JP5652313B2 - リチウム二次電池用負極スラリー組成物、リチウム二次電池用負極の製造方法、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池用負極スラリー組成物、リチウム二次電池用負極の製造方法、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5652313B2 JP5652313B2 JP2011101270A JP2011101270A JP5652313B2 JP 5652313 B2 JP5652313 B2 JP 5652313B2 JP 2011101270 A JP2011101270 A JP 2011101270A JP 2011101270 A JP2011101270 A JP 2011101270A JP 5652313 B2 JP5652313 B2 JP 5652313B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative electrode
- lithium secondary
- secondary battery
- compound
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔5〕を要旨とする。
〔2〕 前記アルカリ土類金属化合物が、アルカリ土類有機金属化合物である、〔1〕記載のリチウム二次電池負極用スラリー組成物。
〔3〕 アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体に、〔1〕又は〔2〕記載のリチウム二次電池用負極スラリー組成物の層を形成し、乾燥させることを含む、リチウム二次電池用負極の製造方法。
〔4〕 アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体と、負極活物質層とを備え、
前記負極活物質層が、チタン酸リチウム化合物、バインダ、有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物を含む、リチウム二次電池用負極。
〔5〕 〔4〕に記載のリチウム二次電池用負極、正極、セパレータ、及び電解質を備える、リチウム二次電池。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。また、「正極活物質」とは正極用の電極活物質を意味し、「負極活物質」とは負極用の電極活物質を意味する。さらに、「正極活物質層」とは正極に設けられる電極活物質層を意味し、「負極活物質層」とは負極に設けられる電極活物質層を意味する。
〔1−1.概要〕
本発明のリチウム二次電池用負極スラリー組成物(以下、適宜「本発明の負極スラリー組成物」ということがある。)は、チタン酸リチウム化合物、バインダ、水、有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物を含む。チタン酸リチウム化合物及び水を含むスラリー組成物においては、例えばチタン酸リチウム化合物が水に溶解することにより、そのスラリー組成物のpHは高くなり、アルミニウム及びアルミニウム合金を腐食させ易い傾向がある。ところが、このスラリー組成物に有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物を組み合わせて含ませると、有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物が腐食防止剤として機能し、pHが高くてもアルミニウム及びアルミニウム合金を腐食させ難くなる。このため、本発明の負極スラリー組成物は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体に塗工しても当該集電体を腐食させ難いので、集電体の腐食による初期容量及びサイクル特性の低下を抑制できる。したがって、本発明によれば、初期容量及びサイクル特性に優れたリチウム二次電池を実現できる。また、リチウム二次電池用負極の抵抗の小さくできるので、通常は、リチウム二次電池のレート特性を改善することもできる。
本発明の負極スラリー組成物は、負極活物質としてチタン酸リチウム化合物を含む。チタン酸リチウム化合物は、従来よりリチウム系二次電池の負極活物質として用いられてきたグラファイトと比較して、サイクル特性およびレート特性に優れるため、好適である。チタン酸リチウム化合物は、例えば、LiXTiYOz(0≦x≦4、1≦y≦5、2≦z≦12)で表されるスピネル構造を有するものが好ましい。
チタン酸リチウム化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
バインダは、負極活物質層において、当該負極活物質層に含まれる成分が負極活物質層から脱離しないように保持しうる成分である。本発明では、バインダとして、通常、水に溶解又は分散しうるバインダ(以下、適宜「水系バインダ」ということがある。)を用い、中でも水に分散しうる水系バインダを用いることが好ましい。なお、バインダは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
分散剤の使用量は、重合に用いる単量体の総量100重量部に対して、通常0.01重量部〜10重量部である。
本発明の負極スラリー組成物は、水を含む。水は溶媒又は分散媒として機能し、チタン酸リチウム化合物、バインダ、有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物は、水に溶解又は分散した状態となっている。また、水は本発明のリチウム二次電池用負極を製造する過程において乾燥させられるので、本発明のリチウム二次電池用負極には通常は含まれない。
本発明の負極スラリー組成物は、有機ホスホン酸化合物を含む。本発明の負極スラリー組成物が、有機ホスホン酸化合物を、アルカリ土類金属化合物と組み合わせて含むことにより、集電体に負極活物質層を形成する際における、集電体の腐食を防止することができる。これにより、本発明のリチウム二次電池の初期容量及びサイクル特性を良好にすることができ、また、通常はレート特性を改善することもできる。
アルカリ土類金属化合物に含まれるアルカリ土類金属が、集電体を形成するアルミニウム又はアルミニウム合金の表面に難溶性の皮膜を形成し、アルミニウムの腐食を抑制するインヒビターとして働くと共に、有機ホスホン酸化合物がアルカリ土類金属に配位し被膜の形成を効果的に補助するために、腐食を防止できるものと推察される。
