JP5951266B2 - 勾配情報取得方法、勾配情報記憶済記憶媒体を作成する方法、勾配情報取得装置およびプログラム - Google Patents

勾配情報取得方法、勾配情報記憶済記憶媒体を作成する方法、勾配情報取得装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、勾配情報取得方法、勾配情報記憶済記憶媒体作成する方法、勾配情報取得装置およびプログラムに関する。
近年主流になりつつあるデジタルATC方式では、鉄道車両に搭載された制御装置が、勾配や鉄道車両の性能に基づいてブレーキパターンの生成を行う。このため、鉄道車両の制御装置に予め勾配情報を与えておく(記憶させておく)必要がある。
ここで、軌道は必ずしも図面どおりに施工されない。そのため、軌道施工完了後に勾配を実測し、実測値を勾配情報として制御装置に与える必要がある。
この勾配の実測に関連して、特許文献1に記載の保守設備データの検出および検査装置は、複数の車両が連結された検測車の編成における先頭と最後尾の車両の屋根にそれぞれ取り付けられた照射装置と受光装置とを備える。そして、照射装置からの光を常に受光装置が受けるようにそれぞれの装置が自動的に向きを変更し、複数の車両が連結された検測車の車両の編成が平面直線上に並んだ時の照射装置と受光装置の位置からの変更角度を計測した移動量により、曲率半径及び勾配量を算出して、路線形状の曲線情報及び勾配情報を含む保線設備データを検出する。
そして、検測車の走行により、曲線情報だけでなく、分岐情報も含めた保線設備データの取得が可能となることで、分岐情報を測量する手間が省ける、とされている。さらに、得られたデータと比較することにより、以前の保線設備データが検査可能となることで、データの信頼性を向上させ、不具合の早期発見が可能となる、とされている。
特許第4619890号公報
しかしながら、特許文献1に記載の保守設備データの検出および検査装置を用いた保守設備データの検出方法では、当該検査装置を搭載した専用の検測車の開発コストや、製造コストや、現地輸送コストがかかる。このように、当該方法では多大なコストがかかり、特に、小規模な交通システムにおいて当該方法を用いることは現実的でない。
また、かかる検測車を用いない場合、人手で勾配を測定することが考えられる。しかしながら、人手による勾配の測定には非常に時間がかかってしまう。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、専用の検測車を必要とせず、比較的短時間で勾配情報を得られる勾配情報取得方法、勾配情報取得装置、プログラム、および、得られた勾配情報を記憶する勾配情報記憶済記憶媒体作成する方法を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による勾配情報取得方法は、鉄道車両の速度の測定値を取得する速度測定値取得ステップと、前記鉄道車両の走行経路の勾配を示す関数を含む運動方程式を用いて、前記鉄道車両の速度の計算値を求める速度算出ステップと、前記速度の計算値と前記速度の測定値との差が最小となる、前記勾配を示す関数のパラメータ値を求めるパラメータ値取得ステップと、前記パラメータ値取得ステップにて取得した、前記勾配を示す関数のパラメータ値に基づいて前記走行経路の勾配を求める勾配情報取得ステップと、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による勾配情報取得方法は、上述の勾配情報取得方法であって、前記速度測定値取得ステップは、速度計による前記鉄道車両の速度の測定値を取得する速度計測定値取得ステップと、前記鉄道車両が所定の位置を走行する時刻の情報を取得する走行時刻取得ステップと、前記走行時刻取得ステップにて取得したデータに基づいて、前記速度計の測定値を補正して前記鉄道車両の速度の測定値を求める速度計測定値補正ステップと、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による勾配情報取得方法は、上述の勾配情報取得方法であって、勾配を求める対象の走行経路のうち前記勾配情報取得方法にて勾配を求める区間を決定する区間決定ステップを具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による勾配情報取得方法は、上述の勾配情報取得方法であって、前記区間決定ステップにて、前記勾配を求める対象の走行経路の両方向各々について前記勾配情報取得方法にて勾配を求める区間を決定することを特徴とする。
また、本発明の一態様による勾配情報記憶済記憶媒体の作成方法は、上記のいずれかの勾配情報取得方法を実行するステップと、 得られた勾配を示す情報を記憶媒体に記憶するステップと、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による勾配情報取得装置は、鉄道車両の速度の測定値を取得する速度測定値取得部と、前記鉄道車両の走行経路の勾配を示す関数を含む運動方程式を用いて、前記鉄道車両の速度の計算値を求める速度算出部と、前記速度の計算値と当該速度の測定値との差が最小となる前記勾配を示す関数のパラメータ値を求めるパラメータ値取得部と、前記パラメータ値取得部が取得した前記勾配を示す関数のパラメータ値に基づいて前記走行経路の勾配を求める勾配情報取得部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による勾配情報記憶済記憶媒体作成する方法は、上記のいずれかの勾配情報取得方法を実行するステップと、上記のいずれかの勾配情報取得方法を実行するステップで得られた勾配を示す情報を記憶媒体に記憶するステップと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、専用の検測車を必要とせず、比較的短時間で勾配情報を得ることができる。
本発明の一実施形態における勾配情報取得システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における、軌道開通時の作業工程の例を示す説明図である。 同実施形態において、勾配情報取得装置が勾配情報を求める処理の手順を模式的に示す説明図である。 同実施形態におけるモータの特性の例を示す説明図である。 同実施形態における関数gの調整パラメータとしての勾配変化点の位置および高度の例を示す説明図である。 同実施形態おいて、勾配情報取得装置が勾配情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。 同実施形態における関数gの調整パラメータの、もう1つの例を示す説明図である。 同実施形態おいて、勾配情報取得装置が、速度計の測定値を補正して用いる場合の、勾配情報取得システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態おいて、速度計補正部が、速度の補正を行う際に求める鉄道車両の位置情報の例を示す説明図である。 同実施形態おいて、勾配情報取得装置が、勾配情報取得対象となっている軌道のうち一部区間の勾配情報を求める場合の、勾配情報取得システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態おいて、区間決定部が、勾配を求める区間として決定する区間の例を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態における勾配情報取得システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、勾配情報取得システム1は、鉄道車両100と、勾配情報取得装置300とを具備する。
鉄道車両100は、通信部(速度測定値取得部)110と、速度計130と、モータ140と、制御装置150とを具備する。勾配情報取得装置300は、通信部310と、処理部320とを具備する。処理部320は、速度算出部323と、パラメータ値取得部324と、勾配情報取得部325とを具備する。
鉄道車両100は、勾配測定対象の軌道を走行可能な鉄道車両である。鉄道車両100は、モータ140を回転させて走行し、鉄道車両100の速度情報と、モータ140の動作状況を示す情報(例えば、ノッチ段数指令値。以下、「モータ動作状況情報」と称する)とを、勾配情報取得装置300に送信する。
ここで、鉄道車両100の速度情報やモータ動作状況情報は、通常の車両(通常の営業運転に使用する車両)で取得可能である。従って、鉄道車両100は通常の車両でよく、勾配情報の取得のために専用車両を用意する必要は無い。
なお、ここでいう鉄道車両は、典型的には列車であるが、連結されずに走行する鉄道車両であってもよい。
通信部110は、勾配情報取得装置300(通信部310)と通信を行う。特に、通信部110は、鉄道車両100の速度情報と、モータ動作状況情報とを、勾配情報取得装置300に送信する。
速度計130は、鉄道車両100の速度を測定し、得られた測定値を制御装置150に出力する。速度計130は、例えば、鉄道車両100の車輪の単位時間当たりの回転数に基づいて鉄道車両100の速度を測定する。
モータ140は、制御装置150の制御に従ってモータ140自らの有する軸(ロータ)を回転させることで、鉄道車両100の車輪を回転させて鉄道車両100を走行させる。
制御装置150は、鉄道車両100の運転員の操作等に従って、モータ140や、鉄道車両100の具備する制動装置等を制御する。また、制御装置150は、モータ動作状況情報としてのノッチ段数指令値と、速度計130が測定した鉄道車両100の速度情報とを、通信部110に出力することで、勾配情報取得装置300に送信する。
勾配情報取得装置300は、軌道(鉄道車両100の走行経路)の勾配情報を取得する。具体的には、勾配情報取得装置300は、鉄道車両100の走行経路の勾配を示す関数を含む運動方程式(すなわち、軌道の勾配が関数で示された運動方程式)を用いて、鉄道車両100の速度の計算(鉄道車両100の走行のシミュレーション)を行う。そして、勾配情報取得装置300は、得られた速度の計算値と、鉄道車両100の速度の測定値との差が最小となるように、軌道の勾配を示す関数のパラメータを決定して、勾配情報を取得(算出)する。
