線材8を配置するためのアンコイラ6を有する。
本実施形態において、矯正機3は、周知のスピンナー矯正機である。矯正機3における上流側及び下流側には、互いに線材8を介して対向配置されて線材8を挟持する一対のピンチロール5の組が、2組ずつ配置されている。ピンチロール5は、線材8を搬送させると共に、矯正機3の上流側と下流側との間において線材8に張力を印加する。
次に、本実施形態の異形線条材7の製造装置1を用いた異形線条材7の製造方法について説明する。
本実施形態の異形線条材7の製造方法は、圧延機2によって線材8の表面に凹凸形状を形成する圧延工程と、圧延機2から導出される線材8を矯正機3によって直線状に矯正する矯正工程と、矯正機3から導出される線材8を切断機4によって所定長さに切断する切断工程とを有する。異形線条材7の製造方法において、圧延工程と矯正工程と切断工程とは、連続的に行われる。
本実施形態の異形線条材7の製造方法は、圧延機2によって線材8の表面に凹凸形状を形成する圧延工程と、圧延機2から導出される線材8を矯正機3によって直線状に矯正する矯正工程と、矯正機3から導出される線材8を切断機4によって所定長さに切断する切断工程とを有する。異形線条材7の製造方法において、圧延工程と矯正工程と切断工程とは、連続的に行われる。
本実施形態の異形線条材7の製造方法においては、まず、熱間圧延又は冷間圧延により形成された、表面に凹凸形状を有さない、直径6mm以下の線材8を巻回してコイル状にしたものをアンコイラ6に配置する。
圧延工程においては、アンコイラ6から搬送される線材8の表面に、圧延により凹凸形状を形成する。圧延工程においては、アンコイラ6から搬送される線材8を圧延機2における一対の溝付ロール21の周溝22間に通すと共に溝付ロール21を回転させることにより、線材8を圧延してその表面に凹凸形状を形成する。このとき、溝付ロール21の周溝22に形成された凸部23が異形線条材7の線材凹部70を形成し、周溝22における凸部23が形成されていない部位が異形線条材7の2条のリブ71及び節部72を形成する。なお、異形線条材7の2条のリブ71における線材凹部70の両側の部位は、周溝22における凸部23の両側の部位によって形成される。すなわち、本実施形態においては、凸部23は長手方向の両端部が溝付ロール21における外周端よりも内側に位置しているため、周溝22における凸部23の両側の部位により、異形線条材7の2条のリブ71における線材凹部70の両側の部位を形成することができる。
次に、矯正工程においては、ピンチロール5によって矯正機3の上流側部位から下流側部位までの間に搬送された線材8の部位に張力を印加させつつ、矯正機3によって線材8に存在する曲がりくせを直線状に矯正する。
次に、切断工程においては、圧延工程により線材8の表面に凹凸形状が形成されると共に、その後の矯正工程により線材8に存在する曲がりくせが矯正された線材を、用途、要求に応じた長さに切断する。以上により、異形線条材7を製造する。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
異形線条材7の製造装置1において、周溝22に形成された凸部23は、溝付ロール21の外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向に対して傾斜するように形成されている。この傾斜形成された凸部23は、従来の傾斜していない凸部よりも、周方向に直交する方向の寸法が小さくなる。それゆえ、線材圧延時における凸部23と線材の表面との接触面積を、従来の場合よりも小さくすることができる。また、圧延時における凸部23と線材の接触面積の減少に伴って、凸部23により圧延する際の圧延荷重を従来よりも小さくすることができる。そのため、製造装置1においては、従来よりも圧延荷重の変動を抑制することができる。その結果、製造装置1においては、異形線条材7の安定した圧延状態を確保することができ、これにより、異形線条材7の寸法精度向上にも寄与することができる。
異形線条材7の製造装置1において、周溝22に形成された凸部23は、溝付ロール21の外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向に対して傾斜するように形成されている。この傾斜形成された凸部23は、従来の傾斜していない凸部よりも、周方向に直交する方向の寸法が小さくなる。それゆえ、線材圧延時における凸部23と線材の表面との接触面積を、従来の場合よりも小さくすることができる。また、圧延時における凸部23と線材の接触面積の減少に伴って、凸部23により圧延する際の圧延荷重を従来よりも小さくすることができる。そのため、製造装置1においては、従来よりも圧延荷重の変動を抑制することができる。その結果、製造装置1においては、異形線条材7の安定した圧延状態を確保することができ、これにより、異形線条材7の寸法精度向上にも寄与することができる。
また、周溝22の周方向のいずれの位置における横断面にも、凸部23が存在している。それゆえ、線材圧延時においては、線材8と凸部23とが常に接触した状態となる。そのため、線材圧延時において、従来のように線材と凸部とが接触する場合と接触しない場合とが交互に訪れることがなくなり、圧延荷重の変動を一層抑制することができる。
また、凸部23の周方向寸法は、隣り合う凸部23同士の間隙の周方向寸法よりも小さい。それゆえ、周方向に直交する方向における凸部23の寸法を、小さくすることができるため、線材圧延時において、凸部23が線材8に対して食い込みやすい。それゆえ、線材圧延時の圧延荷重を小さくすることができると共に、圧延荷重の変動も抑制できる。