なお、有機ホスホン酸化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明の負極スラリー組成物は、アルカリ土類金属化合物を含む。前述したように、本発明の負極スラリー組成物が、アルカリ土類金属化合物を、有機ホスホン酸化合物と組み合わせて含むことにより、集電体に負極活物質層を形成する際における、集電体の腐食を防止することができる。これにより、本発明のリチウム二次電池の初期容量及びサイクル特性を良好にすることができ、また、通常はレート特性を改善することもできる。
なお、アルカリ土類金属化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明の負極スラリー組成物は、通常、導電材(導電性付与材ともいう。)を含む。導電材を用いることにより、負極活物質であるチタン酸リチウム化合物の粒子同士の電気的接触を向上させることができ、リチウム二次電池とした場合における、放電負荷特性を改善することができる。このため、導電材を含有させることにより、リチウム二次電池のレート特性を向上させることができる。
本発明の負極スラリー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、チタン酸リチウム化合物、バインダ、水、有機ホスホン酸化合物、アルカリ土類金属化合物及び導電材以外に、他の成分を含んでいてもよい。このような成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明の負極スラリー組成物の粘度は、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上であり、好ましくは100000mPa・s以下、より好ましくは50000mPa・s以下である。粘度をこの範囲に収めることにより、本発明の負極スラリー組成物を均一に塗工し易くなり、また、当該負極スラリー組成物の経時安定性を改善することができる。なお、上記の粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。
本発明の負極スラリー組成物の製造方法は、特に限定されない。通常は、本発明の負極スラリー組成物を構成する各成分のうち、バインダと、有機ホスホン酸化合物と、アルカリ土類金属化合物と、水とを混合することによりバインダ組成物を得る。その後、得られたバインダ組成物と、チタン酸リチウム化合物及び必要に応じて用いられるその他の成分とを混合することにより、本発明の負極スラリー組成物を得る。
本発明のリチウム二次電池用負極は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体と、負極活物質層とを備え、負極活物質層が、チタン酸リチウム化合物、バインダ、有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物を含む。また、負極活物質層は、必要に応じて、導電材及びその他の成分を含んでいてもよい。負極活物質層は通常は集電体の表面に形成されるが、本発明の負極スラリー組成物は集電体を腐食させ難いので、腐食による初期容量及びサイクル特性の低下を防止して、優れたリチウム二次電池を実現できる。なお、本発明の負極スラリー組成物に含まれていた水は、負極活物質層を作製する過程で乾燥するので、通常は負極活物質層には水は含まれないか、含まれるとしても少量となる。
集電体としては、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体を用いる。この際、アルミニウムとアルミニウム合金とを組み合わせて用いてよく、種類が異なるアルミニウム合金を組み合わせて用いてもよい。集電体は一般に電気導電性を有し、かつ、電気化学的に耐久性のある材料が用いられ、特にアルミニウム及びアルミニウム合金は耐熱性を有し、電気化学的に安定であるため、優れた集電体材料である。
集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001mm〜0.5mmのシート状のものが好ましい。
また、集電体は、負極活物質層の接着強度を高めるため、予め粗面化処理が施されていてもよい。粗面化方法としては、例えば、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、例えば、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。
本発明のリチウム二次電池は、本発明のリチウム二次電池用負極、正極、セパレータ、及び電解液を備える。本発明のリチウム二次電池用負極は集電体の腐食が抑制されているため、高い初期容量及び優れたサイクル特性を有し、さらに、通常は優れたレート特性を有する。また、負極活物質層が有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物を含むため、集電体の経時的な腐食の進行も抑制できるので、これによっても、本発明のリチウム二次電池のサイクル特性を改善することが可能となっている。
正極は、通常、集電体と、前記集電体の表面に形成された正極活物質層を備える。
正極活物質は、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、例えば、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等が挙げられる。正極活物質として使用される無機化合物の具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiFePO4、LiFeVO4等のリチウム含有複合金属酸化物;TiS2、TiS3、非晶質MoS2等の遷移金属硫化物;Cu2V2O3、非晶質V2O−P2O5、MoO3、V2O5、V6O13等の遷移金属酸化物などが挙げられる。
有機化合物からなる正極活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子などが挙げられる。また、例えば、鉄系酸化物を炭素源物質の存在下において還元焼成することで、炭素材料で覆われた複合材料を作製し、この複合材料を正極活物質として用いてもよい。鉄系酸化物は電気伝導性に乏しい傾向があるが、前記のような複合材料にすることにより、高性能な正極活物質として使用できる。
本発明のリチウム二次電池の電解質としては、通常、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。
