JP5953840B2 - 半導体装置及び受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置及び受信機に関する。
例えばミリ波帯やテラヘルツ波帯などの微弱な電波を受信する受信機では、ローノイズアンプ、検波器などが必要である。そして、検波器にはショットキーダイオードが用いられている。
しかしながら、ショットキーダイオードを用いる場合、バイアス0V付近で十分な検波特性を得ることが難しかった。
そこで、本発明者は、検波特性を向上させるべく、ショットキーダイオードに代えて、p型GaAsSb層とn型InGaAs層とがpn接合されているバックワードダイオードを用いることを提案している。
なお、半導体レーザなどの半導体発光素子において、注入キャリアを効率良く活性層に閉じ込め、電子とホールを再結合させるために、多重超格子を設け、電子又はホールに対するエネルギー障壁の高さを高くする技術がある。また、半導体レーザなどの半導体発光素子において、クラッド層と活性層との間にクラッド層に対する少数キャリアの進入を制御する多重量子井戸又は多重量子障壁構造部を設ける技術がある。
特開平5−275809号公報 特開昭63−46788号公報 特開2010−251689号公報
しかしながら、上述のバックワードダイオードでは、図40(A)に示すように、順方向バイアス時に、電子及びホールに対するバリヤが低いため、リーク電流が生じてしまう。
ここで、電流をリニアプロットした電流−電圧特性(I−V特性)では、図40(B)中、矢印で示すように、一見、順方向バイアス時にリーク電流が生じないように見える。しかしながら、電流を対数プロットしてみると、図40(C)中、矢印で示すように、電流のリーク成分が見える。これにより、ダイオードの検波特性に影響を与えるγ(Curvature coefficient)の値が大きくなりにくい。なお、γは次式(1)で定義される。
このため、上述のバックワードダイオードを検波器に用い、例えばミリ波帯やテラヘルツ波帯などの微弱な電波を検波しようとすると、十分な検波特性が得られない。
なお、ここでは、p型GaAsSb層とn型InGaAs層とがpn接合されているバックワードダイオードを例に挙げて、その課題を説明しているが、これに限られるものではなく、他のバックワードダイオードにおいても同様の課題がある。
そこで、バックワードダイオードの順方向バイアス時のリーク電流を抑制したい。また、バックワードダイオードを用いた検波器の検波特性、ひいては、受信機の特性を向上させたい。
本半導体装置は、p型半導体層と、n型半導体層と、p型半導体層とn型半導体層とが接合されるpn接合部とを備えるバックワードダイオードを備えバックワードダイオードは、フラットバンド状態で、p型半導体層の伝導帯の下端よりもn型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーが低く、かつ、p型半導体層の価電子帯の上端よりもn型半導体層の価電子帯の上端のエネルギーが低い接合を持ち、p型半導体層の価電子帯の上端よりもn型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーが高くなっており、p型半導体層及びn型半導体層の少なくとも一方に設けられ、順方向バイアス時に電子及びホールの少なくとも一方に対してバリヤとなる多重量子障壁構造又は多重量子井戸構造を備え、逆方向バイアス時にpn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを要件とする。
本受信機は、増幅器と、増幅器に接続された検波器とを備え、検波器が、上記の半導体装置であることを要件とする。
本受信機は、ミキサー回路を備え、ミキサー回路が、上記の半導体装置を含むことを要件とする。
したがって、本半導体装置によれば、バックワードダイオードの順方向バイアス時のリーク電流を抑制することができるという利点がある。また、バックワードダイオードを用いた検波器の検波特性、ひいては、受信機の特性を向上させることができるという利点がある。
(A)〜(C)は、第1実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 第1実施形態の受信機の構成を示す模式図である。 第1実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)に設けられたMQB構造の原理を説明するための模式図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)に設けられたMQB構造の原理及び作用効果を説明するための模式図である。 第1実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)におけるフラットバンド状態のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)におけるフラットバンド状態のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 (A)、(B)は、p型半導体層とn型半導体層との間に活性層を備える半導体レーザにおいてMQBやMQWを設けた場合のフラットバンド状態のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)に設けられるMQB構造を構成する各障壁層にドーピングを行なった場合の効果を説明するための模式図であって、(A)は、各障壁層にドーピングを行なわなかった場合のエネルギーバンド構造を示しており、(B)は、各障壁層にドーピングを行なった場合のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 第1実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)に設けられるMQB構造を構成する各障壁層にドーピングを行なわなかった場合の効果を説明するためのエネルギーバンド構造を示す模式図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の半導体装置(バッグワードダイオード)の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の半導体装置(バッグワードダイオード)の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の半導体装置(バッグワードダイオード)の製造方法及びその構成を説明するための模式的断面図である。 第1実施形態の半導体装置(バッグワードダイオード)による効果を説明するための模式図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 (A)、(B)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の製造方法及びその構成を説明するための模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 (A)、(B)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の製造方法及びその構成を説明するための模式的断面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、電圧を印加していない平衡状態を示している。 第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、電圧を印加していない平衡状態を示している。 第1実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の変形例の受信機の構成を示す模式図である。 第1実施形態の変形例の受信機に備えられるミキサー回路の構成を示す模式図である。 第2実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)におけるフラットバンド状態のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 第2実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)におけるフラットバンド状態のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 p型半導体層とn型半導体層との間に活性層を備える半導体レーザにおいてMQBを設けた場合のフラットバンド状態のエネルギーバンド構造を示す模式図である。 (A)〜(C)は、第2実施形態の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 (A)〜(C)は、第2実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 (A)〜(C)は、第2実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 (A)〜(C)は、第2実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 (A)〜(C)は、第2実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 (A)〜(C)は、第2実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(A)は電圧を印加していない平衡状態、(B)は逆方向に電圧を印加した逆方向バイアス状態、(C)は順方向に電圧を印加した順方向バイアス状態を示している。 第1及び第2実施形態の変形例の半導体装置(バックワードダイオード)におけるエネルギーバンド構造を示す模式図であって、電圧を印加していない平衡状態を示している。 (A)〜(C)は、従来のバックワードダイオードの課題を説明するための図であって、(A)はエネルギーバンド構造を示す模式図であり、(B)はI−V特性を示す図であり、(C)は電流を対数プロットした場合の特性を示す図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる半導体装置及び受信機について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる半導体装置及び受信機について、図1〜図13を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる受信機は、図2に示すように、例えばミリ波帯やテラヘルツ波帯などの微弱な電波を受信する受信機1であって、ローノイズアンプ(LNA;Low Noise Amplifier)2と、検波器3と、インダクタ4とを集積化したモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC;Monolithic Microwave Integrated Circuit)5を備える。なお、ローノイズアンプ2を、増幅器又は低雑音増幅器ともいう。