勾配情報取得装置300が取得した勾配情報は、例えば、制御装置150がデジタルATCにおける制限速度を算出する際に用いられる。
通信部310は、鉄道車両100の速度の測定値などの情報を取得する。具体的には、通信部310は、速度計130が測定した鉄道車両100の速度を示す速度情報や、モータ動作状況情報を、制御装置150および通信部110を介して受信する。なお、通信部310が、鉄道車両100の速度の測定値を取得する処理ステップは、本発明における速度測定値取得ステップに該当する。
なお、本発明は、勾配情報取得部300が鉄道車両100から情報(速度情報等)を取得する方式に依存しない。従って、勾配情報取得部300が鉄道車両100から情報を取得する方式として様々なものを用いることができる。特に、勾配情報取得部300が鉄道車両100から情報を取得するタイミングはリアルタイムでなくてもよい。例えば、勾配情報取得部300が、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどの記録メディアを介して、鉄道車両100から情報を取得するようにしてもよい。
処理部320は、例えば勾配情報取得装置300の具備するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、勾配情報取得装置300の具備する記憶媒体からプログラムを読み出して実行することで実現され、勾配情報取得装置300の各部を制御して各種の処理を実行する。
速度算出部323は、鉄道車両100の走行経路の勾配を示す関数を含む運動方程式を用いて、当該鉄道車両100の速度の計算値を求める(鉄道車両100の走行をシミュレートする)。なお、速度算出部323が、当該運動方程式を用いて、当該鉄道車両100の速度の計算値を求める処理ステップは、本発明における速度算出ステップに該当する。
パラメータ値取得部324は、鉄道車両100の走行経路の勾配を示す関数のパラメータ値として、速度算出部323が求めた速度の計算値と、通信部310が取得した速度の測定値との差が最小となるパラメータ値を求める。なお、パラメータ値取得部324が、当該速度の計算値と、当該速度の測定値との差が最小となる当該パラメータ値を求める処理ステップは、本発明におけるパラメータ値取得ステップに該当する。
勾配情報取得部325は、パラメータ値取得部324が取得した、勾配を示す関数のパラメータ値に基づいて走行経路の勾配を求める。なお、勾配情報取得部325が、パラメータ値取得部324が取得した、勾配を示す関数のパラメータ値に基づいて走行経路の勾配を求める処理ステップは、本発明における勾配情報取得ステップに該当する。
次に、図2〜図4を参照して、勾配情報取得装置300が行う勾配情報の取得について、より詳細に説明する。
図2は、軌道開通時の作業工程の例を示す説明図である。同図に示す作業工程において、作業者(軌道の設置や、鉄道車両走行のための調整を行う者)は、まず、開通させる軌道の設計を行う(ステップS111)。特に、作業者は、当該軌道のレールを敷く位置を決定し、また、軌道に設ける各装置の仕様や設置場所を決定する。なお、ここでは、開通させる軌道が、勾配情報取得装置300による勾配情報取得対象の軌道に該当する。
次に、作業者は、ステップS111における設計に基づいて、施工(レールおよび各装置の設置や、装置間の配線等)を行う(ステップS112)。
また、作業者は、ステップS111における設計に基づいて、開通させる軌道の設計上の勾配を計算する(ステップS121)。
例えば、作業者は、開通させる軌道の各位置における高度(例えば標高)を地図から読み取って、勾配変化点の位置と高度とを求める。そして、作業者は、開通させる軌道を勾配変化点毎に区切った各区間について、設計上の勾配を算出する。
そして、作業者は、ステップS121で得られた設計上の勾配に基づいて、デジタルATCにおける制限速度の算出ルールなどの車上データ(仮データ)を生成し、試験走行車両である鉄道車両100に登録する(制御装置150に記憶させる。ステップS122)。
但し、ステップS112の施工工程において、軌道が必ずしも設計どおりに施工されるとは限らない。このため、ステップS121で得られた設計上の勾配、ひいてはステップS122で生成された車上データは、誤差を含み得る。
ステップS112における施工と、ステップS122における車上データの生成および登録とを完了すると、作業者は、開通させる軌道に鉄道車両100を走行させる試験走行を行って安全を確認し、また、走行データを採取する(ステップS131)。この試験走行で採取する走行データには、モータ動作状況情報としてのノッチ段数指令値と、速度計130が測定した鉄道車両100の速度情報とが含まれる。
次に、作業者は、ステップS131で得られた走行データに基づいて、勾配情報取得装置300を用いて勾配情報を取得する(ステップS132)。すなわち、ステップS132において、勾配情報取得装置300が、勾配情報を取得(算出)する。