支持電解質としては、通常、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLi等が挙げられる。これらの中でも、有機溶媒に溶解しやすく、高い解離度を示すという点より、LiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。解離度の高い支持電解質を用いるほど、リチウムイオンの伝導度を高くできる。なお、支持電解質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
セパレータとしては、例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜、これらの繊維を織ったもの、又はその不織布;無機セラミック粉末等の絶縁性物質粒子の集合体、又はこれらの絶縁性物質微粒子を含む多孔質の樹脂コート等が挙げられる。これらの中でも、セパレータ全体の膜厚を薄くすることができ、これにより、リチウム二次電池内の電極活物質の比率を高くし、体積あたりの容量を高くすることができるという点より、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、例えば、本発明のリチウム二次電池用負極と、正極とを、セパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することにより製造してもよい。リチウム二次電池の内部の圧力上昇、過充放電の発生などを防止をするために、必要に応じて、例えば、ヒューズ、PTC素子等の過電流防止素子、エキスパンドメタル、リード板などを設けてもよい。リチウム二次電池の形状は、例えばコイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧の環境下において行った。
各特性の定義及び評価方法は、以下のとおりである。
各実施例及び比較例で得られたリチウム二次電池用負極スラリー組成物を、厚み20μmのアルミニウム箔からなる集電体の表面に、乾燥後の膜厚が70μm程度になるように塗工し、50℃にて20分乾燥を行うことで、負極サンプルを得た。得られた負極サンプルのリチウム二次電池用負極スラリー組成物を塗工した表面の10cm×10cmの範囲について、目視にて観察を行い、直径0.5mm以上の塗工不良部分が発生している箇所の数を確認することにより、集電体の腐食性についての評価を行った。なお、集電体の腐食性についての評価は、以下の基準に従って行なった。塗工不良部分の発生箇所が多いほど、集電体の腐食が進行しており、そのため、好ましくないと判断できる。
A:塗工不良の発生箇所がなく、全体がなめらか
B:塗工不良の発生箇所が1箇所以上、5箇所未満
C:塗工不良の発生箇所が5箇所以上、10箇所未満
D:塗工不良の発生箇所が10箇所以上
各実施例及び比較例で得られたリチウム二次電池について、充電レート0.1Cとした定電流法により1.0Vまで充電を行ない、次いで、放電レート0.1Cにて2.5Vまで放電することにより、0.1C放電時の電池容量を求めた。そして、得られた電池容量から、負極活物質層の単位重量当たりの容量を算出し、これを初期容量とした。初期容量の評価は、以下の基準にしたがって行なった。初期容量が高いほど、リチウム二次電池の電池容量が高くなるため、好ましい。
A:160mAh/g以上
B:150mAh/g以上、160mAh/g未満
C:130mAh/g以上、150mAh/g未満
D:100mAh/g以上、130mAh/g未満
E:100mAh/g未満
各実施例及び比較例で得られたリチウム二次電池について、温度25℃の条件にて、充電レート0.1Cとした定電流放により1.0Vまで充電を行なった後、放電レート0.1Cにて2.5Vまで放電する充放電試験を300回繰り返した。そして、1回目の充放電試験における放電容量Cap1stと、300回目の充放電試験における放電容量Cap300thとの比((Cap300th/Cap1st)×100%)である300サイクル時容量維持率を求めた。そして、得られた300サイクル時容量維持率に基づき、以下の基準にて、サイクル特性を評価した。なお、300サイクル時容量維持率が高いほど、サイクル試験を行った際の300サイクル目における劣化が少なく、サイクル特性に優れると判断できるため、好ましい。
A:300サイクル時容量維持率が95%以上
B:300サイクル時容量維持率が85%以上、95%未満
C:300サイクル時容量維持率が75%以上、85%未満
D:300サイクル時容量維持率が60%以上、75%未満
E:300サイクル時容量維持率が60%未満
(A)バインダの製造
重合缶Aに、(メタ)アクリル酸エステル単量体である2−エチルヘキシルアクリレート10.75部、α,β−不飽和ニトリル単量体であるアクリロニトリル1.25部、界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム0.12部、及びイオン交換水79部を入れ、更に重合開始剤としての過硫酸アンモニウム0.2部、及び、イオン交換水10部を加え、60℃に加温し90分攪拌した。
有機ホスホン酸化合物としての2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を濃度50%で含む水溶液100部に、アルカリ土類金属化合物としての酢酸カルシウム1水和物29.7部、水69部を添加し、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸カルシウム溶液を得た。前記(A)で得られたアクリル系重合体の水分散体に水を加えて濃度を40%に調整し、このように濃度が調整されたアクリル系重合体の水分散体75部に、前記の2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸カルシウム溶液10部を加え、バインダ組成物を得た。
上記にて得られたリチウム二次電池用負極スラリー組成物を、コンマコーターを用いて、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体の表面に塗工し、50℃で20分間乾燥し、その後、150℃で2時間加熱処理して、電極原反を得た。そして、得られた電極原反をロールプレスで圧延し、密度が2.0g/cm3、アルミニウム箔及び負極活物質層からなる厚みが50μmに制御されたリチウム二次電池用負極を製造した。
アルカリ土類金属化合物として、酢酸カルシウムの代わりに水酸化カルシウムを使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用正極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
