JP5949303B2 - エピタキシャル成長炉の評価方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

エピタキシャル成長炉の評価方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エピタキシャルウェーハ製造に使用されるエピタキシャル成長炉の評価方法および上記評価方法による汚染管理がなされたエピタキシャル成長炉を使用するエピタキシャルウェーハの製造方法に関するものである。
エピタキシャル成長を行う熱処理炉(エピタキシャル成長炉)の金属汚染に起因してエピタキシャルウェーハに金属不純物が混入することは、デバイス特性低下の原因となる。そこで、エピタキシャル成長炉の金属汚染を、同炉内で熱処理したモニターウェーハの金属汚染レベルから間接的に評価し、必要に応じて炉内の洗浄、部品交換等の金属汚染低減のための管理を行うことが、日常的に実施されている。
シリコンウェーハの金属汚染の評価方法としては、特許文献1、2等に記載されているマイクロ波光導電減衰法(以下、μ−PCD法ともいう。)による再結合ライフタイム(以下、単にライフタイムとも記載する。)測定が広く用いられている。
特開2009−302240号公報 特開2010−40813号公報
近年、デバイスの高性能化に伴い、エピタキシャル成長炉の金属汚染管理への要求は、ますます厳しくなっている。例えば、CCD・CMOSイメージセンサーなどの撮像素子用エピタキシャルウェーハにおいては、撮像素子の高性能化に伴って、エピタキシャル層のわずかな金属汚染でも撮像素子の白キズ不良の原因となる場合があるため、高いクリーン度のエピタキシャル成長炉でエピタキシャル層の形成を行うことが求められるようになってきている。そのため、エピタキシャル成長炉の金属汚染評価には、わずかな金属汚染の検出も可能とするために更なる高感度化が要求されている。
そこで本発明の目的は、エピタキシャル成長炉の金属汚染を高感度に評価するための手段を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ボロンドープp型シリコン基板をエピタキシャル成長炉の金属汚染を評価するためのモニターウェーハとして使用する場合には、下記工程(A)〜(C)を実施することにより、Fe以外の金属汚染の検出感度を大きく向上できるとの、新たな知見を得るに至った。
(A)μ−PCD法による少数キャリアの再結合ライフタイム測定前に、評価対象のエピタキシャル成長炉内で形成したエピタキシャル層の表面から所定深さまで、ウェーハ表層部を除去する。
評価対象のエピタキシャル成長炉で気相成長を行ったモニターウェーハの表層部には、何らかのライフタイム低下要因(ごく微小なクラック、欠陥等と考えられる)が存在し、これは通常のSC1洗浄やHF処理では十分除去することができないと推察される。工程(A)により感度向上が可能となる理由は、上記のライフタイム低下要因が、気相成長後のモニターウェーハの表層部ごと除去されることにあると考えられる。
(B)上記除去後のウェーハを、所定温度で熱処理する。
ライフタイムは、ウェーハ表面から裏面までの、バルク全体における過剰注入キャリアの減衰の平均的な姿を反映している。ボロンドープp型シリコン基板にFeが混入すると、Feは気相成長のための熱処理中にバルクの奥深くまで拡散し、熱処理終了後室温に戻るとFe−Bペアを形成する。Fe−Bペアは各種金属と比べて強力なライフタイムキラーであり、Fe汚染の大小がライフタイムの値に大きく影響してしまうため、Fe以外の金属、例えば拡散の遅いMoやTiなどによる汚染の有無や程度を評価したい場合、ライフタイム値に対するバルク汚染の影響は外乱となる。そこで、Fe−Bペアを乖離し得る温度で熱処理を行いFeを格子間Feとして存在させれば、ライフタイム測定前にFe−Bペアによる外乱を低減ないし排除することができるため高感度測定が可能になると、本発明者らは推察している。
(C)再結合ライフタイム測定のためのキャリア注入量を所定値以上とする。
