JP5949547B2 - 二次電池負極用水系バインダー組成物 - Google Patents

二次電池負極用水系バインダー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の二次電池に使用される負極を形成するために用いられる二次電池負極用水系バインダー組成物に関する。
近年、ノート型パソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末の普及が著しい。これら携帯端末の電源に用いられている二次電池には、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池などが多用されている。携帯端末は、より快適な携帯性が求められて小型化、薄型化、軽量化、高性能化が急速に進み、その結果、携帯端末は様々な場で利用されるようになっている。また、電池に対しても、携帯端末に対するのと同様に、小型化、薄型化、軽量化、高性能化が要求されている。
例えば、リチウムイオンを吸蔵放出する導電性炭素質材料を負極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、軽量でエネルギー密度が大きいというその特徴から、導電性炭素質材料を負極活物質とし、結着剤としてポリマーバインダー(以下において「バインダー」と記載することがある。)が利用されている。
このポリマーバインダーには、活物質との接着性、電解液として使用される極性溶媒に対する耐性、電気化学的な環境下での安定性が求められる。従来からポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系のポリマーがこの分野に利用されてはいるが、電極膜を形成した際に導電性を阻害したり、集電体と電極膜間の接着強度が不足するなどの問題点がある。
特にフッ素系のポリマーを還元条件となる負極に用いた場合は、安定性が十分ではなく、二次電池のサイクル性が低下するなど問題点もある為、例えば、非フッ素系ポリマーとして、スチレンブタジエン系のバインダー等も知られている。
リチウムイオン二次電池の構成材料である負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができるグラファイト等の炭素材、リチウム金属又はこれらの合金やTiO、SnOなどのような金属酸化物も使用されているが、負極活物質中に、極微量の鉄など導電性不純物が含まれることがあり、これらは充放電に伴い、負極表面に樹状の金属析出物を形成する為、電池の容量や寿命の低下、安全性低下への課題がある。
一方、リチウムイオン二次電池の構成材料である正極活物質としては、鉄、マンガン、コバルト、クロム及び銅などの重金属を含有する活物質が用いられている。これらの活物質を用いた二次電池は充放電を繰り返すと、遷移金属イオンが電解液中に溶出し、結果として電池容量やサイクル特性が低下することがあり、大きな課題となっている。
また、正極から溶出した遷移金属イオンが負極表面において還元され析出することにより、樹状の金属析出物を形成し、これがセパレーターを破損することで、電池としての安全性が低下することも大きな問題とされている。
リチウムイオン二次電池に用いられる電極は、通常、電極活物質層が集電体に積層された構造を有しており、電極活物質層には、電極活物質の他に、電極活物質同士及び電極活物質と集電体とを結着させるためバインダーが用いられている。電極は、通常、水や有機液体等の液状媒体にバインダーとなる重合体を分散または溶解させたバインダー組成物に活物質および必要に応じて導電性カーボン等の導電材を混合してスラリー組成物を得、このスラリー組成物を集電体に塗布し、乾燥して製造される。
特許文献1には、有機液体の液状媒体を用いたバインダー組成物よりも性能、安全性及び環境の観点に優れるバインダー組成物として、水にバインダーとなる重合体を分散又は溶解させたバインダー組成物が記載されている。また、特許文献1には、マンガンやコバルトを含有する正極活物質を用いることが記載されている。
また、特許文献2には、集電体への付着が良好で、サイクル寿命特性に優れた二次電池負極用バインダー組成物として、乳化重合して得られた特定構造の共重合ラテックスである水系バインダー組成物が記載されている。
特開2004−18820号公報 特開2002−319403号公報
しかしながら、発明者らの検討によれば、特許文献1や2に記載の水系バインダー組成物は、製造後の貯蔵タンクでの保存中、コンテナやポリ容器等の輸送容器に充填出荷中などにおいて長期保存をすると、該バインダー組成物の粘度変化が生じたり、更には凝集物が発生したりすることがあった。更には電極活物質と混合して得られたスラリー組成物も、粘度変化が生じたり、凝集物が発生したりすることもあり、その結果、所定の極板作製ができなくなったり、得られた電池の特性にバラツキがみられることもあった。
更に、特許文献1や2に記載の二次電池は充放電を繰り返すと、遷移金属イオン(マンガンイオン、コバルトイオン)が電解液中に溶出し、結果として電池容量が低下するという問題があること、並びに、溶出した遷移金属イオンが負極表面に樹状析出することにより、電池の寿命(サイクル特性)や安全性が低下するという問題があることがわかった。
したがって、本発明は、長期保存安定性に優れ、得られる二次電池のサイクル特性及び安全性を向上させることができる二次電池負極用水系バインダー組成物、該バインダー組成物を用いた二次電池負極用スラリー組成物、二次電池負極及び二次電池を提供することを目的としている。
そこで、本発明者らが検討した結果、特定組成のバインダーを含有する組成物に、特定量範囲のイソチアゾリン系化合物及びキレート化合物を含有させることで、バインダー組成物の長期保存安定性が良好になると共に、得られる二次電池のサイクル特性及び安全性を向上させることができることを見出した。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)脂肪族共役ジエン系単量体単位20〜60重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位0.5〜10重量%、及びこれらと共重合可能な他の単量体単位20〜79重量%からなるバインダーと、該バインダー100重量部に対し、イソチアゾリン系化合物0.001〜1.0重量部と、キレート化合物0.001〜1.0重量部とを含有する二次電池負極用水系バインダー組成物。
(2)前記他の単量体単位が芳香族ビニル系単量体単位である請求項1に記載の二次電池負極用水系バインダー組成物。
(3)前記芳香族ビニル系単量体単位がスチレンの単量体単位であり、バインダーにおける該単量体単位の比率が25〜70重量%である請求項2に記載の二次電池負極用水系バインダー組成物。
(4)前記キレート化合物が、アミノカルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、及び酒石酸からなる群より選択される請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池負極用水系バインダー組成物。
(5)前記バインダー100重量部に対し、ピリチオン化合物0.001〜1.0重量部をさらに含有する請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池負極用水系バインダー組成物。
(6)請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池負極用水系バインダー組成物及び負極活物質を含有してなる二次電池負極用スラリー組成物。
(7)請求項6に記載の二次電池負極用スラリー組成物を集電体上に塗布、乾燥してなる二次電池負極。
(8)正極、負極、セパレーター及び電解液を備えてなる二次電池であって、前記負極が請求項7に記載の二次電池負極である二次電池。
本発明によれば、脂肪族共役ジエン系単量体単位、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位、及びこれらと共重合可能な他の単量体単位からなり、各単量体単位を特定比率で含むバインダーと、該バインダー100重量部に対し特定量のイソチアゾリン系化合物と、特定量のキレート化合物とを含有する二次電池負極用水系バインダー組成物を用いることで、バインダー組成物の長期保存安定性が良好になる。また、該バインダー組成物中のキレート化合物は、充放電時に電解液中に溶出する遷移金属イオンを捕捉することができるため、遷移金属イオンに起因した二次電池のサイクル特性と安全性の低下を防ぐことができる。更に、該バインダー組成物を用いた二次電池負極は充放電を繰り返しても劣化しにくく、二次電池の寿命を延ばすことができる。
以下、(1)二次電池負極用水系バインダー組成物、(2)二次電池負極用スラリー組成物、(3)二次電池負極および(4)二次電池について順次説明する。
(1)二次電池負極用水系バインダー組成物
本発明の二次電池負極用水系バインダー組成物は、バインダーと、特定量のイソチアゾリン系化合物と、特定量のキレート化合物とを含有する。
バインダーは、脂肪族共役ジエン系単量体単位、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位、及びこれらと共重合可能な他の単量体単位からなり、各単量体単位を特定比率で含むポリマーからなる。前記の脂肪族共役ジエン系単量体単位は、脂肪族共役ジエン系単量体を重合して得られる重合体繰り返し単位であり、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位は、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体を重合して得られる重合体繰り返し単位であり、これらと共重合可能な他の単量体単位は、共重合可能な他の単量体を重合して得られる重合体繰り返し単位である。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特に1,3−ブタジエンが好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸(無水物)等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