負極活物質100部に対する有機ホスホン酸化合物(2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸)の量が1.5部になるようにしたこと、並びに、負極活物質100部に対するアルカリ土類金属化合物(酢酸カルシウム)の量が1部になるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用正極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
負極活物質100部に対する有機ホスホン酸化合物(2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸)の量が0.15部になるようにしたこと、並びに、負極活物質100部に対するアルカリ土類金属化合物(酢酸カルシウム)の量が0.05部になるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用正極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
有機ホスホン酸化合物として、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸の代わりにニトロトリスメチレンホスホン酸を使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
有機ホスホン酸化合物として、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸の代わりにエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸を使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
有機ホスホン酸化合物として、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸の代わりに1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ホスホン酸を使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
アルカリ土類金属化合物として、酢酸カルシウムの代わりに炭酸バリウムを使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
アルカリ土類金属化合物として、酢酸カルシウムの代わりに水酸化バリウムを使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
有機ホスホン酸化合物としての2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表3に示す。
アルカリ土類金属化合物としての酢酸カルシウムを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表3に示す。
アルカリ土類金属化合物としての酢酸カルシウムの代わりに、1価の金属化合物である酢酸ナトリウムを使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用負極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表3に示す。
有機ホスホン酸化合物としての2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸の代わりに、有機スルホン酸化合物であるベンゼンスルホン酸を使用したこと以外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池用正極スラリー組成物及びリチウム二次電池を製造し、評価を行った。結果を表3に示す。
表1〜3に示すように、リチウム二次電池用負極スラリー組成物に、有機ホスホン酸化合物(2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ニトロトリスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、または1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ホスホン酸)と、アルカリ土類金属化合物(酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸バリウム、水酸化バリウム)とを組み合わせて配合した場合には、集電体の腐食の発生を防止することができ、また、リチウム二次電池とした場合における、初期容量及びサイクル特性に優れる結果となった(実施例1〜9)。
また、アルカリ土類金属化合物を使用しなかった場合、及び、アルカリ土類金属化合物の代わりに1価の金属化合物である水酸化ナトリウムを使用した場合には、集電体の腐食が発生し、初期容量及びサイクル特性に劣る結果となった(比較例2,3)。
Claims (5)
- チタン酸リチウム化合物、バインダ、水、有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物を含み、
前記有機ホスホン酸化合物の量が、前記チタン酸リチウム化合物100重量部に対して、0.1重量部以上3重量部以下であり、
前記アルカリ土類金属化合物の量が、前記チタン酸リチウム化合物100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下であり、
前記有機ホスホン酸化合物と前記アルカリ土類金属化合物との含有比率が、「有機ホスホン酸化合物/アルカリ土類金属化合物」の重量比で、1/5以上1/0.1以下である、リチウム二次電池用負極スラリー組成物。 - 前記アルカリ土類金属化合物が、アルカリ土類有機金属化合物である、請求項1記載のリチウム二次電池用負極スラリー組成物。
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体に、請求項1又は2記載のリチウム二次電池用負極スラリー組成物の層を形成し、乾燥させることを含む、リチウム二次電池用負極の製造方法。
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体と、負極活物質層とを備え、
前記負極活物質層が、チタン酸リチウム化合物、水系バインダ、有機ホスホン酸化合物及びアルカリ土類金属化合物を含み、
前記有機ホスホン酸化合物の量が、前記チタン酸リチウム化合物100重量部に対して、0.1重量部以上3重量部以下であり、
前記アルカリ土類金属化合物の量が、前記チタン酸リチウム化合物100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下であり、