また、異形線条材7の製造装置1においては、上述のごとく、線材圧延時の圧延荷重を小さくすることができるため、製造ラインにおいて多数の圧延機2を配置する必要がない。それゆえ、圧延機2の下流側に矯正機3を、矯正機3の下流側に切断機4を連続的に配置しても、製造設備全体が大きくなりすぎることがない。また、圧延機2、矯正機3、切断機4を上記位置関係にし、線材8の圧延工程、矯正工程、切断工程を連続的に行うことにより、これらの工程を別々に行う場合よりも製造コストの低減及びリードタイムの短縮を図ることができる。
また、凸部23は、溝付ロール21の外周面上において、その長手方向が、直交方向Xに対して20°〜70°傾斜するように形成される。それゆえ、上述した、「周溝22の周方向のいずれの位置における横断面においても、凸部23の存在する割合は70%以下である」という構成を、容易に実現することができる。また、圧延荷重を小さく保ちつつ、凹凸感のある異形線条材7を製造しやすい。
また、異形線条材7の製造方法においては、上述のごとく圧延荷重を小さくし、かつ、変動を抑制することができる異形線条材7の製造装置1を用いて異形線条材7を製造する。それゆえ、製造装置1の構造を従来よりも簡単なものとすることができ、設備コストの低減を図ることができると共に、異形線条材7を高い寸法精度にて製造することができる。そして、得られた異形線条材7は、鉄筋コンクリートに用いられる用途に好適に用いられるだけでなく、格子状に組み立てた組立体とすることによって、実施形態2に示すごとく、つる植物の登はん壁用部材として好適に用いることができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図8〜図10に示すごとく、実施形態1に示した製造方法によって製造される複数の異形線条材7を、格子状に交差させて接合してなる組立体10の実施形態である。
本実施形態は、図8〜図10に示すごとく、実施形態1に示した製造方法によって製造される複数の異形線条材7を、格子状に交差させて接合してなる組立体10の実施形態である。
実施形態1に示した製造方法によって製造された異形線条材7は、実施形態1で示した異形線条材7と同様の構造を有するが、本実施形態においは、異形線条材7の構造について、実施形態1よりも詳細に説明する。
異形線条材71は、直径6.0mm以下のステンレス鋼製線条材に冷間圧延を施して形成されている。具体的には、異形線条材71は、直径4.0mmのSUS304製丸鉄線に冷間圧延を施して形成されている。図6、図7に示すごとく、断面略円形状の線材本体部700と、線材本体部700の表面から突出する線材凸部73とを有している。そして、線材凸部73に取り囲まれ、線材本体部700の表面が露出している部分を線材凹部70とする。線材凸部73と線材凹部70との段差部分は、滑らかな曲面状に形成されている。
線材凸部73は、線材本体部700の線材軸方向に連続的に延びる2本のリブ71と、2本のリブ71を連結するとともに線材軸方向において間隔をあけて配置された多数の節部72とを有している。異形線条材7は、線材軸方向のいずれの位置においても、線材軸方向に直交する断面の外周部にリブ71と節部72とが存在している。
節部72は、その長手方向が線材軸方向に対して傾斜するように形成されている。本実施形態において、節部72は、その長手方向が線材軸方向に対して45°傾斜するように形成されている。
次に、上述した異形線条材7を、複数、格子状に交差させてなる組立体10の本実施形態について説明する。
組立体10の本実施形態は、例えば、朝顔等のつる植物のつるを絡ませるために用いるものとすることができる。
組立体10の本実施形態は、例えば、朝顔等のつる植物のつるを絡ませるために用いるものとすることができる。
図8に示すごとく、組立体10は、複数の異形線条材7を、格子状に交差させてなる組立本体部101と、組立本体部101の端縁を固定する矩形枠体形状を有するフレーム102とを有する。
なお、図10においては、フレーム102の図示を省略している。
なお、図10においては、フレーム102の図示を省略している。
図9、図10に示すごとく、組立本体部101は、異形線条材7を平面状に複数平行に並べた第一線条材群103と、これらと直交する方向に複数の異形線条材7を平面状に平行に並べた第二線条材群104とを重ねて格子状にしてある。第一線条材群103、第二線条材群104のそれぞれにおいて、複数の異形線条材7は、互いに一定間隔をあけて配置されている。第一線条材群103、第二線条材群104のそれぞれにおいて隣り合う異形線条材7同士の間の間隔は、100mmである。すなわち、格子状に形成された組立本体部101は、マス目の縦及び横の長さがいずれも100mmとなる。
第一線条材群103と第二線条材群104との積層方向に重なる異形線条材7同士は、溶接にて接合されている。本実施形態においては、上記積層方向に重なる異形線条材7同士は、スポット溶接されている。また、本実施形態において、上記積層方向に重なる異形線条材7同士は、互いに、リブ71を当接させた状態にてスポット溶接されている。
また、組立本体部101は、その全周がフレーム102に固定されている。
また、組立本体部101は、その全周がフレーム102に固定されている。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
この上記組立体10は、上記製造方法により得られた異形線条材7によって構成されている。この異形線条材7は、表面に凹凸形状が施されている。そのため、この異形線条材7を格子状に配置した組立体10は、例えば朝顔等のつる植物のつるを絡ませるためのもの登はん壁用部材として利用することができる。そして、この場合には、異形線条材7が有する表面の凹凸形状が、つるが巻きつく際のすべり止めとしての機能を発揮するので、登はん壁用部材に従来用いられていたすべり止め機能を向上させるためのマット等を用いる必要がない。当該マット等は、比較的寿命が短く、取り替えることも必要であったが、組立体10においては取り替えが必要な部分がなく、低コストの登はん壁用部材を得ることができる。
この上記組立体10は、上記製造方法により得られた異形線条材7によって構成されている。この異形線条材7は、表面に凹凸形状が施されている。そのため、この異形線条材7を格子状に配置した組立体10は、例えば朝顔等のつる植物のつるを絡ませるためのもの登はん壁用部材として利用することができる。そして、この場合には、異形線条材7が有する表面の凹凸形状が、つるが巻きつく際のすべり止めとしての機能を発揮するので、登はん壁用部材に従来用いられていたすべり止め機能を向上させるためのマット等を用いる必要がない。当該マット等は、比較的寿命が短く、取り替えることも必要であったが、組立体10においては取り替えが必要な部分がなく、低コストの登はん壁用部材を得ることができる。
なお、本実施形態において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
また、本実施形態において、組立体は、つる植物のつるを絡ませるための登はん壁用部材としたが、その他の用途に用いることもできる。
また、本実施形態において、組立体は、つる植物のつるを絡ませるための登はん壁用部材としたが、その他の用途に用いることもできる。
1 製造装置
2 圧延機
21 溝付ロール
22 周溝
23 凸部
7 異形線条材
8 線材
2 圧延機
21 溝付ロール
22 周溝
23 凸部
7 異形線条材
8 線材
Claims (7)
- 線材(8)の表面に凹凸形状を形成するための一対の溝付ロール(21)を備える圧延機(2)を有する異形線条材(7)の製造装置(1)であって、
上記各溝付ロール(21)は、その外周面に、周方向に直交する横断面の形状が円弧状である周溝(22)を有し、
該周溝(22)には、周方向に互いに間隔をあけて複数の帯状の凸部(23)が形成されており、
該凸部(23)は、長手方向の少なくとも一方の端部が上記溝付ロール(21)における外周端よりも内側に位置しており、上記溝付ロール(21)の外周面上において、長手方向が周方向に直交する方向(X)に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする異形線条材(7)の製造装置(1)。 - 上記周溝(22)の周方向のいずれの位置における上記横断面にも、上記凸部(23)が存在していることを特徴とする請求項1に記載の異形線条材(7)の製造装置(1)。
- 上記凸部(23)の周方向寸法は、隣り合う上記凸部(23)同士の間隙の周方向寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の異形線条材(7)の製造装置(1)。
- 上記圧延機(2)の下流側に配され、該圧延機(2)から導出される線材(8)を直線状に矯正する矯正機(3)と、該矯正機(3)の下流側に配され、該矯正機(3)から導出される線材(8)を所定長さに切断する切断機(4)と、をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の異形線条材(7)の製造装置(1)。
- 上記凸部(23)は、その長手方向が、周方向に直交する方向(X)に対して20°〜70°傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の異形線条材(7)の製造装置(1)。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載した異形線条材(7)の製造装置(1)を用いて製造することを特徴とする異形線条材(7)の製造方法。
- 請求項6に記載の製造方法によって製造される複数の異形線条材(7)を、格子状に交差させて接合してなることを特徴とする組立体(10)。
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JP2015120311A JP2017001082A (ja) | 2015-06-15 | 2015-06-15 | 異形線条材の製造装置及び製造方法並びに組立体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018128189A1 (ja) | 2017-01-06 | 2018-07-12 | 住友大阪セメント株式会社 | 酸化ケイ素被覆紫外線遮蔽粒子、酸化ケイ素被覆紫外線遮蔽粒子含有水系組成物、化粧料 |
BE1029201B1 (nl) * | 2021-03-16 | 2022-10-17 | Dubaere | Walsrol, walsmachine en werkwijze voor het koudwalsen van walsdraad tot koud getrokken draad met een profiel |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227818A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Aiko Kk | コンクリート鉄筋用ステンレス異形線条材 |
-
2015
- 2015-06-15 JP JP2015120311A patent/JP2017001082A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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