特許文献2には、感度向上のためにはキャリア注入量は低くすべきと記載されているが、上記工程(B)を行った後には、キャリア注入量を高くすることが感度向上につながることが、本発明者らの検討の結果、明らかとなった。この点について本発明者らは、以下のように推定している。
Fe−Bペアによる外乱はキャリア注入量が多いほど大きくなるため、Fe−Bペア乖離処理を行っていない状態ではキャリア注入量を低くすることがFe−Bペアの外乱の影響を低減するためには好ましい。他方、Feが格子間Feとして存在するのであれば、キャリア注入量が大きいほどFe汚染によるライフタイムへの影響は小さくなる。また、キャリア注入量が大きいほど表面再結合速度が小さくなりライフタイムの値は大きくなる。したがって、Fe−Bペアを乖離しFeを格子間Feとして存在させれば、キャリア注入量を大きくすることが、わずかな金属汚染の検出には有利である。したがって、上記工程(B)によりFe−Bペアを乖離して格子間Feにすれば、キャリア注入量を多くするほどライフタイム測定によるFe以外の金属汚染の検出感度を向上することができる。特に、上記工程(A)により表層部を除去したうえで、工程(B)によりFe−Bペアの影響を低減ないし排除することで、所定値以上の高注入量でキャリアを注入することによりFe以外の金属汚染の検出感度の格段の向上が可能となることは、本発明者らにより新たに見出された知見である。
即ち、上記目的は、下記手段により達成された。
[1]エピタキシャル成長炉の評価方法であって、
評価対象のエピタキシャル成長炉においてボロンドープp型シリコン基板上にエピタキシャル層を気相成長させてエピタキシャルウェーハを得ること、
上記エピタキシャルウェーハをエピタキシャル層表面から厚み1μm以上除去すること、
上記除去後のウェーハを200〜400℃の加熱温度で熱処理すること、
上記熱処理後のウェーハの上記除去を行った表面に表面不活性化処理を施すこと、
上記表面不活性化処理後のウェーハ表面に励起光を照射し9×1012Photons/cm2以上のキャリア注入を行いマイクロ波光導電減衰法により前記ウェーハのライフタイムを測定すること、および、
上記測定により得られた測定値に基づき前記エピタキシャル成長炉の金属(ただし、Feを除く)汚染を評価すること、
を特徴とする、前記評価方法。
[2]前記シリコン基板の基板抵抗は5〜20Ω・cmの範囲である[1]に記載のエピタキシャル成長炉の評価方法。
[3]前記表面不活性化処理を、ケミカルパッシベーション法により行う[1]または[2]に記載のエピタキシャル成長炉の評価方法。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の評価方法によりエピタキシャル成長炉の評価を行うこと、および、
評価の結果、金属汚染の程度が許容レベルと判定されたエピタキシャル成長炉において、または、評価の結果、金属汚染の程度が許容レベルを超えると判定されたエピタキシャル成長炉に金属汚染低減処理を施した後に該エピタキシャル成長炉において、エピタキシャル層を気相成長させること、
を含むエピタキシャルウェーハの製造方法。
本発明によれば、エピタキシャル成長炉の金属汚染の有無や程度を感度よく評価することができる。更に、得られた評価結果に基づきエピタキシャル成長炉の金属汚染を管理することにより、金属汚染の少ない高品質なエピタキシャルウェーハを提供することが可能となる。
エピタキシャルウェーハの表層部除去および熱処理による測定感度向上効果を示す結果である。 図1に示す結果を得るために用いたシリコン基板のSPV測定によるバルクFe濃度の算出値を示す。 表層部除去厚とライフタイム値との関係を示すグラフである。 μ−PCD法によるライフタイム測定におけるキャリア注入量に関する検討結果を示すグラフである。
本発明は、以下の工程を含む、エピタキシャル成長炉の評価方法に関する。
評価対象のエピタキシャル成長炉においてボロンドープp型シリコン基板上にエピタキシャル層を気相成長させてエピタキシャルウェーハを得ること、
上記エピタキシャルウェーハをエピタキシャル層表面から厚み1μm以上除去すること、
上記除去後のウェーハを200〜400℃の加熱雰囲気に配置して熱処理すること、
上記熱処理後のウェーハの上記除去を行った表面に表面不活性化処理を施すこと、
上記表面不活性化処理後のウェーハ表面に励起光を照射し9×1012Photons/cm2以上のキャリア注入を行いマイクロ波光導電減衰法により前記ウェーハのライフタイムを測定すること、および、
上記測定により得られた測定値に基づき前記エピタキシャル成長炉の金属(ただし、Feを除く)汚染を評価すること。
以下、本発明の評価方法について、更に詳細に説明する。
本発明において、エピタキシャル成長炉の金属汚染を評価するために使用するモニターウェーハは、ボロンドープp型シリコン基板である点以外、特に限定されるものではない。エピタキシャル成長炉の汚染金属の回収およびウェーハ内への拡散を良好に行う観点からは、上記シリコン基板の基板抵抗は、5〜20Ω・cmの範囲であることが好ましい。基板の厚さは、作業性等の観点から、500〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
上記シリコン基板を評価対象のエピタキシャル成長炉に導入し基板上にエピタキシャル層を気相成長させると、炉内に存在していた金属不純物は、得られたエピタキシャルウェーハのエピタキシャル層またはシリコン基板に捕獲され、その後、気相成長のための熱処理中に、形成されたエピタキシャル層およびシリコン基板のバルク内部に拡散する。こうしてウェーハ内に取り込まれた金属不純物は、ライフタイム値を低下させるため、ライフタイム値の大小により金属汚染の有無や程度を判定することができるのであるが、エピタキシャル成長炉から取り出したエピタキシャルウェーハを、そのまま通常のμ−PCD法によるライフタイム測定に付すと、エピタキシャル成長炉の金属汚染を感度よく正確に評価することは困難である。
これに対し本発明では、先に説明した工程(A)および(B)を実施することで、感度低下要因を排除したうえで、前述の工程(C)において高キャリア注入量で励起光照射を行うことで、高感度評価を可能とする。なお、上記シリコン基板上にエピタキシャル層を気相成長させる条件は、実製造における気相成長条件と同一ないし類似の条件とすることが、製品ウェーハにおいて発生し得るエピタキシャル成長炉に起因する金属汚染を正確に把握するために好ましい。
以下に、前述の工程(A)〜(C)の詳細を、順次説明する。
工程(A)は、エピタキシャル成長炉から取り出したエピタキシャルウェーハをエピタキシャル層表面から所定厚さ除去する工程である。除去厚みが1μm未満では、表層部を除去することによる効果を十分に得ることは困難であり、また均一な除去も困難である。したがって、除去厚みは1μm以上とする。エピタキシャル層をすべて除去してもよいため、最大除去厚さは、形成したエピタキシャル層の厚さ(例えば10〜20μm程度)であってもよい。エピタキシャル層をすべて除去したうえで更に基板表層部をエッチングにより除去することも可能ではあるが、拡散速度が遅くてエピタキシャル層に留まり、通常のμ−PCD法による評価では高感度検出が困難な金属(例えばMo、Ti)汚染を評価する場合には、基板までエッチングすることは好ましくない。また、除去厚みが厚いほど除去に時間を要し評価にかかる時間が長くなるため、除去厚みは、作業効率を維持しつつ均一な除去を行うことができる範囲とすることが好ましく、例えば2〜5μm程度とすることが好適である。エピタキシャルウェーハ表層部の除去は、酸エッチング等の公知の方法で行うことができる。こうして表層部を除去することで、表層部に存在するライフタイム低下要因を低減ないし排除し評価の感度を高めることができる。表層部を除去した後、ウェーハ表面を任意にHF処理等の清浄化処理に付すこともできる。
Feは、結晶引き上げ等のシリコン基板の製造工程において混入する可能性の高い金属種であるが、前述の通り、ボロンドープp型シリコン基板では、強力なライフタイムキラーであるFe−Bを形成してしまう。これに対し、本発明において表層部を除去した後のウェーハに施す熱処理は、Fe−Bペアを乖離する作用を果たしていると、本発明者らは考えている。Feは、Fe−Bペアを形成している状態と比べて格子間Feとして存在する方がライフタイム値への影響ははるかに小さいため、熱処理によりFe−Bペアを格子間Feと置換型Bに乖離することで、ライフタイム測定による評価の感度を高めることができる。
Fe−Bペアは、200℃以上の加熱温度で数分以内に乖離することが知られているため、加熱温度は200℃以上とする。ただし、加熱温度が400℃を超えると、サーマルドナーによるライフタイム値の変動が大きくなる。そこで本発明では、表層部を除去した後のウェーハを200〜400℃の範囲の温度で加熱することとする。なお、本発明における加熱温度とは、表層部除去側のウェーハ表面の温度をいうものとする。Fe−Bペアの乖離はごく短時間で起こるため、例えば1分間〜60分間程度の加熱によりFe−Bペアによる外乱を十分に低減ないし排除することができる。ウェーハの加熱は、加熱雰囲気への配置、ホットプレート上での加熱、等の公知の方法で実施することができる。
加熱により乖離したFeとBがライフタイム測定を行うまでの間にリペアリング(再結合)することは、Fe−Bペアによる外乱を排除する観点から好ましくない。リペアリングに要する時間は、ウェーハ中のボロン濃度依存性がある。ボロン濃度に依存するFe−Bペアリング速度については、当分野で多数報告されており、リペアリング速度とボロン濃度との間には、以下の関係式が成立することが知られている(D. H. Macdonald, L. J. Geerligs, and A. Azzizi, Journal of Applied Physics Vol. 95, No.3, 2004参照)。
[式中、NAはホウ素濃度;τassocはFe-Bペア形成の時定数;kBはボルツマン定数;kB=8.62×10-5eV/°K;Tは絶対温度、である。]
上記式から、例えば、ボロン濃度が1×1016atms/cm3近辺のシリコンは室温(20〜25℃程度)であれば3〜4時間、80℃程度であれば30分〜1時間程度で、ほぼ100%Fe−Bペアに戻ることが確認できる。したがって、上記加熱後にライフタイム測定を行うまでの時間は、上記の点を考慮し、リペアリングによるFe−Bペアの再形成が多く生じない時間内とすることが好ましい。
上記加熱後のウェーハは、通常のμ−PCD法によるライフタイム測定に付される。励起光照射前には、光照射されるウェーハ表面に、前処理として表面不活性化処理が施される。表面不活性化処理としては、熱酸化によりウェーハ表面に酸化膜を形成する方法(酸化法)とウェーハ表面をケミカルパッシベーション溶液と接触させる方法(ケミカルパッシベーション法)が知られている。酸化法では、酸化膜形成のために使用した熱処理炉の汚染がライフタイム値に影響を及ぼす可能性があるため、ケミカルパッシベーション法の使用が好ましい。ケミカルパッシベーション溶液としては、ヨウ素を含有するエタノール(ヨウ素エタノール液、例えば濃度0.02〜0.2 N)、HF水溶液(例えば濃度0.1〜20%)、キンヒドロンメタノール液(例えば濃度0.005〜0.05 N)、キンヒドロン・エタノール液(例えば濃度0.005〜0.05 N)等を用いることができる。
表面不活性化後、ウェーハの厚さに応じて、ウェーハ内ですべての光が吸収されるように励起光の波長を設定し、この設定波長において光パルスを発生させ、表面不活性化処理を施したウェーハ表面に対して照射すると、光パルスによりウェーハ表面および内部に発生した過剰キャリアによってウェーハの導電率が増加し、過剰キャリアが再結合によって消滅するに従い導電率が減少する。このときの反射マイクロ波のパワーの時間変化を検出、解析することで、再結合ライフタイムを求めることができる。ここで本発明では励起光照射によるキャリア注入量を9×1012Photons/cm2以上とすることで、金属汚染の検出感度を高めることができる。キャリア注入量が多いほど検出感度は向上するため好ましいが、キャリアの表面再結合を抑制する観点からは、1×1014Photons/cm2以下とすることが好ましい。
上記工程を経て測定されるライフタイム値は、Fe−Bペアやウェーハ表層部のライフタイム低下要因による影響が低減ないし排除されたものであるため、評価対象のエピタキシャル成長炉の金属汚染状態を良好に示すものであり、値が小さいほど、評価対象のエピタキシャル成長炉の金属汚染が多いと判定することができる。なお本発明において金属汚染を評価する金属種には、Feは含まれないものとする、
更に本発明は、本発明の評価方法によりエピタキシャル成長炉の評価を行うこと、および、評価の結果、金属汚染の程度が許容レベルと判定されたエピタキシャル成長炉において、または、評価の結果、金属汚染の程度が許容レベルを超えると判定されたエピタキシャル成長炉に金属汚染低減処理を施した後に該エピタキシャル成長炉において、エピタキシャル層を気相成長させること、を含むエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
本発明のエピタキシャル成長炉の評価方法によれば、エピタキシャル成長炉の金属汚染を高感度に評価することができる。例えば、ライフタイム値が予め設定していた閾値に満たない場合には金属汚染の程度が許容レベルを超えていると判定する判定基準に基づき、エピタキシャル成長炉の金属汚染の有無を判定することとすれば、許容レベルと判定されたエピタキシャル成長炉は製品エピタキシャルウェーハの実製造に使用し、許容レベルを超えると判定されたエピタキシャル成長炉には、汚染原因を低減ないし排除するように炉内の洗浄、部品の交換等を行うことにより、エピタキシャル成長炉からの金属不純物の混入が抑制された高品質なエピタキシャルウェーハを製造することが可能となる。なお本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法には、製品エピタキシャルウェーハ製造時にエピタキシャル成長炉に評価用のモニターウェーハ(ボロンドープp型シリコン基板)を導入し、製品ウェーハと同じ炉内で気相成長を行った後に本発明の評価方法により評価し、エピタキシャル成長炉の汚染の程度が許容レベルであることが確認された炉内で製造されたエピタキシャルウェーハを、製品ウェーハとして出荷する態様も包含される。
上記における閾値(許容レベル)は、製品ウェーハに求められる品質に応じて適宜設定することができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。ただし本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。以下に記載の「%」とは、質量%である。
1.表層部エッチングおよび熱処理による感度向上の確認
シリコン基板として、p型(直径200mm、厚み725μm、比抵抗10Ω・cm)のシリコンウェーハを用いて、クリーン度が互いに異なる3つのエピタキシャル成長炉内でそれぞれ厚さ10μmのエピタキシャル層を気相成長させた。以下では、上記3つのエピタキシャル成長炉を炉A、B、Cと記載し、炉A内でエピタキシャル層を形成したウェーハをサンプルA、炉B内でエピタキシャル層を形成したウェーハをサンプルB、炉C内でエピタキシャル層を形成したウェーハをサンプルCと記載する。同一炉内で処理したシリコンウェーハは、同一ロット内から得たものであったため、バルクFe濃度は同等とみなすことができる。
それぞれのサンプルを、フッ酸、硝酸および酢酸を、フッ酸(濃度50%):硝酸(濃度75%):酢酸(濃度99%)=1:10:10(体積比)で混合した酸エッチング液に6分間浸漬した。マイクロメーターでエッチング厚を測定したところ、ウェーハ両面のエッチング量は合計6μmであり、エッチング量は両面でほぼ等しいと考えられるため、上記酸エッチングにより、各サンプルのエピタキシャル成長層の表層部が3μmエッチングされたことになる。
エッチング後のサンプルは、同水準サンプルを熱処理あり・なしに分けて評価を行った。熱処理ありサンプルは、エッチング後にホットプレート上で210℃の加熱温度で10分間熱処理した後、1時間以内に5%のHF溶液に10分間浸し、次いで0.05mol/Lのヨウ素/エタノール溶液に浸漬しパッシベーション(ケミカルパッシベーション)を行った後、表層部を除去した側のウェーハ表面にレーザー光(励起光)を照射しμ−PCD法によりライフタイムを測定した。熱処理なしのものは、熱処理を行わなかった点以外は上記と同様の処理を行い、ライフタイムを測定した。励起光は、キャリア注入量が1.5×1013Photon/cm2となる条件で照射した。
上記とは別に、サンプルA、B、Cそれぞれについて、表層部エッチングおよび熱処理を行わずに、上記と同様のμ−PCD法によるライフタイム測定を行った。ライフタイム測定後、サンプルのバルクFe濃度を測定するためにライフタイム測定を行った面とは反対の面からSPV測定を行い、エピタキシャル層の重金属濃度を測定するためにDLTS測定を行った。
ライフタイム測定の結果を図1に、SPV測定によるバルクFe濃度の算出値を図2に、DLTS測定によるエピタキシャル層のTi定量結果を表1に示す。
図1(1)に示すように、従来法のライフタイム測定と同様に、表層部エッチングおよび熱処理を行わずに測定されたライフタイム値は、高い方から、サンプルC>サンプルB>サンプルAの順番になった。図2に示したバルクFe濃度の測定結果と対比すると、上記順番はFe濃度が低い順番になっていることから、従来法のライフタイム測定ではバルクのFe濃度の影響が強いことが確認できる。
一方、図1(2)に示した測定結果の中で、「エッチングなし」の測定結果は、サンプルA、B、Cすべて同等レベルであり、図1(1)に示した測定結果のようにバルクFe濃度との相関が見られないことから、Feがライフタイム測定値に与える影響が熱処理により低減されたことが確認できる。これは前述のように、熱処理によりライフタイムキラーであるFe−Bペアが乖離したことによるものと考えられる。ただし表1に示すTi定量結果との相関は見られない。
これに対し、図1(2)に示す「エッチングあり」の測定結果は、ライフタイム値は高い方から、サンプルA>サンプルB>サンプルCの順番になり、表1に示すようにDLTS測定によりエピタキシャル層のTi汚染が検出されたサンプルCが最も金属汚染が多いことを示す結果となっている。
以上の結果から、ライフタイム測定の前処理として、最表層のエッチングおよび熱処理を行うことで、エピタキシャル層の金属汚染(上記の例ではTi)の検出感度が向上し、信頼性の高い評価を行うことが可能となることが確認できる。
2.熱処理温度に関する検討
シリコン基板として、p型(直径200mm、厚み725μm)のポリッシュドウェーハを、ホットプレート上に配置し加熱温度210℃、350℃、450℃の順番でそれぞれ40分ずつ40分間熱処理し、熱処理前および各熱処理後に四探針測定値により抵抗を測定した。結果を表2に示す。
表2に示すように450℃の熱処理後に抵抗が高くなった理由は、400℃を超えると顕在化するサーマルドナーの影響と考えられる。抵抗変化はライフタイム値に影響を与えるため、サーマルドナーの影響を受けずにライフタイム測定を行うために、加熱温度は400℃以下にすべきことが、表2に示す結果から確認できる。
3.表層部除去厚に関する検討
シリコン基板として、p型(直径200mm、厚み725μm、比抵抗10Ω・cm)のシリコンウェーハを用いて、エピタキシャル成長炉内でノンドープのエピタキシャル層を厚さ6μm気相成長させエピタキシャルウェーハを得た。
このウェーハとは別に、シリコン基板として、p型(直径200mm、厚み725μm、比抵抗20Ω・cm)のポリッシュドウェーハを準備した。
これらのウェーハをエッチング前、および徐々にエッチングしながら、前記1.と同様のケミカルパッシベーション法でライフタイム測定を行った。エッチング液としては、フッ酸(濃度50%):硝酸(濃度75%):酢酸(濃度99%)=1:10:10(体積比)の混酸を使用し、エッチング液へのウェーハ浸漬時間(エッチング時間)は2分、+3分、+3分、+5分として、4回エッチングを行った。マイクロメーターで測定した両面合わせたエッチング厚の半分の値を、片面のエッチング厚とした。
各ライフタイム測定では、4mmピッチでマップ測定を行い相互の比較を行った。結果を、図3に示す。
図3に示すように、エピタキシャルウェーハのライフタイム値は、エッチング厚1μm未満では、エッチング前と同等かやや低めの値であり、厚さ1μm以上エッチングすると、エッチング前よりも高くなった。
ポリッシュドウェーハのライフタイム値は、エッチング厚1μm未満ではエッチング前より低い値であった。これは、厚さ1μm未満のエッチングではエッチングにムラがあり、ステインができていることに起因すると考えられる。
以上の結果から、表層部のライフタイム低下要因を除去し評価の感度を高めるためには、表層部の除去厚は1μm以上にすべきであることが確認できる。
4.キャリア注入量に関する検討
シリコン基板として、p型(直径200mm、厚み725μm、比抵抗10Ω・cm)のシリコンウェーハを用いて、2つの異なるエピタキシャル成長炉においてそれぞれ、ノンドープのエピタキシャル層を厚さ6μm気相成長させエピタキシャルウェーハを得た。得られた2枚のエピタキシャルウェーハ(以下、EP1、EP2と記載する。)をエッチングせずに、面内9点においてμ−PCD法により一般的なキャリア注入量(1.2×1013Photons/cm2:約8×1015Photon/cm3)でライフタイム測定を行ったところ、EP1の方が高い結果になった。これら2枚のウェーハを210℃×10min.の熱処理を行い、励起光のキャリア注入量を1.5×1013Photons/cm2から1.5×1011Photons/cm2まで変化させて、ウェーハ間の差を調べた。その結果を図4(1)に示す。
次に、EP1、EP2をフッ酸(濃度50%):硝酸(濃度75%):酢酸(濃度99%)=1:10:10(体積比)の混酸に6分間浸漬し表層部をエッチングした。マイクロメーターにより測定したところ、エッチング厚は表側・裏側の合計が6μmであり、エッチング量は表側と裏側でほぼ等しいと考えられるため、厚さ6μmのエピタキシャル層のうちの、最表層3μmをエッチングしたことになる。エッチング後も上記と同様に210℃×10min.の熱処理を行い、キャリア注入量を変化させてライフタイム測定を行いウェーハ間の差を調べた。その結果を図4(2)に示す。
図4(2)に示す結果から、9×1012Photons/cm2以上の高キャリア注入量で励起光を照射することにより、ウェーハ間のライフタイム値の差(金属汚染の程度の差)を、有意な差として認識可能となる、即ち検出感度が向上することが確認できる。
また、図4(1)に示す結果と図4(2)に示す結果との対比により、エッチングにより表層部を除去したうえで高キャリア注入量での励起光照射を行うことにより、検出感度向上が可能となることも確認できる。
本発明は、エピタキシャルウェーハの製造分野に有用である。

Claims (4)

  1. エピタキシャル成長炉の評価方法であって、
    評価対象のエピタキシャル成長炉においてボロンドープp型シリコン基板上にエピタキシャル層を気相成長させてエピタキシャルウェーハを得ること、
    上記エピタキシャルウェーハをエピタキシャル層表面から厚み1μm以上除去すること、
    上記除去後のウェーハを200〜400℃の加熱温度で熱処理すること、
    上記熱処理後のウェーハの上記除去を行った表面に表面不活性化処理を施すこと、
    上記表面不活性化処理後のウェーハ表面に励起光を照射し9×1012Photons/cm2以上のキャリア注入を行いマイクロ波光導電減衰法により前記ウェーハのライフタイムを測定すること、および、
    上記測定により得られた測定値に基づき前記エピタキシャル成長炉の金属(ただし、Feを除く)汚染を評価すること、
    を特徴とする、前記評価方法。
  2. 前記シリコン基板の基板抵抗は5〜20Ω・cmの範囲である請求項1に記載のエピタキシャル成長炉の評価方法。
  3. 前記表面不活性化処理を、ケミカルパッシベーション法により行う請求項1または2に記載のエピタキシャル成長炉の評価方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の評価方法によりエピタキシャル成長炉の評価を行うこと、および、
    評価の結果、金属汚染の程度が許容レベルと判定されたエピタキシャル成長炉において、または、評価の結果、金属汚染の程度が許容レベルを超えると判定されたエピタキシャル成長炉に金属汚染低減処理を施した後に該エピタキシャル成長炉において、エピタキシャル層を気相成長させること、
    を含むエピタキシャルウェーハの製造方法。
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