前記有機ホスホン酸化合物と前記アルカリ土類金属化合物との含有比率が、「有機ホスホン酸化合物/アルカリ土類金属化合物」の重量比で、1/5以上1/0.1以下である、リチウム二次電池用負極。 - 請求項4に記載のリチウム二次電池用負極、正極、セパレータ、及び電解質を備える、リチウム二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011101270A JP5652313B2 (ja) | 2011-04-28 | 2011-04-28 | リチウム二次電池用負極スラリー組成物、リチウム二次電池用負極の製造方法、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011101270A JP5652313B2 (ja) | 2011-04-28 | 2011-04-28 | リチウム二次電池用負極スラリー組成物、リチウム二次電池用負極の製造方法、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012234665A JP2012234665A (ja) | 2012-11-29 |
JP5652313B2 true JP5652313B2 (ja) | 2015-01-14 |
Family
ID=47434805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011101270A Expired - Fee Related JP5652313B2 (ja) | 2011-04-28 | 2011-04-28 | リチウム二次電池用負極スラリー組成物、リチウム二次電池用負極の製造方法、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5652313B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013211203A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Furukawa Battery Co Ltd:The | 非水電解質電池用負極の製造方法、非水電解質電池用負極及び製造用スラリー |
WO2014112436A1 (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-24 | 日本ゼオン株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
JP6191294B2 (ja) * | 2013-07-12 | 2017-09-06 | 日本電気株式会社 | 二次電池用負極およびその製造方法、それを用いた二次電池 |
DE102013216046A1 (de) * | 2013-08-13 | 2015-02-19 | Volkswagen Varta Microbattery Forschungsgesellschaft Mbh & Co. Kg | Verfahren und Zusammensetzung zur Herstellung von positiven Elektroden für Lithium-Ionen-Batterien |
DE102013111826A1 (de) * | 2013-10-28 | 2015-04-30 | Westfälische Wilhelms-Universität Münster | Verfahren zur Herstellung einer Elektrode für eine Lithium-Ionen-Batterie |
JP6221743B2 (ja) * | 2013-12-27 | 2017-11-01 | 日本ゼオン株式会社 | リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 |
WO2015132845A1 (ja) * | 2014-03-03 | 2015-09-11 | 株式会社日立製作所 | 全固体電池 |
KR101751574B1 (ko) | 2014-09-30 | 2017-06-27 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 이차 전지용 음극 활물질, 이의 제조 방법, 이를 포함하는 리튬 이차 전지용 음극, 및 리튬 이차 전지 |
JP7224850B2 (ja) * | 2018-10-25 | 2023-02-20 | テイカ株式会社 | 蓄電デバイス用出力向上剤を含む蓄電デバイス用正極又はセパレータ、並びにそれらを含む蓄電デバイス |
FI20215234A1 (en) * | 2021-03-03 | 2022-09-04 | Kemira Oyj | CATHODE COMPOSITION FOR A LITHIUM ION BATTERY |
WO2023149402A1 (ja) * | 2022-02-03 | 2023-08-10 | 東ソー株式会社 | 水溶性キレートポリマー及びその製造方法 |
JP7089127B1 (ja) * | 2022-02-17 | 2022-06-21 | 大日精化工業株式会社 | 水性塗工液、蓄電装置用電極、及び蓄電装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6221534B1 (en) * | 1998-11-25 | 2001-04-24 | Wilson Greatbatch Ltd. | Alkali metal electrochemical cell having an improved cathode activated with a nonaqueous electrolyte having a carbonate additive |
JP4237785B2 (ja) * | 2005-09-09 | 2009-03-11 | 株式会社東芝 | 非水電解質二次電池および組電池 |
JP5303081B2 (ja) * | 2008-10-08 | 2013-10-02 | 国立大学法人福井大学 | 非水電解質二次電池用正極材料 |
FR2937185B1 (fr) * | 2008-10-09 | 2011-02-25 | Batscap Sa | Electrode comprenant un oxyde complexe modifie comme matiere active. |
JP5949547B2 (ja) * | 2010-06-29 | 2016-07-06 | 日本ゼオン株式会社 | 二次電池負極用水系バインダー組成物 |
