以下、本発明を具体化した第1から第4実施形態について、図面を参照して順に説明する。図1を参照して、第1から第4実施形態に共通する印刷装置1の構成について説明する。以下の説明では、図1の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、及び下側を、それぞれ印刷装置1の後側、前側、右側、左側、上側、及び下側とする。図4、図7及び図9における、基準面上の印刷対象の配置を説明する図では、装着対象物の図示を省略し、印刷対象の印刷範囲を太線で模式的に示している。長さの単位はmmとする。
印刷装置1は、テープ状の印刷媒体50の幅方向(矢印71で示す方向)に、行単位でキャラクタ(文字、記号及び数字等)を印刷可能な印刷装置である。図1に示すように、印刷装置1の上面には、Enterキー11を含む、キャラクタを入力するためのキーボード3が設けられている。キーボード3の後側(紙面右上側)には、電源キー、決定キー、印刷キー、上下左右キー12、及び角度設定キー13等を含む機能キー群4が設けられている。以下の説明では、機能キー群4とキーボード3とを総称する場合、操作部2という。機能キー群4の後側には、入力したキャラクタ等を表示するためのディスプレイ5が設けられている。印刷装置1の上面の後部には、開閉可能なカバー6が設けられている。カバー6は、カバー6の後端部の左右方向を支点として開閉自在である。印刷装置1の左後角には、切断された印刷済みの印刷媒体50を受けるテープトレイ7が設けられている。
ディスプレイ5の後側には、カセット装着部8が設けられている。カセット装着部8には、テープカセット30が上下方向に着脱される。テープカセット30の内部には、印刷媒体50とインクリボン(図示略)が巻回されて収納されている。印刷媒体50は、例えば、片面に剥離紙が設けられ、剥離紙を剥離して他の物体に貼り付けることが可能なラベルテープである。印刷装置1のカセット装着部8には、リボン巻取軸9、テープ駆動軸(図示略)、プラテンローラ(図示略)、及びサーマルヘッド10(図2参照)等が設けられている。リボン巻取軸9は、インクリボンを巻き取る。テープ駆動軸は、印刷媒体50を搬送する。サーマルヘッド10は、インクリボンを加熱して印刷を行う。
印刷装置1が印刷を実行する際には、リボン巻取軸9によって、インクリボンが引き出されながら、テープ駆動軸とプラテンローラとによって印刷媒体50が搬送される。そして、印刷媒体50とインクリボンとがプラテンローラによってサーマルヘッド10に押し付けられながら、サーマルヘッド10によってインクリボンを介して印刷媒体50に印刷が行われる。印刷された印刷媒体50は、印刷媒体50の搬送経路上に設けられた移動刃(図示略)によって切断され、印刷装置1の外部に排出される。
カセット装着部8には、種々のテープカセット30を装着可能である。テープカセット30は、テープカセット30の種類を示す指標部800を備える。指標部800は、テープの種類に応じて規定のパターンで設けられた少なくとも1つの孔部801を含む。各孔部801は、印刷装置1に設けられた検出部23(図2参照)が備える5つの検出スイッチ(図示略)のうち何れかに対応する位置に設けられる。よって、印刷装置1にテープカセット30が装着されると、検出スイッチは、指標部800によって選択的に押圧される。印刷装置1では、このときの検出スイッチのオン・オフの組合せに基づいて、テープカセット30の種類が検出される。
図2を参照して、印刷装置1の電気的構成について説明する。図2に示すように、印刷装置1は、CPU401、ROM402、CGROM403、RAM404、及びフラッシュメモリ409を備える。ROM402、CGROM403、RAM404、及びフラッシュメモリ409は、それぞれCPU401に電気的に接続されている。
ROM402には、印刷装置1の制御上必要な各種のプログラム等が記憶されている。CPU401は、これらのプログラムに基づいて各種演算を行う。CGROM403には、各種キャラクタを印刷するための印刷用ドットパターンデータが、書式及びサイズ毎に分類され、コードデータに対応させて記憶されている。したがって、印刷装置1は、キャラクタ、書式及びサイズが定まれば、印刷対象の大きさを特定可能である。RAM404には、テキストメモリ、及びプリントバッファ等、複数の記憶エリアが設けられている。テキストメモリには、キーボード3から入力された印刷対象のデータが格納される。プリントバッファには、印刷対象の印刷用ドットパターンが格納される。その他記憶エリアには、各種演算データ等が記憶される。
フラッシュメモリ409は、テープ種類テーブル410、設定値記憶エリア411、及びその他の記憶エリア412を備える。テープ種類テーブル410は、検出部23の検出結果に対応して予め定められたIDに対応付けて、テープカセット30の属性が定義されたテーブルである。テープ種類テーブル410には、例えば、複数種類のIDの各々に対応づけて、テープカセット30の幅、種類等が定義されている。幅は、印刷媒体であるテープの幅(長手方向に直交する、図1の矢印71で示す方向の長さ)である。種類は、テープの素材および態様を示す。種類には、例えば、ラミネート、レセプタ、熱収縮、及び布がある。「ラミネート」は、樹脂製の透明フィルムテープに印刷がなされた後、印刷面に両面粘着テープが貼り合わせられる態様を示す。「レセプタ」は、樹脂製の片面粘着テープに印刷が行われる態様を示す。「熱収縮」は、加熱することで熱収縮する素材で形成された面と、熱収縮しない素材で形成された面とで形成された筒状のテープに印刷が行われる態様を示す。「布」は、感熱性の接着剤が一面に塗布された布テープに印刷が行われる態様を示す。設定値記憶エリア411には、印刷領域を特定する処理で用いられる余白の大きさを含む各種設定値が記憶されている。その他の記憶エリア412は、各種演算データ等が記憶される。
印刷装置1はさらに、検出部23、操作部2、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406から408を備える。検出部23、操作部2、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406から408は、それぞれCPU401に電気的に接続されている。駆動回路406は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路407は、リボン巻取軸9(図1参照)及びテープ駆動軸(図示略)を回転させるテープ送りモータ24を駆動するための電子回路である。駆動回路408は、印刷装置1の外部に排出される印刷済みの印刷媒体50を切断する移動刃(図示略)を動作させるカッターモータ25を駆動するための電子回路である。液晶駆動回路(LCDC)405は、ディスプレイ5にキャラクタ等を出力するための電子回路である。
次に、図3及び図4を参照して、第1実施形態で実行される印刷処理の概要について説明する。印刷装置1は、印刷済みの印刷媒体を円筒の曲面に沿って配置する場合の、印刷対象の配置をユーザが指定する機能を有する。ここでいう曲面は、ケーブルの側面等の現実の曲面でもよいし、仮想的な曲面でもよい。印刷対象の配置は、円筒の径と、円筒の中心軸線に直交する平面(以下、「基準面」ともいう。)における印刷対象の配置角度とを指定することによって行われる。配置角度は、基準線分と、対象線分とがなす角の角度を表す。基準線分は、基準面において、中心軸線と、円筒の曲面上の基準点とを結ぶ線分である。対象線分は、基準面において、円筒の中心軸線と、印刷対象の代表点とを結ぶ線分である。基準点、基準線、基準面及び代表点は適宜設定可能である。
一例として、図3に示すように、ケーブル60の側面61に、印刷済みの熱収縮テープ57を加熱固定する場合について説明する。熱収縮テープ57は、加熱することで熱収縮する素材で形成された面59(以下、「収縮面59」ともいう。)と、加熱により収縮しない素材で形成された面58(以下、「非収縮面58」ともいう。)とをつなぎ合わせた筒状、長尺状のテープである。熱収縮テープ57は、非収縮面58が印刷面に、収縮面59が裏面になるように扁平状に押しつぶされた状態で、テープカセット30に収容されている。印刷済みの熱収縮テープ57は、テープカセット30から排出され、切断された後、図3のC1で示すように展開される。図3のC2で示すように、筒状に展開された熱収縮テープ57に、装着対象物であるケーブル60が挿通された後、ドライヤー等によって加熱される。これにより熱収縮テープ57の収縮面59が収縮し、図3のC3で示すように、熱収縮テープ57はケーブル60の側面61に固定される。
印刷済みの印刷媒体を円筒の曲面に沿って配置する場合の、印刷対象の配置を設定するための各種条件(以下、「配置設定条件」ともいう。)は、予め設定されていてもよいし、ユーザが指定してもよい。第1実施形態では配置設定条件が以下のように予め設定されている。以下の説明において、印刷媒体(印刷領域)及び印刷対象の大きさを表す方向のうち、印刷済みの印刷媒体を円筒の曲面に沿って配置する場合の、円筒(曲面)の周方向(図3の矢印161で示す方向)に対応する方向を、円周対応方向ともいう。印刷媒体(印刷領域)の大きさを表す方向は、印刷媒体(印刷領域)の幅方向と、長さ方向とする。印刷対象の大きさを表す方向は、印刷対象の高さ方向(例えば、横書きのキャラクタの上下方向)と、長さ方向(例えば、横書きのキャラクタの左右方向)とする。印刷媒体及び印刷対象の大きさを表す方向のうち、印刷済みの印刷媒体を円筒の曲面に沿って配置する場合の、円筒(曲面)の延伸方向(図3の矢印162で示す方向)に対応する方向を、延伸対応方向ともいう。
熱収縮テープ57の幅方向(矢印71で示す方向)が、円周対応方向である。熱収縮テープ57の長手方向(矢印72で示す方向)が、延伸対応方向である。印刷装置1は、ユーザが指定する1つの印刷対象(図3では、キャラクタ「Cable A」)に基づき、第1印刷対象73及び第2印刷対象74を特定する。第2印刷対象74は、第1印刷対象73を180度回転させたキャラクタである。印刷対象の円周対応方向は、印刷対象の高さ方向とする。印刷装置1は、熱収縮テープ57の幅方向の中心線41を挟んで、中心線41と平行に第1印刷対象73の高さ方向の中心線49及び第2印刷対象74の高さ方向の中心線51を配置する。基準点は、基準面上の第1印刷対象73の高さ方向の中心線49(図4の中心点77)とする。代表点は、基準面上の第2印刷対象74の高さ方向の中心線51(図4の中心点79)とする。ユーザは、基準線分78と、対象線分80とがなす角63の角度を指定する。基準面81において、中心軸線62と、中心線41(点75)とを結ぶ線分76は、角63を当分する。
図5から図7を参照して、第1の実施形態の印刷処理について説明する。図5及び図6に示す処理は、印刷装置1において、電源がオンにされ、操作部2を介して印刷対象のデータが入力されると開始され、ROM402に記憶されたプログラムに従って、CPU401によって実行される。処理の過程で得られたデータは適宜RAM404に記憶される。具体例1として、印刷対象がキャラクタ「Cable A」であり、配置角度が120度であり、ケーブルの直径が12mmである場合を想定する。具体例2として、印刷対象がキャラクタ「Cable A」であり、配置角度が180度であり、ケーブルの直径が12mmである場合を想定する。
図5に示すように、印刷処理ではまず、印刷処理を終了するか否かが判断される(S1)。印刷装置1は、電源がOFFにされた場合に(S1:YES)、印刷処理を終了する。電源がOFFにされていない場合(S1:NO)、角度設定キー13が押下されたか否かが判断される(S3)。角度設定キー13が押下された場合(S3:YES)、後述する第1印刷処理が実行され(S5)、処理はS1に戻る。テキスト入力キー(図示略)が押下された場合(S3:NO、S7:YES)、テキスト入力処理が実行され(S9)、処理はS1に戻る。具体例1及び2では、S9において、ユーザがキーボード3を操作して入力したキャラクタ「Cable A」が、印刷対象として受け付けられる。印刷キー(図示略)が押下された場合には(S3:NO、S7:NO、S11:YES)、第2印刷処理が実行され(S13)、処理はS1に戻る。第2印刷処理では、S9で入力されたテキストを印刷媒体に印刷する処理が実行される。その他のキーが押下された場合(S3:NO、S7:NO、S11:NO)、押下されたキーに対応するその他の処理が実行され(S15)、処理はS1に戻る。
図6を参照して、図5のS5で実行される第1印刷処理について説明する。第1印刷処理ではまず、印刷対象が特定される(S19)。具体例1及び2では、図5のS9のテキスト入力処理で入力されたキャラクタ「Cable A」が第1印刷対象として特定される。また、第1印刷対象を180度回転させたキャラクタが第2印刷対象として特定される。
次に、設定画面がLCD5に表示される(S21)。設定画面には、カーソルと、径入力欄と、角度入力欄とが含まれる。径入力欄は、ケーブルの直径を数値で入力する欄である。角度入力欄は、配置角度を数値で入力する欄である。カーソルは、上下左右キー12によって、径入力欄又は角度入力欄に移動する。カーソルで選択されている欄の数値は、上下左右キー12によって、変更可能である。
次に、Enterキー11が押下された場合(S23:YES)、後述するS25の処理が実行される。径入力欄にカーソルが配置されている状態で、上下左右キー12が操作され、径入力欄の数値が変更された場合(S23:NO、S31:YES)、変更後の数値がケーブルの直径として特定される。特定されたケーブルの直径に基づき、ケーブルの円周の長さが特定される(S33)。具体例1及び2では、ケーブル60の直径として12mmが入力され、38mm(=12mm×円周率)がケーブル60の円周の長さとして特定される。次に、処理はS23に戻る。
角度入力欄にカーソルが配置されている状態で、上下左右キー12が操作され、角度入力欄の数値が変更された場合(S23:NO、S31:NO、S35:YES)、変更後の数値に基づき、角度が特定される(S37)。具体例1では、配置角度が120度であると特定される。具体例2では、配置角度が180度であると特定される。次に、処理はS23に戻る。
Enterキー11及び上下左右キー12以外のキーが操作された場合(S23:NO、S31:NO、S35:NO)、処理はS23に戻る。S25では、S19で特定された印刷対象の大きさが特定される(S25)。本実施形態では、印刷対象の高さPTHと長さPTLとを、印刷対象の大きさとして特定する。第1実施形態では、第1印刷対象と、第2印刷対象との大きさは同じである。第1印刷対象及び第2印刷対象の大きさは、S19で特定されたキャラクタと、書式と、サイズと、CGROM403に記憶されている設定値とに基づき特定される。具体例1及び2では、第1印刷対象73及び第2印刷対象74の大きさとして、高さPTHが5mmであり、長さPTLが22mmであると特定される。
次に、印刷領域の大きさが特定される(S27)。第1実施形態では、まず印刷媒体の大きさを特定し、印刷媒体の大きさから所定の余白を差し引いた領域を印刷領域とする。印刷媒体の大きさは、印刷媒体の幅PMWと、長さPMLとによって表される。幅PMWは、検出部23から出力される信号に基づき特定されるIDと、フラッシュメモリ409に記憶されているテープ種類テーブル410とに基づき特定される。長さPMLは、S25で特定された印刷対象の長さPTLに予め設定された長さPL(例えば、13mm)を加えた値である。印刷領域の大きさは、印刷領域の幅PAWと、長さPALとによって表される。説明を簡単にするために、本実施形態では余白を0mmとする。したがって具体例1及び2では、印刷領域の大きさは、幅PAWが24mmと、長さPALが35mmと特定される。
次に、熱収縮テープ57の幅方向(矢印71で示す方向)における、第1印刷対象73と、第2印刷対象74との間の間隔Dが設定される(S29)。間隔D(mm)は、式(1)に基づき計算される。
間隔D(mm)=(S33で特定された円周の長さ(mm))×(S37で特定された角度(度))/(360(度)) ・・・式(1)
具体例1では、間隔Dは13mmである。具体例2では、間隔Dは19mmである。
次に、間隔Dと、印刷対象の円周対応方向の長さPTCLとの和が印刷領域の円周対応方向の長さPACLよりも小さいか否かが判断される(S39)。S39の処理は、印刷領域内に印刷対象を配置可能か否かを判断するための処理である。第1実施形態の長さPTCLは、印刷対象の高さPTHであり、長さPACLは、印刷領域の幅PAWである。間隔Dと高さPTHとの和が幅PAWよりも小さい場合(S39:YES)、CPU401は、S29で設定した間隔Dに基づき、S19で特定した印刷対象を印刷領域内に配置することができる。したがって、S33で特定した円周の長さと、S35で特定した角度と、S27で特定した印刷媒体の大きさとに基づいて、代表点(中心点79)と、基準点(中心点77)との間の距離が間隔Dに設定され、印刷領域内に印刷対象が配置される(S41)。
具体例1では、間隔Dと高さPTHとの和は18mmであり、幅PAWの24mmより小さい(S39:YES)。したがって、第1印刷対象73及び第2印刷対象74は、図7のC11に示すように配置される(S41)。図7のC11に示すように、印刷領域40は、幅PAWが24mmに、長さPALが35mmに設定される。印刷領域40の幅方向の中心線41から間隔D/2(矢印42で示す長さ)紙面下方の位置に、第1印刷対象73の高さ方向の中心線49が配置される。印刷領域40の幅方向の中心線41から間隔D/2(矢印43で示す長さ)紙面上方の位置に、第2印刷対象74の高さ方向の中心線51が配置される。中心線49と中心線51との間の距離は間隔Dである。このような配置は、例えば、中心線41から紙面下方に間隔D/2離れた位置に、第1印刷対象73の高さ方向の中心線49を配置した後に、中心線49から紙面上方に間隔D離れた位置に、第2印刷対象74の高さ方向の中心線51を配置することによって実現してもよい。また例えば、中心線49と、中心線51との間の距離を間隔Dに設定した状態で第1印刷対象73と第2印刷対象74を1つの印刷対象とみなし、その1つの印刷対象を円周対応方向に対してセンタリングすることによって実現してもよい。第1印刷対象73及び第2印刷対象74の、延伸対応方向の位置は、印刷領域40に対してセンタリングされている。印刷済みの熱収縮テープ57をケーブル60に加熱固定した場合、基準面における基準線分78と、対象線分80とがなす角63の角度は120度となる。
間隔Dと、印刷対象の円周対応方向の長さPTCL(高さPTH)との和が印刷領域の円周対応方向の長さPACL(幅PAW)以上である場合(S39:NO)、印刷装置1は、印刷対象を印刷領域内に収めることができない。したがって、印刷対象の円周対応方向の長さPTCL(高さPTH)との和が印刷領域の円周対応方向の長さPACL(幅PAW)よりも小さくなるように、間隔Dが再設定される(S43)。具体例2では、間隔Dと高さPTHとの和は24mmであり、幅PAWの24mmと等しい(S39:NO)。印刷装置1において間隔Dが1mm単位で設定される場合、間隔Dは18mmに再設定される(S43)。次に、中心線49と中心線51との間の距離がS43で設定された間隔Dに設定され、印刷領域内に印刷対象が配置される(S45)。具体例2では、図7のC12のように配置される。
図7のC12に示すように、印刷領域40の幅方向において、中心線41から間隔D/2紙面下方の位置に、中心線49が配置される。中心線41から間隔D/2紙面上方の位置に、中心線51が配置される。これにより、中心線49と、中心線51との間の距離は間隔D(18mm)になる。印刷済みの熱収縮テープ57をケーブル60に加熱固定した場合、基準面における基準線分178と、対象線分180とがなす角163の角度は、ユーザが入力した180度に比較的近い171度となる。
S41又はS45の次に、S41又はS45で決定された配置で、印刷が実行される(S47)。第1印刷処理は以上で終了し、処理は図5の印刷処理に戻る。
第1実施形態の印刷処理では、印刷済みの熱収縮テープ57を円筒状の曲面を側面とするケーブル60に加熱固定することを想定し、ユーザは、配置角度とケーブル60の直径とを入力する。印刷装置1は、円筒状のケーブル60の中心軸線62に直交する基準面81において、基準線分78と対象線分80とが入力された角度となるように、基準点(中心点77)と、代表点(中心点79)との間の距離を設定する。したがってユーザは、印刷済みの印刷媒体を円筒状の曲面に沿って配置することを想定した場合の印刷対象の配置を容易に設定することができる。印刷装置1は、ユーザが指定した配置角度に基づき、基準点と、代表点との間の距離を設定した場合に、第1印刷対象73及び第2印刷対象74を印刷領域内に配置することができない場合には、間隔Dを再設定する。したがって、印刷装置1は、ユーザが指定した配置角度を考慮しつつ、第1印刷対象73及び第2印刷対象74を確実に印刷領域内に配置することができる。
図5から図7を参照して、第2実施形態の印刷装置1で実行される印刷処理について説明する。図示しないが、第2実施形態の印刷処理は、図5及び図6に示す第1実施形態の印刷処理と、基本的に同じ処理が実行される。ただし、第2実施形態では配置設定条件が第1実施形態と異なるため、図6のS19の処理、S27の処理及びS39からS45の処理において異なる。以下、第1実施形態と同様な処理については説明を省略し、第1実施形態と異なる処理について説明する。第2実施形態の印刷処理は、印刷装置1において、電源がオンにされ、操作部2を介して印刷対象のデータが入力されると開始され、ROM402に記憶されたプログラムに従って、CPU401によって実行される。
まず、第2実施形態における配置設定条件について説明する。印刷媒体を、ラミネートタイプの印刷テープとする。印刷テープ(印刷領域)及び印刷対象の円周対応方向はユーザが選択可能である。印刷装置1は、ユーザが指定した1つの印刷対象に基づき、第1印刷対象と、第2印刷対象とを特定する。第1実施形態とは異なり、第1印刷対象と、第2印刷対象とは、向きが同じである。印刷装置1は、印刷テープの円周対応方向の中心線を挟んで、該中心線と平行に第1印刷対象の円周対応方向の中心線及び第2印刷対象の円周対応方向の中心線を配置する。基準点は、基準面上の第1印刷対象の円周対応方向の中心点とする。代表点は、基準面上の第2印刷対象の円周対応方向の中心点とする。
具体例3として、印刷対象がキャラクタ「Cable A」であり、配置角度が120度であり、ケーブルの直径が12mmであり、印刷テープの円周対応方向は印刷テープの長さ方向であり、印刷対象の円周対応方向が印刷対象の高さ方向である場合を想定する。具体例4として、印刷対象がキャラクタ「PC」であり、配置角度が120度であり、ケーブルの直径が12mmであり、印刷テープの円周対応方向は印刷テープの長さ方向であり、印刷対象の円周対応方向が印刷対象の長さ方向である場合を想定する。
図6のS19では、印刷対象が特定される(S19)。具体例3では、図5のS9のテキスト入力処理で入力されたキャラクタ「Cable A」が第1印刷対象273及び第2印刷対象274として特定される。具体例4では、キャラクタ「PC」が第1印刷対象275及び第2印刷対象276として特定される。
図6のS27では、印刷領域の大きさが特定される(S27)。第2実施形態では、まず印刷媒体の大きさを特定し、印刷媒体の大きさから所定の余白を差し引いた領域を印刷領域とする。印刷媒体の大きさは、印刷媒体の幅PMWと、長さPMLとによって表される。幅PMWは、第1実施形態の方法と同様に特定される。長さPMLは、印刷テープの円周対応方向に応じて特定方法が異なる。印刷テープの円周対応方向が印刷テープの幅方向である場合には、長さPMLは、第1実施形態と同様に特定される。印刷テープの円周対応方向が印刷テープの長さ方向である場合には、長さPMLは、S33で特定された円周の長さに予め設定された長さBS(例えば、5mm)を加えた値である。長さBSは、印刷テープをケーブルに巻き付けた場合に、印刷テープが重なりあう部分を想定して設定される。即ち本実施形態では、印刷テープの円周対応方向が印刷テープの長さ方向である場合に、印刷テープがケーブルの側面を1周以上巻けるように、印刷媒体の長さが設定される。印刷領域の大きさは、印刷領域の幅PAWと、長さPALとによって表される。説明を簡単にするために、第2実施形態では余白を0mmとする。印刷テープをケーブルに巻き付けた際に、上述の重なる部分のうち下側に配置される部分は、上側に配置される部分によって覆われてしまうため、印刷領域に含めない。したがって、具体例3及び4では、印刷領域の大きさは、幅PAWが24mmであり、長さPALが38mm(=円周の長さ)であると特定される。
図6のS39では、間隔Dと、印刷対象の円周対応方向の長さPTCLとの和が印刷領域の円周対応方向の長さPACLよりも小さいか否かが判断される(S39)。具体例3の長さPTCLは、印刷対象の高さPTHであり、長さPACLは、印刷領域の長さPALである。したがって具体例3では、間隔Dと高さPTHとの和は18mmであり、長さPALの38mmよりも小さい(S39:YES)。よって、S33で特定した円周の長さと、S35で特定した角度と、S27で特定した印刷媒体の大きさとに基づいて、代表点と、基準点との間の距離が間隔Dに設定され、図7のC13に示すように印刷領域240内に第1印刷対象273及び第2印刷対象274が配置される(S41)。
図7のC13に示すように、印刷領域240は、幅PAWが24mmに、長さPALが38mmに設定される。印刷領域240の長さ方向の中心線241から間隔D/2紙面右方の位置に、第1印刷対象273の高さ方向の中心線249が配置される。印刷領域の長さ方向の中心線241から間隔D/2紙面左方の位置に、第2印刷対象274の高さ方向の中心線251が配置される。中心線249(基準点)と中心線251(代表点)との間の距離は間隔Dである。印刷済みの印刷テープ257をケーブル60に巻き付けた場合、基準面における基準線分278と、対象線分280とがなす角263の角度は120度となる。
同様に、具体例4の長さPTCLは、印刷対象の長さPTLであり、長さPACLは、印刷領域の長さPALである。間隔Dと長さPTLとの和は19mmであり、長さPALの38mmよりも小さいため(S39:YES)、第1印刷対象275及び第2印刷対象276は、図7のC14に示すように配置される。図7のC14に示すように、中心線241から間隔D/2紙面右方の位置に、第1印刷対象275の長さ方向の中心線252が配置される。中心線241から間隔D/2紙面左方の位置に、第2印刷対象276の長さ方向の中心線253が配置される。中心線252(基準点)と中心線253(代表点)との間の距離は間隔Dである。印刷済みの印刷テープ257をケーブル60に巻き付けた場合、基準面における基準線分281と、対象線分282とがなす角264の角度は120度となる。
間隔Dと長さPTCLとの和が長さPACL以上の場合(S39:YES)、第1実施形態と同様に間隔Dが再設定され(S43)、配置が決定される(S45)。
第2実施形態の印刷装置1では、印刷領域の円周対応方向と、印刷対象の円周対応方向とをユーザが選択することができる。したがって、印刷装置1では、印刷対象を印刷領域内に配置する際の自由度を向上させることができる。また、印刷媒体の円周対応方向を印刷媒体の長さ方向とした場合には、印刷媒体の長さPMLを、印刷媒体がケーブルを1周以上巻き付けることができる長さとすることができる。
図5、図6、図8及び図9を参照して、第3実施形態の印刷装置1で実行される印刷処理について説明する。図示しないが、第3実施形態の印刷処理は、図5及び図6に示す第1実施形態の印刷処理と、図6のS19の処理及びS25の処理において異なり、他の処理は同様である。第1実施形態の印刷処理と異なる処理について説明し、第1実施形態の印刷処理と同様な処理については説明を省略する。第3実施形態の印刷処理は、印刷装置1において電源がオンにされ、操作部2を介して印刷対象のデータが入力されると開始され、ROM402に記憶されたプログラムに従って、CPU401によって実行される。
第3実施形態では配置設定条件が以下のように予め設定されている。印刷媒体を熱収縮テープとする。図3に示す説明図において、熱収縮テープ57の幅方向が、円周対応方向である。熱収縮テープ57の長手方向さが、延伸対応方向である。印刷装置1は、ユーザが指定する1つの印刷対象に基づき、ユーザが指定する数N(Nは自然数)の印刷対象を特定する。第1実施形態とは異なり、N個の印刷対象はすべて、向きが同じである。印刷装置1は、熱収縮テープ57の幅方向の中心線と平行に、第N印刷対象の中心線をそれぞれ配置する。基準点は、基準面上の第N印刷対象の高さ方向の中心線とする。代表点は、基準面上の第(N+1)印刷対象の高さ方向の中心線とする。具体例5として、前述の具体例1の条件に加え、数Nとして2が指定された場合を想定する。
S19では、ユーザが指定する1つの印刷対象に基づき、ユーザが指定する数Nの印刷対象を特定する。具体例5では、キャラクタ「Cable A」が第1印刷対象373及び第2印刷対象374として特定される。
S25では、図8に示す印刷対象の大きさ特定処理が実行される。図8に示すように、印刷対象の大きさ特定処理まず、印刷対象の数Nと、印刷領域の円周対応方向の長さを印刷対象の数Nで割った値Sが特定される(S51)。第3実施形態における印刷領域の円周対応方向の長さは、熱収縮テープ57の幅PAWである。幅PAWが24mmである場合、具体例5の値Sは12mm(=24mm/2)であり、10mmよりも大きい(S53:YES)。したがって、第1印刷対象373及び第2印刷対象374の高さPTHに7mmが設定される(S55)。即ち、第1印刷対象373及び第2印刷対象374のキャラクタのサイズが設定される。これにより印刷対象全体の大きさが定まる。具体例5では、高さPTHが7mmである場合、長さPTLは、30mmであると特定される。値Sが8mm以上、10mm未満である場合(S53:NO、S57:YES)、高さPTHに5mmが設定される(S59)。S59ではさらに、高さPTHが5mmである場合に対応する、長さPTLが特定される。値Sが8mm未満の場合(S53:NO、S57:NO)、高さPTHに3mmが設定される(S61)。S61ではさらに、高さPTHが3mmである場合に対応する、長さPTLが特定される。S55、S59又はS61の次に、印刷対象の大きさ特定処理は以上で終了する。
第3実施形態の印刷処理によって、具体例5の第1印刷対象373及び第2印刷対象374は、図9のC21のように配置される。図9のC21に示すように、印刷領域340は、幅PAWが24mmに、長さPWLが43mm(=30mm+13mm)に設定される。第1印刷対象373及び第2印刷対象374の高さPTHは7mmである。第1印刷対象373の高さ方向の中心線349(基準点)と、第2印刷対象374の高さ方向の中心線351(代表点)との間の距離は間隔Dになる。印刷済みの熱収縮テープ57をケーブル60に加熱固定した場合、基準面における基準線分378と、対象線分380とがなす角363の角度は120度となる。
第3実施形態の印刷装置1によれば、印刷対象の数と、印刷領域の大きさとを考慮して、印刷対象の大きさを適切に設定することができる。このため印刷装置1は、印刷領域の大きさに対して、印刷対象の大きさを大きくしすぎたり、小さくしすぎたりといった事態を確実に回避することができる。また印刷装置1は、ユーザが印刷対象の大きさを設定する手間を省くことができる。
図5、図6、図9及び図10を参照して、第4実施形態の印刷装置1で実行される印刷処理について説明する。図示しないが、第4実施形態の印刷処理は、図5及び図6に示す第1実施形態の印刷処理と、以下の点において異なる。第4実施形態の印刷処理では、図6のS19の前に、図10に示す角度特定処理が実行される。また、第4実施形態の印刷処理では、図6のS35及びS37が実行されず、Enterキー11及び上下左右キー12以外のキーが操作された場合(S23:NO、S31:NO)、処理はS23に戻る。第1実施形態の印刷処理と異なる処理について説明し、第1実施形態の印刷処理と同様な処理については説明を省略する。第4実施形態の印刷処理は、印刷装置1において、電源がオンにされ、操作部2を介して印刷対象のデータが入力されると開始され、ROM402に記憶されたプログラムに従って、CPU401によって実行される。
第4実施形態では設定配置条件が以下のように予め設定されている。印刷媒体を、ラミネートタイプの印刷テープとする。印刷テープの長手方向が、円周対応方向である。印刷テープの幅方向が延伸対応方向である。印刷装置1は、印刷対象のキャラクタの大きさと、ケーブルの円周の長さとに応じて、印刷対象の数Nと、印刷対象の配置角度とを設定する。印刷装置1は、ユーザが指定した1つの印刷対象に基づき、N個の印刷対象を特定する。第N印刷対象の基準点は、Nが1の場合は、印刷領域の円周対応方向の中心線上の点とする。Nが2以上の場合は、第(N−1)印刷対象の円周対応方向の中心点とする。代表点は、基準面上の第N印刷対象の円周対応方向の中心点とする。印刷装置1は、印刷対象が複数行にわたるキャラクタである場合には、印刷対象の大きさを複数行のキャラクタ全体の大きさとする。
具体例6として、印刷対象がキャラクタ「Cable A」であり、印刷対象の高さPTHが5mmであり、ケーブルの直径が12mmである場合を想定する。具体例7として、印刷対象がキャラクタ「Cable(改行)PC」であり、印刷対象の高さPTHが13mmであり、ケーブルの直径が12mmである場合を想定する。
第4実施形態の印刷処理では、図6のS19の前に、図10に示す角度特定処理が実行される。図10に示すように、角度特定処理ではまず、印刷対象の円周対応方向の長さを、印刷領域の円周対応方向の長さで割った値Rが計算される(S71)。第4実施形態の印刷対象の円周対応方向の長さは、印刷対象の高さPTHである。印刷領域の円周対応方向の長さは、印刷領域の長さPALである。具体例6の高さPTHは5mmであり、値Rは5/38である。具体例7の高さPTHは13mmであり、値Rは13/38である。
次に、S71で計算された値Rの値に応じて、印刷対象の配置角度及び印刷対象の数Nが設定される。具体例7は、値Rが13/38であり、値Rが1/3以上である(S73:YES)。印刷対象の配置角度に0度が設定され、印刷対象の数Nに1が設定される(S75)。値Rが1/4以上、1/3未満である場合(S73:NO、S77:YES)、印刷対象の配置角度に180度が設定され、印刷対象の数Nに2が設定される(S79)。値Rが1/6以上、1/4未満である場合(S73:NO、S77:NO、S81:YES)、印刷対象の配置角度に120度が設定され、印刷対象の数Nに3が設定される(S83)。具体例6は、値Rが5/38であり、値Rが1/8以上、1/6未満である(S73:NO、S77:NO、S81:NO、S85:YES)。したがって、印刷対象の配置角度に90度が設定され、印刷対象の数Nに4が設定される(S87)。値Rが1/8未満である場合(S73:NO、S77:NO、S81:NO、S85:NO)、印刷対象の配置角度に60度が設定され、印刷対象の数Nに6が設定される(S89)。S75、S79、S83、S87、又はS89の次に処理は図6の第1印刷処理に戻る。
図6のS19では、ユーザが指定する1つの印刷対象に基づき、角度特定処理で設定された数Nの印刷対象が特定される。具体例6では、キャラクタ「Cable A」が第1印刷対象573、第2印刷対象574、第3印刷対象575及び第4印刷対象576として特定される。具体例7では、キャラクタ「Cable(改行)PC」が印刷対象673として特定される。
図6のS29では、第N印刷対象と、第(N+1)印刷対象との間隔Dを設定する(S29)。具体例6の間隔Dは、9.5mmである。具体例7は、S19で特定された印刷対象の数Nが1であるので、間隔Dは0mmである。
第4実施形態の印刷処理によって、具体例6は、図9のC23のように配置される。具体例6では、第1印刷対象573、第2印刷対象574、第3印刷対象575及び第4印刷対象576が、間隔Dの等間隔で配置されている。印刷テープの長さ方向が、円周対応方向となるように、具体例6の印刷テープ257がケーブル60に巻き付けられた場合、基準面における隣接する印刷対象に対する各印刷対象の配置角度(例えば、基準線分578と対象線分580とがなす角363の角度)は90度である。
一方、具体例7は、図9のC24のように配置される。具体例7では、印刷対象673の高さ方向の中心線と、印刷領域の円周対応方向の中心線241との距離が0mmとなるように配置されている。印刷テープの長さ方向が円周対応方向となるように、印刷済みの印刷テープ257がケーブル60に巻き付けられた場合、基準線分678と対象線分680とがなす角の角度は0度である。
第4実施形態の印刷装置1によれば、印刷領域の大きさ(円周の長さ)と、印刷対象の大きさとを比較して、中心軸線に直交する基準面における、印刷対象の配置角度を比較結果に基づき自動的に特定する。このため印刷装置1は、複数の印刷対象間の間隔を狭く設定しすぎたり、広く設定しすぎたりといった事態を確実に回避することができる。印刷装置1は、ユーザが直接配置角度を指定する手間を省き、印刷済みの印刷媒体を円筒の曲面に配置する場合を想定して、印刷対象を印刷領域にバランスよく配置することができる。さらに印刷装置1は、印刷対象が複数行のキャラクタである場合に、複数行のキャラクタ全体の大きさを印刷対象の大きさとする。このため、印刷装置1は、円周の長さと、複数行のキャラクタ全体の大きさとを考慮して、中心軸線に直交する平面における角度を特定することができる。また印刷装置1は、複数行のキャラクタ全体をひとまとまりとして認識することができるように、印刷対象を配置することができる。
上記実施形態において、図6のS33の処理を実行するCPU401は、本発明の円周長特定手段として機能する。S19の処理を実行するCPU401は、本発明の印刷対象特定手段として機能する。図6のS37の処理又は図10のS75、S79、S83、S87及びS89を実行するCPU401は、本発明の角度特定手段として機能する。図6のS41又はS45を実行するCPU401は、本発明の配置決定手段として機能する。図6のS27の処理を実行するCPU401は、本発明の印刷領域特定手段として機能する。S25の処理又は図8のS55、S59、及びS61を実行するCPU401は、本発明のサイズ特定手段として機能する。図6のS39の処理を実行するCPU401は、本発明の判断手段として機能する。第3実施形態のS19において印刷対象の数を指定するCPU401は、本発明の数指定手段として機能する。図10のS71、S73、S77、S81、及びS85の処理を実行するCPU401は、本発明の比較手段として機能する。
本発明の印刷装置は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の(A)から(I)までの変形が適宜加えられてもよい。
(A)印刷装置は、印刷媒体に印刷対象を印刷可能な装置であればよい。印刷媒体は、印刷装置の種類に応じて適宜選択されればよく、テープ状の印刷媒体の他、例えば、紙、及びプラスチックシートでもよい。印刷済みの印刷媒体を配置する円筒の曲面として、ケーブル60の側面61を例示したが、円筒の曲面は適宜変更されてよい。例えば、印刷媒体が配置される曲面は、円筒の内側面であってもよいし、円柱状の側面に近似可能な多角形柱の側面であってもよいし、仮想的な円筒の曲面であってもよい。印刷対象は、キャラクタに限定されず、記号、バーコード、図形、及び画像でもよい。
(B)円周の長さの特定方法は適宜変更されてよい。例えば、ユーザが指定した値が、円周の長さとして特定されてもよいし、ユーザが入力した円筒の半径に基づき円周の長さが特定されてもよい。
(C)印刷対象の特定方法は適宜変更されてよい。例えば、2つの印刷対象を特定する場合に、第1印刷対象と、第2印刷対象とはそれぞれ異なるキャラクタ(例えば、「Cable A」と「PC」)であってもよい。また例えば、印刷対象が複数行に渡るキャラクタである場合に、各行のキャラクタが別々の印刷対象として見なされてもよい。ユーザが指定した1つの印刷対象に基づき、複数の印刷対象が特定される場合の印刷対象の特定方法は適宜変更されてよい。印刷対象の円周対応方向は、予め設定されていてもよいし、ユーザが選択してもよい。また例えば、印刷領域の大きさ及び印刷対象の大きさ等を考慮して、印刷対象の円周対応方向を自動的に設定してもよい。
(D)印刷領域の特定方法は適宜変更されてよい。例えば、印刷媒体の幅方向の長さをユーザが入力した値として、印刷領域が設定されてもよい。また例えば、印刷媒体として所定の大きさの印刷用紙を用いる場合、印刷用紙の大きさに応じて印刷領域が設定されてもよい。また例えば、印刷領域の円周対応方向の長さ及び延伸対応方向の長さの少なくともいずれかをユーザが指定してもよい。この場合例えば、ユーザは配置角度と同様に、一端に対する他端の角度を用いて印刷領域の円周対応方向の長さを指定してもよい。印刷領域の円周対応方向は、予め設定されていてもよいし、ユーザが選択してもよい。また例えば、印刷対象の大きさ及び円周の長さ等を考慮して、印刷領域の円周対応方向を自動的に設定してもよい。
(E)印刷対象の数Nの指定方法は適宜変更されてよい。例えば、印刷媒体の円周対応方向の長さが、円周の長さ以上である場合に、S37で特定される配置角度に基づき、印刷対象の数が求められてもよい。具体的には、例えば、360度を配置角度で割った値の端数を切り捨てた値を、数Nとしてもよい。
(F)印刷対象の大きさの特定方法は適宜変更されてよい。例えば、複数の印刷対象が特定される場合に、各印刷対象の書式、大きさが異なっていてもよい。また例えば、印刷対象が複数行に渡るキャラクタである場合に、各行のキャラクタを別々の印刷対象として見なして印刷対象の大きさが特定されてもよい。さらに、図8における印刷対象の大きさ特定処理で設定される印刷対象の大きさは適宜変更されてよい。
(G)角度の特定方法は適宜変更されてよい。例えば、基準点及び代表点はユーザが指定できるようにしてもよいし、予め設定されていてもよい。具体的には、基準点を、印刷媒体又は印刷対象の円周対応方向の端点、及び中心点のいずれかとしてもよい。代表点を、印刷対象の円周対応方向の端点、及び中心点のいずれかとしてもよい。第4実施形態のように、印刷領域の大きさと、印刷対象の大きさの比較結果に基づき配置角度が特定される場合、特定される角度の値は、適宜変更されてよい。また例えば、3以上の印刷対象に対して2以上の配置角度を設定する場合、それぞれ異なる配置角度が特定されてもよい。
(H)印刷対象を印刷領域内に収めなくてもよい場合には、図6のS39、S43及びS45の処理が省略されてもよい。また印刷対象を印刷領域内に収める場合、例えば、図6のS39において、印刷対象が印刷領域内に収まらないと判断された場合に(S39:NO)、代表点と、基準点との間の距離を短くすること、及び印刷対象の大きさを小さくすることの少なくともいずれかの処理を実行してもよい(S43)。印刷対象の大きさを小さくすることよって(S43)、印刷対象が印刷領域内に収まるように配置した場合には(S45)、S37で特定された配置角度となる条件を優先して印刷対象の配置を決定することができる。間隔Dを小さくすること、及び印刷対象の大きさを小さくすることを組み合わせて(S43)印刷対象が印刷領域内に収まるように配置した場合には(S45)、印刷対象の大きさと、配置角度とのバランスを考慮して、印刷対象の配置を決定することができる。
(I)印刷対象の配置の決定方法は適宜変更されてよい。例えば、図7のC11で示す具体例1の配置において、中心線49と、中心線51との間の距離を間隔Dに設定した状態で第1印刷対象73と第2印刷対象74を1つの印刷対象とみなし、その1つの印刷対象を紙面上揃え、又は下揃えして配置してもよい。このように配置した場合にも、基準点と、対象点との間の距離は間隔Dとすることができる。