そして、作業者は、ステップS122で生成した車上データを、ステップS132で得られた勾配情報に基づいて修正する(ステップS133)。例えば、作業者は、ステップS132で得られた勾配情報に基づいて、新たに車上データを生成しなおし、ステップS122で生成した車上データに置き換えて制御装置150に記憶させる。
実測データに基づいて得られた勾配情報から車上データを生成することで、より正確に鉄道車両(例えば鉄道車両100)を制御し得る。
図3は、勾配情報取得装置300が勾配情報を求める処理の手順を模式的に示す説明図である。同図に示すように、勾配情報取得装置300は、鉄道車両100の走行のシミュレーションを行い、試験走行データとの比較により勾配情報を求める。
より具体的には、勾配情報取得装置300は、試験走行データとして、モータ動作状況情報としてのノッチ段数指令値と、鉄道車両100の速度情報とを取得する。ここで、モータ140が制御装置150の制御に従って動作することで、鉄道車両100は、軌道の勾配の影響を受けながら走行する。そして、鉄道車両100は、制御装置150がモータ140を制御する際のノッチ段数指令値と、速度計130が測定した鉄道車両100の速度情報とを、勾配情報取得装置300に送信し、勾配情報取得装置300はこれらの情報を取得する。
また、勾配情報取得装置300は、鉄道車両100の運動方程式を予め(勾配情報を取得する処理の開始前に)記憶しており、試験走行データに含まれるモータ動作状況情報を当該運動方程式に代入して鉄道車両100の走行のシミュレーションを行う。具体的には、勾配情報取得装置300は、シミュレーションにて鉄道車両100の走行速度を算出する。
例えば、勾配情報取得装置300は、式(1)に示される運動方程式を予め記憶している。
Figure 0005951266
ここで、定数mは、鉄道車両100の質量を示し、変数xは、鉄道車両100の重心位置を示す。具体的には、変数xは、勾配情報取得対象の軌道における鉄道車両100の重心位置を、当該軌道の始点からの相対距離で示す。
また、xドットは、時間による変数xの1階微分(すなわち、鉄道車両100の速度)を示し、xダブルドットは、時間による変数xの2階微分(すなわち、鉄道車両100の加速度)を示す。
また、関数f(xドット,n(t))は、モータ特性(力行・回生)を示し、関数n(t)は、時刻tにおけるモータ140に対する指令値を示す。この関数n(t)の値としては、モータ動作状況情報によって示される、時刻tにおけるノッチ段数指令値を用いる。
また、定数Gは、重力加速度を示し、関数g(x)は、位置xにおける軌道の勾配を示す。この関数gは、本発明における、鉄道車両の走行経路の勾配を示す関数の一例である。後述するように、関数gは、位置変数xに加えて調整パラメータを入力パラメータとする。
また、関数r(xドット)は、鉄道車両100が速度xドットで走行する際の、空気抵抗などの走行抵抗(勾配抵抗および回生抵抗を除く)を示す。また、関数b(t)は、時刻tにおいて鉄道車両100に作用する制動力を示す。
従って、式(1)の右辺第1項は、モータ140の動作によって鉄道車両100に作用する力を示し、右辺第2項は、軌道勾配によって鉄道車両100に作用する力を示し、右辺第3項は、鉄道車両100に作用する走行抵抗を示し、右辺第4項は、制動装置の動作によって鉄道車両100に作用する力を示す。
なお、式(1)における時刻tは、例えば、試験走行開始時刻を基準時刻(時刻「0」)とする相対時刻(当該基準時刻からの経過時間)で示し、時刻0における鉄道車両100の重心位置を基準位置(位置「0」)とし、また、時刻0において鉄道車両100は停止している(すなわち、速度xドットは0である)とする。
また、関数fは、例えば、モータ140の特性に基づいて、加速度の定数および速度の定数を調整パラメータとして予め定められている。
図4は、モータ140の特性の例を示す説明図である。同図に示すように、モータ140の速度vにおける加速度A(v)は、加速度の定数Aと、速度の定数VおよびVとを用いて、式(2)のように示される。
Figure 0005951266
そこで、この式(2)に基づいて、関数fは、加速度の定数Aと、速度の定数VおよびVとを調整パラメータとして記述される。
なお、後述する、勾配を示す関数gの調整パラメータと同様、モータの特性を示すパラメータ定数(例えば、A、VおよびV)の値を、最適化手法を用いて求めるようにしてもよい。
また、関数rは、例えば、定数a、bおよびcを用いて式(3)のように記述される。
Figure 0005951266
また、関数bは、試験走行における制動装置の動作情報に基づいて、時刻の関数として予め求めておく。関数bをより正確に求めるためには、例えば、鉄道車両100の速度や、(空気ブレーキの)空気圧や、ディスク温度の値毎に制動装置によるブレーキ力を予め測定しておき、試験走行時のデータから各時刻における各値を求めて、各時刻における関数bの値を求める。
また、関数gは、例えば、勾配変化点における位置および高度を調整パラメータとして記述される。
図5は、関数gの調整パラメータとしての勾配変化点の位置および高度の例を示す説明図である。同図において、定数x1、x2、x3は、それぞれ、勾配情報取得対象の軌道における距離を示し、定数y1、y2、y3は、それぞれ、x1、x2、x3の位置における軌道の高度を示す。
例えば、作業者が、軌道設計(図2のステップS111)に基づいて、勾配変化点を特定し、各勾配変化点における距離と高度とを調整パラメータとして関数gを設定して、勾配情報取得装置300(速度算出部323)に予め記憶させておく。
試験走行データを取得すると、勾配情報取得装置300は、例えば準ニュートン法などの非線形最適化手法を用いて、試験走行データに適合する関数gのパラメータ値を求める。例えば、勾配情報取得装置300(速度算出部323)は、関数gの各調整パラメータの初期値として、軌道設計に基づく設計上の値を設定し、各時刻における鉄道車両100の速度の計算値vsiを算出する。ここで、速度の計算値vsiは、式(4)で示される。
Figure 0005951266
すなわち、速度の計算値vsiは、鉄道車両100の速度の計算値の、時間Δt毎のサンプリング値である。
そして、勾配情報取得装置300(パラメータ値取得部324)は、式(5)に基づいて速度の計算値vsiの評価値J(評価関数J(x1、y1、x2、・・・、xm、ym)の値。但し、x1、y1、x2、・・・、xm、ymは、関数gの調整パラメータ)を算出する。
Figure 0005951266
ここで、値vの各々は、試験走行における鉄道車両100の速度の実測値(速度計130の測定値)を示す。
そして、勾配情報取得装置300(パラメータ値取得部324)は、準ニュートン法に基づいて、速度算出部323に計算値vsiの計算を繰り返し行わせ、評価値Jが最小となるパラメータ値(x1、y1、x2、・・・、xm、ymの値)を求める。
評価値Jが最小となるパラメータ値が求まると、勾配情報取得装置300(こう鉄道車両100)は、得られたパラメータ値に基づいて、軌道の各位置における勾配を求める。
次に、図6を参照して勾配情報取得装置300の動作について説明する。
図6は、勾配情報取得装置300が勾配情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。同図の処理において、まず、通信部310が、試験走行データとして、鉄道車両100の速度情報(速度計130の測定値)と、モータ動作状況情報としてのノッチ段数指令値とを受信し、受信した試験走行データを、処理部320に出力する(ステップS211)。
次に、速度算出部323は、鉄道車両100の運動方程式に、ステップS211で得られたモータ動作状況情報を適用して、鉄道車両100の速度の計算値vsiを求め、パラメータ値取得部324に出力する。
そして、パラメータ値取得部324は、ステップS212で得られた鉄道車両100の速度の計算値vsiと、ステップS211で得られた鉄道車両100の速度の測定値vとの差を、式(5)に基づいて評価し(ステップS213)、評価値Jが最小か否かを判定する(ステップS214)。
評価値Jが最小でないと判定した場合(ステップS214:NO)、ステップS213に戻り、速度計130が、他のパラメータ値について、鉄道車両100の速度の計算値vsiを求める。
一方、ステップS214において、評価値Jが最小であると判定した場合(ステップS214:YES)、パラメータ値取得部324は、当該速度計算時のパラメータ値(評価値Jの最小値が得られた際の、関数gのパラメータ値)を、勾配情報取得部325に出力し、勾配情報取得部325は、当該パラメータ値に基づいて、軌道の勾配を求める(ステップS215)。
その後、同図の処理を終了する。
以上のように、勾配情報取得装置300(パラメータ値取得部324)が、鉄道車両100の速度の計算値と、鉄道車両100の速度の測定値との差が最小となる、勾配を示す関数gのパラメータ値を求め、勾配情報取得部325が、当該パラメータ値に基づいて、軌道の勾配を求める。
これにより、鉄道車両100は、鉄道車両100の速度情報や、モータ140の動作状況を示す情報といった、通常の車両で取得可能な情報を取得すればよい。従って、鉄道車両100として、特殊な車両(専用の検測車)を必要とせず、営業用車両を用いることができるので、鉄道車両100の製造コストや輸送コストを抑えることができる。
また、勾配情報取得装置300が勾配情報を求めた軌道について、勾配を人手で測定する必要が無い。この点で、比較的短時間で勾配情報を得ることができる。そして、勾配情報取得装置300が、試験走行データに基づいて軌道の勾配を求めることで、より正確な勾配を得ることができる。
なお、パラメータ値取得部324が速度の一致の度合いを評価する式は、式(5)に限らず、速度の測定値vと、速度の計算値vsiとの差が小さいほど値が小さくなる様々な式を用いることができる。
また、勾配情報取得装置300が、速度最小となるパラメータ値を求める際に用いる最適化手法は、準ニュートン法に限らない。例えば、最急降下法や、Nelder−Mead法など、様々な最適化手法を用いることができる。
また、運動方程式におけるパラメータ毎に、評価値Jに与える影響度(感度)が大きく異なる場合、影響度が同程度となるようにスケール合わせを行うようにしてもよい。
また、関数gの調整パラメータは、勾配変化点の位置および高度に限らない。
図7は、関数gの調整パラメータの、もう1つの例を示す説明図である。同図において、定数x1、x2、x3は、それぞれ、勾配情報取得対象の軌道における距離を示し、定数y1、y2、y3は、それぞれ、区間x1〜x2、x2〜x3、x3〜における軌道の勾配を示す。
例えば、作業者が、軌道設計(図2のステップS111)に基づいて、勾配変化点を特定し、各勾配変化点における距離と各区間における勾配とを調整パラメータとして関数gを設定して、勾配情報取得装置300(速度算出部323)に予め記憶させておく。
このように、関数gのパラメータとして、勾配変化点の位置および高度以外のパラメータを用いても、勾配情報取得装置300は、同様に軌道の勾配を求め得る。
なお、勾配情報取得装置300が、速度計130の測定値を補正して用いるようにしてもよい。
図8は、勾配情報取得装置300が、速度計130の測定値を補正して用いる場合の、勾配情報取得システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図に示される構成では、図1に示される構成に加えて、処理部320が速度計補正部422を具備し、また、車上子120と地上子220とが明示されている。
車上子120は、鉄道車両100に設けられた無線通信可能な装置である。また、地上子220は、勾配測定対象の軌道に設けられた無線通信可能な装置である。車上子120と地上子220とが接近すると、両者間で通信を行う。そして、車上子120は、地上子220から受信したデータを制御装置150に出力する。当該データを用いて、制御装置150は、鉄道車両100が地上子220の設置位置を通過したことを検出できる。
なお、車上子120と地上子220とは、車上子120が地上子220に接近したこと(地上子220を踏んだこと)を検出可能な装置であればよい。例えば、車上子120と地上子220とは、それぞれ、デジタルATC(Automatic Train Control)などのATCにおける車上子と地上子(トランスポンダ)とであってもよい。従って、勾配測定のために専用の車上子や地上子を設けなくてよい。
速度計補正部422は、鉄道車両100が検出した、地上子220設置位置の通過時刻情報を用いて、速度計130の測定値に対する補正を行う。速度計補正部422は、当該補正を、図6におけるステップS212の前処理(すなわち、速度算出部323が鉄道車両100の速度の計算値を求める前処理)として行う。
より具体的には、まず、通信部310が、速度計による鉄道車両100の速度の測定値を、試験走行データに含めて取得(受信)する。なお、通信部310が速度計による鉄道車両100の速度の測定値を取得する処理ステップは、本発明における速度計測定値取得ステップに該当する。当該ステップにおける通信部310は、いわば速度計測定値取得部として機能する。
また、通信部310は、鉄道車両100が検出した当該鉄道車両100の地上子220通過時刻情報を、試験走行データに含めて取得する。なお、鉄道車両100の地上子220通過時刻は、本発明における、鉄道車両が所定の位置を走行する時刻に該当する。また、通信部310が、鉄道車両100の地上子220通過時刻情報を取得する処理ステップは、本発明における走行時刻取得ステップに該当する。当該ステップにおける通信部310は、いわば走行時刻取得部として機能する。
そして、速度計補正部422は、通信部310が取得したデータに基づいて、速度計130の測定値を補正して鉄道車両100の速度の測定値を求める。なお、速度計補正部422が当該補正を行う処理ステップは、本発明における速度計測定値補正ステップに該当する。
図9は、速度計補正部422が、速度の補正を行う際に求める鉄道車両100の位置情報の例を示す説明図である。同図において、位置xp1〜xp5は、それぞれ、地上子220(以下、地上子p1〜p5と表記する)が設置されている位置(軌道の基準位置からの距離)を示す。また、時刻tp1〜tp5は、それぞれ、鉄道車両100が地上子p1〜p5の位置を通過した時刻を示す。
これらの位置情報および時刻情報に基づいて、速度計補正部422は、速度計130の測定値補正係数を乗算する等の処理を行う。
例えば、速度計補正部422は、式(6)に基づいて評価値Jが最小となる、速度計補正量cの値および車両初期位置誤差x0の値を求める。
Figure 0005951266
ここで、速度計補正量cは、速度計130の測定値に乗算する係数である。また、車両初期位置誤差x0は、鉄道車両100の初期位置として予定していた位置と実際の初期位置との誤差を示す。速度計補正部422は、式(6)に基づいて補正を行うことで、鉄道車両100の速度測定値と、鉄道車両100が地上子220を通過した時刻とから算出される各地上子220の位置と、各地上子220の実際の位置との誤差が最小となる補正量(速度計補正量cの値および車両初期位置誤差x0の値)を、最小二乗法を用いて求めている。
但し、速度計補正部422が補正量を求める際の最適化手法は、最小二乗法に限らない。速度計補正部422が、他の非線形最適化手法を用いて補正量を求めるようにしてもよい。
以上のように、速度計補正部422が、速度計130の測定値を補正することで、速度計130の測定値の誤差が大きい場合でも、勾配情報取得装置300が求める勾配の誤差を小さくすることができる。
なお、速度計補正部422が補正量を求めるために使用できる情報は、鉄道車両100が地上子220を通過した時刻の情報に限らない。例えば、速度計補正部422が、地上子220通過時刻情報に加えて、あるいは当該情報に代えて、試験走行の開始時刻情報(鉄道車両100が開始駅を出発した時刻の情報)や、試験走行の終了時刻情報(鉄道車両100が終点の駅に到着した時刻の情報)を用いて補正量を求めるようにしてもよい。
なお、勾配情報取得装置300が、勾配情報取得対象となっている軌道(勾配を求める対象の走行経路)のうち一部区間の勾配情報を求めるようにしてもよい。
例えば、勾配情報取得装置300が、鉄道車両100の走行開始直後の起動抵抗が大きく正確なモデル化を行えない場合、鉄道車両100の走行開始直後の区間を勾配情報取得対象から除外することで、より正確な勾配情報を求め得る。また、鉄道車両100の制動装置の特性を正確にモデル化できない場合、勾配情報取得装置300が、制動装置稼動区間(ブレーキがかけられた区間)を勾配情報取得対象から除外することで、より正確な勾配情報を求め得る。
図10は、勾配情報取得装置300が、勾配情報取得対象となっている軌道のうち一部区間の勾配情報を求める場合の、勾配情報取得システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図に示される構成では、図1に示される構成に加えて、処理部320が区間決定部521を具備する。
区間決定部521は、勾配を求める対象の走行経路のうち勾配情報取得装置300が勾配(勾配情報)を求める区間を決定する。なお、区間決定部521が、勾配を求める対象の走行経路のうち勾配情報取得装置300が勾配(勾配情報)を求める区間を決定する処理ステップは、本発明における区間決定ステップに該当する。
区間決定部521は、当該区間の決定を、図6におけるステップS212の前処理(すなわち、速度算出部323が鉄道車両100の速度の計算値を求める前処理)として行う。なお、勾配情報取得装置300が、速度計補正部422を具備して速度計130の測定値を補正する場合、区間決定部521が行う処理と速度計補正部422が行う処理とは、いずれが先であってもよいし、並列して行われてもよい。
図11は、区間決定部521が、勾配を求める区間として決定する区間の例を示す説明図である。同図において、時間a2およびa4に対応する区間が、区間決定部521の選択した区間であり、番号jは、これらの区間に付与された通し番号を示している。
ここで、時間a1は、鉄道車両100が走行を開始した直後の時間であり、起動抵抗が大きい。そこで、区間決定部521は、この時間a1に対応する区間を、勾配情報取得対象から除外している。また、時間a3および時間a5において、鉄道車両100の制動装置が稼動している。そこで、区間決定部521は、これら時間a3および時間a5に対応する区間を、勾配情報取得対象から除外している。そして、区間決定部521は、残りの区間(時間a2対応する区間、および、時間a4に対応する区間)を、勾配情報取得対象の区間として選択している。
このように区間決定部521が勾配情報取得対象の区間を決定する場合、鉄道車両100の運動方程式は式(7)のように示される。
Figure 0005951266
但し、変数xは、j番目の区間における位置(基準位置からの距離)を示す。従って、xドットは、j番目の区間における鉄道車両100の速度を示し、xダブルドットは、j番目の区間における鉄道車両100の加速度を示す。
また、各区間における初期値は、式(8)のように示される。
Figure 0005951266
但し、時刻tj0は、鉄道車両100がj番目の区間に進入する時刻を示す。また、位置xj0は、j番目の区間の開始位置(j番目の区間のうち、基準位置に最も近い位置)を示す。また、速度vj0は、j番目の区間に進入した際の鉄道車両100の速度(測定値)を示す。
速度算出部323は、この運動方程式に基づいて、式(9)に示される鉄道車両100の速度の計算値vsjiを求める。
Figure 0005951266
このvsjiは、j番目の区間における、i番目のサンプリング時刻における鉄道車両100の速度の計算値である。速度算出部323は、各区間の各サンプリング時刻について、鉄道車両100の速度の計算値vsjiを求める。
そして、パラメータ値取得部324は、式(10)に示される評価値J’のように、勾配情報取得対象の各区間において鉄道車両100の速度の計算値と測定値との差を評価する評価値を用いて、当該計算値と測定値の差を最小とするパラメータ値(勾配の関数gのパラメータ値)を求める。
Figure 0005951266
以上のように、区間決定部521が、勾配情報取得対象の区間を決定することで、勾配情報取得装置300は、起動抵抗が大きい区間や、制動装置が稼動している区間など、正確にモデル化できない区間(正確な運動方程式を求めることが出来ない区間)を除外して、より正確な勾配情報を取得することができる。
なお、区間決定部521が勾配情報取得対象外に決定した区間は、例えば、人手で勾配の測定を行う。
ここで、勾配を求める対象の走行経路(軌道)の両方向から(すなわち、軌道を往復して)試験走行を行うようにし、区間決定部521が、勾配を求める対象の走行経路の両方向各々について、勾配情報取得装置300が勾配(勾配情報)を求める区間を決定するようにしてもよい。
この場合、試験走行を行う方向によって制動装置の稼動する区間が異なり、区間決定部521が、より多くの区間を勾配情報取得対象の区間に決定することが期待される。これにより、人手で勾配の測定を行う区間が減少し、より速やかに勾配情報を得られ、また、勾配の測定を行う人的負荷を軽減させることができる。
なお、勾配情報取得装置300の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 勾配情報取得システム
100 鉄道車両
110 通信部
120 車上子
130 速度計
140 モータ
150 制御装置
220 地上子
300 勾配情報取得装置
310 通信部
320 処理部
323 速度算出部
324 パラメータ値取得部
325 勾配情報取得部
422 速度計補正部
521 区間決定部

Claims (7)

  1. 鉄道車両の速度の測定値を取得する速度測定値取得ステップと、
    前記鉄道車両の走行経路の勾配を示す関数を含む運動方程式を用いて、前記鉄道車両の速度の計算値を求める速度算出ステップと、
    前記速度の計算値と前記速度の測定値との差が最小となる、前記勾配を示す関数のパラメータ値を求めるパラメータ値取得ステップと、
    前記パラメータ値取得ステップにて取得した、前記勾配を示す関数のパラメータ値に基づいて前記走行経路の勾配を求める勾配情報取得ステップと、
    を具備することを特徴とする勾配情報取得方法。
  2. 前記速度測定値取得ステップは、
    速度計による前記鉄道車両の速度の測定値を取得する速度計測定値取得ステップと、
    前記鉄道車両が所定の位置を走行する時刻の情報を取得する走行時刻取得ステップと、
    前記走行時刻取得ステップにて取得したデータに基づいて、前記速度計の測定値を補正して前記鉄道車両の速度の測定値を求める速度計測定値補正ステップと、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の勾配情報取得方法。
  3. 勾配を求める対象の走行経路のうち前記勾配情報取得方法にて勾配を求める区間を決定する区間決定ステップを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の勾配情報取得方法。
  4. 前記区間決定ステップにて、前記勾配を求める対象の走行経路の両方向各々について前記勾配情報取得方法にて勾配を求める区間を決定することを特徴とする請求項3に記載の勾配情報取得方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の勾配情報取得方法を実行するステップと、
    前記請求項1から4のいずれか一項に記載の勾配情報取得方法を実行するステップで得られた勾配を示す情報を記憶媒体に記憶するステップと、
    を具備することを特徴とする、勾配情報記憶済記憶媒体作成する方法。
  6. 鉄道車両の速度の測定値を取得する速度測定値取得部と、
    前記鉄道車両の走行経路の勾配を示す関数を含む運動方程式を用いて、前記鉄道車両の速度の計算値を求める速度算出部と、
    前記速度の計算値と当該速度の測定値との差が最小となる前記勾配を示す関数のパラメータ値を求めるパラメータ値取得部と、
    前記パラメータ値取得部が取得した前記勾配を示す関数のパラメータ値に基づいて前記走行経路の勾配を求める勾配情報取得部と、
    を具備することを特徴とする勾配情報取得装置。
  7. 勾配情報取得装置としてのコンピュータに、
    鉄道車両の速度の測定値を取得する速度測定ステップと、
    前記鉄道車両の走行経路の勾配を示す関数を含む運動方程式を用いて、前記鉄道車両の速度の計算値を求める速度算出ステップと、
    前記速度の計算値と当該速度の測定値との差が最小となる前記勾配を示す関数のパラメータ値を求めるパラメータ値取得ステップと、
    前記パラメータ値取得ステップにて取得した前記勾配を示す関数のパラメータ値に基づいて前記走行経路の勾配を求める勾配情報取得ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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