JP5751256B2 (ja) * | 2010-09-16 | 2015-07-22 | 日本ゼオン株式会社 | 二次電池用正極 |
-
2011
- 2011-04-28 JP JP2011101270A patent/JP5652313B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012234665A (ja) | 2012-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5652313B2 (ja) | リチウム二次電池用負極スラリー組成物、リチウム二次電池用負極の製造方法、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 | |
JP5751256B2 (ja) | 二次電池用正極 | |
JP6638658B2 (ja) | 非水系二次電池正極用バインダー組成物、非水系二次電池正極用組成物、非水系二次電池用正極および非水系二次電池、並びに、非水系二次電池正極用組成物、非水系二次電池用正極および非水系二次電池の製造方法 | |
KR101819067B1 (ko) | 이차 전지용 정극 및 그 제조 방법, 슬러리 조성물, 그리고 이차 전지 | |
JP5534245B2 (ja) | 二次電池用正極及び二次電池 | |
JP5707847B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極組成物、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 | |
JP5499951B2 (ja) | 二次電池用バインダー、製造方法、二次電池負極用組成物、及び二次電池 | |
WO2012165422A1 (ja) | リチウム二次電池正極用複合粒子、リチウム二次電池正極用複合粒子の製造方法、リチウム二次電池用正極の製造方法、リチウム二次電池用正極、及びリチウム二次電池 | |
JP2013008485A (ja) | 二次電池用正極及び二次電池 | |
KR20140106546A (ko) | 2 차 전지 정극용 바인더 조성물, 2 차 전지 정극용 슬러리 조성물, 2 차 전지 정극 및 2 차 전지 | |
JP2014203804A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP2014165131A (ja) | リチウムイオン二次電池正極用スラリー組成物の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極の製造方法、及び、リチウムイオン二次電池 | |
JP6020209B2 (ja) | 二次電池負極用スラリー組成物の製造方法 | |
JP2011076981A (ja) | 二次電池用正極の製造方法、二次電池正極用スラリー及び二次電池 | |
JP2014089834A (ja) | リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物及びその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極、並びにリチウムイオン二次電池 | |
WO2015064099A1 (ja) | リチウムイオン二次電池正極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6485459B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用多孔膜およびリチウムイオン二次電池 | |
US20160118663A1 (en) | Slurry composition for positive electrode of lithium ion secondary battery, method of producing positive electrode for lithium ion secondary battery, positive electrode for lithium ion secondary battery, and lithium ion secondary battery | |
KR20190074320A (ko) | 코어 쉘형 입자 및 이의 용도 및 제조 방법 | |
JP6547630B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 | |
JP6070266B2 (ja) | リチウムイオン二次電池正極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用正極の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極、及び、リチウムイオン二次電池 | |
JP6237758B2 (ja) | リチウムイオン二次電池正極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用正極の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6759589B2 (ja) | 電気化学素子用導電性組成物、電気化学素子電極用組成物、接着剤層付集電体及び電気化学素子用電極 | |
WO2014157061A1 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
WO2014112436A1 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140317 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140820 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140826 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140922 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141021 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141103 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5652313 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |