JP6788190B2 - トンネル型半導体素子 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル型半導体素子に関するものであり、例えば、超高周波のテラヘルツセンサーや、テラヘルツ無線通信の分野で用いるミリ波やテラヘルツ波の発生と検出を同時に行うトンネル型半導体素子に関する。
大容量無線通信やイメージングのために、高速かつ高感度で動作する受信デバイスが必要になる。受信器ではRF信号をDCに変換する検波器で、高感度の特性が求められる。特に、ミリ波帯やテラヘルツ帯での動作では、検波器の雑音を低減することで、より低い入力電力での受信が可能となる。
図15は、従来のダイオードの概念的断面図及び等価回路図である。ダイオードの接合部には、接合容量Rと接合抵抗Cが並列に入り、これらと直列にシリーズ抵抗Rが接続される。ここで雑音に影響を及ぼすのがRである。特に、雑音等価電力(NEP:Noise Equivalent Power)に影響を与える。
雑音等価電力NEPは、kをボルツマン定数、Tを温度、βを感度とすると、
NEP=(4kTR1/2/β
で表される。即ち、Rが大きいとNEPが大きくなって雑音に影響することがわかる。
そこで、検波器の感度を向上させるために、ヘテロ接合を用いたバックワードダイオードを検波器に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この検波器は、ゼロバイアスで電流・電圧特性の非線形性が通常のショットキーダイオードより強いため、感度が高い特徴がある。但し、接合界面がタイプIIのヘテロ接合を持ち、ヘテロ接合にバンド間トンネル電流を流すために、界面での接合抵抗Rが大きくなる問題があった。
図16は、ヘテロ接合のフラットバンド構造図であり、半導体の電子親和力χとバンドギャップEとの関係により3つのタイプに分けられる。図16(a)通常のタイプIのヘテロ接合であり、図16(b)は、Sb系の化合物半導体を用いたタイプIIのヘテロ接合であり、図16(c)は、タイプIIIのヘテロ接合である。なお、タイプIIIのヘテロ接合は常にオーミック特性を示し整流作用はない。
そこで、ヘテロ接合近傍におけるバンドギャップを徐々に狭くすることで接合抵抗Rの低減を図ることが提案されている(例えば、特許文献2参照)ので、図17を参照して説明する。図17は、従来の改良型バックワードダイオードの説明図であり、n型In0.53Ga0.47As層71とn型In0.8Ga0.2As層73との間にn型In0.63Ga0.37As層72を設けて、ヘテロ接合の変化をなだらかにしている。なお、図における符号74は、p型GaAsSb層である。
特開2010−251689号公報 特開2014−053548号公報
しかし、特許文献2における提案でも、タイプIIのヘテロ接合を用いる限り、バンド間トンネル電流を流す必要があるため、接合抵抗Rの低減には限度があった。
本発明は、トンネル型半導体素子の接合抵抗Rを従来のタイプII型ヘテロ接合バックワードダイオードよりも低減させ、且つ、ショットキーダイオードより低雑音で高感度にすることを目的とする。
一つの態様では、トンネル型半導体素子は、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた第1のn型半導体層と、前記第1のn型半導体層上に設けられ、前記第1のn型半導体層の伝導帯の下端のエネルギー準位よりも低い伝導帯の下端のエネルギー準位を有する第2のn型半導体層と、前記第2のn型半導体層上に設けられた第1のp型半導体層と、前記第1のp型半導体層上に設けられ、前記第1のp型半導体層の価電子帯の上端のエネルギー準位よりも低い価電子帯の上端のエネルギー準位を有する第2のp型半導体層とを有し、前記第1のp型半導体層の価電子帯上部と前記第2のn型半導体層の伝導帯下部とが0eV〜0.1eVの範囲で重なる
一つの側面として、トンネル型半導体素子によれば、接合抵抗Rjを従来のタイプII型ヘテロ接合バックワードダイオードよりも低減させ、且つ、ショットキーダイオードより低雑音で高感度にすることが可能になる。
本発明の実施の形態のトンネル型半導体素子のフラットバンド構造図である。 本発明の実施例1のトンネル型半導体素子の概略断面図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子の製造工程の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子の製造工程の図3以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子の製造工程の図4以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子の製造工程の図5以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子の製造工程の図6以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子の製造工程の図7以降の説明図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子のエネルギーバンド構造図である。 本発明の実施例1のトンネル半導体素子のI−V特性図である。 本発明の実施例2のトンネル型半導体素子の概略的断面図である。 本発明の実施例3のトンネル半導体素子の製造工程の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のトンネル半導体素子の製造工程の図12以降の説明図である。 本発明の実施例4の信号処理システムの説明図である。 従来のダイオードの概略的断面図及び等価回路図である。 ヘテロ接合のフラットバンド構造図である。 従来の改良型バックワードダイオードの説明図である。
ここで、図1を参照して、本発明の実施の形態のトンネル型半導体素子を説明する。図1は、本発明の実施の形態のトンネル型半導体素子のフラットバンド図であり、図1(a)は、pn接合界面のフラットバンド図であり、図1(b)は積層構造を示すフラットバンド図である。図1(b)に示すように、半導体基5板側から順に第1のn型半導体層4、第2のn型半導体層2、第1のp型半導体層1及び第2のp型半導体層3を積層する。
図1(a)に示すように、電子親和力の大きな第1のp型半導体層1の価電子帯上部と電子親和力の小さな第2のn型半導体層2の伝導帯下部とは一致する(0eV)か或いは縮退エネルギー(0.1eV)以下の僅かの範囲で重なりを有する。このバンド構造をとるためには、実際は結晶格子に不整合がある状態が多く、図1(a)に示した構造を厚くすることができないので、半導体基板5と格子整合した第2p型半導体層3と第1のn型半導体層4とで第1のp型半導体層1及び第2のn型半導体層2を挟んだ構造とする。
具体的には、第1のn型半導体層4はその伝導帯下部のエネルギーが第2のn型半導体層2の伝導帯下部のエネルギーより高く且つ半導体基板5と格子整合する。また、第2のp型半導体層3の価電子帯上部のエネルギーが第1のp型半導体層1の価電子帯上部のエネルギーより低く且つ半導体基板5と格子整合する。なお、ここでは、格子定数の差が0.5%以下の場合を格子整合と言う。この様なフラットバンド構造により、逆バイアスの時のみバンド間トンネル電流が流れる。なお、第1のp型半導体層1におけるホール及び第2のn型半導体層2における電子は量子準位を形成しても良い。
第1のp型半導体層1及び第2のn型半導体層2と半導体基板5との間に結晶格子に不整合がある場合には、第2のn型半導体層2と第1のp型半導体層1の合計の厚さを臨界膜厚より薄い厚さ、例えば、10nm以下にすることが望ましい。
なお、第1のn型半導体層2を、半導体基板5側から順に第1の不純物濃度のn型半導体層と第1の不純物濃度より低い第2の不純物濃度のn型半導体層の2層構造にしても良い。
具体的構造としては、半導体基板5がi型InP基板であり、第1のn型半導体層4がn型In0.53Ga0.47As層であり、第2のn型半導体層2がn型InGa1−xAs層(但し、0.53<x<1)であり、第1のp型半導体層1がp型GaSbであり、第2のp型半導体層3がp型GaAs0.51Sb0.49層である。この時、半導体基板5と第1のn型半導体層4との間にi型In0.52Al0.48Asバッファ層を設けても良い。
また、不純物の相互拡散を防止するために、第2のn型半導体層2と第1のp型半導体層1との間にノンドープスペーサ層を設けても良い。ノンドープスペーサ層としては、例えば、第2のn型半導体層2と同じIn組成比xのi型InGa1−xAs層或いはi型GaSbのいずれかを用いる。ノンドープスペーサ層の厚さは2nm〜5nmが好適である。
また、第2のp型半導体層3の第1のp型半導体層1と接する面と反対側の面に、第2のp型半導体層3とタイプIIIのヘテロ接合を形成する第3のn型半導体層を設けても良い。それによって、p側電極とn側電極とを、同じ材料及び積層構造の電極とすることができるので、製造工程を簡素化することができる。
本発明の実施の形態のトンネル型半導体素子においては、バンド間トンネル電流が流れる障壁の厚さがより薄くなるのでヘテロ接合界面で接合抵抗Rが低下するので、NEPが改善される。低雑音が得られるため、微弱なミリ波、テラヘルツ波を高感度で検出することができる。そのため、ミリ波やテラヘルツ波の検出精度が向上し、センサ感度向上や無線伝送距離の拡張が実現できる。
次に、図2乃至10を参照して、本発明の実施例1のトンネル型半導体素子を説明する。図2は、本発明の実施例1のトンネル型半導体素子の概略的断面図であり、半絶縁性InP基板21上にi型In0.52Al0.48Asバッファ層22を介してn型In0.53Ga0.47As層23、n型In0.53Ga0.47As層24、n型In0.8Ga0.2As層25、p型GaSb26及びp型GaAs0.51Sb0.49層27を順次積層する。p型GaAs0.51Sb0.49層27上にPt/Au構造のp側電極32を設け、n型In0.53Ga0.47As層23の露出部にTi/Au構造のn側電極35を設ける。ベンゾシクロブテン(BCB:Benzocyclobutene)からなる層間絶縁膜36で覆ったのち、p側電極32に接続する引出電極32とn側電極35に接続する引出電極40を形成する。なお、この引出電極39,40と同時に所定の配線及びアンテナも同時に形成する。
次に、図3乃至図8を参照して、本発明の実施例1のトンネル型半導体素子の製造工程を説明する。まず、図3(a)に示すように、MOVPE(有機金属気相成長)法を用いて半絶縁性InP基板21上に厚さが200nmのi型In0.52Al0.48Asバッファ層22を成長させる。次いで、不純物濃度が1×1019cm−3で厚さが200nmのn型In0.53Ga0.47As層23、不純物濃度が1×1018cm−3で厚さが50nmのn型In0.53Ga0.47As層24及び不純物濃度が1×1018cm−3で厚さが3nmのn型In0.8Ga0.2As層25を積層する。次いで、不純物濃度が1×1019cm−3で厚さが3nmのp型GaSb26及び不純物濃度が1×1019cm−3で厚さが50nmのp型GaAs0.51Sb0.49層27を順次積層する。
次いで、図3(b)に示すように、レジストパターン28をマスクとして、リン酸と過酸化水素水の混合液を用いてp型GaAs0.51Sb0.49層27乃至n型In0.53Ga0.47As層24をエッチングしてメサ構造を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、レジストパターン28を剥離したのち、新たに設けたレジストパターン29をマスクとして、リン酸と過酸化水素水の混合液を用いてn型In0.53Ga0.47As層23の露出部をエッチングして素子分離エリアを規定する。
次いで、図4(d)に示すように、レジストパターン29を剥離したのち、メサ頂部に達する開口部を有するレジストパターン30を設け、真空蒸着法により厚さが10nmのPt層及び厚さが300nmのAu層を順次成膜してPt/Au層31を形成する。
次いで、図5(e)に示すように、レジストパターン30を剥離してその上に堆積したPt/Au層31をリフトオフする。メサ頂部に残ったPt/Au層がp側電極(アノード)32となる。
次いで、図5(f)に示すように、n型In0.53Ga0.47As層23の露出部に達する開口部を有するレジストパターン33を設け、真空蒸着法により厚さが10nmのTi層及び厚さが300nmのAu層を順次成膜してTi/Au層34を形成する。
次いで、図6(g)に示すように、レジストパターン33を剥離してその上に堆積したTi/Au層34をリフトオフする。n型In0.53Ga0.47As層23の露出部に残ったTi/Au層がn側電極(カソード)35となる。次いで、図6(h)に示すように、全体にBCBを塗布したのち、熱硬化させて層間絶縁膜36とする。
次いで、図7(i)に示すように、レジストパターン37を設けて、ドライエッチングにより層間絶縁膜36にp側電極32及びn側電極35に達するコンタクトホールを形成する。
次いで、図7(j)に示すように、レジストパターン37を除去したのち、全面にスパッタ法によりメッキシード層(図示は省略)を形成する。次いで、レジストパターンによりコンタクトホールを開口するメッキフレーム38を形成する。
次いで、図8(k)に示すように、メッキフレーム38をマスクとして電解メッキ法によりAuメッキを施すことによってp側電極32に接続する引出電極39及びn側電極35に接続する引出電極40を形成する。この時、引出電極39,40と同時に所定の配線及びアンテナも同時に形成する。
次いで、図8(l)に示すように、レジストパターン38を剥離したのち、メッキシード層の露出部を除去することによって、本発明の実施例1のトンネル型半導体素子の基本構造が完成する。
図9は、本発明の実施例1のトンネル型半導体素子のエネルギーバンド構造図であり、図9(a)は、全体のエネルギーバンド構造図であり、図9(b)はpn接合近傍の拡大図である。図9(a)から明らかなように、n型In0.53Ga0.47As層23、p型GaSb26及びp型GaAs0.51Sb0.49層27は縮退している。また、図9(b)に示すように、n型In0.8Ga0.2As層25及びp型GaSb26は臨界膜厚以下の濃く薄い厚さにしているので、それぞれ量子準位51,52が形成されている。なお、縮退半導体とは、一般的にはフェルミ準位が伝導帯或いは価電子帯の中に位置して金属的状態の半導体であり、半導体と金属電極とのオーム性接触を取る場合やトンネル電流を流す場合に半導体を縮退状態にすることが行われている。
図10は、本発明の実施例1のトンネル型半導体素子のI−V特性図である。このトンネル型半導体素子は、バックワードダイオードとして動作するため、順方向バイアスでは電流が流れず、逆方向バイアス時にバンド間トンネル電流が流れる。この時、バンド間トンネル電流が通過する障壁の厚さが薄くなるので、ヘテロ接合界面で接合抵抗Rが低下する。
本発明の実施例1においては、pn接合部をp型半導体層の価電子帯上部とn型半導体の伝導帯下部のエネルギーがほぼ一致するようにしているので、ヘテロ接合界面で接合抵抗Rが低いために雑音等価電力NEPが改善される。それにより、より低い入力電力まで検波できるため、ミリ波やテラヘルツ波の検出精度の向上および無線伝送距離の拡張が実現できる。これにより、センサシステムや無線通信システムの機能向上に寄与する効果が大きい。
次に、図11を参照して、本発明の実施例2のトンネル型半導体素子を説明するが、この実施例2のトンネル型半導体素子は、上記の実施例1のトンネル型半導体素子のpn接合界面にノンドープスペーサ層を挿入したものである。図11は、実施例2のトンネル型半導体素子の概略的断面図であり、半絶縁性InP基板21上にi型In0.52Al0.48Asバッファ層22を介してn型In0.53Ga0.47As層23、n型In0.53Ga0.47As層24、n型In0.8Ga0.2As層25、厚さが3nmのノンドープスペーサ層41、p型GaSb26及びp型GaAs0.51Sb0.49層27を順次積層する。p型GaAs0.51Sb0.49層27上にPt/Au構造のp側電極32を設け、n型In0.53Ga0.47As層23の露出部にTi/Au構造のn側電極35を設ける。BCBからなる層間絶縁膜36で覆ったのち、p側電極32に接続する引出電極32とn側電極35に接続する引出電極40を形成する。なお、この引出電極39,40と同時に所定の配線及びアンテナも同時に形成する。ここでは、ノンドープスペーサ層41をi型GaSb層とするが、i型In0.8Ga0.2As層を用いても良い。
本発明の実施例1においては、n型In0.8Ga0.2As層25とp型GaSb26との間にノンドープスペーサ層41を挿入しているので、n型In0.8Ga0.2As層25とp型GaSb26との間の不純物の相互拡散を低減することができる。それによって、接合界面での再結合電流の発生を抑制することができる。
次に、図12及び図13を参照して、本発明の実施例3のトンネル型半導体素子を説明するが、実施例1のトンネル型半導体素子のp型GaAs0.51Sb0.49層上にn型In0.8Ga0.2As層を設けたものである。図12(a)に示すように、実施例1と同様にメサ構造を形成する。この時、メサ構造を形成する前に、p型GaAs0.51Sb0.49層27上に不純物濃度が1×1019cm−3のn型In0.8Ga0.2As層42を形成しておく。なお、n型In0.8Ga0.2As層42はp型GaAs0.51Sb0.49層27と格子整合しないので、臨界膜厚以下にする必要があり、ここでは、3nmとする。また、n型In0.8Ga0.2As層42とp型GaAs0.51Sb0.49層27は共に縮退し、界面の空乏層がトンネルできる程度に十分薄いため、オーミック特性となる。
次いで、図12(b)に示すように、n型In0.8Ga0.2As層42及びn型In0.53Ga0.47As層23の露出部に達する開口部を有するレジストパターン43を設け、真空蒸着法により厚さが10nmのTi層及び厚さが300nmのAu層を順次成膜してTi/Au層44を形成する。
次いで、図13(c)に示すように、レジストパターン43を剥離してその上に堆積したTi/Au層44をリフトオフする。n型In0.8Ga0.2As層42及びn型In0.53Ga0.47As層23の露出部に残ったTi/Au層がp側電極45及びn側電極46となる。
次いで、図13(d)に示すように、全体にBCBを塗布したのち、熱硬化させて層間絶縁膜47とする。次いで、実施例1と同様に、レジストパターン(図示は省略)を設けて、ドライエッチングにより層間絶縁膜47にp側電極45及びn側電極46に達するコンタクトホールを形成する。次いで、レジストパターンを除去したのち、全面にスパッタ法によりメッキシード層(図示は省略)を形成する。次いで、レジストパターンによりコンタクトホールを開口するメッキフレーム(図示は省略)を形成する。
次いで、メッキフレームをマスクとして電解メッキ法によりAuメッキを施すことによってp側電極45に接続する引出電極48及びn側電極46に接続する引出電極49を形成する。この時、引出電極48,49と同時に所定の配線及びアンテナも同時に形成する。次いで、レジストパターンを剥離したのち、メッキシード層の露出部を除去することによって、本発明の実施例3のトンネル型半導体素子の基本構造が完成する。
本発明の実施例3においては、p型GaAs0.51Sb0.49層27上にn型In0.8Ga0.2As層42を形成しているので、一度の工程でp側電極45及びn側電極46を同時に形成することができるので、製造工程を簡素化することができる。なお、この実施例3においても、上記の実施例2と同様に、n型In0.8Ga0.2As層25とp型GaSb26との間にノンドープスペーサ層41を挿入しても良い。
次に、図14を参照して、本発明の実施例4の信号処理システムを説明するが、ここでは、検波器として上記の実施例1のトンネル型半導体素子を用いた場合として説明する。図14は、本発明の実施例4の信号処理システムの説明図であり、受信アンテナ61と、受信アンテナ61で受信したミリ波信号を増幅する低雑音増幅器62と、増幅した信号を検波するトンネル型半導体素子63とコイル64を備えている。
受信アンテナ61から入力されたミリ波(Pin)は微弱なため、低雑音増幅器62で増幅される。その後、増幅されたRF信号はトンネル型半導体素子63で検波されたRF信号はDCとなって出力(Vout)される。これ以降は、通常のA−Dコンバータ(図示は省略)を使って通常のデジタル信号処理を行うことで受信の信号を得ることができる。なお、トンネル型半導体素子として、上記の実施例2或いは実施例3のトンネル型半導体素子を用いても良い。
ここで、実施例1乃至実施例3を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた第1のn型半導体層と、前記第1のn型半導体層上に設けられ、前記第1のn型半導体層の伝導帯の下端のエネルギー準位よりも低い伝導帯の下端のエネルギー準位を有する第2のn型半導体層と、前記第2のn型半導体層上に設けられた第1のp型半導体層と、前記第1のp型半導体層上に設けられ、前記第1のp型半導体層の価電子帯の上端のエネルギー準位よりも低い価電子帯の上端のエネルギー準位を有する第2のp型半導体層と、を有するトンネル型半導体素子。
(付記2)前記第2のn型半導体層と前記第1のp型半導体層の合計の厚さが、臨界膜厚より薄い付記1に記載のトンネル型半導体素子。
(付記3)前記第1のn型半導体層が、前記半導体基板側から順に第1の不純物濃度のn型半導体部分と前記第1の不純物濃度よりも低い第2の不純物濃度のn型半導体部分からなる付記1または付記2に記載のトンネル型半導体素子。
(付記4)前記第1のp型半導体層が、縮退半導体である付記1乃至付記3のいずれか1に記載のトンネル型半導体素子。
(付記5)前記半導体基板が半絶縁性InP基板であり、前記第1のn型半導体層がn型In0.53Ga0.47As層であり、前記第2のn型半導体層がn型InGa1−xAs層(但し、0.53<x<1)であり、前記第1のp型半導体層がp型GaSbであり、前記第2のp型半導体層がp型GaAs0.51Sb0.49層である付記1乃至付記4のいずれか1に記載のトンネル型半導体素子。
(付記6)前記半導体基板と前記第1のn型半導体層との間にi型In0.52Al0.48Asバッファ層をさらに設けた付記5に記載のトンネル型半導体素子。
(付記7)前記第2のn型半導体層と前記第1のp型半導体層との間にノンドープスペーサ層をさらに設けた付記1乃至付記6のいずれか1に記載のトンネル型半導体素子。
(付記8)前記ノンドープスペーサ層が、前記n型iInGa1−xAs層と同じIn組成比xのi型InGa1−xAs層或いはi型GaSbのいずれかである付記7に記載のトンネル型半導体素子。
(付記9)前記第2のp型半導体層の前記第1のp型半導体層と接する面と反対側の面に、前記第2のp型半導体層とタイプIIIのヘテロ接合を形成する第3のn型半導体層を設けた付記1乃至付記8のいずれか1に記載のトンネル型半導体素子。
(付記10)p側電極とn側電極とが、同じ材料及び積層構造の電極である付記9に記載のトンネル型半導体素子。
(付記11)受信アンテナと、前記受信アンテナで受信した信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅した信号を検波する付記1乃至付記10のいずれか1に記載のトンネル型半導体素子とを少なくとも備えた信号処理システム。
1 第1のp型半導体層
2 第2のn型半導体層
3 第2のp型半導体層
4 第1のn型半導体層
5 半導体基板
21 半絶縁性InP基板
22 i型In0.52Al0.48Asバッファ層
23 n型In0.53Ga0.47As層
24 n型In0.53Ga0.47As層
25 n型In0.8Ga0.2As層
26 p型GaSbs層
27 p型GaAs0.51Sb0.49
28〜30 レジストパターン
31 Pt/Au層
32 p側電極
33 レジストパターン
34 Ti/Au層
35 n側電極
36 層間絶縁膜
37 レジストパターン
38 メッキフレーム
39,40 引出電極
41 ノンドープスペーサ層
42 n型In0.8Ga0.2As層
43 レジストパターン
44 Ti/Au層
45 p側電極
46 n側電極
47 層間絶縁膜
48,49 引出電極
51,52 量子準位
61 受信アンテナ
62 低雑音増幅器
63 トンネル型半導体素子
64 コイル
71 n型In0.53Ga0.47As層
72 n型In0.63Ga0.37As層
73 n型In0.8Ga0.2As層
74 p型GaAsSb層

Claims (5)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に設けられた第1のn型半導体層と、
    前記第1のn型半導体層上に設けられ、前記第1のn型半導体層の伝導帯の下端のエネルギー準位よりも低い伝導帯の下端のエネルギー準位を有する第2のn型半導体層と、
    前記第2のn型半導体層上に設けられた第1のp型半導体層と、
    前記第1のp型半導体層上に設けられ、前記第1のp型半導体層の価電子帯の上端のエネルギー準位よりも低い価電子帯の上端のエネルギー準位を有する第2のp型半導体層とを有し、
    前記第1のp型半導体層の価電子帯上部と前記第2のn型半導体層の伝導帯下部とが0eV〜0.1eVの範囲で重なるトンネル型半導体素子。
  2. 前記第2のn型半導体層と前記第1のp型半導体層の合計の厚さが、臨界膜厚より薄い請求項1に記載のトンネル型半導体素子。
  3. 前記半導体基板が半絶縁性InP基板であり、
    前記第1のn型半導体層がn型In0.53Ga0.47As層であり、
    前記第2のn型半導体層がn型InGa1−xAs層(但し、0.53<x<1)であり、
    前記第1のp型半導体層がp型GaSb層であり、
    前記第2のp型半導体層がp型GaAs0.51Sb0.49層である請求項1または請求項2に記載のトンネル型半導体素子。
  4. 前記第2のn型半導体層と前記第1のp型半導体層との間にノンドープスペーサ層をさらに設けた請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトンネル型半導体素子。
  5. 前記第2のp型半導体層の前記第1のp型半導体層と接する面と反対側の面に、前記第2のp型半導体層とタイプIIIのヘテロ接合を形成する第3のn型半導体層を設けた請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のトンネル型半導体素子。
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