ここでは、例えば高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)をローノイズアンプ2に用い、後述のバックワードダイオードを検波器3に用いている。そして、HEMTと、これに接続されたバックワードダイオードは、半導体基板上に化合物半導体(ここではGaAsSb系)によって形成された半導体装置として構成される。つまり、本実施形態にかかる半導体装置は、例えばミリ波帯やテラヘルツ波帯などの微弱な電波(高周波信号)を受信する受信機1において検波器3として用いられるバックワードダイオードを備える。なお、この検波器を高感度検波器ともいう。
また、アンテナ6は、MMIC5の入力端子、即ち、ローノイズアンプ2の入力端子に接続されている。ここでは、アンテナ6は、HEMTのゲート電極に接続されている。また、ローノイズアンプ2の出力端子、即ち、HEMTのドレイン電極は、検波器3の一方の端子、即ち、バックワードダイオードの一方の電極(n側電極)、及び、インダクタ4の一方の端子に接続されている。また、検知器3の他方の端子、即ち、バックワードダイオードの他方の電極(p側電極)は接地されている。また、インダクタ4の他方の端子は、MMIC5の出力端子に接続されている。そして、アンテナ6で受けたミリ波帯などの微弱な電波は、ローノイズアンプ2で増幅され、その後、検波器3及びインダクタ4でDC電圧である検波信号Vdetに変換されて、MMIC5の出力端子から出力される。検波信号Vdetとしては、数百mVの電位差ΔVが出力される。このときのバックワードダイオードの検波感度(検波特性)が検知能力に影響を与える。
ところで、本実施形態にかかる半導体装置は、図12(B)に示すように、p型GaAsSb層(p型半導体層)10とn型InGaAs層(n型半導体層)11とがpn接合されているバックワードダイオード12を備える。つまり、本半導体装置は、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11とが接合されるpn接合部13を備える。
具体的には、バックワードダイオード12を構成するp型GaAsSb層10は、バンドギャップEgが約0.78eVであり、ドーピング濃度が2×1019cm−3であるp−GaAs0.51Sb0.49層としている。なお、p型半導体層は、これに限られるものではなく、これよりもバンドギャップEgが小さいp−InGaAsSb層(Eg<0.78eV)などを用いても良い。また、逆にこれよりもバンドギャップEgが大きいGaAsSb1−x(x>0.51)層(Eg>0.78eV)などを用いても良い。
また、バックワードダイオード12を構成するn型InGaAs層11は、バンドギャップEgが約0.74eVであり、ドーピング濃度が5×1018cm−3であるn−In0.53Ga0.47As層としている。なお、n型半導体層は、これに限られるものではなく、これよりもバンドギャップEgが小さいn−InGa1−xAs(x>0.53)層(Eg<0.74eV)や、これよりもバンドギャップEgが大きいn−InAlGaAs層(Eg>0.74eV)などを用いても良い。
本実施形態のバックワードダイオード12は、材料が異なるp型半導体層10とn型半導体層11とがヘテロ接合されたpn接合ダイオードであるが、バンド接合条件がある。つまり、図5に示すように、フラットバンド状態で、p型半導体層10の伝導帯の下端よりもn型半導体層11の伝導帯の下端のエネルギーが低く、かつ、p型半導体層10の価電子帯の上端よりもn型半導体層11の価電子帯の上端のエネルギーが低い、いわゆるタイプII型のヘテロ接合を持ち、さらに、p型半導体層10の価電子帯の上端よりもn型半導体層11の伝導帯の下端のエネルギーが高くなっている。このようなバックワードダイオード12を検波器3に用いることにより、検波器3にショットキーダイオードを用いた場合と比べて、例えばミリ波帯などの微弱な電波の検波感度を大幅に向上させることができる。なお、フラットバンド状態とは、エネルギーバンドの曲がり部がフラットになるように電圧を印加した状態をいい、フラットバンド条件ともいう。
特に、本実施形態では、図5、図1(A)〜図1(C)に示すように、このようなバックワードダイオード12のp型GaAsSb層10とn型InGaAs層11の両方に、電子とホールを再結合させないように、多重量子障壁(MQB;Multi Quantum Barrier)構造14、15が設けられている。つまり、MQB構造として、p型GaAsSb層10に設けられたp側MQB構造14と、n型InGaAs層11に設けられたn側MQB構造15とを備える。なお、図1(A)〜図1(C)中、Efはフェルミレベルを示している。
これにより、順方向バイアス時に、図1(C)に示すように、p型GaAsSb層10に設けられたp側MQB構造14によって電子が反射され、また、n型InGaAs層11に設けられたn側MQB構造15によってホールが反射されて、リーク電流が抑制される。つまり、順方向バイアス時に、p型GaAsSb層10に設けられたp側MQB構造14が、伝導帯の電子に対するバリヤ(エネルギー障壁)となり、また、n型InGaAs層11に設けられたn側MQB構造15が、価電子帯のホールに対するバリヤ(エネルギー障壁)となって、順方向バイアス時のリーク電流が抑制される。
特に、本実施形態では、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11の両方にMQB構造14、15が設けられているため、後述の変形例のように、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11の一方にMQB構造14(15)を設ける場合よりも、順方向バイアス時の電流抑制効果が高い。
このように、順方向バイアス時のリーク電流が抑制されるため、ダイオードの非線形性を現すγの値が大きくなり、例えばミリ波帯やテラヘルツ波帯などの微弱な電波を検波する検波器に用いた場合に、特にゼロバイアスでの検知能力が高くなり、十分な検波特性が得られることになる。
ここで、MQB構造の原理について、図3、図4を参照しながら説明する。
図3に示すように、キャリアがトンネルできるくらいに薄い障壁層と井戸層とを交互に積層して多層構造とする。このとき、井戸層も薄くすると、キャリアの存在確率が量子化され、量子準位が形成される。そして、MQB構造の障壁層の厚さを徐々に変化させて、量子準位のレベルを徐々に変化させる。これにより、全体で見ると、MQB構造をキャリアが通過できるレベルがなくなり、ブラッグ反射によって井戸層と障壁層とのバンドギャップ差から生じる障壁高さ以上のエネルギーを持つキャリアまで跳ね返されるMQB構造ができる。このときの井戸層と障壁層を構成する半導体層の膜厚の条件、即ち、井戸層と障壁層を構成する半導体層によるキャリアの反射条件は、次式(2)、(3)によって表すことができる。
ここで、L、Lは、井戸層の厚さ、障壁層の厚さである。また、m,nは整数である。また、m 、m は、井戸層を構成する半導体におけるキャリアの有効質量、障壁層を構成する半導体におけるキャリアの有効質量である。また、Eは、真空準位である。また、hは、プランク定数(換算プランク定数)である。また、Uは井戸層と障壁層とのバンドギャップ差から生じる障壁高さである。
このようなMQB構造を用いることで、図4(A)、図4(B)に示すように、井戸層よりもバンドギャップが広い障壁層と同じバンドギャップを持つバルク障壁層を用いる場合に、そのバンドギャップ差から生じるヘテロ接合障壁高さ(qφ)よりも高いバリヤ(qφMQB)を実現することができる。
本実施形態では、図12(B)に示すように、p型GaAsSb層10に設けられるp側MQB構造14は、p型GaAsSb層10に複数のp型AlGaSb層16を設けることによって構成される。つまり、p型GaAsSb層10のpn接合部13近傍において、p型GaAsSb層10とp型AlGaSb層16とを交互に積層させることによってp側MQB構造14が構成される。
具体的には、p側MQB構造14は、厚さ約5nmのp−GaAs0.51Sb0.49層10と、厚さを約3nm,約3nm,約2.5nm,約2.5nm,約2nm,約2nm,約1.5nm,約1.5nmとだんだん薄くしたp−Al0.2Ga0.8Sb層16とを交互に積層させることによって形成されている。ここでは、p−GaAs0.51Sb0.49層10は、バンドギャップEgが約0.78eVであり、ドーピング濃度が1×1019cm−3である。また、p−Al0.2Ga0.8Sb層16は、バンドギャップEgが約0.95eVであり、ドーピング濃度が1×1019cm−3である。
なお、p型AlGaSb層16を、障壁層、p側障壁層、又は、p型障壁層ともいう。また、p型AlGaSb層16の間に挟まれるp型GaAsSb層10を、井戸層、p側井戸層、又は、p型井戸層ともいう。また、ここでは、井戸層としてp−GaAs0.51Sb0.49層10を用いているが、これに限られるものではなく、これよりもバンドギャップEgが小さいp−InGaAsSb層(Eg<0.78eV)などを用いても良い。この場合、p型半導体層としてはp−GaAs0.51Sb0.49層を用い、p側MQB構造14の井戸層としてはp−InGaAsSb層(Eg<0.78eV)を用いるようにしても良いし、p型半導体層及びp側MQB構造14の井戸層の両方にp−InGaAsSb層(Eg<0.78eV)を用いるようにしても良い。このように、井戸層には、p−GaAsSb層、p−InGaAsSb層などを用いれば良い。また、障壁層としてp−Al0.2Ga0.8Sb層16を用いているが、これに限られるものではなく、井戸層よりもバンドギャップEgが大きい、即ち、バンドギャップEgが約0.78eVよりも大きいp−AlGa1−xSb(x>0)層(Eg>0.78eV)を用いても良い。なお、井戸層のバンドギャップを大きくする場合には、例えばAlAsSbなどを用いて、それよりもバンドギャップを大きくすれば良い。また、各p−Al0.2Ga0.8Sb層16の厚さを変化させているが、一定の厚さとしても良い。また、各p−Al0.2Ga0.8Sb層16の厚さをだんだん薄くしているが、だんだん厚くしても良い。
また、p側MQB構造14を構成するp側障壁層16はノンドープであっても良い。但し、p側障壁層16は、p型にドーピングされているp型障壁層であることが好ましい。これにより、図8(A)、図8(B)に示すように、p側MQB構造14を構成する複数の障壁層16の価電子帯の上端がp型半導体層10の価電子帯の上端よりも下側になってしまうことによって逆方向バイアス時に電子に対するバリヤが生じてしまうのを抑制でき、このバリヤによる影響を受けにくくすることができる。但し、後述するように、図1(B)に示すように、p側MQB構造14に含まれる一のp型AlGaSb層16とn側MQB構造15に含まれる一のn型InP層17とによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成され、バックワードダイオード特性が得られるようにする必要がある。なお、バンド間トンネリングをインターバンドトンネリングともいう。
一方、図12(B)に示すように、n型InGaAs層11に設けられるn側MQB構造15は、n型InGaAs層11に複数のn型InP層17を設けることによって構成される。つまり、n型InGaAs層11のpn接合部13近傍において、n型InGaAs層11とn型InP層17とを交互に積層させることによってn側MQB構造15が構成される。
具体的には、n側MQB構造15は、厚さ約5nmのn−In0.53Ga0.47As層11と、厚さを約1.5nm,約1.5nm,約2nm,約2nm,約2.5nm,約2.5nm,約3nm,約3nmとだんだん厚くしたn−InP層17とを交互に積層させることによって形成されている。ここでは、n−In0.53Ga0.47As層11は、バンドギャップEgが約0.74eVであり、ドーピング濃度が5×1018cm−3である。また、n−InP層17は、バンドギャップEgが約1.35eVであり、ドーピング濃度が5×1018cm−3である。
なお、n型InP層17を、障壁層、n側障壁層、又は、n型障壁層ともいう。また、n型InP層17の間に挟まれるn型InGaAs層11を、井戸層、n側井戸層、又は、n型井戸層ともいう。また、ここでは、井戸層としてn−In0.53Ga0.47As層11を用いているが、これに限られるものではなく、これよりもバンドギャップEgが小さいn−InGa1−xAs(x>0.53)層(Eg<0.74eV)、n−InAlGaAs層(Eg>0.74eV)などを用いても良い。この場合、n型半導体層としてはn−In0.53Ga0.47As層を用い、n型MQB構造15の井戸層としてはn−InGa1−xAs(x>0.53)層(Eg<0.74eV)、n−InAlGaAs層(Eg>0.74eV)を用いるようにしても良いし、n型半導体層及びn型MQB構造15の井戸層の両方にn−InGa1−xAs(x>0.53)層(Eg<0.74eV)、n−InAlGaAs層(Eg>0.74eV)を用いるようにしても良い。このように、井戸層には、n−InGaAs層、n−InAlGaAs層などを用いれば良い。また、障壁層としてn−InP層17を用いているが、これに限られるものではなく、井戸層よりもバンドギャップが大きい、即ち、バンドギャップEgが約0.74eVよりも大きいn−InGa1−xAs(x>0.53)層、n−InAl1−xAs(x>0.7)、n−InAlGaAs層(Eg>0.74eV)などを用いても良い。つまり、障壁層には、n−InP層、n−InGaAs層、n−InAlAs層、n−InAlGaAs層などを用いれば良い。但し、井戸層のバンドギャップを小さくする場合には、それよりもバンドギャップが大きければ良い。また、各n−InP層17の厚さを変化させているが、一定の厚さとしても良い。また、各n−InP層17の厚さをだんだん厚くしているが、だんだん薄くしても良い。
また、n側MQB構造15を構成するn側障壁層17はノンドープであっても良い。但し、n側障壁層17は、n型にドーピングされているn型障壁層であることが好ましい。これにより、n側MQB構造15を構成する複数の障壁層17の伝導帯の下端がn型半導体層11の伝導帯の下端よりも上側になってしまうことによって逆方向バイアス時に電子に対するバリヤが生じてしまうのを抑制でき、このバリヤによる影響を受けにくくすることができる。但し、後述するように、図1(B)に示すように、p側MQB構造14に含まれる一のp型AlAsSb層16とn側MQB構造15に含まれる一のn型InP層17とによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成され、バックワードダイオード特性が得られるようにする必要がある。
これらのMQB構造14、15を設ける場合、図1(A)〜図1(C)に示すように、pn接合部13において、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11とが、p側MQB構造14に含まれる一のp型AlGaSb層(p側障壁層)16及びn側MQB構造15に含まれる一のn型InP層(n側障壁層)17を挟んで接合されることになる。この場合、一のp型AlGaSb層16と一のn型InP層17との接合面がpn接合面(pn接合界面)となる。そして、一のp型AlGaSb層16と一のn型InP層17とによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。
ここで、一のp型AlGaSb層16と一のn型InP層17とによって形成される部分のp側からn側への横方向の距離が、電子がバンド間トンネリングしうるように、100Å以下、即ち、10nm以下になるようにするのが好ましい。ここでは、ドーピングによってバンドを急激に曲げることによって、この横方向の距離が10nm以下になるようにしている。これにより、逆方向バイアス時に、p型の半導体層10、16の価電子帯にある電子が、この部分をバンド間トンネリングし、バンド間トンネリング電流が流れることになる。
この場合、本バックワードダイオードは、pn接合面の両側に、逆方向バイアス時に電子がバンド間トンネリングできるようなバンド構造を有するMQB構造14、15を備えることになる。ここでは、p側MQB構造14、即ち、p側MQB構造14が設けられているp型GaAsSb層10と、n側MQB構造15、即ち、n側MQB構造15が設けられているn型InGaAs層11とは、図5に示すように、いわゆるタイプIIのバンド構造を有し、バンド間トンネリングしやすいバンド構造になっている。つまり、半導体レーザのようなp型半導体層とn型半導体層との間に活性層を備えるものにおいてMQB構造やMQW構造を設ける場合には、図7(A)、図7(B)に示すように、いわゆるタイプIのバンド構造を有するものとなるのに対し、本実施形態では、図5に示すように、いわゆるタイプIIのバンド構造を有するものとなるため、バンド間トンネリングしやすいバンド構造を実現することができる。
なお、本実施形態では、フラットバンド状態で、図5に示すように、p型半導体層10の価電子帯の上端よりもn型半導体層11の伝導帯の下端のエネルギーが高くなるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、図6に示すように、フラットバンド状態で、p型半導体層10の価電子帯の上端よりもn型半導体層11の伝導帯の下端のエネルギーが低くなるようにしても良い。これは、p型半導体層10及びn型半導体層11を構成する半導体材料の材料・組成を変えることによって実現することができる。
この場合、図6中、点線で示すように、p側MQB構造14によって形成される実効的なバリヤと、n側MQB構造15によって形成される実効的なバリヤとによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。このように、p側MQB構造14によってp型半導体層10の価電子帯側に形成される実効的なバリヤ、及び、n側MQB構造15によってn型半導体層11の伝導帯側に形成される実効的なバリヤを積極的に利用する場合、MQB構造14、15を構成する障壁層16、17をノンドープにするのが好ましい。これにより、より小さい接合容量を実現でき、素子の高速動作を実現することが可能となる。この場合、図9に示すように、p側MQB構造14を構成する障壁層16の価電子帯の上端はp型半導体層10の価電子帯の上端よりも下側になって実効的なバリヤが高くなり、かつ、n側MQB構造15を構成する障壁層17の伝導帯の下端はn型半導体層11の伝導帯の下端よりも上側になって実効的なバリヤが高くなる。このため、p型半導体層10とn型半導体層11との間でバンド構造が大きくずれていても、即ち、p型半導体層10の伝導帯の下端とn型半導体層11の伝導帯の下端とのエネルギー差が大きく、p型半導体層10の価電子帯の上端とn型半導体層11の価電子帯の上端とのエネルギー差が大きくても、バックワードダイオード特性が得られることになる。なお、MQB構造14、15を構成する障壁層16、17にドーピングしても良い。このように、バックワードダイオード特性が得られるように、p型半導体層10、n型半導体層11、p側MQB構造14、n側MQB構造15を構成する半導体材料の組成やドーピングの有無を決めれば良い。
次に、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法について、図10〜図12を参照しながら説明する。
まず、図10(A)に示すように、例えば半絶縁性InP基板20上に、例えばMOCVD法によって、i−InAlAsバッファー層21、n−InGaAsオーミックコンタクト層22、n−InPエッチング停止層23、n型半導体層としてのn−InGaAs層11、n−MQB構造15を構成するn−InP層17及びn−InGaAs層11、p−MQB構造14を構成するp−AlGaSb層16及びp−GaAsSb層10、p型半導体層としてのp−GaAsSb層10を形成する。なお、最も上側のp−GaAsSb層10をオーミックコンタクト層ともいう。
ここでは、i−InAlAsバッファー層21は、厚さが約300nmである。また、n−InGaAsオーミックコンタクト層22は、ドーピング濃度が約1×1019cm−3のn−In0.53Ga0.47As層であり、厚さは約200nmである。また、n−InPエッチング停止層23は、ドーピング濃度が約1×1018cm−3であり、厚さが約5nmである。また、最も下側のn−InGaAs層11は、ドーピング濃度が5×1018cm−3のn−In0.53Ga0.47As層であり、厚さが50nmである。
また、n−MQB構造15は、n−InP層17とn−InGaAs層11とを交互に繰り返し積層させることによって形成される。ここでは、各n−InP層17は、ドーピング濃度が5×1018cm−3である。また、各n−InGaAs層11は、n−In0.53Ga0.47As層であり、ドーピング濃度は5×1018cm−3である。また、各n−InGaAs層11の厚さは一定とし、各n−InP層17の厚さは変化させている。ここでは、各n−InGaAs層11の厚さを約5nmとし、各n−InP層17の厚さtを、約1.5nm,約1.5nm,約2nm,約2nm,約2.5nm,約2.5nm,約3nm,約3nmとだんだん厚くしている。なお、ここでは、各n−InP層17の厚さを変化させているが、一定の厚さとしても良い。また、各n−InP層17の厚さをだんだん厚くしているが、だんだん薄くしても良い。
また、p−MQB構造14は、p−AlGaSb層16とp−GaAsSb層10とを交互に繰り返し積層させることによって形成される。ここでは、各p−AlGaSb層16は、ドーピング濃度が1×1019cm−3のp−Al0.2Ga0.8Sb層である。また、各p−GaAsSb層10は、ドーピング濃度が1×1019cm−3のp−GaAs0.51Sb0.49層である。また、各p−GaAsSb層10の厚さは一定とし、各p−AlGaSb層16の厚さは変化させている。ここでは、各p−GaAsSb層10の厚さを約5nmとし、各p−AlGaSb層16の厚さtを、約3nm,約3nm,約2.5nm,約2.5nm,約2nm,約2nm,約1.5nm,約1.5nmとだんだん薄くしている。なお、ここでは、各p−AlGaSb層16の厚さを変化させているが、一定の厚さとしても良い。また、各p−AlGaSb層16の厚さをだんだん薄くしているが、だんだん厚くしても良い。
また、最も上側のp−GaAsSb層10は、ドーピング濃度が2×1019cm−3のp−GaAs0.51Sb0.49層であり、厚さは約50nmである。
次に、例えばフォトレジストによってダイオードメサ領域を規定し、図10(B)に示すように、例えばリン酸と過酸化水素水の混合液で、最も上側のp−GaAsSb層10、p−MQB構造14をエッチングし、次いで、例えばCH系のドライエッチングによって、Pが含まれるn−MQB構造15を除去する。そして、再びリン酸と過酸化水素水の混合液で最も下側のn−InGaAs層11が除去された後、エッチングはn−InPエッチング停止層23で停止する。次に、図11(A)に示すように、例えば塩酸で、n−InPエッチング停止層23をエッチングする。このエッチングはn−InGaAsオーミックコンタクト層22で停止する。ここでレジストを除去する。
次に、図11(B)に示すように、例えばフォトリソグラフィーを用い、レジスト24で素子分離領域を規定する。そして、例えばリン酸と過酸化水素水の混合液で、n−InGaAsオーミックコンタクト層22をエッチングし、i−InAlAsバッファー層21を露出させる。その後、レジスト24を除去する。
次に、図12(A)に示すように、例えばフォトリソグラフィーを用いて、レジスト25で電極領域を規定する。そして、図12(B)に示すように、例えばTi(厚さ約10nm)/Pt(厚さ約30nm)/Au(厚さ約300nm)を蒸着し、リフトオフ法によって、ダイオードの上部電極26及び下部電極27を同時に形成する。このようにして、本実施形態の半導体装置に備えられるバックワードダイオード12が製造される。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置によれば、バックワードダイオード12の順方向バイアス時のリーク電流を抑制することができるという利点がある。また、バックワードダイオード12を用いた検波器3の検波特性、ひいては、受信機1の特性を向上させることができるという利点がある。
ここで、上述の実施形態のバックワードダイオードの電流を対数プロットした特性を見てみると、図13中、矢印で示すように、電流のリーク成分が抑制されていることがわかる。特に、図13中、符号Xで示す部分で流れる電流が抑制されていることがわかる。これにより、上記式(1)で示されるγの値が大きくなるため、上述の実施形態のバックワードダイオードを検波器に用い、例えばミリ波帯やテラヘルツ波帯などの微弱な電波を検波する場合に、十分な検波特性が得られることになる。
なお、上述の実施形態では、p側MQB構造14に含まれる一のp型AlGaSb層(p側障壁層)16とn側MQB構造15に含まれる一のn型InP層(n側障壁層)17とが接合されているが、これに限られるものではない。例えば、p側MQB構造に含まれる一のp型GaAsSb層(p側井戸層)とn側MQB構造に含まれる一のn型InGaAs層(n側井戸層)とが接合されるようにしても良い。また、例えば、p側MQB構造に含まれる一のp型AlGaSb層(p側障壁層)とn側MQB構造に含まれる一のn型InGaAs層(n側井戸層)とが接合されるようにしても良い。また、例えば、p側MQB構造に含まれる一のp型GaAsSb層(p側井戸層)とn側MQB構造に含まれる一のn型InP層(n側障壁層)とが接合されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では、p型GaAsSb層(p型半導体層)10とn型InGaAs層(n型半導体層)11の両方にMQB構造14、15を設けているが、これに限られるものではなく、MQB構造を、p型GaAsSb層(p型半導体層)10及びn型InGaAs層(n型半導体層)11の少なくとも一方に設けるようにしても良い。つまり、MQB構造として、図14(A)〜図14(C)に示すように、p型GaAsSb層10に設けられたp側MQB構造14のみを備えるものとしても良いし、図18(A)〜図18(C)に示すように、n型InGaAs層11に設けられたn側MQB構造15のみを備えるものとしても良い。
例えば、p型GaAsSb層10のみにMQB構造14を設ける場合、図14(A)〜図14(C)に示すように、pn接合部13において、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11とが、MQB構造14に含まれる一のp型AlGaSb層(障壁層)16を挟んで接合されることになる。この場合、一のp型AlGaSb層16とn型InGaAs層11との接合面がpn接合面となる。そして、一のp型AlGaSb層16とn型InGaAs層11とによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。ここで、一のp型AlGaSb層16とn型InGaAs層11とによって形成される部分の横方向の距離が、電子がバンド間トンネリングしうるように、100Å以下、即ち、10nm以下になるようにするのが好ましい。これにより、逆方向バイアス時に、p型の半導体層10、16の価電子帯にある電子が、この部分をバンド間トンネリングし、バンド間トンネリング電流が流れることになる。
この場合、図15(A)に示すように、例えば半絶縁性InP基板20上に、例えばMOCVD法によって、i−InAlAsバッファー層21、n−InGaAsオーミックコンタクト層22、n−InPエッチング停止層23、n型半導体層としてのn−InGaAs層11、p−MQB構造14を構成するp−AlGaSb層16及びp−GaAsSb層10、p型半導体層としてのp−GaAsSb層10を形成する。
次に、例えばフォトレジスト30によってダイオードメサ領域を規定し、図15(B)に示すように、例えばリン酸と過酸化水素水の混合液で、最も上側のp−GaAsSb層10、p−MQB構造14、n−InGaAs層11をエッチングする。そして、n−InGaAs層11が除去された後、エッチングはn−InPエッチング停止層23で停止する。
その後、上述の実施形態の場合と同様に、図16(A)に示すように、n−InPエッチング停止層23をエッチングし、レジスト30を除去した後、図16(B)に示すように、レジスト31で素子分離領域を規定し、n−InGaAsオーミックコンタクト層22をエッチングし、レジスト31を除去する。そして、図17(A)に示すように、レジスト32で電極領域を規定し、図17(B)に示すように、上部電極26及び下部電極27を形成して、バックワードダイオード12を製造する。
一方、例えば、n型InGaAs層11のみにMQB構造15を設ける場合、図18(A)〜図18(C)に示すように、pn接合部13において、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11とが、MQB構造15に含まれる一のn型InP層(障壁層)17を挟んで接合されることになる。この場合、p型GaAsSb層10と一のn型InP層17との接合面がpn接合面となる。そして、p型GaAsSb層10と一のn型InP層17とによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。ここで、p型GaAsSb層10と一のn型InP層17とによって形成される部分の横方向の距離が、電子がバンド間トンネリングしうるように、100Å以下、即ち、10nm以下になるようにするのが好ましい。これにより、逆方向バイアス時に、p型の半導体層10の価電子帯にある電子が、この部分をバンド間トンネリングし、バンド間トンネリング電流が流れることになる。
この場合、図19(A)に示すように、例えば半絶縁性InP基板20上に、例えばMOCVD法によって、i−InAlAsバッファー層21、n−InGaAsオーミックコンタクト層22、n−InPエッチング停止層23、n型半導体層としてのn−InGaAs層11、n−MQB構造15を構成するn−InP層17及びn−InGaAs層11、p型半導体層としてのp−GaAsSb層10を形成する。
次に、例えばフォトレジスト33によってダイオードメサ領域を規定し、図19(B)に示すように、例えばリン酸と過酸化水素水の混合液で、p−GaAsSb層10をエッチングし、次いで、例えばCH系のドライエッチングによって、Pが含まれるn−MQB構造15を除去する。そして、再びリン酸と過酸化水素水の混合液で最も下側のn−InGaAs層11が除去された後、エッチングはn−InPエッチング停止層23で停止する。
その後、上述の実施形態の場合と同様に、図20(A)に示すように、n−InPエッチング停止層23をエッチングし、レジスト33を除去した後、図20(B)に示すように、レジスト34で素子分離領域を規定し、n−InGaAsオーミックコンタクト層22をエッチングし、レジスト34を除去する。そして、図21(A)に示すように、レジスト35で電極領域を規定し、図21(B)に示すように、上部電極26及び下部電極27を形成して、バックワードダイオード12を製造する。
ところで、上述の実施形態では、順方向バイアス時に電子及びホールに対してバリヤとなるp側MQB構造14及びn側MQB構造15を設けているが、これに限られるものではない。例えば、MQB構造14、15に代えて、図22(A)、図22(B)のバンド構造に示すように、順方向バイアス時に電子及びホールに対してバリヤとなる多重量子井戸(MQW;Multi Quantum Well)構造40、41を設けるようにしても良い。
例えば、p型GaAsSb層10に設けられるp側MQW構造40は、図23に示すように、p型GaAsSb層10に複数のp型GaSb層42を設けることによって構成すれば良い。つまり、p型GaAsSb層10のpn接合部13近傍において、p型GaAsSb層10とp型GaSb層42とを交互に積層させることによってp側MQW構造40を構成すれば良い。
具体的には、p側MQW構造40は、p型GaAsSb層10とp型GaSb層42とを交互に繰り返し積層させることによって形成される。ここでは、各p型GaAsSb層10は、バンドギャップEgが約0.78eVであり、ドーピング濃度が1×1019cm−3のp−GaAs0.51Sb0.49層である。また、各p型GaSb層42は、バンドギャップEgが約0.75eVであり、ドーピング濃度が1×1019cm−3であるp−GaSb層である。また、各p型GaSb層42の厚さは一定とし、各p型GaAsSb層10の厚さは変化させている。ここでは、各p型GaSb層42の厚さを約5nmとし、各p型GaAsSb層10の厚さを、約3nm,約3nm,約2.5nm,約2.5nm,約2nm,約2nm,約1.5nm,約1.5nmとだんだん薄くしている。
なお、p型GaSb層42を、井戸層、p側井戸層、又は、p型井戸層ともいう。また、p型GaSb層42の間に挟まれるp型GaAsSb層10を、障壁層、p側障壁層、又は、p型障壁層ともいう。また、ここでは、井戸層としてp−GaSb層42を用いているが、これに限られるものではなく、障壁層よりもバンドギャップEgが小さい、即ち、バンドギャップEgが約0.78eVよりも小さいp−InGaAsSb層(Eg<0.78eV)、p−InGaSb層(Eg<0.78eV)、p−AlGaSb層(Eg<0.78eV)などを用いても良い。つまり、井戸層には、p−GaSb層、p−InGaAsSb層、p−InGaSb層、p−AlGaSb層、p−InAsSb層などを用いれば良い。なお、後述のように、障壁層のバンドギャップを大きくする場合には、それよりもバンドギャップが小さければ良い。また、障壁層としてp−GaAs0.51Sb0.49層10を用いているが、これに限られるものではなく、これよりもバンドギャップEgが大きいp−InGaAsSb層(Eg>0.78eV)を用いても良い。この場合、p型半導体層としてはp−GaAs0.51Sb0.49層を用い、p側MQW構造40の障壁層としてはp−InGaAsSb層(Eg>0.78eV)を用いるようにしても良いし、p型半導体層及びp側MQW構造40の障壁層の両方にp−InGaAsSb層(Eg>0.78eV)を用いるようにしても良い。このように、障壁層には、p−GaAsSb層、p−InGaAsSb層などを用いれば良い。また、各p型GaAsSb層10の厚さを変化させているが、一定の厚さとしても良い。また、各p型GaAsSb層10の厚さをだんだん薄くしているが、だんだん厚くしても良い。また、障壁層の厚さを一定として、井戸層の厚さを変化させても良い。また、p側井戸層42はドーピングされているp型井戸層であることが好ましいが、ノンドープであっても良い。
また、n型InGaAs層11に設けられるn側MQW構造41は、図23に示すように、n型InGaAs層11に、これと組成が異なる複数のn型InGaAs層43を設けることによって構成すれば良い。つまり、n型InGaAs層11に設けられるn側MQW構造41は、n型InGaAs層11に、これよりもバンドギャップが小さい複数のn型InGaAs層43を設けることによって構成すれば良い。ここでは、n側MQW構造41は、バンドギャップEgが約0.74eVのn型In0.53Ga0.47As層11に、バンドギャップEgが約0.68eVの複数のn型In0.6Ga0.4As層43を設けることによって構成している。つまり、n型In0.53Ga0.47As層11のpn接合部13近傍において、n型In0.53Ga0.47As層11とn型In0.6Ga0.4As層43とを交互に繰り返し積層させることによってn側MQW構造41を構成している。
ここでは、各n型In0.53Ga0.47As層11は、ドーピング濃度が5×1018cm−3である。また、各n型In0.6Ga0.4As層43は、ドーピング濃度が5×1018cm−3である。また、各n型In0.6Ga0.4As層43の厚さは一定とし、各n型In0.53Ga0.47As層11の厚さは変化させている。ここでは、各n型In0.6Ga0.4As層43の厚さを約5nmとし、各n型In0.53Ga0.47As層11の厚さを、約1.5nm,約1.5nm,約2nm,約2nm,約2.5nm,約2.5nm,約3nm,約3nmとだんだん厚くしている。
なお、n型In0.6Ga0.4As層43を、井戸層、n側井戸層、又は、n型井戸層ともいう。また、n型In0.6Ga0.4As層43の間に挟まれるn型In0.53Ga0.47As層11を、障壁層、n側障壁層、又は、n型障壁層ともいう。また、ここでは、井戸層としてn型In0.6Ga0.4As層43を用いているが、これに限られるものではなく、障壁層よりもバンドギャップEgが小さい、即ち、バンドギャップEgが約0.74eVよりも小さいn−InGa1−xAs(x>0.53)層(Eg<0.74eV)、n−InAlGaAs層(Eg<0.74eV)などを用いても良い。つまり、井戸層には、n−InGaAs層、n−InAlGaAs層、n−InAsSb層などを用いれば良い。なお、後述のように、障壁層のバンドギャップを小さくする場合には、それよりもバンドギャップが小さければ良い。また、障壁層としてn型In0.53Ga0.47As層11を用いているが、これに限られるものではない。つまり、これよりもバンドギャップEgが小さいn−InGa1−xAs(x>0.53)層(Eg<0.74eV)、n−InAlGaAs層(Eg<0.74eV)などを用いても良い。この場合、井戸層には障壁層よりもバンドギャップが小さいn−InGa1−xAs層を用いれば良い。逆に、障壁層にこれよりもバンドギャップEgが大きいn−InGa1−xAs(x<0.53)層(Eg>0.74eV)、n−InAlGaAs層(Eg>0.74eV)などを用いても良い。また、n型半導体層及びn型MQW構造41の障壁層の両方にこれよりもバンドギャップEgが大きいn−InGa1−xAs(x<0.53)層(Eg>0.74eV)、n−InAlGaAs層(Eg>0.74eV)などを用いても良い。この場合、井戸層は障壁層よりもバンドギャップが小さければ良いため、井戸層に上述のものよりもバンドギャップが大きいn−InGa1−xAs層、n−InAlGaAs層などを用いることができる。また、各n型In0.53Ga0.47As層11の厚さを変化させているが、一定の厚さとしても良い。また、各n型In0.53Ga0.47As層11の厚さをだんだん厚くしているが、だんだん薄くしても良い。また、障壁層の厚さを一定として、井戸層の厚さを変化させても良い。また、n側井戸層43はドーピングされているn型井戸層であることが好ましいが、ノンドープであっても良い。
これらのMQW構造40、41を設ける場合、pn接合部13において、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11とが、p側MQW構造40に含まれる一のp型GaSb層(p側井戸層)42及びn側MQW構造41に含まれる一のn型InGaAs層(n側井戸層)43を挟んで接合されることになる。この場合、一のp型GaSb層42と一のn型InGaAs層43との接合面がpn接合面となる。そして、一のp型GaSb層42と一のn型InGaAs層43とによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。
ここで、一のp型GaSb層42と一のn型InGaAs層43とによって形成される部分の横方向の距離が、電子がバンド間トンネリングしうるように、100Å以下、即ち、10nm以下になるようにするのが好ましい。ここでは、ドーピングによってバンドを急激に曲げることによって、この部分の横方向の距離が10nm以下になるようにしている。これにより、逆方向バイアス時に、p型の半導体層10、42の価電子帯にある電子が、この部分をバンド間トンネリングし、バンド間トンネリング電流が流れることになる。
この場合、本バックワードダイオード12は、pn接合面の両側に、逆方向バイアス時に電子がバンド間トンネリングできるようなバンド構造を有するMQW構造40、41を備えることになる。ここでは、p側MQW構造40、即ち、p側MQW構造40が設けられているp型GaAsSb層10と、n側MQW構造41、即ち、n側MQW構造41が設けられているn型InGaAs層11とは、いわゆるタイプIIのバンド構造を有し、バンド間トンネリングしやすいバンド構造になっている。
また、上述の実施形態の変形例の場合(図14〜図21参照)と同様に、MQW構造40、41を、p型GaAsSb層10及びn型InGaAs層11の少なくとも一方に設けるようにしても良い。つまり、MQW構造として、p型GaAsSb層10に設けられたp側MQW構造40のみを備えるものとしても良いし、n型InGaAs層11に設けられたn側MQW構造41のみを備えるものとしても良い。
例えば、p型GaAsSb層10のみにMQW構造40を設ける場合、pn接合部13において、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11とが、MQW構造40に含まれる一のp型GaSb層(井戸層)42を挟んで接合されることになる。この場合、一のp型GaSb層42とn型InGaAs層11との接合面がpn接合面となる。そして、一のp型GaSb層42とn型InGaAs層11とによって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。ここで、一のp型GaSb層42とn型InGaAs層11とによって形成される部分の横方向の距離が、電子がバンド間トンネリングしうるように、100Å以下、即ち、10nm以下になるようにするのが好ましい。これにより、逆方向バイアス時に、p型の半導体層10、42の価電子帯にある電子が、この部分をバンド間トンネリングし、バンド間トンネリング電流が流れることになる。
一方、例えば、n型InGaAs層11のみにMQW構造41を設ける場合、pn接合部13において、p型GaAsSb層10とn型InGaAs層11とが、MQW構造41に含まれる一のn型InGaAs層(井戸層)43を挟んで接合されることになる。この場合、p型GaAsSb層10と一のn型InGaAs層43との接合面がpn接合面となる。そして、p型GaAsSb層10と一のn型InGaAs層43とによって、逆方向バイアス時にpn接合13部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。ここで、p型GaAsSb層10と一のn型InGaAs層43とによって形成される部分の横方向の距離が、電子がバンド間トンネリングしうるように、100Å以下、即ち、10nm以下になるようにするのが好ましい。これにより、逆方向バイアス時に、p型の半導体層10の価電子帯にある電子が、この部分をバンド間トンネリングし、バンド間トンネリング電流が流れることになる。
また、上述の実施形態のものと上述の変形例のものとを組み合わせて、p型GaAsSb層10及びn型InGaAs層11の一方にMQB構造14(15)を設け、p型GaAsSb層10及びn型InGaAs層11の他方にMQW構造40(41)を設けるようにしても良い。
例えば、図24に示すように、p型GaAsSb層10にMQW構造40を設け、n型InGaAs層11にMQB構造15を設けても良い。この場合、p型GaAsSb層10に設けられるMQW構造40は、図25に示すように、p型GaAsSb層10に複数のp型GaSb層42を設けることによって構成すれば良い。つまり、p型GaAsSb層10のpn接合部13近傍において、p型GaAsSb層10とp型GaSb層42とを交互に積層させることによってMQW構造40を構成すれば良い。また、n型InGaAs層11に設けられるMQB構造15は、n型InGaAs層11に、複数のn型InP層17を設けることによって構成すれば良い。つまり、n型InGaAs層11に設けられるMQB構造15は、n型InGaAs層11に、複数のn型InP層17を設けることによって構成すれば良い。
また、例えば、図26に示すように、p型GaAsSb層10にMQB構造14を設け、n型InGaAs層11にMQW構造41を設けても良い。この場合、p型GaAsSb層10に設けられるMQB構造14は、図27に示すように、p型GaAsSb層10に複数のp型AlGaSb層16を設けることによって構成すれば良い。つまり、p型GaAsSb層10のpn接合部13近傍において、p型GaAsSb層10とp型AlGaSb層16とを交互に積層させることによってMQB構造14を構成すれば良い。また、n型InGaAs層11に設けられるMQW構造41は、n型InGaAs層11に、複数のn型InGaAs層43を設けることによって構成すれば良い。つまり、n型InGaAs層11に設けられるMQW構造41は、n型InGaAs層11に、複数のn型InGaAs層43を設けることによって構成すれば良い。
要するに、本半導体装置は、p型半導体層10と、n型半導体層11と、p型半導体層10とn型半導体層11とが接合されるpn接合部13と、p型半導体層10及びn型半導体層11の少なくとも一方に設けられ、順方向バイアス時に電子及びホールの少なくとも一方に対してバリヤとなるMQB構造14(15)又はMQW構造40(41)とを備え、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されるものであれば良い。
また、上述の実施形態では、受信機1に備えられる検波器3に、上述の実施形態のバックワードダイオード12を用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、図28、図29に示すように、受信機1に備えられるミキサー(ミキサー回路)50に、上述の実施形態のバックワードダイオード12を用いることもできる。つまり、受信機1に備えられるミキサー50が、上述の実施形態の半導体装置を含むものとすることもできる。例えば、図29に示すように、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、抵抗R1と、コンデンサC1とを備え、その入力端子51にRF信号とLO信号が入力されると、その差周波数が中間周波数(IF)として出力端子52から出力されるミキサー回路50において、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2として、上述の実施形態のバックワードダイオード12を用いることができる。これにより、変換損失を小さくすることができる。つまり、低損失なミキサー回路50を実現することが可能となる。この場合、受信機1は、図28に示すように、ミキサー50のほかに、例えば、アンテナ6、ローノイズアンプ2、局部発振器53、アンプ54などを備える。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる半導体装置について、図30〜図33を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる半導体装置は、上述の第1実施形態(図1、図5参照)のものに対し、図30に示すように、p型半導体層10とn型半導体層11との間に障壁層60が設けられている点が異なる。
つまり、本半導体装置は、p型半導体層(p型GaAsSb層)10とn型半導体層(n型InGaAs層)11とが障壁層60を挟んでpn接合されているバックワードダイオードを備える。つまり、本半導体装置は、p型半導体層10とn型半導体層11とが障壁層60を挟んで接合されるpn接合部13を備える。
この場合、上述の第1実施形態の場合と同様にMQB構造14、15を設けると、pn接合部13において、p型GaAsSb層10に設けられたp側MQB構造14と、n型InGaAs層11に設けられたn側MQB構造15とが障壁層60を挟んで接合されることになる。つまり、p側MQB構造14とn側MQB構造15とのpn接合界面に障壁層60が挿入されたものとなる。
そして、少なくとも障壁層60によって、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成される。つまり、逆方向バイアス時にpn接合部13に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されるように、障壁層60は電子がバンド間トンネリングしうる厚さになっている。例えば、障壁層60の厚さは、電子がバンド間トンネリングしうるように、100Å以下、即ち、10nm以下であることが好ましい。このように障壁層60の厚さが薄いため、全体としては、いわゆるタイプII型のバンド構造を有するヘテロ接合となっており、バンド間トンネリングしやすいバンド構造になっている。これに対し、半導体レーザのようなp型半導体層とn型半導体層との間に活性層を備えるものにおいてMQB構造を設ける場合には、図32に示すように、いわゆるタイプIのバンド構造を有するものとなる。この場合、活性層は必ずp型半導体層及びn型半導体層よりもバンドギャップが小さくなる。つまり、電子とホールの閉じ込め効果を上げるために、活性層の伝導帯の下端のエネルギー(Ec)はp型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーよりも低くなり、活性層の価電子帯の上端のエネルギー(Ev)はn型半導体層の価電子帯の上端のエネルギーよりも高くなる。
なお、逆方向バイアス時に障壁層60及びそれ以外の層によってpn接合部13にバンド間トンネリングしうる部分が形成される場合、障壁層60及びそれ以外の層の厚さなどによって、その部分の横方向の距離が100Å以下、即ち、10nm以下になるようにすれば良い。
ここで、障壁層60は、伝導帯の下端がp型半導体層10の伝導帯の下端のエネルギーとn型半導体層11の伝導帯の下端のエネルギーとの間のエネルギーを持ち、かつ、価電子帯の上端がp型半導体層10の価電子帯の上端のエネルギーとn型半導体層11の価電子帯の上端のエネルギーとの間のエネルギーを持つものであれば良い。
なお、障壁層60のバンドギャップは大きくても小さくても良い。但し、障壁層60のバンドギャップは大きい方が好ましい。例えば、図31に示すように、障壁層60は、伝導帯の下端(Ec)がp型半導体層10の伝導帯の下端以上のエネルギーを持ち、かつ、価電子帯の上端がn型半導体層11の価電子帯の上端以下のエネルギーを持つように、バンドギャップを大きくするのが好ましい。これをワイドバンドギャップの障壁層という。なお、これらの条件のうちいずれか一方の条件を満たすものであっても良い。つまり、障壁層60は、伝導帯の下端がp型半導体層10に設けられたp側MQB構造14を構成するp側障壁層16の伝導帯の下端以上のエネルギーを持つように、バンドギャップを大きくしたものであっても良い。また、障壁層60は、価電子帯の上端がn型半導体層11に設けられたn側MQB構造15を構成するn側障壁層17の価電子帯の上端以下のエネルギーを持つように、バンドギャップを大きくしたものであっても良い。
本実施形態では、障壁層60は、図33(A)〜図33(C)に示すように、ドーピングしていないノンドープInAlAs層である。具体的には、障壁層60は、i−In0.52Al0.48As層であって、その厚さは約5nmである。この場合、障壁層60は、伝導帯の下端がp型半導体層10の伝導帯の下端以上のエネルギーを持ち、かつ、価電子帯の上端がn型半導体層11の価電子帯の上端以下のエネルギーを持つワイドバンドギャップの障壁層となる。このため、障壁層60は、電子と正孔との再結合を防ぐバリヤとして機能する。つまり、順方向バイアス時に、伝導帯の電子に対するバリヤ及び価電子帯のホールに対するバリヤとなり、リーク電流を抑制するバリヤとして機能する。また、障壁層60は、ノンドープであるため、p側のp型にドーピングされている半導体層10やn側のn型にドーピングされている半導体層11からの不純物の拡散を抑制するバリヤとしても機能する。
なお、本実施形態では、障壁層60としてi−In0.52Al0.48As層を用いているが、これに限られるものではない。
また、ここでは、障壁層60をノンドープとしているが、これに限られるものではなく、障壁層60をn型又はp型にドーピングしても良い。例えば、障壁層60として、p型InAlGaAs、p型InAl1−xAs、p型AlSb、n型InAlGaAs、n型InAl1−xAsなどを用いても良い。この場合、ドーピング濃度は5×1018cm−3とすれば良い。
このように、障壁層60には、ノンドープInAlGaAs、ノンドープInAl1−xAs、ノンドープAlSb、p型InAlGaAs、p型InAl1−xAs、p型AlSb、n型InAlGaAs、n型InAl1−xAsなどを用いることができる。つまり、障壁層は、ノンドープInAlGaAs、ノンドープInAlAs、ノンドープAlAs、ノンドープAlSb、p型InAlGaAs、p型InAlAs、p型AlAs、p型AlSb、n型InAlGaAs、n型InAlAs、n型AlAs、n型AlSbからなる群に含まれるいずれか一種の材料を含むものであれば良い。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、バックワードダイオード12の順方向バイアス時のリーク電流を抑制することができるという利点がある。また、バックワードダイオード12を用いた検波器3の検波特性、ひいては、受信機1の特性を向上させることができるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、上述の第1実施形態のもの(図1、図5参照)に障壁層60を加えたものを例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、上述の第1実施形態の変形例のもの(図14、図18、図22、図24、図26)に本実施形態の障壁層60を加えるようにしても良い。つまり、本実施形態の障壁層60は、上述の第1実施形態及びその変形例のものに適用することができる。
例えば、図34(A)〜図34(C)に示すように、p型GaAsSb層10のみにMQB構造14を設けたものに、本実施形態の障壁層60を加えるようにしても良い。また、例えば、図35(A)〜図35(C)に示すように、n型InGaAs層11のみにMQB構造15を設けたものに、本実施形態の障壁層60を加えるようにしても良い。また、例えば、図36(A)〜図36(C)に示すように、p型GaAsSb層10にMQW構造40を設け、n型InGaAs層11にMQW構造41を設けたものに、本実施形態の障壁層60を加えるようにしても良い。また、例えば、図37(A)〜図37(C)に示すように、p型GaAsSb層10のみにMQW構造40を設けたものに、本実施形態の障壁層60を加えるようにしても良い。また、例えば、図38(A)〜図38(C)に示すように、n型InGaAs層11のみにMQW構造41を設けたものに、本実施形態の障壁層60を加えるようにしても良い。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述の各実施形態及び変形例では、p型半導体層10とn型半導体層11とを、材料が異なるものとしているが、これに限られるものではなく、例えば、p型半導体層10とn型半導体層11とは、材料が同一であるものとしても良い。つまり、p型半導体層10とn型半導体層11とは、同一の材料及び異なる組成からなり、ドーピングする不純物を変えて導電型が異なるようにしたものでも良い。
例えば図39に示すように、p型半導体層10及びn型半導体層11を、InGaAsを含むもの(例えばIn0.53Ga0.47As層)とし、p型半導体層10に設けられるMQB構造14を構成する複数の障壁層16を、p型半導体層10に用いられるInGaAs(例えばp型In0.53Ga0.47As層)よりもバンドギャップが大きいInGaAsを含むもの(例えばp型In0.4Ga0.6As層)とし、n型半導体層11に設けられるMQB構造15を構成する複数の障壁層17を、InPを含むもの(例えばInP層)とすれば良い。なお、ここでは、p型半導体層10に設けられるMQB構造14を構成する複数の障壁層16は、これに限られるものではなく、例えばInPを含むものとしても良い。また、ここでは、n型半導体層11に設けられるMQB構造15を構成する複数の障壁層17は、これに限られるものではなく、例えばn型半導体層11に用いられるInGaAs(例えばn型In0.53Ga0.47As層)よりもバンドギャップが大きいInGaAsを含むものとしても良い。また、ここでは、第1実施形態の変形例として例示しているが、これに限られるものではなく、上述の各実施形態及び変形例の変形例として構成することもできる。例えば、MQB構造に代えて、MQW構造を設けても良い。この場合、p型半導体層10に設けられるMQW構造を構成する複数の井戸層は、p型半導体層10に用いられるInGaAsよりもバンドギャップが小さいInGaAsを含むものとすれば良い。また、n型半導体層11に設けられるMQW構造を構成する複数の井戸層は、n型半導体層11に用いられるInGaAsよりもバンドギャップが小さいInGaAsを含むものとすれば良い。
以下、上述の各実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
p型半導体層と、
n型半導体層と、
前記p型半導体層と前記n型半導体層とが接合されるpn接合部と、
前記p型半導体層及び前記n型半導体層の少なくとも一方に設けられ、順方向バイアス時に電子及びホールの少なくとも一方に対してバリヤとなる多重量子障壁構造又は多重量子井戸構造とを備え、
逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられており、
前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記多重量子障壁構造に含まれる一の障壁層又は前記多重量子井戸構造に含まれる一の井戸層を挟んで接合されており、
前記一の障壁層又は前記一の井戸層と前記n型半導体層とによって、又は、前記多重量子障壁構造と前記n型半導体層とによって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記n型半導体層に設けられており、
前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記多重量子障壁構造に含まれる一の障壁層又は前記多重量子井戸構造に含まれる一の井戸層を挟んで接合されており、
前記一の障壁層又は前記一の井戸層と前記p型半導体層とによって、又は、前記多重量子障壁構造と前記p型半導体層とによって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、付記1に記載の半導体装置。
(付記4)
前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられたp側多重量子障壁構造又はp側多重量子井戸構造、及び、前記n型半導体層に設けられたn側多重量子障壁構造又はn側多重量子井戸構造であり、
前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記p側多重量子障壁構造に含まれる一のp側障壁層又は前記p側多重量子井戸構造に含まれる一のp側井戸層、及び、前記n側多重量子障壁構造に含まれる一のn側障壁層又は前記n側多重量子井戸構造に含まれる一のn側井戸層を挟んで接合されており、
前記一のp側障壁層若しくは前記一のp側井戸層と前記一のn側障壁層若しくは前記一のn側井戸層とによって、又は、前記p側多重量子障壁構造若しくは前記p側多重量子井戸構造と前記n側多重量子障壁構造若しくは前記n側多重量子井戸構造とによって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、付記1に記載の半導体装置。
(付記5)
前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に設けられ、伝導帯の下端が前記p型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーと前記n型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーとの間のエネルギーを持ち、かつ、価電子帯の上端が前記p型半導体層の価電子帯の上端のエネルギーと前記n型半導体層の価電子帯の上端のエネルギーとの間のエネルギーを持つ障壁層を備え、
前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記障壁層を挟んで接合されており、
少なくとも前記障壁層によって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、付記1に記載の半導体装置。
(付記6)
前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられていることを特徴とする、付記5に記載の半導体装置。
(付記7)
前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記n型半導体層に設けられていることを特徴とする、付記5に記載の半導体装置。
(付記8)
前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられたp側多重量子障壁構造又はp側多重量子井戸構造、及び、前記n型半導体層に設けられたn側多重量子障壁構造又はn側多重量子井戸構造であることを特徴とする、付記5に記載の半導体装置。
(付記9)
前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、p型にドーピングされていることを特徴とする、付記2又は6に記載の半導体装置。
(付記10)
前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、n型にドーピングされていることを特徴とする、付記3又は7に記載の半導体装置。
(付記11)
前記p側多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記p側多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、p型にドーピングされており、
前記n側多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記n側多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、n型にドーピングされていることを特徴とする、付記4又は8に記載の半導体装置。
(付記12)
前記p型半導体層と前記n型半導体層とは、材料が異なることを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記13)
前記p型半導体層は、GaAsSbを含み、
前記n型半導体層は、InGaAsを含み、
前記多重量子障壁構造が前記p型半導体層に設けられる場合、前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層は、AlGaSb又はAlAsSbを含み、
前記多重量子井戸構造が前記p型半導体層に設けられる場合、前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、GaSb、AlGaSb、InGaSb、InAsSb、又はInGaAsSbを含むことを特徴とする、付記1、2、4〜6、8、9、11のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記14)
前記p型半導体層は、GaAsSbを含み、
前記n型半導体層は、InGaAsを含み、
前記多重量子障壁構造が前記n型半導体層に設けられる場合、前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層は、InP、InGaAs、InAlAs又はInAlGaAsを含み、
前記多重量子井戸構造が前記n型半導体層に設けられる場合、前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、前記n型半導体層に用いられるInGaAsよりもバンドギャップが小さいInGaAs、InAlGaAs、又は、InAsSbを含むことを特徴とする、付記1、3〜5、7、8、10、11のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記15)
前記p型半導体層と前記n型半導体層とは、材料が同一であることを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記16)
前記p型半導体層及び前記n型半導体層は、InGaAsを含み、
前記多重量子障壁構造が前記p型半導体層に設けられる場合、前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層は、InP、又は、前記p型半導体層に用いられるInGaAsよりもバンドギャップが大きいInGaAsを含み、
前記多重量子井戸構造が前記p型半導体層に設けられる場合、前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、前記p型半導体層に用いられるInGaAsよりもバンドギャップが小さいInGaAsを含むことを特徴とする、付記1、2、4〜6、8、9、11のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記17)
前記p型半導体層及び前記n型半導体層は、InGaAsを含み、
前記多重量子障壁構造が前記n型半導体層に設けられる場合、前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層は、InP、又は、前記n型半導体層に用いられるInGaAsよりもバンドギャップが大きいInGaAsを含み、
前記多重量子井戸構造が前記n型半導体層に設けられる場合、前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、前記n型半導体層に用いられるInGaAsよりもバンドギャップが小さいInGaAsを含むことを特徴とする、付記1、3〜5、7、8、10、11のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記18)
前記障壁層は、ノンドープInAlGaAs、ノンドープInAlAs、ノンドープAlAs、ノンドープAlSb、p型InAlGaAs、p型InAlAs、p型AlAs、p型AlSb、n型InAlGaAs、n型InAlAs、n型AlAs、n型AlSbからなる群に含まれるいずれか一種の材料を含むことを特徴とする、付記5〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記19)
増幅器と、
前記増幅器に接続された検波器とを備え、
前記検波器が、付記1〜18に記載の半導体装置であることを特徴とする受信機。
(付記20)
ミキサー回路を備え、
前記ミキサー回路が、付記1〜18に記載の半導体装置を含むことを特徴とする受信機。
1 受信機
2 ローノイズアンプ
3 検波器
4 インダクタ
5 モノリシックマイクロ波集積回路
6 アンテナ
10 p型GaAsSb層(p型半導体層)
11 n型InGaAs層(n型半導体層)
12 バックワードダイオード
13 pn接合部
14 p側MQB構造
15 n側MQB構造
16 p型AlGaSb層(障壁層)
17 n型InP層(障壁層)
20 半絶縁性InP基板
21 i−InAlAsバッファー層
22 n−InGaAsオーミックコンタクト層
23 n−InPエッチング停止層
24、25 レジスト
26 上部電極
27 下部電極
30〜35 レジスト
40 p側MQW構造
41 n側MQW構造
42 p型GaSb層
43 n型InGaAs層
50 ミキサー(ミキサー回路)
51 入力端子
52 出力端子
53 局部発振器
54 アンプ
60 障壁層
D1 第1ダイオード
D2 第2ダイオード
R1 抵抗
C1 コンデンサ

Claims (13)

  1. p型半導体層と、
    n型半導体層と、
    前記p型半導体層と前記n型半導体層とが接合されるpn接合部とを備えるバックワードダイオードを備え
    前記バックワードダイオードは、
    フラットバンド状態で、前記p型半導体層の伝導帯の下端よりも前記n型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーが低く、かつ、前記p型半導体層の価電子帯の上端よりも前記n型半導体層の価電子帯の上端のエネルギーが低い接合を持ち、前記p型半導体層の価電子帯の上端よりも前記n型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーが高くなっており、
    前記p型半導体層及び前記n型半導体層の少なくとも一方に設けられ、順方向バイアス時に電子及びホールの少なくとも一方に対してバリヤとなる多重量子障壁構造又は多重量子井戸構造を備え、
    逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられており、
    前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記多重量子障壁構造に含まれる一の障壁層又は前記多重量子井戸構造に含まれる一の井戸層を挟んで接合されており、
    前記一の障壁層又は前記一の井戸層と前記n型半導体層とによって、又は、前記多重量子障壁構造と前記n型半導体層とによって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記n型半導体層に設けられており、
    前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記多重量子障壁構造に含まれる一の障壁層又は前記多重量子井戸構造に含まれる一の井戸層を挟んで接合されており、
    前記一の障壁層又は前記一の井戸層と前記p型半導体層とによって、又は、前記多重量子障壁構造と前記p型半導体層とによって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられたp側多重量子障壁構造又はp側多重量子井戸構造、及び、前記n型半導体層に設けられたn側多重量子障壁構造又はn側多重量子井戸構造であり、
    前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記p側多重量子障壁構造に含まれる一のp側障壁層又は前記p側多重量子井戸構造に含まれる一のp側井戸層、及び、前記n側多重量子障壁構造に含まれる一のn側障壁層又は前記n側多重量子井戸構造に含まれる一のn側井戸層を挟んで接合されており、
    前記一のp側障壁層若しくは前記一のp側井戸層と前記一のn側障壁層若しくは前記一のn側井戸層とによって、又は、前記p側多重量子障壁構造若しくは前記p側多重量子井戸構造と前記n側多重量子障壁構造若しくは前記n側多重量子井戸構造とによって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に設けられ、伝導帯の下端が前記p型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーと前記n型半導体層の伝導帯の下端のエネルギーとの間のエネルギーを持ち、かつ、価電子帯の上端が前記p型半導体層の価電子帯の上端のエネルギーと前記n型半導体層の価電子帯の上端のエネルギーとの間のエネルギーを持つ障壁層を備え、
    前記pn接合部において、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが、前記障壁層を挟んで接合されており、
    少なくとも前記障壁層によって、逆方向バイアス時に前記pn接合部に電子がバンド間トンネリングしうる部分が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記n型半導体層に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置。
  8. 前記多重量子障壁構造又は前記多重量子井戸構造は、前記p型半導体層に設けられたp側多重量子障壁構造又はp側多重量子井戸構造、及び、前記n型半導体層に設けられたn側多重量子障壁構造又はn側多重量子井戸構造であることを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置。
  9. 前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、p型にドーピングされていることを特徴とする、請求項2又は6に記載の半導体装置。
  10. 前記多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、n型にドーピングされていることを特徴とする、請求項3又は7に記載の半導体装置。
  11. 前記p側多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記p側多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、p型にドーピングされており、
    前記n側多重量子障壁構造を構成する複数の障壁層又は前記n側多重量子井戸構造を構成する複数の井戸層は、n型にドーピングされていることを特徴とする、請求項4又は8に記載の半導体装置。
  12. 増幅器と、
    前記増幅器に接続された検波器とを備え、
    前記検波器が、請求項1〜11に記載の半導体装置であることを特徴とする受信機。
  13. ミキサー回路を備え、
    前記ミキサー回路が、請求項1〜11に記載の半導体装置を含むことを特徴とする受信機。
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