これらと共重合可能な他の単量体としては、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられ、これらは、1種または2種以上用いることができる。特に、芳香族ビニル系単量体が好ましい。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にアクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にメチルメタクリレートが好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にアクリルアミド、メタクリルアミドが好ましい。
さらに、上記単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられ、通常の乳化重合において使用される単量体は何れも好適に使用可能である。
本発明におけるバインダーの各単量体単位の比率は、脂肪族共役ジエン系単量体単位が20〜60重量%、好ましくは30〜55重量%であり、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位が0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、より好ましくは2〜5重量%であり、これらと共重合可能な他の単量体単位が20〜79重量%、好ましくは40〜69重量%である。なお、共重合可能な他の単量体としてスチレンを用いる場合、スチレンの単量体単位の比率は、好ましくは25〜70重量%、より好ましくは25〜65重量%である。
脂肪族共役ジエン系単量体単位が20重量%未満では、本発明の二次電池負極用水系バインダー組成物を含むスラリー組成物を集電体に塗布した際に、該スラリー組成物中に含まれる電極活物質と集電体との十分な密着性が得られない。つまり、ピール強度が低下する。また、脂肪族共役ジエン系単量体単位が60重量%を超えると、該スラリー組成物を集電体に塗布して負極を製造した際に、ピール強度が低下するとともに、サイクル寿命特性が低下する。
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位が0.5重量%未満では、バインダー組成物及びスラリー組成物の安定性が低下すると共に該スラリー組成物中に含まれる電極活物質と集電体との十分な密着性が得られない(ピール強度が低下する)。また、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位が10重量%を超えると、バインダー組成物の粘度が高くなり、取扱いが困難になると共に、スラリー組成物の粘度変化も激しく、極板作製すら困難になる場合がある。
共重合可能な他の単量体単位が20重量%未満では、本発明のバインダー組成物を含むスラリー組成物を集電体に塗布して負極を備える電池のサイクル特性が低下する。また、共重合可能な他の単量体単位が79重量%を超えると、該スラリー組成物を集電体に塗布した際に、該スラリー組成物中に含まれる電極活物質と集電体との十分な密着性が得られず(ピール強度が低下)、極板の柔軟性が低下し電極が割れやすくなる。
なお、共重合可能な他の単量体としてスチレンを用いる場合、スチレンの単量体単位の比率を25〜70重量%とすることにより、本発明のバインダー組成物を含むスラリー組成物を集電体に塗布した際に、該スラリー組成物中に含まれる電極活物質と集電体との十分な密着性を発現させつつ(ピール強度が向上)、耐電解液性及び電池特性のバランスを良好に保つことができる。
本発明の二次電池負極用水系バインダー組成物には、特定量のイソチアゾリン系化合物が含まれる。本発明のバインダー組成物は、特定量のイソチアゾリン系化合物を含有することで、菌類の繁殖を抑制することができるため、異臭の発生や該バインダー組成物の増粘を防ぐことができ、長期保存安定性に優れる。
イソチアゾリン系化合物は、防腐剤として良く知られた化合物であり、一般的には下記構造式(1)で示される。
Figure 0005949547
(式中、Yは水素又は置換されていてもよい炭化水素基を、X及びXは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。なお、X、Xが共同して芳香環を形成してもよい。なお、X及びXは、それぞれ同一でもよく、相異なっていてもよい。)
まず、上記構造式(1)で表されるイソチアゾリン系化合物について説明する。
上記構造式(1)において、Yは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。Yで示される置換されていてもよい炭化水素基の置換基としては、例えばヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、炭素数1〜4のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基等)及び炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)等が挙げられる。前記置換基の中では、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。これらの置換基は1〜5個、好ましくは1〜3個の範囲で前記炭化水素基の水素を置換していてもよく、また前記置換基はそれぞれ同一でもよく、相異なっていてもよい。
Yで示される置換されていてもよい炭化水素基の該炭化水素基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基等が挙げられる。前記炭化水素基の中では炭素数1〜10のアルキル基や炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ノニル基及びデシル基等が挙げられる。これらアルキル基の中では、例えばメチル基、エチル基等の炭素数1〜3のアルキル基や、例えばオクチル基、tert−オクチル基等の炭素数7〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
前記炭素数2〜6のアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等が挙げられる。前記アルケニル基の中では、ビニル基、アリル基が好ましい。
前記炭素数2〜6のアルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等が挙げられる。前記アルキニル基の中では、エチニル基、プロピニル基が好ましい。
前記炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。前記シクロアルキル基の中では、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
前記炭素数6〜14のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。前記アリール基の中では、フェニル基が好ましい。
以上説明したように、Yで示される置換されていてもよい炭化水素基として種々のものが挙げられるが、これら炭化水素基の中では、メチル基やオクチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記構造式(1)において、X及びXは、同一又は相異なる水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、これらの中では塩素原子が好ましい。
前記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。前記アルキル基の中では、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。以上説明した置換基の中で、Xとしては水素原子又は塩素原子がより好ましく、塩素原子がさらに好ましい。また、Xとしては水素原子又は塩素原子がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
上記構造式(1)で表されるイソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−t−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
これらの化合物の中では、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下において「CIT」と表すことがある。)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下において「MIT」と表すことがある。)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下において「OIT」と表すことがある。)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンがより好ましい。
下記構造式(2)は、上記構造式(1)において、X、Xが共同して芳香環を形成したもののうち、ベンゼン環を形成した場合を示す。
Figure 0005949547
(式中、Yは構造式(1)の場合と同様であり、X〜Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基をそれぞれ示す。)
上記構造式(2)において、X〜Xは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基等)、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えばメトキシ及びエトキシ等)等が挙げられるが、これらの中では、ハロゲン原子や炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。これらX〜Xは、それぞれ同一でもよく、相異なっていてもよい。
上記構造式(2)で表わされるイソチアゾリン系化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(以下において「BIT」と表すことがある。)、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
これらイソチアゾリン系化合物は、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。水系バインダー組成物の長期貯蔵安定性と該バインダー組成物を用いた電池特性(サイクル寿命)においては、これらの中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが含まれることが特に好ましい。
イソチアゾリン系化合物の含有量は、上述のバインダー100重量部(固形分換算)に対し、0.001〜1.0重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.1重量部である。イソチアゾリン系化合物の含有量が0.001重量部未満では、バインダー組成物中における菌類の繁殖を抑制することができないため、バインダー組成物の長期保存安定性が低下する。また、バインダー組成物中における菌類の繁殖に伴い、バインダー組成物が変性し、バインダー組成物の粘度が増加する。その結果、バインダー組成物の取扱いが困難になると共にピール強度が低下する。イソチアゾリン系化合物の含有量が1.0重量部を超えると、それ以上の防腐効果が望めないばかりか、該バインダー組成物を用いた二次電池のサイクル特性が低下する。
なお、本発明においては、本発明の効果を妨げない範囲において、上記のイソチアゾリン系化合物以外の防腐剤を使用することを何ら妨げるものではない。
本発明の二次電池負極用水系バインダー組成物には、特定量のキレート化合物が含まれる。本発明のバインダー組成物は特定量のキレート化合物を含有するため、該バインダー組成物を用いた二次電池の充放電時に電解液中に溶出する遷移金属イオンを捕捉することができるため、遷移金属イオンに起因した二次電池のサイクル特性と安全性の低下を防ぐことができる。
キレート化合物は、特に限定されないが、好ましくは、アミノカルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸及び酒石酸からなる群より選択される。これらの中でも特に、リチウムイオンを捕捉することなく、遷移金属イオンを選択的に捕捉可能なキレート化合物が用いられ、特に下記のようなアミノカルボン酸系キレート化合物及びホスホン酸系キレート化合物が好ましく用いられる。
アミノカルボン酸系キレート化合物としては、エチレンジアミン四酢酸(以下において「EDTA」と表すことがある。)、ニトリロ三酢酸(以下において「NTA」と表すことがある。)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸(以下において「DCTA」と表すことがある。)、ジエチレン−トリアミン五酢酸(以下において「DTPA」と表すことがある。)、ビス−(アミノエチル)グリコールエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸(以下において「EGTA」と表すことがある。)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(以下において「HEDTA」と表すことがある。)及びジヒドロキシエチルグリシン(以下において「DHEG」と表すことがある。)からなる群より選択されることが好ましい。
ホスホン酸系キレート化合物としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(以下において「HEDP」と表すことがある。)が好ましい。
キレート化合物の含有量は、上述のバインダー100重量部(固形分換算)に対し、0.001〜1.0重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.3重量部である。キレート化合物の含有量が0.001重量部未満では、遷移金属イオンの捕捉能に乏しいため、二次電池のサイクル特性が低下する。また、1.0重量部を超えると、それ以上の遷移金属捕捉効果が望めないだけでなく、該バインダー組成物を用いた二次電池のサイクル特性が低下することがある。
また、本発明の二次電池負極用水系バインダー組成物には、上述のバインダー100重量部(固形分換算)に対し、好ましくは0.001〜1.0重量部、より好ましくは0.005〜0.5重量部、特に好ましくは0.01〜0.1重量部のピリチオン化合物が含まれることが好ましい。
ところで、工業用抗菌組成物として用いられる物質においては、抗菌効果と安全性とが相反し、抗菌力に優れた物質は変異原性を有する等、安全性に問題を有する傾向がある。前記イソチアゾリン系化合物の中でも、CITは、高い抗菌効果を有するが変異原性を有し、又はアレルギーを引き起こし易いといった安全性の問題があることが知られている。また系中のpHが9以上になると抗菌力の低下が大きい。MITは、安全性は高いが、CITに比して抗菌効果がやや劣り、またCIT同様、アルカリ性で安定性が低下する。BITは、比較的安定性が高いが、即効性がやや低く、また系中のpHが9以上になるとやはり抗菌力が徐々に低下してしまう。
ピリチオン化合物はアルカリ性でも安定である為、イソチアゾリン系化合物と併用使用することにより、アルカリ性条件下においても、防腐効果を延長でき、相乗効果により高い抗菌効果が得ることができる。
ピリチオン化合物としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩等の一価塩、及びカルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、アルミニウム、鉄等の多価塩が挙げられるが、水溶性である一価塩が好ましく、特に二次電池への汎用性及びサイクル特性の観点からナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩が好ましい。好ましいピリチオン化合物として、具体的には、ナトリウムピリチオン、カリウムピリチオン、リチウムピリチオンが挙げられる。これらの中でも、ナトリウムピリチオンが溶解度も高く好ましい。
本発明の二次電池負極用水系バインダー組成物は、後述する電極活物質や必要に応じて添加される導電材を相互に結着させることができる組成物であり、結着力を有する重合体(好適には重合体粒子)であるバインダーが水系溶媒に溶解又は分散された溶液又は分散液(以下、これらを総称して「バインダーを含む水系分散液」と記載することがある)を必要に応じて濾過したものである。
(バインダーを含む水系分散液の製造)
重合体からなるバインダーを含む水系分散液は、例えば、上記単量体を含む単量体組成物を、水系溶媒中で重合することにより製造される。重合体からなるバインダーを含む水系分散液を得る工程における単量体組成物中の各単量体の比率は、脂肪族共役ジエン系単量体が20〜60重量%、好ましくは30〜55重量%であり、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体が0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、より好ましくは2〜5重量%であり、これらと共重合可能な他の単量体が20〜79重量%、好ましくは40〜69重量%である。なお、共重合可能な他の単量体単位としてスチレン単位を用いる場合、スチレン単位の比率は、好ましくは25〜70重量%、より好ましくは25〜65重量%である。
本明細書において水系溶媒とは、水又は親水性溶媒をいう。水系溶媒としては、バインダーの分散が可能なものであれば格別限定されることはなく、通常、常圧における沸点が80〜350℃、好ましくは100〜300℃の分散媒から選ばれる。なお、分散媒名の後の( )内の数字は常圧での沸点(単位℃)であり、小数点以下は四捨五入または切り捨てられた値である。例えば、ケトン類としては、ダイアセトンアルコール(169)、γ−ブチロラクトン(204);アルコール類としては、エチルアルコール(78)、イソプロピルアルコール(82)、ノルマルプロピルアルコール(97);グリコール類として、エチレングリコール(193)、プロピレングリコール(188)、ジエチレングリコール(244);グリコールエーテル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(120)、メチルセロソルブ(124)、エチルセロソルブ(136)、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル(152)、ブチルセロソルブ(171)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(174)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(150)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(230)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(271)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(188);エーテル類としては、1,3−ジオキソラン(75)、1,4−ジオキソラン(101)、テトラヒドロフラン(66)が挙げられる。中でも、水は可燃性がなく、バインダーの分散体が容易に得られやすいという観点から最も好ましい。なお、主溶媒として水を使用して、バインダーの分散状態が確保可能な範囲において上記記載の水以外の水系溶媒を混合して用いて良い。
重合方法は、特に限定されず、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法も用いることができる。重合反応としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などが挙げられる。高分子量体が得やすい事、重合物がそのまま水に分散した状態で得られ、再分散化の処理が不要であり、そのまま二次電池負極用スラリー組成物作製に供することができるなど、製造効率の観点から、中でも乳化重合法が最も好ましい。
乳化重合法は、常法、例えば「実験化学講座」第28巻、(発行元:丸善(株)、日本化学会編)に記載された方法、すなわち、攪拌機および加熱装置付きの密閉容器に水、分散剤や乳化剤、架橋剤などの添加剤、開始剤およびモノマーを所定の組成になるように加え、攪拌してモノマーなどを水に乳化させ、攪拌しながら温度を上昇させて重合を開始する方法である。或いは、上記組成物を乳化させた後に密閉容器に入れ同様に反応を開始させる方法である。
乳化剤や分散剤、重合開始剤などは、これらの重合法において一般的に用いられるものであり、その使用量も一般に使用される量でよい。また重合に際しては、シード粒子を採用すること(シード重合)もできる。
重合温度および重合時間は、乳化重合の手法や使用する重合開始剤の種類などにより任意に選択できるが、通常、重合温度は約30℃以上、重合時間は0.5〜30時間程度である。アミン類などの添加剤を重合助剤として用いることもできる。さらにこれらの方法によって得られる重合体粒子の水系分散液に、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)水酸化物、アンモニア、無機アンモニウム化合物(NHClなど)、有機アミン化合物(エタノールアミン、ジエチルアミンなど)などが溶解している塩基性水溶液を加えてpH5〜10、好ましくは5〜9の範囲になるように調整することができる。なかでも、アルカリ金属水酸化物によるpH調整は、バインダー組成物と、集電体及び活物質との結着性(ピール強度)を向上させるため好ましい。
上述したバインダーは、2種以上の重合体からなる複合重合体粒子であってもよい。複合重合体粒子は、少なくとも1種のモノマー成分を常法により重合し、引き続き、他の少なくとも1種のモノマー成分を添加し、常法により重合させる方法(二段重合法)などによっても得ることができる。
重合に用いる重合開始剤としては、たとえば過酸化ラウロイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、または過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
また、前記重合において、連鎖移動剤を加えることが好ましい。連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタンが好ましく、具体的には、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンが挙げられる。中でも、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンが、重合安定性が良好であるという観点から好ましい。
また、上記アルキルメルカプタンと共に他の連鎖移動剤を併用してもよい。併用してもよい連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、アリルアルコール、アリルアミン、アリルスルフォン酸ソーダ(カリウム)、メタアリルスルフォン酸ソーダ(カリウム)等が挙げられる。上記の連載移動剤の使用量は、本願発明の効果を妨げない範囲で特に限定されない。
水系分散液中のバインダーの個数平均粒径は、50〜500nmが好ましく、70〜400nmがさらに好ましい。バインダーの個数平均粒径が上記範囲にあることで、得られる負極の強度および柔軟性が良好となる。重合体粒子の存在は、透過型電子顕微鏡法やコールターカウンター、レーザー回折散乱法などによって容易に測定することができる。
バインダーのガラス転移温度は、40℃以下であることが好ましく、より好ましくは、−75〜+30℃、更に好ましくは−55〜+20℃、最も好ましくは−35〜15℃である。バインダーのガラス転移温度が、上記範囲であることにより、負極の柔軟性、結着性及び捲回性、負極活物質と集電体との密着性などの特性が高度にバランスされ好適である。
また、バインダーは、上記単量体を段階的に重合することにより得られるコアシェル構造を有する重合体粒子からなるバインダーであってもよい。
(二次電池負極用水系バインダー組成物の製造)
二次電池負極用水系バインダー組成物は、上記の水系分散液(以下「重合体水系分散液」と記載することもある)に、該バインダー100重量部に対し、0.001〜1.0重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.1重量部のイソチアゾリン系化合物、及び、0.001〜1.0重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.3重量部のキレート化合物を添加し、混合することで製造される。なお、上述したバインダーを含む水系分散液の製造の際に、上記キレート化合物を添加し、キレート化合物の存在下において上記単量体を重合し、その後加熱減圧蒸留により未反応単量体を除去、冷却後、上記特定量のイソチアゾリン系化合物を添加・混合することで、二次電池負極用水系バインダー組成物を製造することもできる。本発明において、上記キレート化合物は、加熱減圧蒸留により未反応単量体を除去の際に添加してもよく、またイソチアゾリン化合物添加の際に同時に添加してもよい。また上記キレート剤は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩の形で添加してもよい。
重合体水系分散液に、イソチアゾリン系化合物及びキレート化合物を混合する方法は特に限定されず、例えば、撹拌式、振とう式、および回転式などの混合装置を使用した方法が挙げられる。また、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、プラネタリーミキサーおよび遊星式混練機などの分散混練装置を使用した方法が挙げられる。
また、本発明のバインダー組成物には、塗布性を向上させたり、充放電特性を向上させるために添加剤を加えることができる。これらの添加剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、メタクリル酸−ビニルアルコール共重合体、マレイン酸−ビニルアルコール共重合体、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物などが挙げられる。これらの添加剤の使用割合は、バインダー組成物の固形分合計重量に対して、好ましくは300重量%未満、より好ましくは30重量%以上250重量%以下、特に好ましくは40重量%以上200重量%以下である。この範囲であれば、平滑性が優れた二次電池負極を得ることができる。これらの添加剤は、バインダー組成物に添加する方法以外に、後述する本発明の二次電池負極用スラリー組成物に添加することもできる。
(2)二次電池負極用スラリー組成物
本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、上記二次電池負極用水系バインダー組成物及び負極活物質を含有する。以下においては、本発明の二次電池負極用スラリー組成物を、リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物として用いる態様について説明する。
(負極活物質)
本発明に用いる負極活物質は、二次電池負極内で電子の受け渡しをする物質である。
リチウムイオン二次電池用負極活物質としては、具体的には、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、及びピッチ系炭素繊維などの炭素質材料;ポリアセン等の導電性高分子などが挙げられる。好ましくは、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)などの結晶性炭素質材料である。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の金属やこれらの合金、前記金属又は合金の酸化物や硫酸塩を使用できる。加えて、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等も使用できる。上記負極活物質は、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
負極活物質の形状は、粒状に整粒されたものが好ましい。粒子の形状が球形であると、電極成形時により高密度な電極が形成できる。
負極活物質の体積平均粒子径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが通常0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは5〜20μmである。また、負極活物質の50%体積累積径は、初期効率、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmである。
負極活物質のタップ密度は、特に制限されないが、0.6g/cm以上のものが好適に用いられる。
本発明の二次電池負極用スラリー組成物における、負極活物質及びバインダー組成物の合計含有量は、スラリー組成物100重量部に対して、好ましくは10〜90重量部であり、さらに好ましくは30〜80重量部である。また負極活物質の総量に対するバインダー組成物の含有量(固形分相当量)は、負極活物質の総量100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜2重量部である。スラリー組成物における負極活物質及びバインダー組成物の合計含有量とバインダー組成物の含有量が上記範囲であると、得られる二次電池負極用スラリー組成物の粘度が適正化され、塗工を円滑に行えるようになり、また得られた負極に関して抵抗が高くなることなく、十分な密着強度が得られる。その結果、極板プレス工程における負極活物質からのバインダー組成物の剥がれを抑制することができる。
(分散媒)
本発明では、分散媒として水を用いる。本発明においては、バインダー組成物の分散安定性を損なわない範囲であれば、分散媒として水に親水性の溶媒を混ぜたものを使用してもよい。親水性の溶媒としては、メタノール、エタノール、N−メチルピロリドンなどがあげられ、水に対して5重量%以下であることが好ましい。
(導電材)
本発明の二次電池負極用スラリー組成物においては、導電材を含有することが好ましい。導電材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、およびカーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。導電材を含有することにより、負極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善することができる。スラリー組成物における導電材の含有量は、負極活物質の総量100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
(増粘剤)
本発明の二次電池負極用スラリー組成物においては、増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリ(メタ)アクリル酸およびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリビニルアルコール、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、無水マレイン酸又はマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体などのポリビニルアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、変性ポリアクリル酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンなどが挙げられる。
増粘剤の配合量は、負極活物質100重量部に対して、0.5〜1.5重量部が好ましい。増粘剤の配合量が上記範囲であると、塗工性、集電体との密着性が良好である。本発明において、「(変性)ポリ」は「未変性ポリ」又は「変性ポリ」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタアクリル」を意味する。
二次電池負極用スラリー組成物には、上記成分のほかに、さらに補強材、レベリング剤、電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよく、後述の二次電池負極中に含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
補強材としては、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。補強材を用いることにより強靭で柔軟な負極を得ることができ、優れた長期サイクル特性を示すことができる。スラリー組成物における補強材の含有量は、負極活物質の総量100重量部に対して通常0.01〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。上記範囲に含まれることにより、高い容量と高い負荷特性を示すことができる。
レベリング剤としては、アルキル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。レベリング剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、負極の平滑性を向上させることができる。スラリー組成物中のレベリング剤の含有量は、負極活物質の総量100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部である。レベリング剤が上記範囲であることにより負極作製時の生産性、平滑性及び電池特性に優れる。界面活性剤を含有させることによりスラリー組成物中の負極活物質等の分散性を向上することができ、さらにそれにより得られる負極の平滑性を向上させることができる。
電解液添加剤としては、スラリー組成物中及び電解液中に使用されるビニレンカーボネートなどを用いることができる。スラリー組成物中の電解液添加剤の含有量は、負極活物質の総量100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部である。電解液添加剤が、上記範囲であることによりサイクル特性及び高温特性に優れる。その他には、フュームドシリカやフュームドアルミナなどのナノ微粒子が挙げられる。ナノ微粒子を混合することによりスラリー組成物のチキソ性をコントロールすることができ、さらにそれにより得られる負極のレベリング性を向上させることができる。スラリー組成物中のナノ微粒子の含有量は、負極活物質の総量100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部である。ナノ微粒子が上記範囲であることによりスラリー安定性、生産性に優れ、高い電池特性を示す。
(二次電池負極用スラリー組成物の製造)
二次電池負極用スラリー組成物は、上記バインダー組成物、負極活物質および必要に応じ用いられる導電材等を混合して得られる。
混合法は特に限定はされないが、例えば、撹拌式、振とう式、および回転式などの混合装置を使用した方法が挙げられる。また、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、プラネタリーミキサーおよび遊星式混練機などの分散混練装置を使用した方法が挙げられる。
(3)二次電池負極
本発明の二次電池負極は、本発明の二次電池負極用スラリー組成物を集電体上に塗布、乾燥してなる。
(二次電池負極の製造方法)
本発明の二次電池負極の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記スラリー組成物を集電体の少なくとも片面、好ましくは両面に塗布、乾燥し、負極活物質層を形成する方法が挙げられる。
スラリー組成物を集電体上に塗布する方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、およびハケ塗り法などの方法が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥時間は通常5〜30分であり、乾燥温度は通常40〜180℃である。
本発明の二次電池負極を製造するに際して、集電体上に上記スラリー組成物を塗布乾燥後、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により負極活物質層の空隙率を低くする工程を有することが好ましい。空隙率の好ましい範囲は5〜30%、より好ましくは7〜20%である。空隙率が高すぎると充電効率や放電効率が悪化する。空隙率が低すぎる場合は、高い体積容量が得難く、負極活物質層が集電体から剥がれ易く不良を発生し易いといった問題を生じる。さらに、バインダー組成物に硬化性の重合体を用いる場合は、硬化させることが好ましい。
本発明の二次電池負極における負極活物質層の厚みは、通常5〜300μmであり、好ましくは30〜250μmである。負極活物質層の厚みが上記範囲にあることにより、負荷特性及びサイクル特性共に高い特性を示す。
本発明において、負極活物質層における負極活物質の含有割合は、好ましくは85〜99重量%、より好ましくは88〜97重量%である。負極活物質の含有割合を、上記範囲とすることにより、高い容量を示しながらも柔軟性、結着性を示すことができる。
本発明において、二次電池負極の負極活物質層の密度は、好ましくは1.6〜1.9g/cmであり、より好ましくは1.65〜1.85g/cmである。負極活物質層の密度が上記範囲にあることにより、高容量の電池を得ることができる。
(集電体)
本発明で用いる集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するため金属材料が好ましく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などが挙げられる。中でも、二次電池負極に用いる集電体としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、負極活物質層との接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、合剤の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
(4)二次電池
本発明の二次電池は、正極、負極、セパレーター及び電解液を備えてなる二次電池であって、負極が、上記二次電池負極である。
(正極)
正極は、正極活物質及び二次電池正極用バインダー組成物を含む正極活物質層が、集電体上に積層されてなる。
(正極活物質)
正極活物質は、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な活物質が用いられ、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が使用される。
遷移金属酸化物としては、MnO、MnO、V、V13、TiO、Cu、非晶質VO−P、MoO、V、V13等が挙げられ、中でもサイクル安定性と容量からMnO、V、V13、TiOが好ましい。遷移金属硫化物としては、TiS、TiS、非晶質MoS、FeS等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物としては、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはリチウム含有コバルト酸化物(LiCoO)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO)、Co−Ni−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物等が挙げられる。スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはマンガン酸リチウム(LiMn)やMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn3/21/2]O(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはLiMPO(式中、Mは、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mg,Zn,V,Ca,Sr,Ba,Ti,Al,Si,B及びMoから選ばれる少なくとも1種、0≦X≦2)であらわされるオリビン型燐酸リチウム化合物が挙げられる。
有機化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を存在させることで、炭素材料で覆われた電極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。二次電池用の正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。
正極活物質の平均粒子径は、通常1〜50μm、好ましくは2〜30μmである。粒子径が上記範囲にあることにより、後述する正極用スラリー組成物を調製する際の正極用バインダー組成物の量を少なくすることができ、電池の容量の低下を抑制できると共に、正極用スラリー組成物を、塗布するのに適正な粘度に調製することが容易になり、均一な電極を得ることができる。
正極活物質層における正極活物質の含有割合は、好ましくは90〜99.9重量%、より好ましくは95〜99重量%である。正極中の正極活物質の含有量を、上記範囲とすることにより、高い容量を示しながらも柔軟性、結着性を示すことができる。
(二次電池正極用バインダー組成物)
二次電池正極用バインダー組成物としては、特に制限されず公知のものを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などの樹脂や、アクリル系軟質重合体、ジエン系軟質重合体、オレフィン系軟質重合体、ビニル系軟質重合体等の軟質重合体を用いることができる。これらは単独で使用しても、これらを2種以上併用してもよい。
正極には、上記成分のほかに、さらに前述の電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
集電体は、前述の二次電池負極に使用される集電体を用いることができ、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、二次電池正極用としてはアルミニウムが特に好ましい。
正極活物質層の厚みは、通常5〜300μmであり、好ましくは10〜250μmである。正極活物質層の厚みが上記範囲にあることにより、負荷特性及びエネルギー密度共に高い特性を示す。
正極は、前述の二次電池負極と同様に製造することができる。
(セパレーター)
セパレーターは気孔部を有する多孔性基材であって、使用可能なセパレーターとしては、(a)気孔部を有する多孔性セパレーター、(b)片面または両面に高分子コート層が形成された多孔性セパレーター、または(c)無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート層が形成された多孔性セパレーターが挙げられる。これらの非制限的な例としては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリオレフィン系、またはアラミド系多孔性セパレーター、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体などの固体高分子電解質用またはゲル状高分子電解質用の高分子フィルム、ゲル化高分子コート層がコートされたセパレーター、または無機フィラー、無機フィラー用分散剤からなる多孔膜層がコートされたセパレーターなどがある。
(電解液)
本発明に用いられる電解液は、特に限定されないが、例えば、非水系の溶媒に支持電解質としてリチウム塩を溶解したものが使用できる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlCl、LiClO、CFSOLi、CSOLi、CFCOOLi、(CFCO)NLi、(CFSONLi、(CSO)NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF、LiClO、CFSOLiは好適に用いられる。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。支持電解質の量は、電解液に対して、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、また通常は30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。支持電解質の量が少なすぎても多すぎてもイオン導電度は低下し電池の充電特性、放電特性が低下する。
電解液に使用する溶媒としては、支持電解質を溶解させるものであれば特に限定されないが、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびメチルエチルカーボネート(MEC)などのアルキルカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類、1,2−ジメトキシエタン、およびテトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、およびジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;が用いられる。特に高いイオン伝導性が得易く、使用温度範囲が広いため、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。また、電解液には添加剤を含有させて用いることも可能である。添加剤としてはビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系の化合物が好ましい。
上記以外の電解液としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、硫化リチウム、LiI、LiNなどの無機固体電解質を挙げることができる。
(二次電池の製造方法)
本発明の二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、上述した負極と正極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する。さらに必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をすることもできる。電池の形状は、ラミネートセル型、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型などいずれであってもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例における部および%は、特記しない限り重量基準である。実施例および比較例において、各種物性は以下のように評価した。
(バインダー組成物の保存安定性(防腐性))
バインダー組成物100gに対して、別途準備した腐敗が認められたバインダー組成物(混合菌数10以上:単位cfu/mL,cfu=Colony Forming Unitの略、生菌数の単位)5gを加え、30℃で12時間放置し、さらに50℃で7日間保温管理した後、30℃に戻し24時間保管した。その後、TGC(チオグレイト酸)塩寒天平板混釈法を用いて、30℃、48時間培養後のコロニーの数を目視で数えた。以上を1回目の接種試験とした。
2回目の試験は、さらに上記腐敗したバインダー組成物を、更に5g加えて、上記と同様の温度条件で保管、管理し、上記と同様の方法でコロニーの数を数えた。これらの操作を、コロニーが確認されるまで(菌数10以上で終了)、腐敗したバインダー組成物の接種、測定を繰り返した。
そして、コロニーが確認されるまでの上記接種回数により、長期保存安定性を下記の通り判定した。接種回数の多いほど、バインダー組成物の長期保存安定性が高いことを示す。
A:コロニーが確認されるまでの接種回数が6回以上
B:コロニーが確認されるまでの接種回数が3回以上5回以下
C:コロニーが確認されるまでの接種回数が2回以下
(ピール強度)
負極をそれぞれ、幅1cm×長さ10cmの矩形に切って試験片とし、負極活物質層面を上にして固定した。試験片の負極活物質層の表面にセロハンテープを貼り付けた後、試験片の一端からセロハンテープを50mm/分の速度で180°方向に引き剥がしたときの応力を測定した。測定を10回行い、その平均値を求めてこれをピール強度とし、下記基準にて判定を行った。この値が大きいほど、負極の密着強度が大きいことを示す。
A:6N/m以上
B:5N/m以上〜6N/m未満
C:4N/m以上〜5N/m未満
D:3N/m以上〜4N/m未満
E:3N/m未満
(充放電サイクル特性)
得られた二次電池を用いて、それぞれ25℃で0.1Cの定電流定電圧充電法方式で、4.2Vになるまで定電流で充電、その後定電圧で充電し、また0.1Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルを行った。充放電サイクルは100サイクルまで行い、初期放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比を容量維持率とし、この容量維持率が80%以下となる電池の発生個数で判定した。この個数が少ないほど、充放電サイクル特性に優れ、かつ安全性に優れることを示す。なお、50サイクル目の放電容量を電池容量とし、試験は各50個の電池を作製して行った。
(実施例1)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、1,3−ブタジエン50部、メタクリル酸1.5部、アクリル酸1.5部、スチレン47部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部、イオン交換水150部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.4部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し反応を停止して、バインダーを含む水系分散液を得た。
上記バインダーを含む水系分散液に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った後、30℃以下まで冷却した。その後、直ちに、バインダーの固形分100部に対して、BIT 0.05部、EDTA 0.25部及びナトリウムピリチオン0.02部を添加、混合し、イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。バインダー組成物の保存安定性(防腐性)の評価結果を表1に示す。
(二次電池負極用スラリー組成物の製造)
増粘剤として、カルボキシメチルセルロース(CMC、第一工業製薬株式会社製「BSH−12」)を用いた。増粘剤の重合度は、1700、エーテル化度は0.65であった。
ディスパー付きのプラネタリーミキサーに、負極活物質として人造黒鉛(平均粒子径:24.5μm)を100部、上記増粘剤の1%水溶液1部をそれぞれ加え、イオン交換水で固形分濃度55%に調整した後、25℃で60分混合した。次に、イオン交換水で固形分濃度52%に調整した後、さらに25℃で15分混合し混合液を得た。
上記混合液に、上記バインダー組成物を1部(固形分基準)、及びイオン交換水を入れ、最終固形分濃度42%となるように調整し、さらに10分間混合した。これを減圧下で脱泡処理して流動性の良い二次電池負極用スラリー組成物を得た。
(電池の製造)
上記二次電池負極用スラリー組成物を、コンマコーターで、厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の膜厚が200μm程度になるように塗布し、2分間乾燥(0.5m/分の速度、60℃)し、2分間加熱処理(120℃)して電極原反を得た。この電極原反をロールプレスで圧延して負極活物質層の厚みが80μmの二次電池負極を得た。負極のピール強度の評価結果を表1に示す。
上記負極を直径15mmの円盤状に切り抜き、この負極の負極活物質層面側に直径18mm、厚さ25μmの円盤状のポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーター、正極として用いる金属リチウム、エキスパンドメタルを順に積層し、これをポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器中に電解液を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約2mmのハーフセル(二次電池)を作製した。
なお、電解液としてはエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とをEC:DEC=1:2(20℃での容積比)で混合してなる混合溶媒にLiPFを1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。このハーフセルの充放電サイクル特性の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、1,3−ブタジエン50部、メタクリル酸1.5部、アクリル酸1.5部、スチレン47部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部、イオン交換水150部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.4部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部、及びEDTA 0.25部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し反応を停止した。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8.5に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。その後30℃以下になるまで冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH8になるよう微調整した。その後、直ちに、バインダーの固形分100部に対して、BIT 0.05部及びナトリウムピリチオン0.02部を添加、混合し、イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。
上記バインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、スラリー組成物を得、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
BITの添加量を0.08部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
BITに代えて、MITを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
EDTAの添加量を0.015部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
ナトリウムピリチオンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器(A)に、イオン交換水50部、及び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み十分攪拌した後、70℃とし、過硫酸カリウム0.5部を3%過硫酸カリウム水溶液で添加した。また別の攪拌機付き5MPa耐圧容器(B)にイオン交換水55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸ナトリウム0.2部、1,3−ブタジエン45部、イタコン酸2.5部、スチレン30部、アクリロニトリル6部、メチルメタクリレート15部、アクリルアミド1.5部、及びt−ドデシルメルカプタン1.5部を仕込み、十分攪拌し調製して得たエマルジョン水溶液を、容器(A)に4時間に渡って連続的に滴下した。重合転化率が90%に達したところで反応温度を80℃とし更に3時間反応を実施した後、冷却して反応を停止し、バインダーを含む水系分散液を得た。なお、重合転化率は96.5%であった。
上記バインダーを含む水系分散液に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。次いで、30℃以下になるまで冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH8になるように微調整した。その後、直ちに、バインダーの固形分100部に対して、BIT 0.05部、EDTA 0.05部、及びナトリウムピリチオン0.02部を添加、混合し、その後イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。
上記バインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、スラリー組成物を得、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
BITに代えて、CITを用い、EDTAに代えて、NTAを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
BITの添加量を0.3部とし、EDTAに代えて、DCTAを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
BITに代えて、OITを用い、EDTAに代えて、DTPAを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
EDTAに代えて、HEDTAを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
EDTAに代えて、DHEGを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例13)
EDTAに代えて、HEDPを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例14)
EDTAに代えて、0.1部のクエン酸を用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例15)
EDTAに代えて、0.1部のリンゴ酸を用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例16)
EDTAに代えて、0.1部のグルコン酸を用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例17)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器(A)に、イオン交換水50部、及び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み十分攪拌した後、70℃とし、過硫酸カリウム0.5部を3%過硫酸カリウム水溶液で添加した。また別の攪拌機付き5MPa耐圧容器(B)にイオン交換水55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸ナトリウム0.2部、1,3−ブタジエン35部、フマル酸1部、メタクリル酸1部、アクリル酸2部、スチレン60部、メチルメタクリレート1部、及びt−ドデシルメルカプタン1.0部を仕込み、十分攪拌し調製して得たエマルジョン水溶液を、容器(A)に4時間に渡って連続的に滴下した。重合転化率が90%に達したところで反応温度を80℃とし更に3時間反応を実施した後、冷却して反応を停止し、バインダーを含む水系分散液を得た。なお、重合転化率は96.5%であった。
上記バインダーを含む水系分散液に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。次いで、30℃以下になるまで冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH8になるように微調整を行った。その後、直ちに、バインダーの固形分100部に対して、BIT 0.05部、EGTA 0.05部、及びナトリウムピリチオン0.02部を添加、混合した。その後イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。
上記バインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、スラリー組成物を得、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例18)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器(A)に、イオン交換水50部、及び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み十分攪拌した後、70℃とし、過硫酸カリウム0.5部を3%過硫酸カリウム水溶液で添加した。また別の攪拌機付き5MPa耐圧容器(B)にイオン交換水55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸ナトリウム0.2部、1,3−ブタジエン55部、メタクリル酸0.5部、アクリル酸0.5部、スチレン20部、メタクリロニトリル15部、メチルメタクリレート6部、アクリルアミド2部、β−ヒドロキシエチルアクリレート1部、t−ドデシルメルカプタン1.3部、及びα−メチルスチレンダイマー0.1部を仕込み、十分攪拌し調製して得たエマルジョン水溶液を、容器(A)に4時間に渡って連続的に滴下した。重合転化率が90%に達したところで反応温度を80℃とし更に3時間反応を実施した後、冷却して反応を停止し、バインダーを含む水系分散液を得た。なお、重合転化率は96.5%であった。
上記バインダーを含む水系分散液に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。次いで、30℃以下になるまで冷却後に、5%水酸化ナトリウムでpH8になるように微調整を行った。その後、直ちに、バインダーの固形分100部に対して、BIT 0.05部、EDTA 0.05部、及びナトリウムピリチオン0.02部を添加、混合し、その後イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。
上記バインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、スラリー組成物を得、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例19)
ナトリウムピリチオンの添加量を0.8部とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
EDTAの添加量を1.2部とし、ナトリウムピリチオンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
BITとナトリウムピリチオンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
BITの添加量を1.2部とし、ナトリウムピリチオンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器(A)に、イオン交換水50部、及び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み十分攪拌した後、70℃とし、過硫酸カリウム0.5部を3%過硫酸カリウム水溶液で添加した。また別の攪拌機付き5MPa耐圧容器(B)にイオン交換水55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸ナトリウム0.2部、1,3−ブタジエン55部、フマル酸0.5部、アクリル酸0.5部、スチレン20部、メタクリロニトリル15部、メチルメタクリレート6部、アクリルアミド2部、β−ヒドロキシエチルアクリレート1部、t−ドデシルメルカプタン1.3部、及びα−メチルスチレンダイマー0.1部を仕込み、十分攪拌し調製して得たエマルジョン水溶液を、容器(A)に4時間に渡って連続的に滴下した。重合転化率が90%に達したところで反応温度を80℃とし更に3時間反応を実施した後、冷却して反応を停止し、バインダーを含む水系分散液を得た。なお、重合転化率は96.5%であった。
上記バインダーを含む水系分散液に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。次いで、30℃以下になるまで冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH8になるように微調整を行った。その後、直ちにバインダーの固形分100部に対して、トリアジン0.05部、及びEDTA 0.25部を添加、混合し、イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。
上記バインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、スラリー組成物を得、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
EDTAとナトリウムピリチオンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例6)
BITに代えて、OITを用い、EDTAに代えて、0.1部のコハク酸を用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例7)
バインダー組成物の製造において、メタクリル酸及びアクリル酸を使用せず、スチレン量を50部とし、ナトリウムピリチオンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に重合を実施し、その後、未反応単量体除去以降の操作も同様に行って、バインダー組成物を得、スラリー組成物、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。なお、バインダーの重合転化率は94.5%であった。
(比較例8)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器(A)に、イオン交換水50部、及び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み十分攪拌した後、70℃とし、過硫酸カリウム0.5部を3%過硫酸カリウム水溶液で添加した。また別の攪拌機付き5MPa耐圧容器(B)にイオン交換水55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸ナトリウム0.2部、1,3−ブタジエン50部、イタコン酸3部、メタクリル酸5部、アクリル酸5部、スチレン27部、アクリロニトリル10部、及びt−ドデシルメルカプタン1.5部を仕込み、十分攪拌し調製して得たエマルジョン水溶液を、容器(A)に4時間に渡って連続的に滴下した。重合転化率が90%に達したところで反応温度を80℃とし更に3時間反応を実施した後、冷却して反応を停止し、バインダーを含む水系分散液を得た。なお、重合転化率は96.5%であった。
上記バインダーを含む水系分散液に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。次いで、30℃以下になるまで冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH8になるように微調整を行った。その後、直ちに、バインダーの固形分100部に対して、BIT 0.05部及びEDTA 0.25部を添加、混合し、その後イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。
上記バインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、スラリー組成物を得、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例9)
(バインダー組成物の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器(A)に、イオン交換水50部、及び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み十分攪拌した後、70℃とし、過硫酸カリウム0.5部を3%過硫酸カリウム水溶液で添加した。また別の攪拌機付き5MPa耐圧容器(B)にイオン交換水55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸ナトリウム0.2部、1,3−ブタジエン65部、イタコン酸1部、メタクリル酸1部、アクリル酸1部、スチレン20部、アクリロニトリル10部、メタクリロニトリル1部、アクリルアミド1部、t−ドデシルメルカプタン1.5部及びα−メチルスチレンダイマー0.2部を仕込み、十分攪拌し調製して得たエマルジョン水溶液を、容器(A)に4時間に渡って連続的に滴下した。重合転化率が90%に達したところで反応温度を80℃とし更に3時間反応を実施した後、冷却して反応を停止し、バインダーを含む水系分散液を得た。なお、重合転化率は96.5%であった。
上記バインダーを含む水系分散液に、次いで、30℃以下になるまで冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH8になるように微調整を行った。その後、直ちに、バインダーの固形分100部に対して、BIT 0.05部及びEDTA 0.25部を添加、混合し、その後イオン交換水で固形分濃度調整を更に行いながら、200メッシュ(目開 約77μm)のステンレス製金網でろ過を行い、固形分濃度40%のバインダー組成物を得た。
上記バインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、スラリー組成物を得、負極及びハーフセルを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005949547
Figure 0005949547
表1,2の結果から、以下のことがいえる。
脂肪族共役ジエン系単量体単位20〜60重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位0.5〜10重量%、及びこれらと共重合可能な他の単量体単位20〜79重量%からなるバインダーと、該バインダー100重量部に対し、イソチアゾリン系化合物0.001〜1.0重量部と、キレート化合物0.001〜1.0重量部とを含有する二次電池負極用水系バインダー組成物を用いることで、密着強度の良好な負極を得ることができ、安全性及び充放電サイクル特性の良好な二次電池を得ることができる。また、該バインダー組成物の長期保存安定性が良好になる。

Claims (7)

  1. 脂肪族共役ジエン系単量体単位20〜60重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体単位0.5〜10重量%、及びこれらと共重合可能な他の単量体単位20〜79重量%からなる重合体であるバインダーと、
    該バインダー100重量部に対し、イソチアゾリン系化合物0.001〜1.0重量部と、キレート化合物0.01〜0.3重量部と、ピリチオン化合物0.001〜1.0重量部と、水とを含有する二次電池負極用水系バインダー組成物。
  2. 前記他の単量体単位が芳香族ビニル系単量体単位である請求項1に記載の二次電池負極用水系バインダー組成物。
  3. 前記芳香族ビニル系単量体単位がスチレンの単量体単位であり、バインダーにおける該単量体単位の比率が25〜70重量%である請求項2に記載の二次電池負極用水系バインダー組成物。
  4. 前記キレート化合物が、アミノカルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物からなる群より選択される請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池負極用水系バインダー組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池負極用水系バインダー組成物及び負極活物質を含有してなる二次電池負極用スラリー組成物。
  6. 請求項5に記載の二次電池負極用スラリー組成物を集電体上に塗布、乾燥してなる二次電池負極。
  7. 正極、負極、セパレーター及び電解液を備えてなる二次電池であって、前記負極が請求項6に記載の二次電池負極である二次電池。
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